JPH05263744A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JPH05263744A
JPH05263744A JP4090358A JP9035892A JPH05263744A JP H05263744 A JPH05263744 A JP H05263744A JP 4090358 A JP4090358 A JP 4090358A JP 9035892 A JP9035892 A JP 9035892A JP H05263744 A JPH05263744 A JP H05263744A
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正毅 金広
Yuichi Shimazaki
勇一 島崎
Kenichi Maeda
健一 前田
Takashi Kuki
隆 久木
Kazutomo Sawamura
和同 澤村
Shigeru Maruyama
茂 丸山
Takuji Ishioka
卓司 石岡
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P17/00Testing of ignition installations, e.g. in combination with adjusting; Testing of ignition timing in compression-ignition engines
    • F02P17/12Testing characteristics of the spark, ignition voltage or current
    • F02P2017/125Measuring ionisation of combustion gas, e.g. by using ignition circuits

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料系の原因に係る失火判定を正確に行う。 【構成】 点火指令信号発生(時刻t0)後、時刻t1
〜t2において点火コイルの通電を再度行い、時刻t2
において点火プラグ電極間に所定レベルの電圧(再チャ
ージ電圧)を印加する。これにより、プラグ電極周辺回
路に電荷がチャージされ、点火電圧値(B,B′)が上
昇する。燃焼時は、プラグ電極間に存在するイオンによ
りチャージされた電荷は速やかに中和されるのに対し
(B)、失火時はこのイオンによる中和がなく、点火電
圧は高電圧状態を保持する(B′)。その結果、失火時
においては点火電圧が比較レベル(C′)を越える期間
が長くなり、失火が検出される。比較レベル(C,
C′)は、再チャージ電圧の印加とほぼ同時にリセット
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の失火検出装
置に関し、特に燃料系の原因に係る失火の検出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の点火プラグでの点火が正常に
行なわれない、すなわち失火が生ずることがあるが、こ
の失火の原因を大別すると、燃料系に係るものと点火系
に係るものとがある。前者の燃料系に係るものは燃料混
合気のリーンまたはリッチに起因するものであり、後者
の点火系に係るものはいわゆるミス・スパークに起因す
るものである。ミス・スパークとは点火プラグに正常な
火花放電が生じないことを意味する。例えば未燃燃料の
付着による点火プラグのくすぶりやかぶりにより、ある
いは点火回路の異常により正常な火花放電が行われない
場合である。
【0003】本願出願人は、上記失火のうち燃料系の原
因に係るものを検出する失火検出装置として、点火電圧
(点火プラグの電極間電圧)を検出し、この点火電圧の
値が所定電圧値を越える期間が所定期間以上のとき失火
と判定するようにしたものを既に提案している(特願平
3−326507号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記提案の装置におい
て、点火電圧値が所定電圧値を越える期間は、点火プラ
