JPH05271280A - 新規ポリペプチド、その製造方法及び該ポリペプチドを 有効成分とする医薬 - Google Patents

新規ポリペプチド、その製造方法及び該ポリペプチドを 有効成分とする医薬

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JPH05271280A
JPH05271280A JP4068745A JP6874592A JPH05271280A JP H05271280 A JPH05271280 A JP H05271280A JP 4068745 A JP4068745 A JP 4068745A JP 6874592 A JP6874592 A JP 6874592A JP H05271280 A JPH05271280 A JP H05271280A
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Naoyuki Fuse
直之 布施
Yoshio Hayashi
良雄 林
Junichi Fukada
順一 深田
Hiroo Imura
裕夫 井村
Yoshimi Sato
吉美 佐藤
Toshio Isohara
豊司雄 礒原
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、ウサギ由来の新規ポリペプチド、
その製造方法並びに該ポリペプチドの抗副腎皮質刺激ホ
ルモン剤及び抗菌剤としての用途に関する。 【効果】 本発明によれば、抗ACTH剤又は抗菌剤と
して有用な新規ポリペプチドを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ポリペプチド、そ
の製造方法並びに該ポリペプチドの抗副腎皮質刺激ホル
モン剤及び抗菌剤としての用途に関する。
【0002】
【従来の技術】生理活性ペプチドのディフェンシン類
は、29〜34残基のアミノ酸より構成される一群の環状塩
基性ポリペプチドであり、環構造を形成する分子内の6
つのシステイン残基の位置が非常に高く保存された構造
を有する〔R. I. Lehrer, et al., Cell, 64, 229- 230
(1991)など〕。哺乳類においては好中球などにより産生
され、幅広い抗菌活性、抗ウイルス活性及び殺細胞活性
を有する。即ち、好中球は様々な細菌、ウイルスから宿
主を守るための最初の生体防御機構を担っており、ディ
フェンシン類がこの防御機構に関与していることが示唆
されている。ウサギにおいては、現在まで6種類のディ
フェンシン (NP−1, 2, 3A, 3B, 4, 5) が単
離され、そのアミノ酸配列が決定されている〔M.E.Sels
ted et al.,J. Biol. Chem., 260, 4579-4584(198
5)〕。一方、多数のディフェンシンの中には、脳下垂体
より放出されるホルモン「副腎皮質刺激ホルモン」(ア
ドレノコルチコトロピン) (以下「ACTH」とい
う。) の作用 (副腎皮質細胞からの副腎皮質ホルモン産
生を刺激する作用) を抑制する作用 (抗ACTH作用又
はコルチコスタチック作用) を有するものがあることが
示唆されている〔Q. Zhu, et al., Proc. Natl. Acad.
Sci. USA, 85, 592-596(1988 )〕。我々はウサギディフ
ェンシン中、最もコルチコスタチック活性が高いNP−
3Aに注目し、固相合成法により化学合成を行い、その
合成ポリペプチドを抗原として用いて抗NP−3A血清
を得た。そして、この抗血清を用いた高感度ラジオイム
ノアッセイ系を確立し、生体由来の検体中から定量的か
つ特異的にNP−3Aを検出することを可能とした。そ
して、この検出系を用いることにより、特に炎症を起こ
したウサギ血清中には、iv vitroの活性検定でコルチコ
スタチック活性を示すのに十分な量のNP−3Aが存在
することを確認した。これらの結果から、ディフェンシ
