JPH05304973A - カルボスチリル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルの製造方法 - Google Patents
カルボスチリル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルの製造方法Info
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- JPH05304973A JPH05304973A JP4080433A JP8043392A JPH05304973A JP H05304973 A JPH05304973 A JP H05304973A JP 4080433 A JP4080433 A JP 4080433A JP 8043392 A JP8043392 A JP 8043392A JP H05304973 A JPH05304973 A JP H05304973A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 微生物酵素反応を利用して安価な工業原料で
あるキノリンからカルボスチリル及び/または6−ヒド
ロキシカルボスチリルを製造する。 【構成】 シュードモナス属に属し、キノリンをカルボ
スチリル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルに
変換する能力を有する微生物をキノリンを主炭素源とす
る培地に培養するか、該微生物またはその処理物とキノ
リンとを水性媒体中で接触させて、菌体外にカルボスチ
リル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルを生成
蓄積させ、ついで生成蓄積したカルボスチリル及び/ま
たは6−ヒドロキシカルボスチリルを採取する。
あるキノリンからカルボスチリル及び/または6−ヒド
ロキシカルボスチリルを製造する。 【構成】 シュードモナス属に属し、キノリンをカルボ
スチリル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルに
変換する能力を有する微生物をキノリンを主炭素源とす
る培地に培養するか、該微生物またはその処理物とキノ
リンとを水性媒体中で接触させて、菌体外にカルボスチ
リル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルを生成
蓄積させ、ついで生成蓄積したカルボスチリル及び/ま
たは6−ヒドロキシカルボスチリルを採取する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微生物が有する酵素反応
を利用したカルボスチリル及び/または6−ヒドロキシ
カルボスチリルの製造方法に関する。カルボスチリル及
び/または6−ヒドロキシカルボスチリルはホスホジエ
ステラーゼ阻害作用及び/または血小板凝集抑制作用を
有する心筋梗塞や不整脈に有効な治療薬の合成中間体等
として広く応用展開が期待される化合物である。
を利用したカルボスチリル及び/または6−ヒドロキシ
カルボスチリルの製造方法に関する。カルボスチリル及
び/または6−ヒドロキシカルボスチリルはホスホジエ
ステラーゼ阻害作用及び/または血小板凝集抑制作用を
有する心筋梗塞や不整脈に有効な治療薬の合成中間体等
として広く応用展開が期待される化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、カルボスチリル及び/または6−
ヒドロキシカルボスチリルは(a)キノリン及び/また
は6−ヒドロキシキノリンをカ性カリを用いてアルカリ
融解してカルボスチリル及び/または6−ヒドロキシカ
ルボスチリルを製造する方法(J.Org.Chem.,36,3490(19
71))、(b)6−ヒドロキシキノリンを過酸でN−オキ
シド化した後、無水酢酸で転位させてアセチルオキシカ
ルボスチリルとし、次いで加水分解して6−ヒドロキシ
カルボスチリルを製造する方法(J.Org.Chem.,33,1089
(1968) 、(c) p−アニシジンに塩化シンナモイルを
