JPH052760B2 - - Google Patents
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- JPH052760B2 JPH052760B2 JP14701188A JP14701188A JPH052760B2 JP H052760 B2 JPH052760 B2 JP H052760B2 JP 14701188 A JP14701188 A JP 14701188A JP 14701188 A JP14701188 A JP 14701188A JP H052760 B2 JPH052760 B2 JP H052760B2
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は鉄と炭素を主成分とする炭素鋼、さら
にNi、Cr、Mo、Mn等の1種または2種以上を
含有した低合金鋼あるいは特殊鋼などの鋼質金属
表面の陰極電解処理法に関するものである。 〔従来の技術〕 従来、形鋼、鋼板など各種形状の鋼質金属は、
転炉、電気炉などの溶解炉で溶製された溶鋼を造
塊・分塊工程あるいは連続鋳造工程を経て鍛造、
圧延などの熱間加工や冷間加工、さらには焼準や
焼鈍など熱処理を施して製造されている。ところ
がMn、Ni、Cr、Moなどを多量に含有するステ
ンレス鋼や高マンガン鋼のごとき高合金鋼を熱間
圧延後酸洗すると、板の表面に割れ疵やへH疵が
局部的に散在し、商品の外観性を劣化する問題が
あつた。特に鋼質金属の薄板材さらにはメツキや
化成処理を施した表面処理材では問題視されてい
る。したがつて熱間加工前においては鋼質金属片
を局部手入れや全面研削を行う精整工程を経て熱
間加工後あるいは熱間加工−焼鈍後シヨツトブラ
スト法やワイヤーブラシ法等の機械的清浄法で予
備処理した後、炭素鋼、低合金鋼およびフエライ
トステンレス鋼では塩酸あるいは硫酸水溶液、オ
ーステナイトステンレス鋼は硝酸とふつ酸との混
合水溶液に浸漬して表面の疵や割れさらに高温度
で生成したスケールを溶解除去する方法が行われ
ている。特にステンレス鋼の光沢あるいは美麗な
表面は塩酸又は硫酸酸洗あるいは硝ふつ酸洗の作
用効果に依存することが大きい。しかしながら、
これらの酸洗溶液に浸漬して酸洗処理した場合、
被酸洗材の粒界性状がによつて表面の粒界が腐食
され、これを冷間圧延すると、例えばフエライト
ステンレス鋼ではゴールドダストと呼ばれる微小
ヘゲ疵を発生する問題がある。このことから酸洗
には起因する微小ヘゲ疵の発生を防止し、あるい
はそれを低減する酸洗方法として、特公昭58−
28351号公報の「塩化第二鉄・塩酸混合水溶液を
用いて酸洗する方法」、特公昭61−38270号公報の
「シヨツトブラスト等の機械的処理の脱スケール
法を施した後、希塩酸酸洗し、次いで希硝酸酸洗
する酸洗法」などが開発されている。こうした酸
洗法は、温度50〜60℃程度に加熱した酸洗溶液に
鋼質金属を浸漬するもので脱スケールという観点
からは塩酸酸洗は普通鋼から低廉型フエライトス
テンレス鋼(11〜13wt%Cr)、硫酸酸洗は普通鋼
から高Crフエライトステンレス鋼(11〜25wt%
Cr)まで同一酸洗浴を適用しうる利点があり、
さらに熱間加工あるいはその焼鈍工程で発生する
粒界クロム炭化物析出に伴う粒界クロム欠乏層を
優先腐食せず、粒界ミクログルーブを発生しない
という利点を有するが、硫酸酸洗ではリンの粒界
偏析に起因する粒界ミクログルーブを発生する欠
点を有している。また塩酸酸洗法と硫酸酸洗法で
はいずれもNiを含有するオーステナイトステン
レス鋼の脱スケールは不可能であり、硝ふつ酸酸
洗法等の他の酸洗法が必要であり、現状では普通
鋼、フエライトステンレス鋼およびオーステナイ
トステンレス鋼の脱スケールを同一の酸洗浴で実
施しうるものはなく、酸洗ラインを系列以上設備
するか酸洗浴を交換して使用する等を余儀なくさ
れている。さらには塩酸酸洗法、硫酸酸洗および