グ付近の浮遊容量に所定以上の電荷が貯えられている期
間に相当するため、放電状態によっては失火が発生して
も比較的短期間のうちに電荷が放電されてしまう場合が
ある。例えば、失火によって誘導放電終了の電圧が比較
的高電圧となった場合であり、このような場合には、プ
ラグ電極間で短期間のうちに再放電が行われ、失火と判
定できないという問題がある。
【0005】また、プラグ電極まわりにカーボンなどが
付着し、絶縁抵抗が下がるいわゆるくすぶり状態になり
かけた場合や、くすぶったものの自己浄化により回復し
かけた場合などにおいても、絶縁破壊が起き易く、点火
電圧値が所定電圧値を越える期間が燃焼時と失火時であ
まり差がなくなり、正確な失火判定ができなかった。
【0006】本発明は、この問題を解決するためになさ
れたものであり、点火電圧が高電圧となった場合や、点
火プラグがくすぶり状態になりかけた場合でも正確な失
火判定を行うことができる失火検出装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、機関運転パラメータの値を検出する機関運転
状態検出手段と、前記機関運転パラメータの値に基づい
て点火時期を決定して点火指令信号を発生する点火指令
信号発生手段と、点火コイルを有し、前記点火指令信号
に基づいて、機関に備えられた点火プラグを放電させる
為の高電圧を発生させる点火手段と、前記点火手段に高
電圧が発生される時の前記点火コイルの二次側の電圧値
を検出する電圧値検出手段と、前記点火指令信号発生後
の点火電圧値が所定比較電圧値を越える期間が基準値を
越えるとき、機関の失火状態と判定する失火判定手段と
を有する内燃機関の失火検出装置において、前記点火指
令信号発生後、再度前記点火手段に高電圧を発生させる
ための再チャージ指令信号を発生する再チャージ指令信
号発生手段と、前記再チャージ指令信号発生とほぼ同時
に前記所定比較電圧値を初期化する初期化手段とを設け
るようにしたものである。
【0008】更に本発明は、上記失火検出装置におい
て、初期化手段は、前記再チャージ指令信号発生時では
なく、該指令信号発生時から所定期間経過後に前記所定
比較電圧値を初期化するようにしたものである。
【0009】また、前記初期化手段は、前記所定期間を
機関運転状態に応じて設定することが望ましい。
【0010】また、前記失火判定手段は、前記点火電圧
値に応じて前記所定比較電圧値を設定する基準レベル設
定手段を有することが望ましい。
【0011】また、前記点火手段は、一次側系路と二次
側系路とを有し、該二次側系路には点火プラグ放電時の
電流と逆方向の電流を抑止する電流抑止手段を備えるこ
とが望ましい。
【0012】
【作用】点火指令信号発生後に再チャージ指令信号が発
生し、再チャージ指令信号発生時又は再チャージ指令信
号発生時から所定期間経過後に所定比較電圧値が初期化
される。
【0013】また、上記所定期間は、機関運転状態に応
じて設定される。
【0014】また、前記所定比較電圧値は、点火電圧値
に応じて設定される。
【0015】また、点火手段の二次側系路における点火
プラグ放電時の電流と逆方向の電流は抑止される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0017】図1は、本発明による内燃機関の失火検出
装置の一実施例の構成を示す図である。
【0018】同図において、電源電圧(バッテリ電圧)
VBが供給される電源端子T1は一次側コイル2と二次
側コイル3とから成る点火コイル(点火手段)1と接続
され、一次側コイル2と二次側コイル3とは互いにその
一端で接続され、一次側コイル2の他端はトランジスタ
4のコレクタに接続され、トランジスタ4のベースは点
火指令信号Aが入力される入力端子T2に接続され、そ
のエミッタは接地されている。また、二次側コイル3の
他端はダイオード7のアノードに接続され、ダイオード
7のカソードはディストリビュータ6を介して点火プラ
グ5の中心電極5aに接続され、点火プラグ5の接地電
極5bは接地されている。
【0019】ディストリビュータ6と中心電極5aとを
接続する接続線15の途中には、その接続線15と静電
的に結合された(接続線15と数PFのコンデンサを形