反応させてN−シンナモイルーp−アニシジンを得、つ
いでこの化合物をルイス酸の存在下、フリーデルクラフ
ト反応により閉環することにより6−ヒドロキシカルボ
スチリルを製造する方法(Eur.J.Med.Chem. -Chim.The
r.,20.121(1985)) 、(d) o−アミノ桂皮酸を環化し
てカルボスチリルを製造する方法 (Ber.dt.Chem.Ges.,1
8,2395,(1885))等が知られている。
ヒドロキシカルボスチリルは(a)キノリン及び/また
は6−ヒドロキシキノリンをカ性カリを用いてアルカリ
融解してカルボスチリル及び/または6−ヒドロキシカ
ルボスチリルを製造する方法(J.Org.Chem.,36,3490(19
71))、(b)6−ヒドロキシキノリンを過酸でN−オキ
シド化した後、無水酢酸で転位させてアセチルオキシカ
ルボスチリルとし、次いで加水分解して6−ヒドロキシ
カルボスチリルを製造する方法(J.Org.Chem.,33,1089
(1968) 、(c) p−アニシジンに塩化シンナモイルを
反応させてN−シンナモイルーp−アニシジンを得、つ
いでこの化合物をルイス酸の存在下、フリーデルクラフ
ト反応により閉環することにより6−ヒドロキシカルボ
スチリルを製造する方法(Eur.J.Med.Chem. -Chim.The
r.,20.121(1985)) 、(d) o−アミノ桂皮酸を環化し
てカルボスチリルを製造する方法 (Ber.dt.Chem.Ges.,1
8,2395,(1885))等が知られている。
【0003】しかしながら(a),(b)法では、過酸
を用いる危険性、原料をアルカリ融解させる危険性等、
種々の悪条件が伴う上に工業的規模で反応を行った場合
多大な危険を伴い、しかも分解反応が起こり目的物を低
純度、低濃度でしか得ることができない。また6−ヒド
ロキシカルボスチリルの製造に関しては、6−ヒドロキ
シキノリンの入手困難性の問題もある。(c),(d)
法では原料が入手困難で、反応工程が長く、工業的には
多大な費用を必要とし、経済的に極めて不利である。ま
た、キノリンに対する微生物の作用については、環境汚
染防止の観点からキノリンの分解について多少報告され
ている〔Biol.Chem.Hopper-Seyler,370,1183(1989)〕。
しかしながら、キノリンを炭素源としてカルボスチリル
及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルを生産する
ことを目的とした報告はない。
を用いる危険性、原料をアルカリ融解させる危険性等、
種々の悪条件が伴う上に工業的規模で反応を行った場合
多大な危険を伴い、しかも分解反応が起こり目的物を低
純度、低濃度でしか得ることができない。また6−ヒド
ロキシカルボスチリルの製造に関しては、6−ヒドロキ
シキノリンの入手困難性の問題もある。(c),(d)
法では原料が入手困難で、反応工程が長く、工業的には
多大な費用を必要とし、経済的に極めて不利である。ま
た、キノリンに対する微生物の作用については、環境汚
染防止の観点からキノリンの分解について多少報告され
ている〔Biol.Chem.Hopper-Seyler,370,1183(1989)〕。
しかしながら、キノリンを炭素源としてカルボスチリル
及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルを生産する
ことを目的とした報告はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、温和
な温度、常圧下で高い選択特異性を有する微生物酵素反
応を利用して、安価な工業原料であるキノリンから、高
い選択性で、カルボスチリル及び/または6−ヒドロキ
シカルボスチリルを製造する方法を提供することであ
る。
な温度、常圧下で高い選択特異性を有する微生物酵素反
応を利用して、安価な工業原料であるキノリンから、高
い選択性で、カルボスチリル及び/または6−ヒドロキ
シカルボスチリルを製造する方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはキノリンを
微生物酸化する能力を有する微生物を自然界より探索し
