JPH05327041A - 永久電流スイッチ - Google Patents
永久電流スイッチInfo
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- JPH05327041A JPH05327041A JP4121986A JP12198692A JPH05327041A JP H05327041 A JPH05327041 A JP H05327041A JP 4121986 A JP4121986 A JP 4121986A JP 12198692 A JP12198692 A JP 12198692A JP H05327041 A JPH05327041 A JP H05327041A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 1000 A以上の安定した通電が可能で、中型や
大型の超電導マグネット用に適する永久電流スイッチの
提供を目的とする。 【構成】 銅以外の他の常電導性の金属もしくは合金を
マトリックスとした化合物系の超電導素線複数本から成
る撚り線6、もしくは銅以外の他の常電導性の金属もし
くは合金をマトリックスとしかつ互いに絶縁され1本を
中心素線としこの中心素線外周に他の6本の超電導素線
を撚り配置した撚り線6を、無誘導状態に巻回・構成さ
れた永久電流スイッチ本体7と、前記永久電流スイッチ
本体7を構成する撚り線を超電導状態から常電導状態に
熱的に切り換え可能に構成した超電導−常電導切り換え
手段12とを具備して成ることを特徴とし、さらには、前
記永久電流スイッチ本体7を構成する撚り線6の一部を
並列体化して、その並列体化した領域に不純物金属 0.0
05〜0.05重量%含有する無酸素銅から成る抵抗体10を直
列に接続・挿入して成ることを特徴とする。
大型の超電導マグネット用に適する永久電流スイッチの
提供を目的とする。 【構成】 銅以外の他の常電導性の金属もしくは合金を
マトリックスとした化合物系の超電導素線複数本から成
る撚り線6、もしくは銅以外の他の常電導性の金属もし
くは合金をマトリックスとしかつ互いに絶縁され1本を
中心素線としこの中心素線外周に他の6本の超電導素線
を撚り配置した撚り線6を、無誘導状態に巻回・構成さ
れた永久電流スイッチ本体7と、前記永久電流スイッチ
本体7を構成する撚り線を超電導状態から常電導状態に
熱的に切り換え可能に構成した超電導−常電導切り換え
手段12とを具備して成ることを特徴とし、さらには、前
記永久電流スイッチ本体7を構成する撚り線6の一部を
並列体化して、その並列体化した領域に不純物金属 0.0
05〜0.05重量%含有する無酸素銅から成る抵抗体10を直
列に接続・挿入して成ることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば核融合用のヘ
リカルコイル、エネルギー貯蔵用の超電導コイル、ある
いは半導体単結晶引上げ装置用コイルなど比較的大きい
電流を流す超電導マグネットなどに用いる永久電流スイ
ッチに係り、特にクエンチの影響を低減して通電電流の
安定化を図った永久電流スイッチに関する。
リカルコイル、エネルギー貯蔵用の超電導コイル、ある
いは半導体単結晶引上げ装置用コイルなど比較的大きい
電流を流す超電導マグネットなどに用いる永久電流スイ
ッチに係り、特にクエンチの影響を低減して通電電流の
安定化を図った永久電流スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】超電導線技術の特徴の一つとして永久電
流が挙げられる。たとえば磁気浮上式列車に搭載される
超電導磁石(超電導マグネット)においては、推進に必
要な起磁力を出すため、走行中ずっと別設の電源によら
ず所用の電流が流れることを要する。つまり、一旦推進
に必要な起磁力を得るため超電導磁石に流れる電流は、
磁気浮上式列車が走行する間中ずっと、別設の電源から
の給電によらず永久的に前記電流が流れている必要があ
る。
流が挙げられる。たとえば磁気浮上式列車に搭載される
超電導磁石(超電導マグネット)においては、推進に必
要な起磁力を出すため、走行中ずっと別設の電源によら
ず所用の電流が流れることを要する。つまり、一旦推進
に必要な起磁力を得るため超電導磁石に流れる電流は、
磁気浮上式列車が走行する間中ずっと、別設の電源から
の給電によらず永久的に前記電流が流れている必要があ
る。
【0003】図8(a) 〜(f) は前記超電導磁石(マグネ
ット)に永久電流を流す方法を模式的に示したもので、
1は超電導コイル、2は加工性にすぐれた合金系のNbTi
超電導線を無誘導に巻回して構成された永久電流スイッ
チ、3は電源、4はスイッチで、図8(a) に図示するす
るような回路構成を成している。しかして、図8(b)に
図示するようにスイッチ4を閉じ(投入する)、電流を
流して設定電位値に達した時点で、図8(c) に図示する
ように永久電流スイッチ2を投入する。その後、電源電
流を徐々に下げて行くと、図8(d) に図示するように超
電導コイル1の電流は、前記設定値のままで、電源3へ
行く電流との差の電流だけ永久電流スイッチ2(超電導
状態:電気抵抗ゼロ)の方に流れる。こうして、電源3
からの電流をゼロに下げると、図8(e) に図示するよう
に超電導コイル1と永久電流スイッチ2の閉ループの中
で永久電流が循環し続ける。この状態でスイッチ4を開
き、電源3を切り離すと、図8(f) に図示するように超
電導コイル1を永久磁石として利用し得る。なお、超電
導磁石の永久電流状態を解除して消磁するには、前記の
操作を逆に行えばよい。
ット)に永久電流を流す方法を模式的に示したもので、
1は超電導コイル、2は加工性にすぐれた合金系のNbTi
超電導線を無誘導に巻回して構成された永久電流スイッ
チ、3は電源、4はスイッチで、図8(a) に図示するす
るような回路構成を成している。しかして、図8(b)に
図示するようにスイッチ4を閉じ(投入する)、電流を
流して設定電位値に達した時点で、図8(c) に図示する
ように永久電流スイッチ2を投入する。その後、電源電
流を徐々に下げて行くと、図8(d) に図示するように超
電導コイル1の電流は、前記設定値のままで、電源3へ
行く電流との差の電流だけ永久電流スイッチ2(超電導
状態:電気抵抗ゼロ)の方に流れる。こうして、電源3
からの電流をゼロに下げると、図8(e) に図示するよう
に超電導コイル1と永久電流スイッチ2の閉ループの中
