JPH05270983A - 水素化物生成金属基体上におけるcvdダイヤモンドの成長 - Google Patents

水素化物生成金属基体上におけるcvdダイヤモンドの成長

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JPH05270983A
JPH05270983A JP4330831A JP33083192A JPH05270983A JP H05270983 A JPH05270983 A JP H05270983A JP 4330831 A JP4330831 A JP 4330831A JP 33083192 A JP33083192 A JP 33083192A JP H05270983 A JPH05270983 A JP H05270983A
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diamond
hydride
hydrogen
forming metal
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Philip G Kosky
フィリップ・ジョージ・コスキー
Thomas R Anthony
トーマス・リチャード・アンソニー
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General Electric Co
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可及的に大きな厚み及び大きな面積を有し乍
らも、析出中に基体から突発的に剥離せず、冷却時に亀
裂を生じず、且つ、基体から容易に或いは自然に剥離し
得る、CVDダイヤモンド薄膜の形成法を提供する。 【構成】 CVDダイヤモンドを析出させる基体とし
て、Nb,Ti,Zr,Hf,V,Ta,Pd,或いはこれらとの合金等から
成る、水素化合物生成金属を使用する。ダイヤモンド被
膜が基体上に形成された後、例えばダイヤモンド被膜成
長時に使用される水素−炭化水素混合ガス中の炭化水素
ガス(例えばメタン)の供給を遮断する等して、被膜付
きの基体を水素ガス中に晒す。上記の如き種類の金属
は、CVDダイヤ形成温度よりも低温にて、高い水素溶
解度を有し、故に、水素化物を生成する。従来のMo基体
と比較して、上記目的と合致した薄膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンドフィルム
を製造するための改良された方法および装置並びにそれ
によって得られた製品に関するものである。更に詳しく
言えば本発明は、加熱された水素化物生成金属基体上に
炭化水素−水素混合ガスからダイヤモンド被膜を成長さ
せ、次いでかかるダイヤモンド被覆基体を水素に暴露し
てからダイヤモンド被膜を分離するようなCVDダイヤ
モンドフィルムの製造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、ダイヤモンドが準安定状態にある
ような低圧下でダイヤモンドを成長させようとする努力
が劇的に増加した。低圧合成技術によってダイヤモンド
を生成させ得ることは以前から知られていたが、極めて
遅い成長速度をはじめとする欠点の存在のため、この技
術が商業的に広く受入れられるには至らなかった。近年
の研究成果はより早い成長速度を可能にし、それによっ
てこの分野に対する工業的な関心に拍車をかけた。更に
また、「ダイヤモンド様」の炭素および炭化水素として
知られる全く新しい種類の固体の発見もかかる最近の研
究成果の1つである。
【0003】ダイヤモンドの低圧成長技術は、当業界に
おいて「化学蒸着法」または「CVD法」と呼ばれてき
た。文献中には、主として3種のCVD法が好んで使用
されている。第1のCVD法は炭化水素(通例はメタ
ン)と水素との希薄混合ガスを使用するものであって、
この場合の炭化水素含量は炭素と水素との原子比で表わ
して約0.05〜1.5%の範囲内にあるのが通例であ
る。かかる混合ガスは約1750〜2400℃の範囲内
