JPH05312269A - ピストンリングとシリンダの組合せ - Google Patents
ピストンリングとシリンダの組合せInfo
- Publication number
- JPH05312269A JPH05312269A JP14652292A JP14652292A JPH05312269A JP H05312269 A JPH05312269 A JP H05312269A JP 14652292 A JP14652292 A JP 14652292A JP 14652292 A JP14652292 A JP 14652292A JP H05312269 A JPH05312269 A JP H05312269A
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- Japan
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- cylinder
- piston ring
- plating layer
- sliding surface
- nickel
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐摩耗性、耐焼付け性に優れ、相手材の攻撃
性が少ないめっき層を摺動面に有する内燃機関用ピスト
ンリングと、耐摩耗性に優れためっき層を有するシリン
ダとの組合せを提供する。 【構成】 燐が 0.2〜10重量%、コバルトが10〜40重量
%、残りが実質的にニッケルからなるニッケル−コバル
ト−燐合金の基地中に、平均粒径 0.5〜10μmの酸化ク
ロム粒子が容積比で5〜30%の範囲で分散している複合
めっき層6を摺動面に有するピストンリング4と、硬質
クロムめっき層3を摺動面に有するシリンダ1とを組合
せる。
性が少ないめっき層を摺動面に有する内燃機関用ピスト
ンリングと、耐摩耗性に優れためっき層を有するシリン
ダとの組合せを提供する。 【構成】 燐が 0.2〜10重量%、コバルトが10〜40重量
%、残りが実質的にニッケルからなるニッケル−コバル
ト−燐合金の基地中に、平均粒径 0.5〜10μmの酸化ク
ロム粒子が容積比で5〜30%の範囲で分散している複合
めっき層6を摺動面に有するピストンリング4と、硬質
クロムめっき層3を摺動面に有するシリンダ1とを組合
せる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性に優れた複合
めっき層を摺動面に有する内燃機関用ピストンリング
と、耐摩耗性に優れた硬質クロムめっき層を有するシリ
ンダとの組合せ技術に関する。
めっき層を摺動面に有する内燃機関用ピストンリング
と、耐摩耗性に優れた硬質クロムめっき層を有するシリ
ンダとの組合せ技術に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】内燃機
関で用いられるシリンダとしては、鋳鉄製のものが広く
採用されているが、しかし近年内燃機関の軽量化などに
伴い、アルミニウム合金製シリンダへの移行が行われて
いる。
関で用いられるシリンダとしては、鋳鉄製のものが広く
採用されているが、しかし近年内燃機関の軽量化などに
伴い、アルミニウム合金製シリンダへの移行が行われて
いる。
【0003】アルミニウム合金製シリンダは、鋳鉄製シ
リンダに比べて摩耗しやすいために、摺動面となるシリ
ンダボアに鋳鉄製のシリンダライナを装着して用いてい
た。しかし、そのような構造では、重量が大きくなると
ともに製造コストが高くなって経済的に好ましくない。
リンダに比べて摩耗しやすいために、摺動面となるシリ
ンダボアに鋳鉄製のシリンダライナを装着して用いてい
た。しかし、そのような構造では、重量が大きくなると
ともに製造コストが高くなって経済的に好ましくない。
【0004】このため、アルミニウム合金製シリンダの
内周面に、硬質クロムめっき層を形成させたシリンダが
提案されている。このような硬質クロムめっき層を有す
るシリンダは、耐摩耗性が改善されている。
内周面に、硬質クロムめっき層を形成させたシリンダが
提案されている。このような硬質クロムめっき層を有す
るシリンダは、耐摩耗性が改善されている。
【0005】しかし、クロムめっきを施したアルミニウ
ム合金製シリンダと、一般的に多く使用されている硬質