で永久電流が循環し続ける。この状態でスイッチ4を開
き、電源3を切り離すと、図8(f) に図示するように超
電導コイル1を永久磁石として利用し得る。なお、超電
導磁石の永久電流状態を解除して消磁するには、前記の
操作を逆に行えばよい。
【0004】そして、前記永久電流スイッチは、一般に
超電導磁石による発生磁界の小さい場所に設置されてお
り、また核融合用のヘリカルコイルや半導体単結晶引上
げ装置用コイルなどの場合は、比較的低い電流のスイッ
チが実用されている。
超電導磁石による発生磁界の小さい場所に設置されてお
り、また核融合用のヘリカルコイルや半導体単結晶引上
げ装置用コイルなどの場合は、比較的低い電流のスイッ
チが実用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記合金系の
NbTi超電導線を無誘導に巻回して構成された永久電流ス
イッチ2の場合、実用上次のような不都合が認められ
る。すなわち、永久電流スイッチ2の主要部(本体)を
成す無誘導に巻回され合金系のNbTi超電導線は、超電導
状態を保ち得る臨界温度が約10 K以下と比較的低く、
4.2 Kの液体ヘリウム中に置いた場合でも、通電状態で
は超電導状態が破れる温度まで約 3 K程度しか温度マー
ジンを採り得ない。このため、スイッチ2の容量を大電
流化しようとしても、接続部において、前記合金系のNb
Ti超電導線の合金系のNbTiフィラメントに電流が流れ込
む際、合金系のNbTi超電導線のマトリックスで発熱が起
こり、超電導線材としての臨界電流値よりも低い電流で
常電導化するという問題がある。たとえば、前記合金系
のNbTi超電導線のマトリックスが Cu-Ni系の場合は、安
定に通電できる電流値は高々1000 A程度であり、1本の
合金系のNbTi超電導線の電流負担を低減するため、スイ
ッチ2を並列に接続配置する手段や、合金系のNbTi超電
導線(素線)を複数本撚り線化して電流容量を増大化す
る手段も試みられている。
NbTi超電導線を無誘導に巻回して構成された永久電流ス
イッチ2の場合、実用上次のような不都合が認められ
る。すなわち、永久電流スイッチ2の主要部(本体)を
成す無誘導に巻回され合金系のNbTi超電導線は、超電導
状態を保ち得る臨界温度が約10 K以下と比較的低く、
4.2 Kの液体ヘリウム中に置いた場合でも、通電状態で
は超電導状態が破れる温度まで約 3 K程度しか温度マー
ジンを採り得ない。このため、スイッチ2の容量を大電
流化しようとしても、接続部において、前記合金系のNb
Ti超電導線の合金系のNbTiフィラメントに電流が流れ込
む際、合金系のNbTi超電導線のマトリックスで発熱が起
こり、超電導線材としての臨界電流値よりも低い電流で
常電導化するという問題がある。たとえば、前記合金系
のNbTi超電導線のマトリックスが Cu-Ni系の場合は、安
定に通電できる電流値は高々1000 A程度であり、1本の
合金系のNbTi超電導線の電流負担を低減するため、スイ
ッチ2を並列に接続配置する手段や、合金系のNbTi超電
導線(素線)を複数本撚り線化して電流容量を増大化す
る手段も試みられている。
【0006】しかし、前記並列に接続配置されたスイッ
チ2中の1個、もしくは撚り線の中の1本の素線がクエ
ンチすると、他の正常なスイッチや素線に数千〜数万 A
/sの電流の流れ込みが起こる。すなわち、合金系のNbTi
超電導線で構成した永久電流スイッチ2の場合、臨界温
度が低いためクエンチ電流の低下が激しく、たとえば図
9に示すごとく数万 A/s程度の通電速度で、臨界電流の
1/3程度以下の電流でクエンチが起こる。この点さらに
説明すると、通電速度が速くなるほど自己磁界交流損失
による発熱が液体ヘリウムに伝わることができなくなる
ので、クエンチ電流が大幅に低下することになる。そし
て、1本の素線がクエンチを起こしたとき、他の正常な
素線への電流の流れ込みは約 2 ms で起こり、素線への
電流の流れ込みの大きさにもよるが、 100 A程度の電流
が流れ込むとすると、通電速度が50,000 A/s程度とな
り、もともと素線に定常電流が流れていれば、これに加
えて流れ込み得る電流は自ずから限界がある(流れ込み
得る電流は小)。
チ2中の1個、もしくは撚り線の中の1本の素線がクエ
ンチすると、他の正常なスイッチや素線に数千〜数万 A
/sの電流の流れ込みが起こる。すなわち、合金系のNbTi
超電導線で構成した永久電流スイッチ2の場合、臨界温
度が低いためクエンチ電流の低下が激しく、たとえば図
9に示すごとく数万 A/s程度の通電速度で、臨界電流の
1/3程度以下の電流でクエンチが起こる。この点さらに
説明すると、通電速度が速くなるほど自己磁界交流損失
による発熱が液体ヘリウムに伝わることができなくなる
ので、クエンチ電流が大幅に低下することになる。そし
て、1本の素線がクエンチを起こしたとき、他の正常な
素線への電流の流れ込みは約 2 ms で起こり、素線への
電流の流れ込みの大きさにもよるが、 100 A程度の電流
が流れ込むとすると、通電速度が50,000 A/s程度とな
り、もともと素線に定常電流が流れていれば、これに加
えて流れ込み得る電流は自ずから限界がある(流れ込み
得る電流は小)。
【0007】一方、前記スイッチ中の1個がクエンチを
起こし数千〜数万 A/sの電流の流れ込むと、このとき自
己磁界交流損失による発熱で正常なスイッチも常電導化
するという現象が発生し、スイッチとして期待される電
流の通電を成し得ないばかりでなく、スイッチとして本
質的に不安定なシステムという性状を回避し得ないのが
実情である。
起こし数千〜数万 A/sの電流の流れ込むと、このとき自
己磁界交流損失による発熱で正常なスイッチも常電導化
するという現象が発生し、スイッチとして期待される電
流の通電を成し得ないばかりでなく、スイッチとして本
質的に不安定なシステムという性状を回避し得ないのが
実情である。
【0008】また、前記永久電流スイッチにおける通電
の安定化を図るため、複数本撚り線化した各合金系のNb
Ti超電導素線に、無酸素銅,電気銅など極低温で比抵抗
の極めて低い抵抗体(バランス抵抗)を、各合金系のNb
Ti超電導素線を直列に接続・挿入して、スイッチ機能の
安定化を図ることも試みられている。しかし、この場合
の抵抗値は、0.01〜10μΩであり、均一な抵抗値を有す
る抵抗体を安定して製造することが困難である。このた
め、永久電流スイッチの小スイッチ(各合金系のNbTi超
電導素線)を流れる電流に不均衡を生じ易いので、スイ
