JPH05317075A - オリゴ糖の製造方法 - Google Patents

オリゴ糖の製造方法

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JPH05317075A
JPH05317075A JP15421692A JP15421692A JPH05317075A JP H05317075 A JPH05317075 A JP H05317075A JP 15421692 A JP15421692 A JP 15421692A JP 15421692 A JP15421692 A JP 15421692A JP H05317075 A JPH05317075 A JP H05317075A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 小麦粉由来の水不溶性繊維質を細胞壁分解酵
素で加水分解することを特徴とするオリゴ糖の製造方
法。 【効果】 有害菌の増殖促進作用を示さず、有用菌であ
るビフィズス菌増殖促進作用を有するアラビノースとキ
シロースを多量に含むオリゴ糖、特にアラビノキシロオ
リゴ糖を、アルカリ抽出や加圧加熱処理などの複雑な前
処理工程を経ることなく、簡単な操作で且つ高収率で製
造することができ、しかもこれまで取り扱いが苦慮され
ており有用な用途のなかった小麦澱粉廃液中の水不溶性
繊維質を有用なオリゴ糖に変えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオリゴ糖の製造方法に関
する。詳細には、本発明は、ビフィズス菌の増殖促進に
極めて有効なオリゴ糖を簡単な操作で効率よく製造しう
る方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、腸内におけるフローラ(細菌叢)
が人間の健康と深く係わっていることが知られるように
なり、腸内細菌に対する関心が高まっている。腸内細菌
の中でも特にビフィズス菌は腸内の腐敗性細菌や病原菌
の生育を抑制するなどの有益な生理効果を示すことが知
られており、ビフィズス菌を増やすために色々な試みが
なされている。そのうちの一つとして、グルコース、ガ
ラクトース、フラクトースのようなヘキソースを構成糖
とするフラクトオリゴ糖または大豆オリゴ糖を用いてビ
フィズス菌を増殖させる方法が提案されているが、これ
らの糖類は、ビフィズス菌や乳酸菌等の有用菌によって
分解消化されてそれらを増殖させるものの、バクテロイ
デス・フラギリス(Bacteroides fragilis)菌やバクテ
ロイデス・ブルガタス(Bacteroides vulgatus)菌、大
腸菌などの有害菌によっても分解消化されてそのような
有害菌の増殖促進作用をも有するという欠点を有してい
る。
【0003】本発明者らは、有害菌を増殖させず、ビフ
ィズス菌を選択的に増殖し得るオリゴ糖について研究を
行ってきたが、オリゴ糖のうちでも、キシロースおよび
アラビノースというペントース成分から主としてなるオ
リゴ糖が、有害菌の増殖を抑制しつつ有用なビフィズス
菌を増殖させ得ることを見出して、アラビノキシロオリ
ゴ糖を有効成分とするビフィズス菌増殖促進剤に係る発
明を先に出願した(特願平3−208770号)。
【0004】本発明者らによる上記特願平3−2087
70号のビフィズス菌促進剤で用いるアラビノキシロオ
リゴ糖は、やはり本発明者らにより開発された特願平2
−162788号(特開平4−53496号)および特
願平3−282400号の方法で製造することができ
る。前者(特開平4−53496号)の方法は、小麦フ
スマから得られた水不溶性ヘミセルロース、水可溶性で
60%エタノール不溶性ヘミセルロースまたは水可溶性
で陰イオン交換体非吸着性ヘミセルロースをエンドキシ
ラナーゼで加水分解してアラビノキシロオリゴ糖を含む
オリゴ糖混合物を製造する方法であり、また後者(特願
平3−282400号)の方法は、イネ科植物の皮部な
どのアラビノキシラン含有部位を水分の存在下に温度1
00〜145℃、圧力1〜4気圧で加圧加熱処理した後
に、植物細胞壁崩壊酵素を作用させてアラビノキシロオ
リゴ糖を製造する方法である。
