JPH05314988A - 角型アルカリ蓄電池用焼結基板及びその製造方法 - Google Patents
角型アルカリ蓄電池用焼結基板及びその製造方法Info
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- JPH05314988A JPH05314988A JP4120674A JP12067492A JPH05314988A JP H05314988 A JPH05314988 A JP H05314988A JP 4120674 A JP4120674 A JP 4120674A JP 12067492 A JP12067492 A JP 12067492A JP H05314988 A JPH05314988 A JP H05314988A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ニッケル粉末が微視的に均一に分布して焼結
された多孔質金属粉末焼結体のみから構成された、内部
に芯材を含まない、角型アルカリ蓄電池用焼結基板。ニ
ッケル粉末と有機バインダに、好ましくは金属超微粉末
を加えて混練し、得られたスラリーのシート成形または
ペーストのスクリーン印刷により成形し、乾燥後に支持
板上で焼結し、焼結体を支持板から剥離することにより
製造される。 【効果】 芯材を含まないため、空隙率が高く、活物質
の充填量が高い上、芯材と焼結体の剥離の問題がなく、
薄型化が可能。金属超微粉末を添加すると、より低温で
焼結可能となり、特性が改善される。
された多孔質金属粉末焼結体のみから構成された、内部
に芯材を含まない、角型アルカリ蓄電池用焼結基板。ニ
ッケル粉末と有機バインダに、好ましくは金属超微粉末
を加えて混練し、得られたスラリーのシート成形または
ペーストのスクリーン印刷により成形し、乾燥後に支持
板上で焼結し、焼結体を支持板から剥離することにより
製造される。 【効果】 芯材を含まないため、空隙率が高く、活物質
の充填量が高い上、芯材と焼結体の剥離の問題がなく、
薄型化が可能。金属超微粉末を添加すると、より低温で
焼結可能となり、特性が改善される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ蓄電池用焼結
基板及びその製造方法に関する。より詳しくは、本発明
は、薄い角型のアルカリ蓄電池の極板の製造に適した、
内部に芯材を含まない焼結基板及びその製造方法に関す
る。
基板及びその製造方法に関する。より詳しくは、本発明
は、薄い角型のアルカリ蓄電池の極板の製造に適した、
内部に芯材を含まない焼結基板及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池(ニッケル・カドミウム
電池とも言う)の極板の製造方法には、焼結基板を用い
て活物質の含浸、化成処理を経る焼結式製法と、活物質
を含有するペーストを基板に塗着するペースト式製法と
があり、主に前者は正極板、後者は負極板の製造に利用
されている。
電池とも言う)の極板の製造方法には、焼結基板を用い
て活物質の含浸、化成処理を経る焼結式製法と、活物質
を含有するペーストを基板に塗着するペースト式製法と
があり、主に前者は正極板、後者は負極板の製造に利用
されている。
【0003】アルカリ蓄電池の極板の焼結式製法におい
て用いられる焼結基板 (以下、アルカリ蓄電池用焼結基
板という) は、一般に、芯材となる開口率50%程度の金
属製有孔板 (例、ニッケルメッキした有孔薄鋼板) の両
面に、ニッケル粉末を主とする金属粉末と有機バインダ
と水とを混練してなるスラリーを塗着、乾燥した後、還
元雰囲気或いは不活性ガス雰囲気下にて 800〜1000℃で
加熱することにより製造される。この加熱により、有機
バインダが焼却されて、金属粉末粒子間に間隙を生じつ
つ金属粉末が焼結されるため、図2に示すように、多孔
度 (空隙率) が80%前後の多孔質金属粉末焼結体1が、
有孔金属板からなる芯材2上に形成される。こうして製
造された焼結基板の多孔質焼結体の細孔径は6〜12μ
m、基板厚みは 0.5〜1.0 mm程度が普通である。
て用いられる焼結基板 (以下、アルカリ蓄電池用焼結基
板という) は、一般に、芯材となる開口率50%程度の金
属製有孔板 (例、ニッケルメッキした有孔薄鋼板) の両
面に、ニッケル粉末を主とする金属粉末と有機バインダ
と水とを混練してなるスラリーを塗着、乾燥した後、還
元雰囲気或いは不活性ガス雰囲気下にて 800〜1000℃で
加熱することにより製造される。この加熱により、有機
バインダが焼却されて、金属粉末粒子間に間隙を生じつ
つ金属粉末が焼結されるため、図2に示すように、多孔
度 (空隙率) が80%前後の多孔質金属粉末焼結体1が、
有孔金属板からなる芯材2上に形成される。こうして製
造された焼結基板の多孔質焼結体の細孔径は6〜12μ
m、基板厚みは 0.5〜1.0 mm程度が普通である。
【0004】この焼結基板は、その後の含浸工程におい
て、多孔質焼結体部分に活物質である水酸化ニッケルを
充填または析出させ、次の化成処理により活物質の活性
化と不純物の除去を行うことにより、アルカリ蓄電池用
の正極板となる。
て、多孔質焼結体部分に活物質である水酸化ニッケルを
充填または析出させ、次の化成処理により活物質の活性
化と不純物の除去を行うことにより、アルカリ蓄電池用
の正極板となる。
【0005】従来の焼結基板は、空隙率が低く、最大で
も82%程度が限界であるため、単位体積または重量当た
りの活物質の充填量が低かった。また、薄型・軽量の極
板が作成できない、焼結基板に力を加えた場合に芯材物
質と焼結体との強度差から弱い焼結体の剥離が生じ易
い、といった問題もあった。
も82%程度が限界であるため、単位体積または重量当た
りの活物質の充填量が低かった。また、薄型・軽量の極
板が作成できない、焼結基板に力を加えた場合に芯材物
質と焼結体との強度差から弱い焼結体の剥離が生じ易
い、といった問題もあった。
【0006】多孔質焼結体の空隙率の増大については、
