JPH05285663A - アルミニウム合金の溶接方法 - Google Patents
アルミニウム合金の溶接方法Info
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- JPH05285663A JPH05285663A JP11697892A JP11697892A JPH05285663A JP H05285663 A JPH05285663 A JP H05285663A JP 11697892 A JP11697892 A JP 11697892A JP 11697892 A JP11697892 A JP 11697892A JP H05285663 A JPH05285663 A JP H05285663A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 アルミニウム合金のMIG溶接において、従
来のMIG溶接と同等またはそれ以上の溶接作業能率を
保ち、かつ溶接ビードとその両側表面への黒粉の付着を
防止する。 【構成】 アルミニウム合金のMIG溶接において、消
耗電極ワイヤ2として純アルミニウムワイヤまたは合金
成分含有率2.5重量%未満のアルミニウム合金ワイヤ
を、フィラーワイヤ3としてアルミニウム合金ワイヤを
用い、溶融金属中の合金成分含有率が被溶接母材4中の
合金成分含有率に近くなる重量比で消耗電極ワイヤ2と
フィラーワイヤ3を供給する。 【効果】 溶接ビードとその両側表面に発生する黒粉の
付着を防止できると共に、被溶接母材と同等の強度が得
られる。
来のMIG溶接と同等またはそれ以上の溶接作業能率を
保ち、かつ溶接ビードとその両側表面への黒粉の付着を
防止する。 【構成】 アルミニウム合金のMIG溶接において、消
耗電極ワイヤ2として純アルミニウムワイヤまたは合金
成分含有率2.5重量%未満のアルミニウム合金ワイヤ
を、フィラーワイヤ3としてアルミニウム合金ワイヤを
用い、溶融金属中の合金成分含有率が被溶接母材4中の
合金成分含有率に近くなる重量比で消耗電極ワイヤ2と
フィラーワイヤ3を供給する。 【効果】 溶接ビードとその両側表面に発生する黒粉の
付着を防止できると共に、被溶接母材と同等の強度が得
られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウム合金の
溶極式イナートガスアーク溶接(以下MIG溶接とい
う)において、溶接ビードの周辺、時にはビード表面に
発生・付着する黒色、暗灰色ないしは暗褐色の粉状の物
質(以下黒粉という)を防止する方法に関する。
溶極式イナートガスアーク溶接(以下MIG溶接とい
う)において、溶接ビードの周辺、時にはビード表面に
発生・付着する黒色、暗灰色ないしは暗褐色の粉状の物
質(以下黒粉という)を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金は、軽量で耐食性に優
れ、熱伝導度、電気伝導度が高く、比強度が大きいこ
と、さらにリサイクルが容易であることから航空機、車
両、化学容器、建築、電気機器等多くの分野において需
要が拡大されつつある。これら各分野の各種構造物は、
溶接、ろう付、機械的接合等によって組立てられるが、
溶接においては、主としてMIG溶接および非溶極式イ
ナートガスアーク溶接(以下TIG溶接という)が用い
られている。MIG溶接は、TIG溶接に比較してアー
クの効率が高いので、溶接速度が早く、薄板から厚板の
溶接に至るまで広く用いられている。
れ、熱伝導度、電気伝導度が高く、比強度が大きいこ
と、さらにリサイクルが容易であることから航空機、車
両、化学容器、建築、電気機器等多くの分野において需
要が拡大されつつある。これら各分野の各種構造物は、
溶接、ろう付、機械的接合等によって組立てられるが、
溶接においては、主としてMIG溶接および非溶極式イ
ナートガスアーク溶接(以下TIG溶接という)が用い
られている。MIG溶接は、TIG溶接に比較してアー
クの効率が高いので、溶接速度が早く、薄板から厚板の
溶接に至るまで広く用いられている。
【0003】アルミニウム合金のMIG溶接において
は、溶接母材、溶接ワイヤの種類、溶接条件によって