硝ふつ酸酸洗法はいずれも鋼質金属を酸洗浴中に
浸漬処理し、自然腐食条件下で脱スケール処理を
行うため、最適酸洗表面を得るという点では問題
点が多く、2回あるいは3回以上の酸洗処理を必
要とする場合が多く、脱スケール酸洗時表面溶削
量を制御しうる酸洗技術の開発が急がれている。 鋼質金属の表面スケールを短時間に除去する効
率的な電解酸洗方法として特公昭57−2800号公報
の電解脱スケールがある。この方法は、硫酸又は
硝酸水溶液中に配置した陽極電極板と該陽極板長
さの2〜4倍の長さをもつ陰極板の間に直流電圧
をかけその両極の間をステンレス鋼帯を通過せし
める間接通電方式の電解脱スケール法を開示する
もので、陽極板の面積に対する陰極板の面積の比
率を大きくすることにより、陽極処理時間の増大
を計つて脱スケール性を向上しようとするもので
ある。そのように電解酸洗には陽極的酸洗法と陰
極的酸洗法があり、陽極的酸洗法は水素脆化の恐
れがなく高温、高電流密度ほど脱スケール速度が
速く、一方陰極的酸洗法では下地金属が殆ど溶解
されないということで、一般的には陽極的電解酸
洗法が使用されている。このように鋼質金属の電
解酸洗あるいは電解研磨は、電解溶液中で被酸洗
面あるいは被研磨面に通電して金属の溶解を行う
場合、被酸洗あるいは被研磨金属を陽極とし、直
接電流を通電する方法が一般的である。これに対
して陰極においては酸洗溶液中の水素イオンが還
元されて水素ガスとなつて放出され、金属の溶解
は進行しないとされている。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明者らはこれまでの陰極電解処理法では下
地金属は殆ど溶解されないという一般的常識とは
異なり鋼質金属の表面を短時間で溶解しかつ美麗
な外観性状をもつ陰極電解処理法を開発すること
を目的に多くの実験と検討を重ねた結果、硫酸水
溶液にCr+6イオンを含有する酸洗溶液中で陰極電
解することによつてその目的が達成されることを
知見した。本発明は、この知見に基づいて構成し
たもので、その要旨は5〜200g/のCr+6イオ
ンを含有する100〜600g/の濃度の硫酸水溶液
中で鋼質金属を陰極とし、該陰極に対向して設け
られた陽極との間に電流密度5〜200A/dm2を
通電する鋼質金属の陰極電解処理法である。 〔課題を解決するための手段および作用〕 以下、本発明について詳細に説明する。 高温加工や焼なましなどの熱処理を施した炭素
鋼さらにNi、Cr、Mo等の強化元素、塑性向上元
素や耐食性向上元素の1種または2種以上を含有
した低合金鋼あるいはステンレス鋼のごとき特殊
鋼などの鋼質金属の表面に生成したスケールある
いは付着した汚染を溶解除去するとともに下地金
属を適当量溶削して良好な酸洗表面を製造するた
めにCrイオンを含有する硫酸水溶液中で該鋼質
金属を陰極にして電解処理を行う。硫酸水溶液中
においては炭素鋼およびNiを含有しない25wt%
以下のCrを含有するフエライトステンレス鋼は
自然浸漬状態で活性溶解により表面溶削が行われ
る。これに対してNiを含有するオーステナイト
ステンレス鋼は硫酸水溶液中に浸漬しただけでは
殆ど活性溶解は進行しない。しかしながら、本発
明の陰極電解処理法によれば、硫酸水溶液中にお
ける陰極部で水素ガスの発生条件下でオーステナ
イトステンレス鋼を含むすべての鋼質金属の溶解
が進行する。本発明者らは硫酸水溶液以外に塩
酸、燐酸水溶液等各種酸中における陰極電解処理
効果を検討し、いずれの酸中においても陰極溶解
が進行することを確認したが、その溶解量は硫酸
水溶液中におけるそれに比して著しく小さく実用
的でないことを確認した。硫酸水溶液中における
顕著な陰極溶解のメカニズムの詳細は現状では明
らかではないが、本発明者らは陰極通電下で化学
的活性溶解反応が進行することによると考えてい
る。一般的に陰極電解液として使用される水酸化
ナトリウムに塩化ナトリウム、塩酸などを添加し
