JPH05272069A - スエード調人工皮革及びその製造方法 - Google Patents

スエード調人工皮革及びその製造方法

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JPH05272069A
JPH05272069A JP9204592A JP9204592A JPH05272069A JP H05272069 A JPH05272069 A JP H05272069A JP 9204592 A JP9204592 A JP 9204592A JP 9204592 A JP9204592 A JP 9204592A JP H05272069 A JPH05272069 A JP H05272069A
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久夫 米田
Takeshi Yamazaki
豪 山崎
Shinji Nakanishi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面の立毛が均一で、触感、風合いが極めて
良好で、湿度変化による寸法変化の少ないスエ−ド調人
工皮革及びその製造方法を提供する。 【構成】 単繊維繊度が0.1デニ−ル以下のポリアミド
極細繊維と少なくとも一種類の疎水性極細繊維とが断面
において混在しておりその重量比が90:10〜30:70であ
る極細繊維収束繊維に変性し得る極細繊維発生型繊維の
絡合不織布に、弾性重合体液を付与し、該極細繊維発生
型繊維を極細繊維収束繊維に変性し、少なくとも一面に
立毛を形成し、さらに染色することによりスエ−ド調人
工皮革を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外観は均一性に富み、
柔軟で、寸法安定性の優れたスエ−ド調人工皮革及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアミド極細繊維の不織布と高
分子弾性体からなり、表面がポリアミドの極細繊維の立
毛を有するスエ−ド調人工皮革は公知である。例えば特
公昭42−27271号公報には抽出繊維を用いた不織布に弾
性樹脂を含有せしめて作ったスエ−ド調シ−ト物が記載
されている。近年大幅な市場の拡大により、ポリアミド
極細繊維使用のものはポリエステル極細繊維使用のもの
に比べて、立毛の均一性、触感、ソフト性が評価されて
いる。このスエ−ド調シ−ト物の立毛の均一性、触感の
良さ、ソフト性については、立毛が極細繊維であること
のほかにポリアミド繊維の持つ吸水率の大きさによる所
が大きい。一方、吸水量の多さは、湿度変化による基体
の寸法変化に現れる。成型用途や靴用途等で、原反カッ
ト時の湿度と成型加工や縫製加工時の湿度が違う場合に
は、カットした原反の寸法違いによるトラブルが発生す
る。一方原反の寸法安定性と難燃性の両方を兼ね備えた
物として、裏面に難燃性布帛を張り合わせることが特公
昭62−33353号公報に提案されているが、裏面に布帛を
張ると、どうしてもソフト性に欠ける物となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はポリアミド極
細繊維を用いることによる、高級感のある外観、風合
い、表面の触感、及び均一性等の特徴を損なうことな
く、従来困難であった湿度変化による寸法安定性に優れ
たスエ−ド調人工皮革及びその製造方法を提供しようと
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、単繊維繊度が
0.1デニ−ル以下の極細繊維収束繊維不織布と弾性重合
体とからなり、少なくとも片面に立毛を有するシ−トに
おいて、該極細繊維収束繊維は、ポリアミド極細繊維と
少なくとも一種類の疎水性極細繊維とが断面において混
在しており、かつ該ポリアミド極細繊維と該疎水性極細
繊維の重量比が90:10〜30:70であることを特徴とする
スエ−ド調人工皮革であり、また、単繊維繊度が0.1デ
ニ−ル以下のポリアミド極細繊維と少なくとも一種類の
疎水性極細繊維とが断面において混在しその重量比が9
0:10〜30:70である極細繊維収束繊維に変性し得る極
細繊維発生型繊維を製造する工程、該繊維からなる絡合
