JPH05276888A - ホイップクリーム用水中油型乳化物 - Google Patents

ホイップクリーム用水中油型乳化物

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JPH05276888A
JPH05276888A JP4105878A JP10587892A JPH05276888A JP H05276888 A JPH05276888 A JP H05276888A JP 4105878 A JP4105878 A JP 4105878A JP 10587892 A JP10587892 A JP 10587892A JP H05276888 A JPH05276888 A JP H05276888A
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fatty acid
fats
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳化物自体の乳化安定性やホイップ特性(起
泡性)に優れ、そしてホイップクリームにした場合の良
好な特性(造形性、ホイップ性、保型性、離水耐性な
ど)のほとんどが備わっており、特に、保型性、離水耐
性が更に改良され、長時間風味や食感の変化のないホイ
ップクリーム用水中油型乳化物を提供する。 【構成】 植物脂を主成分とする油脂の油滴を含む水中
油型乳化物、あるいは植物脂及び乳脂を主成分とする油
脂の油滴を含む水中油型乳化物と、構成脂肪酸として、
炭素数20以上の飽和脂肪酸残基、及び炭素数16〜2
2の不飽和脂肪酸残基を少なくとも各一個ずつ一分子中
に含む混酸基トリグリセリドを主成分とする油脂の油滴
を含む水中油型乳化物とを混合してなるホイップクリー
ム用水中油型乳化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホイップクリーム用水
中油型乳化物に関する。更に詳しくは、本発明は、特に
保型性、離水耐性が改良されたホイップクリーム用水中
油型乳化物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、製菓、製パン分野におけるト
ッピング用、フィリング用の水中油型乳化物としては、
油脂25〜55重量%を含有するコンパウンドクリーム
(植物性油脂及び生クリームまたは乳脂肪を含有)及び
純植物性フィルドクリーム(無脂乳固形分と純植物性油
脂からなる)が用いられいる。これらのものは、天然の
生クリームに比較して、低価格で、入手し易く、また品
質も比較的一定していて使用し易く、従って、特に、こ
れらを大量に生産、流通、消費している製菓、製パン業
界において多用されている。
【0003】上記のような水中油型乳化物は、以下のよ
うな特性が備えられていることが望ましい。 (1)水中油型乳化物の保存中、輸送中、あるいは使用
中、通常の外部環境変化によって増粘や固化が生じない
こと(高い乳化(液)安定性を有している) (2)水中油型乳化物を起泡させてホイップクリームと
して用いる場合、最適ホイップ状態に達するまでのホイ
ップ時間が一定で、ホイップ終点に適度な幅があり、オ
ーバーラン(起泡性)が一定している、また、所謂「造
花」が容易に行えるように造形性が良いこと(ホイップ
特性に優れている) (3)ケーキ、パン等に上記のようなホイップクリーム
をフィリング、トッピング、サンドした場合、クリーム
の組織が保持できるように優れた保型性を有し、経時的
に離水を起さないこと(高い離水耐性)、そして表面の
滑らかさ、光沢が維持されていること(外観がよい) (4)口どけが良く、くせがなく、風味、食感が良好で
あること
【0004】従来、上記のような水中油型乳化物は、添
付の図2に示されるような製造工程に従って製造されて
いる。すなわち、植物脂、あるいは植物脂と生クリーム
または乳脂肪などの油脂と乳化剤が配合されてなる油相
(油性液)と、脱脂乳などの無脂乳固形分、乳化剤、及
び安定剤などが配合されてなる水相(水性液)とを混合
し、乳化(予備乳化)、滅菌、均質化、冷却、充填、エ
ージングなどの諸工程を経て製造される。上記のような
優れた特性を持つ高品質のクリーム(水中油型乳化物)
を得るために、従来から製造プロセスや原料配合につい
て種々検討されてきた。例えば、原料配合の検討につい
ては、各種乳化剤の選定(特開昭63−267250
号、特開平3−62387号公報参照)、天然または合
成糊料の配合、乳蛋白質の変性あるいは改質等が行われ
ている。また異なった粒子径分布を持つ三種の乳化物を
各別に調製し、これらの乳化物を最終段階で混合するこ
とにより、上記特性の改良を図った乳化物も提案されて
いる(特公昭59−4107号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な乳化物自体の特性やホイップクリームにした場合の特
性がほとんど備わっており、特に、保型性、離水耐性が
更に改良され、長時間風味や食感の変化のないホイップ
クリーム用水中油型乳化物を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】乳化物は、ホイップして