は、溶接ビードの周辺、時にはビード表面に黒粉が発生
・付着する。この黒粉は、一般に溶接割れ、孔食等のい
わゆる溶接欠陥とは見なされていないが、溶接部の外観
を損なうので、溶接条件、特にトーチ角度、アーク電
圧、シールドノズルの形状や内径、ノズル底部と溶接母
材間の距離、シールドガスの流量等を適正に選択し、で
き得る限り黒粉発生の少ない条件で溶接が行われている
のが現状である。
は、溶接母材、溶接ワイヤの種類、溶接条件によって
は、溶接ビードの周辺、時にはビード表面に黒粉が発生
・付着する。この黒粉は、一般に溶接割れ、孔食等のい
わゆる溶接欠陥とは見なされていないが、溶接部の外観
を損なうので、溶接条件、特にトーチ角度、アーク電
圧、シールドノズルの形状や内径、ノズル底部と溶接母
材間の距離、シールドガスの流量等を適正に選択し、で
き得る限り黒粉発生の少ない条件で溶接が行われている
のが現状である。
【0004】上記アルミニウム合金のMIG溶接におい
て発生する黒粉は、溶接後に構造物の表面処理、塗装等
の後処理が要求される場合に障害となる。このため、後
処理に先立ち、黒粉をブラシ等で払拭、時には化学的ま
たは物理的方法によって除去しなければならない。
て発生する黒粉は、溶接後に構造物の表面処理、塗装等
の後処理が要求される場合に障害となる。このため、後
処理に先立ち、黒粉をブラシ等で払拭、時には化学的ま
たは物理的方法によって除去しなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記黒粉は、JIS
H 4000“アルミニウムおよびアルミニウム合金の
板および条”で、母材の主要添加元素としてMgを含む
5000シリーズの合金、ZnおよびMgを含む700
0シリーズの合金、溶接ワイヤとしてJIS Z323
2“アルミニウムおよびアルミニウム合金溶接棒並びに
ワイヤ”の5000シリーズの合金ワイヤを組合わせて
溶接した場合に発生し易く、発生量も多い。
H 4000“アルミニウムおよびアルミニウム合金の
板および条”で、母材の主要添加元素としてMgを含む
5000シリーズの合金、ZnおよびMgを含む700
0シリーズの合金、溶接ワイヤとしてJIS Z323
2“アルミニウムおよびアルミニウム合金溶接棒並びに
ワイヤ”の5000シリーズの合金ワイヤを組合わせて
溶接した場合に発生し易く、発生量も多い。
【0006】そして黒粉は、目視上粉状の極めて微細な
粒であるが、顕微鏡観察によると、粒径にもよるが、内
部が球状の微細な純アルミニウムに近い組成の金属粒
で、その周囲に溶接ワイヤの種類によって、合金成分で
あるMg、Zn、Si等と酸素が認められる。また、溶
接条件に関しては、前進角で、アーク電圧が低く、か
つ、シールドノズルの内径が大きく、ノズル底部と溶接
母材間の距離が短い方が黒粉の発生が少ない。また、T
IG溶接は、MIG溶接に比較して黒粉の発生が著しく
少ない。
粒であるが、顕微鏡観察によると、粒径にもよるが、内
部が球状の微細な純アルミニウムに近い組成の金属粒
で、その周囲に溶接ワイヤの種類によって、合金成分で
あるMg、Zn、Si等と酸素が認められる。また、溶
接条件に関しては、前進角で、アーク電圧が低く、か
つ、シールドノズルの内径が大きく、ノズル底部と溶接
母材間の距離が短い方が黒粉の発生が少ない。また、T
IG溶接は、MIG溶接に比較して黒粉の発生が著しく
少ない。
【0007】この発明の目的は、アルミニウム合金のM
IG溶接において、溶接ビードの両側の表面への黒粉の
付着を防止できるアルミニウム合金の溶接方法を提供す
ることにある。
IG溶接において、溶接ビードの両側の表面への黒粉の
付着を防止できるアルミニウム合金の溶接方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のと
おり黒粉の発生が溶接母材および溶接ワイヤの種類に関
係があり、TIG溶接よりもMIG溶接において発生し
易いことに注目し、本出願人が既に出願した特願平2ー
98513号の所定条件でシールドノズル内に2本のワ
イヤを挿入し、消耗電極ワイヤでアークを発生させ、フ
ィラーワイヤを溶融池に挿入し、消耗電極ワイヤから母
