JPH05263353A - 長繊維不織布及びその製造方法 - Google Patents

長繊維不織布及びその製造方法

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JPH05263353A
JPH05263353A JP4341425A JP34142592A JPH05263353A JP H05263353 A JPH05263353 A JP H05263353A JP 4341425 A JP4341425 A JP 4341425A JP 34142592 A JP34142592 A JP 34142592A JP H05263353 A JPH05263353 A JP H05263353A
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sheath
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JP4341425A
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Masaru Tsubata
勝 津幡
Koji Funaki
幸治 船木
Masaru Kadota
優 門田
Yosuke Kudo
洋輔 工藤
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地合が均一で且つ良好な柔軟性を持つ長繊維
不織布を提供する。 【構成】 この長繊維不織布は、不織ウェブを部分的に
熱圧着して得られるものである。不織ウェブを構成する
長繊維として、芯鞘型複合長繊維が使用される。芯鞘型
複合長繊維の芯成分は、エチレンプロピレンランダムコ
ポリマーである。一方、鞘成分は、密度が0.94g/cm3
以上の高密度ポリエチレンか、又はアタクチックポリプ
ロピレンを使用する。但し、アイソタクチックポリプロ
ピレンを鞘成分としたときは、芯成分の重量比を50重量
%以上とする。この長繊維不織布の製造方法は、まず、
この芯鞘型複合長繊維を複数本引き揃えて牽引した後、
芯鞘型複合長繊維に電荷を与えて、長繊維相互間を反発
させて、開繊する。そして、捕集コンベアに集積して、
不織ウェブを形成する。この不織ウェブを部分的に熱圧
着することによって、長繊維不織布を製造することがで
きるのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地合いが均一で、且つ
高強度と良好な柔軟性とを兼ね備えた長繊維不織布、及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、スパンボンド不織布に代表される
長繊維不織布は、様々な用途分野に使用されている。ス
パンボンド不織布は、カード法で得られる短繊維不織布
に比べて、引張強度に優れている或いは生産性が高いと
いった利点がある。しかし、その一方、前記の短繊維不
織布に比べると、柔軟性に劣るという欠点がある。この
ため、衛生材料の表面材等の人肌に直接触れる用途にお
いては、前記短繊維不織布に比べて、その利用量が少な
いということがあった。しかるに、スパンボンド不織布
は、生産性が高いため、その価格を安価にすることがで
き、衛生材料等の使い捨て用途に使用するには、最適な
ものである。従って、柔軟性に富むスパンボンド不織布
を製造するための技術が、種々採用されている。
【0003】例えば、スパンボンド不織布を構成する長
繊維相互間を結合するのに、間隔を置いた部分的な結合
区域を設けることが、行なわれている。そして、この結
合区域において、長繊維相互間を自己融着させること
が、行なわれている。これによって、長繊維相互間が結
合されていない区域を設け、スパンボンド不織布の柔軟
性を向上させることが、行なわれている。また、長繊維
として芯鞘型複合長繊維を使用し、鞘成分のみを融着さ
せることにより、自己融着された結合区域に繊維形態を
残すということも、行なわれている。即ち、自己融着さ
れた結合区域をフィルム化させないことにより、更に柔
軟性を向上させようということも、行なわれているので
ある。
【0004】しかし、前記した技術のみでは、衛生材料
の表面材として、十分な柔軟性を発揮させることができ
なかった。このため、更に芯鞘型複合長繊維の材料を種
々変更させること、即ちより柔らかい材料を使用して、
得られるスパンボンド不織布の柔軟性を向上させること