多数の気泡を取り込ませることによってその中の油滴
(脂肪球:エマルジョン粒子)の解乳化や脂肪球の破壊
が起り、これによって脂肪球の凝集が発生する。凝集し
た脂肪球(凝集脂肪球)の多くは気泡の表面に吸着し、
そしてその一部は連鎖による網目構造(ネットワーク)
を形成する。また脂肪球は、遊離脂肪ともなって上記の
ようにネットワークを形成している凝集脂肪球の回りに
集まるものもあり、あたかも凝集脂肪球と凝集脂肪球と
を結びつける接着剤のような働きをし、ネットワークを
強固にする。このような構造により、気泡が安定化さ
れ、良好なホイップクリームが得られると考えられてい
る。
【0007】ホイップクリームがおいしく保たれるに
は、ホイップ直後のクリームの組織が長時間そのまま維
持されていること、すなわち、上記ホイップクリームの
特性である、保型性、離水耐性が良いことが重要な条件
である。本発明者は、このような認識の下に上述したネ
ットワーク構造に着目し、この構造を更に強固にできれ
ば、上記の保型性、離水耐性のよいホイップクリームが
得られるであろうとの着想の基づいて更に検討を進め
た。その結果、予備乳化する際に、特定の組成の混酸基
トリグリセリドを主成分とする油脂と、植物脂、あるい
は植物脂及び乳脂を主成分とする油脂とを分け、各々独
立な操作で乳化物を調製し、乳化剤の量、種類、あるい
は乳化する際の圧力(均質化処理)を独立した操作で行
うことにより、特定の組成の混酸基トリグリセリドの脂
肪球の上記凝集脂肪球への移行量を増加させることがで
き(特定の組成の混酸基トリグリセリドからなる油脂は
結晶化し易い性質を有し、形成されるネットワーク構造
は強度の強いものとなる)、従って、より強固なネット
ワーク構造とすることができるために、保型性、離水耐
性のよいホイップクリームが得られることを見い出し、
本発明を完成させた。
【0008】本発明は、植物脂を主成分とする油脂の油
滴を含む水中油型乳化物と、構成脂肪酸として、炭素数
20以上の飽和脂肪酸残基、及び炭素数16〜22の不
飽和脂肪酸残基を少なくとも各一個ずつ一分子中に含む
混酸基トリグリセリドを主成分とする油脂の油滴を含む
水中油型乳化物とを混合してなるホイップクリーム用水
中油型乳化物にある。また、本発明は、植物脂及び乳脂
を主成分とする油脂の油滴を含む水中油型乳化物と、構
成脂肪酸として、炭素数20以上の飽和脂肪酸残基、及
び炭素数16〜22の不飽和脂肪酸残基を少なくとも各
一個ずつ一分子中に含む混酸基トリグリセリドを主成分
とする油脂の油滴を含む水中油型乳化物とを混合してな
るホイップクリーム用水中油型乳化物にある。
【0009】以下に本発明のホイップクリーム用水中油
型乳化物について説明する。まず、本発明で使用される
特定の組成の混酸基トリグリセリドについて詳述する。
本発明に係る混酸基トリグリセリドは、構成脂肪酸とし
て、炭素数20以上の飽和脂肪酸残基、及び炭素数18
の不飽和脂肪酸残基を少なくとも各一個ずつ一分子中に
含む。炭素数20以上の飽和脂肪酸としては、アラキン
酸またはベヘン酸が好ましく、特にベヘン酸が好まし
い。炭素数18の不飽和脂肪酸は、オレイン酸またはリ
ノール酸が好ましい。
【0010】上記混酸基トリグリセリドの最も典型的な
ものは、モノベヘニルジオレエート、モノベヘニルジリ
ノレート、モノベヘニルオレオイルリノレート、ジベヘ
ニルモノリノレート、あるいはジベヘニルモノオレエー
トであるが、飽和脂肪酸の一部がパルミチン酸またはス
テアリン酸またはアラキン酸に代わっていてもよいし、
それらの混合物でも良い。また不飽和脂肪酸の結合位置
はα位、β位のいずれでも良く、混合物でもよい。
【0011】本発明に係る混酸基トリグリセリドの製造
方法は特に限定されない。例えば、次の製法を一例とし
て挙げることができる。
【0012】本発明に係る混酸基トリグリセリドは、ベ
ヘン酸トリグリセリドまたは極度硬化したハイエルシン
ナタネ油及び/またはこれらと他の油脂を配合して炭素
数20以上の飽和脂肪酸を30重量%以上含有する脂肪
酸トリグリセリドと、オレイン酸トリグリセリド、リノ
ール酸トリグリセリドまたはオレイン酸、リノール酸を
含有する植物油(例えば、大豆油、オリーブ油、ナタネ
油、サフラワー油)および/またはこれらと他の油脂を
配合して炭素数18の不飽和脂肪酸を60重量%以上含
有する脂肪酸トリグリセリドとの混合油をエステル交換
反応及び/または分別することにより得ることができ
る。
【0013】エステル交換方法としては、アルカリ触媒
を用いて脂肪酸のランダム再配置を行う方法や、リパー
ゼ等の酵素触媒を用いてα−位を選択的にエステル交換
する方法が利用できる。更に、このようにして得られた
エステル交換油から混酸基トリグリセリドを濃縮するた
めに、アセトン、n−ヘキサン等の溶剤を用いて溶剤分
別することが有効である。
【0014】次に、本発明のホイップクリーム用水中油
型乳化物の製造法について説明する。
【0015】本発明のホイップクリーム用水中油型乳化
物は、例えば、添付の図1に示す工程に従って製造する
ことができる。図1に示されるように、本発明のホイッ
プクリーム用水中油型乳化物は、 (I)植物脂を主成分とする油脂、あるいは植物脂及び