の温度にまで電気的に加熱された高温のタングステンフ
ィラメントの直ぐ上方に配置された石英管を通して導入
される。混合ガスがフィラメントの表面で解離する結
果、高温のタングステンフィラメントの直ぐ下方に配置
された加熱基体上にはダイヤモンドが析出する。(通例
はモリブデンから成る)基体は、約400〜1100℃
の範囲内の温度に加熱される。なお、加熱された混合ガ
スを基体に接触させることによってダイヤモンドの核生
成および成長を生起させるようなCVD法は米国特許第
4434188号明細書中に詳しく記載されている。
【0004】第2のCVD法は、上記のごときフィラメ
ント活性化法にプラズマ放電を付加したものである。か
かるプラズマ放電は核生成密度および成長速度を増大さ
せるために役立ち、従って離散状態のダイヤモンド粒子
ではなくダイヤモンドフィルムの形成を促進するものと
信じられている。かかる目的のために使用されてきたプ
ラズマ活性化法には、基本的に3つの方式がある。第1
のものはマイクロ波プラズマ方式、第2のものは(誘導
結合型または容量結合型の)高周波プラズマ方式、そし
て第3のものは直流プラズマ方式である。高周波プラズ
マ方式およびマイクロ波プラズマ方式は割合に複雑で高
価な装置を使用するものであって、発生されたプラズマ
に電気エネルギーを電気的に結合するための複雑な同調
または整合回路網が必要とされるのが通例である。更に
また、これら2つの方式において得られるダイヤモンド
成長速度はかなり遅い場合がある。
【0005】使用されている第3のCVD法は、炭化水
素に富むオキシアセチレン炎を用いてアセチレンから直
接にダイヤモンドを析出させるものである。大気圧下で
実施されるこの方法においては、基体上においてオキシ
アセチレン炎が特定の役割を演じる結果、基体上には毎
時100ミクロン以上という早い速度でダイヤモンドが
析出することがある。この方法に関しては、ジャパン・
ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Japan J
ournal of Applied Physics)の第28巻178頁(19
89年)に収載されたワイ・マツイ、エイ・ユウキ、エ
ム・サハラおよびワイ・ヒロセの論文を参照されたい。
【0006】一般に、ダイヤモンドを化学蒸着させるた
めの方法においては、前駆体ガスや希釈ガスの種類、か
かるガスの混合比率、混合ガスの温度や圧力、基体温度
およびガス活性化手段のごとき作業パラメーターを選定
する必要がある。これらのパラメーターは、基体上にお
いてダイヤモンドの核生成および成長を生起させるよう
に調整される。ガスの混合比率および作業条件は、原子
状水素を供給してダイヤモンドフィルムの表面を安定化
すると共に、好ましくは黒鉛の析出を抑制するようなも
のでなければならない。炭化水素(メタン)濃度が約3
%を越えて増加すると、黒鉛の同時析出は益々顕著とな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】公知のごとく、CVD
ダイヤモンドの核生成は特定の基体材料上においてより
容易に起こる傾向があり、また(特に、厚いダイヤモン
ドフィルムを成長させる場合には)成長期間中において
基体に対する良好な付着性が存在することが必要であ
る。ダイヤモンドフィルムは成長欠陥のために引張状態
で成長し、また「内部ひずみ」のためフィルムの厚さに
比例した力を受ける。良好な付着性が必要であるのは、
このような内部ひずみの結果としてダイヤモンドフィル
ムが突発的に剥離するのを避けるためである。とは言
え、ダイヤモンドフィルムが基体に対して非常に強固に
結合していると、成長期間の終了後において基体を溶解
しなければダイヤモンドフィルムを分離し得ないことが
ある。あるいは、ダイヤモンドと基体との間に大きな熱
膨張率の差が存在する場合には、冷却時にダイヤモンド
フィルムの亀裂が生じることもある。剥離剤の使用は基
体からのダイヤモンドフィルムの分離を容易にするが、
成長時におけるダイヤモンドフィルムの付着性が不良で
あるために突発的な剥離を引起こすこともある。薄いダ