成する)点火電圧センサ10が設けられ、点火電圧セン
サ10の出力は、電子コントロールユニット(以下「E
CU」という)8の失火判定回路12に接続されてい
る。失火判定回路12は、CPU(中央処理装置)11
に接続されており、判定結果がCPU11に入力され
る。CPU11は、失火判定に関連するタイミング制御
を行う。
【0020】CPU11には、入力回路13を介して、
機関回転数機関運転パラメータの値を検出する各種機関
運転パラメータセンサ(機関運転状態検出手段)9が接
続されており、機関運転パラメータの検出値が入力され
る。更に、CPU11は駆動回路14を介してトランジ
スタ4のベース接続されており、トランジスタ4に通電
制御信号Aを供給する。
【0021】本実施例では、ECU8は、点火指令信号
発生手段、失火判定手段及び再チャージ指令信号発生手
段を構成する。
【0022】図2は、失火判定回路12の具体的な構成
を示すブロック図であり、入力端子T3は入力回路21
を介して第1の比較器25の非反転入力に接続されてい
る。ピークホールド回路22の出力は、比較レベル設定
回路24を介して第1の比較器25の反転入力に接続さ
れている。また、ピークホールド回路22には、適切な
タイミングでピークホールド値をリセットするリセット
信号R1がCPU11から供給される。
【0023】第1の比較器25の出力はゲート回路26
を介してパルス発生期間計測回路27に入力され、計測
回路27は、ゲート回路26が入力信号をそのまま出力
しているゲート期間中において第1の比較器25の出力
が高レベルとなっている期間を計測し、該計測した期間
の長さに応じた電圧VTを第2の比較器29の非反転入
力に供給する。第2の比較器29の反転入力には基準値
設定回路28が接続されており、失火判定用の基準電圧
VTREFが供給される。VT>VTREFが成立する
とき、第2の比較器29の出力が高レベルとなり、FI
失火等の失火発生と判定される。なお、基準電圧VTR
EFは、機関運転状態に応じて設定される。また、ゲー
ト回路26のゲート期間を決定するゲート信号G及び期
間計測回路27のリセットタイミングを決定するリセッ
ト信号R2はCPU11から供給される。
【0024】図3は、図2の入力回路21、ピークホー
ルド回路22及び比較レベル設定回路24の具体的な構
成を示す回路図である。
【0025】同図において入力端子T3は、抵抗215
を介して演算増幅器(以下「オペアンプ」という)21
6の非反転入力に接続されている。また入力端子T1
は、コンデンサ211と抵抗212とダイオード214
とを並列に接続した回路を介してアースに接続されると
ともに、ダイオード213を介して電源ラインVBSに
接続されている。コンデンサ211は、例えば104
F程度のものを使用し、前記電圧センサ13によって検
出される電圧を数千分の1に分圧する働きをする。また
抵抗212は例えば500KΩ程度のものを使用する。
ダイオード213及び214は、オペアンプ216の入
力電圧がほぼ0〜VBSの範囲内に入るようにするため
に設けられている。オペアンプ216の反転入力はその
出力と接続されており、オペアンプ216はバッファア
ンプ(インピーダンス変換回路)として動作する。オペ
アンプ216の出力は、第1の比較器25の非反転入力
及びオペアンプ221の非反転入力に接続されている。
【0026】オペアンプ221の出力はダイオード22
2を介してオペアンプ227の非反転入力に接続され、
オペアンプ221及び227の反転入力はいずれもオペ
アンプ227の出力に接続されている。従って、これら
のオペアンプもバッファアンプとして動作する。
【0027】オペアンプ227の非反転入力は抵抗22
3及びコンデンサ226を介して接地され、抵抗223
とコンデンサ226の接続点は、抵抗224を介してト
ランジスタ225のコレクタに接続されている。トラン
ジスタ225のエミッタは接地され、ベースにはリセッ
ト時高レベルとなるリセット信号R1がCPU11より
入力される。
【0028】オペアンプ227の出力は、比較レベル設
定回路24を構成する抵抗241及び242を介して接
地され、抵抗241と242の接続点が第1の比較器2