乳脂を主成分とする油脂の油滴を含む水中油型乳化物
(A)を調製する工程; (II)前述した特定の組成の混酸基トリグリセリドを主
成分とする油脂の油滴を含む水中油型乳化物(B)を調
製する工程; (III)得られた上記乳化物(A)と(B)を混合する工
程;そして、 (IV)得られた混合物を、滅菌、均質化、冷却、充填、
エージングの各処理を行う工程からなっている。 なお、上記(IV)の工程の各処理のうち、滅菌、均質
化、冷却の各処理は、上記水中油型乳化物(A)、
(B)の調製状態に応じて、適宜変更し得る。例えば、
水中油型乳化物(A)、(B)の各調製工程おいて、乳
化物(A)、(B)の処理が冷却まで終了している場合
には、これら一連の処理は省いてもよい。すなわち、上
記(IV)の工程の処理は、充填、エージングのみの処理
で良い。
【0016】以下に、各工程を更に詳細に説明する。
【0017】上記(I)の工程の水中油型乳化物(A)
の調製は、植物脂を主成分とする油脂、あるいは植物脂
及び乳脂を主成分とする油脂及び乳化剤などが配合され
てなる油性成分(油性液)に、脱脂乳などの乳蛋白質、
安定剤、及び乳化剤などが配合されてなる水性成分(水
性液)を添加混合し、予備乳化、均質化の処理によりな
される。また、上記(II)の工程の水中油型乳化物
(B)の調製は、特定の組成の混酸基トリグリセリドを
主成分とする油脂及び乳化剤などが配合されてなる油性
成分(油性液)に、脱脂乳などの乳蛋白質、安定剤、及
び乳化剤などが配合されてなる水性成分(水性液)を添
加混合し、上記と同様な各処理でなされる。なお、上記
(II)の工程の水中油型乳化物(B)の調製では、特定
の組成の混酸基トリグリセリドに加え、更に油脂成分と
して、植物脂が添加されていてもよい。また、上記
(I)、(II)のそれぞれの工程において、更に、滅
菌、均質化、冷却の各処理を施してもよいことは、前述
した通りである。上記水中油型乳化物(A)及び(B)
中の油脂含量は、それぞれ30〜60重量%の範囲、好
ましくは35〜55重量%の範囲、更に好ましくは、4
0〜45重量%の範囲である。また、油脂成分として、
植物脂と乳脂が含まれている場合の両成分の含有量比
は、特に制限はないが、植物脂:乳脂=70:30〜
0:100にあることが好ましい。混酸基トリグリセリ
ドは、最終製品である本発明のホイップクリーム用水中
油型乳化物中に、油脂成分に対して、10〜50重量%
(好ましくは、20〜40重量%)となるように配合さ
れていることが好ましい。上記の下限未満では、保型
性、離水耐性に顕著な効果が認められない。一方上限を
越えると、口どけが低下する傾向にある。
【0018】上記水中油型乳化物(A)及び(B)の調
製に使用される、前述した混酸基トリグリセリド以外の
主要成分について説明する。上記植物脂、乳脂は、従来
から水中油型乳化物に使用されているものでれば特に制
限なく利用できる。植物脂としては、例えば、大豆油、
綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、パーム
油、パーム核油、菜種油、カポック油、ヤシ油及びこれ
らの硬化油を挙げることができる。これらの中では、大
豆硬化油とヤシ硬化油が好ましい。また乳脂は、通常生
クリームからチャーニングして得たバターを溶解し、水
分を除いたものが使用される。
【0019】上記乳化剤は、従来公知のものの中から選
ばれるが、乳化剤は、その特性によって、乳化を安定化
させるもの、乳化を破壊し、凝集を促進させるもの、気
泡を安定に取り込むものに分けられ、通常、これらの乳
化剤を組み合わせて使用する。特に、本発明において
は、乳化剤により、脂肪球の強度も変化するため(乳化
剤は、脂肪球の界面に蛋白質と共に吸着(配向)し、膜
を形成する)、これらのことを考慮に入れて選択するこ
とが好ましい。上記水中油型乳化物(A)の調製には、
例えば、以下の乳化剤が好ましく使用できる。レシチ
ン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリ
セロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル。本発
明においては、特に、レシチンとショ糖脂肪酸エステル
の併用が好ましい。また、上記水中油型乳化物(B)の
調製には、例えば、以下の乳化剤が好ましく使用でき
る。レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エ
ステル。本発明においては、特に、レシチンとショ糖脂
肪酸エステルの併用が好ましい。これらの乳化剤はその
合計含有量が、それぞれ水中油型乳化物(A)及び
(B)中に、0.1〜2.5重量%の範囲(更に好まし
くは、0.3〜1.5重量%の範囲)で使用されること
が好ましい。なお、本発明の乳化物の調製に際しては、
上記以外の任意成分(例えば、呈味剤、増粘剤など)を
添加してもよい。これらを添加する場合にも、上記の成
分と同様に親油性の添加物は油性液中に、そして親水性
の添加物は水性液中に添加される。
【0020】上記(I)及び(II)の工程における均質
化処理について説明する。上記水中油型乳化物を調製す
る際の均質化処理は、通常、ホモゲナイザーのような加