が、試みられている。例えば、芯鞘型複合長繊維とし
て、ポリエチレンテレフタレートより成る芯成分と、α
−オレフィンとエチレンとのコポリマーである直鎖状低
密度ポリエチレンから成る鞘成分とで構成された複合長
繊維を使用することが提案されている(特開昭63-16556
4号公報、特開昭64-6160号公報)。また、ポリエチレン
テレフタレートより成る芯成分と、ポリプロピレン及び
直鎖状低密度ポリエチレンとの混合体より成る鞘成分と
で構成された複合長繊維を使用することも提案されてい
る(特開平2-139469号公報)。更に、前記の芯成分であ
るポリエチレンテレフタレートに代えて、アイソタクチ
ックポリプロピレンを芯成分とすることも提案されてい
る。
【0005】しかしながら、これらの芯鞘型複合長繊維
を使用して、スパンボンド不織布を得た場合、以下の如
き欠点があった。まず、芯成分として、剛性の大きいポ
リエチレンテレフタレートを使用しているため、芯鞘型
複合長繊維自体の剛性も大きく、得られるスパンボンド
不織布の柔軟性を向上させることができなかった。ま
た、芯成分として、剛性の大きいポリエチレンテレフタ
レートに代えて、剛性の小さいアイソタクチックポリプ
ロピレンを使用すれば、得られるスパンボンド不織布の
柔軟性を向上させることができるが、未だ十分な柔軟性
を得ることはできなかった。更に、鞘成分として、直鎖
状低密度ポリエチレン又はこれとポリプロピレンの混合
体を使用しているため、これを帯電させて開繊し、不織
ウェブを形成する際、開繊性に劣るという欠点があっ
た。開繊性に劣る理由は、定かではないが、鞘成分の密
度が低いので(一般的に0.92g/cm3程度)或いは鞘成
分の結晶化度が低いので、帯電量が十分に多くならず、
芯鞘型複合長繊維相互間の反発性が不十分であるためと
考えられる。開繊性に劣ると、不織ウェブが均一に形成
されず、地合いの悪いものしか得られないのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、芯
鞘型複合長繊維の芯成分として、アイソタクチックポリ
プロピレンよりも更に剛性の小さいエチレンプロピレン
ランダムコポリマーを使用して、芯鞘型複合長繊維自体
の剛性を小さくし、且つ、鞘成分として密度の高いポリ
エチレン或いは結晶化度の高いアイソタクチックポリプ
ロピレンを使用して、帯電させた場合の帯電量を多くし
て、開繊性を良好にすることにより、柔軟性に優れると
共に地合いの均一な不織布を得ようというものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、芯鞘型
複合長繊維より成る不織ウェブを部分的に熱圧着して得
られる不織布において、該芯鞘型複合長繊維は、密度が
0.94g/cm3以上の高密度ポリエチレンから成る鞘成分
と、エチレンプロピレンランダムコポリマーから成る芯
成分とで構成されていることを特徴とする長繊維不織
布、及びこのような長繊維不織布の製造方法に関するも
のである。また、本発明は、芯鞘型複合長繊維より成る
不織ウェブを部分的に熱圧着して得られる不織布におい
て、該芯鞘型複合長繊維は、アイソタクチックポリプロ
ピレンから成る鞘成分と、エチレンプロピレンランダム
コポリマーから成る芯成分とで構成されており、該芯鞘
型複合長繊維中の芯成分の重量比は50重量%以上である
ことを特徴とする長繊維不織布、及びこのような長繊維
不織布の製造方法に関するものである。
【0008】本発明において使用する芯鞘型複合長繊維
の芯成分は、エチレンプロピレンランダムコポリマーで
構成されている。エチレンプロピレンランダムコポリマ
ーは、プロピレン重合体より成る分子鎖中に、エチレン
分子が不規則に取り込まれているものである。このエチ
レン分子が取り込まれていることにより、分子鎖の結晶
構造の規則性が低下し、或いは結晶化度が低下して、芯
成分の剛性が小さくなるのである。例えば、このエチレ
ンプロピレンランダムコポリマーより成る芯成分に代え
て、アイソタクチックポリプロピレンより成る芯成分を
用いた場合、アイソタクチックポリプロピレンは結晶構
造の規則性及び結晶化度のいずれもが、エチレンプロピ
レンランダムコポリマーよりも高く、このため芯成分の
剛性は大きくなるのである。なお、エチレンプロピレン
ランダムコポリマーより成る芯成分は、数平均分子量や
重量平均分子量で示される平均分子量がほぼ等しい場
合、アイソタクチックポリプロピレンより成る芯成分
と、ほぼ同等の破断強度を持つものである。