クロムめっきを外周摺動面に有するピストンリングとを
組み合わせた場合、摺動面が短時間のうちにカジリを起
こす。またピストンリングに、ニッケルに炭化珪素粒子
を分散させた複合分散めっき被膜を形成することも考え
られるが、この場合、耐摩耗性は良好であるものの、運
転初期や高速高負荷の過酷な条件では、容易に焼付けを
起こすという問題がある。
ム合金製シリンダと、一般的に多く使用されている硬質
クロムめっきを外周摺動面に有するピストンリングとを
組み合わせた場合、摺動面が短時間のうちにカジリを起
こす。またピストンリングに、ニッケルに炭化珪素粒子
を分散させた複合分散めっき被膜を形成することも考え
られるが、この場合、耐摩耗性は良好であるものの、運
転初期や高速高負荷の過酷な条件では、容易に焼付けを
起こすという問題がある。
【0006】一方、ピストンリングは通常鋳鉄製又はス
チール製であるが、鋳鉄製ピストンリングの場合、耐焼
付け性はあるものの、耐摩耗性が十分でないという問題
がある。また、スチール製の場合、例えば高クロム鋼の
母材に窒化処理を施し、窒化層を形成させたものが使用
されているが、これには、耐摩耗性に優れているもの
の、初期スカッフが発生し、初期なじみの点で問題があ
る。
チール製であるが、鋳鉄製ピストンリングの場合、耐焼
付け性はあるものの、耐摩耗性が十分でないという問題
がある。また、スチール製の場合、例えば高クロム鋼の
母材に窒化処理を施し、窒化層を形成させたものが使用
されているが、これには、耐摩耗性に優れているもの
の、初期スカッフが発生し、初期なじみの点で問題があ
る。
【0007】したがって、本発明の目的は、耐摩耗性、
耐焼付け性に優れ、相手材の攻撃性が少ないめっき層を
摺動面に有する内燃機関用ピストンリングと、耐摩耗性
に優れためっき層を有するシリンダとの組合せを提供す
ることである。
耐焼付け性に優れ、相手材の攻撃性が少ないめっき層を
摺動面に有する内燃機関用ピストンリングと、耐摩耗性
に優れためっき層を有するシリンダとの組合せを提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、ニッケル−コバルト−燐合金の基
地中に酸化クロム粒子が分散している複合めっき層を摺
動面に有するピストンリングと、硬質クロムめっき層を
摺動面に有するシリンダとを組み合わせれば、シリンダ
及びピストンリングの摩耗が少なく、焼付けやスカッフ
ィング等を大幅に減少させることができることを見出
し、本発明に想到した。
の結果、本発明者は、ニッケル−コバルト−燐合金の基
地中に酸化クロム粒子が分散している複合めっき層を摺
動面に有するピストンリングと、硬質クロムめっき層を
摺動面に有するシリンダとを組み合わせれば、シリンダ
及びピストンリングの摩耗が少なく、焼付けやスカッフ
ィング等を大幅に減少させることができることを見出
し、本発明に想到した。
【0009】すなわち、本発明のピストンリングとシリ
ンダの組合せは、燐が 0.2〜10重量%、コバルトが10〜
40重量%、残りが実質的にニッケルからなるニッケル−
コバルト−燐合金の基地中に、平均粒径 0.5〜10μmの
酸化クロム粒子が容積比で5〜30%の範囲で分散してい
る複合めっき層をピストンリングの摺動面に有し、硬質
クロムめっき層をシリンダの摺動面に有することを特徴
とする。
ンダの組合せは、燐が 0.2〜10重量%、コバルトが10〜
40重量%、残りが実質的にニッケルからなるニッケル−
コバルト−燐合金の基地中に、平均粒径 0.5〜10μmの
酸化クロム粒子が容積比で5〜30%の範囲で分散してい
る複合めっき層をピストンリングの摺動面に有し、硬質
クロムめっき層をシリンダの摺動面に有することを特徴
とする。
【0010】
【作用】本発明においては、耐摩耗性、耐焼付け性に優
れているとともに、摩擦係数が小さく摺動性の良い酸化
クロム粒子分散ニッケル−コバルト−燐複合めっき層を
ピストンリングに形成し、このピストンリングを、耐摩
耗性に優れているが、耐焼付性に劣る硬質クロムめっき
層を有するシリンダと組み合わせることにより、双方の
耐摩耗性が向上するとともに、シリンダとピストンリン
グとの耐焼付け性及び耐スカッフィング性が大幅に改善
される。
れているとともに、摩擦係数が小さく摺動性の良い酸化
クロム粒子分散ニッケル−コバルト−燐複合めっき層を
ピストンリングに形成し、このピストンリングを、耐摩