ンは生体内において多様な機能を持つが、コルチコスタ
チック活性もその機能の重要な一部であることが考察さ
れた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規ポリペ
プチド、その製造方法並びに該ポリペプチドを有効成分
とする抗副腎皮質刺激ホルモン剤及び抗菌剤を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ウサギの
各組織におけるNP−3Aの分布を調べたときに、いく
つかの組織の酸抽出液中にNP−3A以外にNP−3A
血清と反応する物質が存在することを見い出した。独立
の個体から得られた2種の抗NP−3A血清が両方とも
この物質と反応すること、更にNP−3Aとこの物質は
抗血清との反応性の強さに違いがあることから、この物
質がNP−3Aに類似した新規のディフェンシンである
と考えた。そして、抗ACTH活性をもつ新規ポリペプ
チドの存在を、既に同様な活性を有するポリペプチドと
して同定されているNP−3Aに特異的なラジオイムノ
アッセイにより示唆した。これらの知見をもとに、ウサ
ギ脾臓抽出物より種々の精製手段を用いて、未知物質の
単離・同定を試みた。その結果、本物質が新規ポリペプ
チドであることを同定し、更に本ポリペプチドが、ラッ
ト副腎初代培養細胞を用いた系で、ACTHの投与によ
る、副腎皮質ステロイド産生を抑制し、抗ACTH作用
を有することを確認し、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は、配列表の配列番号1のアミノ酸配列で示
されるポリペプチド及びそのN末端Gly 欠損ポリペプチ
ド、その製造方法並びに該ポリペプチドを有効成分とす
る抗副腎皮質刺激ホルモン剤及び抗菌剤に関する。
【0005】本ポリペプチドは、上記のように抗ACT
H作用を示すことから、脳下垂体からのACTHの過剰
分泌や異所性のACTH産生腫瘍に伴う、クッシング症
候群などに対する薬剤として有用である。また、本ポリ
ペプチドが含まれるディフェンシン類は一般に幅広い抗
菌活性・抗真菌活性・抗ウイルス活性及び癌細胞などに
対する殺細胞活性を有するペプチドであり、どのポリペ
プチドも6つのシステイン残基及び数残基の特定のアミ
ノ酸が配列中保存され、更に塩基性ポリペプチドである
こと以外は、そのアミノ酸配列には大きな多様性がみら
れる。にもかかわらず、これらが上記活性を有している
ことから、本ポリペプチドも当然、抗菌活性等の生理活
性を有しているといえる。また、本ポリペプチドとはア
ミノ酸配列で3残基しか異ならず、最も類似しているN
P−3Aは強く幅広い抗菌活性・抗真菌活性・抗ウイル
ス活性及び殺細胞活性を持つことからも、同様な生物活
性を有していることは容易に推測される。実際に、本ポ
リペプチドは大腸菌に対して強い抗菌活性を示した。従
って、本ポリペプチドは抗菌、抗真菌・抗ウイルス剤及
び抗癌剤などの生理活性剤として活用できる。本ポリペ
プチドは、例えば、ウサギ組織より、酸抽出後、熱処理
を施してから生化学的な手法にて精製し、本ポリペプチ
ドを採取することによって容易に製造できる。
【0006】ラジオイムノアッセイを用いた検出では、
本ポリペプチドはウサギの血液中、脾臓、小腸、下垂
体、副腎などの多くの組織に存在している。即ち、これ
らの組織を酸抽出後に熱処理し、イオン交換クロマトグ
ラフィー及び高速液体クロマトグラフィーなどによって
吸着、分離及び分画処理することによって容易に精製す
ることができる。この時の酸抽出及び熱処理は、他のタ
ンパク質を変性除去するために非常に有効であり、精製
ステップを短縮することを可能にしている。酸として
は、塩酸、酢酸、蟻酸、硫酸などの一般的な酸でよく、
また熱処理は通常の蛋白質が変性するような温度でもか
まわない。例えば、沸騰水浴中、5分間の処理などであ
る。本ポリペプチドは、更に、有機化学的な合成法によ
っても製造可能である。即ち、ペプチド化学において、
通常用いられる方法、例えば「ザ・ペプチド (Thepepti
