JPH05301975A - シート - Google Patents

シート

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JPH05301975A
JPH05301975A JP13630992A JP13630992A JPH05301975A JP H05301975 A JPH05301975 A JP H05301975A JP 13630992 A JP13630992 A JP 13630992A JP 13630992 A JP13630992 A JP 13630992A JP H05301975 A JPH05301975 A JP H05301975A
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JP
Japan
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sheet
pva
water
plasticizer
mol
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Application number
JP13630992A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Fukunishi
義晴 福西
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
Kazuo Nagoshi
一夫 名越
Ryoichi Kuroda
了一 黒田
Takashi Ishihara
隆志 石原
Masatoshi Tanaka
正俊 田中
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05301975A publication Critical patent/JPH05301975A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ダイアッド表示によるシンジオタクチシティ
が55%以上およびけん化度が10モル%以上90モル
%未満のPVA(A)、水溶性の多価アルコール系可塑
剤(B)ならびに非水溶性のエステル系可塑剤(C)か
らなるシート。 【効果】 本発明のシートは、従来のアタクチックなP
VAを用いて得られたシートに比較して、形態の湿度依
存性が小さく、機械的物性の湿度依存性が小さく、耐水
性が優れており、シートのヤング率が高く、引張強さ大
であり、有機溶剤、鉱物油、植物油などに侵されにくい
などの優れた特徴を有していることから、コンベヤー用
ベルト、伝導用ベルト、緩衝材、制振材等の幅広い用途
に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は伸度少なく強度大にして
而も柔軟で且つ耐水性(形態の温湿度依存性、機械的物
性の湿度依存性)に優れたポリビニルアルコール系シー
ト、特にコンベアー用ベルト、伝導用ベルト、緩衝材、
制振材に適したシートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール系シートは、ヤン
グ率が高く、引張強度が大きく、少量の可塑剤の添加で
柔軟化が可能であり、帯電しにくく、有機溶剤・鉱物油
・植物油などに侵されにくいなどの特徴を有することか
ら、コンベアー用ベルト、伝導用ベルト、緩衝材等に幅
広く使用されている。しかし、従来のポリビニルアルコ
ールを成形して得られたシートはポリビニルアルコール
の水への溶解性が高いために耐水性が低く、また形態の
湿度依存性が大きいことから、限られた条件下でしか使
用出来なかった。
【0003】このために、疎水性の熱可塑性樹脂の粒子
を添加する方法(特公昭48−38468)、油脂また
はろうを添加する方法(特公昭48−40468)、一
方向に並列配向された長繊維または糸の層を有する不織
布と疎水性の熱可塑性樹脂の粒子、油脂またはろうより
なる組成物を併用する方法(特公昭48−4295
1)、一方向に並列配向された長繊維または糸の層の両
面に重ね合わされたポリビニルアルコール系繊維よりな
る不織布の併用する方法(特公昭49−12158)、
一方向に並列配向された長繊維または糸の層の両面に重
ね合わされた不織布の併用する方法(特公昭49−12
159)などの改良方法が提案されている。しかしなが
ら、ポリビニルアルコールに他の熱可塑性樹脂の粒子や
油脂またはろうを添加する方法は、ポリビニルアルコー
ルが本来持っている特徴を損なう怖れがあり、加工性も
悪くなるという問題があった。また、並列配向された長
繊維または糸の層や不織布を併用する方法は、従来のポ
リビニルアルコールのシートでは形態の湿度依存性が大
きいために、通常の厚さの並列配向された長繊維または
糸の層や不織布の併用では形態変化を充分に抑えること
が出来ず、長さ方向あるいは巾方向にカールすることか
