JPH0530840B2 - - Google Patents
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- JPH0530840B2 JPH0530840B2 JP62155390A JP15539087A JPH0530840B2 JP H0530840 B2 JPH0530840 B2 JP H0530840B2 JP 62155390 A JP62155390 A JP 62155390A JP 15539087 A JP15539087 A JP 15539087A JP H0530840 B2 JPH0530840 B2 JP H0530840B2
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- Japan
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- crude
- lipoprotein
- precipitate
- freeze
- minutes
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明はリポ蛋白質に関する。更に詳しくは、
顕著な肺胞内表面活性を有するサーフアクタント
の一構成成分であるリポ蛋白質及びそれの製造法
に関する。 従来の技術 近年、致死率の高い呼吸窮迫症候群の治療にお
いて、欠如した肺表面活性物質を代用物で補充す
る方法が重視され、その代用物として、哺乳動物
の肺臓組織に存在するリン脂質、中性脂質、総コ
レステロール及び炭水化物並びに微量の蛋白質か
らなる物質(以下TA−546と略す;特開昭55−
160721号公報)が報告されている。一方、哺乳動
物の肺胞内に散在する肺表面活性物質、例えば羊
の肺から肺洗浄法で分離採取した物質[ペデイア
トリツク・リサーチ(Pediatric Research)12
巻841頁1978年]にも、蛋白質が含まれているこ
とが報告されている。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、TA−546又は肺表面活性物質
に含有されている蛋白質は、いかなる種類又は組
成の蛋白質であるかは全く不明であり、両物質の
蛋白質の分析定量方法を考慮すれば、リポ蛋白質
とそれ以外の種々の蛋白質の総和で把握されてい
るにすぎないのが明白である。 本発明者らは、TA−546及び肺表面活性物質
を構成する個々の成分について鋭意研究した結
果、哺乳動物の肺臓由来蛋白質のうち、特にリ
ポ蛋白質が、ジパルミトイルホスフアチジルコリ
ンなどのコリンホスホグリセリド、ホスフアチジ
ルグリセロール又はホスフアチジルセリンなどの
酸性リン脂質及びパルミチン酸などの脂肪酸類の
三成分に加えて、肺胞内表面活性を示すのに不可
欠な一構成成分であること、並びにこのリポ蛋
白質は脂肪酸類とともに、肺胞内の気液面におけ
るコリンホスホグリセリド及び酸性リン脂質の吸
着拡散に関与し、かつ肺胞収縮時における表面張
力低下効果を助長する成分であり、これ単独では
肺胞内表面張力低下効果が全く発現しないことの
知見を得て本発明に到達した。 問題点を解決するための手段 本発明によれば、哺乳動物の肺臓又は人羊水か
ら得られるリポ蛋白質であつて、その化学組成が
一定比率のリン脂質分、蛋白質分、水分及び不明
組成分からなるリポ蛋白質が提供される。更に本
発明によれば、該リポ蛋白質の製造法が提供され
る。 本発明リポ蛋白質は以下のように製造される。 (a) 牛、馬、羊又は豚等の哺乳動物から摘出した
肺臓を拳大の塊に分断し、不要な血管、気管、
脂肪体及び血液等を除去したのち肉ひき機を用
いて細断する。つぎに得られた肺臓細片を生理
食塩液に0〜20℃で15〜120分間攪拌下で接触
させたのちこれを圧搾濾過し、粗抽出液を採取
する。人羊水を原料とする場合は、適当量の人
羊水を採集し、これをそのまま粗抽出液とす
る。 (b) この粗抽出液を0〜10℃で8000〜20000r.p.
m.の回転速度で遠心分離し粗沈澱物を得る。
粗沈澱物中に残存する不要な肺臓組織片は該沈
澱物を生理食塩液などの電解質溶液に再懸濁
し、これを500〜2000r.p.m.で遠心分離して除
去する。 (c) ついでこの粗沈澱物を水に懸濁し、これに塩
化ナトリウムを加えて液の比重を1.10〜1.20に
調整する。この調整液を0〜10℃で20〜180分
間、5000〜13000r.p.m.の回転速度で遠心分離
して三層に分け、上層の乳濁上薄部を分取す
る。 (d) この乳濁上薄部を水に懸濁し、得られた懸濁
液を水に対して4〜10℃で6〜24時間、セロハ
ン膜を用いて透析し、透析内液を得る。この透
析内液をついで凍結乾燥して粗乾燥物を得る。 (e) 得られた粗乾燥物を20〜200倍重量の酢酸エ
チル又はアセトンに−10〜10℃で接触させ、30
〜60分攪拌したのち不溶物を採取する、この不
溶物を乾燥し、ついで80〜200倍重量のクロロ
ホルム−メタノール混合液(容量比2:1)に
接触させ、10〜40分間攪拌したのち抽出濾液を
採取する。 (f) この抽出濾液を減圧乾固し、得られた固形残
渣を2〜15倍重量、好適には5〜8倍重量のク
ロロホルム−メタノール混合液(容量比2:1
乃至4:1)に溶解する。この溶液をセフアデ
ツクスLH−20、同LH−60又は同G−25(フア
ルマシア・フアインケミカル社製)などのよう
なデキストランゲルを担体としたカラムに付し
てゲル濾過し、ボイドボリユーム画分を採取す
る。使用するデキストランゲルカラムは予め固
形残渣を溶解する上述の混合液と同一の溶媒で
平衡化しておくのが望ましい。デキストランゲ
ルのカラムベツド体積はゲル濾過しようとする
固形残渣1gに対して600ml以上になるように
し、該カラムのデキストランゲル層の長さはカ
ラム直径の大小を問わず50cm以上、好適には80
cm以上になるようにするのが適当である。 (g) 上述のボイドボリユーム画分を減圧乾固し、
ついでこれを水に懸濁したのち凍結乾燥すると
リポ蛋白質が淡黄褐色乃至黄褐色の粉末として
得られる。 [リポ蛋白質の理化学的性質] (i) 分子量 SDS−ゲル電気泳動法(別冊蛋白質核酸酵
素;生体膜実験法(上)230頁1974年)に準じ
た方法により測定した分子量は30000〜38000で
ある。 (ii) 化学組成 このリポ蛋白質の化学組成比は第1表に示す
とおりである。同表において、組成比はリポ蛋
白質の総重量に対する各組成分の重量百分率で
ある。リン脂質分の重量はリポ蛋白質中のリン
含量をキングらの方法[バイオケミカル・ジヤ
ーナル(Biochemical Journal)26巻292頁
1932年]に準じた方法で測定し、そのリン含量
に25を乗じて求めた。蛋白質分の重量はデユー
リー・グリーブ(Dulley−Grieve)方法[ア
ナリテイカル・バイオケミストリー
(Analytical Biochemistry)64巻136頁1975
年]により定量し、牛血清アルブミンに換算し
て求めた。水分重量はカールフイツシヤー法で
測定した。なお不明組成分については、リポ蛋
白質の総重量と上述のようにして求めたリン脂
質分、蛋白質分及び水分の合計重量との差をそ
の重量とした。
顕著な肺胞内表面活性を有するサーフアクタント
の一構成成分であるリポ蛋白質及びそれの製造法
に関する。 従来の技術 近年、致死率の高い呼吸窮迫症候群の治療にお
いて、欠如した肺表面活性物質を代用物で補充す
る方法が重視され、その代用物として、哺乳動物
の肺臓組織に存在するリン脂質、中性脂質、総コ
レステロール及び炭水化物並びに微量の蛋白質か
らなる物質(以下TA−546と略す;特開昭55−
160721号公報)が報告されている。一方、哺乳動
物の肺胞内に散在する肺表面活性物質、例えば羊
の肺から肺洗浄法で分離採取した物質[ペデイア
トリツク・リサーチ(Pediatric Research)12
巻841頁1978年]にも、蛋白質が含まれているこ
とが報告されている。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、TA−546又は肺表面活性物質
に含有されている蛋白質は、いかなる種類又は組
成の蛋白質であるかは全く不明であり、両物質の
蛋白質の分析定量方法を考慮すれば、リポ蛋白質
とそれ以外の種々の蛋白質の総和で把握されてい
るにすぎないのが明白である。 本発明者らは、TA−546及び肺表面活性物質
を構成する個々の成分について鋭意研究した結
果、哺乳動物の肺臓由来蛋白質のうち、特にリ
ポ蛋白質が、ジパルミトイルホスフアチジルコリ
ンなどのコリンホスホグリセリド、ホスフアチジ
ルグリセロール又はホスフアチジルセリンなどの
酸性リン脂質及びパルミチン酸などの脂肪酸類の
三成分に加えて、肺胞内表面活性を示すのに不可
欠な一構成成分であること、並びにこのリポ蛋
白質は脂肪酸類とともに、肺胞内の気液面におけ
るコリンホスホグリセリド及び酸性リン脂質の吸
着拡散に関与し、かつ肺胞収縮時における表面張
力低下効果を助長する成分であり、これ単独では
肺胞内表面張力低下効果が全く発現しないことの
知見を得て本発明に到達した。 問題点を解決するための手段 本発明によれば、哺乳動物の肺臓又は人羊水か
ら得られるリポ蛋白質であつて、その化学組成が
一定比率のリン脂質分、蛋白質分、水分及び不明
組成分からなるリポ蛋白質が提供される。更に本
発明によれば、該リポ蛋白質の製造法が提供され
る。 本発明リポ蛋白質は以下のように製造される。 (a) 牛、馬、羊又は豚等の哺乳動物から摘出した
肺臓を拳大の塊に分断し、不要な血管、気管、
脂肪体及び血液等を除去したのち肉ひき機を用
いて細断する。つぎに得られた肺臓細片を生理
食塩液に0〜20℃で15〜120分間攪拌下で接触
させたのちこれを圧搾濾過し、粗抽出液を採取
する。人羊水を原料とする場合は、適当量の人
羊水を採集し、これをそのまま粗抽出液とす
る。 (b) この粗抽出液を0〜10℃で8000〜20000r.p.