5の反転入力に接続されている。
【0029】図3の回路によれば、検出された点火電圧
V(オペアンプ216の出力)のピーク値がピークホー
ルド回路22によって保持され、そのピークホールド値
が比較レベル設定回路24により、値1より小さい所定
数倍され、比較レベルVCOMPとして第1の比較器2
5に供給される。従って、端子T4にはV>VCOMP
が成立するとき高レベルとなるパルス信号が出力され
る。
【0030】図4は、ゲート回路26及びパルス計測期
間計測回路27の具体的構成を示す回路図であり、トラ
ンジスタ41〜43及び抵抗44〜51により3段の反
転回路が構成されている。また、トランジスタ42のコ
レクタとアースとの間には、トランジスタ61が介装さ
れており、トランジスタ61のベースには、CPU11
からゲート信号Gが供給される。従って、ゲート信号G
が低レベルとなるゲート期間中においては、トランジス
タ43のコレクタは、端子T4の電圧の高/低に対応し
て低レベル/高レベルとなり、ゲート信号Gが高レベル
のときにはトランジスタ43のコレクタは端子T4の電
圧に拘らず高レベルとなる。トランジスタ43のコレク
タは抵抗52を介してトランジスタ54のベースに接続
されており、トランジスタ54のベースは抵抗53を介
して電源ラインVBSに接続されている。トランジスタ
54のエミッタは電源ラインVBSに接続され、コレク
タは抵抗55及びコンデンサ57を介してアースに接続
されている。抵抗55とコンデンサ57の接続点は、オ
ペアンプ59及び抵抗60を介して端子T5に接続され
ている。オペアンプ59はバッファアンプである。抵抗
55とコンデンサ57の接続点は、抵抗56を介してト
ランジスタ58のコレクタに接続され、トランジスタ5
8のエミッタは接地されている。トランジスタ58のベ
ースには、CPU11よりリセット信号R2が入力され
る。
【0031】図4の回路によれば、ゲート信号Gが低レ
ベルであって端子T4が高レベルのときトランジスタ4
3のコレクタが低レベルとなり、トランジスタ54がオ
ンし、コンデンサ57が充電される一方、ゲート信号G
が高レベル又は端子T4が低レベルのときはトランジス
タ54がオフし、コンデンサ57の充電が停止される。
従って、端子T5には、端子T4に入力されるパルス信
号がゲート期間中において高レベルである期間に比例す
る電圧VTが得られる。
【0032】以上のように構成される失火検出装置の動
作を図5を用いて説明する。同図(a),(b)はそれ
ぞれ通電制御信号A及びゲート信号Gを示す。また、同
図(c)〜(e)は燃料混合気の正常燃焼時の特性を示
し、同図(f)〜(i)は燃料系の原因に係る失火(以
下「FI失火」という)時の特性を示す。
【0033】同図(a)に示すように、本実施例では、
点火指令信号を時刻t0に発生させた後(点火に必要な
期間一次側コイル2に通電し、時刻t0において電流を
遮断した後)、時刻t1からt2の間再度通電を行う
(以下「再通電」という)。再通電は時刻t2におい
て、点火プラグ5の電極間に放電が発生しない程度の値
(所定印加電圧値)の電圧を印加し、点火プラグ5及び
その周辺回路の浮遊容量に電荷を蓄える(チャージす
る)ために行うものである。以下、時刻t2に点火プラ
グ5に印加される電圧を再チャージ電圧(再チャージ指
令信号)という。
【0034】同図(b)及び(f)は、検出した点火電
圧(入力回路21の出力電圧)V(B,B′)及び比較
レベルVCOMP(C,C′)の推移を示している。ま
ず、同図(b)を参照して正常燃焼時の点火電圧特性に
ついて説明する。
【0035】同図(b)において、点火指令信号が発生
する時刻t0の直後においては点火電圧Vは燃料混合気
(点火プラグの放電ギャップ間)の絶縁を破壊する値ま
で上昇し、絶縁破壊後は、絶縁破壊前の容量放電状態
(数百アンペア程度の電流による非常に短い時間の放電
状態)から放電電圧が略一定の誘導放電状態へと移行す
る(数十ミリアンペア程度の電流により、数ミリ秒程度
の放電期間)。誘導放電電圧は、時刻t0以降の圧縮行
程に伴う気筒内の圧力が上昇することにより上昇する。
これは、圧力が高くなると誘導放電に必要な電圧も高く