圧式均質機(高圧にされた処理液体が均質バルブを通過
して低圧部へ流れる際に脂肪球が粉砕される機構)が使
用される。この均質機の設定圧力(均質化圧力/乳化圧
力)を種々変化させることにより、乳化物中の脂肪球の
粒子径を所望の粒子径に制御することができる(均質化
圧力を高圧にするほど粒子径は小さくなる)。本発明を
実施する場合には、混酸基トリグリセリドを含む油脂の
脂肪球が、植物脂(あるいは植物脂及び乳脂を主成分と
する油脂)の脂肪球に比べ壊れ易くなるように構成する
ことが好ましい。一般に、脂肪球の粒子径が小さい程、
耐破壊強度は大で、脂肪球の粒子径が大きくなるにつれ
てその耐破壊強度も小さくなる。従って、混酸基トリグ
リセリドを含む油脂の脂肪球の粒子径を植物脂(あるい
は植物脂及び乳脂を主成分とする油脂)の脂肪球のそれ
に比べ大きく設定することが、本発明の実施においては
有効な方法である。また、上記均質化圧力をほぼ同様に
設定して混酸基トリグリセリドを含む油脂の脂肪球と植
物脂(あるいは植物脂及び乳脂を主成分とする油脂)の
脂肪球とがほぼ同じ粒子径となるように調製した場合に
は、前述したように使用する乳化剤の選択が有効な方法
である。
【0021】ところで、肪肪球の粒子径は、水中油型乳
化物の乳化安定性やホイップ性に影響を及ぼす。一般
に、均質化圧力の低い乳化物(粒子径は比較的大きくな
り、0.3〜20μmの範囲)は、乳化安定性が低く、
温度変化、振動等の外部環境によって乳化物が増粘や固
化を起す、所謂ボテが生じ易く、またホイップしてもオ
ーバーランの低いものとなり、一方均質化圧力の高い乳
化物(粒子径は比較的小さくなり、0.3〜8μmの範
囲)は、乳化安定性が高い(所謂ボテは生じにくくなる
が)が、ホイップ時間が長くかかり、オーバーランは高
いが、保型性の弱いものになるという性質がある。従っ
て、上記均質化圧力を設定する場合には、乳化安定性や
ホイップ性が良好に保たれるように考慮することが好ま
しい。以上の観点から、水中油型乳化物(A)及び
(B)のそれぞれの乳化物を調製する場合には、下記の
ような脂肪球の粒子径となるように、均質化圧力を設定
することが好ましい。混酸基トリグリセリドを含む油脂
の脂肪球の粒子径は、1.5μm〜8.0μmの範囲
(好ましくは、2.0μm〜5.0μmの範囲)、及び
植物脂(あるいは植物脂及び乳脂を主成分とする油脂)
の脂肪球の粒子径は、0.3μm〜5.0μmの範囲
(好ましくは、0.5μm〜2.5μmの範囲)となる
ように調製する(ただし、混酸基トリグリセリドを含む
油脂の脂肪球の粒子径≧植物脂(あるいは植物脂及び乳
脂を主成分とする油脂)の脂肪球の粒子径の関係を維持
する)。本発明においては、混酸基トリグリセリドを含
む油脂の脂肪球の粒子径を、脂肪球(あるいは植物脂及
び乳脂を主成分とする油脂)の粒子径に対して、1.1
〜5倍(さらに好ましくは、2.0〜3.0倍)となる
ように均質化圧力を設定することが好ましい。なお、上
記均質化圧力をほぼ同様に設定して混酸基トリグリセリ
ドを含む油脂の脂肪球の粒子径と植物脂(あるいは植物
脂及び乳脂を主成分とする油脂)の脂肪球の粒子径とを
比較的大きな粒子径(5.0〜8.0μm)に揃えた場
合にも、得られるホイップクリームの保型性、離水耐性
の良好なものが得られるが、前述したように、ボテが生
じ易く、好ましくない場合がある。
【0022】上記(III)の工程の混合物の調製は、上記
のように調製された各水中油型乳化物(A)と(B)と
の混合によって達成される。この混合操作では、各乳化
物中の脂肪球が余り壊されることなく、各水中油型乳化
物(A)及び(B)の調製直後の乳化状態が維持される
ように行われ、従って、高速攪拌は必要ない。上記水中
油型乳化物(A)と水中油型乳化物(B)との混合は、
乳化物(A)と乳化物(B)との比(重量比)が、2
0:80〜75:25の範囲で行うことが好ましい。
【0023】上記(IV)の工程の最終製造物である本発
明の乳化物の調製は、上記で得た混合物を、滅菌、均質
化(再均質化)、冷却、充填、エージングの各処理が施
されることによって達成される。これらの処理におい
て、滅菌処理後の均質化処理(再均質化処理)は、滅菌
により壊された脂肪球を整える処理で、上記乳化物
(A)及び(B)の調製時に行った均質化処理の条件よ
りも低い条件(10〜50kg/cm2 )で行われる。
上記工程(I)〜(IV)で得られる本発明の乳化物は、
植物脂と乳脂との比(重量比)が、植物脂:乳脂=10
0:0〜20:80の範囲にあることが好ましい。な
お、本発明の乳化物の調製は、上記二成分(水中油型乳
化物(A)及び(B))による方法に限定されない。す
なわち、上記工程(I)及び(II)で、植物脂または乳
脂を含む複数の水中油型乳化物(A1 、A2 、・・)お
よび(B1 、B2 、・・)をそれぞれ調製し、これらを
用いて実施してもよい。
【0024】
【実施例】以下に、実施例および比較例を用いて本発明
を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を
制限するものではない。なお、実施例中の「%」は、
「重量%」を意味する。
【0025】(試料の調製) (試料−1;混酸基トリグリセリド(TG1)の調製)