【0009】本発明で使用するエチレンプロピレンラン
ダムコポリマーとしては、エチレン含有率が2〜5重量%
のものを使用するのが好ましい。エチレン含有率が2重
量%未満であると、結晶構造の規則性や結晶化度があま
り低下せず、芯成分の剛性があまり小さくならない傾向
となる。逆に、エチレン含有率が5重量%を超えると、
製造上実用的でない。このようなエチレンプロピレンラ
ンダムコポリマーは、2〜5重量%のエチレンと、98〜95
重量%のプロピレンとを仕込み、重合反応を進めれば、
容易に製造することができるのである。また、本発明で
使用するエチレンプロピレンランダムコポリマーのメル
トフローレート(JIS K 7210 表1 条件14で測定)
は、10〜60程度が好ましく、特に30〜50程度が溶融紡糸
しやすく最も好ましい。
【0010】本発明において使用する芯鞘型複合長繊維
の鞘成分は、密度が0.94g/cm3以上の高密度ポリエチ
レンで構成されている。密度が0.94g/cm3未満のポリ
エチレンを使用すると、芯鞘型複合長繊維に帯電させて
開繊する際に、帯電量が少なくなって、開繊性が低下す
るので、好ましくない。本発明においては、特に密度が
0.945〜0.965g/cm3のものを使用するのが、好まし
い。また、高密度ポリエチレンとしては、そのメルトフ
ローレート(JIS K 6760で測定)が10〜30程度のものを
使用するのが好ましく、特に20程度のものが溶融紡糸し
やすく最も好ましい。
【0011】また、芯鞘型複合長繊維の鞘成分として、
前記した高密度ポリエチレンに代えて、アイソタクチッ
クポリプロピレンを用いても良い。アイソタクチックポ
リプロピレンは結晶化度が比較的高いため、芯鞘型複合
長繊維に帯電させて開繊する際、帯電量が多くなって、
開繊性が向上するのである。例えば、アタクチックポリ
プロピレンは結晶化度が低いため、帯電量が少なく、開
繊性が低下するので、本発明において用いることはでき
ない。また、鞘成分として、アイソタクチックポリプロ
ピレンを使用した場合には、芯鞘型複合長繊維中におけ
る、芯成分の重量割合を50重量%以上にする必要があ
る。柔軟な芯成分であるエチレンプロピレンランダムコ
ポリマーの重量割合が50重量%未満であると、結晶化度
が高く剛性の大きいアイソタクチックポリプロピレンの
重量割合が相対的に多くなり、芯鞘型複合長繊維自体の
剛性が大きくなって、得られる長繊維不織布の柔軟性が
低下するので、好ましくない。なお、アイソタクチック
ポリプロピレンのメルトフローレート(JIS K 7210 表
1 条件14で測定)は、10〜100程度が好ましく、特に3
0〜60程度が溶融紡糸しやすく最も好ましい。
【0012】以上のような芯鞘型複合長繊維は、従来公
知の複合溶融紡糸法によって容易に製造することができ
る。そして、得られた芯鞘型複合長繊維を、複数本引き
揃えて牽引する。この牽引は、芯鞘型複合長繊維を延伸
するため、或いは移送するために行なわれるものであ
る。牽引後、帯電装置を用いて、芯鞘型複合長繊維に電
荷を与える。この際、電荷は、芯鞘型複合長繊維の表面
に与えられるので、結局鞘成分に電荷が与えられること
になる。この電荷は同種の電荷であるため、複数本引き
揃えられた芯鞘型複合長繊維は、相互に反発して開繊す
る。そして、この開繊した芯鞘型複合繊維を、捕集コン
ベア上に集積して不織ウェブを形成する。この際、使用
される帯電装置としては、従来公知の各種の帯電装置を
用いることができる。例えば、牽引装置の出口に設けら
れた任意の材質の反射板に、芯鞘型複合長繊維を衝突さ
せて帯電させる摩擦帯電装置を用いてもよいし、コロナ
放電等の強制帯電装置を用いても良い。
【0013】そして、この不織ウェブを部分的に熱圧着
することによって、芯鞘型複合長繊維相互間が結合さ
れ、長繊維不織布が得られるのである。この部分的な熱
圧着は、加熱された凹凸ロールと平滑ロールとの間に、
又は加熱された一対の凹凸ロール間に、不織ウェブを導
入することによって行なわれる。即ち、凹凸ロールの凸
部に対応する不織ウェブの区域に、熱及び圧力が付与さ
れ、芯鞘型複合長繊維同士が溶融・固着して、長繊維相
互間が結合するのである。
【0014】本発明で使用する、鞘成分が高密度ポリエ
チレンで構成された芯鞘型複合長繊維は、一般的に鞘成
分の軟化温度が芯成分の軟化温度よりも、20℃程度低い
ものである。従って、この芯鞘型複合長繊維より成る不
織ウェブの一定の区域に、熱を付与する場合、鞘成分は