【0005】そして、上記したいずれの方法も、従来主
に家畜の飼料用に用いられていた小麦フスマから、アラ
ビノースとキシロースから主としてなる有用なオリゴ糖
を円滑に製造することを可能にしたという点で技術的に
大きな意味を有している。しかしながら、前者の方法
は、小麦フスマからアルカリ抽出等によってヘミセルロ
ースを抽出し、それによって得られたヘミセルロースを
酵素を用いて加水分解するものであるため、小麦フスマ
からのヘミセルロースの抽出工程および抽出に用いたア
ルカリの中和処理、中和により生じた塩分の除去等が必
要であり、工程的に複雑であり、高コスト化が否めなか
った。また、後者の方法は、ヘミセルロースの抽出処理
を行うことなく、小麦フスマ等のイネ科植物の皮部から
直接アラビノキシロオリゴ糖を得ることができるという
利点を有しているが、加圧加熱装置を必要とする。
【0006】一方、小麦澱粉の製造に際しては、小麦粉
に水を加えて混練して生地を製造し、この生地を水洗し
てその水洗物を水不溶性グルテンと澱粉含有乳濁液とに
分け、澱粉含有乳濁液から澱粉を分離回収する方法が一
般に採用されている。その場合に、澱粉を分離回収した
後の乳濁液は、小麦澱粉廃液として従来その大半がその
まま廃棄されており、一部のみが液状のまま、または固
形状にして家畜用の飼料として利用されているだけであ
り、廃水処理などの点からもその取り扱いが苦慮されて
きた。
【0007】特に、小麦粉から小麦澱粉を製造する過程
で発生する小麦澱粉廃液からは、小麦フスマの微細破片
から主としてなる赤粕と称される着色した水不溶性繊維
質と、胚乳中に含まれる繊維質から主としてなる白粕と
称される白色の水不溶性繊維質が得られ、白粕に相当す
る部分については、本発明者らによる先の出願(特願平
2−418026号)によって、その食物繊維としての
有効な利用法およびその円滑な回収方法が見いだされた
が、赤粕については、これまで有効な用途がなく、その
処理が問題になっていた。
【0008】
【発明の内容】上記のような状況下に、本発明者らは、
有害菌の増殖促進作用を示さず、有用菌であるビフィズ
ス菌増殖促進作用を有するアラビノースとキシロースを
含むオリゴ糖、特にアラビノキシロオリゴ糖を、アルカ
リ抽出や加圧加熱処理などの複雑な工程を経ることな
く、簡単な操作で且つ効率よく製造しうる方法を開発す
べく更に研究を進めてきた。それと併せて、本発明者ら
は小麦澱粉廃液中に含まれる水不溶性の繊維質、特に赤
粕として回収される繊維質の有効利用についても研究を
続けてきた。
【0009】その結果、小麦粉から澱粉およびグルテン
を製造する際に排出される小麦澱粉廃液中に含まれる水
不溶性の繊維質を用い、この繊維質に直接細胞壁分解酵
素を作用させると、アルカリ抽出によるヘミセルロース
の回収や加圧加熱処理を何ら行わなくても、アラビノー
スとキシロースに富む目的とする有用なオリゴ糖を極め
て簡単に且つ効率よく製造することができることを見出
して、本発明を完成した。
【0010】したがって、本発明は、小麦粉由来の水不
溶性繊維質を細胞壁分解酵素で加水分解することを特徴
とするオリゴ糖の製造方法である。
【0011】本発明では、小麦粉由来の水不溶性繊維質
として、小麦粉に由来し且つ水不溶性である繊維質のい
ずれも使用でき、該水不溶性繊維質の回収方法や入手方
法は特に問わない。しかし、水不溶性繊維質としては、
小麦粉から澱粉を製造する際に排出される小麦澱粉廃液
中に含まれる水不溶性の繊維質を使用するのが望まし
い。そのうちでも、特にいわゆる赤粕と称される繊維質
を使用するのが、これまで有用な用途の知られていなか
った赤粕の有効利用の点、更にはそれから得られるオリ
ゴ糖中にビフィズス菌の増殖に有用なアラビノースおよ
びキシロースが多く含まれる点から好ましい。
【0012】小麦澱粉廃液中の水不溶性繊維質に細胞壁
分解酵素を作用させてオリゴ糖を製造するに当たって
は、水不溶性繊維質を含有する小麦澱粉廃液に液状のま
ま直接細胞壁分解酵素を作用させてもよい。しかし、こ
の方法よりも更に、小麦澱粉廃液から赤粕、白粕、また
はそれらの混合物からなる水不溶性繊維質を固形状で回
収し、回収された固形状繊維質に細胞壁分解酵素を作用
させる方が、塩類や水溶性の蛋白質等が除去され、その