耗性に優れているが、耐焼付性に劣る硬質クロムめっき
層を有するシリンダと組み合わせることにより、双方の
耐摩耗性が向上するとともに、シリンダとピストンリン
グとの耐焼付け性及び耐スカッフィング性が大幅に改善
される。
【0011】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明する。図1は、本
発明の一実施例によるピストンリングとシリンダとの摺
動部を示す部分断面図である。シリンダ1のアルミニウ
ム合金製シリンダ母材2の上には硬質クロムめっき層3
が形成されており、ピストンリング4には、鋳鉄あるい
はスチールからなるピストンリング母材5の外周面に、
酸化クロム粒子分散ニッケル−コバルト−燐複合めっき
層6が形成されている。
発明の一実施例によるピストンリングとシリンダとの摺
動部を示す部分断面図である。シリンダ1のアルミニウ
ム合金製シリンダ母材2の上には硬質クロムめっき層3
が形成されており、ピストンリング4には、鋳鉄あるい
はスチールからなるピストンリング母材5の外周面に、
酸化クロム粒子分散ニッケル−コバルト−燐複合めっき
層6が形成されている。
【0012】シリンダ母材上に形成される硬質クロムめ
っき層3は、30〜200 μm、特に100 〜150 μmの厚さ
を有し、800 〜950程度のマイクロビッカース硬度(H
MV)を有するのが好ましい。このような硬質クロムめっ
き層3は、公知の方法で形成することができる。
っき層3は、30〜200 μm、特に100 〜150 μmの厚さ
を有し、800 〜950程度のマイクロビッカース硬度(H
MV)を有するのが好ましい。このような硬質クロムめっ
き層3は、公知の方法で形成することができる。
【0013】ところで、硬質クロムめっき層3自身には
以下にのべるような欠点がある。すなわち、硬質クロム
めっき層は、硬度が高く、耐摩耗性に優れているもの
の、保油性が悪く油膜が切れやすいので、耐焼付け性に
劣る。特に運転始動時又は運転初期や、高温時や、過給
機を使用する場合等においては、相手材との金属接触が
起こりやすく、焼付きが発生する。特に耐摩耗性や耐焼
付け性には、硬質クロムめっき層3の表面に極めて薄く
形成されたCrの酸化物の層が寄与しているが、このC
r酸化物層は、燃料が軽油や有鉛ガソリンの場合には消
失する。また、還元性雰囲気によって硬質クロムめっき
層の表面の不働態皮膜も存在しなくなる。このため、金
属面同士のコンタクトが起きる。このような理由によ
り、相手材となるピストンリングの摺動面には、特に耐
焼付け性に優れた層を設ける必要がある。
以下にのべるような欠点がある。すなわち、硬質クロム
めっき層は、硬度が高く、耐摩耗性に優れているもの
の、保油性が悪く油膜が切れやすいので、耐焼付け性に
劣る。特に運転始動時又は運転初期や、高温時や、過給
機を使用する場合等においては、相手材との金属接触が
起こりやすく、焼付きが発生する。特に耐摩耗性や耐焼
付け性には、硬質クロムめっき層3の表面に極めて薄く
形成されたCrの酸化物の層が寄与しているが、このC
r酸化物層は、燃料が軽油や有鉛ガソリンの場合には消
失する。また、還元性雰囲気によって硬質クロムめっき
層の表面の不働態皮膜も存在しなくなる。このため、金
属面同士のコンタクトが起きる。このような理由によ
り、相手材となるピストンリングの摺動面には、特に耐
焼付け性に優れた層を設ける必要がある。
【0014】以上のような条件を満たすため、硬質クロ
ムめっき層3を有するアルミニウム合金製シリンダに対
して、ピストンリングとして酸化クロム粒子分散ニッケ
ル−コバルト−燐複合めっき層6を有するものを組み合
わせる。これにより、両者間に焼付きが発生せず、ピス
トンリングの耐摩耗性が長期間保持されるとともにシリ
ンダの硬質クロムめっき層3も攻撃されない。
ムめっき層3を有するアルミニウム合金製シリンダに対
して、ピストンリングとして酸化クロム粒子分散ニッケ
ル−コバルト−燐複合めっき層6を有するものを組み合
わせる。これにより、両者間に焼付きが発生せず、ピス
トンリングの耐摩耗性が長期間保持されるとともにシリ
ンダの硬質クロムめっき層3も攻撃されない。
【0015】ピストンリングの摺動面に形成する酸化ク
ロム粒子分散ニッケル−コバルト−燐複合めっき層6に
おいて、ニッケル基合金基地中に含まれる燐は、皮膜の