なるためである。誘導放電の最後の段階においては点火
コイルの誘導エネルギーの減少により誘導放電を維持す
るための電圧よりも点火プラグ電極間の電圧が低くな
り、誘導放電は消失して容量放電状態(後期の容量放電
状態)へ移行する。容量放電状態においては点火プラグ
電極間の電圧は燃料混合気の絶縁を再度破壊するため上
昇するが、点火コイル1の残余のエネルギーが少なく電
圧上昇はわずかである。これは、燃焼が発生した場合
は、プラグギャップ間の電気抵抗が低いためであり、燃
焼時の燃料混合気がイオン化していることに起因する。
【0036】なお、ダイオード7と点火プラグ5との間
の浮遊容量に蓄えられた電荷(電極間で放電しきれずに
残った電荷)は、ダイオード7があるため、点火コイル
1側へは放電されないが、点火プラグ5の電極近傍に存
在するイオンによって中和されるため、容量放電終了時
の点火電圧Vは速やかに減少する。
【0037】その後、時刻t2において再チャージ電圧
が印加されると、点火電圧Vは上昇するが、このときチ
ャージされる電荷は、前述した後期容量放電終了直後と
同様に、点火プラグ5の電極近傍に存在するイオンによ
って中和されるため、速やかに減少する。
【0038】一方、比較レベルVCOMPは、図示例で
は、時刻t5までは前回リセットされた後における点火
電圧Vのピーク値に応じた値となっており、リセット信
号R1により、時刻t5〜t2において所定低レベル固
定状態とされ、時刻t2においてその状態が解除される
(以下、所定低レベル固定状態を解除する時点を「リセ
ット(初期化)タイミング」という)。したがって、時
刻t2以後は再チャージ電圧によってピーク値となった
点火電圧Vに応じた値(本実施例ではピーク値の2/3
程度の値としている)となる。その結果、点火電圧Vと
比較レベルVCOMPとの比較を行う第1の比較器25
の出力は同図(d)に示すように、時刻t0付近、時刻
t6〜t7及び時刻t2〜t8において高レベルとなる
が、ゲート回路26の出力は、ゲート信号Gが低レベル
である時刻t3〜t7及び時刻t2〜t8においてのみ
高レベルとなる。したがって、パルス発生期間計測回路
27の出力VTは、同図(e)に示すように変化し、基
準電圧VTREFを越えず、正常燃焼と判定される。
【0039】次に、燃料混合気が燃料供給系の異常等に
よりリーン状態やカット状態となりFI失火が発生した
とき(燃焼が発生しなかったとき)の点火電圧特性(破
線で示す特性)について説明する。同図(f)におい
て、点火指令信号の発生時刻t0の直後においては点火
電圧V(B′)は点火プラグ電極間の燃料混合気の絶縁
を破壊する値まで上昇するが、このときの絶縁破壊電圧
の値は、燃料混合気に占める空気の割合が正常時よりも
多く含まれており、燃料混合気の絶縁耐力が大きくな
り、また、燃焼が発生していないため、燃料混合気がイ
オン化しておらず、プラグギャップ間の電気抵抗が高く
なる傾向にあることから、正常燃焼時の電圧値よりも高
くなる。この後、正常燃焼時と同様に誘導放電状態へ移
行するが、放電抵抗も正常燃焼時よりも大きいことによ
り正常燃焼時よりも早く容量放電状態へ移行する傾向を
示す。誘導放電の最後の段階で発生する容量放電(後期
の容量放電)の値は、燃料混合気の絶縁破壊電圧が正常
燃焼時よりも大きいことにより、正常燃焼時に比べて非
常に大きくなる。
【0040】このとき、点火プラグ5の電極近傍にほと
んどイオンが存在しないため、ダイオード7と点火プラ
グ5との間に蓄えられた電荷は、イオンによって中和さ
れず、またダイオード7によって点火コイル1へ逆流す
ることもできないためそのまま保持され、気筒内圧力が
低下して放電要求電圧がこの電荷により印加されている
電圧と等しくなった時に、点火プラグ5の電極において
放電されるが、点火電圧Vが高いときには比較的早期に
放電されてしまう。
【0041】その後、時刻t2において再チャージ電圧
が印加されると、点火電圧Vは再び上昇し、前述と同様
にプラグ電極間のイオンによる中和がなく、またダイオ
ード7の作用により、高電圧状態が継続する。そして、
気筒内圧力がさらに低下して放電要求電圧が点火電圧V
と等しくなったときに、プラグ電極間で放電される(時