ッチとしての到達電流が低下したり、小スイッチ中の1
個がクエンチしたときに、全体がクエンチに至らないた
めの安定性マージンが低くなるという問題がある。
の安定化を図るため、複数本撚り線化した各合金系のNb
Ti超電導素線に、無酸素銅,電気銅など極低温で比抵抗
の極めて低い抵抗体(バランス抵抗)を、各合金系のNb
Ti超電導素線を直列に接続・挿入して、スイッチ機能の
安定化を図ることも試みられている。しかし、この場合
の抵抗値は、0.01〜10μΩであり、均一な抵抗値を有す
る抵抗体を安定して製造することが困難である。このた
め、永久電流スイッチの小スイッチ(各合金系のNbTi超
電導素線)を流れる電流に不均衡を生じ易いので、スイ
ッチとしての到達電流が低下したり、小スイッチ中の1
個がクエンチしたときに、全体がクエンチに至らないた
めの安定性マージンが低くなるという問題がある。
【0009】本発明は上記問題の解決を図ったもので、
1000 A以上の安定した通電が可能で、中型や大型の超電
導マグネット用に適する永久電流スイッチの提供を目的
とする。
1000 A以上の安定した通電が可能で、中型や大型の超電
導マグネット用に適する永久電流スイッチの提供を目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の永久電流スイッ
チは、銅以外の他の常電導性の金属もしくは合金をマト
リックスとした化合物系の超電導素線複数本から成る撚
り線、もしくは銅以外の他の常電導性の金属もしくは合
金をマトリックスとしかつ互いに絶縁され1本を中心素
線としこの中心素線外周に他の6本の超電導素線を撚り
配置した撚り線を、無誘導状態に巻回・構成された永久
電流スイッチ本体と、前記永久電流スイッチ本体を構成
する撚り線を超電導状態から常電導状態に熱的に切り換
え可能に構成した超電導−常電導切り換え手段とを具備
して成ることを特徴とし、さらには、前記永久電流スイ
ッチ本体を構成する撚り線の一部を並列体化して、その
並列体化した領域に不純物金属 0.005〜0.05重量%含有
する銅から成る抵抗体を直列に接続・挿入して成ること
を特徴とする。
チは、銅以外の他の常電導性の金属もしくは合金をマト
リックスとした化合物系の超電導素線複数本から成る撚
り線、もしくは銅以外の他の常電導性の金属もしくは合
金をマトリックスとしかつ互いに絶縁され1本を中心素
線としこの中心素線外周に他の6本の超電導素線を撚り
配置した撚り線を、無誘導状態に巻回・構成された永久
電流スイッチ本体と、前記永久電流スイッチ本体を構成
する撚り線を超電導状態から常電導状態に熱的に切り換
え可能に構成した超電導−常電導切り換え手段とを具備
して成ることを特徴とし、さらには、前記永久電流スイ
ッチ本体を構成する撚り線の一部を並列体化して、その
並列体化した領域に不純物金属 0.005〜0.05重量%含有
する銅から成る抵抗体を直列に接続・挿入して成ること
を特徴とする。
【0011】本発明に係る第1の手段において、撚り線
ないし並列体を成す線を構成する超電導素線の化合物系
超電導体としては、たとえばNb3 Sn,Nb3 Alなどが挙げ
られ、またこれら化合物系超電導体フィラメントに対す
るマトリックス材としは、 Cu-Ni系合金, Cu-Sn系合金
などが好適する。さらに、前記撚り線を形成する複数本
の各化合物系の超電導線(素線)については、たとえば
クォーツガラス層を外周面に被覆したものを用いること
が好ましい。
ないし並列体を成す線を構成する超電導素線の化合物系
超電導体としては、たとえばNb3 Sn,Nb3 Alなどが挙げ
られ、またこれら化合物系超電導体フィラメントに対す
るマトリックス材としは、 Cu-Ni系合金, Cu-Sn系合金
などが好適する。さらに、前記撚り線を形成する複数本
の各化合物系の超電導線(素線)については、たとえば
クォーツガラス層を外周面に被覆したものを用いること
が好ましい。
【0012】本発明に係る第2の手段においては、超電
導素線として前記化合物系の超電導素線の他、たとえば
NbTiなどの合金系の超電導素線も使用可能である。
導素線として前記化合物系の超電導素線の他、たとえば
NbTiなどの合金系の超電導素線も使用可能である。
【0013】本発明に係る第3の手段おいても、超電導
素線として前記化合物系の超電導素線の他、NbTiなどの
合金系の超電導素線も使用可能であり、また、並列体化
した領域に直列に接続・挿入される抵抗体は、不純物金
属 0.005〜0.05重量%含有する無酸素銅から構成される
ことが望ましく、不純物金属の種類および量は次のよう
に選択するのが好ましい。なお、ここでは不純物金属
(元素)の添加量を原子%で表示する。
素線として前記化合物系の超電導素線の他、NbTiなどの
合金系の超電導素線も使用可能であり、また、並列体化
した領域に直列に接続・挿入される抵抗体は、不純物金
属 0.005〜0.05重量%含有する無酸素銅から構成される
ことが望ましく、不純物金属の種類および量は次のよう
に選択するのが好ましい。なお、ここでは不純物金属
(元素)の添加量を原子%で表示する。
【0014】Snの場合 0.005〜0.05%、Niの場合0.01〜
0.14%、Znの場合0.03〜0.50%、Geの場合 0.004〜0.05
%、Caの場合0.01〜0.15%、Asの場合 0.002〜0.03%、
Beの場合0.02〜0.25%、Cdの場合0.04〜 0.5%、Crの場
合 0.003〜0.04%、Feの場合0.001〜0.02%、Inの場合
0.01〜 0.2%、Mnの場合 0.005〜0.06%、Pbの場合 0.0
04〜0.05%、Pdの場合0.01〜 0.2%、Ptの場合 0.006〜
0.08%、Siの場合 0.005〜0.05%、Thの場合 0.008〜0.
01%、Tiの場合 0.008〜0.08%、 Vの場合 0.002〜0.02
%である。
0.14%、Znの場合0.03〜0.50%、Geの場合 0.004〜0.05
%、Caの場合0.01〜0.15%、Asの場合 0.002〜0.03%、
Beの場合0.02〜0.25%、Cdの場合0.04〜 0.5%、Crの場
合 0.003〜0.04%、Feの場合0.001〜0.02%、Inの場合
0.01〜 0.2%、Mnの場合 0.005〜0.06%、Pbの場合 0.0
04〜0.05%、Pdの場合0.01〜 0.2%、Ptの場合 0.006〜
0.08%、Siの場合 0.005〜0.05%、Thの場合 0.008〜0.