結果純度の高いオリゴ糖が得られるので、その後のオリ
ゴ糖の精製が容易になり特に好ましい。
【0013】小麦澱粉廃液から水不溶性繊維質を赤粕や
白粕、またはそれらの混合物等の固形物として回収する
方法は特に限定されない。例えば、従来公知の方法によ
って小麦粉から小麦澱粉を製造し、その際に副生してく
る赤粕、白粕またはそれらの混合物などからなる固形状
の水不溶性繊維質をそのまま使用してもよい。或いは、
本発明者らによる上記した特願平2−418026号の
方法に準じて次のようにして水不溶性繊維質を回収して
もよく、特に、下記の方法による場合は、本発明の原料
である水不溶性繊維質を簡単に且つ効率よく得ることが
できる。
【0014】特願平2−418026号の方法に準ずる
水不溶性繊維質の回収法 小麦粉に水を加え混練して生地または乳液を製造し、該
生地または乳液を水洗した後、その水洗物をグルテンと
澱粉含有乳濁液とに分離し、澱粉含有乳濁液から澱粉を
分離回収する。澱粉を分離した後の残留物(液)に水を
加えて水希釈乳濁液とした後、それを遠心分離処理し
て、赤粕に相当する着色固形物と白粕に相当するものを
含有する白色乳濁液の2者、または着色固形物、白色乳
濁液および水の3者の各々に分離し、該着色固形物およ
び白色乳濁液の各々を乾燥して、赤粕および白粕の各々
を回収し、それらを本発明における水不溶性繊維質とし
て用いる。
【0015】そして、本発明では、小麦粉由来の水不溶
性繊維質を細胞壁分解酵素で加水分解処理してオリゴ糖
を生成させる。本発明で使用する細胞壁分解酵素は、キ
シラナーゼ活性を有するものであればいずれでもよく、
例えばヤクルト社製の“セルラーゼ オノズカ”、盛進
製薬社製の“ペクトリアーゼ Y−23”、三光純薬社
製の“メイセラーゼ”等を挙げることができる。
【0016】細胞壁分解酵素は遊離の状態で使用しても
担体に固定化して使用してもよく、また細胞壁分解酵素
による加水分解処理は連続法で行ってもバッチ法で行っ
てもよい。細胞壁分解酵素の起源、その使用量、処理時
の温度、圧力、pH、時間等の諸条件を適宜選んで処理
を行う。小麦澱粉廃液から水不溶性繊維質を白粕、赤粕
などの固形物として回収し、それらの固形物を使用して
細胞壁分解酵素により加水分解処理を行う場合は、該水
不溶性繊維質からなる固形物を水に分散または懸濁させ
て酵素処理を行うのがよい。
【0017】限定されるものではないが、一般に、水不
溶性繊維質1gに対して、細胞壁分解酵素をキシラナー
ゼとして1〜100units、好ましくは5〜50unitsの
割合で使用して、30〜70℃、好ましくは50〜60
℃の温度で、pH4〜7、好ましくはpH5〜6で、4
時間未満、好ましくは1時間未満で加水分解反応を行う
と、目的とするオリゴ糖を収率よく且つ低コストで得る
ことができる。
【0018】この加水分解反応終了の一つの目安として
は、水不溶性繊維質を含有する懸濁液の粘度低下がなく
なった時点を挙げることができ、その時点で加熱などに
より酵素を失活させるとよい。反応条件をより精密にコ
ントロールしたい場合は、高速液体クロマトグラフ法
(HPLC法)等で酵素反応生成物の組成を分析しなが
ら行うとよい。
【0019】上記のようにして得られたオリゴ糖含有加
水分解液を、限外濾過膜、活性炭、ゲル濾過クロマトグ
ラフィー、イオン交換樹脂等の分離手段の1つまたは複
数を組合せて処理することにより、アラビノキシロオリ
ゴ糖を主として含む目的とするオリゴ糖を分離回収する
ことができる。
【0020】加水分解液からのオリゴ糖の分離回収法の
具体例を挙げると次のとおりであるが、勿論それらに限
定されない。 オリゴ糖含有加水分解液を遠心分離した後、上澄液
をミクロフィルター(例えば孔径0.45μm)にか
け、その濾液を乾燥して主としてアラビノキシロオリゴ
糖からなるオリゴ糖を回収する。 オリゴ糖含有加水分解液を遠心分離した後、上澄液
を限外濾過膜で処理して得た流出液を乾燥して、主とし
てアラビノキシロオリゴ糖からなるオリゴ糖を回収す
る。
【0021】 オリゴ糖含有加水分解液を遠心分離し
て固形物を除去した後、イオン交換樹脂に通して脱塩
し、その上澄液をミクロフィルター(孔径:0.45μ
m)で処理してから活性炭カラムに通し、活性炭吸着区