ベヘン酸トリグリセリド(脂肪酸組成;ステアリン酸
1.8%、アラキン酸10.1%、ベヘン酸85.8
%)50%、オリーブ油(脂肪酸組成;パルミチン酸1
0.6%、ステアリン酸3.2%、オレイン酸81.2
%、リノール酸5.4%)50%の混合油を、油脂に対
して0.1%のナトリウムメチラートを触媒とし、80
℃で30分間反応を行い、エステル交換油を得た。この
エステル交換油を1g当たり4mlのn−ヘキサンに溶
解し、ゆっくり撹拌しながら40℃から23℃迄冷却し
て析出した三飽和トリグリセリドを主体とした高融点部
(収率:エステル交換油に対して18%)を濾別した。
得られた濾液から常法により溶剤留去した後、残留部を
1g当たり5mlのアセトンに溶解し、ゆっくり撹拌し
ながら30℃から6℃まで冷却して析出した目的とする
画分を採取した。この画分は、溶剤を留去した後、常法
により脱臭して混酸基トリグリセリド(TG1)を得
た。
【0026】(試料−2;混酸基トリグリセリド(TG
2)の調製)極度硬化したハイエルシンナタネ油(脂肪
酸組成;パルミチン酸4.0%、ステアリン酸41.6
%、アラキン酸5.8%、ベヘン酸47.2%)50
%、サフラワー油(脂肪酸組成;パルミチン酸6.8
%、ステアリン酸2.4%、オレイン酸13.3%、リ
ノール酸76.6%)50%の混合油を、上記混酸基ト
リグリセリド(TG1)の調製と同様にしてエステル交
換を行った後、このエステル交換油を1g当たり4ml
のn−ヘキサンに溶解し、ゆっくり撹拌しながら40℃
から25℃迄冷却して析出した三飽和トリグリセリドを
主体とした高融点部(収率:エステル交換油に対して2
5%)を濾別した。得られた濾液から常法により溶剤留
去した後、残留部を1g当たり5mlのアセトンに溶解
し、ゆっくり撹拌しながら30℃から6℃まで冷却して
析出した目的とする画分を採取した。この画分は、溶剤
を留去した後、常法により脱臭して混酸基トリグリセリ
ド(TG2)を得た。
【0027】(試料−3;混酸基トリグリセリド(TG
3)の調製)オリーブ油(脂肪酸組成;パルミチン酸1
0.6%、ステアリン酸3.2%、オレイン酸81.2
%、リノール酸5.4%)40%、ベヘン酸(脂肪酸組
成;ステアリン酸2.7%、アラキン酸10.1%、ベ
ヘン酸86.1%)40%、及びラウリン酸(脂肪酸組
成;ラウリン酸98.3%)20%の混合油を、脂肪酸
の5倍容(対重量)のヘキサンに溶解した後、仕込み油
脂に対して10%のセライトに吸着させたα−位選択的
エステル交換能を有するリパーゼ(田辺製薬(株)製リ
ゾプスデレマー属)を仕込み油1gに対して520リパ
ーゼ単位添加し、45℃、72時間α−位選択的エステ
ル交換反応を行った。反応液を濾過し、ヘキサン留去し
た残留分から分子蒸留により脂肪酸を除去した。脂肪酸
を除去したα−位選択的エステル交換油を1g当たり4
mlのn−ヘキサンに溶解し、ゆっくり撹拌しながら4
0℃から25℃迄冷却して析出した三飽和トリグリセリ
ドを主体とした高融点部(収率:エステル交換油に対し
て6%)を濾別した。得られた濾液から常法により溶剤
留去した後、残留部を1g当たり5mlのアセトンに溶
解し、ゆっくり撹拌しながら30℃から6℃まで冷却し
て析出した目的とする画分を採取した。この画分は、溶
剤を留去した後、常法により脱臭して混酸基トリグリセ
リド(TG3)を得た。
【0028】以上のようにして得られた各試料[混酸基
トリグリセリド(TG1、TG2及びTG3)]の脂肪
酸組成を下記表1に、またガスクロマトグラフィーによ
るトリグリセリド組成を下記表2に示す。なお、表1
中、「収率」は、エステル交換油に対する収率を表す。
また、「脂肪酸組成」において、上段の数値は、トータ
ル脂肪酸組成を、下段の数値は、常法により測定したト
リグリセリドのβ位脂肪酸組成を表わす。
【0029】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 収率 沃素 融点 脂 肪 酸 組 成(%) 試料 価 ℃ C12161818:118:22022 ──────────────────────────────────── TG1 42.0 41.7 36.2 − 4.8 2.1 39.8 3.4 4.9 44.3 − 4.8 2.1 39.8 3.4 4.9 44.3 ──────────────────────────────────── TG2 34.5 64.5 34.4 − 4.3 21.5 3.9 34.8 5.9 28.8 − 4.5 20.8 4.0 35.1 5.1 29.5 ──────────────────────────────────── TG3 54.9 42.5 33.8 27.6 2.5 2.0 41.3 1.5 3.1 20.4 2.7 1.2 0.3 83.8 8.7 0.3 2.0 ────────────────────────────────────
【0030】なお、表2中、C42〜C62は、以下の成分
を主体とすることを意味する。ただし、Lはラウリン
酸、Pはパルミチン酸、Sはステアリン酸、UはC18
不飽和脂肪酸、Aはアラキン酸、Bはベヘン酸をそれぞ
れ示す。 C42:LUL、C48:LU2 、LUS、C50:PPU、