de)」第1巻〔Schroder and Luhke著, Academic Press,
New York, U.S.A.(1966)〕、「ペプチド合成の基礎と
実験」〔泉屋信夫ら著、丸善 (株)(1985年)〕などに記
載されている方法によって製造することができ、液相法
及び固相法のいずれによっても製造できる。例えば、本
ポリペプチドに最も類似しているNP−3Aについては
既にその化学合成が報告されている〔岡町ら、日本薬学
会第 109年会 (1989年) 〕。また、本ポリペプチドは、
そのアミノ酸配列に相当する塩基配列をコードするDN
A分子を用いても製造可能である。即ち、このようなD
NA分子は、コドンテーブルを使用してDNA分子を設
計し、自動DNAシンセサイザーで容易に製造される。
あるいは、このようなDNA分子は、オリゴヌクレオチ
ドプローブ及び慣用手法を使用してゲノムDNA又はc
DNAとして得られる。そして、このようなDNA分子
はプラスミドのような慣用の発現ベクター又は特別に作
成した発現ベクターに組込み、細菌 (例えば大腸菌) 、
酵母細胞もしくは哺乳動物細胞のような適当な宿主内で
DNAを発現させ、ポリペプチドを生物学的に生産する
ことができる。本ポリペプチドは、その製造過程におい
て熱処理が含まれていることから明らかなように、熱安
定性に優れている。本ポリペプチドは、上述したよう
に、抗ACTH剤又は抗菌剤として有用である。本ポリ
ペプチドを抗ACTH剤又は抗菌剤として臨床に適用す
るに際しては、有効成分として本ポリペプチドを、固体
又は液体の医薬用担体又は希釈剤、即ち、賦形剤、安定
剤等の添加剤とともに含む製剤とすることが好ましい。
該医薬製剤において、前記有効成分の担体成分に対する
割合は、1〜90重量%の間で変動させうる。剤形及び
投与形態としては、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、カプ
セル剤、丸剤もしくは液剤等の剤形にして、又は原末の
まま経口投与してもよいし、注射剤として静脈内投与、
筋肉内投与又は皮下投与してもよい。また、注射用の粉
末にして、用時調製して使用してもよい。経口、経腸も
しくは非経口投与に適した医薬用の有機又は無機の、固
体又は液体の担体もしくは希釈剤を、本発明の抗ACT
H剤又は抗菌剤を調製するために用いることができる。
水、ゼラチン、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシ
ウム、タルク、動植物油脂、ベンジルアルコール、ガ
ム、ポリアルキレングリコール、石油樹脂、やし油、ラ
ノリン又は医薬に用いられる他のキャリアー(担体)は
全て、本発明の抗ACTH剤又は抗菌剤の担体として用
いることができる。また、安定剤、湿潤剤、乳化剤や、
浸透圧を変えたり、配合剤の適切なpHを維持するため
の塩類を補助薬剤として適宜用いることもできる。
【0007】更に、本発明の抗ACTH剤又は抗菌剤
は、種々の疾患の治療において、本発明の抗ACTH剤
又は抗菌剤とともに適切に投与することができる他の医
薬として有効な成分、例えば他の適当な抗ACTH剤又
は抗菌剤を含有していてもよい。顆粒剤、細粒剤、散
剤、錠剤又はカプセル剤の場合には、本発明の抗ACT
H剤又は抗菌剤は前記有効成分を5〜80重量%含有し
ているのが好ましく、液剤の場合には、対応する量(割
合)は、1〜30重量%であるのが好ましい。また、非
経口投与のうち、注射剤の場合は1〜10重量%が好ま
しい。
【0008】臨床投与量は、経口投与の場合、成人に対
し上記有効成分として、1日量1〜1000mgを内服する
のが好ましいが、年令、症状により適宜増減することも
可能である。前記1日量の本発明の抗ACTH剤又は抗
菌剤は、1日に1回、又は適当な間隔をおいて1日2も
しくは3回に分けて投与することが好ましい。また、注
射剤として用いる場合には、上記有効成分として成人に
対し1回量0.1 〜100 mgを投与するのが好ましい。本