た溶液に較べ、硫酸水溶液中で極めて高速の金属
溶解が進行するというすぐれた特徴を示すが、こ
のような硫酸水溶液中の作用効果はいかなる濃度
においても得られるというものではない。第1図
は各種濃度の硫酸水溶液(温度80℃)でSUS430
鋼を電解酸洗処理した時の該鋼の溶解深さを陽極
電解処理部と陰極電解処理部で比較して示したも
のである。100g/未満の薄い濃度では陰極電
解処理部が陽極電解処理部を越える溶解深さが得
られず、また600g/を越える濃度では過度に
溶解して鋼表面は孔食状の不均一溶解が進行し、
均質な表面品質を得ることが困難になるとともに
コストアツプ要因ともなる。したがつて、本発明
において鋼質金属表面を溶削し、孔食状の不均一
溶解を防止して均質な表面性状を得るために硫酸
水溶液の濃度を100〜600g/とした。さらに本
発明は硫酸水溶液に重クロム酸ナトリウム
(Na2Cr2O7)、重クロム酸カリウム(K2Cr2O7)、
無水クロム酸(CrO3)のごとき硫酸水溶液中で
Crイオンを生成する化合物を添加する。Crイオ
ンを含有する硫酸電解質溶液中においては、陰極
電解処理部でCr6+イオンがCr+3イオンに還元さ
れ、鋼質金属の溶解(M→Mn++ne-)にともな
い発生する電子(e-)を消費(Cr6++3e-→Cr3+)
することにより、金属の溶解速度を高めるととも
に粒界に偏析したリンによる水素発生反応を低減
し、粒界ミクログルーブの発生を防止して良好な
表面性状の製造を可能とする。第2図は300g/
の濃度の硫酸水溶液(温度80℃)中に各種濃度
のCr6+イオンを添加してSUS304鋼を陰極電解処
理した場合の該金属の溶解深さを示したもので、
該電解質溶液中に単純浸漬したのみでは何の変化
も見られないが、陰極電解処理した場合顕著な溶
解深さを示す。すなわち、本発明において限定し
たCr6+イオンの含有量は鋼質金属の表面について
短時間に顕著な溶削作用が得られる範囲であつ
て、5g/未満の薄い濃度または200g/を
越える濃い濃度ではその種の効果が望めない。さ
らに本発明は、こうしたCr6+イオンを含有する硫
酸水溶液を用いて鋼質金属を陰極とし、該金属に
対向して設けられる陽極との間に電流密度5〜
200A/dm2を通電する。電流密度は鋼質金属の
溶解速度を加速するもので、第3図に50g/の
Cr6+イオンを含有する300g/の濃度の硫酸水
溶液(温度80℃)中で60秒の陰極電解処理した
SUS430鋼の溶削深さを示す。すなわち5A/dm2
未満の小電流密度では十分な陰極溶削効果を得る
ことができず、また200A/dm2を越える過剰な
大電流密度では溶液抵抗のため液温急上昇を生起
するとともに陰極溶削量も飽和してくる。したが
つて、陰極電解処理を効果的に行うとともに電解
溶液の温度制御を行う上から電流密度を5〜
200A/dm2とした。 上記のような本発明の鋼質金属の陰極電解処理
法は鋼質金属の浸漬法あるいは連続法など任意な
方法で処理される。 〔実施例〕 炭素鋼、Crを約17%含有するSUS430、Crを約
23%含有する高Crフエライトステンレス鋼およ
びオーステナイトステンレス鋼のSUS304のそれ
ぞれについて80℃で60秒間陰極溶解を行つた場合
の溶解深さを10g/のCr6+イオン−150g/
の硫酸、100g/のCr+6イオン−150g/の硫
酸について第1表と第2表、10g/のCr6+イオ
ン−300g/の硫酸、75g/のCr6+イオン−
300g/の硫酸、180g/のCr6+イオン−300
g/の硫酸についてそれぞれ第3表、第4表と
第5表および15g/のCr6+イオン−550g/
の硫酸、175g/のCr6+イオン−550g/の硫
酸について第6表と第7表に示す。従来の陰極通
電を施さない単純浸漬では、炭素鋼以外
にNi、Cr、Mo、Mn等の1種または2種以上を
含有した低合金鋼あるいは特殊鋼などの鋼質金属
表面の陰極電解処理法に関するものである。 〔従来の技術〕 従来、形鋼、鋼板など各種形状の鋼質金属は、
