JPH0526306A - 電子制御差動制限装置 - Google Patents

電子制御差動制限装置

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JPH0526306A
JPH0526306A JP3015306A JP1530691A JPH0526306A JP H0526306 A JPH0526306 A JP H0526306A JP 3015306 A JP3015306 A JP 3015306A JP 1530691 A JP1530691 A JP 1530691A JP H0526306 A JPH0526306 A JP H0526306A
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gear
differential
pressure
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Tomoyuki Hara
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1目的:簡単な構造で、クラッチ締結手段
の押し付け力がサイドギヤに伝達されること及びサイド
ギヤからのピニオンメートとの締結反力がクラッチに伝
達されることを防止して制御精度の向上を図る。第2目
的:クラッチとクラッチ締結手段との間に設けるプレッ
シャベアリングに小型であっても耐久信頼性の高くスラ
ストベアリングを用いながら、イニシャルトルクやカジ
リ及び摩耗等が生じる恐れなく予圧を与えることを可能
にする。 【構成】 クラッチ締結反力を受圧してサイドギヤ8,
8’への伝達を阻止し、サイドギヤからのピニオンメー
トギヤ11との噛合反力を受圧してデファレンシャルケ
ース3に伝達して摩擦クラッチ13,13’への伝達を
阻止する左右伝達阻止部材29,29’を設ける。プレ
ッシャベアリング26,26’に予圧を与えるスプリン
グ28,28’をハブ21,21’とプレッシャプレー
ト24,24’との間に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子制御の差動制限装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子制御差動制限装置として、例
えば、特開昭61−59044号公報に記載されている
もの(以下、第1従来技術という)や、特開昭63−8
3435号公報に記載されているもの(以下、第2従来
技術という)等が知られている。
【0003】これらは、ハウジングに回転自在に支持さ
れたデファレンシャルケースと、前記デファレンシャル
ケース内に対向して配置され、ピニオンメートギヤに噛
合されると共に出力軸に連結された2つのサイドギヤ
と、サイドギヤとデファレンシャルケースとの間に配設
されたクラッチと、該クラッチをサイドギヤとピニオン
メートギヤとの噛合力が増す方向に押すクラッチ締結手
段とが設けられ、第2従来技術はクラッチ及びクラッチ
締結手段が片側に1つづつ設けられた構造となってい
る。また、第1従来技術は、クラッチの耐久性向上,径
方向の大型化防止及び左右バランス性向上のために、ク
ラッチ及びクラッチ締結手段が左右に各1つづつ設けら
れた構造となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
第1従来装置にあっては、クラッチ締結手段による押し
付け力がサイドギヤに伝達されるのは阻止されるが、サ
イドギヤからのピニオンメートギヤとの締結反力がクラ
ッチに作用してしまい制御精度が低下する。
【0005】一方、第2従来技術にあっては、このよう
な問題は生じないが、デファレンシャルケースを3分割
で構成することで、これが可能となっており構造が複雑
であり、重量増及びコスト増を招く。
【0006】また、クラッチとクラッチ締結手段との間
には、回転差を吸収して押し付け力を伝達するためのプ
レッシャベアリングが設けられていて、このプレッシャ
ベアリングにはラジアル方向で支持するラジアルベアリ
ングを使用する例が多い。この場合、プレッシャベアリ
ングに予圧を与える必要はないものの、クラッチ締結手