ニッケル繊維を焼結した不織布を芯材とすること (特開
昭56−145668号公報) 、芯材に塗着するスラリー中に造
孔剤(例、バルーン) を混入すること (特公平3−16746
号公報) などが提案されているが、焼結体部の強度の
低下を招くという欠点がある上、上記の薄型・軽量化や
焼結体の剥離の問題は未解決で残る。
ニッケル繊維を焼結した不織布を芯材とすること (特開
昭56−145668号公報) 、芯材に塗着するスラリー中に造
孔剤(例、バルーン) を混入すること (特公平3−16746
号公報) などが提案されているが、焼結体部の強度の
低下を招くという欠点がある上、上記の薄型・軽量化や
焼結体の剥離の問題は未解決で残る。
【0007】焼結基板の芯材は、金属粉末を含むスラリ
ーを担持するための担体であると同時に、焼結基板の強
度保持の役目も担っている。特に、極板をセパレータを
介して渦巻き状に巻き取ったスパイラル構造をとる円筒
型電池においては、極板をスパイラル状に巻き締める際
に引張り応力を加えることから、焼結基板の引張強度を
確保するために芯材は不可欠であるとされてきた。しか
し、近年、円筒型電池に代わり、体積充填効率のよい小
型の角型電池が開発されてきた。角型電池では、極板は
積層することにより電池内に収容されるため、極板に高
い引張応力を加えずに製造できることから、焼結基板の
芯材は必ずしも必要としない。そのため、角型電池にと
っては、電池の小型・高容量化のために、薄型・軽量で
空隙率および活物質の充填量の大きい焼結基板が求めら
れる。
ーを担持するための担体であると同時に、焼結基板の強
度保持の役目も担っている。特に、極板をセパレータを
介して渦巻き状に巻き取ったスパイラル構造をとる円筒
型電池においては、極板をスパイラル状に巻き締める際
に引張り応力を加えることから、焼結基板の引張強度を
確保するために芯材は不可欠であるとされてきた。しか
し、近年、円筒型電池に代わり、体積充填効率のよい小
型の角型電池が開発されてきた。角型電池では、極板は
積層することにより電池内に収容されるため、極板に高
い引張応力を加えずに製造できることから、焼結基板の
芯材は必ずしも必要としない。そのため、角型電池にと
っては、電池の小型・高容量化のために、薄型・軽量で
空隙率および活物質の充填量の大きい焼結基板が求めら
れる。
【0008】このような要求に応えた芯材を含まない焼
結基板として、特公平3−40894 号公報には、ニッケル
酸化物粉末またはニッケル粉末とバインダとからなるペ
ーストをノズルから繊維状に押出してフェルト状とした
後、焼結・還元した焼結基板を使用することが記載され
ている。この焼結基板に球形の水酸化ニッケルを充填し
て極板を製造する。このフェルト状のニッケル繊維の焼
結体からなる焼結基板は、製造工程が複雑である上、平
均細孔径が60μm程度と非常に大きく、かつ活物質を詰
め込み充填するため、充填された活物質の剥離や脱落が
起こり易い。また、厚みを100 μm以下と薄くすること
もできず、さらに活物質を活物質粉末の充填により付加
させるため、大電流放電の際の放電容量の低下の問題も
あった。従って、アルカリ蓄電池の小型・高容量化の目
的にはなお不十分なものであった。
結基板として、特公平3−40894 号公報には、ニッケル
酸化物粉末またはニッケル粉末とバインダとからなるペ
ーストをノズルから繊維状に押出してフェルト状とした
後、焼結・還元した焼結基板を使用することが記載され
ている。この焼結基板に球形の水酸化ニッケルを充填し
て極板を製造する。このフェルト状のニッケル繊維の焼
結体からなる焼結基板は、製造工程が複雑である上、平
均細孔径が60μm程度と非常に大きく、かつ活物質を詰
め込み充填するため、充填された活物質の剥離や脱落が
起こり易い。また、厚みを100 μm以下と薄くすること
もできず、さらに活物質を活物質粉末の充填により付加
させるため、大電流放電の際の放電容量の低下の問題も
あった。従って、アルカリ蓄電池の小型・高容量化の目
的にはなお不十分なものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルカリ蓄
電池の小型・高容量化を図るために、単位体積または重
量当たりの活物質の充填量が高く、金属粉末の焼結基板
からの剥離・脱落が抑制された焼結基板の製造方法を提
供することを目的とする。本発明の別の目的は、角型電
池の正極板用の焼結基板に適した、芯材を含まず、薄型
・軽量で活物質の充填率の低下のない焼結基板の製造方
法を提供することである。
電池の小型・高容量化を図るために、単位体積または重
量当たりの活物質の充填量が高く、金属粉末の焼結基板
からの剥離・脱落が抑制された焼結基板の製造方法を提
供することを目的とする。本発明の別の目的は、角型電
池の正極板用の焼結基板に適した、芯材を含まず、薄型
・軽量で活物質の充填率の低下のない焼結基板の製造方
法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記構成を
とる本発明により達成することができる。 ニッケル粉末またはニッケルを主とする金属粉末が微
視的に均一に分布して焼結されてなる、多孔質金属粉末
焼結体のみから構成された、内部に芯材を含まない、角
型アルカリ蓄電池用焼結基板。
とる本発明により達成することができる。 ニッケル粉末またはニッケルを主とする金属粉末が微
視的に均一に分布して焼結されてなる、多孔質金属粉末
焼結体のみから構成された、内部に芯材を含まない、角
型アルカリ蓄電池用焼結基板。
【0011】ニッケル粉末またはニッケルを主とする
金属粉末と、ニッケル、コバルト、カドミウムおよびそ
れらの合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種の金
属の超微粉末とが微視的に均一に分布して焼結されてな
る、多孔質金属粉末焼結体のみから構成された、内部に
芯材を含まない、角型アルカリ蓄電池用焼結基板。
金属粉末と、ニッケル、コバルト、カドミウムおよびそ