m.の回転速度で遠心分離し粗沈澱物を得る。
粗沈澱物中に残存する不要な肺臓組織片は該沈
澱物を生理食塩液などの電解質溶液に再懸濁
し、これを500〜2000r.p.m.で遠心分離して除
去する。 (c) ついでこの粗沈澱物を水に懸濁し、これに塩
化ナトリウムを加えて液の比重を1.10〜1.20に
調整する。この調整液を0〜10℃で20〜180分
間、5000〜13000r.p.m.の回転速度で遠心分離
して三層に分け、上層の乳濁上薄部を分取す
る。 (d) この乳濁上薄部を水に懸濁し、得られた懸濁
液を水に対して4〜10℃で6〜24時間、セロハ
ン膜を用いて透析し、透析内液を得る。この透
析内液をついで凍結乾燥して粗乾燥物を得る。 (e) 得られた粗乾燥物を20〜200倍重量の酢酸エ
チル又はアセトンに−10〜10℃で接触させ、30
〜60分攪拌したのち不溶物を採取する、この不
溶物を乾燥し、ついで80〜200倍重量のクロロ
ホルム−メタノール混合液(容量比2:1)に
接触させ、10〜40分間攪拌したのち抽出濾液を
採取する。 (f) この抽出濾液を減圧乾固し、得られた固形残
渣を2〜15倍重量、好適には5〜8倍重量のク
ロロホルム−メタノール混合液(容量比2:1
乃至4:1)に溶解する。この溶液をセフアデ
ツクスLH−20、同LH−60又は同G−25(フア
ルマシア・フアインケミカル社製)などのよう
なデキストランゲルを担体としたカラムに付し
てゲル濾過し、ボイドボリユーム画分を採取す
る。使用するデキストランゲルカラムは予め固
形残渣を溶解する上述の混合液と同一の溶媒で
平衡化しておくのが望ましい。デキストランゲ
ルのカラムベツド体積はゲル濾過しようとする
固形残渣1gに対して600ml以上になるように
し、該カラムのデキストランゲル層の長さはカ
ラム直径の大小を問わず50cm以上、好適には80
cm以上になるようにするのが適当である。 (g) 上述のボイドボリユーム画分を減圧乾固し、
ついでこれを水に懸濁したのち凍結乾燥すると
リポ蛋白質が淡黄褐色乃至黄褐色の粉末として
得られる。 [リポ蛋白質の理化学的性質] (i) 分子量 SDS−ゲル電気泳動法(別冊蛋白質核酸酵
素;生体膜実験法(上)230頁1974年)に準じ
た方法により測定した分子量は30000〜38000で
ある。 (ii) 化学組成 このリポ蛋白質の化学組成比は第1表に示す
とおりである。同表において、組成比はリポ蛋
白質の総重量に対する各組成分の重量百分率で
ある。リン脂質分の重量はリポ蛋白質中のリン
含量をキングらの方法[バイオケミカル・ジヤ
ーナル(Biochemical Journal)26巻292頁
1932年]に準じた方法で測定し、そのリン含量
に25を乗じて求めた。蛋白質分の重量はデユー
リー・グリーブ(Dulley−Grieve)方法[ア
ナリテイカル・バイオケミストリー
(Analytical Biochemistry)64巻136頁1975
年]により定量し、牛血清アルブミンに換算し
て求めた。水分重量はカールフイツシヤー法で
測定した。なお不明組成分については、リポ蛋
白質の総重量と上述のようにして求めたリン脂
質分、蛋白質分及び水分の合計重量との差をそ
の重量とした。
【表】
(iii) 比旋光度
[α]23 D:−40°〜85°
測定溶媒は1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶
液を用い、試料濃度は0.1%(W/V)とした。
測定機器はDIP−180型自動旋光計(日本分光
(株)社製)を用いた。 (iv) 吸収スペクトル 赤外線吸収スペクトル及び紫外線吸収スペクト
ルは図1及び図2に示すとおりである。 (v) 溶解性等 クロロホルム、ベンゼン、メタノール、エタ
ノール、ジメチルスルホキシド及び水に不溶。
クロロホルム−メタノール混合液(容量比2:
1乃至4:1)には0.1%(W/V)濃度では
溶解する。0.1規定水酸化ナトリウム水溶液に
も不溶。このリポ蛋白質は水及び含水有機溶媒
には不溶のため、それの酸性、塩基性、中性の
区別はできない。 (vi) 呈色反応 キサントプロテイン反応は陽性。しかし、ビ
ユウレツト反応については陽性、陰性の明確な
判定はできない。 (vii) 肺胞内表面張力低下作用 このリポ蛋白質の生理食塩液面における表面
張力低下作用をウイルヘルミー法及びキングら
の方法[アメリカン・ジヤーナル・オブ・フイ
ジオロジー(American Journal of
Physiology)223巻715頁1972年]で測定した
ところ、当該作用は全く認められなかつた。 上述の理化学的性質を有する本発明リポ蛋白質
は、コリンホスホグリセリド、酸性リン脂質及び
脂肪酸類と混合することにより、顕著な肺胞内表
面活性を有するサーフアクタントに調製すること
ができる。混合比は、最終的に得られるサーフア
クタントの乾燥総重量に対し、リポ蛋白質は0.1
〜10.0%(W/W)となるようにし、コリンホス
ホグリセリドは50.6〜85.0%(W/W)、酸性リ
ン脂質は、4.5〜37.6%(W/W)及び脂肪酸類
は4.6〜24.6%(W/W)となるように設定する。 コリンホスホグリセリドとしては、1,2−ジ
パルミトイルグリセロ−(3)−ホスホコリン(別名
ジパルミトイルホスフアチジルコリン)、1,2
−ジステアロイルグリセロ−(3)−ホスホコリン、
1−パルミトイル−2−ステアロイルグリセロ−
(3)−ホスホコリンもしくは1−ステアロイル−2
−パルミトイルグリセロ−(3)−ホスホコリンなど
のような1,2−ジアシルグリセロ−(3)−ホスホ
コリン、1−ヘキサデシル−2−パルミトイルグ
リセロ−(3)−ホスホコリンもしくは1−オクタデ
シル−2−パルミトイルグリセロ−(3)−ホスホコ
リンなどのような1−アルキル−2−アシルグリ
セロ−(3)−ホスホコリン又は1,2−ジヘキサデ
シルグリセロ−(3)−ホスホコリンなどのような
1,2−ジアルキルグリセロ−(3)−ホスホコリン
が適当である。これらの化合物についてはグリセ
ロール残基の2位の炭素に基づく光学異性体が知
られているが、本サーフアクタントにおいてはD
体、L体又はD体及びL体が混在しているいわゆ
るD・L体のいずれを問わず使用することができ
る。このほかにコリンホスホグリセリドとして
は、上述の単品からなるコリンホスホグリセリド
以外に、炭素数が14〜24個のアシル基、好適には
飽和アシル基を2個有する1,2−ジアシルグリ
セロ−(3)−ホスホコリンの二種以上からなる混合
物、更には当該混合物と上述の単品との混合物も
使用することができる。 酸性リン脂質としては、1,2−ジアシル−sn
−グリセロ−(3)−リン酸(別名L−α−ホスフア
チジン酸)、1,2−ジアシル−sn−グリセロ−
(3)−ホスホ−L−セリン(別名ホスフアチジルセ
リン)1,2−ジアシル−sn−グリセロ−(3)−ホ
スホ−sn−グリセロール(別名ホスフアチジルグ
リセロール)又は1,2−ジアシル−sn−グリセ
ロ−(3)−ホスホ−(1)−L−myo−イノシトール
(別名ホスフアチジルイノシトール)が適当であ
る。これらの化合物において、1位及び2位は同
一種類又は異なる種類のアシル基でそれぞれ置換
されていてもよい。ここでのアシル基としては炭
素数が14〜24個のものが適当である。 次に、脂肪酸類としては、遊離脂肪酸、脂肪酸
のアルカリ金属塩、脂肪酸アルキルエステル、脂
肪酸グリセリンエステルもしくは脂肪酸アミド又
はこれらの二種以上からなる混合物、更には脂肪
アルコール又は脂肪族アミンが適当である、本明