不織布を製造する工程、該絡合不織布に弾性重合体液を
付与する工程、該極細繊維発生型繊維を極細繊維収束繊
維に変性する工程、少なくとも一面に立毛を形成する工
程、得られた繊維立毛基体を染色することを特徴とする
スエ−ド調人工皮革の製造方法である。
【0005】本発明のポリアミド極細繊維と疎水性極細
繊維とが混在する極細繊維集束繊維を発生させる極細繊
維発生型繊維は、ポリアミドと疎水性ポリマーを島成分
とし、断面においてこれらの島成分がランダムに混在す
る海島構造を持つ繊維である。島成分の一部を構成する
ポリアミドは、例えば、6−ナイロン、66−ナイロ
ン、610−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロ
ン、26−ナイロン、210−ナイロン、410−ナイ
ロン、76−ナイロン、その他芳香環を有する可紡性ポ
リアミドから選ばれた少なくとも1種類のポリアミドで
あり、もう一方の島成分である疎水性繊維に使用するポ
リマ−は、公定水分率が1%以下のものであればよく、
例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン
から選ばれた少なくとも一種類である。海成分を構成す
るポリマ−は、ポリアミドと疎水性ポリマーと溶剤に対
する溶解性を異にし、親和性の小さいポリマ−であっ
て、かつ紡糸条件下でポリアミドおよび疎水性ポリマー
より溶融粘度あるいは表面張力の小さいポリマ−であ
り、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプ
ロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ
スチレン、スチレンアクリル共重合体、スチレンエチレ
ン共重合体などのポリマ−から選ばれた少なくとも一種
類のポリマ−である。
【0006】このような極細繊維発生型繊維は、島成分
のポリアミド及び疎水性ポリマーと海成分のポリマ−の
チップを所定の混合比率で混合して、同一混合系で溶融
し、紡糸口金部で繊維形状を規定して紡糸する方法にて
得られる。極細繊維に用いるポリアミドと疎水性ポリマ
ーの重量比は、90:10〜30:70の範囲、好ましくは80:
20〜50:50である。ポリアミドの比率が90%以上になる
と、湿度変化による形態変化が大きすぎ、逆に30%以下
になると、ポリアミドの持つウエット感などの風合いに
劣るものとなるとともに、ポリアミドだけの染色では発
色性が不十分となる。また、極細繊維発生型繊維の島成
分は断面において混在している必要がある。ここで、断
面において混在するとは、ポリアミド極細繊維と疎水性
極細繊維とが局部的に偏在することなく、断面全体にお
いて両極細繊維がほぼ均一に混合しあっている状態をい
う。ポリアミド極細繊維と疎水性極細繊維が偏在した状
態の場合、風合いや外観に悪影響を及ぼし、また、染色
したときポリアミド極細繊維と疎水性極細繊維が異色に
なった場合には斑となり品質低下をおこす。また、極細
繊維収束繊維中でポリアミド極細繊維と疎水性極細繊維
とは規則的に並んでいるよりもランダムに混在している
ほうが異色感が少なく自然な感じが得られる。このよう
な極細繊維発生型繊維は各成分を同一混合系で溶融し紡
糸することにより達せられる。各極細繊維の単繊維繊度
は0.1デニ−ル以下、望ましくは0.1デニ−ル〜0.002デ
ニ−ルが良い。単繊維繊度が0.1デニ−ル以上になると
スエ−ド調人工皮革の外観は劣り、風合いの硬い物とな
り、極細繊維の混在が目立つようになり、一方0.002デ
ニ−ル以下になると、極細繊維の繊維が細すぎて発色性
の劣る物となる。
【0007】極細繊維発生型繊維は、必要に応じて延
伸、熱固定、カットなどの処理工程をへて、繊度1〜15
デニ−ルの繊維とする。繊維はカ−ドで解繊し、ウエバ
−を通してランダムウエブまたはクロスラップウエブを
形成し、所望の重さ、厚さに積層する。ついで公知の方
法にてニ−ドルパンチあるいは水流絡合処理を行い、絡
合不織布とする。
【0008】次に繊維絡合不織布に弾性重合体液を含
浸、凝固する。繊維絡合不織布に含浸する弾性重合体液
は、ポリウレタンを主体とする弾性重合体の溶液あるい
は分散液である。含浸に用いるポリウレタンとしては、