段による押し付け力が高いため、その押し付け力を伝達
し、プレッシャベアリングの耐久信頼性を確保するため
に大型化するという問題があった。一方、このようなプ
レッシャベアリングとしてスラスト方向で支持するスラ
ストベアリングを用いた場合、軸方向の耐久性は高い
が、このプレッシャベアリングの転動体と軌導輪の滑り
を防止するために予圧を与える必要があるもので、この
予圧を与える手段を設ける位置によっては、イニシャル
トルクが発生したり、この手段の接触面にカジリ,摩耗
等が生じることがあって、それにより、制御精度が低下
するという問題が生じる。
【0007】本発明は、上述の問題に着目して成された
もので、構造が複雑になることなしに、クラッチ締結手
段による押し付け力がサイドギヤに伝達されること及び
サイドギヤからのピニオンメートギヤとの締結反力がク
ラッチに伝達されることを防止することができるように
して、制御精度の向上を図ることのできる電子制御差動
制限装置を提供することを第1の目的とし、さらに、ク
ラッチとクラッチ締結手段との間に設けるプレッシャベ
アリングに、小型であっても耐久信頼性の高くスラスト
ベアリングを用いながらも、イニシャルトルクやカジリ
及び摩耗等が生じる恐れなく予圧を与えることができる
電子制御差動制限装置を提供することを第2の目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、デファレン
シャルケース内に、クラッチ締結反力を受圧してサイド
ギヤへの伝達を阻止し、前記サイドギヤからのピニオン
メートギヤとの噛合反力を受圧してデファレンシャルケ
ースに伝達してクラッチへの伝達を阻止する伝達阻止部
材を設けて第1の目的を達成すると共に、プレッシャベ
アリングに予圧を与える弾性部材をハブとプレッシャ部
材との間に設けて第2の目的を達成するようにした。
【0009】すなわち、請求項1及び請求項2記載の電
子制御差動制限装置は、第1の目的を達成すべく、ハウ
ジングに回転自在に支持されたデファレンシャルケース
と、前記デファレンシャルケース内に対向して配置さ
れ、ピニオンメートギヤに噛合されると共に出力軸に結
合された2つのサイドギヤと、サイドギヤとデファレン
シャルケースとの間に配設されたクラッチと、該クラッ
チをサイドギヤとピニオンメートギヤとの噛合力が増す
方向に押すクラッチ締結手段とを備えた電子制御差動制
限装置において、前記デファレンシャルケース内に、前
記クラッチ締結反力を受圧してサイドギヤへの伝達を阻
止し、前記サイドギヤからのピニオンメートとの噛合反
力を受圧してデファレンシャルケースに伝達してクラッ
チへの伝達を阻止する伝達阻止部材を設けたことを特徴
とする手段とした。
【0010】尚、前記クラッチを2つのサイドギヤとデ
ファレンシャルケースとの間にそれぞれ設け、前記伝達
阻止部材を、サイドギヤ及びピニオンメートギヤを包み
込む形状に形成し、かつ、両サイドギヤ間中央位置で左
側部材と右側部材との2つに分割すると共に、分割側端
部同士を突き当て状態で配設する一方、分割側とは反対
側端部がデファレンシャルケース内壁に形成された段部
に当接された構造としてもよい。
【0011】また、請求項3記載の電子制御差動制限装
置は第2の目的を達成すべく、ハウジングに回転自在に
支持されたデファレンシャルケースと、前記デファレン
シャルケース内に対向して配置され、ピニオンメートギ
ヤに噛合されると共に出力軸に結合された2つのサイド
ギヤと、前記デファレンシャルケース内に設けられ、前
記サイドギヤまたは出力軸に結合されたハブと前記デフ
ァレンシャルケースとの間に設けられたクラッチと、該
クラッチをサイドギヤとピニオンメートギヤとの噛合力
が増す方向にプレッシャベアリング及びプレッシャ部材
を介して押圧するクラッチ締結手段とを備えた電子制御
差動制限装置において、前記プレッシャベアリングとし
てスラストベアリングを設け、前記プレッシャベアリン
グに予圧を与える弾性部材を前記ハブとプレッシャ部材
との間に設けたことを特徴とする手段とした。
【0012】
【作用】請求項1記載の装置の場合、クラッチ締結手段
を作動させてクラッチを締結させると、クラッチを押圧