01%、Tiの場合 0.008〜0.08%、 Vの場合 0.002〜0.02
%である。
【0015】
【作用】先ず、第1の手段によれば、永久電流スイッチ
を構成する超電導線素線として、臨界温度がNbTiよりも
高く、かつCuをマトリックスとしない化合物系のNb3 Sn
など超電導線を用いている。このため、接続部での発熱
で線材の臨界電流値以下でのクエンチは、合金系のNbTi
超電導線に比べて起こりにくく、 2kA〜10kA程度の電流
を安定して通電することができる。すなわち、 1.5 Tに
おける通電速度に対するクエンチ電流の依存性は図1に
示すごとくであり、通電速度が速くなるほど自己磁界交
流損失による発熱が液体ヘリウムなどの冷却媒体に伝わ
らないので、クエンチ電流が低下するが数万 A/sでも臨
界電流値の約50%の電流が流れる。
を構成する超電導線素線として、臨界温度がNbTiよりも
高く、かつCuをマトリックスとしない化合物系のNb3 Sn
など超電導線を用いている。このため、接続部での発熱
で線材の臨界電流値以下でのクエンチは、合金系のNbTi
超電導線に比べて起こりにくく、 2kA〜10kA程度の電流
を安定して通電することができる。すなわち、 1.5 Tに
おける通電速度に対するクエンチ電流の依存性は図1に
示すごとくであり、通電速度が速くなるほど自己磁界交
流損失による発熱が液体ヘリウムなどの冷却媒体に伝わ
らないので、クエンチ電流が低下するが数万 A/sでも臨
界電流値の約50%の電流が流れる。
【0016】このようにクエンチ電流の低下の程度が低
く、また1本の素線がクエンチしたときに、他の正常な
素線に流れ混む時間が10倍程度も長いため、1本の素線
がクエンチしても素線全体がクエンチしないで済む電流
も、NbTi系より大幅に高く、たとえば 5倍程度となる。
つまり、Cuをマトリックスとしない化合物系の超電導線
複数本を撚り線化ないし並列配置することによって、合
金(nbTi)系の超電導線で構成した場合に比べて、大幅
に高い電流を安定した状態で通電し得る。
く、また1本の素線がクエンチしたときに、他の正常な
素線に流れ混む時間が10倍程度も長いため、1本の素線
がクエンチしても素線全体がクエンチしないで済む電流
も、NbTi系より大幅に高く、たとえば 5倍程度となる。
つまり、Cuをマトリックスとしない化合物系の超電導線
複数本を撚り線化ないし並列配置することによって、合
金(nbTi)系の超電導線で構成した場合に比べて、大幅
に高い電流を安定した状態で通電し得る。
【0017】なお、前記構成において、撚り線化ないし
並列配置する各化合物系の超電導線(素線)をたとえば
クォーツガラスで絶縁被覆しておいた場合は、素線間が
電気的に絶縁されているため、超電導状態の線にはクエ
ンチした千の電圧干渉をうけることなく電流を流し込め
る。つまり、通電中に1本の素線が機械的擾乱などの原
因で常電導化したとすると、他の正常な超電導線(素
線)に電流が流れ込もうとする。このとき、前記常電導
状態の線には超電導体を磁化するために必要な電圧がク
エンチした素線とは独立して掛かることになり、そのた
めにクエンチした素線のクエンチ部分に局部的に大きな
電圧が発生することになるが、前記素線間の電気的な絶
縁によって、前記局部的な電圧発生も阻止される。ま
た、前記絶縁被覆は線間を熱的にも絶縁することが可能
であり、1本の素線がクエンチしたときの発熱を、隣接
する他の素線に伝えない作用もあるので、絶縁層の厚さ
を最適に設定して熱的にクエンチさせないようにするこ
とも有効である。
並列配置する各化合物系の超電導線(素線)をたとえば
クォーツガラスで絶縁被覆しておいた場合は、素線間が
電気的に絶縁されているため、超電導状態の線にはクエ
ンチした千の電圧干渉をうけることなく電流を流し込め
る。つまり、通電中に1本の素線が機械的擾乱などの原
因で常電導化したとすると、他の正常な超電導線(素
線)に電流が流れ込もうとする。このとき、前記常電導
状態の線には超電導体を磁化するために必要な電圧がク
エンチした素線とは独立して掛かることになり、そのた
めにクエンチした素線のクエンチ部分に局部的に大きな
電圧が発生することになるが、前記素線間の電気的な絶
縁によって、前記局部的な電圧発生も阻止される。ま
た、前記絶縁被覆は線間を熱的にも絶縁することが可能
であり、1本の素線がクエンチしたときの発熱を、隣接
する他の素線に伝えない作用もあるので、絶縁層の厚さ
を最適に設定して熱的にクエンチさせないようにするこ
とも有効である。
【0018】第2の手段によれば、永久電流スイッチを
流れる電流が 1 sec以下の短い時間では、超電導素線間
の安定した自己,相互インダクタンスに支配され、均等
に分配される。つまり、外側の超電導素線がクエンチし
たとき、中心の超電導素線にはクエンチ電流を補う方向
に電流が流れ、一方、中心の超電導素線がクエンチした
ときには、外側の超電導素線にクエンチ電流を補う方向
に電流が流れる。こうして短時間内では、各超電導素線
のインダクタンスが、各超電導素線に均等に電流を流す
ように働くことになる。
流れる電流が 1 sec以下の短い時間では、超電導素線間
の安定した自己,相互インダクタンスに支配され、均等
に分配される。つまり、外側の超電導素線がクエンチし
たとき、中心の超電導素線にはクエンチ電流を補う方向
に電流が流れ、一方、中心の超電導素線がクエンチした
ときには、外側の超電導素線にクエンチ電流を補う方向
に電流が流れる。こうして短時間内では、各超電導素線
のインダクタンスが、各超電導素線に均等に電流を流す
ように働くことになる。
【0019】逆に、永久電流スイッチを流れる電流が 1
00 sec以上のオーダーでは、各超電導素線と電流端子と
の接続抵抗の逆数比で決る電流値に、超電導素線の電流
が収束される。ここで、前記接続抵抗値を均一に保てれ
ば、収束される電流値もほぼ一定である。
00 sec以上のオーダーでは、各超電導素線と電流端子と
の接続抵抗の逆数比で決る電流値に、超電導素線の電流
が収束される。ここで、前記接続抵抗値を均一に保てれ
ば、収束される電流値もほぼ一定である。
【0020】このようにして、前記永久電流スイッチを
構成する撚り線を成す各超電導素線の電流値は、いずれ
のタイムレンジを採っても均等に電流が流れ込むように
なり、万一いずれか1本の超電導素線がクエンチしても
他の超電導素線にクエンチ電流を分配するので、全体と
してクエンチに至らない信頼性の高い永久電流スイッチ
として機能する。
構成する撚り線を成す各超電導素線の電流値は、いずれ
のタイムレンジを採っても均等に電流が流れ込むように
なり、万一いずれか1本の超電導素線がクエンチしても
他の超電導素線にクエンチ電流を分配するので、全体と
してクエンチに至らない信頼性の高い永久電流スイッチ
として機能する。
【0021】第3の手段においては、特にバランス抵抗
として、所定量(微量)の不純物金属を含む無酸素銅な
どから成る抵抗体が挿入された構成を採っており、この