硬度を高くし、耐摩耗性、耐焼付け性に対して優れた効
果を示し、また基地の耐食性も向上する。ニッケル+コ
バルト+燐の合計を100 重量%として、燐の量が 0.2重
量%未満では、熱硬化処理を行っても硬度が高くならず
耐摩耗性向上の効果は少ない。また10重量%を超える
と、硬度は増すがめっき皮膜はかえって脆くなり、衝撃
強度が低下し、ピストンリング母材との密着性も悪くな
る。したがって燐の量は 0.2〜10重量%とする。好まし
い燐の量は2〜8重量%である。
ロム粒子分散ニッケル−コバルト−燐複合めっき層6に
おいて、ニッケル基合金基地中に含まれる燐は、皮膜の
硬度を高くし、耐摩耗性、耐焼付け性に対して優れた効
果を示し、また基地の耐食性も向上する。ニッケル+コ
バルト+燐の合計を100 重量%として、燐の量が 0.2重
量%未満では、熱硬化処理を行っても硬度が高くならず
耐摩耗性向上の効果は少ない。また10重量%を超える
と、硬度は増すがめっき皮膜はかえって脆くなり、衝撃
強度が低下し、ピストンリング母材との密着性も悪くな
る。したがって燐の量は 0.2〜10重量%とする。好まし
い燐の量は2〜8重量%である。
【0016】コバルトは、合金基地の耐熱性及び耐食性
を改善するとともに、皮膜の圧壊強度を向上させる。ニ
ッケル+コバルト+燐の合計を100 重量%として、合金
基地中のコバルトの量が10重量%未満では、上記の効果
が顕著に得られず、また40重量%を超えてもその効果に
著しい変化はない。したがってコバルトの量は 10 〜40
重量%とする。好ましいコバルトの量は10〜35重量%で
ある。
を改善するとともに、皮膜の圧壊強度を向上させる。ニ
ッケル+コバルト+燐の合計を100 重量%として、合金
基地中のコバルトの量が10重量%未満では、上記の効果
が顕著に得られず、また40重量%を超えてもその効果に
著しい変化はない。したがってコバルトの量は 10 〜40
重量%とする。好ましいコバルトの量は10〜35重量%で
ある。
【0017】またマトリックスとなるニッケルは、皮膜
の靱性や耐食性を高め、また皮膜の硬度を高めるのに有
効である。ニッケルの量はニッケル+コバルト+燐の合
計を100 重量%として、50〜89.8重量%であり、好まし
くは57〜88重量%である。
の靱性や耐食性を高め、また皮膜の硬度を高めるのに有
効である。ニッケルの量はニッケル+コバルト+燐の合
計を100 重量%として、50〜89.8重量%であり、好まし
くは57〜88重量%である。
【0018】合金基地中に分散する酸化クロム粒子は、
燐とともに皮膜の耐摩耗性改善に優れた効果を発揮す
る。また、摩擦係数が小さく摩擦が低減される。酸化ク
ロムはセラミックスの中でも金属との濡れ性が悪く、溶
融状態になりにくいものであるため、耐焼付け性の改善
にも寄与する。酸化クロムの量は複合めっき層全体を基
準として5〜30容量%で、かつその平均粒径は0.5 〜10
μmである。酸化クロムの容積占有率が5%未満、ある
いは平均粒径が0.5 μm未満では、基地表面に占める酸
化クロムの面積が少なく、耐摩耗性の向上効果が十分で
ない。一方酸化クロムの容積占有率が30%を超えるか、
あるいは平均粒径が10μmを超えると、相手材の摩耗を
大きくすることになり、さらに膜強度も低下する。
燐とともに皮膜の耐摩耗性改善に優れた効果を発揮す
る。また、摩擦係数が小さく摩擦が低減される。酸化ク
ロムはセラミックスの中でも金属との濡れ性が悪く、溶
融状態になりにくいものであるため、耐焼付け性の改善
にも寄与する。酸化クロムの量は複合めっき層全体を基
準として5〜30容量%で、かつその平均粒径は0.5 〜10
μmである。酸化クロムの容積占有率が5%未満、ある
いは平均粒径が0.5 μm未満では、基地表面に占める酸
化クロムの面積が少なく、耐摩耗性の向上効果が十分で
ない。一方酸化クロムの容積占有率が30%を超えるか、
あるいは平均粒径が10μmを超えると、相手材の摩耗を
大きくすることになり、さらに膜強度も低下する。
【0019】複合めっき皮膜の形成には、上記所望の組
成となるようにニッケル化合物、コバルト化合物及び燐
化合物を溶解させためっき浴中に酸化クロム粒子を分散
させたものを使用する。コバルト及びニッケル化合物と
しては硫酸塩、スルファミン酸塩等を用い、燐化合物と
しては次亜燐酸塩、亜燐酸塩等を用いる。