材に流れる溶接電流の一部を分流してフィラーワイヤに
導いて溶接電源のアース端に合流せしめる消耗電極式ア
ーク溶接法により、消耗電極ワイヤとフィラーワイヤの
合金系を種々組合わせて黒粉の発生防止について実験を
行った。その結果、黒粉は、消耗電極ワイヤ中の合金成
分、特にMg、Zn、Si、Cu等を単独にまたは同時
に含有する消耗電極ワイヤを使用すると、消耗電極ワイ
ヤから母材に移行する途中の合金成分蒸気が微細な粒子
としてアーク移行中に不活性ガスシールド域から外れ、
空気と接触したときに黒粉となる。すなわち、MIG溶
接において発生する黒粉は、溶接母材中の合金成分より
も消耗電極ワイヤ中の合金成分に対する依存度が大きい
ことを見い出し、この発明に到達した。
おり黒粉の発生が溶接母材および溶接ワイヤの種類に関
係があり、TIG溶接よりもMIG溶接において発生し
易いことに注目し、本出願人が既に出願した特願平2ー
98513号の所定条件でシールドノズル内に2本のワ
イヤを挿入し、消耗電極ワイヤでアークを発生させ、フ
ィラーワイヤを溶融池に挿入し、消耗電極ワイヤから母
材に流れる溶接電流の一部を分流してフィラーワイヤに
導いて溶接電源のアース端に合流せしめる消耗電極式ア
ーク溶接法により、消耗電極ワイヤとフィラーワイヤの
合金系を種々組合わせて黒粉の発生防止について実験を
行った。その結果、黒粉は、消耗電極ワイヤ中の合金成
分、特にMg、Zn、Si、Cu等を単独にまたは同時
に含有する消耗電極ワイヤを使用すると、消耗電極ワイ
ヤから母材に移行する途中の合金成分蒸気が微細な粒子
としてアーク移行中に不活性ガスシールド域から外れ、
空気と接触したときに黒粉となる。すなわち、MIG溶
接において発生する黒粉は、溶接母材中の合金成分より
も消耗電極ワイヤ中の合金成分に対する依存度が大きい
ことを見い出し、この発明に到達した。
【0009】すなわちこの発明は、消耗電極でアークを
被溶接母材に発生させ、形成した溶融池にフィラーワイ
ヤを挿入供給するガスシールドアーク溶接によるアルミ
ニウム合金の溶接において、消耗電極ワイヤとして純ア
ルミニウムワイヤを、フィラーワイヤとして被溶接母材
以上の合金成分含有率のアルミニウム合金ワイヤを用
い、溶融金属中の合金成分含有率が被溶接母材の合金成
分含有率にほぼ等しくなるよう消耗電極ワイヤとフィラ
ーワイヤを供給するのである。
被溶接母材に発生させ、形成した溶融池にフィラーワイ
ヤを挿入供給するガスシールドアーク溶接によるアルミ
ニウム合金の溶接において、消耗電極ワイヤとして純ア
ルミニウムワイヤを、フィラーワイヤとして被溶接母材
以上の合金成分含有率のアルミニウム合金ワイヤを用
い、溶融金属中の合金成分含有率が被溶接母材の合金成
分含有率にほぼ等しくなるよう消耗電極ワイヤとフィラ
ーワイヤを供給するのである。
【0010】また、消耗電極でアークを被溶接母材に発
生させ、形成した溶融池にフィラーワイヤを挿入供給す
るガスシールドアーク溶接によるアルミニウム合金の溶
接において、消耗電極ワイヤとして2.5重量%未満の
合金成分を含有するアルミニウム合金ワイヤを、フィラ
ーワイヤとして被溶接母材以上の合金成分含有率のアル
ミニウム合金ワイヤを用い、溶融金属中の合金成分含有
率が被溶接母材の合金成分含有率にほぼ等しくなるよう
消耗電極ワイヤとフィラーワイヤを供給するのである。
生させ、形成した溶融池にフィラーワイヤを挿入供給す
るガスシールドアーク溶接によるアルミニウム合金の溶
接において、消耗電極ワイヤとして2.5重量%未満の
合金成分を含有するアルミニウム合金ワイヤを、フィラ
ーワイヤとして被溶接母材以上の合金成分含有率のアル
ミニウム合金ワイヤを用い、溶融金属中の合金成分含有
率が被溶接母材の合金成分含有率にほぼ等しくなるよう
消耗電極ワイヤとフィラーワイヤを供給するのである。
【0011】
【作用】この発明においては、消耗電極ワイヤとして純
アルミニウムまたは合金成分含有率が2.5重量%未満
のワイヤを用いたから、消耗電極ワイヤから被溶接母材
に移行する成分蒸気が純アルミニウムまたは合金成分含
有率が2.5重量%未満のアルミニウム合金であるか
ら、成分蒸気中には合金成分が含まれないか、含まれて