明細書において、アミノ酸、ポリペプチド、その他に関
し略号で表示する場合は、国際純正及び応用化学連合
(IUPAC) 、国際生化学連合 (IBU) の規定或い
は該当分野における慣用記号に従うものとし、またアミ
ノ酸などに関し光学異性体がありうる場合は、特に明示
しなければL体を示すものとする。
【0009】
【実施例】以下、参考例、実施例、試験例により本発明
を更に詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら
制限するものではない。 [参考例1] ラジオイムノアッセイ (RIA) RIA用のプラスチック試験管にRIA用緩衝液 (0.5
% 牛血清アルブミン含有PBS[phosphate saline buf
fer ]) 100 μl 、希釈抗血清 100μl ( 最終希釈倍
数:4000倍) 及び 125Iでラベル化した合成NP−3A
100μl (8000 c.p.m.) 、更に検体 100μl を加えよく
混合し、4℃で16時間放置した。これに活性炭のPBS
懸濁液 500μl を添加し、抗体と結合していない放射活
性成分を吸着後、遠心分離した。その上清 500μl につ
いて抗体に結合したラベル化NP−3Aの放射活性をガ
ンマカウンターで測定し、放射活性の減少の大きさを検
体のRIA活性とした。
【0010】
【実施例1】 (1) ウサギ脾臓酸抽出液の調製 ウサギ脾臓を抽出用溶液 (50mM 塩酸, 0.5M 酢酸水溶
液) で抽出した後、これを5分間沸騰水浴中で熱処理し
た。生じた不溶物を遠心分離し可溶性画分を集めた。こ
の画分に水酸化ナトリウム溶液を滴下し溶液のpHを5に
合わせ、もう一度遠心分離し、中和により生じた不溶性
の成分を除去した。得られた溶液をウサギ脾臓酸抽出液
とし、精製のためのスタートサンプルとした。この粗サ
ンプルを逆相高速液体クロマトグラフィー (HPLC)
によって分画し、各画分の抗NP−3A血清に対する免
疫学的反応性 (RIA活性) を参考例1に示したラジオ
イムノアッセイ (RIA) で測定すると、図1のよう
に、NP−3Aの溶出時間に一致する免疫反応性を示す
画分とともに、もう1つの反応性画分の存在が示唆され
た。本画分にはNP−3A類似の新規ポリペプチドの存
在が考えられ、本品をNP−6と命名し、以下その精製
を検討した。尚、図1では横軸にHPLCの溶出時間
を、縦軸に各溶出時間でのRIA活性 (B/Bo:比放
射活性) を示す。本RIA法は抗体に対するラベル化N
P−3Aと検体の競合反応を見ているので、図中B/B
o値の小さい画分に抗体結合物質が存在していることを
示している。 (2) NP−6の精製 ウサギ脾臓酸抽出液をSPトヨパール650Mを支持体
とする陽イオン交換カラムにアプライし、50mM 酢酸ナ
トリウム緩衝液、pH5.0 下で、塩化ナトリウム0.3M か
ら 2.0M の濃度勾配 (実線) を用いた溶出を行った。各
画分 (横軸) の蛋白質濃度 (黒丸) 及びRIA活性 (白
丸) を測定したところ、図2のように、約 1.2M の塩化
ナトリウム濃度の画分にRIA活性のピークが認められ
た。この活性画分 (太線) を集め、限外ろ過膜 (アミコ
ンYM05フィルター) を用いて脱塩濃縮を行った。こ
の濃縮液をセファデックスG−50を支持体とするサイ
ズ排除クロマトグラフィーにアプライし、 50mM リン酸
ナトリウム緩衝液 pH 7.4で溶出を行った。活性画分は
上記と同様にRIAで検出し、この画分を次にCMトヨ
パール650Mを支持体とする陽イオン交換クロマトグ
ラフィーにアプライし、50mM リン酸ナトリウム緩衝液
pH7.4 下で、塩化ナトリウム 0 Mから2.0 Mの濃度勾配
による溶出を行った。RIA活性画分を集め、もう一度
上記と同様に脱塩濃縮を行い、このサンプルをODS系
の逆相カラム(Biofine RPC-SC18, 4.6×250mm, 日本分
光) を用いた高速液体クロマトグラフィーで精製し、N