れらの合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種の金
属の超微粉末とが微視的に均一に分布して焼結されてな
る、多孔質金属粉末焼結体のみから構成された、内部に
芯材を含まない、角型アルカリ蓄電池用焼結基板。
【0012】ニッケル粉末またはニッケルを主とする
金属粉末を有機バインダとともに混練したスラリーをシ
ート状に成形し、乾燥した後、成形体を支持板上で焼結
し、焼結体を支持板から剥離することを特徴とする、角
型アルカリ蓄電池用焼結基板の製造方法。
金属粉末を有機バインダとともに混練したスラリーをシ
ート状に成形し、乾燥した後、成形体を支持板上で焼結
し、焼結体を支持板から剥離することを特徴とする、角
型アルカリ蓄電池用焼結基板の製造方法。
【0013】ニッケル粉末またはニッケルを主とする
金属粉末を有機バインダとともに混練したペーストを、
支持板上にスクリーン印刷法により印刷した後、乾燥お
よび焼結し、焼結体を支持板から剥離することを特徴と
する、角型アルカリ蓄電池用焼結基板の製造方法。
金属粉末を有機バインダとともに混練したペーストを、
支持板上にスクリーン印刷法により印刷した後、乾燥お
よび焼結し、焼結体を支持板から剥離することを特徴と
する、角型アルカリ蓄電池用焼結基板の製造方法。
【0014】前記ペーストが、さらにニッケル、コバ
ルト、カドミウムおよびそれらの合金よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の金属の超微粉末を焼結助剤とし
て含有する、上記または記載の方法。
ルト、カドミウムおよびそれらの合金よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の金属の超微粉末を焼結助剤とし
て含有する、上記または記載の方法。
【0015】
【作用】以下、本発明の構成をその作用とともに説明す
る。本発明の角型アルカリ蓄電池用焼結基板は、図1に
示すように、内部に芯材を含まず、全体が多孔質金属粉
末焼結体という同一の素材から構成される。特公平3−
40894 号公報に記載の芯材を持たない焼結基板は、ニッ
ケル粉末のペーストを繊維状に押出してフェルト化し、
焼結させた不織布状のものである。即ち、金属粉末焼結
体の繊維が絡み合った構造を持ち、大きな隙間が多数あ
るので、微視的に金属粉末が均一には分布していない。
また、隙間が大きいため、活物質の充填においては、活
物質をペースト状にし空隙間につめ込むことにより電極
としている。これに対して、本発明の焼結基板は、ニッ
ケル粉末またはニッケルを主とする金属粉末が、基板全
体に微視的に均一に分布し、焼結しているという構造上
の特徴を有し、それにより、活物質は従来の焼結基板と
同様に含浸・化成処理により充填することができる。
る。本発明の角型アルカリ蓄電池用焼結基板は、図1に
示すように、内部に芯材を含まず、全体が多孔質金属粉
末焼結体という同一の素材から構成される。特公平3−
40894 号公報に記載の芯材を持たない焼結基板は、ニッ
ケル粉末のペーストを繊維状に押出してフェルト化し、
焼結させた不織布状のものである。即ち、金属粉末焼結
体の繊維が絡み合った構造を持ち、大きな隙間が多数あ
るので、微視的に金属粉末が均一には分布していない。
また、隙間が大きいため、活物質の充填においては、活
物質をペースト状にし空隙間につめ込むことにより電極
としている。これに対して、本発明の焼結基板は、ニッ
ケル粉末またはニッケルを主とする金属粉末が、基板全
体に微視的に均一に分布し、焼結しているという構造上
の特徴を有し、それにより、活物質は従来の焼結基板と
同様に含浸・化成処理により充填することができる。
【0016】本発明の焼結基板は、ニッケル粉末または
ニッケルを主とする金属粉末を有機バインダとともに混
練したスラリーまたはペーストを原料とし、スラリーを
シート状に成形するか、またはペーストを支持板上に薄
膜状にスクーリン印刷して成形し、乾燥後に支持板上で
焼結し、焼結体を支持板から剥離することにより製造さ
れる。
ニッケルを主とする金属粉末を有機バインダとともに混
練したスラリーまたはペーストを原料とし、スラリーを
シート状に成形するか、またはペーストを支持板上に薄
膜状にスクーリン印刷して成形し、乾燥後に支持板上で
焼結し、焼結体を支持板から剥離することにより製造さ
れる。
【0017】原料の金属粉末は、ニッケル粉末かニッケ
ルを主とする金属粉末のいずれかである。「ニッケルを
主とする金属粉末」とは、ニッケルを主成分とし、他
の少なくとも1種の金属(例、コバルト、カドミウム、
亜鉛、水銀等)を含有するニッケル基合金の粉末、およ
びニッケル粉末を主成分とし、これに他の少なくとも
1種の金属の粉末を混合した混合金属粉末、のいずれで
あってもよい。以下、ニッケル粉末とニッケルを主とす
る金属粉末をまとめて「ニッケル系金属粉末」と総称す
る。ニッケル系金属粉末は、平均粒径1〜15μmの範囲
内、特に2〜6μmの範囲内のものを使用することが好
ましい。
ルを主とする金属粉末のいずれかである。「ニッケルを
主とする金属粉末」とは、ニッケルを主成分とし、他
の少なくとも1種の金属(例、コバルト、カドミウム、
亜鉛、水銀等)を含有するニッケル基合金の粉末、およ
びニッケル粉末を主成分とし、これに他の少なくとも
1種の金属の粉末を混合した混合金属粉末、のいずれで
あってもよい。以下、ニッケル粉末とニッケルを主とす
る金属粉末をまとめて「ニッケル系金属粉末」と総称す
る。ニッケル系金属粉末は、平均粒径1〜15μmの範囲
内、特に2〜6μmの範囲内のものを使用することが好
ましい。
【0018】有機バインダは、ニッケル系金属粉末を含
有するスラリーまたはペーストに、それぞれシート成形
またはスクリーン印刷に適した適度の粘性を付与し、か
つシート状または薄膜状とした時の金属粉末成形体の形
状を維持するために添加される。有機バインダは、成形
体の焼結時に焼却されて、焼結体を多孔質とする作用も
ある。これらの目的が達成される限り、任意の有機バイ