成となるようにニッケル化合物、コバルト化合物及び燐
化合物を溶解させためっき浴中に酸化クロム粒子を分散
させたものを使用する。コバルト及びニッケル化合物と
しては硫酸塩、スルファミン酸塩等を用い、燐化合物と
しては次亜燐酸塩、亜燐酸塩等を用いる。
【0020】酸化クロム粒子分散ニッケル−コバルト−
燐複合めっき層6の厚さは20〜200μmであるのが好ま
しく、特に50〜150 μmであるのが好ましい。また、そ
のマイクロビッカース硬度(HMV) は、800 〜900程度
である。
燐複合めっき層6の厚さは20〜200μmであるのが好ま
しく、特に50〜150 μmであるのが好ましい。また、そ
のマイクロビッカース硬度(HMV) は、800 〜900程度
である。
【0021】得られた複合めっき皮膜は水洗、乾燥後、
必要に応じてベーキング処理を行うベーキング処理温度
は300 〜400 ℃程度で、時間は30〜60分程度である。こ
のベーキング処理により、複合めっき皮膜及び母材中に
吸蔵された水素が放出され、良好な初期なじみ性を得る
のに適した硬度の複合めっき皮膜が得られる。
必要に応じてベーキング処理を行うベーキング処理温度
は300 〜400 ℃程度で、時間は30〜60分程度である。こ
のベーキング処理により、複合めっき皮膜及び母材中に
吸蔵された水素が放出され、良好な初期なじみ性を得る
のに適した硬度の複合めっき皮膜が得られる。
【0022】以上のような複合めっき皮膜を有するピス
トンリングとシリンダとを組合わせて用いることによ
り、両者間の耐摩耗性と耐スカッフィング性が改善され
る。
トンリングとシリンダとを組合わせて用いることによ
り、両者間の耐摩耗性と耐スカッフィング性が改善され
る。
【0023】本発明を以下の具体的実施例により、さら
に詳細に説明する。実施例1 呼び径×幅×厚さが86.0mm×2.0mm ×3.6mm の鋼 (SKD-
61) 製のピストンリングの全面に窒化処理を施し、50μ
mの窒化層を形成した。
に詳細に説明する。実施例1 呼び径×幅×厚さが86.0mm×2.0mm ×3.6mm の鋼 (SKD-
61) 製のピストンリングの全面に窒化処理を施し、50μ
mの窒化層を形成した。
【0024】このピストンリングを複数本まとめて、第
1表に示す浴成分の酸化クロム粒子を懸濁させためっき
浴を用い、リングの摺動面に、ニッケル−コバルト−燐
合金基地中に酸化クロム粒子が分散した厚さ100 μmの
複合めっき層を形成した。なお、めっき条件は液温55
℃、pH2.0 、電流密度5A/dm2 とした。
1表に示す浴成分の酸化クロム粒子を懸濁させためっき
浴を用い、リングの摺動面に、ニッケル−コバルト−燐
合金基地中に酸化クロム粒子が分散した厚さ100 μmの
複合めっき層を形成した。なお、めっき条件は液温55
℃、pH2.0 、電流密度5A/dm2 とした。
【0025】 第 1 表 めっき浴成分 硫酸ニッケル 250g/リットル 塩化ニッケル 30g/リットル 硫酸コバルト 50g/リットル ホウ酸 30g/リットル 次亜燐酸ナトリウム 2g/リットル 酸化クロム粒子(平均粒径1.5 μm、最大粒径5μm) 50g/リットル
【0026】形成された複合めっき層中の燐の量は5.8
重量%、コバルトの量は40重量%であり、また酸化クロ
ム粒子の量は容積比で20%であった。
重量%、コバルトの量は40重量%であり、また酸化クロ
ム粒子の量は容積比で20%であった。
【0027】さらに、ピストンリングを 400℃で1時間
加熱して熱硬化処理を行ない、基地を硬化させた。この
処理によってマイクロビッカース硬度 (HMV) は 890と
なった。
加熱して熱硬化処理を行ない、基地を硬化させた。この
処理によってマイクロビッカース硬度 (HMV) は 890と
なった。
【0028】実機試験 実施例1で得れたピストンリングを、4サイクルの水冷
6気筒エンジンに取り付けて実機試験を行った。
6気筒エンジンに取り付けて実機試験を行った。
【0029】シリンダは、ボア径85mmのアルミ合金製
で、その内周面に硬質クロムめっきを150 μmの厚さに
形成し、200 ℃で1時間熱処理を施したものを用いた。
この硬質クロムめっき層の表面のプラト面粗さは約2.0
μm、プラト面率は2.5 μm落差で65〜75%であり、マ
イクロビッカース硬度 (HMV) は 890であった。