P−6を単離した。NP−3AとNP−6は上記のイオ
ン交換クロマトグラフィーやサイズ排除クロマトグラフ
ィーでの精製過程においては同様の挙動を示し分離が困
難であったが、最後に用いた逆相系のカラムを用いたH
PLCによって分離された。そして図3に示すように、
逆相高速液体クロマトグラフィーを用いたNP−6の純
度分析から、本品が高度に精製されているとともに、N
P−3Aとは異なる位置に溶出されることを確かめた。
図3では横軸は保持時間、縦軸は 220nmでの吸光度を示
している。 HPLC分析 Biofine RPC-SC18(4.6×250mm)カラムを用い、流速 1.0
ml/minで、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)中アセト
ニトリル10−40% (60分) のグラジエント溶出でのHP
LC分析で、保持時間33.2分の単一ピークを示した (図
3) 。NP−3Aの場合は同様の分析で保持時間23.1分
であった。 (3) NP−6の構造解析 アミノ酸分析 上記の精製NP−6を1%フェノール含有6N塩酸に
て、 110℃で24時間加水分解後、そのアミノ酸含量をア
ミノ酸分析装置 (日立L-8500) を用い、ニンヒドリン法
にて分析した。その結果、表1に示すNP−6のアミノ
酸組成が得られた。NP−6のアミノ酸組成比から推定
される各アミノ酸数をNP−3Aのそれと比較すると、
3つのアミノ酸(Ser, Pro, Arg) が減少し、3つのアミ
ノ酸(Glu,Leu, Phe) が増加していた。
【0011】
【表1】
【0012】アミノ酸配列分析 ペプチドシークエンサー (アプライドバイオシステムズ
社製) により精製NP−6のアミノ酸配列分析を行っ
た。結果を表2に示すが、表2ではポリペプチドのN末
端 (サイクル1) から順次得られたアミノ酸とその検出
量を示す。
【0013】
【表2】
【0014】本分析ではシステイン残基が検出できない
が、システイン残基と同定した位置は全てのディフェン
シン類でシステイン残基が保存されている位置であり、
またこの配列分析では、該当部位において他のアミノ酸
が全く検出されないことから、更に上記のアミノ酸組成
分析の結果を加えることによって、該当部位がシステイ
ン残基であることを決定した。即ち、NP−6の構造
は、34残基のアミノ酸よりなる配列表の配列番号1のア
ミノ酸配列で示されるものであることが確認された。こ
の構造は既に単離されているNP−3Aをはじめとする
ディフェンシン類の保存的な構造を有しており、ディフ
ェンシン類として矛盾のない構造といえる (図4参照)
。尚、図4中の矢印は、NP−6とNP−3Aのアミ
ノ酸配列の異なる残基を示している。 マススペクトル分析 精製NP-6を質量分析計を用いて、ESI-MS測定を行ったと
ころ、図5に示すように、多価イオン(4+、5+、6+) がm
/Z=1012.1,809.8,675.1に観察され、平均分子量として
実測値4044.4が得られた。これは上記解析から得られた
NP-6の理論平均分子量4045.666(C169H263N61O44S6)と誤
差範囲内で一致しており、精製NP-6が配列番号1のアミ
ノ酸配列で示されるものであることが確認された。
【0015】また、このマススペクトル分析では精製NP
-6中に不純物として、平均分子量として3987.8の化合物
の混在が確認された。このものはNP-6の平均分子量との
差から、NP-6からそのN末端Gly 残基のみが欠損したペ
プチド「des-Gly-NP-6」であることが解った。 (4) NP−6及びdes-Gly-NP−6の化学合成 上記マススペクトル分析の結果を更に検証するために、
両ポリペプチドの化学合成を実施した。
【0016】p−アルコキシベンジルアルコール樹脂
(Wang- 樹脂) 0.25mmolを用いて、アプライド・バイオ
システムズ社 (ABI) 製ペプチド合成機431Aによ
り、常法に従い保護NP−6ペプチド樹脂を得た。この