抵抗体は不純物金属の微量添加によって、格子歪みに起
因する極低温での比抵抗の変化を上回る安定した比抵抗
が得られるため、安定した電流のバランス機能を呈す
る。つまり、一般に純度の高い金属の極低温における比
抵抗は、磁気抵抗効果のため経験磁界が高くなると高く
なる。したがって、経験磁界の差による比抵抗の変化す
る割合を考慮して、比抵抗の絶対値を決めるが、小スイ
ッチの経験磁界ごとに電流分配を変え、経験磁界の高い
小スイッチの電流を低く押さえることにより、小スイッ
チの電流マージンが概ね均等化して、通電電流の安定化
(安定したバランス機能)を常に呈する。
として、所定量(微量)の不純物金属を含む無酸素銅な
どから成る抵抗体が挿入された構成を採っており、この
抵抗体は不純物金属の微量添加によって、格子歪みに起
因する極低温での比抵抗の変化を上回る安定した比抵抗
が得られるため、安定した電流のバランス機能を呈す
る。つまり、一般に純度の高い金属の極低温における比
抵抗は、磁気抵抗効果のため経験磁界が高くなると高く
なる。したがって、経験磁界の差による比抵抗の変化す
る割合を考慮して、比抵抗の絶対値を決めるが、小スイ
ッチの経験磁界ごとに電流分配を変え、経験磁界の高い
小スイッチの電流を低く押さえることにより、小スイッ
チの電流マージンが概ね均等化して、通電電流の安定化
(安定したバランス機能)を常に呈する。
【0022】
【実施例】以下図2〜図7を参照して本発明の実施例を
説明する。
説明する。
【0023】実施例1 図2は本発明に係る永久電流スイッチ5の要部構成例を
模式的に示したものである。たとえば、 Cu-Niもしくは
Cu-Snなどをマトリックスとし、外周面をクォーツガラ
ス層で被覆して成る化合物系超電導線(素線)の7本撚
り線6を、無誘導状態に巻回・構成した永久電流スイッ
チ本体7と、この永久電流スイッチ本体7の外部接続リ
ード8に対する接続部(入出力端部ないし電流端子)の
構造を展開して断面的に示したものである。そして、極
低温用に構成された永久電流スイッチ本体7は、たとえ
ばCu-10%Ni合金をマトリックスとした超電導素線、換言
すると高抵抗母材系超電導素線を無誘導に巻回された構
成を成しており、この永久電流スイッチ本体7と外部接
続リード8との接続部は、7本撚り線6によるいわゆる
電流分配構成を採っている。
模式的に示したものである。たとえば、 Cu-Niもしくは
Cu-Snなどをマトリックスとし、外周面をクォーツガラ
ス層で被覆して成る化合物系超電導線(素線)の7本撚
り線6を、無誘導状態に巻回・構成した永久電流スイッ
チ本体7と、この永久電流スイッチ本体7の外部接続リ
ード8に対する接続部(入出力端部ないし電流端子)の
構造を展開して断面的に示したものである。そして、極
低温用に構成された永久電流スイッチ本体7は、たとえ
ばCu-10%Ni合金をマトリックスとした超電導素線、換言
すると高抵抗母材系超電導素線を無誘導に巻回された構
成を成しており、この永久電流スイッチ本体7と外部接
続リード8との接続部は、7本撚り線6によるいわゆる
電流分配構成を採っている。
【0024】すなわち、前記永久電流スイッチ5の電流
分配は、永久電流スイッチ本体7との接続を形成する電
流端子9と各超電導素線6a〜6gとの接続抵抗に依存する
ため、前記接続抵抗が必ずしも安定していない場合は、
たとえば図3に永久電流スイッチの他の要部構成例を模
式的に示すごとく、各超電導素線6a〜6gにバランス抵抗
10を直列に接続すれば、超電導素線6a〜6g間の電流アン
バランスを補正することが可能である。ここで、バラン
ス抵抗10の値は超電導マグネットに許容される磁界減衰
の大きさを考慮して決められるが、通常 0.5μΩ〜10μ
Ω程度である。
分配は、永久電流スイッチ本体7との接続を形成する電
流端子9と各超電導素線6a〜6gとの接続抵抗に依存する
ため、前記接続抵抗が必ずしも安定していない場合は、
たとえば図3に永久電流スイッチの他の要部構成例を模
式的に示すごとく、各超電導素線6a〜6gにバランス抵抗
10を直列に接続すれば、超電導素線6a〜6g間の電流アン
バランスを補正することが可能である。ここで、バラン
ス抵抗10の値は超電導マグネットに許容される磁界減衰
の大きさを考慮して決められるが、通常 0.5μΩ〜10μ
Ω程度である。
【0025】図2の構成例の場合、通電電流や経験磁界
の大きさによっては、超電導素線6a〜6g1本のクエンチ
時に中心超電導素線6dに逆方向の電流が流れ込むことが
ある。このようなことを考慮した場合は、たとえば図4
に断面的に示すごとく、中心(中央)の超電導素線とし
て超電導素線6dの代わりに比抵抗の高い Cu-Ni合金線を
ガラス層で絶縁被覆したもの6d′を用いることによっ
て、外側の超電導素線6a,6b,6c,6e,6f,6gがクエン
チしたときの過度特性が反って向上して、安定して流せ
る電流を高めることも可能である。ここで、中央の超電
導素線6dにのみバランス抵抗10を直列接続する構成、逆
に外側の超電導素線6a,6b,6c,6e,6f,6gにのみバラ
ンス抵抗10を直列接続する構成、あるいは中央および外
側の各超電導素線6a〜6gに抵抗値の異なるバランス抵抗
10を直列接続する構成としても、外側の超電導素線6a,
6b,6c,6e,6f,6gクエンチ時の中央超電導素線6d,6
d′の電流位相が変えられ、逆方向に電流が流れ込むの
を防止・調整し得る。ただし、これらの場合には、スイ
ッチの経験する電流,磁界によって決まる抵抗の値(あ
るいは抵抗値の組み合わせ)を適宜選択する必要性があ
る。
の大きさによっては、超電導素線6a〜6g1本のクエンチ
時に中心超電導素線6dに逆方向の電流が流れ込むことが
ある。このようなことを考慮した場合は、たとえば図4
に断面的に示すごとく、中心(中央)の超電導素線とし
て超電導素線6dの代わりに比抵抗の高い Cu-Ni合金線を
ガラス層で絶縁被覆したもの6d′を用いることによっ
て、外側の超電導素線6a,6b,6c,6e,6f,6gがクエン
チしたときの過度特性が反って向上して、安定して流せ
る電流を高めることも可能である。ここで、中央の超電
導素線6dにのみバランス抵抗10を直列接続する構成、逆
に外側の超電導素線6a,6b,6c,6e,6f,6gにのみバラ
ンス抵抗10を直列接続する構成、あるいは中央および外
側の各超電導素線6a〜6gに抵抗値の異なるバランス抵抗
10を直列接続する構成としても、外側の超電導素線6a,
6b,6c,6e,6f,6gクエンチ時の中央超電導素線6d,6
d′の電流位相が変えられ、逆方向に電流が流れ込むの
を防止・調整し得る。ただし、これらの場合には、スイ
ッチの経験する電流,磁界によって決まる抵抗の値(あ
るいは抵抗値の組み合わせ)を適宜選択する必要性があ
る。
【0026】なお、図2,3において、11は永久電流ス
イッチ本体7との隔壁を、12は永久電流スイッチ本体7
を成すコイル層間に電気絶縁して配置されたヒーターで