たところ、福岡県北九州市のタール化学工場土壌より分
離されたシュードモナス属に属すると認められる菌株が
そのような能力を有しており、キノリンを炭素源とする
培地で培養すると培養物中にカルボスチリル及び/また
は6−ヒドロキシカルボスチリルが生産されることを見
いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明はシュー
ドモナス属に属し、キノリンをカルボスチリル及び/ま
たは6−ヒドロキシカルボスチリルに変換する能力を有
する微生物をキノリンを主炭素源とする培地に培養する
か、該微生物またはその処理物とキノリンとを水性媒体
中で接触させて、菌体外にカルボスチリル及び/または
6−ヒドロキシカルボスチリルを生成蓄積させ、ついで
生成蓄積したカルボスチリル及び/または6−ヒドロキ
シカルボスチリルを採取することを特徴とするカルボス
チリル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルの製
造方法に関する。
微生物酸化する能力を有する微生物を自然界より探索し
たところ、福岡県北九州市のタール化学工場土壌より分
離されたシュードモナス属に属すると認められる菌株が
そのような能力を有しており、キノリンを炭素源とする
培地で培養すると培養物中にカルボスチリル及び/また
は6−ヒドロキシカルボスチリルが生産されることを見
いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明はシュー
ドモナス属に属し、キノリンをカルボスチリル及び/ま
たは6−ヒドロキシカルボスチリルに変換する能力を有
する微生物をキノリンを主炭素源とする培地に培養する
か、該微生物またはその処理物とキノリンとを水性媒体
中で接触させて、菌体外にカルボスチリル及び/または
6−ヒドロキシカルボスチリルを生成蓄積させ、ついで
生成蓄積したカルボスチリル及び/または6−ヒドロキ
シカルボスチリルを採取することを特徴とするカルボス
チリル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルの製
造方法に関する。
【0006】本発明に使用される微生物としては、シュ
ードモナス属に属し、カルボスチリル及び/または6−
ヒドロキシカルボスチリルを生産する能力を有する菌で
あればいずれの微生物でもよいが、代表的な菌として本
発明者らが土壌より分離したシュードモナス・アルカリ
ゲネス(Pseudomonas alcaligenes)NSCC817株
を例示できる。NSCC817株は次の菌学的性質を有
している。 I.形態的性質 (1) 菌形 :桿菌 (2) 大きさ :0.5 〜0.8 μm×1.5 〜2.5 μm (3) 運動性 :有り (4) ベン毛 :極ベン毛 (5) 多形性 :なし (6) 胞子 :なし (7) グラム染色 :陰性 II.各種培地における生育状態 (1) 肉汁寒天平板培養 :生育良好、円形、淡黄褐色 (2) 肉汁寒天斜面培養 :生育良好 (3) 肉汁液体培養 :生育良好、白濁、 (4) 肉汁ゼラチン穿刺培養:表層部で生育、ゼラチンを
液化しない
ードモナス属に属し、カルボスチリル及び/または6−
ヒドロキシカルボスチリルを生産する能力を有する菌で
あればいずれの微生物でもよいが、代表的な菌として本
発明者らが土壌より分離したシュードモナス・アルカリ
ゲネス(Pseudomonas alcaligenes)NSCC817株
を例示できる。NSCC817株は次の菌学的性質を有
している。 I.形態的性質 (1) 菌形 :桿菌 (2) 大きさ :0.5 〜0.8 μm×1.5 〜2.5 μm (3) 運動性 :有り (4) ベン毛 :極ベン毛 (5) 多形性 :なし (6) 胞子 :なし (7) グラム染色 :陰性 II.各種培地における生育状態 (1) 肉汁寒天平板培養 :生育良好、円形、淡黄褐色 (2) 肉汁寒天斜面培養 :生育良好 (3) 肉汁液体培養 :生育良好、白濁、 (4) 肉汁ゼラチン穿刺培養:表層部で生育、ゼラチンを
液化しない