例えば平均分子量500〜3000のポリエステルジオ−ル、
ポリエステルジオ−ル、ポリエステルエ−テルジオ−
ル、ポリラクトンジオ−ル、ポリカ−ボネ−トジオ−
ル、などから選ばれた少なくとも1種類のポリマ−ジオ
−ルとトリレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシ
アナ−ト、フェニレンジイソシアナ−ト、4、4’−ジ
フェニ−ルメタンジイソシアネ−ト、4、4’−ジシク
ロヘキシルメメタンジイソシアネ−ト、イソホロンジイ
ソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、など
芳香族系、脂環族系、脂環族系の有機ジイソシアネ−ト
と、ジオ−ル、ジアミン、ヒドロキシアミン、ヒドラジ
ン、ヒドラジド等の活性水素原子を少なくとも2個有す
る低分子化合物から選ばれた少なくとも1種類の鎖伸長
剤とを所定のモル比で反応させて得たポリウレタンであ
る。ポリウレタンには必要に応じて、合成ゴム、ポリエ
ステルエラストマ−、ポリ塩化ビニルなどの重合体を添
加して使用しても良い。弾性重合体液には、必要により
更に着色剤、凝固調節剤、離型剤、可塑剤、安定剤、酸
化防止剤、耐光安定剤、などから選ばれた添加剤を配合
して含浸用の重合体組成液とする。
【0009】前記繊維絡合不織布に上記含浸用の組成液
を含浸し、重合体の非溶剤で処理し湿式凝固し、必要に
応じて洗浄し、乾燥する。次に、極細繊維発生型繊維の
島成分であるポリアミドと疎水性繊維及び基体に含浸さ
れた弾性重合体に対しては非溶剤であり、かつ極細繊維
発生型繊維の海成分に対しては溶剤または分解剤である
処理液で処理することにより、極細繊維発生型繊維をポ
リアミド極細繊維と疎水性極細繊維が混在した極細繊維
収束繊維に変性し、極細繊維絡合不織布とポリウレタン
を主体とした重合体からなる繊維質基体とする。
【0010】次に繊維質基体は少なくとも一面に極細繊
維を主体とした繊維立毛面を形成させる。繊維立毛を形
成させる方法は、サンドペ−パ−によるバフィング、針
布起毛等既存の起毛方法をとれば良い。ついで、得られ
たスエ−ド調繊維質基体を染色するが、染色は酸性染
料、含金錯塩染料、などでポリアミド極細繊維とポリウ
レタンを染色するか、必要により疎水性繊維を別途追加
染色を行う。染色したスエ−ド調繊維質基体は、揉み、
柔軟化処理、ブラッシングなどの仕上げ処理を行い、ス
エ−ド調人工皮革の製品とする。本発明で得られるスエ
−ド調人工皮革は、外観、風合い、表面の感触、及び毛
羽の均一性が極めて良好で、湿度変化による寸法安定性
に優れたもので、衣料用、靴用、インテリヤ用に好適で
ある。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施を具体的に実施例で説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでな
い。尚、実施例中の部及び%は断りのない限り、重量に
関する物である。
【0012】(実施例1)6−ナイロンチップ25部、ポ
リエステルチップ25部及びポリエチレンチップ50部を
混合し、紡糸ノズル温度290℃、巻取速度1000m/分で
紡糸して繊度10デニ−ル、伸度405%、強度0.62g/dr
の極細繊維発生型繊維の未延伸繊維を得、さらに2.5倍
に延伸した。この繊維の断面を観察すると、極細繊維成
分となる島成分の平均本数は、約350本でありポリアミ
ドとポリエステルの島成分はランダムに混在した状態で
あった。この繊維に機械捲縮を付与し、繊維長51mmに切
断し、カ−ドで解繊し、クロスラッパ−でウエブとし
た。次いでニ−ドルパンチを行い目付600g/m2の繊維
絡合不織布を得た。この繊維絡合不織布にポリエ−テル
系ポリウレタンを主体とするポリウレタン組成物13部、
N,N´−ジメチルホルムアミド(以下DMFとする)
87部の組成液を含浸し、DMFの30%水溶液中で凝固
し、水洗してDMFを除去した。ついでパ−クレンで処
理して、極細繊維発生型繊維のポリエチレンを除去する
と、6−ナイロンの極細繊維とポリエステル極細繊維が
混在した極細繊維収束繊維(平均単繊度0.006デニ−
ル、収束本数約350本)とポリウレタンとからなる厚さ
1.2mmの繊維質基体を得た。繊維質基体をスライスして
