JPH05302805A - 潤滑剤分布の測定方法及び測定装置 - Google Patents

潤滑剤分布の測定方法及び測定装置

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JPH05302805A
JPH05302805A JP10993792A JP10993792A JPH05302805A JP H05302805 A JPH05302805 A JP H05302805A JP 10993792 A JP10993792 A JP 10993792A JP 10993792 A JP10993792 A JP 10993792A JP H05302805 A JPH05302805 A JP H05302805A
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JP10993792A
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Naoyuki Yamamoto
尚之 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は絶縁性潤滑剤を単分子又は数分子層
程度塗布した表面における潤滑剤分布の測定方法及び測
定装置に関し、原子間力顕微鏡を用いて正確に潤滑剤分
布を測定することを目的とする。 【構成】 表面に絶縁性潤滑剤12による層が形成され
た試料11の表面と、一定電圧を印加した探針13との
間の距離を一定に保ちながらXYZ走査装置21により
走査する。この探針13と試料11に流れるトンネル電
流に基づいて表示装置29にマッピング画像を表示す
る。このマッピング画像は試料11表面の絶縁性潤滑剤
の分布を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は潤滑剤分布の測定方法及
び測定装置に係り、特に絶縁性潤滑剤を平均2〜3mm
以下程度塗布した表面における潤滑剤分布の測定方法及
び測定装置に関する。
【0002】磁性膜が基板表面に形成された磁気記録媒
体に対して、情報を磁化状態として高密度記録するため
には、磁気ヘッドと磁気記録媒体との間の間隔(スペー
シング)を狭くすることが不可欠である。このため、磁
気ヘッドの浮上量を極力下げると共に、磁気記録媒体の
磁性膜表面に形成された、磁気ヘッド接触時の衝撃や磨
耗を軽減するための潤滑層の膜厚を極力薄くするように
されている。
【0003】しかし、潤滑層の膜厚が均一でないと磁気
ヘッドの浮上量の低下に伴い、磁気ヘッドスライダが潤
滑剤がない、あるいは潤滑剤が薄い部分に衝突すると磁
気記録媒体表面に損傷が発生することがある。よって磁
気記録媒体の信頼性向上のために、潤滑層を形成する潤
滑剤が極力均一に分布されているか否かを測定すること
が必要とされる。
【0004】
【従来の技術】従来の磁気記録媒体表面の潤滑剤(層)
の分布の測定方法には、角度分解X線光電子分光法AR
−XPS(参考文献:Y.Kimachi et al.,Digest of the
Intermag Conference '87 ,BG-13)や走査型トンネル顕
微鏡(STM)のトンネル電流のバラツキを測定する方
法(参考文献:T.S. Sriram et al., ASME/STLE Tribol
ogy Conference, 90-Trib-18) などがある。
【0005】前者のAR−XPSによる測定方法では、
下地からの光電子の脱出深さは潤滑剤を通過する場合数
nmと考えられ、試料の角度を変化させると光電子の通
過する潤滑層の長さが変わり、光電子の取り出し角が大
きくなるにつれて減衰率が小さくなる。この時、潤滑剤
が島状など不均一についていると下地からの光電子強度
の角度依存性が変化するのでそれを利用して膜の均一性
を解析する。
【0006】一方、STMはトンネル電流を検出してい
るため絶縁物では通常測定できない。しかし、薄膜ディ
スクの潤滑剤は薄くついているのでわずかに流れるが不
安定である。そこで、後者のSTMによる測定方法で
は、これを利用して繰り返しトンネル電流を測定しその
再現性の悪い場所は潤滑剤があり、良い場所は潤滑剤が