【0007】III.生理学的性質 (1) 硝酸塩の還元 :陽性 (2) 脱窒反応 :陰性 (3) インドールの生成 :陰性 (4) 色素の生成 :陰性 (5) カタラーゼ :陽性 (6) オキシダーゼ :陽性 (7) DNase :陰性 (8) アシルアミダーゼ :陽性 (9) リパーゼ :陰性 (10) ウレアーゼ :陰性 (11) アルギニンジヒドロラーゼ :陰性 (12) リジンデカルボキシラーゼ :陰性 (13) オルニチンデカルボキシラーゼ :陰性 (14) β−ガラクトシダーゼ:陰性 (15) O−Fテスト :糖を分解しない (16) 41℃での増殖 :陽性 (17) エスクリン加水分解 :陰性 (18) クエン酸培地での生育:陰性 (19) 生育の範囲 :温度25〜41℃、pH6
〜9で生育する。 (20) 酸素に対する態度 :好気性
〜9で生育する。 (20) 酸素に対する態度 :好気性
【0008】(21) 炭素源資化性 D−グルコース − D−フラクトース − D−キシロース − D−ガラクトース − D−マンニトール − L−アラビノース − D−マンノース − L−ラムノース − マルトース − ラクトース − スクロース − マロン酸 − コハク酸 + マレイン酸 + 酢酸 + プロピオン酸 + メタノール − エタノール + テストステロン − IV.分離源 福岡県北九州市内タール化学工場土壌
【0009】以上の菌学的性質をもとにバージェイ・マ
ニュアル・オブ・システマチック・バクテリオロジー第
一巻(Bergey's Manual of Systematic Bacteriologyvo
lume 1) により同定を行うと、本菌株はシュードモナス
・アルカリゲネスの菌学的性質と一致したため、シュー
ドモナス・アルカリゲネスNSCC817株と命名し
た。本菌株は工業技術院微生物工業技術研究所に微工研
菌寄第12586号として寄託されている。
ニュアル・オブ・システマチック・バクテリオロジー第
一巻(Bergey's Manual of Systematic Bacteriologyvo
lume 1) により同定を行うと、本菌株はシュードモナス
・アルカリゲネスの菌学的性質と一致したため、シュー
ドモナス・アルカリゲネスNSCC817株と命名し
た。本菌株は工業技術院微生物工業技術研究所に微工研
菌寄第12586号として寄託されている。
【0010】本発明におけるカルボスチリル及び/また
は6−ヒドロキシカルボスチリルの生産はキノリン含有
培地で上記微生物を培養することによって行ってもよく
(以下、第1法という)、また微生物またはその処理物
を水性媒体中でキノリンと接触させることによって行っ
てもよい(以下、第2法という)。まず第1法について
述べる。本微生物の培養においては通常の微生物の培養
法が用いられる。炭素源としてはキノリン、窒素源、無
機塩類、ビタミンその他の栄養因子を適当に含有する培
地であれば、天然培地でも合成培地でも使用し得る。炭
素源はキリノンのみよりなるのが好適であるが、これに
加え少量の他の資化しうる炭素源、例えばコハク酸、マ
レイン酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸を適宜用いる
ことができる。かかる他の炭素源の使用量は目的物であ
るカルボスチリル及び/または6−ヒドロキシカルボス
チリルの生産性に影響を及ぼさない範囲の使用量である
ことが好ましく、通常キノリン100重量部に対し5〜
50重量部であることが好ましい。
は6−ヒドロキシカルボスチリルの生産はキノリン含有
培地で上記微生物を培養することによって行ってもよく
(以下、第1法という)、また微生物またはその処理物
を水性媒体中でキノリンと接触させることによって行っ
てもよい(以下、第2法という)。まず第1法について
述べる。本微生物の培養においては通常の微生物の培養
法が用いられる。炭素源としてはキノリン、窒素源、無
機塩類、ビタミンその他の栄養因子を適当に含有する培
地であれば、天然培地でも合成培地でも使用し得る。炭
素源はキリノンのみよりなるのが好適であるが、これに
加え少量の他の資化しうる炭素源、例えばコハク酸、マ
レイン酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸を適宜用いる