刻t11)。
【0042】一方、比較レベルVCOMP(C′)は、
図示例では時刻t9までは前回リセットされた後におけ
る点火電圧Vのピーク値に応じた値となっており、時刻
t9以後、点火電圧Vの上昇とともに上昇し、ピーク値
に対応したレベルを時刻t5まで保持する。時刻t5〜
t2において所定低レベル固定状態され、時刻t2以後
は再チャージ電圧によってピーク値となった点火電圧V
に対応した値を保持する。
【0043】その結果、第1の比較器25の出力は同図
(g)に示すように、時刻t0近傍、時刻t9の少し
前、時刻t9〜t10及び時刻t2〜t11において高
レベルとなるが、ゲート回路26の出力は、ゲート期間
TG中に高レベルとなった期間内のみ高レベルとなる。
したがって、パルス発生期間計測回路27の出力VT
は、同図(h)に示すように変化し、時刻t12におい
て基準電圧VTREFを越え、第2の比較器29の出力
は、同図(i)に示すよう、時刻t2〜t4において高
レベルとなり、FI失火が検出される。
【0044】図5(f)に示したように、点火電圧Vが
後期容量放電時に比較的高電圧となったような場合に
は、点火電圧Vが早期に低下してしまい(時刻t1
0)、この時点では期間計測回路27の出力VTは基準
電圧VTREFを越えないため、FI失火を検出するこ
とができない。そこで、本実施例では、時刻t2におい
て、プラグ電極間で放電が発生しない程度の値の再チャ
ージ電圧を印加するようにしたので、点火電圧Vが高電
圧となった場合でも、FI失火を確実に検出することが
できる。
【0045】なお、本実施例ではゲート回路26が開い
ているゲート期間TG(時刻t3〜t4)は、後期容量
放電の終了時点近傍から所定期間としているが、ゲート
期間TGの終了時刻t4は、ディストリビュータ6のロ
ータヘッドが次のセグメントにかかる手前(点火からク
ランク角度で120度程度の範囲内)であればいつでも
よい。
【0046】また、パルス発生期間計測回路27は時刻
t4においてリセットするようにしている。
【0047】また、上述した例では、ピークホールド回
路22のリセットタイミングは、再チャージ電圧を印加
する時点と同時としている。これは、後期容量放電中及
びその直後においては、点火電圧Vのレベルが不安定で
あるため、この期間中にリセットすると比較レベルVC
OMPの値も不安定なものとなり、正確な失火検出が行
えないこと、及び再チャージ電圧発生時よりあまり遅ら
せると再チャージを行う意味がなくなることを考慮した
ものである。したがって、リセットタイミングは必ずし
も再チャージ電圧発生時と同時としなくてもよいが、再
チャージ電圧発生時の近傍とする必要がある。
【0048】次に、再チャージ電圧を印加する時点(以
下「再チャージタイミング」という)について検討す
る。
【0049】再チャージタイミングを点火指令信号によ
って発生した放電が終了する前とすると、燃焼時でも点
火電圧Vが比較レベルVCOMPを越える期間が長くな
ったり、失火時でも点火電圧Vがほとんど比較レベルV
COMPを越えないような場合が発生し、正確な失火判
定が行えない。
【0050】一方、再チャージタイミングをあまり遅ら
せると、燃焼時のみプラグ電極間に発生するイオンが減
少してしまい、失火時と区別がつかなくなってしまう。
【0051】従って、再チャージタイミングはクランク
角度で上死点後10度程度の時期とすのが最適であり、
遅くとも上死点後40度より前の時期に行う必要があ
る。
【0052】本実施例では、点火指令信号による放電の
継続時間が、エンジンの運転状態(特にエンジン回転速
度及びエンジン負荷)によって変化する点に着目し、エ
ンジン回転速度及びエンジン負荷に応じて、再チャージ
タイミングを決定するようにしている。
【0053】次に、再チャージ電圧は前述したようにプ
ラグ電極間で放電が発生しない程度の所定電圧値とする
が、この再チャージ電圧の制御は、再通電の時間T2
(図5(a)参照)を変更することによって行う。再通
電時間T2によって点火コイル1に蓄えられるエネルギ
ーが変化し、電流遮断時(時刻t2)の発生電圧が変化
するからである。
【0054】再通電時間T2は、機関負荷及び点火プラ