細書において「脂肪酸類」とは、ここでいう脂肪
アルコール及び脂肪族アミンも包含する意味であ
る。遊離脂肪酸としてはパルミチン酸、ステアリ
ン酸又はオレイン酸が適当であるが、パルミチン
酸が好適である。脂肪酸のアルカリ金属塩として
はパルミチン酸ナトリウム又はステアリン酸ナト
リウムが、脂肪酸アルキルエステルとしてはパル
ミチン酸エチルエステルが、脂肪酸グリセリンエ
ステルとしてはモノパルミチン又はモノステアリ
ンが、脂肪酸アミドとしてはパルミチン酸アミド
がそれぞれ適当である。脂肪アルコールとしては
ヘキサデシルアルコール又はオクタデシルアルコ
ールが、脂肪族アミンとしてはヘキサデシルアミ
ンが適当である。 上述のコリンホスホグリセリド、酸性リン脂質
及び脂肪酸類は動植物から分離された製品、半合
成品又は化学合成品のいずれでもよく、それらの
市販品を使用することができる。 混合方法としては、上述の四成分をそのまま練
り合せたのち乾燥してサーフアクタントとする方
法又は四成分を有機溶媒に溶解して混合し、この
溶液を減圧乾固し、得られた残留物を適当な懸濁
溶媒を用いて懸濁し、ついで凍結乾燥する方法
(以下溶液法と略す)のいずれでもよいが、得ら
れたサーフアクタント中の四成分が生理食塩液に
均質に懸濁されやすいという理由から溶液法が好
適である。溶液法において四成分を混合するのに
用いる有機溶媒としてはクロロホルム−メタノー
ル混合液(容量比2:1乃至4:1)が適当であ
る。また懸濁溶媒としては水又は水−エタノール
混合液(容量比4:1乃至20:1)が適当である
が、水−エタノール混合液が好適である。懸濁は
30〜60℃、好適には40〜50℃で、5〜60分間、好
適には15〜30分間かけて行なうのが望ましい。こ
の溶液法により得られるサーフアクタントには製
法上、微量の水分の残存は避けられないが、その
残存重量比率が総重量に対して5.0%(W/W)
以下になるまで乾燥するのが望ましい。かかる程
度まで乾燥すれば、水−エタノール混合液を用い
る場合でもエタノールの残存は検出不能となる。 作用及び発明の効果 本発明リポ蛋白質の作用効果を、上述のように
して得られる四成分からなるサーフアクタント
(以下四成分SFと略す)と、リポ蛋白質を含まな
い三成分からなるサーフアクタント(以下三成分
SFと略す)との各代表例における表面活性の比
較でもつて説明する。なお、三成分SFはリポ蛋
白質を配合しないことを除き、上述の四成分SF
と同一の方法で製造した。 表面活性の比較試験は、表面張力低下作用、気
液面拡散作用及び肺胞腔容量維持作用を実験する
ことにより行つた。実験操作は以下のとおりであ
る。 (i) 表面張力低下作用 四成分SF及び三成分SFを54.0cm2の表面積を
有する生理食塩液に、1cm2あたり1.0〜2.0μg
滴下し、37℃で該表面積を54.0〜21.6cm2の範囲
内で2〜5分かけて増減した際の表面張力をウ
イルヘルミー法に準じて連続的に測定し、最大
表面張力及び最小表面張力を求めた。 (ii) 気液面拡散作用 生理食塩液の液面に、表面積1cm2あたり0.8
〜1.5μgの四成分SF及び三成分SFを滴下し、
滴下直後からの表面張力を垂直板法で経時的に
測定し、平衡表面張力及びその到達時間を求め
た。 (iii) 肺胞腔容量維持作用 在胎期間27日の兎胎仔5匹を用いて、気道内
圧の漸減下における肺胞腔容量、特に気道内圧
が5cmH2O(気道内圧が5cmH2Oであるという
ことは、生体の肺胞が虚脱状態への臨界点にあ
ることを意味する)の時の当該容量を測定し
た。この測定は胎仔の頚部を切開し露出させた
気管に接続させた水マノメーターを用いて、四
成分SF又は三成分SFを投与したのち5分後か
ら連続的に行つた。気道内圧は気管に接続させ
た2チヤンネル独立駆動シリンジポンプNo.940
(米国ハーバード社製)を用いて増減した。四
成分SF及び三成分SFの投与はその濃度が1.0〜
6.0%(W/V)になるように調製した生理食
塩液懸濁液0.05〜0.5mlを気道内に直接注入す
る方法で行なつた。なお、四成分SF又は三成
分SFの懸濁液にかえて生理食塩液を用いた以
外は上述と同様な方法で測定した対照群におい
ては、気道内圧5cmH2Oでの肺胞腔容量は約
2ml/Kgにすぎなかつた。 比較試験の結果を以下の比較例1〜4に示す。
各比較例における四成分SF及び三成分SFの組成
含量は、リポ蛋白質、コリンホスホグリセリド、
酸性リン脂質及び脂肪酸類についてはそれらの配
合重量で、水分については得られる各サーフアク
タントの乾燥総重量と四成分又は三成分の配合総
重量のとの差で表示した。また、乾燥総重量に対
する四成分又は三成分及び水分の含有率も参考の
ため併記した。
液を用い、試料濃度は0.1%(W/V)とした。
測定機器はDIP−180型自動旋光計(日本分光
(株)社製)を用いた。 (iv) 吸収スペクトル 赤外線吸収スペクトル及び紫外線吸収スペクト
ルは図1及び図2に示すとおりである。 (v) 溶解性等 クロロホルム、ベンゼン、メタノール、エタ
ノール、ジメチルスルホキシド及び水に不溶。
クロロホルム−メタノール混合液(容量比2:
1乃至4:1)には0.1%(W/V)濃度では
溶解する。0.1規定水酸化ナトリウム水溶液に
も不溶。このリポ蛋白質は水及び含水有機溶媒
には不溶のため、それの酸性、塩基性、中性の
区別はできない。 (vi) 呈色反応 キサントプロテイン反応は陽性。しかし、ビ
ユウレツト反応については陽性、陰性の明確な
判定はできない。 (vii) 肺胞内表面張力低下作用 このリポ蛋白質の生理食塩液面における表面
張力低下作用をウイルヘルミー法及びキングら
の方法[アメリカン・ジヤーナル・オブ・フイ
ジオロジー(American Journal of
Physiology)223巻715頁1972年]で測定した
ところ、当該作用は全く認められなかつた。 上述の理化学的性質を有する本発明リポ蛋白質
は、コリンホスホグリセリド、酸性リン脂質及び
脂肪酸類と混合することにより、顕著な肺胞内表
面活性を有するサーフアクタントに調製すること
ができる。混合比は、最終的に得られるサーフア
クタントの乾燥総重量に対し、リポ蛋白質は0.1
〜10.0%(W/W)となるようにし、コリンホス
ホグリセリドは50.6〜85.0%(W/W)、酸性リ
ン脂質は、4.5〜37.6%(W/W)及び脂肪酸類
は4.6〜24.6%(W/W)となるように設定する。 コリンホスホグリセリドとしては、1,2−ジ
パルミトイルグリセロ−(3)−ホスホコリン(別名
ジパルミトイルホスフアチジルコリン)、1,2
−ジステアロイルグリセロ−(3)−ホスホコリン、
1−パルミトイル−2−ステアロイルグリセロ−
(3)−ホスホコリンもしくは1−ステアロイル−2
−パルミトイルグリセロ−(3)−ホスホコリンなど
のような1,2−ジアシルグリセロ−(3)−ホスホ
コリン、1−ヘキサデシル−2−パルミトイルグ
リセロ−(3)−ホスホコリンもしくは1−オクタデ
シル−2−パルミトイルグリセロ−(3)−ホスホコ
リンなどのような1−アルキル−2−アシルグリ
セロ−(3)−ホスホコリン又は1,2−ジヘキサデ
シルグリセロ−(3)−ホスホコリンなどのような
1,2−ジアルキルグリセロ−(3)−ホスホコリン
が適当である。これらの化合物についてはグリセ
ロール残基の2位の炭素に基づく光学異性体が知
られているが、本サーフアクタントにおいてはD
体、L体又はD体及びL体が混在しているいわゆ
るD・L体のいずれを問わず使用することができ
る。このほかにコリンホスホグリセリドとして
