JPH0532936A - 水性塗料用樹脂組成物 - Google Patents

水性塗料用樹脂組成物

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JPH0532936A
JPH0532936A JP20852991A JP20852991A JPH0532936A JP H0532936 A JPH0532936 A JP H0532936A JP 20852991 A JP20852991 A JP 20852991A JP 20852991 A JP20852991 A JP 20852991A JP H0532936 A JPH0532936 A JP H0532936A
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JP
Japan
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aqueous
resin
water
component
mgkoh
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JP20852991A
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English (en)
Inventor
Atsuhiro Sakai
淳啓 酒井
Hitoshi Taniguchi
仁 谷口
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A)酸性基を有するビニル系モノマー、水酸
基を有するビニル系モノマー、他のビニル系モノマーを
共重合させて成る残存二重結合を有する共重合体粒子の
水性分散液に、(B)塩基で中和された酸価20〜10
0、水酸基価30〜150、数平均分子量1000〜1
00,000、アリル基を含むビニル系モノマー単位含
有量0.2〜10重量%のアクリル樹脂の水性溶液を添
加して反応させて成る水性樹脂分散液を主成分とする水
性塗料用樹脂組成物。 【効果】水溶性型と水分散型塗料の両特性を備え、かつ
優れた仕上がり外観及び塗膜性能を有する水性塗料を与
えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な水性塗料用樹脂組
成物、さらに詳しくは、水溶性型塗料と水分散型塗料の
両特性を備え、かつ優れた仕上がり外観及び塗膜性能を
有する水性塗料を与える樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境の汚染問題が深刻化し、
国際的に有機溶剤排出規制が強化されつつある。そのよ
うな背景の中で、水を媒体とした水性塗料が脚光を浴び
ている。なかでも工業塗装、とりわけ自動車塗装におけ
るメタリックベースコートの水性化は、有機溶剤の削減
効果が高いだけでなく、仕上がり外観及びコストパフォ
ーマンス的にも有利とみなされ、これまでいくつかの水
性ベースコートが開発されている(欧州特許EA−A−
0038127号明細書、ドイツ特許第3210051
号明細書、特開昭63−193968号公報、特開昭6
3−175079号公報)。このベースコートの水性化
技術は、樹脂の水中での形態により、水溶性型と水分散
型との2つのタイプに大別することができる。前者の水
溶性型塗料は、顔料分散性及び塗膜の平滑性に優れる
上、使用原料の自由度が広く、広範囲にわたって樹脂設
計が可能であるなどの特徴を有するが、その反面、温度
や湿度などの塗装条件の変動を受けやすく、耐タレ性や
耐ハジキ性に劣るという欠点を有している。一方、水分
散型塗料は、樹脂の高分子化が容易である上、耐タレ性
や耐ハジキ性を良好にするレオロジー特性を有するが、
その反面、顔料分散性や塗膜の平滑性に劣るという欠点
を有し、また、分散樹脂粒子の安定性には、使用原料の
重合適性が大きく関与し、自ずと樹脂設計の幅が狭くな
るという問題も有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、水溶性型塗料と水分散型塗料の両特性、
すなわち水分散型のレオロジー特性と水溶性型の広範な
樹脂設計が可能な特性とを兼ね備え、かつ優れた仕上が
り外観及び塗膜性能を有する水性塗料を与える樹脂組成
物を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する水性塗料用樹脂組成物を開発すべく
鋭意研究を重ねた結果、特定の水分散共重合体粒子に、
特定の水溶性アクリル樹脂を反応させ、該共重合体粒子
表面に水溶性アクリル樹脂を結合させて得られた水性樹
脂分散液を主成分とする樹脂組成物により、その目的を
達成しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(A)水性媒体中に
おいて、酸性基を有するビニル系モノマー、水酸基を有
するビニル系モノマー及びこれらと共重合可能な他のビ