軟化するが芯成分は軟化しない温度で熱を付与するの
が、好ましい。何故なら、熱圧着した区域において、鞘
成分は溶融・固着しているが、芯成分は繊維形態のまま
残っており、その区域がフィルム化されないため、得ら
れる長繊維不織布の柔軟性が低下しないからである。例
えば、芯成分も鞘成分もが溶融・固着すると、熱圧着し
た区域がフィルム化し、柔軟性が低下する傾向が生じ
る。また、フィルム化した区域は引き裂けやすいため、
引裂強度等が低下する傾向が生じる。逆に、鞘成分が十
分軟化しないような温度で熱圧着すると、芯鞘型複合長
繊維相互間の結合が十分でなく、得られる長繊維不織布
の破断強度が低下する傾向となる。
【0015】本発明で使用する、鞘成分がアイソタクチ
ックポリプロピレンで構成された芯鞘型複合長繊維は、
一般的に、鞘成分の軟化温度の方が芯成分の軟化温度よ
りも高くなっている。従って、この芯鞘型複合長繊維よ
り成る不織ウェブの一定の区域に熱を付与し、芯鞘型複
合長繊維同士を溶融・固着させようとすると、鞘成分も
芯成分もが溶融・固着する傾向がある。この場合、鞘成
分のみを溶融・固着させ、芯成分を繊維形態のまま残す
ためには、熱を付与する時間を短くして、鞘成分に熱を
多く付与し、芯成分には未だ熱が十分に伝導していない
状態で、部分的に熱圧着を施せばよい。
【0016】本発明で使用する芯鞘型複合長繊維の繊度
は、所望に応じて適宜選択することができる。特に、得
られる長繊維不織布を衛生材料の表面材として用いる際
には、厚みを薄くし且つ肌触りを良くするために、2〜5
デニールの芯鞘型複合長繊維を使用するのが、好まし
い。芯鞘型複合長繊維における、鞘成分と芯成分の重量
比も任意に選択しうるものであるが、一般的には鞘成
分:芯成分=0.25〜1:1であるのが好ましい。この範囲
よりも鞘成分の重量比が少ないと、鞘成分は一般的に融
着成分として働くため、芯鞘型複合長繊維相互間の結合
が弱くなり、不織布の強度が向上しない傾向となる。逆
に、この範囲よりも芯成分の重量比が少なくなると、芯
成分は芯鞘型複合長繊維の剛性を低下させる働きをして
いるため、芯鞘型複合長繊維の柔軟性が向上しない傾向
が生じる。また、破断強度の高い芯成分が少なくなっ
て、芯鞘型複合長繊維の破断強度が低下する傾向が生じ
る。従って、本発明においては、鞘成分と芯成分の重量
比を変更することにより、用途に応じた種々の引張強度
及び風合を持つ長繊維不織布を得ることができるのであ
る。なお、アイソタクチックポリプロピレンを鞘成分と
する芯鞘型複合長繊維を使用した場合には、前述したと
おり、芯成分の重量比は50重量%以上、即ち鞘成分:芯
成分=1未満:1以上でなければならない。本発明に係る
長繊維不織布の目付も、所望に応じて適宜決定しうる事
項であるが、長繊維不織布を衛生材料の表面材として用
いる場合には、その厚みを薄くする必要があるので、10
〜30g/m2程度が好ましい。なお、本発明に係る長繊
維不織布は、衛生材料の表面材の他に、従来公知の各種
の用途に使用しうるものである。
【0017】
【実施例】まず、実施例1a〜1f,2a〜2f、比較例1a〜1
f,2a〜2fで使用する物性値の測定方法を、次のとおり
明確にしておく。 [高密度ポリエチレンのメルトフローレート]JIS K 67
60で測定した。 [エチレンプロピレンランダムコポリマーのメルトフロ
ーレート]JIS K 7210 表1の条件14で測定した。 [長繊維不織布の目付]長繊維不織布1m2当たりの重量
(g)で表わした。 [長繊維不織布の引張強度]JIS L 1096に準拠したテン
シロン引張試験により評価し、縦方向と横方向の引張強
度の平均値で表わした。 [長繊維不織布の風合]JIS L 1096 E法のハンドルオメ
ーター法にて測定し、縦方向と横方向の風合の平均値で
示した。なお、サンプルの大きさは20cm×20cmで、スロ
ット幅は6.35mmとした。 [長繊維不織布の地合指数]野村商事株式会社製フォー
メーションテスターFMT-1000A型を用いて地合指数を測
定した。地合指数は、(吸光度の標準偏差/平均吸光
度)×10で表わされ、値が小さいほど地合ムラが少な
い。試料の測定面積は100mm×100mm、測定時間は20秒/
サンプルで、10枚のサンプルを測定した平均値を算出し
た。
【0018】実施例1a〜1f 高密度ポリエチレン(メルトフローレート20、密度0.96
g/cm3)を鞘成分とし、エチレンプロピレンランダム
コポリマー(メルトフローレート30、エチレン含有率4.