保護NP−6ペプチド樹脂をm−クレゾール、エタンジ
チオールの存在下に、1M トリメチルシリルブロマイド
と1M チオアニソールで、トリフルオロ酢酸 (TFA)
中、0℃で2時間処理した。反応液から樹脂を濾去後
に、濾液にジエチルエーテルを加え、樹脂から切断れた
ペプチドを粉末として得、更にこの粉末をジエチルエー
テルで3回洗浄した。これを6M 塩酸グアニジン溶液に
溶解し、2−メルカプトエタノールを加え37℃で一晩放
置後に、セファデックスG−25を支持体とするゲル濾
過により脱塩し、溶出液を25mM 酢酸アンモニウム水溶
液 (pH7.4) 中、約2×10-5M のペプチド濃度で、4
℃、6日間放置し、ジスルフィド形成を行った。これを
凍結乾燥により水分を除き粗体を得た。得られた粗体を
HPLC (カラム:ODS 5C18 (20×150mm)、移動層:
(A) 0.1% TFA, (B) 100%アセトニトリル/0.1% TFA 、グ
ラジエント: (A):(B)=83:17から (A):(B)=77:23、
20分、流速:17ml) にて精製し、更にセファデックスG
−25を支持体とするゲル濾過により酢酸塩とし、凍結
乾燥することにより高純度の合成NP−6を得た。
【0017】des-Gly-NP−6の合成についてもNP−
6の合成と同様に行い、高純度の合成des-Gly-NP−6
を得ることができた。合成NP−6とウサギ組織由来の
天然品を比較するために、HPLCによる分析を行っ
た。その結果を図6に示すが、合成NP−6と天然NP
−6はそれぞれ同一の溶出時間33.8分を示すとともに、
両者の混合物は一本のピークとして溶出された。このこ
とから合成NP−6と天然品が同一化合物であることが
確認された。
【0018】一方、合成NP−6及びdes-Gly-NP−6
についても、HPLCによる分析を行うと、図7に示す
ように、用いたHPLCの分離条件では両合成ポリペプ
チドの混合物は単一のピークとして溶出されてしまい、
分離不可能であったことが確認された。このことからも
天然NP−6にわずか含まれていた化合物はdes-Gly-N
P−6であることが明らかにされた。
【0019】これらの化学合成実験より、本発明のポリ
ペプチドは化学合成可能であることが明らかにされた。 (5)抗ACTH活性 ラット副腎皮質細胞の調製 ラット (雄、ウイスター系、体重 200〜250g) から副腎
を摘出し、小片に分割後にコラゲナーゼとDNAase で
1時間処理することにより、酵素的に組織より副腎細胞
を分散させた。この細胞を遠心分離 (2000g, 5分間)
により集めた後、10%の牛胎児血清を含む Dulbecco's
modified Eagle's medium(DMEM) に分散させて、C
O2 インキュベーターにて1時間インキュベートした。 インキュベーション実験 上記細胞を遠心分離し (2000g, 5分間) 、培養上清を
除いた後に、0.2%の牛血清アルブミン、0.25M のアス
コルビン酸、そして50μg/mlのバシトラシンを含むDM
EMからなる検定用培地に細胞を浮遊させた。これを24
穴の培養プレートに1穴当たり5〜10×104 個の細胞が
入るようにまいた。これに、ACTH (1−24) 、NP
−6などを添加し、数時間インキュベートした。一定時
間後にすばやく培養プレートを氷上で冷却し、培養上清
を遠心分離 (2000g, 4℃) 後に回収した後、上清中に
分泌されたラットの副腎皮質ホルモンであるコルチコス
テロンをRIAで定量した。
【0020】RIAによるコルチコステロンの定量 培養上清中のコルチコステロン濃度はウサギ由来の抗コ
ルチコステロン血清(i906;Bioproducts, Braine-l' Al
leud, Belgium) を用いたRIAによって測定した。検
体 100μl 、あるいは検量線作成時はコルチコステロン
100μl と、抗血清 (最終希釈倍数:1000倍) 100 μl