ニル系モノマーとを共重合させて得られた残存二重結合
を有する共重合体粒子を含有する水性分散液に、(B)
塩基で中和された酸価20〜100mgKOH/g、水酸基
価30〜150mgKOH/g、数平均分子量1,000〜1
00,000及びアリル基を含むビニル系モノマー単位
含有量0.2〜10重量%の水溶性アクリル樹脂を含有
する水性溶液を添加して反応させ、前記共重合体粒子表
面に該アクリル樹脂を結合させて得られた水性樹脂分散
液を主成分とする水性塗料用樹脂組成物を提供するもの
である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明組
成物において、主成分として用いられる水性樹脂分散液
は、前記(A)成分の共重合体粒子を含有する水性分散
液に、(B)成分の水溶性アクリル樹脂を含有する水性
溶液を添加して反応させ、前記共重合体粒子表面に、該
アクリル樹脂を結合させることにより得られる。前記
(A)成分の共重合体粒子を含有する水性分散液は、水
性媒体中において、酸性基を有するビニル系モノマー、
水酸基を有するビニル系モノマー及びこれらと共重合可
能な他のビニル系モノマーを乳化重合法又は懸濁重合法
により共重合させることにより、製造される。
【0007】乳化重合法を採用する場合は、通常乳化重
合において慣用されている界面活性剤及び重合開始剤を
含む加熱された水性媒体に、モノマー混合液を徐々に添
加する方法が用いられ、懸濁重合法を採用する場合は、
通常懸濁重合において慣用されている重合開始剤を含む
モノマー混合液を、懸濁重合において慣用されている懸
濁剤とともに水性媒体中で強制撹拌しながら加熱する方
法が用いられる。該酸性基を有するビニル系モノマーと
しては、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマル酸などのα,β−不飽和カルボン酸や、
2−スルホエチルメタクリレート、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、これ
らは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0008】また、水酸基を有するビニル系モノマーと
しては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート及びこれらの水酸
基を有するビニル系モノマーとカプロラクトンとを反応
させて得られる水酸基含有アクリル系モノマー[例え
ば、プラクセルFMモノマー、ダイセル化学工業(株)
製、商品名]などが挙げられ、これらは1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】これらのビニル系モノマーと共重合可能な
他のビニル系モノマーとしては、例えばメチル(メタ)
アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n
−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)ア
クリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アク
リロニトリル、ジアセトンアルコール(メタ)アクリル
アミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げら
れ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。さらに、ジ(メタ)アクリル化合物
などの多官能性ビニル系モノマーを添加し、共重合体粒
子に内部架橋性を付与してもよい。
【0010】前記モノマーの重合に用いられる重合開始
剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物、アゾ系重合
開始剤及びレドックス重合開始剤などがある。有機過酸
化物としては、例えばベンゾイルペルオキシド、t−ブ
チルヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−
エチルヘキサノエートなどが、無機過酸化物としては、
例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム、過酸化水素などが、アゾ系重合開始剤として
は、例えば2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)
二塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)など
が、レドックス重合開始剤としては、例えば過酸化水素
−第一鉄塩、過硫酸塩−酸性亜硫酸ナトリウム、クメン
ヒドロペルオキシド−N,N−ジメチルアニリンなどが
挙げられる。
【0011】乳化重合に用いられる界面活性剤として
は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両