あり、このヒーター12は永久電流スイッチ本体を構成す
る捩れ線を超電導状態から常電導状態に熱的に切り換え
可能に構成した超電導−常電導切り換え手段を成し、さ
らに 12aはヒーター12への入出力端子である。
イッチ本体7との隔壁を、12は永久電流スイッチ本体7
を成すコイル層間に電気絶縁して配置されたヒーターで
あり、このヒーター12は永久電流スイッチ本体を構成す
る捩れ線を超電導状態から常電導状態に熱的に切り換え
可能に構成した超電導−常電導切り換え手段を成し、さ
らに 12aはヒーター12への入出力端子である。
【0027】前記永久電流スイッチ5と、たとえばNb3
Sn系の超電導素線から構成された磁界の減衰が極めて小
さいことを要求される核融合用などの永久電流マグネッ
トなどとの接続は、次のようにして達成し得る。すなわ
ち、永久電流スイッチ5および永久電流マグネットをそ
れぞれ構成している捩じり線の各超電導素線の端部を酸
などによる処理で剥きだしにし(端部フィラメントを剥
きだしにし)、相互の接続部を対向させてCu管(筒)に
挿入・装着する。その後、前記Cu管(筒)の外側から治
具で加圧して、塑性変形させながら 250℃程度で加熱
し、フィラメント同士を拡散・接合することによって、
磁界の減衰が極めて小さい状態の接続をなし得る。
Sn系の超電導素線から構成された磁界の減衰が極めて小
さいことを要求される核融合用などの永久電流マグネッ
トなどとの接続は、次のようにして達成し得る。すなわ
ち、永久電流スイッチ5および永久電流マグネットをそ
れぞれ構成している捩じり線の各超電導素線の端部を酸
などによる処理で剥きだしにし(端部フィラメントを剥
きだしにし)、相互の接続部を対向させてCu管(筒)に
挿入・装着する。その後、前記Cu管(筒)の外側から治
具で加圧して、塑性変形させながら 250℃程度で加熱
し、フィラメント同士を拡散・接合することによって、
磁界の減衰が極めて小さい状態の接続をなし得る。
【0028】実施例2 たとえば、 Cu-Niもしくは Cu-Snなどをマトリックスと
し、外周面をクォーツガラス層で被覆して成るNbTi合金
系の超電導線(素線)の長さ20 mの7本撚り線を用いた
他は、実施例1の場合と同様(図2参照)な永久電流ス
イッチ5を構成した。この構成においては、電流端子と
各超電導素線との接続抵抗が約10-7Ωであった。
し、外周面をクォーツガラス層で被覆して成るNbTi合金
系の超電導線(素線)の長さ20 mの7本撚り線を用いた
他は、実施例1の場合と同様(図2参照)な永久電流ス
イッチ5を構成した。この構成においては、電流端子と
各超電導素線との接続抵抗が約10-7Ωであった。
【0029】前記構成の永久電流スイッチ5について、
一定の通電速度( 1 A/sec)で通電したとき、7本撚り
線(各超電導素線…16 m)の電流値をそれぞれ測定し
て、各超電導素線への電流の流れ込みの様子を模式的に
とらえた結果を図5に示す。なお、この測定結果は電流
分布の計算結果とよく一致していた。図5から分かるよ
うに、7本の撚り線を構成する中心の超電導素線6dの電
流値(曲線a)および外側の超電導素線6a,6b,6c,6
e,6f,6gの電流値(曲線b)は、接続抵抗およびイン
ダクタンスの比に伴う時定数となって等しい値に収束し
ている。この場合の時定数は、数 100 secであり、この
時間(時定数)の低減は各超電導素線に微小で等しい抵
抗を直列に接続・挿入することにより行い得る。たとえ
ば10μΩ程度の抵抗を直列に接続・挿入することによ
り、時定数を数 secのオーダーに短縮・低減できる。
一定の通電速度( 1 A/sec)で通電したとき、7本撚り
線(各超電導素線…16 m)の電流値をそれぞれ測定し
て、各超電導素線への電流の流れ込みの様子を模式的に
とらえた結果を図5に示す。なお、この測定結果は電流
分布の計算結果とよく一致していた。図5から分かるよ
うに、7本の撚り線を構成する中心の超電導素線6dの電
流値(曲線a)および外側の超電導素線6a,6b,6c,6
e,6f,6gの電流値(曲線b)は、接続抵抗およびイン
ダクタンスの比に伴う時定数となって等しい値に収束し
ている。この場合の時定数は、数 100 secであり、この
時間(時定数)の低減は各超電導素線に微小で等しい抵
抗を直列に接続・挿入することにより行い得る。たとえ
ば10μΩ程度の抵抗を直列に接続・挿入することによ
り、時定数を数 secのオーダーに短縮・低減できる。
【0030】このようにして、時定数を短縮・低減した
場合、撚り線を成している超電導素線のうち、ある超電
導素線がクエンチしたときでも、元の電流に回復する時
間が短いので、仮にクエンチの起こる時間間隔が短くて
も超電導素線全体がクエンチする確立は極めて小さくな
る。
場合、撚り線を成している超電導素線のうち、ある超電
導素線がクエンチしたときでも、元の電流に回復する時
間が短いので、仮にクエンチの起こる時間間隔が短くて
も超電導素線全体がクエンチする確立は極めて小さくな
る。
【0031】また、前記構成の永久電流スイッチについ
て、外側の超電導素線6a,6b,6c,6e,6f,6gの1本が
クエンチしたときに、他の残りの外側の超電導素線およ
び中心の超電導素線6dにそれぞれ流れ込む電流と時間
( sec)との関係を、ロゴスキーコイルで測定したとき
の電流分布は図6に示すごとくであり、計算結果とよく
一致していた。なお、図6において曲線a1 は中心の超
電導素線における電流分布、b1 はクエンチした外側の
超電導素線における電流分布、b2 はクエンチした外側
の超電導素線に隣接する外側の超電導素線における電流
分布、b3 はクエンチした外側の超電導素線に対向した
位置にある外側の超電導素線における電流分布、b4 は
クエンチした外側の超電導素線に対向した位置の外側超
電導素線に隣接する外側の超電導素線における電流分布
である。
て、外側の超電導素線6a,6b,6c,6e,6f,6gの1本が
クエンチしたときに、他の残りの外側の超電導素線およ
び中心の超電導素線6dにそれぞれ流れ込む電流と時間
( sec)との関係を、ロゴスキーコイルで測定したとき
の電流分布は図6に示すごとくであり、計算結果とよく
一致していた。なお、図6において曲線a1 は中心の超
電導素線における電流分布、b1 はクエンチした外側の
超電導素線における電流分布、b2 はクエンチした外側
の超電導素線に隣接する外側の超電導素線における電流
分布、b3 はクエンチした外側の超電導素線に対向した
位置にある外側の超電導素線における電流分布、b4 は
クエンチした外側の超電導素線に対向した位置の外側超
電導素線に隣接する外側の超電導素線における電流分布
である。
【0032】図6から分かるように、クエンチした外側
の超電導素線に隣接する外側の超電導素線(曲線b2 参
照)および中心の超電導素線(曲線a1 )に主に電流が
流れ込み、隣接する外側の超電導素線では電流が40%上
昇し、中心の超電導素線では電流が10%上昇している。