5重量%)を芯成分として、芯鞘型複合紡糸孔を120個備
えた紡糸口金を数個用いて、複合溶融紡糸した。この際
の紡糸温度を230℃とし、紡糸孔1個における鞘成分と
芯成分の合計吐出量を1g/minとし、鞘成分と芯成分の
重量比を鞘成分:芯成分=3:7とした。以上のようにし
て得られた芯鞘型長繊維をエアーサッカーに導入して牽
引し、繊度2デニールの芯鞘型複合長繊維を得た。この
芯鞘型複合長繊維を、エアーサッカーの出口に設けられ
た帯電装置によって帯電させ、相互に反発させて開繊す
る。その後、捕集コンベア上に、芯鞘型複合長繊維を集
積して、目付23g/m2の不織ウェブを形成した。この
ようにして得られた不織ウェブは、芯鞘型複合長繊維の
開繊性が良好であるため、均一な地合いのものであっ
た。
【0019】そして、この不織ウェブを、上段が熱エン
ボスロールで下段が平滑ロールで構成された部分的熱圧
着処理装置に導入して、熱圧着を行なった。この際、熱
エンボスロールの凸部の形状を丸型とし、直径を0.6mm
とした。また、熱エンボスロールの温度は、120℃とし
た。そして、表1に示すように融着面積率3〜15%の各
種の長繊維不織布を得た。この長繊維不織布の引張強度
及び風合は表1に示すとおりであった。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2a〜2f 鞘成分と芯成分の重量比を、鞘成分:芯成分=5:5とす
る以外は、実施例1a〜1fと同様にして、各種の長繊維不
織布を得た。この長繊維不織布の引張強度及び風合は表
1に示すとおりであった。
【0022】比較例1a〜1f アイソタクチックポリプロピレン(メルトフローレート
30)のみを用いて、単一孔よりなる紡糸孔を120個備え
た紡糸口金を数個用いて、溶融紡糸した。この際の紡糸
温度を230℃とし、紡糸孔1個における吐出量を1g/mi
nとした。以上のようにして得られた長繊維をエアーサ
ッカーに導入して牽引し、繊度2デニールのポリプロピ
レン長繊維を得た。このポリプロピレン長繊維を、エア
ーサッカーの出口に設けられた帯電装置によって帯電さ
せ、相互に反発させて開繊する。その後、捕集コンベア
上に、ポリプロピレン長繊維を集積して、目付23g/m
2の不織ウェブを形成した。そして、この不織ウェブ
を、実施例1a〜1fで使用した部分的熱圧着処理装置に導
入して、熱圧着を行なった。この際、熱エンボスロール
の温度のみを、140℃に変更した。得られた長繊維不織
布の引張強度及び風合は表1に示すとおりであった。
【0023】比較例2a〜2f アイソタクチックポリプロピレンに代えて、エチレンプ
ロピレンランダムコポリマーを使用し、且つ熱エンボス
ロールの温度を130℃にする以外は、比較例1a〜1fと同
様にして長繊維不織布を得た。この長繊維不織布の地合
いは、実施例に係る長繊維不織布に比べて、不均一であ
った。また、この長繊維不織布の引張強度及び風合は表
1に示すとおりであった。
【0024】以上の結果から明らかなとおり、実施例1a
〜1f及び2a〜2fに係る長繊維不織布は、融着面積率が大
きくなるにしたがって、引張強度が高くなり、且つ風合
も低下する。しかし、同一の融着面積率を持つ比較例1a
〜1f及び2a〜2fに係る長繊維不織布に比べて、引張強度
は若干低いが、風合の点では格段優れている。従って、
実施例1a〜1f及び2a〜2fに係る長繊維不織布は、引張強
度の大幅な低下を伴わずに、風合の優れた柔軟性に富む
ものであることが分かる。また、比較例2a〜2fに係る長
繊維不織布は、比較例1a〜1fに係る長繊維不織布よりも
風合に優れたものである。しかし、実施例1a〜1f及び2a
〜2fに係る長繊維不織布に比べると、風合に劣るもので
ある。この風合に劣る理由は、融着区域において、長繊
維がフィルム化しているためであると考えられる。これ
に対し、実施例1a〜1f及び2a〜2fに係る長繊維不織布
は、融着区域においても芯成分が残存しており、フィル
ム化していないため、風合に優れていると考えられる。