イヤモンドフィルムを形成するためには、モリブデンか
ら成る基体が好んで使用されてきた。その理由は、この
材料上においてCVDダイヤモンドの核生成が容易に起
こり得ることにある。しかしながら、モリブデン基体か
ら厚いダイヤモンドフィルムを分離することには幾つか
の問題があった。すなわち、強い炭化物結合のために冷
却時に亀裂が生じることに加え、自立したダイヤモンド
フィルムを得るためには基体を溶解する必要があったの
である。
【0008】従って、基体から容易に分離することがで
き、成長中にひとりでに剥離することがなく、かつ冷却
時に亀裂を生じることのない厚いCVDダイヤモンドフ
ィルムを製造することができれば望ましいわけである。
本発明の目的の1つは、基体からのダイヤモンド被膜の
分離が破壊を生じることなく簡単かつ制御可能に行い得
るようなCVDダイヤモンドフィルムの製造方法を提供
することにある。
【0009】本発明のもう1つの目的は、電子用途にお
いて使用するのに適した特異な組成および(好ましく
は)大きい面積を有する亀裂の無い自立した(self-sup
porting )CVDダイヤモンドフィルムを提供すること
にある。本発明の更にもう1つの目的は、制御された条
件下でダイヤモンド被膜をひとりでに剥離させ得るよう
なCVDダイヤモンドフィルム製造用の基体および装置
を提供することにある。
【0010】本発明のその他の目的は、以下の詳細な説
明を読めば自ずから明らかとなろう。
【0011】
【課題を解決する為の手段】上記のごとき目的は、CV
Dダイヤモンドを成長させるために水素化物生成金属か
ら成る基体を使用することによって達成される。通常の
CVD反応装置において上記のごとき基体を使用すれ
ば、形成されたダイヤモンド被膜の冷却時に水素に暴露
することによってダイヤモンド被膜を容易に分離するこ
とができる。かかる分離を達成するためには、たとえ
ば、水素中においてダイヤモンド被覆基体を冷却するだ
けでダイヤモンド被膜を基体からひとりでに剥離させる
こともできる。
【0012】こうして得られたCVDダイヤモンドフィ
ルムは、レーザー利用誘導結合式プラズマ質量分析法に
よって検出可能な痕跡量[すなわち、1兆分率(ppt) レ
ベル]の基体金属を含有している。このようにすれば、
酸による基体の溶解および酸の残留物の存在なしに大面
積の厚いCVDダイヤモンドフィルムを得ることができ
るのである。
【0013】
【実施例】本発明の特徴の1つは、CVDダイヤモンド
を成長させるために新規な基体を使用することにある。
かかる基体は水素化物生成金属から成るものであって、
それの好適な実例としてはニオブ、チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウム、タンタル、パラジウムお
よびそれらの合金が挙げられる。また、水素化物生成金
属と水素化物非生成金属との合金(たとえば、Nb−C
o、Nb−Cr、Nb−Fe、Nb−Ni、Nb−R
e、Nb−Si、Nb−Sn、Nb−U、Nb−Vな
ど)を使用することもできる。これらの金属が望ましい
理由は、CVDダイヤモンドを成長させる際に使用され
る温度よりも低い温度下でそれらが高い水素溶解度を有
すること、およびかかる温度下でそれらがモリブデンよ
りも容易に水素と反応して水素化物を生成することにあ
る。従来のモリブデン基体に比べてかかる基体からダイ
ヤモンド被膜をより容易に分離し得る原因は、上記のご
とき高い水素溶解度および水素化物生成能力にあると考
えられる。本発明の基体は、水素中において制御条件下
で冷却することによってダイヤモンド被膜をひとりでに
剥離させることを可能にする。これらの基体はCVD反
応装置内において使用することができると共に、通常の
表面仕上(好ましくは高度に研磨された表面)および
(または)通常の形状を有することができる。
【0014】本発明の基体は1種以上の水素化物生成金
属の合金から成っていてもよいし、あるいは水素化物生
成金属を部分的に含む複合材料から成っていてもよい。
かかる合金および複合材料は、処理中における基体とダ
イヤモンド被膜との間の伸縮の差を随意に(好ましくは