分と非吸着区分とに分け、次いで活性炭吸着区分を70
%エタノールで溶離し、この溶離液を乾燥して、主とし
てアラビノキシロオリゴ糖からなるオリゴ糖を回収す
る。 オリゴ糖含有加水分解液を遠心分離した後、その上
澄液をミクロフィルター(例えば孔径0.45μm)に
通し、濾液を濃縮してゲル濾過クロマトグラフィー(例
えば東ソー株式会社製のToyopearl HW−40s)に
かけ、溶出液を細かく分取した後、乾燥することによっ
て単一のオリゴ糖を回収する。
【0022】本発明の方法により製造されるオリゴ糖、
特に上記した〜の回収方法により得られたオリゴ糖
は、キシロースとアラビノースとが結合したアラビノキ
シロオリゴ糖および/またはキシロースのみが結合した
キシロオリゴ糖であり、更にはキシロース、アラビノー
ス、グルコースなどの単糖類が少量含まれる。該混合オ
リゴ糖中には、特にアラビノキシロオリゴ糖が多く含ま
れ(通常約70〜80%)、該アラビノキシロオリゴ糖
は、組成式(Xyl)n(Ara)m(式中、Xyl:キシロー
ス、Ara:アラビノース、n:キシロースの結合数、
m:アラビノースの結合数)で示した場合に、通常、n
=2〜10、m=1〜10のオリゴ糖からなっている。
混合オリゴ糖は、混合物の形態で使用しても、または上
記したの回収法等により単一のオリゴ糖の各々に分離
して回収・使用してもよい。
【0023】小麦フスマ等を使用する場合には細胞壁分
解酵素を直接作用させてもオリゴ糖が得られないのに対
して、小麦粉由来の水不溶性繊維質を使用する本発明に
おいて細胞壁分解酵素によってオリゴ糖が直接、簡単に
得られる理論的根拠は明確ではないが、下記の理由によ
るものと推定される。
【0024】すなわち、本発明で使用する小麦澱粉廃液
から回収される赤粕や白粕などの小麦粉由来の水不溶性
繊維質は、主に製粉時に発生する小麦フスマの微細破片
や小麦胚乳中に含まれる水不溶性の繊維質からなってい
る。これらの水不溶性繊維は、製粉工程の篩分け処理を
経た後の最終製品である小麦粉中に含まれているもので
あるため、製粉工程の最初の段階で篩分けられる粒度の
大きな通常の小麦フスマ等と異なり、一般に200μm
よりも細かい粒度を有する微粒子からなっている。その
ため、その表面積が大きく、酵素と接触し易い状態にな
っており、しかもその水不溶性繊維質中のセルロースと
ヘミセルロースの結合が部分的に崩壊しており、小麦フ
スマのように強固ではない。その上、小麦粉から小麦澱
粉やグルテンを採取する際に、混練、水洗などの工程を
経るため、充分に水和されており、細胞壁分解酵素が水
不溶性繊維質の細胞壁中に浸透し易い状態になってい
る。その結果、アルカリによるヘミセルロースの抽出処
理や加熱加圧処理等の前処理を施さなくても、小麦粉由
来の水不溶性繊維質に直接細胞壁分解酵素を作用させる
だけで、加水分解が円滑に行われて、目的とするオリゴ
糖が得られるものと考えられる。
【0025】そして、上記で本発明で製造されたオリゴ
糖は、アラビノキシロオリゴ糖から主としてなっている
ため、バクテロイデス・フラギリス菌、バクテロイデス
・ブルガタス菌、大腸菌などの有害菌の増殖促進作用を
持たず、有用菌であるビフィズス菌を選択的に増殖させ
ることができ、機能性食品やその他の用途に有用に使用
することができる。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例中
の%はすべて重量による。また、以下の例中、全糖量
は、フェノール硫酸法によって求めた。更に、得られた
生成物中のオリゴ糖の含有量および糖組成は下記の方法
のより測定した。
【0027】[オリゴ糖含有量の測定]下記の例で得ら
れた生成物50mgを純水1mlに溶かした後、下記の
条件下でHPLC分析を行い、そのクロマトグラムを求
め、クロマトグラムの各ピークの面積比からオリゴ糖の
含有量を求めた。HPLC分析条件 : 注入量:20μl カラム:Ultrahydrogel 250×2(ウォーターズ社製) 流 速:0.8ml/分 温 度:70℃ 検出装置:示差屈折計
【0028】[糖組成の測定]下記の各例で得られた生
成物20mgに2規定のトリフルオロ酢酸2mlを加