は、上述の単品からなるコリンホスホグリセリド
以外に、炭素数が14〜24個のアシル基、好適には
飽和アシル基を2個有する1,2−ジアシルグリ
セロ−(3)−ホスホコリンの二種以上からなる混合
物、更には当該混合物と上述の単品との混合物も
使用することができる。 酸性リン脂質としては、1,2−ジアシル−sn
−グリセロ−(3)−リン酸(別名L−α−ホスフア
チジン酸)、1,2−ジアシル−sn−グリセロ−
(3)−ホスホ−L−セリン(別名ホスフアチジルセ
リン)1,2−ジアシル−sn−グリセロ−(3)−ホ
スホ−sn−グリセロール(別名ホスフアチジルグ
リセロール)又は1,2−ジアシル−sn−グリセ
ロ−(3)−ホスホ−(1)−L−myo−イノシトール
(別名ホスフアチジルイノシトール)が適当であ
る。これらの化合物において、1位及び2位は同
一種類又は異なる種類のアシル基でそれぞれ置換
されていてもよい。ここでのアシル基としては炭
素数が14〜24個のものが適当である。 次に、脂肪酸類としては、遊離脂肪酸、脂肪酸
のアルカリ金属塩、脂肪酸アルキルエステル、脂
肪酸グリセリンエステルもしくは脂肪酸アミド又
はこれらの二種以上からなる混合物、更には脂肪
アルコール又は脂肪族アミンが適当である、本明
細書において「脂肪酸類」とは、ここでいう脂肪
アルコール及び脂肪族アミンも包含する意味であ
る。遊離脂肪酸としてはパルミチン酸、ステアリ
ン酸又はオレイン酸が適当であるが、パルミチン
酸が好適である。脂肪酸のアルカリ金属塩として
はパルミチン酸ナトリウム又はステアリン酸ナト
リウムが、脂肪酸アルキルエステルとしてはパル
ミチン酸エチルエステルが、脂肪酸グリセリンエ
ステルとしてはモノパルミチン又はモノステアリ
ンが、脂肪酸アミドとしてはパルミチン酸アミド
がそれぞれ適当である。脂肪アルコールとしては
ヘキサデシルアルコール又はオクタデシルアルコ
ールが、脂肪族アミンとしてはヘキサデシルアミ
ンが適当である。 上述のコリンホスホグリセリド、酸性リン脂質
及び脂肪酸類は動植物から分離された製品、半合
成品又は化学合成品のいずれでもよく、それらの
市販品を使用することができる。 混合方法としては、上述の四成分をそのまま練
り合せたのち乾燥してサーフアクタントとする方
法又は四成分を有機溶媒に溶解して混合し、この
溶液を減圧乾固し、得られた残留物を適当な懸濁
溶媒を用いて懸濁し、ついで凍結乾燥する方法
(以下溶液法と略す)のいずれでもよいが、得ら
れたサーフアクタント中の四成分が生理食塩液に
均質に懸濁されやすいという理由から溶液法が好
適である。溶液法において四成分を混合するのに
用いる有機溶媒としてはクロロホルム−メタノー
ル混合液(容量比2:1乃至4:1)が適当であ
る。また懸濁溶媒としては水又は水−エタノール
混合液(容量比4:1乃至20:1)が適当である
が、水−エタノール混合液が好適である。懸濁は
30〜60℃、好適には40〜50℃で、5〜60分間、好
適には15〜30分間かけて行なうのが望ましい。こ
の溶液法により得られるサーフアクタントには製
法上、微量の水分の残存は避けられないが、その
残存重量比率が総重量に対して5.0%(W/W)
以下になるまで乾燥するのが望ましい。かかる程
度まで乾燥すれば、水−エタノール混合液を用い
る場合でもエタノールの残存は検出不能となる。 作用及び発明の効果 本発明リポ蛋白質の作用効果を、上述のように
して得られる四成分からなるサーフアクタント
(以下四成分SFと略す)と、リポ蛋白質を含まな
い三成分からなるサーフアクタント(以下三成分
SFと略す)との各代表例における表面活性の比
較でもつて説明する。なお、三成分SFはリポ蛋
白質を配合しないことを除き、上述の四成分SF
と同一の方法で製造した。 表面活性の比較試験は、表面張力低下作用、気
液面拡散作用及び肺胞腔容量維持作用を実験する
ことにより行つた。実験操作は以下のとおりであ
る。 (i) 表面張力低下作用 四成分SF及び三成分SFを54.0cm2の表面積を
有する生理食塩液に、1cm2あたり1.0〜2.0μg
滴下し、37℃で該表面積を54.0〜21.6cm2の範囲
内で2〜5分かけて増減した際の表面張力をウ
イルヘルミー法に準じて連続的に測定し、最大
表面張力及び最小表面張力を求めた。 (ii) 気液面拡散作用 生理食塩液の液面に、表面積1cm2あたり0.8
〜1.5μgの四成分SF及び三成分SFを滴下し、
滴下直後からの表面張力を垂直板法で経時的に
測定し、平衡表面張力及びその到達時間を求め
た。 (iii) 肺胞腔容量維持作用 在胎期間27日の兎胎仔5匹を用いて、気道内
圧の漸減下における肺胞腔容量、特に気道内圧
が5cmH2O(気道内圧が5cmH2Oであるという
ことは、生体の肺胞が虚脱状態への臨界点にあ
ることを意味する)の時の当該容量を測定し
た。この測定は胎仔の頚部を切開し露出させた
気管に接続させた水マノメーターを用いて、四
成分SF又は三成分SFを投与したのち5分後か
ら連続的に行つた。気道内圧は気管に接続させ
た2チヤンネル独立駆動シリンジポンプNo.940
(米国ハーバード社製)を用いて増減した。四
成分SF及び三成分SFの投与はその濃度が1.0〜
6.0%(W/V)になるように調製した生理食
塩液懸濁液0.05〜0.5mlを気道内に直接注入す
る方法で行なつた。なお、四成分SF又は三成
分SFの懸濁液にかえて生理食塩液を用いた以
外は上述と同様な方法で測定した対照群におい
ては、気道内圧5cmH2Oでの肺胞腔容量は約
2ml/Kgにすぎなかつた。 比較試験の結果を以下の比較例1〜4に示す。
各比較例における四成分SF及び三成分SFの組成
含量は、リポ蛋白質、コリンホスホグリセリド、
酸性リン脂質及び脂肪酸類についてはそれらの配
合重量で、水分については得られる各サーフアク
タントの乾燥総重量と四成分又は三成分の配合総
重量のとの差で表示した。また、乾燥総重量に対
する四成分又は三成分及び水分の含有率も参考の
ため併記した。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
上述の比較例1〜4から、本発明リポ蛋白質を
配合することにより、サーフアクタントの優れ
た表面張力低下効果の実現、サーフアクタント
の気液面拡散時間の短縮及び低い平衡表面張力の
発揮並びに十分な肺胞腔容量の確保等を可能な
らしめることが明白であり、従つて、本発明リポ
蛋白質はサーフアクタントの気液面拡散及び肺胞
収縮時の肺胞腔内表面張力の低下において側面か
ら重要な役割を担う成分であることが認められ
る。 本発明を実施例をもつて更に説明する。 実施例 1 (a) 牛の摘出肺臓128.3Kgを水で洗浄し、付着し
ている血液等を除去し、ついでこれを拳大の肉
塊に分断しハサミを用いて不要な血管、気管等
を切除した。この肉塊を肉ひき機を用いて細断
し肺臓細片120.1Kgを得た。この肺臓細片と生
理食塩液490とを混和し、4℃で100分間攪拌
し、ついで得られた混合液を濾過袋に注入して
圧搾濾過し粗抽出液470を得た。 (b) この粗抽出液を10000r.p.m.で遠心分離し粗
沈澱物を採取した。得られた粗沈澱物を100
の生理食塩液に再懸濁し、2000r.p.m.で10分間
遠心分離し残存する組織片等を沈澱物として除
去した。上層懸濁液は再度10000r.p.m.で遠心
分離し、粗沈澱物を再採取した。 (c) かくして得られた粗沈澱物を水85に懸濁
し、これに塩化ナトリウム25.7Kgを加え、液の
比重を約1.20に調整した。この調整液を10000r.