LUA、 C52:PSU、LUB、C54:S2 U、SU2 、C56
ASU、BPU、 C58:BU2 、BSU、A2 U、C60:BAU、C62
2 U、
【0031】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── トリグリセリド 組 成(%) 本発明の混 試料 C424850525456586062 酸基TG量 ──────────────────────────────────── TG1 − − 0.2 2.5 4.8 11.8 36.7 11.9 30.3 90.7 % ──────────────────────────────────── TG2 − − 0.9 4.7 17.8 10.1 38.0 7.5 20.1 75.7 % ──────────────────────────────────── TG3 19.8 1.2 0.3 34.5 1.6 6.5 16.3 5.1 14.4 76.8 % ────────────────────────────────────
【0032】[実施例1] (水中油型乳化物(A)の調製)下記配合の油性液(油
相)と水性液(水相)を調製した。 (油相)大豆硬化油(融点32℃) 30.0% ヤシ硬化油(融点34℃) 15.0% 大豆レシチン(市販大豆レシチン) 0.3% (水相)脱脂粉乳 4.0% ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.2% 水 50.4% 上記大豆硬化油及びヤシ硬化油を70℃で溶融し、これ
に大豆レシチンを加えて油性液を調製した。一方、上記
成分を溶解もしくは分散させて水性液を調製した。次い
で、上記油性液と水性液とをホモミキサー(特殊機化工
業(株)製)を用い、70〜75℃にて15分間予備乳
化後、80kg/cm2 の圧力下にて均質化処理して水
中油型乳化物(A)を調製した。
【0033】(水中油型乳化物(B)の調製)下記配合
の油性液(油相)と水性液(水相)を調製した。 (油相)大豆硬化油(融点32℃) 10.0% ヤシ硬化油(融点34℃) 5.0% 混酸基トリグリセリド(TG1) 30.0% 大豆レシチン(市販大豆レシチン) 0.5% ステアリン酸モノグリセリド 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB3) 0.2% (水相)脱脂粉乳 4.0% ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.1% 水 50.0% 上記大豆硬化油、ヤシ硬化油及び混酸基トリグリセリド
(TG1)を70℃で溶融し、これに大豆レシチン、ス
テアリン酸モノグリセリド及びショ糖脂肪酸エステルを
加えて油性液を調製した。一方上記成分を溶解もしくは
分散させて水性液を調製した。次いで、上記油性液と水
性液とをホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用
い、70〜75℃にて15分間予備乳化後、60kg/
cm2 の圧力下にて均質化処理して水中油型乳化物Bを
調製した。
【0034】(ホイップクリーム用水中油型乳化物の調
製)このようにして得られた各水中油型乳化物(A)及
び(B)をA:B=4:3の比率(重量比)で混合し、
得られた混合物をVTIS滅菌装置(α−ラバル社製)
で145℃、2秒間滅菌処理した。そして、これを再度
20kg/cm2 の圧力下にて再均質化処理後、直ちに
10℃以下に冷却し、5℃の冷蔵庫にて15時間以上エ
ージングし、本発明に従うホイップクリーム用水中油型
乳化物を調製した。このようにして得られた水中油型乳
化物は、粘度が35cpであった。また乳化安定性は、
30時間以上であった。なお、乳化安定性は、以下の方
法で調べた。300ミリリットルの三角フラスコに20
0gのクリームを入れ、20℃に保温しながら、往復振
とう器にて1分間に115ストロークの振とう器にかけ
た時の可塑化に要する時間
【0035】また、この乳化物500gを5℃で72時
間熟成後、縦型ミキサーを用いてホイップしたところ、
起泡時間4分25秒でオーバーラン166%の起泡物を
得た。更に、この起泡物を使用して造花したものを20
℃、30時間放置したが、何ら形崩れすることなく、極
めて良好な保型性を有し、また離水、戻り、または締ま
り現象もなく口どけの極めて良好なものであった。な
お、起泡時間、オーバーランは以下の基準に従って得た
値である。 (起泡時間)縦型ミキサーを使用し、700RPMで5
00gの水中油型乳化物をホイップした時の最適ホイッ
プ状態になるまで時間 (オーバーラン)次式で示されるホイップによる容積増
加割合(%)
【0036】[比較例1] (水中油型乳化物の調製)下記配合の油性液(油相)と
水性液(水相)を調製した。 (油相)大豆硬化油(融点32℃) 21.0% ヤシ硬化油(融点34℃) 10.5% 混酸基トリグリセリド(TG1) 13.5% 大豆レシチン(市販大豆レシチン) 0.4% ステアリン酸モノグリセリド 0.1% (水相)脱脂粉乳 4.0% ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.2% 水 50.2% 上記大豆硬化油、ヤシ硬化油、パーム核硬化油、及び混