したがって、電流マージンは中心の超電導素線の方が余
分にあるので、定常時の中心の超電導素線の電流を高く
するため、中心の超電導素線の抵抗値を外側の超電導素
線の抵抗値よりも低く設定しておくことにより、システ
ムないし永久電流スイッチの安定した作動、信頼性の高
い機能を保持・発揮させることが可能となる。
の超電導素線に隣接する外側の超電導素線(曲線b2 参
照)および中心の超電導素線(曲線a1 )に主に電流が
流れ込み、隣接する外側の超電導素線では電流が40%上
昇し、中心の超電導素線では電流が10%上昇している。
したがって、電流マージンは中心の超電導素線の方が余
分にあるので、定常時の中心の超電導素線の電流を高く
するため、中心の超電導素線の抵抗値を外側の超電導素
線の抵抗値よりも低く設定しておくことにより、システ
ムないし永久電流スイッチの安定した作動、信頼性の高
い機能を保持・発揮させることが可能となる。
【0033】実施例3 たとえば、 Cu-Niもしくは Cu-Snなどをマトリックスと
し、外周面をクォーツガラス層で被覆して成るNbTi合金
系の超電導線(素線)の長さ20 mの7本撚り線を用い、
また図3に示すごとく撚り線の一部を分離・並列化して
小スイッチ化するとともに、分離・並列化した領域にそ
れぞれ無酸素銅−0.005 at%Snのバランス抵抗10を直列
に挿入・接続したた他は、実施例1の場合と同様にし
て、な永久電流スイッチ5を構成した。なお、前記無酸
素銅−0.005 at%Sn系の抵抗体の比抵抗は 2×10-10 Ω
であり、無酸素銅の比抵抗 1×10-10 Ωとほとんど変わ
らず、また 5%程度の曲げ歪みを複数回連続して加えた
後の比抵抗も 2×10-10 Ωで変化が認められなかった。
図7は前記無酸素銅−at%Sn系の抵抗体について、 0T
および 7 Tの各磁界におけるSn含有量(at%)と比抵抗
値との関係を示したものであり、磁気抵抗効果により無
酸素銅−0.005 at%Sn系の抵抗体では、磁界 7Tで 4×1
0-10 Ωと 0 Tのときの2倍の値であった。
し、外周面をクォーツガラス層で被覆して成るNbTi合金
系の超電導線(素線)の長さ20 mの7本撚り線を用い、
また図3に示すごとく撚り線の一部を分離・並列化して
小スイッチ化するとともに、分離・並列化した領域にそ
れぞれ無酸素銅−0.005 at%Snのバランス抵抗10を直列
に挿入・接続したた他は、実施例1の場合と同様にし
て、な永久電流スイッチ5を構成した。なお、前記無酸
素銅−0.005 at%Sn系の抵抗体の比抵抗は 2×10-10 Ω
であり、無酸素銅の比抵抗 1×10-10 Ωとほとんど変わ
らず、また 5%程度の曲げ歪みを複数回連続して加えた
後の比抵抗も 2×10-10 Ωで変化が認められなかった。
図7は前記無酸素銅−at%Sn系の抵抗体について、 0T
および 7 Tの各磁界におけるSn含有量(at%)と比抵抗
値との関係を示したものであり、磁気抵抗効果により無
酸素銅−0.005 at%Sn系の抵抗体では、磁界 7Tで 4×1
0-10 Ωと 0 Tのときの2倍の値であった。
【0034】このように構成された永久電流スイッチ5
を、たとえば浮上式鉄道超電導マグネット用のスイッチ
として用いる場合は、経験磁界が 1.5 T程度で、バラン
ス抵抗の経験磁界のバラツキも 0.3 T程度であるので、
前記無酸素銅−0.005 at%Sn系の抵抗体のバラツキは
3.5%に収まる。したがって、抵抗体の加工精度,接続
抵抗などもいわゆる誤差範囲内で達成し得る。なお、無
酸素銅−0.01at%Sn系の抵抗体(直径 3mm,長さ25mm)
の場合は、磁気抵抗による抵抗差を 1%以下に収まり、
永久電流スイッチを構成する捩じり素線(直径 1mm)に
おける直列挿入・接続も無理なく行い得た。そして、こ
の浮上式鉄道超電導マグネット用のスイッチにおいて
は、無酸素銅−0.01at%Sn系の抵抗体を、直径 5mm以
上,長さ20mm以下に設定すると、スイッチが過大になっ
たり、直列挿入・接続が困難に成ったりする傾向があ
る。
を、たとえば浮上式鉄道超電導マグネット用のスイッチ
として用いる場合は、経験磁界が 1.5 T程度で、バラン
ス抵抗の経験磁界のバラツキも 0.3 T程度であるので、
前記無酸素銅−0.005 at%Sn系の抵抗体のバラツキは
3.5%に収まる。したがって、抵抗体の加工精度,接続
抵抗などもいわゆる誤差範囲内で達成し得る。なお、無
酸素銅−0.01at%Sn系の抵抗体(直径 3mm,長さ25mm)
の場合は、磁気抵抗による抵抗差を 1%以下に収まり、
永久電流スイッチを構成する捩じり素線(直径 1mm)に
おける直列挿入・接続も無理なく行い得た。そして、こ
の浮上式鉄道超電導マグネット用のスイッチにおいて
は、無酸素銅−0.01at%Sn系の抵抗体を、直径 5mm以
上,長さ20mm以下に設定すると、スイッチが過大になっ
たり、直列挿入・接続が困難に成ったりする傾向があ
る。
【0035】さらに、前記図3に図示した構成に準ずる
永久電流スイッチにおいて、無酸素銅−0.01at%Sn系の
抵抗体(直径 3mm,長さ20mm)としたとき、抵抗誤差が
0.05%以下に低減しており、各小スイッチ間の電流バラ
ンスが採れ、クエンチ電流が40%程度も向上していた。
因みに従来の電気銅製のバランス抵抗体の場合、抵抗誤
差が30%程度あって、各小スイッチ間の電流バランスを
採り得なかったのに比べて大きな相違が認められた。
永久電流スイッチにおいて、無酸素銅−0.01at%Sn系の
抵抗体(直径 3mm,長さ20mm)としたとき、抵抗誤差が
0.05%以下に低減しており、各小スイッチ間の電流バラ
ンスが採れ、クエンチ電流が40%程度も向上していた。
因みに従来の電気銅製のバランス抵抗体の場合、抵抗誤
差が30%程度あって、各小スイッチ間の電流バランスを
採り得なかったのに比べて大きな相違が認められた。
【0036】なお、上記では無酸素銅−Sn系の抵抗体を
バランス抵抗として、各小スイッチに直列挿入・接続し
た構成を例示したが、前記Snの代わりに、たとえばNi,
Zn,Geなどを微量添加含有させた無酸素銅−不純物金属
系の抵抗体を用いても、同様の作用・効果が認められ
た。さらに、母材金属としては、無酸素銅代わりに、た
とえばAl,Ag,Ptなどの金属であっても同様の作用・効
果を期待し得る。
バランス抵抗として、各小スイッチに直列挿入・接続し
た構成を例示したが、前記Snの代わりに、たとえばNi,
Zn,Geなどを微量添加含有させた無酸素銅−不純物金属
系の抵抗体を用いても、同様の作用・効果が認められ
た。さらに、母材金属としては、無酸素銅代わりに、た
とえばAl,Ag,Ptなどの金属であっても同様の作用・効
果を期待し得る。
【0037】
【発明の効果】上記説明したように、本発明に係る永久
電流スイッチ(熱式永久電流スイッチ)は、永久電流ス
イッチ本体を構成する撚り線、換言すると超電導素線の