グ5に電力を供給するバッテリの電圧VBに応じてCP
U11により算出される。
【0055】次に点火プラグ電極まわりにカーボンなど
が付着し、絶縁性が低下した場合について、図6を参照
して説明する。同図(c)〜(e)において実線は燃焼
時の特性を示し、破線はFI失火時の特性を示してい
る。この図から明らかなように、燃焼時は図5(c)〜
(e)とほぼ同一の特性となるが、FI失火時は後期容
量放電中に点火電圧Vが上昇すると付着しているカーボ
ン等を介した放電が発生し、点火電圧Vは直ちに低下す
る(時刻t9)。その後、再チャージ電圧発生時(時刻
t2)においても、同様に変化するため、比較レベルV
COMP(c′)は時刻t9又はt2におけるピーク値
に応じた値となり、点火電圧Vが比較レベルVCOMP
を越える期間はほとんどなくなってしまう。その結果、
同図(d)に示すように第1の比較器25の出力がゲー
ト期間中において高レベルとなる期間は燃焼時と大差な
くなり、失火状態を検出できない。
【0056】そこで本発明の他の実施例では、図7に示
すようにピークホールド回路22のリセットタイミング
を、再チャージ電圧発生時点(時刻t2)から所定期間
TD経過後の時刻t13としている。これにより、比較
レベルVCOMPは、同図(c)に曲線c′で示すよう
になり、時刻t5からt11において、点火電圧Vが比
較レベルVCOMPを越える(同図(d))。その結
果、パルス発生期間計測回路27の出力VTは同図
(e)に示すように時刻t12〜t4において基準電圧
VTREFを越え、失火が検出される。
【0057】ここで所定期間TDは、再チャージにより
発生する点火電圧の突出部分(同図(c)においてPで
示す部分)でリセットされないようにする必要があるこ
とを考慮し機関運転状態(例えば機関負荷)に応じて設
定される。突出部分の時間幅は、機関運転状態により変
動するからである。
【0058】本実施例によれば、点火プラグがくすぶり
状態になりかけた場合や、くすぶり状態から回復しかけ
た場合においても、正確にFI失火を検出することがで
きる。
【0059】なお、上述した実施例のように、点火プラ
グ及びその周辺回路にチャージされる電荷がFI失火時
と燃焼時とで異なる点を利用してFI失火の検出を行う
場合には、点火プラグ5に印加する電圧の極性は、中心
電極5a側を正電位とすることが望ましい。正電位とす
ることにより、プラグ電極周辺回路にチャージされる電
荷は正電荷となり、燃焼時においてこれを中和するのは
負電荷、すなわち電子となり、正電荷のイオンに比べて
移動速度が速くなる。その結果、点火電圧Vが比較レベ
ルVCOMPを越える期間の燃焼時と失火時の差が顕著
となるからである。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1の失火検出
装置によれば、点火指令信号発生後に再チャージ指令信
号が発生し、再チャージ指令信号とほぼ同時に所定比較
電圧値が初期化されるので、所定比較電圧値が適正のも
のとなり、点火電圧値が所定比較電圧値を越える期間に
基づく失火判定をより正確に行うことができる。
【0061】請求項2の失火検出装置によれば、再チャ
ージ指令信号発生時から所定期間経過後に所定比較電圧
値が初期化されるので、所定比較電圧値がさらに適正な
ものとなり、点火プラグがすくぶり状態になりかけた場
合や、くすぶり状態から回復しかけた場合においても正
確に失火判定を行うことができる。
【0062】請求項3の失火検出装置によれば、前記所
定期間は機関運転状態に応じて設定されるので、機関運
転状態の広い範囲にわたって正確な失火判定を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る失火検出装置の全体構
成を示す図である。
【図2】失火判定回路の具体的な構成を示すブロック図
である。
【図3】失火判定回路の一部の具体的な構成を示す回路
図である。
【図4】失火判定回路の一部の具体的な構成を示す回路
図である。
【図5】失火判定回路の動作を説明するためのタイムチ
ャートである。
【図6】失火判定回路の動作を説明するためのタイムチ
ャートである。
【図7】失火判定回路の動作を説明するためのタイムチ