転炉、電気炉などの溶解炉で溶製された溶鋼を造
塊・分塊工程あるいは連続鋳造工程を経て鍛造、
圧延などの熱間加工や冷間加工、さらには焼準や
焼鈍など熱処理を施して製造されている。ところ
がMn、Ni、Cr、Moなどを多量に含有するステ
ンレス鋼や高マンガン鋼のごとき高合金鋼を熱間
圧延後酸洗すると、板の表面に割れ疵やへH疵が
局部的に散在し、商品の外観性を劣化する問題が
あつた。特に鋼質金属の薄板材さらにはメツキや
化成処理を施した表面処理材では問題視されてい
る。したがつて熱間加工前においては鋼質金属片
を局部手入れや全面研削を行う精整工程を経て熱
間加工後あるいは熱間加工−焼鈍後シヨツトブラ
スト法やワイヤーブラシ法等の機械的清浄法で予
備処理した後、炭素鋼、低合金鋼およびフエライ
トステンレス鋼では塩酸あるいは硫酸水溶液、オ
ーステナイトステンレス鋼は硝酸とふつ酸との混
合水溶液に浸漬して表面の疵や割れさらに高温度
で生成したスケールを溶解除去する方法が行われ
ている。特にステンレス鋼の光沢あるいは美麗な
表面は塩酸又は硫酸酸洗あるいは硝ふつ酸洗の作
用効果に依存することが大きい。しかしながら、
これらの酸洗溶液に浸漬して酸洗処理した場合、
被酸洗材の粒界性状がによつて表面の粒界が腐食
され、これを冷間圧延すると、例えばフエライト
ステンレス鋼ではゴールドダストと呼ばれる微小
ヘゲ疵を発生する問題がある。このことから酸洗
には起因する微小ヘゲ疵の発生を防止し、あるい
はそれを低減する酸洗方法として、特公昭58−
28351号公報の「塩化第二鉄・塩酸混合水溶液を
用いて酸洗する方法」、特公昭61−38270号公報の
「シヨツトブラスト等の機械的処理の脱スケール
法を施した後、希塩酸酸洗し、次いで希硝酸酸洗
する酸洗法」などが開発されている。こうした酸
洗法は、温度50〜60℃程度に加熱した酸洗溶液に
鋼質金属を浸漬するもので脱スケールという観点
からは塩酸酸洗は普通鋼から低廉型フエライトス
テンレス鋼(11〜13wt%Cr)、硫酸酸洗は普通鋼
から高Crフエライトステンレス鋼(11〜25wt%
Cr)まで同一酸洗浴を適用しうる利点があり、
さらに熱間加工あるいはその焼鈍工程で発生する
粒界クロム炭化物析出に伴う粒界クロム欠乏層を
優先腐食せず、粒界ミクログルーブを発生しない
という利点を有するが、硫酸酸洗ではリンの粒界
偏析に起因する粒界ミクログルーブを発生する欠
点を有している。また塩酸酸洗法と硫酸酸洗法で
はいずれもNiを含有するオーステナイトステン
レス鋼の脱スケールは不可能であり、硝ふつ酸酸
洗法等の他の酸洗法が必要であり、現状では普通
鋼、フエライトステンレス鋼およびオーステナイ
トステンレス鋼の脱スケールを同一の酸洗浴で実
施しうるものはなく、酸洗ラインを系列以上設備
するか酸洗浴を交換して使用する等を余儀なくさ
れている。さらには塩酸酸洗法、硫酸酸洗および
硝ふつ酸酸洗法はいずれも鋼質金属を酸洗浴中に
浸漬処理し、自然腐食条件下で脱スケール処理を
行うため、最適酸洗表面を得るという点では問題
点が多く、2回あるいは3回以上の酸洗処理を必
要とする場合が多く、脱スケール酸洗時表面溶削
量を制御しうる酸洗技術の開発が急がれている。 鋼質金属の表面スケールを短時間に除去する効
率的な電解酸洗方法として特公昭57−2800号公報
の電解脱スケールがある。この方法は、硫酸又は
硝酸水溶液中に配置した陽極電極板と該陽極板長
さの2〜4倍の長さをもつ陰極板の間に直流電圧
をかけその両極の間をステンレス鋼帯を通過せし
める間接通電方式の電解脱スケール法を開示する
もので、陽極板の面積に対する陰極板の面積の比
率を大きくすることにより、陽極処理時間の増大
を計つて脱スケール性を向上しようとするもので
ある。そのように電解酸洗には陽極的酸洗法と陰
極的酸洗法があり、陽極的酸洗法は水素脆化の恐
れがなく高温、高電流密度ほど脱スケール速度が
速く、一方陰極的酸洗法では下地金属が殆ど溶解