【0025】実施例3、比較例3及び4で使用する物性
値の測定方法を、次のとおり明確にしておく。 [アイソタクチックポリプロピレンのメルトフローレー
ト]JIS K 7210 表1の条件14で測定した。 [エチレンプロピレンランダムコポリマーのメルトフロ
ーレート]JIS K 7210 表1の条件14で測定した。 [長繊維不織布の目付]長繊維不織布1m2当たりの重量
(g)で表わした。 [長繊維不織布の曲げ剛性]カトーテック株式会社製純
曲げ試験機KES-FB2を用いて、曲げ剛性を測定した。試
料幅は200mm、試料長は10mmで行なった。なお、単位
は、gf・cm2/cmである。 [長繊維不織布の風合]モニター20人による触感テスト
で柔らかさを判定した。テスト方法は、実施例3及び比
較例3,4に係る不織布を手指で把持してもらい、柔ら
かいと判定された不織布に1点/人づつ加点していっ
た。 [長繊維不織布の地合指数]野村商事株式会社製フォー
メーションテスターFMT-1000A型を用いて地合指数を測
定した。地合指数は、(吸光度の標準偏差/平均吸光
度)×10で表わされ、値が小さいほど地合ムラが少な
い。試料の測定面積は100mm×100mm、測定時間は20秒/
サンプルで、10枚のサンプルを測定した平均値を算出し
た。
【0026】実施例3 アイソタクチックポリプロピレン(メルトフローレート
50)を鞘成分とし、エチレンプロピレンランダムコポリ
マー(メルトフローレート30、エチレン含有率4.5重量
%)を芯成分として、芯鞘型複合紡糸孔を80個備えた紡
糸口金を数個用いて、複合溶融紡糸した。この際の紡糸
温度を230℃とし、紡糸孔1個における鞘成分と芯成分の
合計吐出量を1g/minとし、鞘成分と芯成分の重量比を
鞘成分:芯成分=5:95とした。以上のようにして得ら
れた芯鞘型複合長繊維を、エアーサッカーに導入して牽
引し、繊度2デニールの芯鞘型複合長繊維を得た。この
芯鞘型複合長繊維を、エアーサッカーの出口に設けられ
た銅製の反射板に衝突、帯電させ、繊維相互を反発させ
て開繊する。その後、捕集コンベア上に、芯鞘型複合長
繊維を集積して、目付26g/m2の不織ウェブを形成し
た。
【0027】そして、この不織ウェブを、上段が熱エン
ボスロールで下段が平滑ロールで構成された部分的熱圧
着装置に導入して、熱圧着を行ない、長繊維不織布を得
た。この際、熱エンボスロールの凸部の形状は、直径が
0.6mmの丸型で、熱エンボスロールと平滑ロールの温度
は共に130℃とした。また、熱エンボスロールと平滑ロ
ール間の線圧は30kg/cmとした。以上のようにして得ら
れた長繊維不織布の熱圧着部分(融着部分)の面積率は
6%であり、その目付は26g/m2であった。また、この
長繊維不織布の曲げ剛性,風合,地合指数は、表2に示
したとおりであった。
【0028】
【表2】
【0029】比較例3 エチレンプロピレンランダムコポリマー(メルトフロー
レート30、エチレン含有率4.5重量%)を鞘成分とし、
アイソタクチックポリプロピレン(メルトフローレート
50)を芯成分とする以外は、実施例3と同様にして芯鞘
型複合長繊維を得、その後実施例3と同様にして、目付
26g/m2の長繊維不織布を得た。この長繊維不織布の
曲げ剛性等は、表2に示したとおりであった。
【0030】比較例4 実施例3において、芯鞘型複合長繊維を得るのに代え
て、アイソタクチックポリプロピレン(メルトフローレ
ート50)のみを溶融紡糸して、ポリプロピレン長繊維を
得た。これ以外は、実施例3と同様にして、目付26g/
m2の長繊維不織布を得た。この長繊維不織布の曲げ剛
性等は、表2に示したとおりであった。
【0031】表2の結果から明らかなように、実施例3
に係る方法により得られた長繊維不織布は、エチレンプ
ロピレンランダムコポリマーを芯成分とするものである
ため、曲げ剛性が小さく且つ風合の良好なものである。
また、アイソタクチックポリプロピレンを鞘成分とする
ものであるため、開繊性が良好で、地合の良好なもので