ら、用途範囲が限定されるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は形態の
温湿度依存性が小さく、機械的物性の湿度依存性が小さ
く、かつ耐水性が良好なポリビニルアルコール系シート
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、ダイアッド表示に
よるシンジオタクチシティが55%以上およびけん化度
が10モル%以上90モル%未満のポリビニルアルコー
ル(A)、水溶性の多価アルコール系可塑剤(B)なら
びに非水溶性のエステル系可塑剤(C)からなるシート
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】本発明のポリビニルアルコール(A)は、
ダイアッド表示によるシンジオタクチシティ(以下、シ
ンジオタクチシティはダイアッド表示によるものを意味
する)が55%以上およびけん化度10モル%以上90
モル%未満のシンジオタクチックポリビニルアルコール
(以下、S−PVAと略記する)である。ポリビニルア
ルコール(A)のシンジオタクチシティは55%以上で
あることが必要であり、好ましくは58%以上、より好
ましくは60%以上である。シンジオタクチシティの増
加は強度、耐水性および耐熱性の向上に効果があるが、
シンジオタクチシティが高くなりすぎると、シートの製
造工程において問題を生じる点やS−PVA自身の製造
も困難となることから、シンジオタクチシティは70%
以下が好ましい。
【0007】S−PVAのけん化度は10モル%以上9
0モル%未満であることが必要であり、特に耐熱性、耐
水性および柔軟性の向上を目的とするためには50モル
%以上90モル%未満が好ましく、特に柔軟性の向上を
目的とするためには30〜70モル%が好ましい。ここ
で、けん化度はピバリン酸ビニルなどのビニルエステル
の単独重合体または共重合体中において、けん化により
ビニルアルコール単位に変換され得る単位に対するけん
化後のビニルアルコール単位の割合を表したものであ
り、残基はピバリン酸ビニル単位などのビニルエステル
単位である。
【0008】S−PVAの重合度はシートの用途によっ
て適宜選ばれるが、シートの強度や加工特性の点から5
00以上が好ましく、1000以上がさらに好ましく、
1500以上がさらにより好ましい。重合度の上限につ
いては特に制限はないが、S−PVAのシート状態への
成形や押圧延伸等の加工特性の点から、30000以下
が好ましい。ここで、S−PVAの重合度は該ポリビニ
ルアルコール系重合体を完全にけん化した後、酢化して
得られたポリ酢酸ビニルのアセトン中の極限粘度(30
℃で測定)から求めた粘度平均重合度で表したものであ
り、以下の式により計算した値である。 P=(〔η〕×1000/7.94)↑(1/0.62)
【0009】S−PVAの製造方法については特に制限
はないが、特開平3−121102号などに開示された
方法が好ましい。すなわち、ピバリン酸ビニルの単独重
合またはピバリン酸ビニルと酢酸ビニルとの共重合など
により得られたビニルエステル系重合体を酸素不存在下
でけん化する方法が好ましい。
【0010】本発明の水溶性の多価アルコール系可塑剤
(B)(以下、可塑剤(B)と略記する)としては実質
的に水溶性で、かつ2個以上の水酸基を有する可塑剤で
あれば特に制限はない。その具体例としてはエチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、プロピレングリコ
ール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、グリセリン、ペトリオール(3−メチルペンタン−
1,3,5−トリオール)等が挙げられる。これらの多
価アルコール系可塑剤(B)のなかでも、グリセリン、
1,3−ブタンジオール、ペトリオール及びこれらの混
合物が最も好ましい。
【0011】本発明の非水溶性のエステル系可塑剤
(C)(以下、可塑剤(C)と略記する)としては実質
的に非水溶性で、かつエステル結合を有する可塑剤であ
れば特に制限はない。その具体例としてはフタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−
エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ
オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、
フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル
酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル
酸ブチルラウリル等のフタル酸エステル系可塑剤、リン
酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクロルエチル、リ