性界面活性剤などが使用可能であり、カチオン性界面活
性剤は酸性基との混在で凝集などの好ましくない事態を
招来するので、その使用は望ましくない。アニオン性界
面活性剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル硫酸アンモニウムなどが、ノニオン性界
面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポ
リオキシエチレントリデシルエーテルなどが、両性界面
活性剤としては、例えばジメチルアルキルラウリルベタ
イン、アルキルグリシンなどが挙げられる。
【0012】一方、懸濁重合に用いられる懸濁剤として
は、例えばポリビニルアルコールやヒドロキシエチルセ
ルロースなどが挙げられる。このようにして得られた共
重合体粒子は、酸価が5〜40mgKOH/g、好ましくは
10〜30mgKOH/gで、水酸基が5〜100mgKOH/
g、好ましくは10〜60mgKOH/gのものが好適であ
る。この酸価が5mgKOH/g未満では中和された(B)
成分中の水溶性アクリル樹脂の吸着効果が低下するし、
40mgKOH/gを超えると(B)成分を添加した際の粘
度が著しく高くなって反応が困難となる。一方、水酸基
価が5mgKOH/g未満では得られる水性樹脂分散液に十
分なレオロジー特性を付与することが困難であるし、1
00mgKOH/gを超えると塗膜が耐水性に劣るものとな
る。
【0013】さらに、この共重合体粒子を含有する水性
分散液のpHは2〜5の範囲にあるのが有利であり、この
pHが5を超えると(B)成分との反応が困難になる。一
方、(B)成分の水溶性アクリル樹脂を含有する水性溶
液は、酸性基を有するビニル系モノマー、水酸基を有す
るビニル系モノマー、アリル基を有するビニル系モノマ
ー及びこれらと共重合可能な他のビニル系モノマーを公
知の溶液重合法により共重合させたのち、塩基で酸性基
を中和し、水性媒体に溶解させることにより、製造する
ことができる。
【0014】該酸性基を有するビニル系モノマー、水酸
基を有するビニル系モノマー及び共重合可能な他のビニ
ル系モノマーとしては、前記(A)成分の製造の説明に
おいて、それぞれ例示したものを1種又は2種以上用い
ることができる。また、該アリル基を有するビニル系モ
ノマーとしては、例えばアリル(メタ)アクリレート、
ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルフタ
レートなどが挙げられ、これらは1種用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】前記モノマーの重合において用いられる重
合開始剤としては、例えばベンゾイルペルオキシド、t
−ブチルヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペル
オキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノ
エート、過安息香酸t−ブチルなどの有機過酸化物系重
合開始剤や、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などのア
ゾ系重合開始剤などが挙げられ、これらを単独又は混合
して用いることができる。
【0016】重合溶媒としては、通常の水性樹脂の製造
に用いられるもの、例えば、ブチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、イソ
プロピルアルコールなどが挙げられ、これらは単独で用
いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。この
ようにして得られたアクリル樹脂は含有する酸性基を塩
基で中和することにより水溶性となる。該塩基として
は、塗膜の耐水性に対する悪影響を考慮すると、水酸化
ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属を含有
する無機系塩基よりも、アンモニアやアルキルアミン、
アルカノールアミンなどの有機系塩基の方が好ましい。
【0017】該アルキルアミンとしては、例えばモノメ
チルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジメ
チルプロピルアミンなどが、アルカノールアミンとして
は、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、N−アミノエチルエタノー
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノイソプ
ロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチ
ルエタノールアミンなどが挙げられる。
【0018】これらの塩基の使用量は、得られたアクリ