で、その内周面に硬質クロムめっきを150 μmの厚さに
形成し、200 ℃で1時間熱処理を施したものを用いた。
この硬質クロムめっき層の表面のプラト面粗さは約2.0
μm、プラト面率は2.5 μm落差で65〜75%であり、マ
イクロビッカース硬度 (HMV) は 890であった。
【0030】高鉛ガソリンを燃料として、回転数7200rp
m 、全負荷100 時間のベンチテストを行い、ピストンリ
ングの外周摺動面及びシリンダ内周面の摩耗量の測定を
行った。結果を図2に示す。またピストンリングの外周
摺動面及びシリンダ内周面の表面状態を以下の基準によ
り評価した。
m 、全負荷100 時間のベンチテストを行い、ピストンリ
ングの外周摺動面及びシリンダ内周面の摩耗量の測定を
行った。結果を図2に示す。またピストンリングの外周
摺動面及びシリンダ内周面の表面状態を以下の基準によ
り評価した。
【0031】○:スカッフィングの発生が認められな
い。 △:軽いスカッフィングが3〜5か所認められる。 ×:スカッフィングが8〜12か所認められる。 結果を第2表に示す。
い。 △:軽いスカッフィングが3〜5か所認められる。 ×:スカッフィングが8〜12か所認められる。 結果を第2表に示す。
【0032】比較例1〜3 比較のために、実施例1と同じ鋼製のピストンリング
に、ニッケル皮膜中に平均粒径 1.0μmの炭化珪素硬質
粒子を20容量%分散させた複合めっき層を80μmに形成
したもの (比較例1:熱処理後のマイクロビッカース硬
度 (HMV) 410 )、硬質クロムめっきを80μmに形成し
たもの (比較例2:熱処理後のマイクロビッカース硬度
(HMV) 950 )、及び合金鋼SUS 440B(C:0.75〜0.95
重量%、Si:1.0 重量%以下、Mn:1.0 重量%以
下、P:0.04重量%以下、Ni:0.6重量%以下、C
r:16.0〜18.0重量%、Mo:0.75重量%以下、残部F
e)の表面に窒化処理により窒化層を70μm形成したも
の(比較例3)を用意した。
に、ニッケル皮膜中に平均粒径 1.0μmの炭化珪素硬質
粒子を20容量%分散させた複合めっき層を80μmに形成
したもの (比較例1:熱処理後のマイクロビッカース硬
度 (HMV) 410 )、硬質クロムめっきを80μmに形成し
たもの (比較例2:熱処理後のマイクロビッカース硬度
(HMV) 950 )、及び合金鋼SUS 440B(C:0.75〜0.95
重量%、Si:1.0 重量%以下、Mn:1.0 重量%以
下、P:0.04重量%以下、Ni:0.6重量%以下、C
r:16.0〜18.0重量%、Mo:0.75重量%以下、残部F
e)の表面に窒化処理により窒化層を70μm形成したも
の(比較例3)を用意した。
【0033】上記の各ピストンリングと、実施例1で使
用したシリンダとの組合せについて、同様にピストンリ
ングの外周摺動面及びシリンダ内周面の摩耗量の測定を
行った。結果を図2に示す。またピストンリングの外周
摺動面及びシリンダ内周面の表面状態を同様にして評価
した。結果を第2表に示す。
用したシリンダとの組合せについて、同様にピストンリ
ングの外周摺動面及びシリンダ内周面の摩耗量の測定を
行った。結果を図2に示す。またピストンリングの外周
摺動面及びシリンダ内周面の表面状態を同様にして評価
した。結果を第2表に示す。
【0034】なお、図2は、比較例1のピストンリング
とシリンダとの組合せにおける摩耗量を 100として、そ
の他の組合せのピストンリングとシリンダの摩耗量を相
対値で表示したものである。
とシリンダとの組合せにおける摩耗量を 100として、そ
の他の組合せのピストンリングとシリンダの摩耗量を相
対値で表示したものである。
【0035】
【0036】図2及び第2表より明らかなように、実施
例1のピストンリングとシリンダとの組合せは、双方の
摩耗量、表面状態ともに、比較例1乃至3の組合せより
著しく良好であった。
例1のピストンリングとシリンダとの組合せは、双方の
摩耗量、表面状態ともに、比較例1乃至3の組合せより
著しく良好であった。
【0037】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明においては、
内周面に硬質クロムめっきを施したシリンダと、酸化ク
ロム粒子分散ニッケル−コバルト−燐複合めっき層を摺
動面に有するピストンリングとを組み合わせているの