ンダを使用することができるが、従来より焼結基板の製
造において用いられてきたバインダ (例えば、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロースなど) を本発明においても使用でき
る。有機バインダは、一般にニッケル系金属粉末の1〜
5重量%の範囲内の量で用いる。
有するスラリーまたはペーストに、それぞれシート成形
またはスクリーン印刷に適した適度の粘性を付与し、か
つシート状または薄膜状とした時の金属粉末成形体の形
状を維持するために添加される。有機バインダは、成形
体の焼結時に焼却されて、焼結体を多孔質とする作用も
ある。これらの目的が達成される限り、任意の有機バイ
ンダを使用することができるが、従来より焼結基板の製
造において用いられてきたバインダ (例えば、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロースなど) を本発明においても使用でき
る。有機バインダは、一般にニッケル系金属粉末の1〜
5重量%の範囲内の量で用いる。
【0019】本発明でシート成形に用いるスラリーは、
ニッケル系金属粉末と有機バインダとを適量の分散媒中
で混練することにより調製される。分散媒は通常は水で
あるが、乾燥により蒸発可能な有機液体を使用してもよ
い。スクリーン印刷に用いるペーストは、ニッケル系金
属粉末および有機バインダを、必要であればペーストの
製造に適した高粘性液体 (例、テルピネオール、グリコ
ール類、カルビトール類等) と共に混練することにより
調製される。
ニッケル系金属粉末と有機バインダとを適量の分散媒中
で混練することにより調製される。分散媒は通常は水で
あるが、乾燥により蒸発可能な有機液体を使用してもよ
い。スクリーン印刷に用いるペーストは、ニッケル系金
属粉末および有機バインダを、必要であればペーストの
製造に適した高粘性液体 (例、テルピネオール、グリコ
ール類、カルビトール類等) と共に混練することにより
調製される。
【0020】好適態様にあっては、このスラリーまたは
ペースト中に、ニッケル、コバルト、カドミウムおよび
それらの合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
金属の超微粉末を焼結助剤として含有させる。この金属
超微粉末は、ニッケル系金属粉末の表面を被覆すること
ができるような粒度のものが好ましい。その意味で、金
属超微粉末は、最大粒径が0.5 μm以下、平均粒径が0.
05μm以下のものが好ましい。
ペースト中に、ニッケル、コバルト、カドミウムおよび
それらの合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
金属の超微粉末を焼結助剤として含有させる。この金属
超微粉末は、ニッケル系金属粉末の表面を被覆すること
ができるような粒度のものが好ましい。その意味で、金
属超微粉末は、最大粒径が0.5 μm以下、平均粒径が0.
05μm以下のものが好ましい。
【0021】このような金属超微粉末は、焼結温度を低
下させるという、焼結助剤本来の役割を果たすと同時
に、焼結時にニッケル系金属粉末の接触点におけるネッ
ク成長(頸部成長) を優先的に進行させることができ
る。その結果、金属粉末の焼結時の収縮による空隙率の
低下および細孔径の微細化を抑制され、活物質の充填量
の高い焼結基板を得ることができ、これを極板とした時
に容量の大きな電池が製造される。また、粉末どうしの
接合により強固な結合が形成されるようになり、活物質
等の剥離や脱落も抑制される。さらには、ニッケル金属
粉末の接触面積が増大するため、焼結基板の導電性や熱
伝導率も向上し、電極特性が改善される。
下させるという、焼結助剤本来の役割を果たすと同時
に、焼結時にニッケル系金属粉末の接触点におけるネッ
ク成長(頸部成長) を優先的に進行させることができ
る。その結果、金属粉末の焼結時の収縮による空隙率の
低下および細孔径の微細化を抑制され、活物質の充填量
の高い焼結基板を得ることができ、これを極板とした時
に容量の大きな電池が製造される。また、粉末どうしの
接合により強固な結合が形成されるようになり、活物質
等の剥離や脱落も抑制される。さらには、ニッケル金属
粉末の接触面積が増大するため、焼結基板の導電性や熱
伝導率も向上し、電極特性が改善される。
【0022】好ましい焼結助剤は、極板を構成した時の
正極活物質の利用率が向上するところから、コバルト又
はコバルト合金の超微粉末である。金属超微粉末の添加
量は、少なすぎると添加により得られるニッケル系金属
粉末どうしの焼結性の向上効果が少なく、逆に多すぎる
場合には、超微粉末どうしの凝集などが原因で均一な焼
結体が得にくくなる。この点から、金属超微粉末の好ま
しい添加量は、ニッケル系金属粉末に対して 0.5〜5重
量%、より好ましくは1〜2重量%である。
正極活物質の利用率が向上するところから、コバルト又
はコバルト合金の超微粉末である。金属超微粉末の添加
量は、少なすぎると添加により得られるニッケル系金属
粉末どうしの焼結性の向上効果が少なく、逆に多すぎる
場合には、超微粉末どうしの凝集などが原因で均一な焼
結体が得にくくなる。この点から、金属超微粉末の好ま
しい添加量は、ニッケル系金属粉末に対して 0.5〜5重
量%、より好ましくは1〜2重量%である。
【0023】上記スラリーまたはペーストから焼結基板
を製造するには、二通りの方法が可能である。第一の方
法では、スラリーをシート状に成形し、乾燥した後、成
形体を支持板上で焼結し、焼結体を支持板から剥離す
る。第二の方法では、ペーストを、支持板上にスクリー
ン印刷法により印刷した後、乾燥および焼結し、焼結体
を支持板から剥離する。第一の方法は、比較的厚みのあ
る焼結基板を製造するのに適しており、連続長さ (長
尺) の焼結基板を製造することができる。第二の方法
は、非常に薄型の焼結基板の製造に適しており、印刷時
に必要な極板サイズに印刷すれば、極板の切断工程が不
要となる。製造するアルカリ蓄電池の極板の厚みに応じ