ル樹脂を水性媒体に溶解させた際の水溶液のpHが7〜
9.5になるように選ばれる。このpHが7未満では、こ
の水溶性アクリル樹脂を前記(A)成分中の残存二重結
合を有する共重合体粒子と反応させる際に、該共重合体
粒子の表面に酸−塩基の作用で水溶性アクリル樹脂を吸
着させる効果に劣るし、9.5を超えるとアクリル樹脂
を含有する(B)成分の水性溶液の粘度が著しく高くな
り、残存二重結合を有する共重合体粒子と水溶性アクリ
ル樹脂との反応が困難になる。
【0019】この水溶性アクリル樹脂は、酸価が20〜
100mgKOH/g、好ましくは30〜50mgKOH/g、水
酸基価が30〜150mgKOH/g、好ましくは50〜1
00mgKOH/g、アリル基含有ビニル系モノマー単位の
含有量が0.2〜10重量%、好ましくは1〜5重量
%、数平均分子量が1,000〜100,000、好まし
くは3,000〜20,000の範囲にあることが必要で
ある。該酸価が20mgKOH/g未満では水可溶性に劣る
し、100mgKOH/gを超えると水性媒体に溶解させて
得られた水性溶液の粘度が著しく高くなり、(A)成分
中の共重合体粒子との反応が困難となる。水酸基価が3
0mgKOH/g未満では該共重合体粒子との反応により得
られた水性樹脂分散液は十分なレオロジー特性が付与さ
れないし、150mgKOH/gを超えると水性媒体に溶解
させて得られた水性溶液の粘度が著しく高くなり、該共
重合体粒子との反応が困難となる。
【0020】一方、アリル基を含有するビニル系モノマ
ー単位の含有量が0.2重量%未満では該共重合体粒子
との反応性に劣るし、10重量%を超えると(B)成分
におけるアクリル樹脂の製造中に架橋してゲル化しやす
くなる。また、数平均分子量が1,000未満では得ら
れる塗膜の性能が劣るし、100,000を超えると水
性媒体に溶解させて得られた水性溶液の粘度が著しく高
くなり、該共重合体粒子との反応が困難となる。
【0021】本発明においては、このようにして得られ
た前記の残存二重結合を有する共重合体粒子を含有する
(A)成分の水性分散液に、水溶性アクリル樹脂を含有
する(B)成分の水性溶液を添加し、該共重合体粒子表
面に該アクリル樹脂を吸着させ反応させることにより、
目的の水性樹脂分散液を調製する。該共重合体粒子と水
溶性アクリル樹脂との反応は、該共重合体粒子の製造工
程におけるモノマー混合液添加終了後の熟成過程中に、
(B)成分を重合開始剤とともに添加することにより行
われる。
【0022】該(B)成分中の水溶性アクリル樹脂に存
在するアリル基はポリマー鎖中に存在するため、立体的
に反応性が乏しい。したがって、このアリル基が該共重
合体粒子と化学的に反応させるためには、該共重合体粒
子中の未反応の二重結合が消滅しない反応の熟成過程に
おいて、(B)成分中の水溶性アクリル樹脂を共重合体
粒子表面に効果的に吸着させ、該アクリル樹脂中のアリ
ル基と共重合体粒子中の未反応二重結合との反応を促進
させる必要がある。これを実現させるには、本発明にお
ける水性樹脂分散液の製造工程における(A)成分中の
共重合体粒子は酸性基が未中和か、あるいは塩基で中和
する場合にはpHを5以下に調整することが必要である。
これにより、pH7〜9.5に調整された(B)成分中の
水溶性アクリル樹脂との酸性基の相互作用により、該共
重合体粒子の表面に水溶性アクリル樹脂の吸着が進行
し、さらにはアリル基を介した反応が促進される。この
際、重合開始剤の添加量は、(B)成分中の固形分に対
して通常0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜1重量%
の範囲で選ばれる。また、該重合開始剤は、(B)成分
を熟成過程中の(A)成分に添加するのと並行して徐々
に添加するのが有利である。
【0023】また、該重合開始剤は水可溶性のものが好
ましく、このようなものとしては、例えば過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機
過酸化物や、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)
ナトリウム塩などの水溶性のアゾ系重合開始剤などが挙
げられる。この反応において、前記(A)成分と(B)
成分との使用割合は、(A)成分中の共重合体粒子と
(B)成分中の水溶性アクリル樹脂とが、通常重量比5
0:50ないし98:2、好ましくは70:30ないし
90:10になるように選ばれる。(A)成分中の共重
合体粒子の使用割合が前記範囲より少ない場合には得ら
れる樹脂は水分散型樹脂の特性が損なわれるし、前記範
囲より多いと得られる樹脂は水溶性樹脂の特性が損なわ
れる。
【0024】このようにして得られた水性樹脂分散液中
の樹脂は酸価が10〜50mgKOH/gで、水酸基が10
〜100mgKOH/gの範囲にあるのが望ましい。この酸
価が10mgKOH/g未満では該水性樹脂分散液の安定性
に劣るし、50mgKOH/gを超えると得られる塗膜は耐