及び標識コルチコステロン (10,000c.p.m.) 100 μl を
RIA用のプラスチック試験管に加え、最終容量をRI
A用緩衝液〔0.14M 塩化ナトリウム、0.02M アジ化ナト
リウム、そして1%のゼラチンを含む0.1M リン酸緩衝
液 (pH7.4)〕で 400μl に調製した。4℃で24時間放置
後に、デキストランT70 [0.025%, W/V ](Pharmacia
Fine Chemical, Uppsala, Sweden)と Norit Charcoal
[0.25%, W/V]( ナカライテスク、京都) を含む500μl
のRIA用緩衝液を加え、抗体に結合した標識体とそ
うでないものを分離した。遠心分離 (3000g, 30分) し
た後に、3mlのシンチレーターを含むシンチレーション
バイアルに上清を加え、シンチレーションカウンターで
放射活性を測定した。測定間の誤差変動は10%以下であ
り、測定レンジは0.1〜14.5pmol/tube であった。得ら
れたデータは means±S.D.で表わし、2群間の平均はダ
ンカンの多重範囲検定による分散分析で比較した。P値
が0.05以下の時に有意であるとした。以上の方法によ
り、本発明のポリペプチドの抗ACTH活性を測定した
ところ、図8に示すように、コントロール(各グラフの
一番右)に対して、ACTHの添加(各グラフの一番
左)はコルチコステロンの分泌 (縦軸) を高めるが、こ
れに合成NP−6(図8A)、合成des-Gly-NP−6(図
8B)、天然NP−6(図8C)をそれぞれ濃度を変えて添
加していくと (横軸) 、濃度依存的にコルチコステロン
の分泌を抑制すること、即ち抗ACTH活性を有するこ
とが明らかとなった。 (6) 抗菌活性 常法の試験法を用い、クレブシーラ・ニウモニア (Kleb
siella pneumoniae 、ATCC13883) に対する抗菌活性を
試験した。寒天平板上の単一コロニーから培地(Nutrien
t Agar, DIFCO 0001) に接種後、37℃で培養した。この
一定菌数 (100,000 CFU/ml) を試験用緩衝液 (0.25M グ
ルコース、 0.02% Tween 20 含有 20mMリン酸緩衝液[p
H 6.0]) に添加後、NP−6 (最終濃度5μg/ml) を
加え、37℃で60分間インキュベートした。この溶液の一
定量を寒天培地の入ったプレートに広げた。37℃で1晩
インキュベート後に、生じたコロニー数を測定した。こ
の結果、NP−6はコントロールに対して、その生成コ
ロニー数を 1/200に減少させた。このことによりNP−
6は抗菌活性を有することが明らかとなった。 [試験例1] 急性毒性試験 本発明のポリペプチドNP−6をマウスに40mg/kg 腹膣
内投与したところ、何ら毒性は観察されなかった。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、抗ACTH剤又は抗菌
剤として有用な新規ポリペプチドを提供することができ
る。また、本発明の製造方法は、該ポリペプチドをウサ
ギ組織より高効率で精製できるので、生産性や経済性に
おいて有効である。
【0022】
【配列表】
配列番号: 1 配列の長さ: 34 配列の型: アミノ酸 配列の種類: ペプチド Gly Ile Cys Ala Cys Arg Arg Arg Phe Cys Leu Asn Phe Glu Gln 1 5 10 15 Phe Ser Gly Tyr Cys Arg Val Asn Gly Ala Arg Tyr Val Arg Cys 20 25 30 Cys Ser Arg Arg 配列番号: 2 配列の長さ: 33 配列の型: アミノ酸 配列の種類: ペプチド Ile Cys Ala Cys Arg Arg Arg Phe Cys Leu Asn Phe Glu Gln Phe 1 5 10 15 Ser Gly Tyr Cys Arg Val Asn Gly Ala Arg Tyr Val Arg Cys Cys 20 25 30 Ser Arg Arg