ことができる。かかる他の炭素源の使用量は目的物であ
るカルボスチリル及び/または6−ヒドロキシカルボス
チリルの生産性に影響を及ぼさない範囲の使用量である
ことが好ましく、通常キノリン100重量部に対し5〜
50重量部であることが好ましい。
【0011】窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化
アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、リ
ン酸アンモニウムなどの無機窒素源、ペプトン、肉エキ
ス、コーンスティープリカー、酵母エキス、カザミノ
酸、大豆粉などが単独または組み合わせて用いられる。
また窒素源を加えることなく、キノリン分子内の窒素を
窒素源として利用させることも可能である。無機塩とし
ては、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、硫酸マグネ
シウム、硫酸マンガン、硫酸鉄、塩化第二鉄、硫酸亜
鉛、硫酸銅、モリブデン酸アンモニウム、ほう酸、ヨウ
化カリウム、塩化ナトリウム等を適宜選択して加えるこ
とができる。さらに生育に必要な栄養因子としては、ビ
タミン類、アミノ酸、核酸およびその塩類が例示され
る。またペプトン、肉エキス、コーンスティープリカ
ー、酵母エキス、カザミノ酸などの栄養因子を含有する
天然有機栄養物を適当に添加することができる。前述の
各培地成分を適当量混合して、カルボスチリル及び/ま
たは6−ヒドロキシカルボスチリルの生産に適当な培地
を調製する。
アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、リ
ン酸アンモニウムなどの無機窒素源、ペプトン、肉エキ
ス、コーンスティープリカー、酵母エキス、カザミノ
酸、大豆粉などが単独または組み合わせて用いられる。
また窒素源を加えることなく、キノリン分子内の窒素を
窒素源として利用させることも可能である。無機塩とし
ては、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、硫酸マグネ
シウム、硫酸マンガン、硫酸鉄、塩化第二鉄、硫酸亜
鉛、硫酸銅、モリブデン酸アンモニウム、ほう酸、ヨウ
化カリウム、塩化ナトリウム等を適宜選択して加えるこ
とができる。さらに生育に必要な栄養因子としては、ビ
タミン類、アミノ酸、核酸およびその塩類が例示され
る。またペプトン、肉エキス、コーンスティープリカ
ー、酵母エキス、カザミノ酸などの栄養因子を含有する
天然有機栄養物を適当に添加することができる。前述の
各培地成分を適当量混合して、カルボスチリル及び/ま
たは6−ヒドロキシカルボスチリルの生産に適当な培地
を調製する。
【0012】培養は、好気的培養法、例えば振盪培養法
または通気攪拌培養法によって行うのが最適であるが、
適宜液体静置培養法を組み合わせることもできる。培養
温度は20〜40℃、特に25〜35℃が適当で、培地
のpHは6〜9であればよい。培地中のキノリンの濃度
は、通常 0.03 〜0.3 %(w/v)でよいが、好ましくは0.
05〜 0.1%(w/v) である。キノリンを炭素源として培地
pH7.0付近で30℃で振盪培養すると、カルボスチリル
は培養1日目頃から、6−ヒドロキシカルボスチリルは
培養2日目頃から培養液中に生成蓄積される。このこと
から、カルボスチリルを経由して6−ヒドロキシカルボ
スチリルが生成すると考えられ、カルボスチリルを目的
とする場合は比較的初期に培養を終了し、6−ヒドロキ
シカルボスチリルを目的とする場合は比較的長期間培養
を行う。培養は通常4〜5日で終了するが、カルボスチ
リル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルの生産
量が最大に達した時点で終了する。
または通気攪拌培養法によって行うのが最適であるが、
適宜液体静置培養法を組み合わせることもできる。培養
温度は20〜40℃、特に25〜35℃が適当で、培地
のpHは6〜9であればよい。培地中のキノリンの濃度
は、通常 0.03 〜0.3 %(w/v)でよいが、好ましくは0.