p.m.で50分間0℃で遠心分離して三層に分け、
乳濁上薄部を分取した。 (d) この乳濁上薄部を蒸留水に懸濁し蒸留水に対
してセロハン膜を用いて透析し、透析内液を得
た。この透析内液を凍結乾燥したところ960g
の粗乾燥物を得た。 (e) この粗乾燥物に5℃に冷却した酢酸エチル48
を添加し、45分間攪拌したのち減圧濾過し不
溶物を濾取した。この不溶物を乾燥したのち、
これにクロロホルム−メタノール混合液(容量
比2:1)28を添加し30分間攪拌後に濾紙濾
過し抽出濾液を得た。濾過残渣には再度、同混
合液28を添加し30分間攪拌後に濾紙濾過し2
次抽出濾液を得た。この操作はもう一回繰り返
し行い3次抽出濾液まで得た。得られた抽出濾
液は合算して82であつた。 (f) この抽出濾液を減圧乾固したところ160.4g
の固形残渣を得た。この固形残渣を25.0gずつ
6回に分けて以外の操作を行つた。まず、各固
形残渣25.0gをそれぞれクロロホルム−メタノ
ール混合液(容量比2:1)170mlに溶解した。
次に得られた各溶液をそれぞれ別個に同混合液
で平衡化したセフアデツクスLH−20カラム
(直径15.5cm×90cm;カラムベツド体積17.0)
に付し、同混合液を用いて流速5ml/分で溶出
してゲル濾過し、ボイドボリユーム画分をそれ
ぞれ採取した。6回の操作で得られたボイドボ
リユーム画分は全量で6480mlであつた。この画
分の微量を用い無菌試験を行つたところ無菌で
あることが確認されたので以下は無菌条件下で
操作した。 (g) ボイドボリユーム画分を減圧乾固し、ついで
これを無菌水に懸濁したのち凍結乾燥したとこ
ろリポ蛋白質8.3gが淡黄褐色粉末として得ら
れた。分子量は34000、比旋光度[α]23 Dは−
69°であつた。また化学組成はリン脂質分62.1
%(W/W)、蛋白質分31.3%(W/W)、水分
4.6%(W/W)及び不明組成分2.0%(W/
W)であつた。 実施例 2 (a) 牛の摘出肺臓15Kgに実施例1の(a)工程で述べ
たのと同様な操作をして肺臓細片13.7Kgを得
た。これを生理食塩液68に添加し、8℃で60
分間攪拌し、ついで得られた液を濾過袋に注入
して圧搾濾過し粗抽出液61を得た。 (b) この粗抽出液を12000r.p.m.で遠心分離し粗
沈澱物を採取した。得られた粗沈澱物に生理食
塩液11を加えて懸濁したのち、4℃で1500r.
p.m.の回転速度で遠心分離し残存する不要な組
織片等を沈澱物として除去した。上層懸濁液は
12000r.p.m.で遠心分離し、粗沈澱物を再採取
した。 (c) この粗沈澱物を水10に懸濁し、これに塩化
ナトリウム2.23Kgを加えて液の比重を約1.15に
調整し、ついでこの調整液を8000r.p.m.で60分
間10℃で遠心分離し乳濁上薄部を分取した。 (d) この乳濁上薄部を蒸留水に懸濁し、蒸留水に
対してセロハン膜を用いて透析し、ついで得ら
れた透析内液を凍結乾燥して粗乾燥物79gを得
た。 (e) この粗乾燥物にアセトン8を4℃で加え、
60分間攪拌した後濾紙濾過を行い不溶物を濾取
した。乾燥後この不溶物をクロロホルム−メタ
ノール混合液(容量比2:1)14に接触させ
40分間攪拌し、ついで濾紙濾過を行い抽出濾液
13.8を得た。 (f) この抽出濾液を減圧乾固し、固形残渣20.5g
を得た。得られた固形残渣をクロロホルム−メ
タノール混合液(容量比5:2)120mlに溶解
し、これを同混合液で平衡化したセフアデツク
スLH−20カラム(直径15.5cm×88cm;カラム
ベツド体積16.6)に付した。このカラムを同
混合液を用いて流速1ml/分で溶出してゲル濾
過し、ボイドボリユーム画分915mlを採取した。
この画分の微量を用い無菌試験を行つたところ
無菌であることが確認されたので以下は無菌条
件下で行つた。 (g) 上述のボイドボリユーム画分を減圧乾固し、
これを無菌水に懸濁しついで凍結乾燥し、黄褐
色のリポ蛋白質粉末1.5g得た。分子量は
34000、比旋光度[α]23 Dは−40°であり、化学
組成はリン脂質分70.2%(W/W)、蛋白質分
23.4%(W/W)、水分4.0%(W/W)及び不
明組成分2.4%(W/W)であつた。 実施例 3 (a) 豚の摘出肺臓36Kgに実施例1の(a)工程で述べ
たのと同様な操作をして肺臓細片33.5Kgを得
た。これを生理食塩液168に添加し、10℃で
30分間攪拌し、ついで得られた液を濾過袋に注
入したのち圧搾濾過し粗抽出液145を得た。 (b) この粗抽出液を14000r.p.m.で遠心分離し粗
沈澱物を得た。得られた粗沈澱物に生理食塩液
20を加えて懸濁したのち、4℃で1000r.p.m.
の回転速度で遠心分離し残存する不要な組織片
を沈澱物として除去した。上層懸濁液は
13000r.p.m.で遠心分離し、粗沈澱物を再採取
した。 (c) この粗沈澱物を水26に懸濁し、これに塩化
ナトリウム5.8Kgを加えて液の比重を約1.15に
調整し、ついでこの調整液を8000r.p.m.で30分
間4℃で遠心分離し乳濁上薄部を分取した。 (d) この乳濁上薄部を蒸留水に懸濁し蒸留水に対
してセロハン膜を用いて透析し、ついで得られ
た透析内液を凍結乾燥して粗乾燥物163gを得
た。 (e) この粗乾燥物にアセトン15を6℃で加え、
30分間攪拌した後濾紙濾過を行い不溶物を濾取
した。乾燥後この不溶物をクロロホルム−メタ
ノール混合液(容量比2:1)23に接触させ
20分間攪拌し、ついで濾紙濾過を行い抽出濾液
22を得た。 (f) この抽出濾液を減圧乾固し、固形残渣46.2g
を得た。得られた固形残渣20.0gをクロロホル
ム−メタノール混合液(容量比3:1)120ml
に溶解し、これを同混合液で平衡化したセフア
デツクスLH−20カラム(直径15.5cm×88cm;
カラムベツド体積16.6)に付した。このカラ
ムを同混合液を用いて流速3ml/分で溶出して
ゲル濾過し、ボイドボリユーム画分910mlを採
取した。この画分の微量を用いて無菌試験を行
つたところ無菌であることが確認されたので以
下の操作は無菌条件で行つた。 (g) 上述のボイドボリユーム画分を減圧乾固し、
これを無菌水に懸濁しついで凍結乾燥し、黄褐
色のリポ蛋白質粉末1.1g得た。分子量は
32000、比旋光度[α]23 Dは−51°であり、化学
組成はリン脂質分69.2%(W/W)、蛋白質分
26.4%(W/W)、水分3.0%(W/W)及び不
明組成分1.4%(W/W)であつた。 実施例 4 (a) 馬の摘出肺臓15Kgに実施例1の(a)工程で述べ
たのと同様な操作をして肺臓細片13.1Kgを得
た。これを生理食塩液65に添加し、4℃で30
分間攪拌し、ついで得られた液を濾過袋に注入
したのち圧搾濾過し粗抽出液56を得た。 (b) この粗抽出液を13000r.p.m.で遠心分離し粗
沈澱物を得た。得られた粗沈澱物に生理食塩液
9を加えて懸濁したのち、4℃で1500r.p.m.