いても非常に低濃度であるから、黒粉の発生を防止する
ことができる。しかも、消耗電極ワイヤで形成した溶融
池に被溶接母材以上の合金成分含有率のアルミニウム合
金のフィラーワイヤを挿入し、溶融金属が被溶接母材の
合金成分含有率にほぼ等しくなるよう消耗電極ワイヤと
フィラーワイヤを供給するから、純アルミニウムワイヤ
でアルミニウム合金の母材を溶接する場合の溶接金属中
の合金成分の希釈による強度低下等の品質劣化を防止す
ることができる。
アルミニウムまたは合金成分含有率が2.5重量%未満
のワイヤを用いたから、消耗電極ワイヤから被溶接母材
に移行する成分蒸気が純アルミニウムまたは合金成分含
有率が2.5重量%未満のアルミニウム合金であるか
ら、成分蒸気中には合金成分が含まれないか、含まれて
いても非常に低濃度であるから、黒粉の発生を防止する
ことができる。しかも、消耗電極ワイヤで形成した溶融
池に被溶接母材以上の合金成分含有率のアルミニウム合
金のフィラーワイヤを挿入し、溶融金属が被溶接母材の
合金成分含有率にほぼ等しくなるよう消耗電極ワイヤと
フィラーワイヤを供給するから、純アルミニウムワイヤ
でアルミニウム合金の母材を溶接する場合の溶接金属中
の合金成分の希釈による強度低下等の品質劣化を防止す
ることができる。
【0012】溶融池に挿入するフィラーワイヤの挿入位
置としては、消耗電極ワイヤの前方からでも後方からで
もよいが、合金成分の拡散という点からは、アークに近
い位置で挿入し、フィラーワイヤを振動せしめて溶融池
を攪拌するのが望ましい。アークによって溶融した母材
や溶融池に挿入されたアルミニウム合金のフィラーワイ
ヤからの合金成分の消耗を調査した結果、合金成分の消
耗はほとんどなかった。したがって、挿入するアルミニ
ウム合金のフィラーワイヤと純アルミニウムまたは合金
成分含有率2.5重量%未満の消耗電極ワイヤの供給重
量比は、母材の合金成分率に近くなるよう、フィラーワ
イヤ中の合金成分含有率に応じて調整すればよい。した
がって、使用するフィラーワイヤは、母材の合金成分含
有率以上の合金成分を含有するアルミニウム合金を使用
しなければならない。なお、この発明において消耗電極
ワイヤを純アルミニウムまたは合金成分含有率2.5重
量未満のアルミニウム合金ワイヤに限定したのは、合金
成分含有率が2.5重量%を超えると、黒粉の発生が顕
著となるからである。
置としては、消耗電極ワイヤの前方からでも後方からで
もよいが、合金成分の拡散という点からは、アークに近
い位置で挿入し、フィラーワイヤを振動せしめて溶融池
を攪拌するのが望ましい。アークによって溶融した母材
や溶融池に挿入されたアルミニウム合金のフィラーワイ
ヤからの合金成分の消耗を調査した結果、合金成分の消
耗はほとんどなかった。したがって、挿入するアルミニ
ウム合金のフィラーワイヤと純アルミニウムまたは合金
成分含有率2.5重量%未満の消耗電極ワイヤの供給重
量比は、母材の合金成分率に近くなるよう、フィラーワ
イヤ中の合金成分含有率に応じて調整すればよい。した
がって、使用するフィラーワイヤは、母材の合金成分含
有率以上の合金成分を含有するアルミニウム合金を使用
しなければならない。なお、この発明において消耗電極
ワイヤを純アルミニウムまたは合金成分含有率2.5重
量未満のアルミニウム合金ワイヤに限定したのは、合金
成分含有率が2.5重量%を超えると、黒粉の発生が顕
著となるからである。
【0013】以下にこの発明の詳細を図1を参照して具
体的に説明する。図1はこの実施例で使用した溶接装置
の説明図である。図1において、MIG溶接装置のノズ
ル1から純アルミニウムまたは合金成分含有率が2.5
重量%未満の消耗電極ワイヤ2とアルミニウム合金のフ
ィラーワイヤ3が突出し、被溶接母材4と消耗電極ワイ
ヤ2間にアーク5を発生させて溶接を行うに際し、被溶
接母材4に形成された溶融池6にフィラーワイヤ3を供
給するのである。この場合の消耗電極ワイヤ2とフィラ
ーワイヤ3の供給重量比は、これら両者の溶融金属中の
合金成分含有率が被溶接母材4の合金成分含有率に等し
くなるよう調整する。なお、7は溶接金属である。
体的に説明する。図1はこの実施例で使用した溶接装置
の説明図である。図1において、MIG溶接装置のノズ