できるだけ小さくなるように)選定し得るという点で有
利である。収縮の差が大き過ぎることは、ダイヤモンド
被覆基体を冷却する場合に問題となる。なお、厚いダイ
ヤモンドシートおよび水素化物生成金属(たとえばニオ
ブ)の薄い上層から成る複合基体上にCVDダイヤモン
ド被膜を成長させた場合には、収縮の差は実質的に存在
しない。
【0015】本発明の基体は、1平方ミリメートルを越
えかつ2500平方インチ以上にも達する広範囲の表面
積を提供し得る。かかる基体は、CVDダイヤモンドの
核生成および成長を生起させるのに適した任意の装置に
おいて使用することができる。本発明によって提供され
るCVDダイヤモンドフィルム製造装置は、上記のごと
き好適な水素化物生成金属から成る基体を含んでいる。
残りの構成要素は従来の装置と共通である。このような
構成要素としては、内部に基体を配置するための密閉さ
れた反応室、基体を加熱するための手段、加熱された基
体に炭化水素−水素混合ガスを衝突させるための手段、
およびダイヤモンドの核生成および成長を生起させるよ
うに混合ガスを励起するための手段が挙げられる。
【0016】反応室は、それの内部に支持された基体に
対して接近可能であるように構成されている。基体は混
合ガス用の励起手段によって加熱されることが好ましい
が、基体用の二次的加熱手段を設けることもできる。基
体の加熱を助けるため、所望に応じて反応室の内部に熱
線反射器を配置することもできる。ガス入口を通して反
応室内に混合ガスが導入され、導管を用いて基体に衝突
するように導かれ、次いでガス出口を通して排出され
る。基体に衝突する混合ガスを励起するためには、基体
に近接して配置されかつ電気抵抗によって加熱された高
温のフィラメントに混合ガスを接触させながら流せばよ
い。その他の手段としては、マイクロ波または高周波エ
ネルギーを用いて混合ガスをイオン化することによって
ガスプラズマを生成させてもよい。なお、かかる装置の
構成要素および構造は広範囲にわたって変更し得る。適
当な構造の実例は米国特許第4958592、4847
671および4830702号の明細書中に記載されて
いる。
【0017】本発明のCVDダイヤモンドフィルム製造
方法においては、水素化物生成金属から成る基体上にダ
イヤモンド被膜を成長させることが必要である。そのた
めには、基体上におけるダイヤモンド被膜の成長を促進
するような圧力、温度およびガス濃度条件下において加
熱された基体を励起された炭化水素−水素混合ガスに接
触させるという従来のダイヤモンド被膜成長方法の場合
と同様な技術を使用すればよい。本発明のCVDダイヤ
モンドフィルム製造方法におけるこの工程を実施するた
めには、ニオブ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、
バナジウム、タンタル、パラジウムおよびそれらの合金
から成る群より選ばれた好適な水素化物生成金属を従来
のCVDダイヤモンド成長方法において基体として使用
するのが適当である。
【0018】ダイヤモンド被膜を成長させる際には、通
常の出発原料および作業条件を使用すればよい。たとえ
ば、メタン、エタンおよびプロパンのごときアルカン系
列の炭化水素ガス、エチレン、アセチレン、シクロヘキ
センおよびベンゼンのごとき不飽和炭化水素ガスなどを
炭素源として使用することができる。とは言え、メタン
を使用することが好ましい。炭素と水素との原子比は
(火炎CVD法における)約1:1から約1:1000
まで広範囲にわたって変化し得るが、約1:200の原
子比が好適である。かかる混合ガスは、所望に応じて不
活性ガス(たとえばアルゴン)で希釈することもでき
る。高温のフィラメントはタングステンまたはタンタル
から成るのが普通であって、通例は1750〜2400
℃の範囲内の温度に加熱される。米国特許第47073
84号明細書中には、本発明において使用するのに適し
た通常のCVD条件および方法が一層詳しく記載されて
いる。基体の表面積1cm2 当り約20ワットという僅か
な電力消費量において、毎時約0.1〜10ミクロンの
範囲内の成長速度が容易に得られた。より大きい電力密