05〜 0.1%(w/v) である。キノリンを炭素源として培地
pH7.0付近で30℃で振盪培養すると、カルボスチリル
は培養1日目頃から、6−ヒドロキシカルボスチリルは
培養2日目頃から培養液中に生成蓄積される。このこと
から、カルボスチリルを経由して6−ヒドロキシカルボ
スチリルが生成すると考えられ、カルボスチリルを目的
とする場合は比較的初期に培養を終了し、6−ヒドロキ
シカルボスチリルを目的とする場合は比較的長期間培養
を行う。培養は通常4〜5日で終了するが、カルボスチ
リル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルの生産
量が最大に達した時点で終了する。
【0013】次に第2法について述べる。第2法は前記
微生物またはその処理物を水性媒体中で酸素ガスの存在
下、例えば大気下または通気条件下、キノリンと接触反
応させる方法であり、微生物の増殖は生じても生じなく
ともよい。処理物としては、固定化菌体、菌体からの抽
出酵素標品などがある。
微生物またはその処理物を水性媒体中で酸素ガスの存在
下、例えば大気下または通気条件下、キノリンと接触反
応させる方法であり、微生物の増殖は生じても生じなく
ともよい。処理物としては、固定化菌体、菌体からの抽
出酵素標品などがある。
【0014】この反応は水性媒体中に前記微生物(前記
微生物の培養液またはその濃縮物であってもよい)また
は前記微生物の固定化菌体、前記微生物菌体から抽出し
た酵素等の処理物を懸濁させた懸濁液にキノリンを存在
させ、pH6〜9、20〜40℃、好ましくは25〜3
5℃で、通常振盪もしくは通気攪拌下に反応させること
により、1〜2日間でカルボスチリル、2〜5日間で6
−ヒドロキシカルボスチリルを主として菌体外に蓄積さ
せることができる。反応液中におけるキノリンの濃度は
0.03〜0.3%(w/v) 特に0.05〜0.1%(w/
v) が適当である。また、上記第2法は本発明使用菌を
常法により固定化して得た固定化菌体を用いるバイオリ
アクター方式によってキノリンを目的物へ連続的に変換
することによって行うこともできる。
微生物の培養液またはその濃縮物であってもよい)また
は前記微生物の固定化菌体、前記微生物菌体から抽出し
た酵素等の処理物を懸濁させた懸濁液にキノリンを存在
させ、pH6〜9、20〜40℃、好ましくは25〜3
5℃で、通常振盪もしくは通気攪拌下に反応させること
により、1〜2日間でカルボスチリル、2〜5日間で6
−ヒドロキシカルボスチリルを主として菌体外に蓄積さ
せることができる。反応液中におけるキノリンの濃度は
0.03〜0.3%(w/v) 特に0.05〜0.1%(w/
v) が適当である。また、上記第2法は本発明使用菌を
常法により固定化して得た固定化菌体を用いるバイオリ
アクター方式によってキノリンを目的物へ連続的に変換
することによって行うこともできる。
【0015】第1法、第2法いずれの場合にも培養また
は反応終了液からのカルボスチリル及び/または6−ヒ
ドロキシカルボスチリルの分離は、発酵生産された有機
化合物の培養液からの分離に通常用いられる方法で行え
ばよい。例えば、菌体除去後の培養液からの分離に通常
用いられる方法で行えばよい。例えば、菌体除去後の培
養液を適当な有機溶媒で抽出し、減圧下で濃縮する。抽
出の際、使用しうる有機溶媒として酢酸エチル、ジエチ
ルエーテル、アセトン、ブタノール、テトラヒドロフラ
ンなどが挙げられる。濃縮液をさらにTLC等に付して
カルボスチリル及び/または6−ヒドロキシカルボスチ
リルを分離する。なお、目的物の同定はFD−MS、1
H−NMR、IR、UV、融点等により行うことができ
る。
は反応終了液からのカルボスチリル及び/または6−ヒ
ドロキシカルボスチリルの分離は、発酵生産された有機
化合物の培養液からの分離に通常用いられる方法で行え
ばよい。例えば、菌体除去後の培養液からの分離に通常
用いられる方法で行えばよい。例えば、菌体除去後の培
養液を適当な有機溶媒で抽出し、減圧下で濃縮する。抽
出の際、使用しうる有機溶媒として酢酸エチル、ジエチ
ルエーテル、アセトン、ブタノール、テトラヒドロフラ
ンなどが挙げられる。濃縮液をさらにTLC等に付して
カルボスチリル及び/または6−ヒドロキシカルボスチ
リルを分離する。なお、目的物の同定はFD−MS、1