うちいずれか1本がクエンチしても、このクエンチの影
響を容易に低減して、通電電流の安定化が図られる。つ
まり、撚り線を成す超電導素線のうちいずれか1本がク
エンチし電流値が定価した場合、撚り線を成す他の超電
導素線が相互に作用などする形で、前記電流値の低下を
相補して全体的な電流値の低下を容易に防止ないし抑制
し、信頼性の高い永久電流スイッチとして機能すること
になる。
電流スイッチ(熱式永久電流スイッチ)は、永久電流ス
イッチ本体を構成する撚り線、換言すると超電導素線の
うちいずれか1本がクエンチしても、このクエンチの影
響を容易に低減して、通電電流の安定化が図られる。つ
まり、撚り線を成す超電導素線のうちいずれか1本がク
エンチし電流値が定価した場合、撚り線を成す他の超電
導素線が相互に作用などする形で、前記電流値の低下を
相補して全体的な電流値の低下を容易に防止ないし抑制
し、信頼性の高い永久電流スイッチとして機能すること
になる。
【図1】本発明に係る永久電流スイッチの通電速度とク
エンチ電流の関係例を示す曲線図。
エンチ電流の関係例を示す曲線図。
【図2】本発明に係る永久電流スイッチの入出力用超電
導線部の構成例を展開して示す断面図。
導線部の構成例を展開して示す断面図。
【図3】本発明に係る永久電流スイッチの入出力用超電
導線部の他の構成例を展開して示す断面図。
導線部の他の構成例を展開して示す断面図。
【図4】本発明に係る永久電流スイッチの構成に用いる
超電導素線複数本の撚り線における各の構成例を示す断
面図。
超電導素線複数本の撚り線における各の構成例を示す断
面図。
【図5】本発明に係る永久電流スイッチの構成に用いる
撚り線の中心超電導素線および外側超電導素線の通電速
度と流れる電流量の関係例を示す曲線図。
撚り線の中心超電導素線および外側超電導素線の通電速
度と流れる電流量の関係例を示す曲線図。
【図6】本発明に係る永久電流スイッチの構成に用いる
撚り線を成す各超電導素線における通電速度と流れる電
流量の関係例を示す曲線図。
撚り線を成す各超電導素線における通電速度と流れる電
流量の関係例を示す曲線図。
【図7】本発明に係る永久電流スイッチの構成に用いた
バランス抵抗体の不純物濃度と比抵抗との関係例を示す
特性図。
バランス抵抗体の不純物濃度と比抵抗との関係例を示す
特性図。
【図8】(a) 〜(f) は超電導磁石において永久電流を流
す方法を説明するための模式図。
す方法を説明するための模式図。
【図9】従来の永久電流スイッチの通電速度とクエンチ
電流の関係例を示す曲線図。
電流の関係例を示す曲線図。
1…超電導コイル 2…永久電流スイッチ 3…電
源 4…スイッチ 5…永久電流スイッチ 6…超電導素線の撚り線
6a,6b,6c,6e,6f,6g…外側の超電導素線 6d,6
d′…中心の超電導素線 7…永久電流スイッチ本体
8…外部接続リード 9…電流端子 10…バラ
ンス抵抗 11…隔壁 12…ヒーター 12a…ヒー
ターの入出力端子
源 4…スイッチ 5…永久電流スイッチ 6…超電導素線の撚り線
6a,6b,6c,6e,6f,6g…外側の超電導素線 6d,6
d′…中心の超電導素線 7…永久電流スイッチ本体
8…外部接続リード 9…電流端子 10…バラ
ンス抵抗 11…隔壁 12…ヒーター 12a…ヒー
ターの入出力端子
Claims (3)
- 【請求項1】 銅以外の他の常電導性の金属もしくは合
金をマトリックスとした化合物系の超電導素線複数本か
ら成る撚り線を無誘導状態に巻回・構成された永久電流
スイッチ本体と、 前記永久電流スイッチ本体を構成する撚り線を超電導状
態から常電導状態に熱的に切り換え可能に構成した超電
導−常電導切り換え手段とを具備して成ることを特徴と
する永久電流スイッチ。 - 【請求項2】 銅以外の他の常電導性の金属もしくは合
金をマトリックスとしかつ互いに絶縁され1本を中心素
線としこの中心素線外周に他の6本の超電導素線の撚り
線を無誘導状態に巻回・構成され、かつ中心素線も通電
要素を成す永久電流スイッチ本体と、 前記永久電流スイッチ本体を構成する撚り線を超電導状
態から常電導状態に熱的に切り換え可能に構成した超電
導−常電導切り換え手段とを具備して成ることを特徴と
する永久電流スイッチ。 - 【請求項3】 銅以外の他の常電導性の金属もしくは合
金をマトリックスとした複数本の超電導素線の撚り線を
無誘導状態に巻回・構成された永久電流スイッチ本体
と、 前記永久電流スイッチ本体を構成する撚り線の一部を並
列体化して超電導状態から常電導状態に熱的に切り換え
可能に構成された超電導−常電導切り換え手段と、 前記撚り線を成す超電導素線の並列体化した領域に直列
に接続・挿入された不純物金属 0.005〜0.05重量%含有
する銅から成る抵抗体とを具備して成ることを特徴とす
る永久電流スイッチ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4121986A JPH05327041A (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 永久電流スイッチ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4121986A JPH05327041A (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 永久電流スイッチ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05327041A true JPH05327041A (ja) | 1993-12-10 |
Family
ID=14824739
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4121986A Pending JPH05327041A (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 永久電流スイッチ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05327041A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2021180280A (ja) * | 2020-05-15 | 2021-11-18 | 株式会社東芝 | 永久電流スイッチ |
-
1992
- 1992-05-14 JP JP4121986A patent/JPH05327041A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2021180280A (ja) * | 2020-05-15 | 2021-11-18 | 株式会社東芝 | 永久電流スイッチ |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020611 |