ン酸クレジルジフェニル等のリン酸エステル系可塑剤、
コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、アジピン
酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸
ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチ
ル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフ
タル酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑
剤、トリメリット酸トリオクチル、ジエチレングリコー
ルジベンゾエート、オキシ安息香酸オクチル等の芳香族
カルボン酸エステル系可塑剤、オレイン酸ブチル、オレ
イン酸テトラヒドロフルフリール、アセチルリシノール
酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエ
リスリトールヘキサエステル、トリアセチル、トリブチ
リン等の脂肪酸エステル系可塑剤、ポリプロピレンアジ
ペート、ポリプロピレンセバケート、フタル酸ポリエス
テル等のポリエステル系可塑剤、エチルフタリルエチル
グリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、ア
セチルクエン酸トリブチル、ジエチレングリコールジベ
ンゾリエート、ジエチレングリコールジ2−エチルブチ
レート、トリエチレングリコールジ2−エチルブチレー
ト等のエステル系可塑剤が挙げられる。これらのエステ
ル系可塑剤(C)のなかでもフタル酸エステル系可塑
剤、リン酸エステル系可塑剤及びこれらの混合物が最も
好ましい。
【0012】S−PVA(A)に対する水溶性の多価ア
ルコール系可塑剤(B)および非水溶性のエステル系可
塑剤(C)の配合割合としては特に制限はないが、シー
トの強度面から、S−PVA(A)100重量部に対す
る可塑剤(B)および可塑剤(C)の合計量は5〜10
0重量部が好ましく、5〜70重量部がより好ましく、
5〜50重量部がより好ましく、5〜30重量部がより
好ましく、10〜30重量部が特に好ましい。可塑剤
(B)および可塑剤(C)の合計量が100重量部より
大きい場合には、シートの強度が大幅に低下したり、可
塑剤のマイグレーションなどにより他の素材を汚染した
りする場合がある。また可塑剤(B)および可塑剤
(C)の合計量が5重量部より小さい場合には、シート
の柔軟性が低下したり、シートの屈曲性が低下したり、
低温で脆くなることがある。
【0013】可塑剤(B)と可塑剤(C)との配合割合
[(B)/(C)]としては特に制限はないが、5/9
5〜95/5が好ましく、20/80〜80/20がさ
らにより好ましい。上記の範囲以外の場合には、成形性
またはシートの柔軟性のうちどちらか一方が不充分にな
る場合がある。
【0014】本発明のS−PVA(A)、水溶性の多価
アルコール系可塑剤(B)ならびに非水溶性のエステル
系可塑剤(C)からなるシートは、本発明の効果を損な
わない範囲において、水を含有していることが好まし
く、水の含有量は平衡水分量が好ましい。平衡水分量の
水を含有している場合には、特にシート物性が向上す
る。その他の配合成分としては大豆油、菜種油、亜麻仁
油、ひまし油あるいはこれらの加工油などの植物油、各
種鉱物油、動物油など各種油類、さらにクレイ、カオリ
ン、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機化合
物等が挙げられる。また必要に応じて着色のための染料
や顔料、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤が添加
されることもある。
【0015】本発明のシートをコンベアー用ベルト、伝
導用ベルト、緩衝材、制振材等として幅広く使用するに
は、シートの厚さが約0.3mm以上であることが好ま
しい。厚さが約0.3mm未満の場合には、合成樹脂単
体シートの機械的性質が充分でなかったり、湿度、水分
の影響が相対的に大きくなり、本発明のS−PVAでも
充分にその効果を発揮することが出来ない場合がある。
また、シートの少くとも一つの面を繊維質材料と積層す
る場合には、0.3mm以上の厚さがないと本発明の合
成樹脂シートを使用した特徴が発現しない場合が多い。
本発明のシートの製造方法としては、溶液からのキャス
ト成膜法、湿式成膜法(S−PVAの貧溶媒中への押し
出し)または乾湿式成膜法が挙げられるが、そのなかで
も本発明の目的に特に適合した厚いシートが得られ易い
という点で、S−PVAに溶剤を加えたものを押し出し
成形する方法が好ましい。
【0016】本発明において使用される溶剤としては、
ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、水、ヘキサフルオロイソプロパノー