ル1から純アルミニウムまたは合金成分含有率が2.5
重量%未満の消耗電極ワイヤ2とアルミニウム合金のフ
ィラーワイヤ3が突出し、被溶接母材4と消耗電極ワイ
ヤ2間にアーク5を発生させて溶接を行うに際し、被溶
接母材4に形成された溶融池6にフィラーワイヤ3を供
給するのである。この場合の消耗電極ワイヤ2とフィラ
ーワイヤ3の供給重量比は、これら両者の溶融金属中の
合金成分含有率が被溶接母材4の合金成分含有率に等し
くなるよう調整する。なお、7は溶接金属である。
【0014】消耗電極ワイヤ2とフィラーワイヤ3との
溶融金属中の合金成分含有率が被溶接母材4の合金成分
含有率に等しくなる重量比で供給する方法としては、ア
ルミニウム合金のフィラーワイヤ3と純アルミニウムま
たは合金成分含有率が2.5重量%未満の消耗電極ワイ
ヤ2との供給速度をフィラーワイヤ中の合金成分含有率
に応じて調整するか、あるいは供給速度を同一とする場
合は、フィラーワイヤ3中の合金成分含有率を調整する
ことにより行うことができる。この場合の各ワイヤの供
給速度は、被溶接母材4の板厚、材質、ワイヤ径などに
より制限されることはいうまでもない。
溶融金属中の合金成分含有率が被溶接母材4の合金成分
含有率に等しくなる重量比で供給する方法としては、ア
ルミニウム合金のフィラーワイヤ3と純アルミニウムま
たは合金成分含有率が2.5重量%未満の消耗電極ワイ
ヤ2との供給速度をフィラーワイヤ中の合金成分含有率
に応じて調整するか、あるいは供給速度を同一とする場
合は、フィラーワイヤ3中の合金成分含有率を調整する
ことにより行うことができる。この場合の各ワイヤの供
給速度は、被溶接母材4の板厚、材質、ワイヤ径などに
より制限されることはいうまでもない。
【0015】
実施例1 表1に示す化学組成の供試材料を使用し、図1に示す溶
接装置を用いて図2に示すとおり板厚3mmのI形開先
の突合せ継手を表2に示す溶接条件でMIG溶接を行っ
た。また、比較例として従来のMIG溶接を行った条件
も併記した。そして溶接金属の化学組成を発光分光分析
法により測定すると共に、溶接ビードとその両側の表面
への黒粉の発生状況を目視で観察した。その結果を表3
および図3の(a)図および(b)図に示す。なお、シ
ールドガスとしては、アルゴンガスを使用し、消耗電極
ワイヤ1、2およびフィラーワイヤ1はいずれも1.2
mmのものを使用した。
接装置を用いて図2に示すとおり板厚3mmのI形開先
の突合せ継手を表2に示す溶接条件でMIG溶接を行っ
た。また、比較例として従来のMIG溶接を行った条件
も併記した。そして溶接金属の化学組成を発光分光分析
法により測定すると共に、溶接ビードとその両側の表面
への黒粉の発生状況を目視で観察した。その結果を表3
および図3の(a)図および(b)図に示す。なお、シ
ールドガスとしては、アルゴンガスを使用し、消耗電極
ワイヤ1、2およびフィラーワイヤ1はいずれも1.2
mmのものを使用した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】表3および図3の(a)図に示すとおり、
本発明法(1)では、溶接ビード8とその両側表面への
黒粉9の付着がほとんどなく、溶接金属の化学組成が被
溶接母材の化学成分とほぼ同等である。これに対し比較
例(1)のMIG溶接では、表3および図3の(b)図
に示すとおり、溶接ビード8の両側表面に黒粉9が全面
に付着しており、本発明法(1)との差は歴然としてい
る。また、この溶接継手から引張試験片を切出し、JI
S Z 3121に準じて溶接部の引張試験を実施し
た。その結果を表4に示す。
本発明法(1)では、溶接ビード8とその両側表面への
黒粉9の付着がほとんどなく、溶接金属の化学組成が被
溶接母材の化学成分とほぼ同等である。これに対し比較
例(1)のMIG溶接では、表3および図3の(b)図
に示すとおり、溶接ビード8の両側表面に黒粉9が全面
に付着しており、本発明法(1)との差は歴然としてい
る。また、この溶接継手から引張試験片を切出し、JI
S Z 3121に準じて溶接部の引張試験を実施し
た。その結果を表4に示す。
【0020】
【表4】
【0021】表4に示すとおり、本発明法(1)の場合