無いと判定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前者のAR
−XPSによる従来の測定方法は、直径10mm程度の
分析範囲でのモデル解析のため、微少な潤滑剤の分布を
どれだけ正確に測定しているか疑問である。また、後者
のSTMによる従来の測定方法は測定値のバラツキが大
きく、再現性に問題がある。本発明は上記の点に鑑みな
されたもので、原子間力顕微鏡を用いることにより、上
記の課題を解決した潤滑剤分布の測定方法及び測定装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の潤滑剤分布の測
定方法は、表面に絶縁性潤滑剤による層が形成された試
料表面と、一定電圧を印加した探針先端との間の距離を
一定に保ちながら走査し、探針及び試料に流れるトンネ
ル電流の変化に基づいて、絶縁性潤滑剤の分布形状を測
定する。
【0009】また、請求項2の本発明測定装置は、図1
の原理構成図に示すように、一定電圧が印加される探針
13、走査手段14及びマッピッグ画像表示手段15を
有する。走査手段14は表面に絶縁性潤滑剤12による
層が形成された試料11の表面と探針13との間の距離
を一定に保持した状態で探針13を走査する。マッピッ
グ画像表示手段15は探針13と試料11との間に流れ
るトンネル電流の変化に基づいて試料11の表面の電気
抵抗のマッピング画像を生成表示する。
【0010】更に、請求項3記載の本発明では、図1に
示すように更にトポグラフィ表示手段16を付加したも
のである。このトポグラフィ表示手段16は走査手段1
4により得られる探針13と試料11の表面との距離を
一定にする制御信号に基づいて、試料11表面のトポグ
ラフィを生成表示する。
【0011】
【作用】先端を尖らせた探針13を試料11の表面に例
えば数nmに近付けると、探針13と試料11との間に
原子間力が働く。この原子間力は図2に示す如く、探針
13と試料11の表面との距離に応じて変化し、この例
では距離が0.2nm付近で最大の引力が生じる。
【0012】この原子間力を一定に保つように試料11
表面に法線方向に探針11を動かしながら試料11表面
を走査し、法線方向の制御信号をマッピングすると試料
表面形状を原子レベルで描くことができる。これが走査
型原子間力顕微鏡(AFM)である。
【0013】本発明方法では、このAFM探針13を導
電性物質として一定のバイアス電圧を印加して、探針1
3と試料11との間にトンネル電流を流す。このトンネ
ル電流は探針13と試料11の表面との距離に指数関数
的に比例するが、本発明では上記のAFMと同様に上記
の距離を一定に保っているので、試料11の表面が平坦
なときには、図3(A)に示す如く一定の距離d1 に対
応して一定のトンネル電流I1 が流れる。
【0014】一方、試料11の表面に絶縁性潤滑剤12
の原子が存在すると、図3(B)に示す如く探針が13
1 ,133 に示す絶縁性潤滑剤12上の位置にあると
き、その距離に応じて距離d1 のときのトンネル電流I
1 とは異なるトンネル電流I2,I3 が流れるかトンネ
ル電流が流れなくなる。
【0015】本発明はかかる原理に鑑み、一定距離d1
で走査したときのトンネル電流の変化に基づいて絶縁性
潤滑剤12の分布を測定する。
【0016】また、本発明装置では上記のトンネル電流
に基づいて、マッピング画像表示手段15においてトン
ネル電流の量をマッピングすることにより試料11の表
面の電気抵抗のマッピング画像を生成し、それを表示す
る。このマッピング画像は試料11の表面の絶縁性潤滑
剤12の分布の像を示すことになる。
【0017】また、本発明装置ではトポグラフィ表示手
段16を設けているため、このトポグラフィ表示手段1
6により表示される絶縁性潤滑剤12の断面凹凸形状
と、上記マッピング画像表示手段15で同時に得られる
マッピング画像とにより、より詳細に絶縁性潤滑剤12
の分布を測定することができる。
【0018】
【実施例】図4は本発明装置の一実施例の構成図を示
す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、
その説明を省略する。図4において、試料11は表面に
絶縁性潤滑剤12の層が形成された磁気ディスクで、X
YZ走査装置21に固定されている。XYZ走査装置2