水性の劣るものとなる。また、水酸基価が10mgKOH/
g未満では硬化剤との十分な架橋が得られず、得られる
塗膜は耐化学性に劣る上、塗料に十分なレオロジー特性
を付与することができないし、100mgKOH/gを超え
ると得られる塗膜の耐水性が低下する。
【0025】このようにして得られた水性樹脂分散液
に、従来水性塗料に慣用されている硬化剤、顔料、補助
有機溶剤及び各種添加剤を加え、適性粘度に希釈するこ
とにより、一般の水性ベースコートと同じように取り扱
うことができる。該硬化剤としては、例えばベンゾグア
ナミン樹脂やメラミン樹脂などのアミノ樹脂などが挙げ
られ、顔料としては、例えばソリッド系の有機若しくは
無機顔料、アルミニウム片やパールなどのメタリック系
顔料などが、補助有機溶剤としては、例えばイソプロピ
ルアルコールやブチルアルコールなどのアルコール系溶
剤、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソ
ルブ系溶剤などが、添加剤としては、例えば消泡剤、表
面調整剤、粘度調整剤などが挙げられる。
【0026】このような配合組成から成る水性塗料組成
物は、通常の水性ベースコートと同様な処方が実施可能
であり、特にウエット・オン・ウエット方式による公知
の2コート1ベイク塗装系に対して好適であり、それよ
り得られる塗膜は、良好な外観と、優れた性能を有す
る。また、塗料の貯蔵安定性、特にアルミニウムの沈降
性に対しても良好な性状を発揮する。
【0027】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが本発明はこれらの例によってなんら限定されるも
のではない。なお、塗膜外観、塗膜性能及び貯蔵安定性
は次のようにして求めた。塗膜外観 (1)60°光沢 JIS K-5400(1990)7.6鏡面光沢度によ
る。 (2)平滑性 塗面を目視で観察し、次の判定基準に従って評価した。 ○:良好、△:劣る、×:著しく劣る (3)アルミむら 目視で観察し、次の判定基準に従って評価した。 ○:むらがない、△:むらがある、×:むらが著しい
【0028】塗膜性能 (4)耐水性 90℃以上の熱水に4時間浸せき後の塗面状態を目視で
観察し、次の判定基準に従って評価した。 ○:異常なし、△:フクレがある、×:フクレが著しい (5)耐溶剤性 40℃でレギュラーガソリンに1時間浸せき後の塗面状
態を目視で観察し、次の判定基準に従って評価した。 ○:異常なし、△:チヂミがある、×:チヂミが著しい (6)付着性 JIS K-5400(1990)8.5.2碁盤目テープ
法による。貯蔵安定性 水性塗料を室温で1週間放置し、貯蔵安定性を次の判定
基準に従って評価した。 ○:変化なし、△:沈降物あり、×:凝集分離
【0029】製造例1 (B)成分のアクリル樹脂水溶
液B−1〜B−4の製造 撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を取り付
けた4つ口フラスコに、ブチルセロソルブ158.0重
量部、イソプロピルアルコール17.3重量部を仕込
み、窒素気流下で還流撹拌しながら、これに第1表に示
す混合物(1)を3時間要して滴下した。滴下終了後、
還流温度で30分間熟成したのち、第1表に示す混合物
(2)を添加し、さらに1時間還流撹拌を続け、反応を
終了した。反応終了後、50℃まで冷却し、同温度で第
1表に示す中和溶剤を添加し、(B)成分のアクリル樹
脂水溶液B−1〜B−4を製造した。このものの組成及
び特性値を第1表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】注 1)数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー[東ソー(株)製、HLC−802A]により測
定。 2)加熱残分はJIS K-5407(1990)4.に
従い測定。
【0032】製造例2 アクリル樹脂水溶液b−1、b
−2[(B)成分の比較成分]の製造 製造例1と同様にして、第2表に示す組成と特性値を有
するアクリル樹脂水溶液b−1及びb−2を製造した。
【0033】
【表2】
【0034】実施例1 撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を取り付
けた4つ口フラスコに、脱イオン水406.9重量部、
エレミノールES−12[界面活性剤、三洋化成(株)
製、商品名]3.0重量部を仕込み、窒素気流下で撹拌
しながら80℃に保持した。次いで、第3表に示す混合
物493.2重量部をホモミキサー[特殊機化工業(株)
製]でプレ乳化したのち、80℃撹拌下でこの乳化物
と、第3表に示す過硫酸アンモニウムを脱イオン水に溶
解した重合開始剤(1)10.5重量部とを並行して2
時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃撹拌下で生成
した共重合体粒子の熟成が完了しない30分後に製造例