は、比較例(1)に比較し、引張強さ、耐力、伸びのい
ずれにおいてもほぼ同等であった。
は、比較例(1)に比較し、引張強さ、耐力、伸びのい
ずれにおいてもほぼ同等であった。
【0022】実施例2 実施例1と同じ被溶接母材を使用し、表5に示す化学組
成の供試材料を用い、実施例1と同様に図1に示す溶接
装置を用いて図2に示すとおり板厚3mmのI形開先の
突合せ継手を、実施例1の表2の本発明法(1)に示す
溶接条件でMIG溶接を行った。そして溶接金属の化学
組成を発光分光分析法により測定すると共に、溶接ビー
ドの両側の表面への黒粉の発生状況を目視で観察した。
その結果を表6および図4の(a)図および(b)図に
示す。なお、シールドガスとしては、アルゴンガスを使
用し、消耗電極ワイヤ3、4およびフィラーワイヤ2は
いずれも1.2mmのものを使用した。
成の供試材料を用い、実施例1と同様に図1に示す溶接
装置を用いて図2に示すとおり板厚3mmのI形開先の
突合せ継手を、実施例1の表2の本発明法(1)に示す
溶接条件でMIG溶接を行った。そして溶接金属の化学
組成を発光分光分析法により測定すると共に、溶接ビー
ドの両側の表面への黒粉の発生状況を目視で観察した。
その結果を表6および図4の(a)図および(b)図に
示す。なお、シールドガスとしては、アルゴンガスを使
用し、消耗電極ワイヤ3、4およびフィラーワイヤ2は
いずれも1.2mmのものを使用した。
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】表6および図4の(a)図、(b)図に示
すとおり、消耗電極ワイヤ中の合金成分含有率が2.5
重量%未満の本発明法(2)、(3)では、溶接ビード
8の両側表面への黒粉9の付着がほとんどなく、溶接金
属の化学組成が被溶接母材の化学成分とほぼ同等であ
る。これに対し消耗電極ワイヤ中の合金成分含有率が
2.5重量%を超える比較例(2)では、表6および図
4の(c)図に示すとおり、溶接ビード8の両側表面に
黒粉9が全面に付着しており、本発明法(2)、(3)
との差は歴然としている。また、この溶接継手から引張
試験片を切出し、JIS Z 3121に準じて溶接部
の引張試験を実施した。その結果を表7に示す。
すとおり、消耗電極ワイヤ中の合金成分含有率が2.5
重量%未満の本発明法(2)、(3)では、溶接ビード
8の両側表面への黒粉9の付着がほとんどなく、溶接金
属の化学組成が被溶接母材の化学成分とほぼ同等であ
る。これに対し消耗電極ワイヤ中の合金成分含有率が
2.5重量%を超える比較例(2)では、表6および図
4の(c)図に示すとおり、溶接ビード8の両側表面に
黒粉9が全面に付着しており、本発明法(2)、(3)
との差は歴然としている。また、この溶接継手から引張
試験片を切出し、JIS Z 3121に準じて溶接部
の引張試験を実施した。その結果を表7に示す。
【0026】
【表7】
【0027】表7に示すとおり、本発明法(2)、
(3)と比較例(2)の引張強さ、耐力、伸びは、いず
れもほぼ同等であった。
(3)と比較例(2)の引張強さ、耐力、伸びは、いず
れもほぼ同等であった。
【0028】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、アルミニウム合金をMIG溶接した際に溶接ビード
とその周囲表面に発生する黒粉の付着を防止することが
できると共に、溶接金属の化学組成を調整することによ
り母材と同等の強度を得ることができる。したがって、
自動車、家庭電気製品等のように溶接により組立後、塗
装を実施する対象物については、非常に大きな工数節減
等の効果を得ることができる。
ば、アルミニウム合金をMIG溶接した際に溶接ビード
とその周囲表面に発生する黒粉の付着を防止することが
できると共に、溶接金属の化学組成を調整することによ
り母材と同等の強度を得ることができる。したがって、
自動車、家庭電気製品等のように溶接により組立後、塗
装を実施する対象物については、非常に大きな工数節減
等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法に使用するMIG溶接装置の要部
説明図である。