酸基トリグリセリド(TG1)を70℃で溶融し、これ
に大豆レシチン及びステアリン酸モノグリセリドを加え
て油性液を調製した。一方上記成分を溶解もしくは分散
させて水性液を調製した。次いで、上記油性液と水性液
とをホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、7
0〜75℃にて15分間予備乳化後、60kg/cm2
の圧力下にて均質化処理した後、更にユーペリゼーショ
ン滅菌装置(APV社製)で145℃、2秒間滅菌処理
した。そして、これを再度20kg/cm2 の圧力下に
て再均質化後、直ちに10℃以下に冷却し、5℃の冷蔵
庫にて15時間以上エージングし、比較用のホイップク
リーム用水中油型乳化物を調製した。このようにして得
られた水中油型乳化物は、粘度が40cpであった。ま
た上記と同様にして測定した乳化安定性は、30時間以
上であった。また、この乳化物500gを上記と同様に
してホイップしたところ、起泡時間4分11秒でオーバ
ーラン161%の起泡物を得た。更に、この起泡物を使
用して造花したものを20℃で、24時間放置したが、
何ら形崩れすることなく、極めて良好な保型性を有し、
また離水、戻り、または締まり現象もなく口どけの極め
て良好なものであった。しかしながら、上記の造形物
(造花)を更に放置(20℃で、24時間以上)する
と、離水、及び形崩れを生じた。
【0037】[実施例2] (水中油型乳化物(A)の調製)下記配合の油性液(油
相)と水性液(水相)を調製した。 (油相)大豆硬化油(融点32℃) 9.0% ヤシ硬化油(融点34℃) 4.5% バターオイル 31.5% 大豆レシチン(市販大豆レシチン) 0.3% (水相)脱脂粉乳 4.0% ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.2% 水 50.4% 上記大豆硬化油、ヤシ硬化油及びバターオイルを70℃
で溶融し、これに大豆レシチンを加えて油性液を調製し
た。一方上記成分を溶解もしくは分散させて水性液を調
製した。次いで、上記油性液と水性液とをホモミキサー
(特殊機化工業(株)製)を用い、70〜75℃にて1
5分間予備乳化後、80kg/cm2 の圧力下にて均質
化処理して水中油型乳化物Aを調製した。
【0038】(水中油型乳化物(B)の調製)下記配合
の油性液(油相)と水性液(水相)を調製した。 (油相)大豆硬化油(融点32℃) 9.0% ヤシ硬化油(融点32℃) 4.5% 混酸基トリグリセリド(TG1) 31.5% 大豆レシチン(市販大豆レシチン) 0.5% ステアリン酸モノグリセリド 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB3) 0.2% (水相)脱脂粉乳 4.0% ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.1% 水 50.0% 上記大豆硬化油、ヤシ硬化油及び混酸基トリグリセリド
(TG1)を70℃で溶融し、これに大豆レシチンを加
えて油性液を調製した。一方上記成分を溶解もしくは分
散させて水性液を調製した。次いで、上記油性液と水性
液とをホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、
70〜75℃にて15分間予備乳化後、60kg/cm
2 の圧力下にて均質化処理して水中油型乳化物Bを調製
した。
【0039】(ホイップクリーム用水中油型乳化物の調
製)このようにして得られた各水中油型乳化物(A)及
び(B)をA:B=4:3の比率(重量比)で混合し、
得られた混合物をVTIS滅菌装置(α−ラバル社製)
で145℃、2秒間滅菌処理した。そして、これを再度
20kg/cm2 の圧力下にて再均質化処理後、直ちに
10℃以下に冷却し、5℃の冷蔵庫にて15時間以上エ
ージングし、本発明に従うホイップクリーム用水中油型
乳化物を調製した。このようにして得られた水中油型乳
化物は、粘度が40cpであった。また上記と同様にし
て測定した乳化安定性は、30時間以上であった。ま
た、この乳化物500gを上記と同様にしてホイップし
たところ、起泡時間3分50秒でオーバーラン162%
の起泡物を得た。更に、この起泡物を使用して造花した
ものを20℃48時間放置したが、何ら形崩れすること
なく、極めて良好な保型性を有し、また離水、戻り、ま
たは締まり現象もなく口どけの極めて良好なものであっ
た。
【0040】[比較例2] (水中油型乳化物の調製)下記配合の油性液(油相)と
水性液(水相)を調製した。 (油相)大豆硬化油(融点32℃) 9.0% ヤシ硬化油(融点34℃) 4.5% バターオイル 18.0% 混酸基トリグリセリド(TG1) 13.5% 大豆レシチン(市販大豆レシチン) 0.4% ステアリン酸モノグリセリド 0.1% (水相)脱脂粉乳 4.0% ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.2% 水 50.2% 上記大豆硬化油、ヤシ硬化油、バターオイル、及び混酸