ル、多価アルコール、エステル等が単独または混合して
使用される。また塩化リチウム、塩化カルシウム等の無
機塩の水溶液も単独または前記溶剤と混合して使用でき
る。これらの中でも水、ジメチルスルホキシド、グリセ
リン、1、3−ブタンジオール、ペトリオール(3−メ
チルペンタン−1,3,5−トリオール)、エチレング
リコール、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、リ
ン酸トリクレジル等が好んで使用される。水、グリセリ
ン、1,3−ブタンジオール、ペトリオール、フタル酸
ジブチル、リン酸トリクレジル及びこれらの混合物は最
も好ましい溶剤である。押し出し成形時の溶媒として、
多価アルコール系可塑剤あるいはエステル系可塑剤を使
用した場合には、多価アルコール系可塑剤あるいはエス
テル系可塑剤をS−PVA中にそのまま残存させること
により、効率良く本発明のシートを製造することが出来
る。押し出し成形時のS−PVAの濃度は、通常30〜
60重量%であり、押し出し成形温度は通常室温から3
00℃の範囲である。S−PVAの粉末に上記範囲で溶
剤を加えた状態では、粉末はいわゆる湿潤或いは膨潤状
態となるのみで形状は依然粉末状を保ち、これを押し出
し成形機に供給し、成形機の加熱・加圧状態での混煉に
より均一な濃度溶液となってダイから押し出しされる。
押し出しされたシートは加熱等の方法により所定量の溶
剤、特に水が除去される。
【0017】本発明のS−PVAからなるシートは乾燥
後、さらに熱ロールによる圧延、それに続く熱処理によ
って強度、耐水性を飛躍的に向上させることができる。
これは、圧延処理によりS−PVAの分子の配向が進む
ためと考えられる。この熱処理は熱ロールによる圧延工
程で生じた歪を除去するためとシートのタフネスを向上
させることが目的である。
【0018】次に本発明の積層シートについて説明す
る。本発明の積層シートは少なくとも1層がS−PVA
からなるシートであり、S−PVAからなるシートに、
S−PVAまたは従来のシンジオタクチシティが約53
%のPVA(以下、A−PVAと略記する)などからな
るシートを2層以上積層したものである。コンベアー用
ベルトはその目的、用途により、厚さ、巾、長さ等の形
態、他材料との複合化などその構成が多種多様である
が、厚さ1.0mm以上数mm、時には厚さ10mm程
度の厚いものが使用される場合が多い。S−PVAの厚
いシートは前記の方法によって直接作ることもできる
が、水素結合が強いS−PVAの押し出し成形性、その
後に続く乾燥、圧延および熱処理のそれぞれの工程通過
性から考えると効率が低く、S−PVAからなるシート
を接着・複合化により積層シートにする方法が好まし
い。接着には、通常の接着剤が使用できるが、ポリビニ
ルアルコールの性質を利用して、高温下で加圧された熱
水を用いて表面部分を溶解接着させる方法が好ましい。
【0019】また本発明の積層シートは、少なくとも1
つの面に各種繊維質材料を積層して複合化したものでも
良い。S−PVAの少なくとも1つの面を各種繊維質材
料と複合化した積層シートは、コンベアー用ベルト、伝
導用ベルトとして使用する場合であって、表面と裏面と
の摩擦係数を変えたい場合あるいは被搬送物の特性に適
合するカバリング材をベルト表面に用いたい場合に好ま
しく用いられる。また、S−PVAからなるシートの表
・裏両面を同じ、あるいはそれぞれ異なる繊維質材料と
積層して複合化する場合には、S−PVAからなるシー
トが有する強靱さを生かし、かつ繊維質材料が有する特
徴を被搬送物あるいは伝導プーリーとの間で利用するこ
とができる。従来のA−PVAからなるシートと繊維質
材料とを複合化して得られた積層シートの場合には、特
に1つだけの面に繊維質材料を用いる場合あるいは2つ
の面の繊維質材料が異なる場合には、A−PVAの2つ
の面で吸放湿による伸縮が異なるために積層シートがカ
ールする場合が多かったが、本発明のS−PVAからな
るシートを用いた積層シートの場合には、積層シートの
形態(伸縮)の湿度依存性が小さいためにカールするこ
とが少なく、積層シートの形態保持性は大巾に改善され
る。積層シートに用いられる繊維質材料としては、各種
繊維の織物、編物あるいは不織布及びこれらを樹脂処理
したものなどが用いられる。
【0020】また、本発明の積層シートは、S−PVA
からなるシートの少なくとも1つの面に他の高分子物質
からなるシートを積層したものでも良い。柔軟性と可撓
性を有するS−PVAからなるシートに積層される高分
子物質としては、天然及び合成の各種ゴム類、ポリウレ
タンエラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポ
リエステルエラストマーなどが挙げられる。これらのな
かでも、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラ
ストマーは特に好ましい高分子物質である。A−PVA
からなるシートを用いて得られた積層シートに比べて、
本発明のS−PVAからなるシートに上記の高分子物質
を積層した場合には、形態保持性が著しく向上する。
【0021】PVAには制振作用があり、S−PVAか
らなるシートと鋼板、鋼材などを積層した積層シート
は、従来のA−PVAからなるシートと鋼板などとの積
層シートと比較して、湿度に対する形態安定性が著しく
高く、貼着したポリビニルアルコールの伸縮により鋼板
がカールするなどのトラブルがなく、寸法安定性の良い
制振材料として有用である。
【0022】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
る。以下の実施例において「部」および「%」は特に断
りのない限り、重量基準を意味する。
【0023】実施例1 シンジオタクチシティ61.8%、けん化度81モル
%、重合度1750のS−PVAの粉末100部に対し
て、グリセリン7部、フタル酸ジブチル5部、カオリン
7部、緑色顔料ペースト0.5部、水120部を混合し
た。混合物をスクリュウー押し出し機に供給し、バレル
温度を50℃から250℃まで順次調節してダイから押
し出して、厚さ6.0mmのシートを得た。得られたシ
ートを70℃で80時間乾燥して水分率9%にした後、
120℃で圧延、160℃で熱処理を行うことにより、
厚さ1.5mmのS−PVAからなるシートを得た。こ
のシートは、S−PVA100部に対してグリセリン含
有量は7部、フタル酸ジブチル含有量は5部、水の含有
量は8部であった。得られたシートの物性測定結果を表
1に示す。
【0024】比較例1 ポリ酢酸ビニルをけん化して得たシンジオタクチシティ
52.8%、けん化度81モル%、重合度1750のA
−PVAを用いて、実施例1と同様にしてA−PVAか
らなるシートを作った。得られたシートの物性測定結果
を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】1) 巾10mm、長さ100mmのサン
プルを用い、20℃、65%RHで24時間放置後の形
態(長さL↓1,厚さt↓1,巾w↓1)と20℃の水中
に24時間放置後の形態(長L↓2,厚さt↓2,巾w↓
2)から下記の式で計算した値。 耐水度(%)=
{(L↓2×t↓2×w↓2)/(L↓1×t↓1×w↓1)
−1}×100 2) 2%伸張時の引張強さをヤング率とする。
【0027】実施例2 実施例1の方法で得られた厚さ1.5mm、巾600m
m、長さ50mのS−PVAのシートを2枚準備した。
このシートを95℃に加熱した後、2枚のシートの間
に、付着量が75g/m↑2になるように蒸気を吹きか
けニップロールでプレスし、100℃の加熱 炉を1.
5分間通し、その間にプレスロールで3回のプレスを行
って接着させ、厚さ3.0mmの積層シートとした。こ
のシートを長さ10mに裁断し、両端をエンドレス加工
して作ったコンベヤーベルトは、A−PVAからなる積
層シートに比較して、湿度に対する形態安定性が著しく
良好であった。すなわち、A−PVAからなる積層シー
トを用いて作ったコンベヤーベルトの場合には、低湿時
と高湿時でプーリー間隔の調整が必要であったが、本発
明のS−PVAからなる積層シートを用いて作ったコン
ベヤーベルトの場合には、その必要がなかった。さら
に、本発明のS−PVAからなる積層シートを用いて作
ったコンベヤーベルトは耐水性に富んでいるために、食
品搬送の用途に用いた後に熱水洗浄をしても表面の変質
が少なかった。
【0028】実施例3 実施例2の方法で得られた厚さ3.0mm、巾600m
m、長さ50mのS−PVAからなるシートに、実施例
2の方法で得られた厚さ1.5mmのシートを、実施例
2と同様にして張り合わせることにより、厚さ4.5m
mの積層シートを得た。このシートを巾500mm、長
さ8mに裁断し、両端をエンドレス加工して作った鋼板
ラッパー用ベルトは、A−PVAからなる積層シートに
比較して、湿度に対する形態安定性が良く、かつ引っ張
り強さが大きいため、従来のA−PVAからなる積層シ
ートに比較して、ラッパー用ベルトの必要厚さが小さく
ても良く、機械自体も軽量化することが出来た。
【0029】実施例4 実施例2の方法で得られた厚さ3.0mm、巾600m
mのシートを縦方向に3枚つなぎ合わせて、巾1700
mm、長さ20mのシートとした。このシートの片面に
ビニロンの#4号帆布を張り合わせ後、裁断して厚さ
3.5mm、巾1500mm、長さ18mのシートとし
た。ポリビニルアルコールシート側を表面とし、帆布面
を裏側として両端をエンドレス加工して作ったベルトは
従来のA−PVAからなるシートを用いて作ったベルト
に比較して、強力が大きいだけでなく、ベルトが湿度変
化で伸縮しないので反り返ることもなく安定して使用す
ることが出来た。
【0030】実施例5 実施例1で得られたシートの片面にビニロン#5300
0帆布を張り合わせ、他の面に厚さ2.5mmのポリエ