え、100℃で2時間加水分解した後、酸を除いて、上
記の条件下にHPLC分析を行って糖組成を求めた。
【0029】《参考例 1》[小麦粉由来の水不溶性繊
維質の回収] 上記した特願平2−418026号に準じて以下の方法
で水不溶性繊維質を小麦粉から回収した。すなわち、小
麦粉(蛋白含量16.0%)10部に対して水6部を加
え、ニーダー混練機を使用して約20℃の温度で20分
間混練して生地を製造した。 次に、この生地16部に
対して水を60部加えて水温約20℃で水洗装置(一軸
型スクリューコンベア)を使用して60分間水洗を行っ
た。この水洗工程の結果、生地中の小麦グルテンは水不
溶固形物として分離してくるので、グルテン固形物を除
き、澱粉含有乳濁液からなる水相を回収した。次いで上
記で回収した澱粉含有乳濁液を300メッシュの振動篩
を使用して処理し澱粉を分離し、篩の上に残留するぺ−
スト状残留物(水分含量約95%)を回収した。
【0030】次に、上記工程で回収したペースト状残留
物に対して更に2倍の水を加えて固形分濃度が約2%の
水希釈乳濁液を調製した。更に、連続式遠心分離装置
[シャープレス・スーパー・デカンター P−660
型:巴工業(株)社製]を使用して、水希釈乳濁液の供
給量2000kg/h、回転筒の回転速度5000rp
m(2130G)、コンベヤの回転速度3000rpm
で遠心分離処理すると、赤粕に相当する着色した水不溶
性繊維質が上流側の排出口から排出され、一方下流側の
排出口から白粕に相当する水不溶性繊維質を含む白色乳
濁液が1900kg/hの割合で回収された。上記で回
収された着色した水不溶性繊維質と白色乳濁液の各々を
乾燥して、いわゆる赤粕と白粕の各々を得た。上記で得
た赤粕および白粕の一般分析値および中性糖組成は、下
記の表1に示すとおりであった。
【0031】《参考例 2》小麦粉の種類を変えて上記
の参考例1と同様の方法により、赤粕と白粕とを調製
し、その一般分析値および糖組成を調べたところ、下記
の表1に示すとおりであった。更に参考のため、小麦フ
スマの一般分析値と中性糖組成を表1に併記する。
【0032】
【表1】 一般分析値 糖組成 水分 灰分 蛋白質 Glc1) Xyl2) Ara3) (%) (%) (%) (%) (%) (%) 参考例1 赤 粕 10.0 1.5 7.2 20.0 48.3 31.5 白 粕 10.0 0.6 6.0 65.2 20.2 14.6参考例2 赤 粕 4.1 1.2 6.9 51.0 30.9 48.2 白 粕 4.5 0.7 4.3 63.4 23.1 13.5小麦フスマ 12.6 5.1 16.4 32.1 42.9 25.0 1) グルコース、 2) キシロース、 3) アラビノース
【0033】上記の表1から、小麦粉由来の水不溶性繊
維質である赤粕および白粕は、小麦フスマに比べて、灰
分および蛋白質といったオリゴ糖の調製にとっては不純
物になる物質の含有割合が少なく、オリゴ糖の製造用原
料として好ましいことがかわる。また、グルコースは主
に小麦澱粉に由来するものと考えられる。更に、参考例
1と参考例2によるものとでは、赤粕中におけるグルコ
ース、キシロースおよびアラビノースの割合がかなり異
なっているが、これは赤粕調製時の澱粉との分離の程度
に原因するものと思われる。グルコースは、アラビノキ
シロオリゴ糖を主成分とするオリゴ糖の製造時には不純
物となるので、赤粕等の水不溶性繊維質の製造時に出来
る限り分離するのが好ましい。そして、本発明者らによ
る上記した特願平2−418026号の方法によって赤
粕を調製した場合には、赤粕中に含まれるグルコースの
割合が少なく、その赤粕は本発明における水不溶性繊維
質として適している。
【0034】《実施例 1》参考例1で調製した赤粕5
gをpH5.5で50mMの酢酸緩衝液に懸濁させて、
赤粕の5%(w/v)懸濁液100mlを調製した。こ
れを50℃に加温した後、セルラーゼオノズカRS(ヤ
クルト本社製)を5mg(キシラナーゼとして42unit
s)を加えて30分間加水分解反応を行った。次いで、
100℃で10分間煮沸させて酵素を失活させた。放冷
後、9000Gで30分間遠心分離して、得られた上澄
液を孔径0.45μmのミクロフィルターで濾過し、濾