て、いずれかの方法を選択すればよい。
を製造するには、二通りの方法が可能である。第一の方
法では、スラリーをシート状に成形し、乾燥した後、成
形体を支持板上で焼結し、焼結体を支持板から剥離す
る。第二の方法では、ペーストを、支持板上にスクリー
ン印刷法により印刷した後、乾燥および焼結し、焼結体
を支持板から剥離する。第一の方法は、比較的厚みのあ
る焼結基板を製造するのに適しており、連続長さ (長
尺) の焼結基板を製造することができる。第二の方法
は、非常に薄型の焼結基板の製造に適しており、印刷時
に必要な極板サイズに印刷すれば、極板の切断工程が不
要となる。製造するアルカリ蓄電池の極板の厚みに応じ
て、いずれかの方法を選択すればよい。
【0024】第一の方法において、スラリーのシート状
への成形は、ロール成形、ドクターブレード法などの手
段で行うことができる。次いで、常温或いはバインダが
除去されない程度の温度での加熱下に乾燥して、未焼結
乾燥シートを得る。
への成形は、ロール成形、ドクターブレード法などの手
段で行うことができる。次いで、常温或いはバインダが
除去されない程度の温度での加熱下に乾燥して、未焼結
乾燥シートを得る。
【0025】乾燥シートは次いで、支持板上に載置して
焼結する。焼結時に支持板を使用するのは、本発明では
内部に支持体となる有孔金属板製の芯材を含んでいない
ので、そのまま焼結すると、焼結過程の初期段階でバイ
ンダが焼却された時点でシート形状の保持が困難となっ
て、くずれてしまうからである。支持板としては、焼結
条件下において安定であって、使用したバインダ、ニッ
ケル系金属粉末、および金属超微粉末と反応性がなく、
生成したニッケル系金属粉末の焼結基板が容易に剥離可
能なものを使用する。このような支持板の例は、アルミ
ナ焼結体などのセラミックス板があるが、これに限定さ
れるものではない。
焼結する。焼結時に支持板を使用するのは、本発明では
内部に支持体となる有孔金属板製の芯材を含んでいない
ので、そのまま焼結すると、焼結過程の初期段階でバイ
ンダが焼却された時点でシート形状の保持が困難となっ
て、くずれてしまうからである。支持板としては、焼結
条件下において安定であって、使用したバインダ、ニッ
ケル系金属粉末、および金属超微粉末と反応性がなく、
生成したニッケル系金属粉末の焼結基板が容易に剥離可
能なものを使用する。このような支持板の例は、アルミ
ナ焼結体などのセラミックス板があるが、これに限定さ
れるものではない。
【0026】第二の方法においては、ペーストを、上記
のような支持板上に、スクリーン印刷の手法により薄膜
状に印刷する。印刷形状は、極板の形状に対応した形状
とすることが好ましい。印刷された薄膜ペーストを乾燥
し、次いで薄膜を支持板ごと焼結する。この場合、成形
体は薄膜状であり、焼結前に成形体のみを移動させるこ
とは困難であるので、移動の必要がないように成形時か
ら支持体上に印刷を行って、そのままの状態で乾燥およ
び焼結を行う。
のような支持板上に、スクリーン印刷の手法により薄膜
状に印刷する。印刷形状は、極板の形状に対応した形状
とすることが好ましい。印刷された薄膜ペーストを乾燥
し、次いで薄膜を支持板ごと焼結する。この場合、成形
体は薄膜状であり、焼結前に成形体のみを移動させるこ
とは困難であるので、移動の必要がないように成形時か
ら支持体上に印刷を行って、そのままの状態で乾燥およ
び焼結を行う。
【0027】上記のいずれの方法においても、焼結は、
従来の焼結基板の製造と同様に、還元雰囲気或いは不活
性ガス雰囲気下にて行う。焼結温度は、ペーストに金属
超微粉末を添加しなかった場合には、従来と同様に 800
〜1000℃の範囲内が好ましい。焼結温度が低すぎると、
焼結が不完全で粉末どうしの接合強度が不足し、焼結体
から金属粉末が脱落するようになり、使用に不適とな
る。焼結温度が高すぎると、焼結が進行しすぎ、空隙率
の低下および細孔径の微細化を生じる。
従来の焼結基板の製造と同様に、還元雰囲気或いは不活
性ガス雰囲気下にて行う。焼結温度は、ペーストに金属
超微粉末を添加しなかった場合には、従来と同様に 800
〜1000℃の範囲内が好ましい。焼結温度が低すぎると、
焼結が不完全で粉末どうしの接合強度が不足し、焼結体
から金属粉末が脱落するようになり、使用に不適とな
る。焼結温度が高すぎると、焼結が進行しすぎ、空隙率
の低下および細孔径の微細化を生じる。
【0028】スラリーまたはペーストが焼結助剤として
金属超微粉末を含有する場合には、焼結温度が700 ℃と
低くても、十分に焼結が進み、金属粉末の脱落が起こら
ない。この場合には、焼結は一般に 650〜1000℃の範囲
内で行うことができる。焼結温度の低下は、製造に必要
なエネルギー原単位が低減するだけでなく、上述したよ
うに、焼結がネック部主体に進行し、焼結による空隙率
の低下を抑えつつ、得られた多孔質焼結体の強度、導電
性、熱伝導率を増大させることができるという利点があ
る。
金属超微粉末を含有する場合には、焼結温度が700 ℃と
低くても、十分に焼結が進み、金属粉末の脱落が起こら
ない。この場合には、焼結は一般に 650〜1000℃の範囲
内で行うことができる。焼結温度の低下は、製造に必要
なエネルギー原単位が低減するだけでなく、上述したよ
うに、焼結がネック部主体に進行し、焼結による空隙率
の低下を抑えつつ、得られた多孔質焼結体の強度、導電
性、熱伝導率を増大させることができるという利点があ
る。
【0029】焼結時間は、成形体の厚みによっても異な
るが、一般に、2〜15分間程度である。焼結後、生成し
た多孔質金属粉末焼結体を支持板から剥離し、必要であ
れば、極板の形状に切断すると、本発明の焼結基板が得
られる。
るが、一般に、2〜15分間程度である。焼結後、生成し
た多孔質金属粉末焼結体を支持板から剥離し、必要であ
れば、極板の形状に切断すると、本発明の焼結基板が得
られる。
【0030】こうして製造された本発明の焼結基板は、
次の特徴を有する。 (1) 芯材を含まないため、有孔金属板製の芯材を内部に
含む従来の焼結基板 (従来材) に比べて、空隙率が増大