されないということで、一般的には陽極的電解酸
洗法が使用されている。このように鋼質金属の電
解酸洗あるいは電解研磨は、電解溶液中で被酸洗
面あるいは被研磨面に通電して金属の溶解を行う
場合、被酸洗あるいは被研磨金属を陽極とし、直
接電流を通電する方法が一般的である。これに対
して陰極においては酸洗溶液中の水素イオンが還
元されて水素ガスとなつて放出され、金属の溶解
は進行しないとされている。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明者らはこれまでの陰極電解処理法では下
地金属は殆ど溶解されないという一般的常識とは
異なり鋼質金属の表面を短時間で溶解しかつ美麗
な外観性状をもつ陰極電解処理法を開発すること
を目的に多くの実験と検討を重ねた結果、硫酸水
溶液にCr+6イオンを含有する酸洗溶液中で陰極電
解することによつてその目的が達成されることを
知見した。本発明は、この知見に基づいて構成し
たもので、その要旨は5〜200g/のCr+6イオ
ンを含有する100〜600g/の濃度の硫酸水溶液
中で鋼質金属を陰極とし、該陰極に対向して設け
られた陽極との間に電流密度5〜200A/dm2を
通電する鋼質金属の陰極電解処理法である。 〔課題を解決するための手段および作用〕 以下、本発明について詳細に説明する。 高温加工や焼なましなどの熱処理を施した炭素
鋼さらにNi、Cr、Mo等の強化元素、塑性向上元
素や耐食性向上元素の1種または2種以上を含有
した低合金鋼あるいはステンレス鋼のごとき特殊
鋼などの鋼質金属の表面に生成したスケールある
いは付着した汚染を溶解除去するとともに下地金
属を適当量溶削して良好な酸洗表面を製造するた
めにCrイオンを含有する硫酸水溶液中で該鋼質
金属を陰極にして電解処理を行う。硫酸水溶液中
においては炭素鋼およびNiを含有しない25wt%
以下のCrを含有するフエライトステンレス鋼は
自然浸漬状態で活性溶解により表面溶削が行われ
る。これに対してNiを含有するオーステナイト
ステンレス鋼は硫酸水溶液中に浸漬しただけでは
殆ど活性溶解は進行しない。しかしながら、本発
明の陰極電解処理法によれば、硫酸水溶液中にお
ける陰極部で水素ガスの発生条件下でオーステナ
イトステンレス鋼を含むすべての鋼質金属の溶解
が進行する。本発明者らは硫酸水溶液以外に塩
酸、燐酸水溶液等各種酸中における陰極電解処理
効果を検討し、いずれの酸中においても陰極溶解
が進行することを確認したが、その溶解量は硫酸
水溶液中におけるそれに比して著しく小さく実用
的でないことを確認した。硫酸水溶液中における
顕著な陰極溶解のメカニズムの詳細は現状では明
らかではないが、本発明者らは陰極通電下で化学
的活性溶解反応が進行することによると考えてい
る。一般的に陰極電解液として使用される水酸化
ナトリウムに塩化ナトリウム、塩酸などを添加し
た溶液に較べ、硫酸水溶液中で極めて高速の金属
溶解が進行するというすぐれた特徴を示すが、こ
のような硫酸水溶液中の作用効果はいかなる濃度
においても得られるというものではない。第1図
は各種濃度の硫酸水溶液(温度80℃)でSUS430
鋼を電解酸洗処理した時の該鋼の溶解深さを陽極
電解処理部と陰極電解処理部で比較して示したも
のである。100g/未満の薄い濃度では陰極電
解処理部が陽極電解処理部を越える溶解深さが得
られず、また600g/を越える濃度では過度に
溶解して鋼表面は孔食状の不均一溶解が進行し、
均質な表面品質を得ることが困難になるとともに
コストアツプ要因ともなる。したがつて、本発明
において鋼質金属表面を溶削し、孔食状の不均一
溶解を防止して均質な表面性状を得るために硫酸
水溶液の濃度を100〜600g/とした。さらに本
発明は硫酸水溶液に重クロム酸ナトリウム
(Na2Cr2O7)、重クロム酸カリウム(K2Cr2O7)、
無水クロム酸(CrO3)のごとき硫酸水溶液中で
Crイオンを生成する化合物を添加する。Crイオ