1で得られたアクリル樹脂水溶液B−1 76.2重量
部と第3表に示す重合開始剤(2)10.2重量部とを
1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2
時間反応を続けることにより、加熱残分32wt%の水性
樹脂分散液C−1を得た。組成及び特性を第3表に示
す。
【0035】実施例2〜8 実施例1と同様にして水性樹脂分散液C−2〜C−8を
製造した。その組成及び特性を第3表に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】比較例1 撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を取り付
けた4つ口フラスコに、脱イオン水434.6重量部、
エレミノールES−12[界面活性剤、三洋化成(株)
製、商品名]3.0重量部を仕込み、窒素気流下で撹拌
しながら80℃に保持した。次いで、第4表に示す混合
物545.8重量部をホモミキサー[特殊機化工業(株)
製]でプレ乳化したのち、80℃撹拌下でこの乳化物
と、第4表に示す過硫酸アンモニウムを脱イオン水に溶
解した重合開始剤(1)10.6重量部とを並行して2
時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で2時間熟成
して反応を終了し、さらにジメチルエタノールアミン
6.0gを加え、pH7.2とし水性樹脂分散液C−9を製
造した。その組成及び特性を第4表に示す。
【0039】比較例2〜4 比較例1と同様にして、第4表に示す量の脱イオン水と
エレミノールES−12を仕込み、さらに第4表に示す
量の混合物及び重合開始剤(1)を並行して2時間かけ
て滴下して残存二重結合を有する共重合体粒子分散液を
得た。滴下終了15分後に第4表に示す種類と量の製造
例1又は製造例2で得たアクリル樹脂水溶液と重合開始
剤(2)とを1時間かけて滴下した。滴下終了後、さら
に80℃で2時間反応を続けることにより、水性樹脂分
散液C−10〜C−12を得た。その組成及び特性を第
4表に示す。
【0040】比較例5 撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を取り付
けた4つ口フラスコに、脱イオン水397.4重量部、
エレミノールES−12[界面活性剤、三洋化成(株)
製、商品名]2.8重量部を仕込み、窒素気流下で撹拌
しながら80℃に保持した。次いで、第4表に示す混合
物437重量部をホモミキサー[特殊機化工業(株)製]
でプレ乳化したのち、80℃撹拌下でこの乳化物と、第
4表に示す過硫酸アンモニウムを脱イオン水に溶解した
重合開始剤(1)10.4重量部とを並行して2時間か
けて滴下した。滴下終了後、80℃撹拌下で5時間熟成
することにより、二重結合を完全に消費させた共重合体
粒子分散液を得た。その後80℃で製造例1で得たアク
リル樹脂水溶液B−4 152.4重量部を1時間かけ
て滴下し、前記共重合体粒子分散液とアクリル樹脂水溶
液との混合物から成る水性樹脂分散液C−13を得た。
その組成及び特性を第4表に示す。
【0041】比較例6 撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を取り付
けた4つ口フラスコに、脱イオン水380.4重量部、
エレミノールES−12[界面活性剤、三洋化成(株)
製、商品名]2.8重量部を仕込み、窒素気流下で撹拌
しながら80℃に保持した。次いで、第4表に示す混合
物493.2重量部をホモミキサー[特殊機化工業(株)
製]でプレ乳化したのち、80℃撹拌下でこの乳化物
と、第4表に示す過硫酸アンモニウムを脱イオン水に溶
解した重合開始剤(1)10.4重量部とを並行して2
時間かけて滴下して残存二重結合を有する共重合体粒子
分散液を得た。滴下終了15分後にジメチルエタノール
アミン8.0重量部を添加してpHを7.5とした。さら
に、添加終了15分後に、製造例1で得たアクリル樹脂
水溶液B−4 152.4重量部と第4表に示す重合開
始剤(2)11重量部とを1時間かけて滴下した。滴下
終了後、さらに80℃で2時間反応を続けることによ
り、加熱残分32重量%の水性樹脂分散液C−14を得
た。その組成及び特性を第4表に示す。
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】試験例1 第5表に示した配合に基づき、実施例1〜8及び比較例
1〜6で得た水性樹脂分散液C−1〜C−14、アルミ
ペースト、硬化剤、ブチルセロソルブ及びジメチルエタ
ノールアミンを加え、加熱残分20wt%のメタリック系
水性ベースコートを調製した。さらに、これらの各塗料
に脱イオン水を加えて見かけ粘度30秒(フォードカッ
プNo.4)に調整し、2コート1ベイク方式による塗
装を行った。なお、被塗物の試験板としては、リン酸亜
鉛処理鋼板に、カチオン電着塗料[商品名アクアNo.