ステル製ニードルパンチ不織布を張り合わせて、厚さ
4.3mm、巾600mm、長さ30mのシートとし
た。帆布側を表面とし、不織布側を裏面として両端をボ
ルトで止めてエンドレス加工して作ったバケット用エレ
ベーターベルトは従来のA−PVAからなるシートを用
いて作ったベルトに比較して、厚さを10%薄くするこ
とができるため機械がスリムになり、さらに不織布側と
帆布側から異なる影響を与える湿度の影響が少ないため
に従来品のようにカールすることがなかった。
【0031】実施例6 実施例1で得られたシートの片面に0.5mmのウレタ
ンエラストマーのシートを貼りあわせ、ウレタンエラス
トマー側を表面としてエンドレス加工して、厚さ2.0
mm、巾450mm、周長5mのコンベヤーベルトとし
た。このコンベヤーベルトは、表面がポリウレタンエラ
ストマーのため摩擦係数が高く、かつ耐摩耗性があり、
しかも高強力のS−PVAのコンベヤーベルトで裏面が
補強されているので急傾斜搬送用ベルトとして優れてい
る。すなわち、従来のA−PVA使用のコンベヤーベル
トの場合には、湿度変化で裏面のポリビニルアルコール
部分が伸縮してコンベヤーベルトのカールが発生した
が、本発明のコンベヤーベルトの場合には、湿度依存性
が小さいため、カールの発生が全く見られなかった。
【0032】実施例7 実施例1と同様の方法に準じて、厚さ0.5mmのS−
PVAからなるシートを作った。このシートを表面材料
として、裏面に厚さ10mmのポリ塩化ビニルのシート
を張り合わせた。積層されたシートを巾100mm、長
さ1mの短冊状に裁断して、鋼管あるいは鋼板コイル設
置用の緩衝材とした。この緩衝材は表面がポリビニルア
ルコールのシートで覆われているので耐油性に富み、防
錆油が付着した鋼管あるいは鋼板コイルなどを設置して
も膨潤することがなく、S−PVAからなるシートで表
面が覆われているので水などで濡れても形態変化が少な
く安定して使用することが出来た。
【0033】実施例8 実施例2で得られた厚さ3mmのシートを巾5mmに裁
断して、ひも状のベルトとした。このベルトをエンドレ
ス加工したものはプーリー間の伝導ベルトとして耐油
性、形態安定性の優れたものであった。
【0034】実施例9 実施例1で得られたシートの片面にビニロン#5300
0帆布を張り合わせ、他の面に厚さ1.0mmのポリウ
レタンエラストマーのシートを張り合わせて、厚さ3.
0mm、巾500mm、長さ10mのシートとした。ポ
リウレタンエラストマーのシート側を表面とし、帆布側
を裏面として両端をエンドレス加工してコンベヤーベル
トとした。このコンベヤーベルトは従来のA−PVAか
らなるシートを用いた場合と比較して、強力が大きく、
かつビニロン帆布側からの吸湿に対しても形態安定性が
良好でカールすることもなかった。
【0035】実施例10 実施例7で得られた厚さ0.5mmのシートをゴム系接
着剤を用いて厚さ1.0mmの鉄板と張り合わせた。こ
のポリビニルアルコールと積層した鉄板は制振鉄板とな
り、S−PVAからなるシートを使用しているために湿
度の異なる状態で使用してもカールすることがなかっ
た。
【0036】
【発明の効果】本発明のS−PVAからなるシートはS
−PVAの高い結晶性、強い分子間の水素結合および疎
水性基の存在により、従来のA−PVAを用いて得られ
たシートに比較して、形態の湿度依存性が小さく、機械
的物性の湿度依存性が小さく、耐水性が優れており、シ
ートのヤング率が高く、引張強さ大であり、有機溶剤、
鉱物油、植物油などに侵されにくいなどの優れた特徴を
有することから、コンベヤー用ベルト、伝導用ベルト、
緩衝材、制振材等の幅広い用途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29/04 LGU 6904−4J (72)発明者 黒田 了一 大阪市中央区平野町2−5−4 クラレト レーディング株式会社内 (72)発明者 石原 隆志 岡山県吉備郡真備町川辺字新田1099 ポバ ロン株式会社岡山工場内 (72)発明者 田中 正俊 岡山県吉備郡真備町川辺字新田1099 ポバ ロン株式会社岡山工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイアッド表示によるシンジオタクチシ
    ティが55%以上およびけん化度が10モル%以上90
    モル%未満のポリビニルアルコール(A)、水溶性の多
    価アルコール系可塑剤(B)ならびに非水溶性のエステ
    ル系可塑剤(C)からなるシート。
  2. 【請求項2】 少なくとも1層が請求項1記載のポリビ
    ニルアルコール(A)からなるシートである積層シー
    ト。
JP13630992A 1992-04-28 1992-04-28 シート Pending JPH05301975A (ja)

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