度を使用すれば、毎時約10ミクロンを越える成長速度
を得ることもできる。
【0019】ダイヤモンド成長のために使用される基体
温度は通例400〜1100℃の範囲内にあるが、好ま
しくは700〜950℃の範囲内の基体温度が使用され
る。混合ガスの圧力は一般に約0.01〜1000Torr
の範囲内にあればよいが、約1〜800Torrの範囲内の
圧力を使用すれば有利である。本発明において使用する
のに適した通常の作業条件の詳細は、サイエンス(Scien
ce) 第241巻(1988年8月19日)の913〜9
21頁に収載されたアンガス(Angus) 等の論文「低圧下
におけるダイヤモンド相および『ダイヤモンド様』相の
準安定成長」、並びにケミカル・エンジニアリング・ニ
ューズ(Chemical Engineering News) (1989年5月
15日)の24〜39頁に収載されたバックマン(Bachm
an) 等の論文「ダイヤモンド薄膜」中に見出すことがで
きる。
【0020】本発明に従って水素化物生成金属から成る
基体の中には、ダイヤモンド成長のための核生成が不良
であるような表面を有するものがある。このような表面
は、(粒度約1ミクロンの)ダイヤモンド粉末を用いて
摩擦するか、あるいはかかる粉末をアルコール中に分散
させて成る懸濁液を表面に塗布してから基体表面を超音
波で振動させることによって「活性化」することができ
る。
【0021】基体上にダイヤモンド被膜を成長させた
後、ダイヤモンド被覆基体が冷却される。たとえばニオ
ブ基体の場合には、それを約600℃未満の温度にまで
冷却することが好ましく、また約400℃未満の温度に
まで冷却すれば最も好ましい。かかる温度に到達する
と、温度の低下に伴って水素溶解度は急速に増加する
が、詳細な点は水素化物生成金属または合金の種類に応
じて異なる。約1000℃から室温にまで冷却した場
合、ニオブに対する水素の溶解度は約5scc/g から10
0scc/g にまで増加することが判明している。この点に
関しては、ハンセンおよびアンダーソン(Hansen & Ande
rson) の著書「コンスティテューション・オブ・バイナ
リー・アロイズ(Constitution of Bianry Alloys) 」
(マグローヒコル社、第2版、1958年)の787頁
を参照されたい。
【0022】こうして冷却されたダイヤモンド被覆基体
が水素に暴露される。そのためには、好ましくは炭化水
素の供給を停止しながら、ダイヤモンド被膜を成長させ
るために使用された混合ガス中の水素圧を維持すればよ
い。とは言え、水素圧を高めることもできる。そうすれ
ば、基体からのダイヤモンド被膜の分離を促進すること
ができる。ただし、水素化物生成金属を長時間にわたっ
て高い水素圧に暴露すれば、多量の金属水素化物が生成
する恐れがある。実際には、1〜760Torrの水素圧が
好適である。基体の冷却に先立ち、反応装置内の水素圧
を高めることもできる。実効水素圧を高めるためのもう
1つの手段は、冷却時にダイヤモンド被覆基体を原子状
水素に暴露することである。そうすれば、式 H+H←→H2 によって表わされる反応の平衡によって分子状水素の実
効水素圧が上昇するのである。
【0023】多少なりとも水素に暴露すれば、ダイヤモ
ンド被膜の分離は容易になる。とは言え、ニオブ基体か
らのダイヤモンド被膜の分離を顕著に促進するために
は、暴露時間が1分を越えかつ4時間以下であることが
好ましい。ただし、かかる暴露時間は使用する水素化物
生成金属の種類に応じて異なる。基体が多少の熱収縮の
差を示す場合には、冷却によって熱収縮が起こる前に基
体を水素に暴露することが好ましい。界面の水素化物層
中に存在すると思われる弱い結合を切断するため、多少
の熱収縮の差が存在することは望ましい。そうすれば、
ダイヤモンド被膜は破壊することなくひとりでに剥離す
るのである。
【0024】理論によって拘束されることは望まない
が、ダイヤモンド被覆基体に対する水素の拡散は金属水
素化物を生成することによってダイヤモンドと基体との
間の結合を切断するために役立つものと考えられる。こ
のような拡散は、ダイヤモンドと基体との間の界面に沿