4200、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚20μmとなる
ように電着塗装し、185℃で20分間焼き付け、さら
に中塗塗料[商品名ハイエピコNo.100cpシーラ
ー、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚40μmとなるように
エアスプレーし、140℃で20分間焼き付けたものを
用いた。塗装にあたっては、公知の2コート1ベイク方
式に従った。すなわち、水性塗料組成物を乾燥膜厚15
μmになるようにスプレー塗装したあと80℃の温度で
10分間加熱乾燥し、その後、室温まで冷却したのち、
公知の上塗りクリヤー塗料(商品名ベルコートNo.6
000日本油脂(株)製)を乾燥膜厚40μmになるよう
にスプレー塗装し、10分間のセッティング後、140
℃で30分間焼き付けた。得られた塗膜の仕上がり性及
び性能試験結果を第6表に示す。
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】注 1)硬化剤:サイメル−303、ヘキサメトキシメチル
メラミン[三井サイアナミッド(株)製、商品名] 2)アルミペースト:アルペースト0539X、水性塗
料用特殊加工アルミ、加熱残分69wt%[東洋アルミニ
ウム(株)製、商品名] 3)消泡剤:アディトールVXW4932、ノンシリコ
ーン系消泡剤(ヘキスト社製、商品名)
【0048】
【表9】
【0049】
【表10】
【0050】以上、各実施例に示したように、本発明に
おける水性樹脂分散液を用いた水性塗料組成物は、良好
な仕上がり外観と優れた塗膜性能を提供する。これに対
し、比較例1は、水溶性特性を付与する(B)成分がな
いため、塗膜の平滑性、付着性に劣る。また比較例2は
水溶性特性を付与する(B)成分が過剰に配合されてい
るため、塗膜の平滑性には優れるものの、レオロジー特
性に関するアルミむら、耐水性、耐溶剤性や貯蔵安定性
に劣る。比較例3〜6は、(B)成分の反応条件に関す
るものである。比較例3は(A)成分の共重合体粒子に
酸性基含有ビニル系モノマー単位がなく、比較例6は
(A)成分の共重合体粒子の酸性基が完全に中和されて
いるため、どちらも共重合体粒子表面への(B)成分の
アクリル樹脂の吸着が促進されず、共重合体粒子と
(B)成分のアクリル樹脂との反応が進行しない。また
比較例5は共重合体粒子が完全に反応したため、共重合
体粒子に未反応二重結合が残存せずそのため(B)成分
のアクリル樹脂と反応しない。比較例4は(B)成分の
アクリル樹脂がアリル基を有しないため、共重合体粒子
と反応しない。このため、比較例3〜6は、単に水分散
型樹脂と水溶性樹脂とを混合しただけにとどまり、本発
明の実施例と比べ、アルミむら及び貯蔵安定性に関する
レオロジー特性、並びに耐水性、耐溶剤性などの耐化学
性に劣る。
【0051】
【発明の効果】本発明の水性塗料用樹脂組成物は、水分
散性の残存二重結合を有する共重合体粒子に、水溶性の
アクリル樹脂を反応させて成る樹脂を含有する水性樹脂
分散液を主成分とするものであって、水溶性型塗料と水
分散型塗料の両特性を備え、かつ優れた仕上がり外観及
び塗膜性能を有する水性塗料を与えることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)水性媒体中において、酸性基を有す
    るビニル系モノマー、水酸基を有するビニル系モノマー
    及びこれらと共重合可能な他のビニル系モノマーとを共
    重合させて得られた残存二重結合を有する共重合体粒子
    を含有する水性分散液に、(B)塩基で中和された酸価
    20〜100mgKOH/g、水酸基価30〜150mgKOH/
    g、数平均分子量1,000〜100,000及びアリル
    基を含むビニル系モノマー単位含有量0.2〜10重量
    %の水溶性アクリル樹脂を含有する水性溶液を添加して
    反応させ、前記共重合体粒子表面に該アクリル樹脂を結
    合させて得られた水性樹脂分散液を主成分とする水性塗
    料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】共重合体粒子が酸価5〜40mgKOH/g及
    び水酸基価5〜100mgKOH/gのものである請求項1
    記載の水性塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A)成分中の共重合体粒子と(B)成分
    中のアクリル樹脂との使用割合が重量比50:50ない
    し98:2である請求項1又は2記載の水性塗料用樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】水性樹脂分散液中の樹脂が酸価10〜50
    mgKOH/g及び水酸基価10〜100mgKOH/gのもので
    ある請求項1、2又は3記載の水性塗料用樹脂組成物。
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