の回転速度で遠心分離し残存する不要な組織片
を沈澱物として除去した。上層懸濁液は
10000r.p.m.で遠心分離し、粗沈澱物を再採取
した。 (c) この粗沈澱物を水10に懸濁し、これに塩化
ナトリウム2.86Kgを加えて液の比重を約1.20に
調整し、ついでこの調整液を8000r.p.m.で60分
間4℃で遠心分離し乳濁上薄部を分散した。 (d) この乳濁上薄部を蒸留水に懸濁し、蒸留水に
対してセロハン膜を用いて透析し、ついで得ら
れた透析内液を凍結乾燥して粗乾燥物76gを得
た。 (e) この粗乾燥物に酢酸エチル8を10℃で加
え、60分間攪拌した後濾紙濾過を行い不溶物を
濾取した。乾燥後この不溶物をクロロホルム−
メタノール混合液(容量比2:1)14に接触
させ20分間攪拌し、ついで濾紙濾過を行い抽出
濾液13.1を得た。 (f) この抽出濾液を減圧乾固し、固形残渣18.1g
を得た。得られた固形残渣をクロロホルム−メ
タノール混合液(容量比2:1)120mlに溶解
し、これを同混合液で平衡化したセフアデツク
スLH−20カラム(直径15.5cm×88cm;カラム
ベツド体積16.6)に付した。このカラムを同
混合液を用いて流速1ml/分で溶出してゲル濾
過し、ボイドボリユーム画分880mlを採取した。
この画分の微量を用い無菌試験を行つたところ
無菌であることが確認されたので以下は無菌条
件下で行つた。 (g) 上述のボイドボリユーム画分を減圧乾固し、
これを無菌水に懸濁しついで凍結乾燥し、黄褐
色のリポ蛋白質粉末0.8g得た。分子量は
38000、比旋光度[α]23 Dは−85°であり、化学
組成はリン脂質分48.5%(W/W)、蛋白質分
48.0%(W/W)、水分1.8%(W/W)及び不
明組成分1.7%(W/W)であつた。 実施例 5 (a) 羊の摘出肺臓15Kgに実施例1の(a)工程で述べ
たのと同様な操作をして肺臓細片13.4Kgを得
た。これを生理食塩液70に添加し、4℃で60
分間攪拌し、ついで得られた液を濾過袋に注入
したのち圧搾濾過し粗抽出液65を得た。 (b) この粗抽出液を14000r.p.m.で遠心分離し粗
沈澱物を得た。得られた粗沈澱物に生理食塩液
9を加えて懸濁したのち、4℃で1000r.p.m.
の回転速度で遠心分離し残存する不要な組織片
を沈澱物として除去した。上層懸濁液は
10000r.p.m.で遠心分離し、粗沈澱物を再採取
した。 (c) この粗沈澱物を水10に懸濁し、これに塩化
ナトリウム2.86Kgを加えて液の比重を約1.20に
調整し、ついでこの調整液を8000r.p.m.で60分
間4℃で遠心分離し乳濁上薄部を分取した。 (d) この乳濁上薄部を蒸留水に懸濁し、蒸留水に
対してセロハン膜を用いて透析し、ついで得ら
れた透析内液を凍結乾燥して粗乾燥物71gを得
た。 (e) この粗乾燥物に酢酸エチル8を10℃で加
え、60分間攪拌した後濾紙濾過を行い不溶物を
濾取した。乾燥後この不溶物をクロロホルム−
メタノール混合液(容量比2:1)14に接触
させ30分間攪拌し、ついで濾紙濾過を行い抽出
濾液13.7を得た。 (f) この抽出濾液を減圧乾固し、固形残渣17.5g
を得た。得られた固形残渣をクロロホルム−メ
タノール混合液(容量比2:1)120mlに溶解
し、これを同混合液で平衡化したセフアデツク
スLH−20カラム(直径15.5cm×88cm;カラム
ベツド体積16.6)に付した。このカラムを同
混合物を用いて流速1ml/分で溶出してゲル濾
過し、ボイドボリユーム画分860mlを採取した。
この画分の微量を用いて無菌試験を行つたとこ
ろ無菌であることが確認されたので以下の操作
は無菌条件下で行つた。 (g) 上述のボイドボリユーム画分を減圧乾固し、
これを無菌水に懸濁しついで凍結乾燥し、黄褐
色のリポ蛋白質粉末0.7g得た。分子量は
30000、比旋光度[α]23 Dは−79°であり、化学
組成はリン脂質分47.9%(W/W)、蛋白質分
44.8%(W/W)、水分5.0%(W/W)及び不
明組成分2.3%(W/W)であつた。 実施例 6 (a) 25人分の人羊水9.6を採集し、これをその
まま粗抽出液とした。 (b) この粗抽出液を14000r.p.m.で遠心分離し粗
沈澱物を得た。得られた粗沈澱物に生理食塩液
230mlを加えて懸濁したのち、4℃で1500r.p.
m.の回転速度で遠心分離し上層懸濁液を得た。
この上層懸濁液を12000r.p.m.で遠心分離し、
粗沈澱物を再採取した。 (c) この粗沈澱物を水50mlに懸濁し、これに塩化
ナトリウム14.3gを加えて液の比重を約1.20に
調整し、ついでこの調整液を8000r.p.m.で60分
間4℃で遠心分離し乳濁上薄部を分取した。 (d) この乳濁上薄部を蒸留水に懸濁し、蒸留水に
対してセロハン膜を用いて透析し、ついで得ら
れた透析内液を凍結乾燥して粗乾燥物2.3gを
得た。 (e) この粗乾燥物に酢酸エチル230mlを8℃で加
え、30分間攪拌した後濾紙濾過を行い不溶物を
濾取した。乾燥後この不溶物をクロロホルム−
メタノール混合液(容量比2:1)400mlに接
触させ30分間攪拌し、ついで濾紙濾過を行い抽
出濾液390mlを得た。 (f) この抽出濾液を減圧乾固し、固形残渣680mg
を得た。得られた固形残渣をクロロホルム−メ
タノール混合液(容量比3:1)4mlに溶解
し、これを同混合液で平衡化したセフアデツク
スLH−20カラム(直径2.48cm×90cm;カラム
ベツド体積435ml)に付した。このカラムを同
混合液を用いて流速0.2ml/分で溶出してゲル
濾過し、ボイドボリユーム画分24mlを採取し
た。この画分の微量を用いて無菌試験を行つた
ところ無菌であることが確認されたので以下の
操作は無菌条件下で行つた。 (g) 上述のボイドボリユーム画分を減圧乾固し、
これを無菌水に懸濁しついで凍結乾燥し、黄褐
色のリポ蛋白質粉末25mg得た。分子量は36000、
比旋光度[α]23 Dは−63°であり、化学組成はリ
ン脂質分66.3%(W/W)、蛋白質分28.9%
(W/W)、水分2.8%(W/W)及び不明組成
分2.0%(W/W)であつた。なお、本実施例
における水分の測定は微量水分測定法で行つ
た。
配合することにより、サーフアクタントの優れ
た表面張力低下効果の実現、サーフアクタント
の気液面拡散時間の短縮及び低い平衡表面張力の
発揮並びに十分な肺胞腔容量の確保等を可能な
らしめることが明白であり、従つて、本発明リポ
蛋白質はサーフアクタントの気液面拡散及び肺胞
収縮時の肺胞腔内表面張力の低下において側面か
ら重要な役割を担う成分であることが認められ
る。 本発明を実施例をもつて更に説明する。 実施例 1 (a) 牛の摘出肺臓128.3Kgを水で洗浄し、付着し
ている血液等を除去し、ついでこれを拳大の肉
塊に分断しハサミを用いて不要な血管、気管等
を切除した。この肉塊を肉ひき機を用いて細断
し肺臓細片120.1Kgを得た。この肺臓細片と生
理食塩液490とを混和し、4℃で100分間攪拌
し、ついで得られた混合液を濾過袋に注入して
圧搾濾過し粗抽出液470を得た。 (b) この粗抽出液を10000r.p.m.で遠心分離し粗
沈澱物を採取した。得られた粗沈澱物を100
の生理食塩液に再懸濁し、2000r.p.m.で10分間
遠心分離し残存する組織片等を沈澱物として除
去した。上層懸濁液は再度10000r.p.m.で遠心
分離し、粗沈澱物を再採取した。 (c) かくして得られた粗沈澱物を水85に懸濁
し、これに塩化ナトリウム25.7Kgを加え、液の
比重を約1.20に調整した。この調整液を10000r.