説明図である。
【図2】実施例における突合せ継手の説明図である。
【図3】実施例1における溶接ビードとその周囲表面へ
の黒粉の発生状況の説明図で、(a)図は本発明法
(1)の場合、(b)図は従来例(1)の場合を示す。
の黒粉の発生状況の説明図で、(a)図は本発明法
(1)の場合、(b)図は従来例(1)の場合を示す。
【図4】実施例2における溶接ビードとその周囲表面へ
の黒粉の発生状況の説明図で、(a)図は本発明法
(2)の場合、(b)図は本発明法(3)の場合、
(c)図は比較例(2)の場合を示す。
の黒粉の発生状況の説明図で、(a)図は本発明法
(2)の場合、(b)図は本発明法(3)の場合、
(c)図は比較例(2)の場合を示す。
1 ノズル 2 消耗電極ワイヤ 3 フィラーワイヤ 4 被溶接母材 5 アーク 6 溶融池 7 溶接金属 8 溶接ビード 9 黒粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 雄治 和歌山県和歌山市湊1850番地 共同酸素株 式会社内 (72)発明者 難波 圭三 愛知県名古屋市港区千年3丁目1番12号 住友軽金属工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 杉山 禎彦 愛知県春日井市六軒屋町5丁目64番地
Claims (2)
- 【請求項1】 消耗電極でアークを被溶接母材に発生さ
せ、形成した溶融池にフィラーワイヤを挿入供給するガ
スシールドアーク溶接によるアルミニウム合金の溶接に
おいて、消耗電極ワイヤとして純アルミニウムワイヤ
を、フィラーワイヤとして被溶接母材以上の合金成分含
有率のアルミニウム合金ワイヤを用い、溶融金属中の合
金成分含有率が被溶接母材の合金成分含有率にほぼ等し
くなるよう消耗電極ワイヤとフィラーワイヤを供給する
ことを特徴とするアルミニウム合金の溶接方法。 - 【請求項2】 消耗電極でアークを被溶接母材に発生さ
せ、形成した溶融池にフィラーワイヤを挿入供給するガ
スシールドアーク溶接によるアルミニウム合金の溶接に
おいて、消耗電極ワイヤとして2.5重量%未満の合金
成分を含有するアルミニウム合金ワイヤを、フィラーワ
イヤとして被溶接母材以上の合金成分含有率のアルミニ
ウム合金ワイヤを用い、溶融金属中の合金成分含有率が
被溶接母材の合金成分含有率にほぼ等しくなるよう消耗
電極ワイヤとフィラーワイヤを供給することを特徴とす
るアルミニウム合金の溶接方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11697892A JPH05285663A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | アルミニウム合金の溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11697892A JPH05285663A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | アルミニウム合金の溶接方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05285663A true JPH05285663A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14700467
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11697892A Pending JPH05285663A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | アルミニウム合金の溶接方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05285663A (ja) |
-
1992
- 1992-04-08 JP JP11697892A patent/JPH05285663A/ja active Pending
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