ある。これに対し、比較例3に係る方法により得られた
長繊維不織布は、エチレンプロピレンランダムコポリマ
ーが鞘成分となっているので、開繊性が不良で、地合の
悪いものである。また、比較例4に係る方法により得ら
れた長繊維不織布は、アイソタクチックポリプロピレン
のみよりなる、剛性の大きいポリプロピレン長繊維で構
成されて成るものであるため、曲げ剛性が大きく、且つ
風合の悪いものである。
【0032】
【作用及び発明の効果】以上詳述したように、本発明に
係る長繊維不織布は、芯鞘型複合長繊維で構成されてお
り、この芯成分はエチレンプロピレンランダムコポリマ
ーで形成されている。エチレンプロピレンランダムコポ
リマーよりなる芯成分は、その材料の柔軟性に起因し
て、非常に柔らかいものであり、従って芯鞘型複合長繊
維自体も柔らかいものである。依って、この長繊維不織
布は、柔軟性に富み、風合に優れたものである。また、
本発明で使用する芯鞘型複合長繊維の鞘成分は、密度が
0.94g/cm3以上の高密度ポリエチレン又はアイソタク
チックポリプロピレンで形成されている。このような高
密度ポリエチレンは、低密度ポリエチレンの場合に比べ
て、電荷を与えると、より多くの電荷量に帯電する。こ
れは、高密度ポリエチレンの方が、電荷を担持する分子
の数が単位体積当たりにおいて多いためであると考えら
れる。また、アイソタクチックポリプロピレンは、エチ
レンプロピレンランダムコポリマーや低密度ポリエチレ
ンの場合に比べて、電荷を与えると、より多くの電荷量
が帯電する。これは、アイソタクチックポリプロピレン
の結晶化度が高いため、電荷を担持する分子の数が単位
体積当たりにおいて多いためであると考えられる。従っ
て、芯鞘型複合長繊維表面に存在する鞘成分に、より多
くの電荷量が付与され、芯鞘型複合長繊維相互間の反発
力が増し、開繊性が良好になる。依って、芯鞘型複合長
繊維を集積させて得られる不織ウェブ、ひいては長繊維
不織布の地合いが均一になるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 洋輔 愛知県春日井市王子町1番地王子製紙株式 会社春日井工場商品研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯鞘型複合長繊維より成る不織ウェブを
    部分的に熱圧着して得られる不織布において、該芯鞘型
    複合長繊維は、密度が0.94g/cm3以上の高密度ポリエ
    チレンから成る鞘成分と、エチレンプロピレンランダム
    コポリマーから成る芯成分とで構成されていることを特
    徴とする長繊維不織布。
  2. 【請求項2】 芯鞘型複合長繊維より成る不織ウェブを
    部分的に熱圧着して得られる不織布において、該芯鞘型
    複合長繊維は、アイソタクチックポリプロピレンから成
    る鞘成分と、エチレンプロピレンランダムコポリマーか
    ら成る芯成分とで構成されており、該芯鞘型複合長繊維
    中の芯成分の重量比は50重量%以上であることを特徴と
    する長繊維不織布。
  3. 【請求項3】 密度が0.94g/cm3以上の高密度ポリエ
    チレンから成る鞘成分又はアイソタクチックポリプロピ
    レンから成る鞘成分と、エチレンプロピレンランダムコ
    ポリマーから成る芯成分とで構成された芯鞘型複合長繊
    維を、複数本引き揃えて牽引した後、該鞘成分に電荷を
    与えて、該芯鞘型複合長繊維相互間を開繊させ、その後
    捕集コンベア上に集積して不織ウェブを形成し、該不織
    ウェブを部分的に熱圧着することを特徴とする長繊維不
    織布の製造方法。
JP4341425A 1991-11-26 1992-11-26 長繊維不織布及びその製造方法 Pending JPH05263353A (ja)

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