って起こり得る。水素が水素化物中に拡散するために必
要な時間に関する近似モデルによれば、かかる時間は1
/(Dp)に比例することがわかる。式中、Dは界面領
域に沿った水素の拡散係数であり、またpはは水素圧で
ある。Dは実質的に一定であるから、所定のダイヤモン
ド被膜を分離するための時間は水素圧の低下に伴って減
少する。なお、基体からのダイヤモンド被膜の分離は
(部分的または全体的に)界面への水素拡散または水素
化物の生成に原因するものではない可能性もある。すな
わち、その他の物理的現象(たとえば、界面における水
素の析出)によって分離が引起こされる可能性もあるの
である。
【0025】本発明のダイヤモンドフィルム製造方法に
よれば、亀裂の無い自立したCVDダイヤモンドフィル
ムが得られる。かかるダイヤモンドフィルムは基体に由
来する水素化物生成金属の残留物を含有することがある
が、それは中性子活性化またはエラン(Elan)5000型
誘導結合式プラズマ質量分析計を用いたレーザー利用誘
導結合式プラズマ質量分析法(LAICPMS)によっ
て検出することができる。このような亀裂の無い自立し
たCVDダイヤモンドフィルムを得るために酸を用いて
基体を溶解する必要はないから、かかるダイヤモンドフ
ィルムが酸の残留物を含有することはない。また、基体
が溶解されないから、それを何回も繰返して使用するこ
とができる。こうして得られる自立したCVDダイヤモ
ンドフィルムは、約1平方ミリメートルから所望に応じ
て2500平方インチ以上にも達する表面積を有するこ
とができる。かかるダイヤモンドフィルムは1〜100
00ミクロンの範囲内の厚さを有し得るが、100ミク
ロン以上の厚さが好適である。本発明によって製造され
たダイヤモンドフィルムは、集積回路、レーザーダイオ
ードなどの基体のごとき電子用途のために適している。
このような用途のために使用されるダイヤモンドフィル
ムは、亀裂、ボイド、溝などのごとき欠陥を有していて
はならないのである。
【0026】これ以上の詳しい説明を行わなくても、上
記の記載に基づけば当業者は本発明を最大限に利用し得
るものと考えられる。それ故、以下に示される特定の実
施例は本発明の実施を単に例示するものと解すべきであ
って、本発明の範囲を制限するものと解すべきでない。
【0027】
【実施例1】複数の基体を収容し得るように設計された
CVD反応装置内において、4個のモリブデン基体およ
び4個のニオブ基体を同時に試験した。試験目的のた
め、これらの基体の表面仕上状態は互いに異なってい
た。それぞれの金属から成る4個の基体は、互いに離隔
しながら鉛直方向に沿って積み重なる状態で配置した。
各々の基体は約3.2cm平方の寸法を有していた。モリ
ブデン基体及びニオブ基体の各々において、最上部の基
体は冶金的に研磨したものであった。2番目の基体は、
研磨した後、核生成を容易にするため2−プロパノール
中に2〜250ミクロンのダイヤモンド粉末を含有して
成るスラリーで摩擦処理を施したものであった。3番目
の基体は電解研磨を施したものであり、そして最後の基
体は砂を用いてグリットブラスト処理を施したものであ
った。これらの基体の表面粗さは、研磨された最上部の
基体が2マイクロインチ、ダイヤモンド核生成処理を施
した基体が1.3〜1.70マイクロインチ、電解研磨
を施したモリブデン基体が8マイクロインチ、電解研磨
を施したニオブ基体が25マイクロインチ、グリットブ
ラスト処理を施したモリブデン基体が42マイクロイン
チ、そしてグリットブラスト処理を施したニオブ基体が
60マイクロインチであった。
【0028】電流を流すことによって輝く白熱状態に加
熱されたタングステン線に接触させながら、水素中に約
1〜2%のメタンを含有して成りかつ0.1バール未満
の圧力を有する混合ガスを流した。約1〜1.5cmの間
隔を置いて配置された基体の間には、ほぼ中間の位置に
複数の平行なフィラメントが配置されていた。6日後、
メタンの流れを停止し、そして系全体を純粋な水素中に
おいて冷却した。
【0029】ダイヤモンド核生成処理を施したモリブデ
ン基体を除き、全てのモリブデン基体はダイヤモンド被