H−NMR、IR、UV、融点等により行うことができ
る。
【0016】
【実施例】次に本発明方法を実施例により具体的に説明
する。 実施例1 種培養は、太型試験管中のキノリン 0.03w/v%を加えた
表1に示す培地10mlにシュードモナス・アルカリゲネス
NSCC817株(微工研菌寄第12586号)を接種
し、30℃で2日間振盪培養することにより行った。本
培養は、キノリン 0.05w/v%を加えた同組成の培地を2
L容ヒダ付き三角フラスコに500ml分注し、種培養液
10mlを接種し、30℃で24時間、回転型振盪培養機
で毎分150回転振盪培養することにより行った。培養
終了液を8,000rpmで15分間遠心分離し、菌体除去後、
上澄液をHPLCで分析したところ、上澄液中にカルボ
スチリル59mg/Lが含有されていた。上澄液を2倍量の
酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合し、ロータリー
エバポレータで濃縮乾固し、カルボスチリルを含む粉末
をメタノールに溶解し、TLC(トルエン/酢酸エチル
/酢酸=60/48/8)で展開し、カルボスチリルに
相当するスポットを掻き取り、酢酸エチルで抽出し、抽
出液を濃縮乾固した。FD−MS、1H−NMR、IR、
UV、融点によりカルボスチリルであることを確認し
た。最終的に培養上澄液1Lあたり12mgのカルボスチ
リルを得た。
する。 実施例1 種培養は、太型試験管中のキノリン 0.03w/v%を加えた
表1に示す培地10mlにシュードモナス・アルカリゲネス
NSCC817株(微工研菌寄第12586号)を接種
し、30℃で2日間振盪培養することにより行った。本
培養は、キノリン 0.05w/v%を加えた同組成の培地を2
L容ヒダ付き三角フラスコに500ml分注し、種培養液
10mlを接種し、30℃で24時間、回転型振盪培養機
で毎分150回転振盪培養することにより行った。培養
終了液を8,000rpmで15分間遠心分離し、菌体除去後、
上澄液をHPLCで分析したところ、上澄液中にカルボ
スチリル59mg/Lが含有されていた。上澄液を2倍量の
酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合し、ロータリー
エバポレータで濃縮乾固し、カルボスチリルを含む粉末
をメタノールに溶解し、TLC(トルエン/酢酸エチル
/酢酸=60/48/8)で展開し、カルボスチリルに
相当するスポットを掻き取り、酢酸エチルで抽出し、抽
出液を濃縮乾固した。FD−MS、1H−NMR、IR、
UV、融点によりカルボスチリルであることを確認し
た。最終的に培養上澄液1Lあたり12mgのカルボスチ
リルを得た。
【0017】実施例2 種培養は、大型試験管中のキノリン 0.03w/v%を加えた
表1に示す培地10mlにシュードモナス・アルカリゲネ
スNSCC817株(微工研菌寄第12586号)を接
種し、30℃で24時間培養し、さらにキノリン0.05w/
v %を加えた同組成の培地を2L容ヒダ付き三角フラス
コに300ml分注し、試験管培養液20mlを接種し、3
0℃で24時間、回転型振盪培養機で振盪培養すること
により行った。本培養は、キノリン0.075w/v%を加えた
同組成の培地を5L容発酵槽に2.7 L分注し、種培養液
300mlを接種し、30℃、攪拌回転数500rpm、通気量
0.5VVM(L/L/min) で85時間通気攪拌培養することにより
行った。
表1に示す培地10mlにシュードモナス・アルカリゲネ
スNSCC817株(微工研菌寄第12586号)を接
種し、30℃で24時間培養し、さらにキノリン0.05w/
v %を加えた同組成の培地を2L容ヒダ付き三角フラス
コに300ml分注し、試験管培養液20mlを接種し、3
0℃で24時間、回転型振盪培養機で振盪培養すること
により行った。本培養は、キノリン0.075w/v%を加えた
同組成の培地を5L容発酵槽に2.7 L分注し、種培養液
300mlを接種し、30℃、攪拌回転数500rpm、通気量
0.5VVM(L/L/min) で85時間通気攪拌培養することにより
行った。
【0018】培養終了液を8,000rpmで15分間遠心分離
し、菌体除去後、上澄液を2倍量の酢酸エチルで3回抽
出した。抽出液を合し、ロータリーエバポレータで濃縮
乾固し、6−ヒドロキシカルボスチリルを含む粉末をメ