し、単位体積または単位重量当たりの活物質の充填量が
増大する。従って、より高容量の電池を作製することが
できる。なお、芯材を含む従来材で空隙率を増大させよ
うとすると、前述のように焼結基板の強度低下を伴う
が、本発明では強度低下を伴わずに、85〜90%程度の高
い空隙率を得ることができる。
次の特徴を有する。 (1) 芯材を含まないため、有孔金属板製の芯材を内部に
含む従来の焼結基板 (従来材) に比べて、空隙率が増大
し、単位体積または単位重量当たりの活物質の充填量が
増大する。従って、より高容量の電池を作製することが
できる。なお、芯材を含む従来材で空隙率を増大させよ
うとすると、前述のように焼結基板の強度低下を伴う
が、本発明では強度低下を伴わずに、85〜90%程度の高
い空隙率を得ることができる。
【0031】(2) 芯材を用いないため、従来材より薄型
とすることができ、より薄型の極板が製造可能となり、
電池の小型化に有利である。特に、印刷法で本発明の焼
結基板を製造した場合には、厚み100 μm以下というよ
うな極薄型の焼結基板を製造することが可能である。
とすることができ、より薄型の極板が製造可能となり、
電池の小型化に有利である。特に、印刷法で本発明の焼
結基板を製造した場合には、厚み100 μm以下というよ
うな極薄型の焼結基板を製造することが可能である。
【0032】(3) 芯材を用いた場合には、焼結基板に力
を加えた場合に、芯材部と焼結体部との強度の差によ
り、弱い焼結体部の剥離が生じやすいが、本発明の焼結
基板は全体が均一構造であるため、このような強度差に
よる剥離の問題がない。
を加えた場合に、芯材部と焼結体部との強度の差によ
り、弱い焼結体部の剥離が生じやすいが、本発明の焼結
基板は全体が均一構造であるため、このような強度差に
よる剥離の問題がない。
【0033】(4) 芯材を含まないため、高い空隙率にお
いても焼結体部の強度は高く、ハンドリングに際しての
金属粉末の脱落等による不良が発生しにくく、角型アル
カリ蓄電池の製造に十分に使用できる強度を保持してい
る。焼結基板の強度は、焼結助剤として上記の金属超微
粉末をペーストに添加した場合には一層高くなる。
いても焼結体部の強度は高く、ハンドリングに際しての
金属粉末の脱落等による不良が発生しにくく、角型アル
カリ蓄電池の製造に十分に使用できる強度を保持してい
る。焼結基板の強度は、焼結助剤として上記の金属超微
粉末をペーストに添加した場合には一層高くなる。
【0034】(5) 特公平3−40894 号公報記載の焼結基
板と異なり、細孔が小さいので、活物質を含浸・化成処
理により充填できるので、活物質の脱落がほとんどな
い。
板と異なり、細孔が小さいので、活物質を含浸・化成処
理により充填できるので、活物質の脱落がほとんどな
い。
【0035】従って、本発明の焼結基板は、小型の角型
アルカリ蓄電池の正極板の製造に有用である。以下、実
施例により本発明を具体的に説明する。
アルカリ蓄電池の正極板の製造に有用である。以下、実
施例により本発明を具体的に説明する。
【0036】
【実施例】実施例1 平均粒径2〜3μmの球状ニッケル粉末 600gを、2.5
重量%濃度のメチルセルロース水溶液1000 ml に分散さ
せてスラリーとした後、幅250 mm、厚み1.0 mmのシート
状にドクターブレード法により成形した後、130 ℃で加
熱・乾燥して、未焼結成形体 (グリーンシート) を得
た。ベルト上にアルミナ焼結体シートからなる支持板を
敷きつめた上に上記の成形体を載置し、連続焼結炉を通
過させて成形体の焼結を行った。焼結は、H2 とN2 の
混合ガス雰囲気中において900 ℃で5分間行った。冷却
後、焼結体はアルミナ支持板から容易に剥離することが
できた。こうして製作された、図1に示す構造の芯材を
含まない本発明の焼結基板の厚みは0.8 mmであった。
重量%濃度のメチルセルロース水溶液1000 ml に分散さ
せてスラリーとした後、幅250 mm、厚み1.0 mmのシート
状にドクターブレード法により成形した後、130 ℃で加
熱・乾燥して、未焼結成形体 (グリーンシート) を得
た。ベルト上にアルミナ焼結体シートからなる支持板を
敷きつめた上に上記の成形体を載置し、連続焼結炉を通
過させて成形体の焼結を行った。焼結は、H2 とN2 の
混合ガス雰囲気中において900 ℃で5分間行った。冷却
後、焼結体はアルミナ支持板から容易に剥離することが
できた。こうして製作された、図1に示す構造の芯材を
含まない本発明の焼結基板の厚みは0.8 mmであった。
【0037】比較のために、厚さ0.15 mm のニッケルメ
ッキ有孔鋼板 (芯材) を、上記と同じスラリー中を通過
させて、芯材にスラリーを塗着した後、130 ℃で乾燥
し、上記と同様の条件下で焼結させることにより、図2
に示す構造の芯材を内部に含む従来の焼結基板を製作し
た。この焼結基板の厚みは0.8 mmであった。
ッキ有孔鋼板 (芯材) を、上記と同じスラリー中を通過
させて、芯材にスラリーを塗着した後、130 ℃で乾燥
し、上記と同様の条件下で焼結させることにより、図2
に示す構造の芯材を内部に含む従来の焼結基板を製作し
た。この焼結基板の厚みは0.8 mmであった。
【0038】上記2種類の焼結基板の空隙率を嵩密度を
測定することにより算出し、焼結体の金属粉末の脱落状
況を支持板からの剥離から電極化までの粉末の脱落の有
無により評価した。結果を次の表1に示す。
測定することにより算出し、焼結体の金属粉末の脱落状
況を支持板からの剥離から電極化までの粉末の脱落の有
無により評価した。結果を次の表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】実施例2 平均粒径2〜3μmの球状ニッケル粉末 100g、およ
びこの球状ニッケル粉末 100gと平均粒径200 Åのニ
ッケル超微粉末2gとの混合粉末、をそれぞれ4.5 重量
%のメチルセルロースを分散させたテルピネオール18g
と共に混練して2種類のペーストを得た。各ペーストを