膜のフレーキング、亀裂および(または)基体に対する
固着を示した。ダイヤモンド核生成処理を施したモリブ
デン基体上に形成されたダイヤモンド被膜は、かなり強
い結合力をもって付着し、従って容易に分離することが
できなかった。ニオブ基体上に形成されたダイヤモンド
被膜はいずれも大きなフィルムとして分離され、その際
の亀裂や明らかな欠陥は僅かであった。グリットブラス
ト処理を施したニオブ基体には若干の断片が結合状態で
残留したが、これは粗面に対する物理的な結合に原因す
るものと思われた。ニオブ基体を用いた全ての場合にお
いて、観察された亀裂は機械的な原因(たとえば、成長
したダイヤモンド被膜が機械的な部分を取り囲んで機械
的に固着しているような場合)に由来することが明らか
であった。全ての平坦な表面はきれいに剥離したのであ
って、ニオブ表面の研磨度が高くなるほど機械的結合の
可能性は小さくなった。
【0030】
【実施例2】本実施例においては、実施例1の場合と同
じ反応装置を使用しながら、水素中に1〜2%のメタン
を含有して成りかつ0.1バール未満の圧力を有する混
合ガス中において高融点金属フィラメントを2000℃
以上に加熱した。基体は約1インチ×4インチの寸法を
有する2個のニオブ板であって、それの研磨された表面
は溝を刻むことによって1/2 インチ平方の区域に分割さ
れた。かかる基体はまた、2−プロパノール中に分散さ
せたサブミクロンのダイヤモンド粉末で処理することに
よって予め活性化された。24日間にわたってダイヤモ
ンド被膜を成長させた後に電力を遮断したが、ダイヤモ
ンド被膜は完全なフィルムとして剥離せずに多数の小さ
な断片となって剥落した。このように、所望の結果を得
るためには、ダイヤモンド被覆基体を冷却する過程が重
要である。
【0031】
【実施例3】本実施例においては、同じ圧力、同種のフ
ィラメントおよび同種の基体を用いて実施例2の手順を
繰返した。混合ガスは、水素中に約1%のメタンを含有
するものであり、また基体は800〜850℃に加熱し
た。0.015〜0.020インチの最終厚さにまでダ
イヤモンド被膜を成長させた。成長の完了後、メタンの
流れを遮断し、そしてフィラメントに供給される電力を
毎分約10%ずつ低下させて白熱状態のフィラメントを
冷却した。その結果、1/2 インチ平方のダイヤモンド被
膜の約40%が回収されたが、それらは完全に剥離し
た。なお、残りのダイヤモンド被膜の破壊はそれらを分
離する溝の機械的欠陥に原因するものであった。
【0032】
【実施例4】1-3/4インチ×9-1/4インチ×1/4 インチ
の寸法を有する4個の研磨ニオブ板に対し、ダイヤモン
ドの核生成を促進するため、エタノール中に懸濁した3
00グリットのダイヤモンド粉末を用いて超音波研磨を
施した。かかるニオブ板を、一平面内に配列された複数
のタングステンフィラメントから数ミリメートルだけ離
して吊下げた。フィラメントの温度は、CVD反応装置
内に配置された単一バンドのL&N光高温計を用いて測
定して2000℃以上に保った。他方、ニオブ板の後方
に基体冷却器を配置することにより、実験中にはそれら
を(単一バンドのL&N光高温計で測定して)935℃
以上に保った。混合ガスは水素中に1〜2容量%のメタ
ンを含有するものであり、またそれの圧力は0.1バー
ル未満であった。ダイヤモンド被膜が0.008インチ
の厚さに達した後、水素中においてニオブ板を4時間に
わたり935℃から室温にまで冷却した。冷却中にCV
Dダイヤモンド被膜はニオブ板からきれいに剥離し、そ
してそれは13.6ワット/cm/Kの熱伝導率を有して
いた。
【0033】上記の実施例において使用された反応体お
よび作業条件の代りに、本明細書中に記載された本発明
の様々な反応体および(または)作業条件を使用しなが
ら上記の実施例を繰返せば、同様に優れた結果を得るこ
とができる。上記の説明に基づけば、当業者は本発明の
本質的な特徴を容易に理解することができよう。従っ
て、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、個
々の用途および条件に合わせて様々な改変や変更を施す