タノールに溶解し、TLC(トルエン/酢酸エチル/酢
酸=60/48/8)で展開し、6−ヒドロキシカルボ
スチリルに相当するスポットを掻き取り、酢酸エチルで
抽出し、抽出液を濃縮乾固した。FD−MS、融点、I
R、UV、1 H−NMRにより6−ヒドロキシカルボス
チリルであることを確認した。最終的に培養上澄液1L
あたり2mgの6−ヒドロキシカルボスチリルを得た。
し、菌体除去後、上澄液を2倍量の酢酸エチルで3回抽
出した。抽出液を合し、ロータリーエバポレータで濃縮
乾固し、6−ヒドロキシカルボスチリルを含む粉末をメ
タノールに溶解し、TLC(トルエン/酢酸エチル/酢
酸=60/48/8)で展開し、6−ヒドロキシカルボ
スチリルに相当するスポットを掻き取り、酢酸エチルで
抽出し、抽出液を濃縮乾固した。FD−MS、融点、I
R、UV、1 H−NMRにより6−ヒドロキシカルボス
チリルであることを確認した。最終的に培養上澄液1L
あたり2mgの6−ヒドロキシカルボスチリルを得た。
【0019】
【表 1】 表1.培地組成 ─────────────────────── K2HPO4・3H2O 0.79 g MgSO4 ・7H2O 0.20 g FeSO4 ・7H2O 0.02 g NaCl 1.00 g (NH4)2SO4 1.00 g H3BO3 0.50 mg CuSO4 ・5H2O 0.04 mg KI 0.10 mg FeCl3 ・6H2O 0.20 mg MnSO4 ・4H2O 0.40 mg ZnSO4 ・7H2O 0.40 mg (NH4)6Mo7O24・4H2O 0.20 mg ビオチン 0.10 mg ビタミンB12 0.03 mg 脱イオン水 1000 ml pH 7.2 ───────────────────────
【0020】
【発明の効果】本発明の方法によれば、医薬品合成中間
体等として有用であるカルボスチリル及び/または6−
ヒドロキシカルボスチリルを安価な工業原料であるキノ
リンから常温常圧下で、副生成物が少なく高純度で製造
することができる。
体等として有用であるカルボスチリル及び/または6−
ヒドロキシカルボスチリルを安価な工業原料であるキノ
リンから常温常圧下で、副生成物が少なく高純度で製造
することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 シュードモナス属に属し、キノリンをカ
ルボスチリル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリ
ルに変換する能力を有する微生物をキノリンを主炭素源
とする培地に培養するか、該微生物またはその処理物と
キノリンとを水性媒体中で接触させて、菌体外にカルボ
スチリル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルを
生成蓄積させ、ついで生成蓄積したカルボスチル及び/
または6−ヒドロキシカルボスチリルを採取することを
特徴とするカルボスチリル及び/または6−ヒドロキシ
カルボスチリルの製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31833891 | 1991-11-06 | ||
| JP3-318338 | 1991-11-06 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05304973A true JPH05304973A (ja) | 1993-11-19 |
Family
ID=18098053
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4080433A Withdrawn JPH05304973A (ja) | 1991-11-06 | 1992-03-02 | カルボスチリル及び/または6−ヒドロキシカルボスチリルの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05304973A (ja) |
-
1992
- 1992-03-02 JP JP4080433A patent/JPH05304973A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990518 |