二分割し、スライス面をサンドペ−パ−でバフィング
し、厚さ0.55mmに厚み合わせを行った後、他の面を、粒
度#400のサンドペ−パ−でバフ機を用いて起毛処理を
施し、1:2型含金錯塩染料で次の条件にて茶色に染色
した。 染色条件 ラニ−ル ブラウン GR(住友化学製) owf 4% レベラン NK−D 1g/l 染色温度 95℃ 染色処理後、乾燥し、揉み、整毛処理を行うことによ
り、表面毛羽は均一発色し、表面の触感のよい、風合い
が良好でかつ湿度変化による寸法安定性に優れた茶色の
スエ−ド調人工皮革が得られた。
【0013】(比較例1)6−ナイロンチップ50部、ポ
リエチレンチップ50部を溶融混合紡糸することにより、
繊度10デニ−ルの極細繊維発生型繊維の未延伸繊維を
得、さらに2.5倍に延伸した。この繊維の断面を観察す
ると、島成分の平均本数は約350本であった。この繊維
を用いて実施例1と同じ方法にて捲縮以降スエード調人
工皮革に加工したところ、表面毛羽は均一発色し、表面
の触感のよい、風合いの良好な茶色のスエ−ド調人工皮
革が得られたが、湿度変化によるシ−トの寸法変化の大
きいものであった。
【0014】(比較例2)ポリエステルチップ50部及び
ポリエチレンチップ50部を溶融混合紡糸することによ
り、繊度10デニ−ルの極細繊維発生型繊維を得た。この
繊維の断面を観察すると、島成分の平均本数は約300本
であった。この繊維を用い実施例1と同じ方法にて染色
前の立毛繊維質基材を得た。このものを分散染料にて次
の条件にて茶色に染色した。 染色条件 スミカロン ブラウン S−3RF owf 4% スミポンTF 1g/l 染色温度 130℃ 染色処理後、乾燥し、揉み、整毛処理を行うことによ
り、茶色のスエ−ド調人工皮革を得た。この物は、湿度
変化によるシ−トの寸法変化は小さいが、表面の触感は
ドライでざらつきがあり、風合いの硬い物であった。
【0015】(比較例3)比較例1で得られた捲縮、カ
ット後のナイロンが島成分の混合紡糸繊維の綿50部と、
比較例2で得られた捲縮、カット後のポリエステルが島
成分の混合紡糸繊維の綿50部を混綿し、実施例1と同じ
処理にて、茶色のスエ−ド調人工皮革を得たが、外観は
未染色のポリエステルの繊維が蜘蛛の巣状に発生した不
均一で風合いも斑状に硬く、表面の触感も悪い物となっ
た。
【0016】
【表1】 注1) 湿度変化による寸法変化は、20℃、65%RH雰
囲気中での寸法に対する25℃、90%RH雰囲気中での寸
法の伸び率(%)で示した。
【0017】
【発明の効果】本発明により得られたスエ−ド調人工皮
革は、表面の均一性、触感、風合いに優れ、かつ湿度変
化による寸法変化の少ないものであり、衣料に仕立てた
場合は形態安定性に優れた物となり、また成型処理品に
ついては、加工工程の寸法が安定しているため、精度の
良い製品がえられ、衣料、成型品はもとより、インテリ
ヤ、袋物、各種手袋などに好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単繊維繊度が0.1デニ−ル以下の極細繊
    維収束繊維不織布と弾性重合体とからなり、少なくとも
    片面に立毛を有するシ−トにおいて、該極細繊維収束繊
    維は、ポリアミド極細繊維と少なくとも一種類の疎水性
    極細繊維とが断面において混在しており、かつ該ポリア
    ミド極細繊維と該疎水性極細繊維の重量比が90:10〜3
    0:70であることを特徴とするスエ−ド調人工皮革。
  2. 【請求項2】 単繊維繊度が0.1デニ−ル以下のポリア
    ミド極細繊維と少なくとも一種類の疎水性極細繊維とが
    断面において混在しておりその重量比が90:10〜30:70
    である極細繊維収束繊維に変性し得る極細繊維発生型繊
    維を製造する工程、該繊維からなる絡合不織布を製造す
    る工程、該絡合不織布に弾性重合体液を付与する工程、
    該極細繊維発生型繊維を極細繊維収束繊維に変性する工
    程、少なくとも一面に立毛を形成する工程、得られた繊
    維立毛基体を染色することを特徴とするスエ−ド調人工
    皮革の製造方法。
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