ことができるはずである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/205

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素化物生成金属の残留物を含有する、
    亀裂の無い自立したCVDダイヤモンドフィルム。
  2. 【請求項2】 10ミクロンより大きい厚さおよび1平
    方ミリメートルより大きい表面積を有すると共に、ニオ
    ブ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、
    タンタルおよびパラジウムから成る群より選ばれた痕跡
    量の水素化物生成金属を含有する、亀裂の無い自立した
    CVDダイヤモンドフィルム。
  3. 【請求項3】 (a) 基体上におけるダイヤモンド被膜の
    成長を促進するような圧力、温度およびガス濃度条件下
    において、水素化物生成金属またはそれの合金から成る
    加熱基体を励起された炭化水素−水素混合ガスに接触さ
    せ、 (b) こうして形成されたダイヤモンド被膜を有するダイ
    ヤモンド被覆基体を冷却し、 (c) 冷却された前記ダイヤモンド被覆基体を水素に暴露
    し、 次いで(d) 前記基体から前記ダイヤモンド被膜を分離す
    る諸工程から成る、 CVDダイヤモンドフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記水素化物生成金属がニオブ、チタ
    ン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、タンタル
    およびパラジウムから成る群より選ばれる請求項3記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 前記基体が、冷却時における前記ダイヤ
    モンド被膜と前記基体との間の収縮の差を最小にするよ
    うに調製された前記水素化物生成金属の合金または複合
    材料から成る請求項3記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ダイヤモンド被覆基体が冷却される
    と共に、水素圧は前記ダイヤモンド被膜を成長させる際
    に使用されたレベルよりも高められる請求項3記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 冷却された前記ダイヤモンド被覆基体
    が、ダイヤモンド−基体界面に沿って水素を拡散させる
    のに十分な時間にわたって1〜760Torrの水素圧に暴
    露される請求項3記載の方法。
  8. 【請求項8】 冷却された前記ダイヤモンド被覆基体
    が、前記基体から前記ダイヤモンド被膜がひとりでに剥
    離するまで水素に暴露される請求項3記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記基体が前記ダイヤモンド被膜の成長
    に先立ってダイヤモンド粉末で処理される請求項3記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 密閉された反応室、前記反応室内に配
    置された基体、前記基体を加熱するための手段、前記基
    体に炭化水素−水素混合ガスを衝突させるための手段、
    並びに、ダイヤモンドの核生成および成長を生起させる
    ように前記混合ガスを励起するための手段の諸要素から
    成っていて、前記基体がニオブ、チタン、ジルコニウ
    ム、ハフニウム、バナジウム、タンタル、パラジウムお
    よびそれらの合金から成る群より選ばれた水素化物生成
    金属あるいはかかる水素化物生成金属と非水素化物生成
    金属との合金から成ることを特徴とするCVDダイヤモ
    ンド製造装置。
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