する力の反力は伝達阻止部材で受圧されてサイドギヤへ
の伝達は阻止される。従って、クラッチ反力が差動装置
及び差動制限装置の差動に影響を与えることがなく、高
い制御精度が得られる。尚、請求項2記載の装置では、
この場合、クラッチ締結手段から左右のクラッチへ入力
される押圧力はそれぞれ伝達阻止部材の左側部材及び右
側部材に対し両部材を突き当てる方向へ入力される。そ
して、この入力は左右均等であるから釣り合うもので、
これによりサイドギヤへの入力が阻止される。
【0013】また、請求項1記載の装置の場合、サイド
ギヤにあってはピニオンメートギヤと噛合することによ
る反力が発生するが、この噛合反力は伝達阻止部材で受
圧されてクラッチへの伝達が阻止される。従って、サイ
ドギヤからのピニオンメートギヤとの噛合反力がクラッ
チの作動に影響を与えることがなく高い制御精度が得ら
れる。尚、請求項2記載の装置では、この場合、サイド
ギヤからの噛合反力は伝達阻止部材の左右両部材の間を
押し広げる向きに入力される。そして、左右両部材の分
割側とは反対側端部がデファレンシャルケース内壁に形
成された段部に当接されているから、この入力はこの段
部からデファレンシャルケースに入力されることでクラ
ッチへの入力が阻止される。
【0014】次に、請求項3記載の装置では、プレッシ
ャベアリングに予圧を与える弾性部材が、サイドギヤま
たは出力軸に結合されたハブとデファレンシャルケース
との間に設けられているから、この弾性部材の両端にお
いて相対回転差は生じない。従って、弾性部材の接触面
においてカジリや摩耗は生じない。
【0015】また、この弾性部材の弾性力は、プレッシ
ャ部材をクラッチ締結時の押圧方向とは逆方向に入力さ
れ、クラッチに入力されない。従って、クラッチにイニ
シャルトルクが生じることがなく、高い制御精度が得ら
れる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳述す
る。尚、この実施例を述べるにあたって、請求項1〜3
の全ての発明を適用した自動車用の電子制御差動制限装
置を例にとる。
【0017】図1は、実施例装置を示す全体断面図であ
って、図中1はハウジングを示す。このハウジング1
は、図外のスタッドボルトにより車体側に支持されるも
のであり、フロントハウジング1aとリヤハウジング1
bとピストンハウジング1c,1c’とによって構成さ
れている。
【0018】3はデファレンシャルケースであって、前
記ハウジング1に対してテーパーローラベアリング4,
4’により回転自在に支持されたもので、このディファ
レンシャルケース3は、左側ディファレンシャルケース
3aと右側ディファレンシャルケース3a’とによって
構成されている。尚、ディファレンシャルケース3には
プロペラシャフト5に設けられたピニオンギヤ6と噛み
合うリングギヤ7が設けられ、プロペラシャフト5から
の回転駆動力はディファレンシャルケース3に伝達され
る。
【0019】8,8’はサイドギヤであって、前記ディ
ファレンシャルケース3の内部に対向して配置されたも
ので、このサイドギヤ8,8’には、左側駆動軸(出力
軸)9と右側駆動軸(出力軸)9’とがスプライン結合
により設けられる。
【0020】10はピニオンメートシャフトであって、
前記サイドギヤ8,8’の間に配置されたもので、この
ピニオンメートシャフト10にはサイドギヤ8,8’と
噛み合うピニオンメートギヤ11が支持されている。
【0021】13,13’は摩擦クラッチであって、サ
イドギヤ8,8’とディファレンシャルケース3との間
の位置に配設されたもので、この摩擦クラッチ13,1
3’は多板クラッチ構造であり、図1のA部拡大断面図
である図2に示したように、ディファレンシャルケース
3に固定された複数のフリクションプレート13a,1
3a’と、両駆動軸9,9’に結合されたハブ21,2
1’に固定された複数のフリクションディスク13b,
13b’と、によって構成されている。
【0022】22,22’はクラッチ締結手段としての
油圧ピストンであって、前記ピストンハウジング1cに
形成されたシリンダ1d,1d’に軸方向往復動可能に
嵌挿されたもので、制御油圧ニップル23から油圧導入