で、シリンダとピストンリングとの相性がよく、双方の
摩耗が低減し、焼付き、スカッフィング等も生じにく
い。
内周面に硬質クロムめっきを施したシリンダと、酸化ク
ロム粒子分散ニッケル−コバルト−燐複合めっき層を摺
動面に有するピストンリングとを組み合わせているの
で、シリンダとピストンリングとの相性がよく、双方の
摩耗が低減し、焼付き、スカッフィング等も生じにく
い。
【図1】本発明の一実施例によるピストンリングとシリ
ンダの摺動部分を示す部分断面図である。
ンダの摺動部分を示す部分断面図である。
【図2】実施例及び比較例の実機試験におけるピストン
リング及びシリンダの摩耗量を示すグラフである。
リング及びシリンダの摩耗量を示すグラフである。
1・・・シリンダ 2・・・シリンダ母材 3・・・硬質クロムめっき層 4・・・ピストンリング 5・・・ピストンリング母材 6・・・酸化クロム粒子分散ニッケル−コバルト−燐複
合めっき層
合めっき層
Claims (1)
- 【請求項1】 燐が 0.2〜10重量%、コバルトが10〜40
重量%、残りが実質的にニッケルからなるニッケル−コ
バルト−燐合金の基地中に、平均粒径 0.5〜10μmの酸
化クロム粒子が容積比で5〜30%の範囲で分散している
複合めっき層を摺動面に有するピストンリングと、硬質
クロムめっき層を摺動面に有するシリンダとの組合せ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14652292A JPH05312269A (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | ピストンリングとシリンダの組合せ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14652292A JPH05312269A (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | ピストンリングとシリンダの組合せ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05312269A true JPH05312269A (ja) | 1993-11-22 |
Family
ID=15409559
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14652292A Pending JPH05312269A (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | ピストンリングとシリンダの組合せ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05312269A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0713962A3 (en) * | 1994-11-24 | 1996-08-14 | Yamaha Motor Co Ltd | Internal combustion engine |
-
1992
- 1992-05-12 JP JP14652292A patent/JPH05312269A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0713962A3 (en) * | 1994-11-24 | 1996-08-14 | Yamaha Motor Co Ltd | Internal combustion engine |
| US5836280A (en) * | 1994-11-24 | 1998-11-17 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Lubrication system for two cycle engine |
| EP1170470A3 (en) * | 1994-11-24 | 2002-03-27 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Internal combustion engine |
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