基トリグリセリド(TG1)を70℃で溶融し、これに
大豆レシチン及びステアリン酸モノグリセリドを加えて
油性液を調製した。一方上記成分を溶解もしくは分散さ
せて水性液を調製した。次いで、上記油性液と水性液と
をホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、70
〜75℃にて15分間予備乳化後、60kg/cm2
圧力下にて均質化処理した後、更にユーペリゼーション
滅菌装置(APV社製)で145℃、2秒間滅菌処理し
た。そして、これを再度20kg/cm2 の圧力下にて
再均質化後、直ちに10℃以下に冷却し、5℃の冷蔵庫
にて15時間以上エージングし、比較用のホイップクリ
ーム用水中油型乳化物を調製した。このようにして得ら
れた水中油型乳化物は、粘度が45cpであった。また
上記と同様にして測定した乳化安定性は、30時間以上
であった。また、この乳化物500gを上記と同様にし
てホイップしたところ、起泡時間4分55秒でオーバー
ラン164%の起泡物を得た。更に、この起泡物を使用
して造花したものを20℃で、24時間放置したが、何
ら形崩れすることなく、極めて良好な保型性を有し、ま
た離水、戻り、または締まり現象もなく口どけの極めて
良好なものであった。しかしながら、上記の造形物(造
花)を更に放置(20℃で、24時間以上)すると、離
水、及び形崩れを生じた。
【0041】[実施例3〜4]上記実施例1において、
水中油型乳化物(B)を調製する際に、混酸基トリグリ
セリド(TG1)の代わりに、混酸基トリグリセリド
(TG2)、あるいは混酸基トリグリセリド(TG3)
を同量使用したこと以外は、実施例1と同様にして、対
応する本発明に従うホイップクリーム用水中油型乳化物
をそれぞれ調製した。そして得られた各乳化物につい
て、乳化安定性、起泡時間、オーバーランを実施例1と
同様な方法で測定し、評価した結果、いずれもほぼ同様
な結果が得られた。更に、これらの起泡物を使用して造
花したものを20℃48時間放置したが、何ら形崩れす
ることなく、極めて良好な保型性を有し、また離水、戻
り、または締まり現象もなく口どけの極めて良好なもの
であった。
【0042】[実施例5〜6]上記実施例2において、
水中油型乳化物(B)を調製する際に、混酸基トリグリ
セリド(TG1)の代わりに、混酸基トリグリセリド
(TG2)、あるいは混酸基トリグリセリド(TG3)
を同量使用したこと以外は、実施例1と同様にして、対
応する本発明に従うホイップクリーム用水中油型乳化物
をそれぞれ調製した。そして得られた各乳化物につい
て、乳化安定性、起泡時間、オーバーランを実施例1と
同様な方法で測定し、評価した結果、いずれもほぼ同様
な結果が得られた。更に、これらの起泡物を使用して造
花したものを20℃48時間放置したが、何ら形崩れす
ることなく、極めて良好な保型性を有し、また離水、戻
り、または締まり現象もなく口どけの極めて良好なもの
であった。
【0043】
【本発明の効果】本発明のホイップクリーム用水中油型
乳化物は、乳化物自体の安定性が高く、また、これを用
いてホイップクリームを作る際のホイップ特性も良好で
ある。また、更に、得られたホイップクリームは、長時
間経過しても形崩れ、離水などが生じることが無く、優
れた保型性、離水耐性を有している。従って、本発明の
乳化物を使用すれば、長時間経過しても食感、風味も変
化することが無く、初期のおいしさが維持されたホイッ
プクリームが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホイップクリーム用水中油型乳化物を
製造するためのフローシートを示す図である。
【図2】従来のホイップクリーム用水中油型乳化物を製
造するためのフローシートを示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物脂を主成分とする油脂の油滴を含む
    水中油型乳化物と、構成脂肪酸として、炭素数20以上
    の飽和脂肪酸残基、及び炭素数16〜22の不飽和脂肪
    酸残基を少なくとも各一個ずつ一分子中に含む混酸基ト
    リグリセリドを主成分とする油脂の油滴を含む水中油型
    乳化物とを混合してなるホイップクリーム用水中油型乳
    化物。
  2. 【請求項2】 上記混酸基トリグリセリドを主成分とす
    る油脂に、更に植物脂が添加されている請求項1に記載
    のホイップクリーム用水中油型乳化物。
  3. 【請求項3】 植物脂及び乳脂を主成分とする油脂の油
    滴を含む水中油型乳化物と、構成脂肪酸として、炭素数
    20以上の飽和脂肪酸残基、及び炭素数16〜22の不
    飽和脂肪酸残基を少なくとも各一個ずつ一分子中に含む
    混酸基トリグリセリドを主成分とする油脂の油滴を含む
    水中油型乳化物とを混合してなるホイップクリーム用水
    中油型乳化物。
  4. 【請求項4】 上記混酸基トリグリセリドを主成分とす
    る油脂に、更に植物脂が添加されている請求項3に記載
    のホイップクリーム用水中油型乳化物。
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