ンを含有する硫酸電解質溶液中においては、陰極
電解処理部でCr6+イオンがCr+3イオンに還元さ
れ、鋼質金属の溶解(M→Mn++ne-)にともな
い発生する電子(e-)を消費(Cr6++3e-→Cr3+)
することにより、金属の溶解速度を高めるととも
に粒界に偏析したリンによる水素発生反応を低減
し、粒界ミクログルーブの発生を防止して良好な
表面性状の製造を可能とする。第2図は300g/
の濃度の硫酸水溶液(温度80℃)中に各種濃度
のCr6+イオンを添加してSUS304鋼を陰極電解処
理した場合の該金属の溶解深さを示したもので、
該電解質溶液中に単純浸漬したのみでは何の変化
も見られないが、陰極電解処理した場合顕著な溶
解深さを示す。すなわち、本発明において限定し
たCr6+イオンの含有量は鋼質金属の表面について
短時間に顕著な溶削作用が得られる範囲であつ
て、5g/未満の薄い濃度または200g/を
越える濃い濃度ではその種の効果が望めない。さ
らに本発明は、こうしたCr6+イオンを含有する硫
酸水溶液を用いて鋼質金属を陰極とし、該金属に
対向して設けられる陽極との間に電流密度5〜
200A/dm2を通電する。電流密度は鋼質金属の
溶解速度を加速するもので、第3図に50g/の
Cr6+イオンを含有する300g/の濃度の硫酸水
溶液(温度80℃)中で60秒の陰極電解処理した
SUS430鋼の溶削深さを示す。すなわち5A/dm2
未満の小電流密度では十分な陰極溶削効果を得る
ことができず、また200A/dm2を越える過剰な
大電流密度では溶液抵抗のため液温急上昇を生起
するとともに陰極溶削量も飽和してくる。したが
つて、陰極電解処理を効果的に行うとともに電解
溶液の温度制御を行う上から電流密度を5〜
200A/dm2とした。 上記のような本発明の鋼質金属の陰極電解処理
法は鋼質金属の浸漬法あるいは連続法など任意な
方法で処理される。 〔実施例〕 炭素鋼、Crを約17%含有するSUS430、Crを約
23%含有する高Crフエライトステンレス鋼およ
びオーステナイトステンレス鋼のSUS304のそれ
ぞれについて80℃で60秒間陰極溶解を行つた場合
の溶解深さを10g/のCr6+イオン−150g/
の硫酸、100g/のCr+6イオン−150g/の硫
酸について第1表と第2表、10g/のCr6+イオ
ン−300g/の硫酸、75g/のCr6+イオン−
300g/の硫酸、180g/のCr6+イオン−300
g/の硫酸についてそれぞれ第3表、第4表と
第5表および15g/のCr6+イオン−550g/
の硫酸、175g/のCr6+イオン−550g/の硫
酸について第6表と第7表に示す。従来の陰極通
電を施さない単純浸漬では、炭素鋼以外
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
本発明によれば、炭素鋼からフエライトステン
レス鋼およびオーステナイトステンレス鋼まです
べての鋼質金属の脱スケール処理を同一酸洗槽、
同一酸洗浴で実施することが出来るとともに単純
浸漬処理に比して2〜3倍の高速溶削が可能なこ
とから酸洗の前工程で発生した各種の表面疵の除
去を溶削量制御条件で行うことが出来る。さら
に、通常の硫酸水溶液中での自然浸漬法による脱
スケール酸洗時に発生する鋼中不純物リンの粒界
偏析に起因する粒界ミクログルーブの発生を防止
しうるとともに、硝ふつ酸酸洗時あるいは陽極部
で発生する粒界クロム欠乏層に起因する粒界ミク
ログループの発生も防止することが出来、外観性
の優れた光沢表面が得られる。
レス鋼およびオーステナイトステンレス鋼まです
べての鋼質金属の脱スケール処理を同一酸洗槽、
同一酸洗浴で実施することが出来るとともに単純
浸漬処理に比して2〜3倍の高速溶削が可能なこ
とから酸洗の前工程で発生した各種の表面疵の除
去を溶削量制御条件で行うことが出来る。さら
に、通常の硫酸水溶液中での自然浸漬法による脱
スケール酸洗時に発生する鋼中不純物リンの粒界