1は円筒ピエゾで形成され、試料11をX軸、Y軸及び
Z軸の三軸に外部制御信号により移動自在な構成とされ
ている。
【0019】変位検出器22はカンチレバー25の撓み
を検出する。カンチレバー25は一端が固定され、他端
が自由端とされ、自由端側に探針13が取付けられてい
る。サーボ回路23は変位検出器22の出力検出信号に
基づいてカンチレバー25の変位が一定となるよう、す
なわちカンチレバー25の先端に取り付けられた探針1
3と試料11の表面との距離が一定となるようにXYZ
走査装置21のZ軸の円筒ピエゾを制御する制御信号を
出力する。
【0020】また、XY走査回路24はXYZ走査装置
21を構成するX軸とY軸の円筒ピエゾを駆動する制御
信号を出力することにより、試料11をX軸方向とY軸
方向に移動させ、これにより探針13を試料11の表面
上方、試料11の表面と平行に相対的に走査させる。こ
のXYZ走査装置21、変位検出器22、サーボ回路2
3及びXY走査回路24は前記した走査手段14を構成
している。
【0021】トンネル電流増幅器27、メモリ28及び
表示装置29は前記マッピング画像表示手段15を構成
している。トンネル電流増幅器27には、探針13が導
電性物質で構成されており、バイアス電圧源26よりカ
ンチレバー25を介して探針13にバイアス電圧Vb
印加されることにより、探針13より絶縁性潤滑剤12
及び試料11を介して図3と共に説明したようにトンネ
ル電流が入力される。メモリ28は例えばビデオ・ラン
ダム・アクセス・メモリ(VRAM)であり、トンネル
電流増幅器27とXY走査回路24の各出力信号が供給
される。表示装置29はメモリ28の出力信号に基づい
て画像表示を行なう。
【0022】メモリ30及び表示装置31は前記トポグ
ラフィ表示手段16を構成している。メモリ30は例え
はVRAMであり、サーボ回路23及びXY走査回路2
4の両出力信号が入力される。表示装置31はメモリ3
0の出力信号に基づいてトポグラフィを表示する。
【0023】次に、本実施例の動作について説明する。
まず、XYZ走査装置21の所定部に、円板状基板上に
導電性の磁性膜が形成され、更にその磁性膜表面に絶縁
性潤滑剤(例えばパーフルオロポリエーテル)が塗布さ
れた磁気ディスクが試料11として固定される。
【0024】次に、この試料11の表面に探針13が1
〜2μmの距離まで粗動機構(図示せず)によって近接
される。さらにXYZ走査装置21のZ軸変位用円筒ピ
エゾによって1〜2μm以下に近接される。探針13と
試料11の表面との距離が上記の1〜2μmになると、
原子間力が探針13と試料11表面との間で引力として
作用し、カンチレバー25の自由端側の探針13が取り
付けられている先端が撓む。
【0025】上記の撓みの大きさ、すなわち変位量は変
位検出器22によって光てこ法の原理により検出され
る。変位検出器22の出力検出信号はサーボ回路23に
供給される。サーボ回路23はXYZ走査装置21のZ
軸変位用円筒ピエゾを駆動制御し、試料11の高さ位置
を微小変位させる。すなわち、XYZ走査装置21、試
料11、探針13、変位検出器22及びサーボ回路23
よりなる一巡のフィードバック回路により、探針13と
試料11の表面との間の距離が一定となるように、試料
11の高さ位置が変位制御される。
【0026】また、XYZ走査装置21はXY走査回路
24よりのXY走査信号が供給され、X軸及びY軸の両
変位用ピエゾが夫々駆動され、試料11のX軸方向及び
Y軸方向を夫々変位制御する。これにより、試料11に
対する探針13の相対的位置が移動し、探針13が試料
11の表面上方を走査せしめられる。
【0027】一方、前述したように探針13から試料1
1に流れるトンネル電流は、潤滑剤の微小面積単位の有
無に応じて値が変化する。このトンネル電流は原子間力
一定で走査中に探針13にバイアス電圧Vb として10
mVを印加すると、試料11の導電性の磁性膜部分では
約1nA程度流れるのに対し、探針13が絶縁性潤滑剤
12の塗布部分にくると、潤滑剤12は電気抵抗が高い
ため、バイアス電圧V b 一定の条件では約1nAよりも
小さな値となる。
【0028】このトンネル電流はトンネル電流増幅器2
7へ供給されて増幅され、XY走査回路24よりのXY