アルミナ焼結体シートからなる支持板上に20×30 mm の
矩形薄膜状にスクリーン印刷し、130 ℃で加熱・乾燥し
た。乾燥後の膜厚は約80μmであった。乾燥後、アルミ
ナ支持板と共に連続焼結炉を通過させて焼結を行った。
焼結は、H2 とN2 の混合ガス雰囲気中において700 ℃
で5分間行った。冷却後、薄膜状の焼結体はアルミナ支
持板から容易に剥離することができた。こうして製作さ
れた薄膜状焼結基板の特性を実施例1と同様に測定した
結果を、次の表2に示す。
びこの球状ニッケル粉末 100gと平均粒径200 Åのニ
ッケル超微粉末2gとの混合粉末、をそれぞれ4.5 重量
%のメチルセルロースを分散させたテルピネオール18g
と共に混練して2種類のペーストを得た。各ペーストを
アルミナ焼結体シートからなる支持板上に20×30 mm の
矩形薄膜状にスクリーン印刷し、130 ℃で加熱・乾燥し
た。乾燥後の膜厚は約80μmであった。乾燥後、アルミ
ナ支持板と共に連続焼結炉を通過させて焼結を行った。
焼結は、H2 とN2 の混合ガス雰囲気中において700 ℃
で5分間行った。冷却後、薄膜状の焼結体はアルミナ支
持板から容易に剥離することができた。こうして製作さ
れた薄膜状焼結基板の特性を実施例1と同様に測定した
結果を、次の表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】なお、金属超微粉末をニッケル超微粉末か
らコバルト超微粉末に代えても、上記と同様の結果が得
られた。金属超微粉末を加えない場合には、700 ℃では
焼結が不完全で、金属粒子の脱落がいくらか生じた。こ
の脱落を完全に防止するには、実施例1のように焼結温
度を800 ℃以上とする必要がある。これに対して、金属
超微粉末を加えた場合には、700 ℃でも焼結は十分に進
行し、金属粉末の脱落は認められなかった。金属超微粉
末を添加すると、同条件での無添加材と比較し空隙率は
僅かに低下したが、焼結体中の金属粉末の脱落不良が発
生しない状態まで焼結を行った際の空隙率は高くなり、
また低温焼結が可能となることで、エネルギーコストが
低減する。さらに、焼結基板の強度、導電性、熱伝導率
も超微粉末無添加に比較して向上する。
らコバルト超微粉末に代えても、上記と同様の結果が得
られた。金属超微粉末を加えない場合には、700 ℃では
焼結が不完全で、金属粒子の脱落がいくらか生じた。こ
の脱落を完全に防止するには、実施例1のように焼結温
度を800 ℃以上とする必要がある。これに対して、金属
超微粉末を加えた場合には、700 ℃でも焼結は十分に進
行し、金属粉末の脱落は認められなかった。金属超微粉
末を添加すると、同条件での無添加材と比較し空隙率は
僅かに低下したが、焼結体中の金属粉末の脱落不良が発
生しない状態まで焼結を行った際の空隙率は高くなり、
また低温焼結が可能となることで、エネルギーコストが
低減する。さらに、焼結基板の強度、導電性、熱伝導率
も超微粉末無添加に比較して向上する。
【0043】実施例3 実施例1と同様の条件にて作製した本発明焼結基板およ
び従来の焼結基板にそれぞれ含浸処理、化成処理により
活物質を充填し、ニッケル正極電極板A、Bとした。ま
た、多孔度90%のフェルト状電極基体に球状水酸化ニッ
ケルを主体とする (水酸化ニッケル85wt%、金属ニッケ
ル10wt%、酸化コバルト5wt%) 粉末に糊料を加え作製
したペーストを充填しその後乾燥、プレスを行いニッケ
ル正極電極板Cを作製した。
び従来の焼結基板にそれぞれ含浸処理、化成処理により
活物質を充填し、ニッケル正極電極板A、Bとした。ま
た、多孔度90%のフェルト状電極基体に球状水酸化ニッ
ケルを主体とする (水酸化ニッケル85wt%、金属ニッケ
ル10wt%、酸化コバルト5wt%) 粉末に糊料を加え作製
したペーストを充填しその後乾燥、プレスを行いニッケ
ル正極電極板Cを作製した。
【0044】これらの電極板A、B、Cを、対極 (負
極) にカドニウム極を用い、放電容量が約800mAhの電極
を構成した。このようにして構成した電極の放電電流量
を1C放電時の放電容量を100 とした場合に対する放電
容量の比として表3に示す。この結果より、本発明によ
る焼結基板にて作製された電極Aは、大電流放電特性に
おいて従来焼結電極Bと比較し遜色なく、大電流の放電
においても容量低下は少ない。一方、ペーストの詰め込
み充填により作製した電極Cは大電流放電での容量低下
が著しかった。
極) にカドニウム極を用い、放電容量が約800mAhの電極
を構成した。このようにして構成した電極の放電電流量
を1C放電時の放電容量を100 とした場合に対する放電
容量の比として表3に示す。この結果より、本発明によ
る焼結基板にて作製された電極Aは、大電流放電特性に
おいて従来焼結電極Bと比較し遜色なく、大電流の放電
においても容量低下は少ない。一方、ペーストの詰め込
み充填により作製した電極Cは大電流放電での容量低下
が著しかった。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明の焼結基板は90%近い高い空隙率
を有し、従来の内部に芯材を含む焼結基板に比べて空隙
率が格段に向上している上、活物質の剥離や脱落も防止
される。従って、アルカリ蓄電池の正極板とした時に、
活物質の充填量が増大し、電池の容量が改善される。ま
た、芯材を含まない構造を持つため、薄型化が可能であ
り、特にスクリーン印刷法で薄膜状に成形を行うと、厚
み100 μm以下という超薄型の焼結基板を得ることがで
きる。従って、本発明の焼結基板を用いて極板を作製す
ることにより、高容量かつ薄型の角型アルカリ蓄電池の
製造が可能となる。
を有し、従来の内部に芯材を含む焼結基板に比べて空隙
率が格段に向上している上、活物質の剥離や脱落も防止
される。従って、アルカリ蓄電池の正極板とした時に、
活物質の充填量が増大し、電池の容量が改善される。ま
た、芯材を含まない構造を持つため、薄型化が可能であ
り、特にスクリーン印刷法で薄膜状に成形を行うと、厚