【図面の簡単な説明】
【図1】ウサギ脾臓酸抽出物のHPLC分画における、
各画分の抗NP−3A血清に対する免疫学的反応性 (R
IA活性) を示す図である。
【図2】SPトヨパール650Mを用いた陽イオン交換
クロマトグラフィーによる精製の溶出パターンを示す図
である。
【図3】精製NP−6のHPLCによる純度分析を示す
図である。
【図4】NP−6の構造とウサギディフェンシンファミ
リーの構造を示す図である。
【図5】マススペクトル測定の結果を示す図である。
【図6】ウサギ組織由来NP−6と化学合成NP−6の
HPLCによる同定の結果を示す図である。
【図7】化学合成NP−6と化学合成des-Gly-NP−6
のHPLCによる分析の結果を示す図である。
【図8】抗ACTH活性測定の結果を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】本ポリペプチドは、上記のように抗ACT
H作用を示すことから、脳下垂体からのACTHの過剰
分泌や異所性のACTH産生腫瘍に伴う、クッシング症
候群などに対する薬剤として有用である。また、本ポリ
ペプチドが含まれるディフェンシン類は一般に幅広い抗
菌活性・抗真菌活性・抗ウイルス活性及び癌細胞などに
対する殺細胞活性を有するペプチドであり、どのポリペ
プチドも6つのシステイン残基及び数残基の特定のアミ
ノ酸が配列中保存され、更に塩基性ポリペプチドである
こと以外は、そのアミノ酸配列には大きな多様性がみら
れる。にもかかわらず、これらが上記活性を有している
ことから、本ポリペプチドも当然、抗菌活性等の生理活
性を有しているといえる。また、本ポリペプチドとはア
ミノ酸配列で3残基しか異ならず、最も類似しているN
P−3Aは強く幅広い抗菌活性・抗真菌活性・抗ウイル
ス活性及び殺細胞活性を持つことからも、同様な生物活
性を有していることは容易に推測される。実際に、本ポ
リペプチドは肺炎桿菌に対して強い抗菌活性を示した。
従って、本ポリペプチドは抗菌、抗真菌・抗ウイルス剤
及び抗癌剤などの生理活性剤として活用できる。本ポリ
ペプチドは、例えば、ウサギ組織より、酸抽出後、熱処
理を施してから生化学的な手法にて精製し、本ポリペプ
チドを採取することによって容易に製造できる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深田 順一 京都市左京区下鴨下川原町53−32 (72)発明者 井村 裕夫 京都市左京区一乗寺北大丸町59−2 (72)発明者 佐藤 吉美 神奈川県川崎市中原区井田1618 新日本製 鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 礒原 豊司雄 神奈川県川崎市中原区井田1618 新日本製 鐵株式会社先端技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1のアミノ酸配列で示
    されるポリペプチド。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号2のアミノ酸配列で示
    されるポリペプチド。
  3. 【請求項3】 ウサギ組織より、酸抽出後、熱処理を施
    してから精製し、請求項1記載のポリペプチドを採取す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のポリペプチド
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のポリペプチドを有
    効成分として含有する抗副腎皮質刺激ホルモン剤。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載のポリペプチドを有
    効成分として含有する抗菌剤。
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