走査信号と共にメモリ28に供給され、XY走査位置に
応じたアドレスに格納される。メモリ28からXY走査
信号に応じて読み出されたトンネル電流値又はその逆数
の抵抗分を示す値は表示装置29に供給され、ここで画
像処理等された後、試料11表面のトンネル電流値分布
又は抵抗分布を示すマッピング画像として表示される。
【0029】他方、サーボ回路23からはXYZ走査装
置21のZ軸変位に応じたレベルのサーボ信号が取り出
されて、XY走査回路24よりのXY走査信号と共にメ
モリ30に供給されてXY走査位置に応じたアドレスに
格納される。メモリ30からXY走査信号に応じて読み
出されたサーボ信号は表示装置31に供給され、ここで
画像処理された後、試料11表面の断面凹凸形状を示す
トポグラフィとして原子レベルで表示される。
【0030】表示装置29のマッピング画像で電気抵抗
が高い、又は絶縁性の個所は潤滑剤12が存在すると判
断できる。これにより、通常はAFM/STMの分解能
は原子レベルまであるが、本実施例は潤滑剤の試料11
の表面における潤滑剤の分布を分子サイズレベルで正確
に知ることができる。
【0031】なお、本発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、例えばメモリ30及び表示装置31は必
ずしもなくてもよい。また、試料11は磁気ディスクに
限らず、他の磁気記録媒体でもよい。
【0032】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、トンネル
電流に基づいて、試料表面の電気抵抗のマッピング画像
を表示するようにしたため、試料表面に形成されている
潤滑剤の分布を測定することができ、また試料表面に垂
直な方向のサーボ信号(制御信号)に基づいてトポグラ
フィを生成表示するようにしたため、その場合はトンネ
ル電流によるマッピング画像と共に、より一層試料表面
の潤滑剤の分布を正確に測定することができる等の特長
を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の原理構成図である。
【図2】中性原子間に作用する力を示す図である。
【図3】探針と試料表面との距離とトンネル電流の関係
を示す図である。
【図4】本発明装置の一実施例の構成図である。
【符号の説明】
11 試料 12 絶縁性潤滑剤 13 探針 14 走査手段 15 マッピング画像表示手段 16 トポグラフィ表示手段 21 XYZ走査装置 22 変位検出器 23 サーボ回路 24 XY走査回路 28,30 メモリ 29,31 表示装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に絶縁性潤滑剤(12)による層が
    形成された試料(11)の表面と、一定電圧を印加した
    探針(13)先端との間の距離を一定に保ちながら走査
    し、該探針(13)及び試料(11)に流れるトンネル
    電流の変化に基づいて、前記絶縁性潤滑剤(12)の分
    布形状を測定することを特徴とする潤滑剤分布の測定方
    法。
  2. 【請求項2】 一定電圧が印加される探針(13)と、 表面に絶縁性潤滑剤(12)による層が形成された試料
    (11)の表面と該探針(13)との間の距離を一定に
    保持した状態で該探針(13)を走査する走査手段(1
    4)と、 該探針(13)と該試料(11)との間に流れるトンネ
    ル電流の変化に基づいて該試料(11)表面の電気抵抗
    のマッピング画像を生成表示するマッピング画像表示手
    段(15)とを有し、該マッピング画像により前記絶縁
    性潤滑剤(12)の分布を測定することを特徴とする潤
    滑剤分布の測定装置。
  3. 【請求項3】 前記走査手段(14)により得られる前
    記探針(13)と前記試料(11)表面との距離を一定
    にする制御信号に基づいて、該試料(11)表面のトポ
    グラフィを生成表示するトポグラフィ表示手段(16)
    を更に有することを特徴とする請求項2記載の潤滑剤分
    布の測定装置。
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