用円周溝1e,1e’及び油圧導入孔1f,1f’を経
て圧力室1g,1g’に導入される図外の油圧制御装置
から供給される制御油圧により摺動する。尚、この油圧
制御装置については上記従来技術として提示した公報に
開示されているので説明を省略する。
【0023】前記油圧ピストン22,22’と摩擦クラ
ッチ13,13’の間には、プレッシャプレート(プレ
ッシャ部材)24,24’とプレッシャリング(プレッ
シャ部材)25,25’とプレッシャベアリング26,
26’が介装されている。
【0024】前記プレッシャプレート24,24’は、
前記摩擦クラッチ13,13’の外側面に接して配置さ
れ、両駆動軸9,9’の外周に軸方向にスライド可能に
結合されている。尚、プレッシャプレート24,24’
は、両駆動軸9,9’と共に回転する。
【0025】前記プレッシャリング25,25’は、前
記プレッシャプレート24,24’の外側に接して両駆
動軸9,9’の外周に軸方向にスライド可能に結合され
ている。
【0026】前記プレッシャベアリング26,26’は
それぞれ転動体26a,26a’,26b,26b’と
軌導輪26c,26c’とが軸方向に並列配置されたス
ラストベアリングが用いられ、前記プレッシャリング2
4,24’と油圧ピストン22,22’との間に設けら
れている。
【0027】そして、このプレッシャベアリング26,
26’と径方向に重なる位置であってプレッシャリング
25,25’とピストンハウジング1c,1c’との間
の位置に、前記シリンダ1d,1d’とハウジング1内
との間をシールするオイルシール27,27’が設けら
れている。
【0028】また、前記ハブ21,21’とプレッシャ
プレート24,24’との間には、転動体と軌導輪との
滑りを防止すべくこのプレッシャベアリング26,2
6’に予圧を与えるスプリング(弾性部材)28,2
8’が設けられている。
【0029】29,29’は左側伝達阻止部材及び右側
伝達阻止部材であって、前記ディファレンシャルケース
3内に設けられ、左右対称であってサイドギヤ8,8’
及びピニオンメートギヤ11を包み込む形状に形成さ
れ、図2に示すように、前記摩擦クラッチ13,13’
に当接されると共に、前記サイドギヤ8,8’に対して
軸方向に僅かに離間して配設されている。また、両阻止
部材29,29’は、中央側端部の突き当て面29a,
29a’どうしを当接させると共に、その反対側端部を
デファレンシャルケース3の内壁に形成された段部3
c,3dに当接させて、軸方向のスライドを規制された
状態で設けられている。
【0030】次に、実施例の作用を説明する。
【0031】高速道等での直進時や片輪がぬかるみ等に
入った時には、油圧制御装置から所定圧力の制御油圧が
圧力室1g,1g’に導入され、油圧ピストン22が、
デファレンシャルケース3の中央方向へ移動し、摩擦ク
ラッチ13,13’を押圧して締結させる。
【0032】従って、デファレンシャルケース3の駆動
力が摩擦クラッチ13,13’を介して両駆動軸9,
9’に均等に伝達されるようになって、差動制限が成さ
れ、直進走行中に路面状況の変化や片側車輪が浮くよう
な事態が発生しても急激な駆動力の低下を抑え、尻振り
等のない安定した直進走行を行なうことができるし、ま
た、ぬかるみに入ったり路面摩擦係数の低い道路を走行
したりして、左右輪に回転差が生じた際に低速側車輪に
対しより大きなトルク伝達を行って、ぬかるみからの脱
出及び路面摩擦係数の低い道路の走破性が高まる。
【0033】また、上述のようなクラッチ締結時には、
油圧ピストン22,22’により、プレッシャベアリン
グ26,26’,プレッシャリング25,25’及びプ
レッシャプレート24,24’を介して摩擦クラッチ1
3,13’を押圧するが、その押圧反力F1 ,F1 は、
左右の伝達阻止部材29,29’において、両部材2
9,29’を突き当てる方向に入力される。そして、両
部材29,29’は、突き当て面29a,29a’で当
接しており、かつ、この入力の大きさは均等であるか
ら、この入力が釣り合ってサイドギヤ8,8’への入力
は阻止される。
【0034】従って、クラッチ反力が差動装置及び差動
制限装置の差動に影響を与えることがなく、高い制御精
度が得られる。