p.m.で50分間0℃で遠心分離して三層に分け、
乳濁上薄部を分取した。 (d) この乳濁上薄部を蒸留水に懸濁し蒸留水に対
してセロハン膜を用いて透析し、透析内液を得
た。この透析内液を凍結乾燥したところ960g
の粗乾燥物を得た。 (e) この粗乾燥物に5℃に冷却した酢酸エチル48
を添加し、45分間攪拌したのち減圧濾過し不
溶物を濾取した。この不溶物を乾燥したのち、
これにクロロホルム−メタノール混合液(容量
比2:1)28を添加し30分間攪拌後に濾紙濾
過し抽出濾液を得た。濾過残渣には再度、同混
合液28を添加し30分間攪拌後に濾紙濾過し2
次抽出濾液を得た。この操作はもう一回繰り返
し行い3次抽出濾液まで得た。得られた抽出濾
液は合算して82であつた。 (f) この抽出濾液を減圧乾固したところ160.4g
の固形残渣を得た。この固形残渣を25.0gずつ
6回に分けて以外の操作を行つた。まず、各固
形残渣25.0gをそれぞれクロロホルム−メタノ
ール混合液(容量比2:1)170mlに溶解した。
次に得られた各溶液をそれぞれ別個に同混合液
で平衡化したセフアデツクスLH−20カラム
(直径15.5cm×90cm;カラムベツド体積17.0)
に付し、同混合液を用いて流速5ml/分で溶出
してゲル濾過し、ボイドボリユーム画分をそれ
ぞれ採取した。6回の操作で得られたボイドボ
リユーム画分は全量で6480mlであつた。この画
分の微量を用い無菌試験を行つたところ無菌で
あることが確認されたので以下は無菌条件下で
操作した。 (g) ボイドボリユーム画分を減圧乾固し、ついで
これを無菌水に懸濁したのち凍結乾燥したとこ
ろリポ蛋白質8.3gが淡黄褐色粉末として得ら
れた。分子量は34000、比旋光度[α]23 Dは−
69°であつた。また化学組成はリン脂質分62.1
%(W/W)、蛋白質分31.3%(W/W)、水分
4.6%(W/W)及び不明組成分2.0%(W/
W)であつた。 実施例 2 (a) 牛の摘出肺臓15Kgに実施例1の(a)工程で述べ
たのと同様な操作をして肺臓細片13.7Kgを得
た。これを生理食塩液68に添加し、8℃で60
分間攪拌し、ついで得られた液を濾過袋に注入
して圧搾濾過し粗抽出液61を得た。 (b) この粗抽出液を12000r.p.m.で遠心分離し粗
沈澱物を採取した。得られた粗沈澱物に生理食
塩液11を加えて懸濁したのち、4℃で1500r.
p.m.の回転速度で遠心分離し残存する不要な組
織片等を沈澱物として除去した。上層懸濁液は
12000r.p.m.で遠心分離し、粗沈澱物を再採取
した。 (c) この粗沈澱物を水10に懸濁し、これに塩化
ナトリウム2.23Kgを加えて液の比重を約1.15に
調整し、ついでこの調整液を8000r.p.m.で60分
間10℃で遠心分離し乳濁上薄部を分取した。 (d) この乳濁上薄部を蒸留水に懸濁し、蒸留水に
対してセロハン膜を用いて透析し、ついで得ら
れた透析内液を凍結乾燥して粗乾燥物79gを得
た。 (e) この粗乾燥物にアセトン8を4℃で加え、
60分間攪拌した後濾紙濾過を行い不溶物を濾取
した。乾燥後この不溶物をクロロホルム−メタ
ノール混合液(容量比2:1)14に接触させ
40分間攪拌し、ついで濾紙濾過を行い抽出濾液
13.8を得た。 (f) この抽出濾液を減圧乾固し、固形残渣20.5g
を得た。得られた固形残渣をクロロホルム−メ
タノール混合液(容量比5:2)120mlに溶解
し、これを同混合液で平衡化したセフアデツク
スLH−20カラム(直径15.5cm×88cm;カラム
ベツド体積16.6)に付した。このカラムを同
混合液を用いて流速1ml/分で溶出してゲル濾
過し、ボイドボリユーム画分915mlを採取した。
この画分の微量を用い無菌試験を行つたところ
無菌であることが確認されたので以下は無菌条
件下で行つた。 (g) 上述のボイドボリユーム画分を減圧乾固し、
これを無菌水に懸濁しついで凍結乾燥し、黄褐
色のリポ蛋白質粉末1.5g得た。分子量は
34000、比旋光度[α]23 Dは−40°であり、化学
組成はリン脂質分70.2%(W/W)、蛋白質分
23.4%(W/W)、水分4.0%(W/W)及び不
明組成分2.4%(W/W)であつた。 実施例 3 (a) 豚の摘出肺臓36Kgに実施例1の(a)工程で述べ
たのと同様な操作をして肺臓細片33.5Kgを得
た。これを生理食塩液168に添加し、10℃で
30分間攪拌し、ついで得られた液を濾過袋に注
入したのち圧搾濾過し粗抽出液145を得た。 (b) この粗抽出液を14000r.p.m.で遠心分離し粗
沈澱物を得た。得られた粗沈澱物に生理食塩液
20を加えて懸濁したのち、4℃で1000r.p.m.
の回転速度で遠心分離し残存する不要な組織片
を沈澱物として除去した。上層懸濁液は
13000r.p.m.で遠心分離し、粗沈澱物を再採取
した。 (c) この粗沈澱物を水26に懸濁し、これに塩化
ナトリウム5.8Kgを加えて液の比重を約1.15に
調整し、ついでこの調整液を8000r.p.m.で30分
間4℃で遠心分離し乳濁上薄部を分取した。 (d) この乳濁上薄部を蒸留水に懸濁し蒸留水に対
してセロハン膜を用いて透析し、ついで得られ
た透析内液を凍結乾燥して粗乾燥物163gを得
た。 (e) この粗乾燥物にアセトン15を6℃で加え、
30分間攪拌した後濾紙濾過を行い不溶物を濾取
した。乾燥後この不溶物をクロロホルム−メタ
ノール混合液(容量比2:1)23に接触させ
20分間攪拌し、ついで濾紙濾過を行い抽出濾液
22を得た。 (f) この抽出濾液を減圧乾固し、固形残渣46.2g
を得た。得られた固形残渣20.0gをクロロホル
ム−メタノール混合液(容量比3:1)120ml
に溶解し、これを同混合液で平衡化したセフア
デツクスLH−20カラム(直径15.5cm×88cm;
カラムベツド体積16.6)に付した。このカラ
ムを同混合液を用いて流速3ml/分で溶出して
ゲル濾過し、ボイドボリユーム画分910mlを採
取した。この画分の微量を用いて無菌試験を行
つたところ無菌であることが確認されたので以
下の操作は無菌条件で行つた。 (g) 上述のボイドボリユーム画分を減圧乾固し、
これを無菌水に懸濁しついで凍結乾燥し、黄褐
色のリポ蛋白質粉末1.1g得た。分子量は
32000、比旋光度[α]23 Dは−51°であり、化学
組成はリン脂質分69.2%(W/W)、蛋白質分
26.4%(W/W)、水分3.0%(W/W)及び不
明組成分1.4%(W/W)であつた。 実施例 4 (a) 馬の摘出肺臓15Kgに実施例1の(a)工程で述べ
たのと同様な操作をして肺臓細片13.1Kgを得
た。これを生理食塩液65に添加し、4℃で30
分間攪拌し、ついで得られた液を濾過袋に注入
したのち圧搾濾過し粗抽出液56を得た。 (b) この粗抽出液を13000r.p.m.で遠心分離し粗
沈澱物を得た。得られた粗沈澱物に生理食塩液
9を加えて懸濁したのち、4℃で1500r.p.m.