液を凍結乾燥して固形物を得た。ここで得られた固形物
の収率(%)、全糖量、オリゴ糖含有量および糖組成を
上記した方法により測定した。その結果を、下記の表2
に示す。
【0035】《実施例 2》参考例1で調製した白粕を
使用した以外は実施例1と同様にしてオリゴ糖の製造を
行った。その結果を表2に示す。
【0036】《実施例 3》参考例1で調製した赤粕5
gをpH5.5で50mMの酢酸緩衝液に懸濁させて、
赤粕の5%(w/v)懸濁液100mlを調製した。こ
れを60℃に加温し、ターマミル120L(NOVO社
製)を70μl(アミラーゼとして10KNU)を加え
て1時間反応を行った後、9000Gで30分間遠心分
離して上澄液を除いた。新たにpH5.5で50mMの
酢酸緩衝液を加えて100mlに定容した後、50℃に
加温して、セルラーゼオノズカRSを5mg(キシラナ
ーゼとして42units)を加えて30分間加水分解反応
を行った。次いで、100℃で10分間煮沸させて酵素
を失活させた。放冷後、9000Gで30分間遠心分離
して、得られた上澄液を孔径0.45μmのミクロフィ
ルターで濾過し、濾液を凍結乾燥して固形物を得た。こ
こで得られた固形物の収率(%)、全糖量、オリゴ糖含
有量および糖組成を上記した方法により測定した。その
結果を、下記の表2に示す。
【0037】《実施例 4》参考例1で調製した赤粕
1.5kgをpH5.5で50mMの酢酸緩衝液に懸濁
させて、赤粕の10%(w/v)懸濁液15リットルを
調製した。これを発酵装置MBU−50(東京理化器機
社製)に入れて60℃に加温した。これに、ターマミル
120Lを21ml(アミラーゼとして3000KN
U)を加えて1時間反応を行った後、遠心濾布[(株)
田辺鉄工所製]を用いて反応液を除いた。残渣を再び発
酵装置MBU−50に入れて、新たにpH5.5で50
mMの酢酸緩衝液を加えて15リットルに定容した。そ
の後、50℃に加温して、セルラーゼオノズカRSを
1.5g(キシラナーゼとして12450units)を加
えて30分間加水分解反応を行った。次いで、100℃
で10分間煮沸させて酵素を失活させた。放冷後、遠心
濾布で濾液を調製した後、この濾液に濾過助剤(昭和化
学工業社製;ラジオライト2000)を1%(w/v)
加えて、孔径5μmのフィルターで吸引濾過した。得ら
れた濾液をスプレードライヤーで噴霧乾燥して乾燥物を
得た。ここで得られた乾燥物の収率(%)、全糖量、オ
リゴ糖含有量および糖組成を上記した方法により測定し
た。その結果を、下記の表2に示す。
【0038】ところで、この実施例4で得られた乾燥物
を上記したHPLC分析にかけた時のクロマトグラム
は、図1に示すとおりであった。一方、分子量既知の物
質を用いて同様にしてHPLC分析したところ、分子量
が5800のプルランの場合は19.20分の位置に、
分子量が180のグルコースでは27.69分の位置
に、更に分子量が150のキシロースとアラビノースで
は28.55分の位置にそれぞれピークが出現した。こ
のことから、図1のクロマトグラムにおいて、グルコー
スにほぼ相当するピーク4(分子量180)よりも左側
にあるより分子量の大きいピーク1〜3がオリゴ糖に相
当し、オリゴ糖の生成が確認された。
【0039】《比較例 1》水洗した小麦フスマの凍結
乾燥物50gをpH5.5で50mMの酢酸緩衝液に懸
濁させて小麦フスマの5%(w/v)懸濁液1リットル
を調製した。これを50℃に加温した後、セルラーゼオ
ノズカRSを50mg(キシラナーゼとして420unit
s)を加えて30分間加水分解反応を行った。次いで、
100℃で10分間煮沸させて酵素を失活させた。放冷
後、9000Gで30分間遠心分離して、得られた上澄
液にラジオライト2000を1%(w/v)の割合で加
えて孔径5μmのフィルターで濾過し、濾液を凍結乾燥
して固形物を得た。ここで得られた固形物の収率
(%)、全糖量、オリゴ糖含有量および糖組成を上記し
た方法により測定した。その結果を、下記の表2に示
す。
【0040】《比較例 2》水洗した小麦フスマの凍結
乾燥物50gをpH5.5で50mMの酢酸緩衝液に懸
濁させて小麦フスマの5%(w/v)懸濁液1リットル
を調製した。これをオートクレーブにて120℃、2.