【0035】次に、サイドギヤ8,8’にあってはピニ
オンメートギヤ11と噛合することによる反力F2 ,F
2 が外側方向に向かって発生する。そして、サイドギヤ
8,8’が両伝達阻止部材29,29’に当接すると噛
合反力F2 ,F2 は両伝達阻止部材29,29’に対し
左右両部材の間を押し広げる向きに入力される。そし
て、左右両部材29,29’の外側端部がデファレンシ
ャルケース3の内壁に形成された段部3c,3dに当接
されているから、この入力はこの段部3c,3dからデ
ファレンシャルケース3に入力されて、摩擦クラッチ1
3,13’への入力が阻止される。
【0036】従って、サイドギヤ8,8’からのピニオ
ンメートギヤ11との噛合反力が摩擦クラッチ13,1
3’の作動に影響を与えることがなく高い制御精度が得
られる。
【0037】また、通常時において、スプリング28,
28’の弾発力は、プレッシャプレート24,24’及
びプレッシャリング25,25’を介してプレッシャベ
アリング26,26’に入力される。従って、この弾発
力により転動体26a,26a’,26b,26b’と
軌導輪26c,26c’との滑りが防止される。
【0038】そして、このようにスプリング28,2
8’の弾性力は、プレッシャプレート24,24’をク
ラッチ締結時の押圧方向に作用するため摩擦クラッチ1
3,13’に入力されない。従って、摩擦クラッチ1
3,13’にイニシャルトルクが生じることがなく、高
い制御精度が得られる。
【0039】また、このスプリング28,28’が、駆
動軸9,9’に結合されて駆動軸と共に回転するハブ2
1,21’とプレッシャプレート24,24’との間に
設けられているから、このスプリング28,28’の両
端において相対回転差は生じない。従って、スプリング
28,28’の両端の接触面においてカジリや摩耗が生
じることはない。
【0040】ちなみに、本実施例において、スプリング
28,28’を、両摩擦クラッチ13,13’のプレー
トのうちの1〜2枚を皿ばねにして予圧を与えるように
した場合、新にスプリングを設けるためのスペースを確
保する必要はないが、制御油圧を0としても摩擦クラッ
チ13,13’には締結力が作用しイニシャルトルクが
発生して、制御可能範囲が狭まると共に制御精度が低下
する。また、油圧ピストン22,22’とピストンハウ
ジング1c,1c’との間に設定した場合も、同様に予
圧が入力されることで摩擦クラッチ13,13’にイニ
シャルトルクが生じる。また、デファレンシャルケース
3とプレッシャリング24,24’との間に設定した場
合、スプリング28,28’の予圧は摩擦クラッチ1
3,13’に作用しないためイニシャルトルクの発生は
ないが、デファレンシャルケース3とプレッシャリング
24,24’とは互いに回転差が発生するため、スプリ
ング28,28’両端の接触面でのカジリや摩耗が発生
する恐れがある。
【0041】加えて、本実施例では、プレッシャベアリ
ング26,26’とオイルシール27,27’とを径方
向に重ねて配置した構造としているため、実施例装置の
軸方向の長さを短縮して小型化を達成している。
【0042】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変
更等があっても本発明に含まれる。
【0043】例えば、実施例ではクラッチ及びクラッチ
締結手段を左右1つづつ設けた例を示した。このように
構成すると、締結力の制御精度が高くなるという利点は
あるが、クラッチ及びクラッチ締結手段を一つだけ設け
るようにしてもよい。また、クラッチ締結手段として
は、実施例のような油圧ピストン構造に限らず、他の構
造による手段であってもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1及び
請求項2記載の本発明の電子制御差動制限装置にあって
は、デファレンシャルケース内に、クラッチ締結反力を
受圧してサイドギヤへの伝達を阻止し、サイドギヤから
のピニオンメートギヤとの噛合反力を受圧してデファレ
ンシャルケースに伝達してクラッチへの伝達を阻止する
伝達阻止部材を設けた手段としたため、デファレンシャ
ルケースを多数に分割するような構造が複雑になる手段