の回転速度で遠心分離し残存する不要な組織片
を沈澱物として除去した。上層懸濁液は
10000r.p.m.で遠心分離し、粗沈澱物を再採取
した。 (c) この粗沈澱物を水10に懸濁し、これに塩化
ナトリウム2.86Kgを加えて液の比重を約1.20に
調整し、ついでこの調整液を8000r.p.m.で60分
間4℃で遠心分離し乳濁上薄部を分散した。 (d) この乳濁上薄部を蒸留水に懸濁し、蒸留水に
対してセロハン膜を用いて透析し、ついで得ら
れた透析内液を凍結乾燥して粗乾燥物76gを得
た。 (e) この粗乾燥物に酢酸エチル8を10℃で加
え、60分間攪拌した後濾紙濾過を行い不溶物を
濾取した。乾燥後この不溶物をクロロホルム−
メタノール混合液(容量比2:1)14に接触
させ20分間攪拌し、ついで濾紙濾過を行い抽出
濾液13.1を得た。 (f) この抽出濾液を減圧乾固し、固形残渣18.1g
を得た。得られた固形残渣をクロロホルム−メ
タノール混合液(容量比2:1)120mlに溶解
し、これを同混合液で平衡化したセフアデツク
スLH−20カラム(直径15.5cm×88cm;カラム
ベツド体積16.6)に付した。このカラムを同
混合液を用いて流速1ml/分で溶出してゲル濾
過し、ボイドボリユーム画分880mlを採取した。
この画分の微量を用い無菌試験を行つたところ
無菌であることが確認されたので以下は無菌条
件下で行つた。 (g) 上述のボイドボリユーム画分を減圧乾固し、
これを無菌水に懸濁しついで凍結乾燥し、黄褐
色のリポ蛋白質粉末0.8g得た。分子量は
38000、比旋光度[α]23 Dは−85°であり、化学
組成はリン脂質分48.5%(W/W)、蛋白質分
48.0%(W/W)、水分1.8%(W/W)及び不
明組成分1.7%(W/W)であつた。 実施例 5 (a) 羊の摘出肺臓15Kgに実施例1の(a)工程で述べ
たのと同様な操作をして肺臓細片13.4Kgを得
た。これを生理食塩液70に添加し、4℃で60
分間攪拌し、ついで得られた液を濾過袋に注入
したのち圧搾濾過し粗抽出液65を得た。 (b) この粗抽出液を14000r.p.m.で遠心分離し粗
沈澱物を得た。得られた粗沈澱物に生理食塩液
9を加えて懸濁したのち、4℃で1000r.p.m.
の回転速度で遠心分離し残存する不要な組織片
を沈澱物として除去した。上層懸濁液は
10000r.p.m.で遠心分離し、粗沈澱物を再採取
した。 (c) この粗沈澱物を水10に懸濁し、これに塩化
ナトリウム2.86Kgを加えて液の比重を約1.20に
調整し、ついでこの調整液を8000r.p.m.で60分
間4℃で遠心分離し乳濁上薄部を分取した。 (d) この乳濁上薄部を蒸留水に懸濁し、蒸留水に
対してセロハン膜を用いて透析し、ついで得ら
れた透析内液を凍結乾燥して粗乾燥物71gを得
た。 (e) この粗乾燥物に酢酸エチル8を10℃で加
え、60分間攪拌した後濾紙濾過を行い不溶物を
濾取した。乾燥後この不溶物をクロロホルム−
メタノール混合液(容量比2:1)14に接触
させ30分間攪拌し、ついで濾紙濾過を行い抽出
濾液13.7を得た。 (f) この抽出濾液を減圧乾固し、固形残渣17.5g
を得た。得られた固形残渣をクロロホルム−メ
タノール混合液(容量比2:1)120mlに溶解
し、これを同混合液で平衡化したセフアデツク
スLH−20カラム(直径15.5cm×88cm;カラム
ベツド体積16.6)に付した。このカラムを同
混合物を用いて流速1ml/分で溶出してゲル濾
過し、ボイドボリユーム画分860mlを採取した。
この画分の微量を用いて無菌試験を行つたとこ
ろ無菌であることが確認されたので以下の操作
は無菌条件下で行つた。 (g) 上述のボイドボリユーム画分を減圧乾固し、
これを無菌水に懸濁しついで凍結乾燥し、黄褐
色のリポ蛋白質粉末0.7g得た。分子量は
30000、比旋光度[α]23 Dは−79°であり、化学
組成はリン脂質分47.9%(W/W)、蛋白質分
44.8%(W/W)、水分5.0%(W/W)及び不
明組成分2.3%(W/W)であつた。 実施例 6 (a) 25人分の人羊水9.6を採集し、これをその
まま粗抽出液とした。 (b) この粗抽出液を14000r.p.m.で遠心分離し粗
沈澱物を得た。得られた粗沈澱物に生理食塩液
230mlを加えて懸濁したのち、4℃で1500r.p.
m.の回転速度で遠心分離し上層懸濁液を得た。
この上層懸濁液を12000r.p.m.で遠心分離し、
粗沈澱物を再採取した。 (c) この粗沈澱物を水50mlに懸濁し、これに塩化
ナトリウム14.3gを加えて液の比重を約1.20に
調整し、ついでこの調整液を8000r.p.m.で60分
間4℃で遠心分離し乳濁上薄部を分取した。 (d) この乳濁上薄部を蒸留水に懸濁し、蒸留水に
対してセロハン膜を用いて透析し、ついで得ら
れた透析内液を凍結乾燥して粗乾燥物2.3gを
得た。 (e) この粗乾燥物に酢酸エチル230mlを8℃で加
え、30分間攪拌した後濾紙濾過を行い不溶物を
濾取した。乾燥後この不溶物をクロロホルム−
メタノール混合液(容量比2:1)400mlに接
触させ30分間攪拌し、ついで濾紙濾過を行い抽
出濾液390mlを得た。 (f) この抽出濾液を減圧乾固し、固形残渣680mg
を得た。得られた固形残渣をクロロホルム−メ
タノール混合液(容量比3:1)4mlに溶解
し、これを同混合液で平衡化したセフアデツク
スLH−20カラム(直径2.48cm×90cm;カラム
ベツド体積435ml)に付した。このカラムを同
混合液を用いて流速0.2ml/分で溶出してゲル
濾過し、ボイドボリユーム画分24mlを採取し
た。この画分の微量を用いて無菌試験を行つた
ところ無菌であることが確認されたので以下の
操作は無菌条件下で行つた。 (g) 上述のボイドボリユーム画分を減圧乾固し、
これを無菌水に懸濁しついで凍結乾燥し、黄褐
色のリポ蛋白質粉末25mg得た。分子量は36000、
比旋光度[α]23 Dは−63°であり、化学組成はリ
ン脂質分66.3%(W/W)、蛋白質分28.9%
(W/W)、水分2.8%(W/W)及び不明組成
分2.0%(W/W)であつた。なお、本実施例
における水分の測定は微量水分測定法で行つ
た。
図1は本発明リポ蛋白質のKBr錠法による赤
外線吸収スペクトルを示し、図2は該リポ蛋白質
1.37mgを1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液10ml
に溶解して得られた溶液を用いて測定した紫外線
吸収スペクトルを示す。
外線吸収スペクトルを示し、図2は該リポ蛋白質
1.37mgを1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液10ml
に溶解して得られた溶液を用いて測定した紫外線
吸収スペクトルを示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 哺乳動物の肺臓又は人羊水から得られるリポ
蛋白質であつて、総重量に対する組成比が、リン
脂質分は47.9〜70.2%(W/W)、蛋白質分は23.4
〜48.0%(W/W)、水分は1.8〜5.0%(W/W)
及び不明組成分は1.4〜2.4%(W/W)であり、
分子量が30000〜38000であることを特徴とするリ
ポ蛋白質。 2 (a)哺乳動物の肺臓細片の生理食塩液に接触さ
せるか又は人羊水を採集し、粗抽出液を得る工
程、(b)該粗抽出液を遠心分離し粗沈澱物を得る工
程、(c)該粗沈澱物の水性懸濁液に塩化ナトリウム
を添加して比重を調整し、得られた調整液を遠心
分離して乳濁上薄部を分取する工程、(d)該乳濁上
薄部の水性懸濁液を透析して透析内液を得、つい
でこれを凍結乾燥して粗乾燥物を得る工程、(e)該
粗乾燥物を酢酸エチル又はアセトンに接触させて
不溶物を採取し、この不溶物をクロロホルム−メ
タノール混合液に接触させ、抽出液を採取する工
程、(f)該抽出液からデキストランゲルを用いたゲ
ル濾過により、ボイドボリユーム画分を採取する
工程及び(g)該ボイドボリユーム画分を減圧乾固
し、得られた固形残渣の水性懸濁液を凍結乾燥す
る工程からなることを特徴とするリポ蛋白質の製
造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62155390A JPS6361000A (ja) | 1987-06-24 | 1987-06-24 | リポ蛋白質及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62155390A JPS6361000A (ja) | 1987-06-24 | 1987-06-24 | リポ蛋白質及びその製造法 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58038189A Division JPS59164724A (ja) | 1983-03-10 | 1983-03-10 | サ−フアクタント及びそれを含有する呼吸窮迫症候群治療剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6361000A JPS6361000A (ja) | 1988-03-17 |
| JPH0530840B2 true JPH0530840B2 (ja) | 1993-05-11 |
Family
ID=15604906
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62155390A Granted JPS6361000A (ja) | 1987-06-24 | 1987-06-24 | リポ蛋白質及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6361000A (ja) |
-
1987
- 1987-06-24 JP JP62155390A patent/JPS6361000A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6361000A (ja) | 1988-03-17 |
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