1気圧で10分間加圧加熱処理した。放冷後、50℃に
加温してセルラーゼオノズカRSを50mg(キシラナ
ーゼとして420units)を加えて30分間加水分解反
応を行った。次いで、100℃で10分間煮沸させて酵
素を失活させた。放冷後、9000Gで30分間遠心分
離して、得られた上澄液にラジオライト2000を1%
(w/v)の割合で加えて孔径5μmのフィルターで濾
過し、濾液を凍結乾燥して固形物を得た。ここで得られ
た固形物の収率(%)、全糖量、オリゴ糖含有量および
糖組成を上記した方法により測定した。その結果を、下
記の表2に示す。
【0041】
【表2】 実 施 例 比較例 1 2 3 4 1 2 固形物収率(%) 40.1 32.5 30.4 28.8 3.6 23.7 全糖量(%) 88.7 86.3 88.1 90.0 − 85.8 オリゴ糖含有量 16.4 11.8 16.3 15.1 − 12.1 糖組成 Glc1)(%) 43.1 47.8 25.0 28.2 − 25.7 Xyl2)(%) 38.7 33.3 51.9 48.7 − 57.2 Ara3)(%) 18.2 18.9 23.1 23.1 − 17.1 合計(%) 100.0 100.0 100.0 100.0 − 100.0 1) グルコース、 2) キシロース、 3) アラビノース
【0042】上記表2の結果から、本発明の実施例1〜
4では予備処理を行わずに小麦粉由来の水不溶性繊維質
を細胞壁分解酵素で直接加水分解処理しているだけであ
るにも拘わらず、繊維質の加圧加熱等の予備処理を行っ
ている比較例1〜2に比べて、アラビノースおよびキシ
ロースを多く含むオリゴ糖を高い収率で得ることができ
ることがわかる。しかも小麦粉由来の水不溶性繊維質と
して赤粕を使用した場合には、グルコース含量が少な
く、アラビノースおよびキシロース含量の多い、ビフィ
ズス菌の増殖促進により有効なオリゴ糖が得られること
がかわる。
【0043】
【発明の効果】本発明の方法により、有害菌の増殖促進
作用を示さず、有用菌であるビフィズス菌増殖促進作用
を有するアラビノースとキシロースを多量に含むオリゴ
糖、特にアラビノキシロオリゴ糖を、アルカリ抽出や加
圧加熱処理などの複雑な前処理工程を経ることなく、簡
単な操作で且つ高収率で製造することができる。更に、
本発明によるときは、これまで取り扱いが苦慮されてき
た小麦澱粉廃液中の水不溶性繊維質、そのうちでも特に
赤粕として回収される繊維質を有効利用することがで
き、従来ほとんど有効な用途のなかった小麦粉由来の水
不溶性繊維質を有用なオリゴ糖に変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で得られた生成物のHPLC分析によ
る各フラクションのクロマトグラムを示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【表1】 一般分析値 糖組成 水分 灰分 蛋白質 Glc1) Xyl2) Ara3) (%) (%) (%) (%) (%) (%) 参考例1 赤 粕 10.0 1.5 7.2 20.2 48.3 31.5 白 粕 10.0 0.6 6.0 65.2 20.2 14.6参考例2 赤 粕 4.1 1.2 6.9 51.0 30.9 18.1 白 粕 4.5 0.7 4.3 63.4 23.1 13.5小麦フスマ 12.6 5.1 16.4 32.1 42.9 25.0 1) グルコース、 2) キシロース、 3) アラビノース

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉由来の水不溶性繊維質を細胞壁分
    解酵素で加水分解することを特徴とするオリゴ糖の製造
    方法。
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