ャートである。
【符号の説明】
1 点火コイル 2 一次側コイル 3 二次側コイル 5 点火プラグ 8 電子コントロールユニット(ECU) 9 各種機関運転パラメータセンサ 10 点火電圧センサ 11 CPU 22 ピークホールド回路 26 パルス発生期間計測回路
フロントページの続き (72)発明者 久木 隆 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 澤村 和同 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 丸山 茂 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 石岡 卓司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関運転パラメータの値を検出する機関
    運転状態検出手段と、前記機関運転パラメータの値に基
    づいて点火時期を決定して点火指令信号を発生する点火
    指令信号発生手段と、点火コイルを有し、前記点火指令
    信号に基づいて、機関に備えられた点火プラグを放電さ
    せる為の高電圧を発生させる点火手段と、前記点火手段
    に高電圧が発生される時の前記点火コイルの二次側の電
    圧値を検出する電圧値検出手段と、前記点火指令信号発
    生後の点火電圧値が所定比較電圧値を越える期間が基準
    値を越えるとき、機関の失火状態と判定する失火判定手
    段とを有する内燃機関の失火検出装置において、前記点
    火指令信号発生後、再度前記点火手段に高電圧を発生さ
    せるための再チャージ指令信号を発生する再チャージ指
    令信号発生手段と、前記再チャージ指令信号発生とほぼ
    同時に前記所定比較電圧値を初期化する初期化手段とを
    設けたことを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】 機関運転パラメータの値を検出する機関
    運転状態検出手段と、前記機関運転パラメータの値に基
    づいて点火時期を決定して点火指令信号を発生する点火
    指令信号発生手段と、点火コイルを有し、前記点火指令
    信号に基づいて、機関に備えられた点火プラグを放電さ
    せる為の高電圧を発生させる点火手段と、前記点火手段
    に高電圧が発生される時の前記点火コイルの二次側の電
    圧値を検出する電圧値検出手段と、前記点火指令信号発
    生後の点火電圧値が所定比較電圧値を越える期間が基準
    値を越えるとき、機関の失火状態と判定する失火判定手
    段とを有する内燃機関の失火検出装置において、前記点
    火指令信号発生後、再度前記点火手段に高電圧を発生さ
    せるための再チャージ指令信号を発生する再チャージ指
    令信号発生手段と、前記再チャージ指令信号発生時から
    所定期間経過後に前記所定比較電圧値を初期化する初期
    化手段とを設けたことを特徴とする内燃機関の失火検出
    装置。
  3. 【請求項3】 前記初期化手段は、前記所定期間を機関
    運転状態に応じて設定することを特徴とする請求項2記
    載の内燃機関の失火検出装置。
  4. 【請求項4】 前記失火判定手段は、前記点火電圧値に
    応じて前記所定比較電圧値を設定する基準レベル設定手
    段を有することを特徴とする請求項1乃至3記載の内燃
    機関の失火検出装置。
  5. 【請求項5】 前記点火手段は、一次側系路と二次側系
    路とを有し、該二次側系路には点火プラグ放電時の電流
    と逆方向の電流を抑止する電流抑止手段を備えることを
    特徴とする請求項1乃至4記載の内燃機関の失火検出装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015200280A (ja) * 2014-04-10 2015-11-12 株式会社デンソー 制御装置

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