み100 μm以下という超薄型の焼結基板を得ることがで
きる。従って、本発明の焼結基板を用いて極板を作製す
ることにより、高容量かつ薄型の角型アルカリ蓄電池の
製造が可能となる。
【図1】本発明によるアルカリ蓄電池用焼結基板の模式
図である。
図である。
【図2】従来のアルカリ蓄電池用焼結基板の模式図であ
る。
る。
1‥‥金属粉末焼結体 2‥‥有孔金属板
(芯材)
(芯材)
Claims (5)
- 【請求項1】 ニッケル粉末またはニッケルを主とする
金属粉末が微視的に均一に分布して焼結されてなる、多
孔質金属粉末焼結体のみから構成された、内部に芯材を
含まない、角型アルカリ蓄電池用焼結基板。 - 【請求項2】 ニッケル粉末またはニッケルを主とする
金属粉末と、ニッケル、コバルト、カドミウムおよびそ
れらの合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種の金
属の超微粉末とが微視的に均一に分布して焼結されてな
る、多孔質金属粉末焼結体のみから構成された、内部に
芯材を含まない、角型アルカリ蓄電池用焼結基板。 - 【請求項3】 ニッケル粉末またはニッケルを主とする
金属粉末を有機バインダとともに混練したスラリーをシ
ート状に成形し、乾燥した後、成形体を支持板上で焼結
し、焼結体を支持板から剥離することを特徴とする、角
型アルカリ蓄電池用焼結基板の製造方法。 - 【請求項4】 ニッケル粉末またはニッケルを主とする
金属粉末を有機バインダとともに混練したペーストを、
支持板上にスクリーン印刷法により印刷した後、乾燥お
よび焼結し、焼結体を支持板から剥離することを特徴と
する、角型アルカリ蓄電池用焼結基板の製造方法。 - 【請求項5】 前記ペーストが、さらにニッケル、コバ
ルト、カドミウムおよびそれらの合金よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の金属の超微粉末を焼結助剤とし
て含有する、請求項3または4記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4120674A JPH05314988A (ja) | 1992-05-13 | 1992-05-13 | 角型アルカリ蓄電池用焼結基板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4120674A JPH05314988A (ja) | 1992-05-13 | 1992-05-13 | 角型アルカリ蓄電池用焼結基板及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05314988A true JPH05314988A (ja) | 1993-11-26 |
Family
ID=14792133
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4120674A Withdrawn JPH05314988A (ja) | 1992-05-13 | 1992-05-13 | 角型アルカリ蓄電池用焼結基板及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05314988A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999054076A1 (fr) * | 1998-04-23 | 1999-10-28 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Corps fritte poreux ayant une porosite elevee, base d'electrode d'element d'accumulateur comprenant ce corps fritte poreux, procede de production de cette base, et electrode et element d'accumulateur les utilisant |
| EP1693910A4 (en) * | 2003-12-04 | 2010-06-02 | Mitsui Mining & Smelting Co | ELECTRODE FOR SECONDARY BATTERY USE AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF AND SECONDARY BATTERY |
-
1992
- 1992-05-13 JP JP4120674A patent/JPH05314988A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999054076A1 (fr) * | 1998-04-23 | 1999-10-28 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Corps fritte poreux ayant une porosite elevee, base d'electrode d'element d'accumulateur comprenant ce corps fritte poreux, procede de production de cette base, et electrode et element d'accumulateur les utilisant |
| EP1693910A4 (en) * | 2003-12-04 | 2010-06-02 | Mitsui Mining & Smelting Co | ELECTRODE FOR SECONDARY BATTERY USE AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF AND SECONDARY BATTERY |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990803 |