を用いることなしに、クラッチ締結手段による押し付け
力がサイドギヤに伝達されること及びサイドギヤからの
ピニオンメートギヤとの締結反力がクラッチに伝達され
ることを防止して、制御精度の向上を図ることができる
という効果が得られる。
【0045】また、請求項3記載の本発明の電子制御差
動制限装置にあっては、プレッシャベアリングとしてス
ラストベアリングを設け、プレッシャベアリングに予圧
を与える弾性部材を前記ハブとプレッシャ部材との間に
設けた手段としたため、弾性部材の両端の相対回転差を
原因とした弾性部材の接触面におけるカジリや摩耗の発
生が防止できるという効果が得られると共に、弾性部材
の予圧によってクラッチにイニシャルトルクが生じるこ
とがなく、高い制御精度が得られるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の電子制御差動制限装置を示す全
体断面図である。
【図2】図1のA部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 3 デファレンシャルケース 3c3d, 段部 8,8’ サイドギヤ 9 左側駆動軸(出力軸) 9’ 右側駆動軸(出力軸) 11 ピニオンギヤメート 13,13’ 摩擦クラッッチ 21,21’ ハブ 22,22’ 油圧ピストン(クラッチ締結手段) 24,24’ プレッシャプレート(プレッシャ部材) 25,25’ プレッシャリング(プレッシャ部材) 26,26’ プレッシャベアリング 28,28’ スプリング(弾性部材) 29 左側伝達阻止部材 29’ 右側伝達阻止部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに回転自在に支持されたデフ
    ァレンシャルケースと、前記デファレンシャルケース内
    に対向して配置され、ピニオンメートギヤに噛合される
    と共に出力軸に結合された2つのサイドギヤと、サイド
    ギヤとデファレンシャルケースとの間に配設されたクラ
    ッチと、該クラッチをサイドギヤとピニオンメートギヤ
    との噛合力が増す方向に押すクラッチ締結手段とを備え
    た電子制御差動制限装置において、 前記デファレンシャルケース内に、前記クラッチ締結反
    力を受圧してサイドギヤへの伝達を阻止し、前記サイド
    ギヤからのピニオンメートとの噛合反力を受圧してデフ
    ァレンシャルケースに伝達してクラッチへの伝達を阻止
    する伝達阻止部材を設けたことを特徴とする電子制御差
    動制限装置。
  2. 【請求項2】 前記クラッチが2つのサイドギヤとデフ
    ァレンシャルケースとの間にそれぞれ設けられ、 前記伝達阻止部材が、サイドギヤ及びピニオンメートギ
    ヤを包み込む形状に形成され、かつ、両サイドギヤ間中
    央位置で左側部材と右側部材との2つに分割されると共
    に、分割側端部同士を突き当て状態で配設される一方、
    分割側とは反対側端部がデファレンシャルケース内壁に
    形成された段部に当接されていることを特徴とする電子
    制御差動制限装置。
  3. 【請求項3】 ハウジングに回転自在に支持されたデフ
    ァレンシャルケースと、前記デファレンシャルケース内
    に対向して配置され、ピニオンメートギヤに噛合される
    と共に出力軸に結合された2つのサイドギヤと、前記デ
    ファレンシャルケース内に設けられ、前記サイドギヤま
    たは出力軸に結合されたハブと前記デファレンシャルケ
    ースとの間に設けられたクラッチと、該クラッチをサイ
    ドギヤとピニオンメートギヤとの噛合力が増す方向にプ
    レッシャベアリング及びプレッシャ部材を介して押圧す
    るクラッチ締結手段とを備えた電子制御差動制限装置に
    おいて、 前記プレッシャベアリングとしてスラストベアリングを
    設け、 前記プレッシャベアリングに予圧を与える弾性部材を前
    記ハブとプレッシャ部材との間に設けたことを特徴とす
    る電子制御差動制限装置。
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