偏析に起因する粒界ミクログルーブの発生を防止
しうるとともに、硝ふつ酸酸洗時あるいは陽極部
で発生する粒界クロム欠乏層に起因する粒界ミク
ログループの発生も防止することが出来、外観性
の優れた光沢表面が得られる。
第1図はSUS430鋼の80℃の100〜600g/の
濃度の純硫酸溶液中における直流電流通電下の陽
極および陰極における60秒当りの金属溶解深さの
硫酸濃度依存性を示す図である。第2図は
SUS304鋼の80℃の300g/の濃度の硫酸溶液
中における自然浸漬および陰極通電下の60秒当り
の金属溶解深さのCr+6イオン濃度依存性を示す図
である。第3図はSUS430鋼の80℃の50g/の
Cr6+イオンを含有する300g/の濃度の硫酸溶
液中における60秒当りの陽極および陰極における
金属溶解深さの電流密度依存性を示す図である。
濃度の純硫酸溶液中における直流電流通電下の陽
極および陰極における60秒当りの金属溶解深さの
硫酸濃度依存性を示す図である。第2図は
SUS304鋼の80℃の300g/の濃度の硫酸溶液
中における自然浸漬および陰極通電下の60秒当り
の金属溶解深さのCr+6イオン濃度依存性を示す図
である。第3図はSUS430鋼の80℃の50g/の
Cr6+イオンを含有する300g/の濃度の硫酸溶
液中における60秒当りの陽極および陰極における
金属溶解深さの電流密度依存性を示す図である。
Claims (1)
- 1 5〜200g/のCr6+イオンを含有する100〜
600g/の濃度の硫酸水溶液中で鋼質金属を陰
極とし、該陰極に対向して設けられた陽極との間
に電流密度5〜200A/dm2を通電して陰極溶解
することを特徴とする鋼質金属の陰極電解処理
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14701188A JPH01316500A (ja) | 1988-06-16 | 1988-06-16 | 鋼質金属の陰極電解処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14701188A JPH01316500A (ja) | 1988-06-16 | 1988-06-16 | 鋼質金属の陰極電解処理法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01316500A JPH01316500A (ja) | 1989-12-21 |
| JPH052760B2 true JPH052760B2 (ja) | 1993-01-13 |
Family
ID=15420532
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14701188A Granted JPH01316500A (ja) | 1988-06-16 | 1988-06-16 | 鋼質金属の陰極電解処理法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01316500A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0711080B2 (ja) * | 1990-02-21 | 1995-02-08 | 新日本製鐵株式会社 | 鋼質金属の高速電解溶解法 |
| JP5891845B2 (ja) * | 2012-02-24 | 2016-03-23 | Jfeスチール株式会社 | 表面処理鋼板の製造方法 |
-
1988
- 1988-06-16 JP JP14701188A patent/JPH01316500A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01316500A (ja) | 1989-12-21 |
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