JPH0532976A - 溶剤で促進された一酸化炭素前処理を含む石炭抽出水素化変換法 - Google Patents
溶剤で促進された一酸化炭素前処理を含む石炭抽出水素化変換法Info
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- JPH0532976A JPH0532976A JP25406991A JP25406991A JPH0532976A JP H0532976 A JPH0532976 A JP H0532976A JP 25406991 A JP25406991 A JP 25406991A JP 25406991 A JP25406991 A JP 25406991A JP H0532976 A JPH0532976 A JP H0532976A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 石炭を液化して炭化水素質液体を高選択率、
高転化率で製造する方法を提供することにある。 【構成】(a)前処理帯域中で、石炭、一酸化炭素及び
有機溶剤を含む混合物を生成し、その混合物を石炭の温
和な解重合を生じるのに有効な温度及び圧力に暴露し; (b)分離帯域中でガスを石炭混合物から除去し; (C)前処理された石炭を抽出帯域中で有機溶剤で抽出
してかなりの量の可溶性炭化水素質石炭を含む抽出物を
得; (d)前記の抽出物及び触媒(触媒は硫化金属を含む化
合物(前記の金属は元素周期律表のVA族、VIA族、
VIIA族及びVIIIA族及びこれらの混合物からな
る群から選ばれる)を含む)のその後の混合物を生成
し;次いで (e)石炭抽出物及び触媒の混合物を水素化変換帯域中
で石炭水素化変換条件下で水素と反応させて炭化水素質
液体生成物を得る ことを特徴とする石炭を液化して炭化水素質液体を製造
する方法。
高転化率で製造する方法を提供することにある。 【構成】(a)前処理帯域中で、石炭、一酸化炭素及び
有機溶剤を含む混合物を生成し、その混合物を石炭の温
和な解重合を生じるのに有効な温度及び圧力に暴露し; (b)分離帯域中でガスを石炭混合物から除去し; (C)前処理された石炭を抽出帯域中で有機溶剤で抽出
してかなりの量の可溶性炭化水素質石炭を含む抽出物を
得; (d)前記の抽出物及び触媒(触媒は硫化金属を含む化
合物(前記の金属は元素周期律表のVA族、VIA族、
VIIA族及びVIIIA族及びこれらの混合物からな
る群から選ばれる)を含む)のその後の混合物を生成
し;次いで (e)石炭抽出物及び触媒の混合物を水素化変換帯域中
で石炭水素化変換条件下で水素と反応させて炭化水素質
液体生成物を得る ことを特徴とする石炭を液化して炭化水素質液体を製造
する方法。
Description
【産業上の利用分野】本発明は、石炭の液化方法、特に
前処理段階、抽出段階、及び接触水素化変換段階を順に
含む多段階法に関する。
前処理段階、抽出段階、及び接触水素化変換段階を順に
含む多段階法に関する。
【課題を解決するための手段】本発明に従って、
(a)前処理帯域中で、石炭、一酸化炭素及び有機溶剤
を含む混合物を生成し、その混合物を石炭の温和な解重
合を生じるのに有効な温度及び圧力に暴露し; (b)分離帯域中でガスを石炭混合物から除去し; (c)前処理された石炭を抽出帯域中で有機溶剤で抽出
してかなりの量の可溶性炭化水素質石炭を含む抽出物を
得; (d)前記の抽出物及び触媒(触媒は硫化金属を含む化
合物(前記の金属は元素周期律表のVA族、VIA族、
VIIA族及びVIIIA族及びこれらの混合物からな
る群から選ばれる)を含む)のその後の混合物を生成
し;次いで (e)石炭抽出物及び触媒の混合物を水素化変換帯域中
で石炭水素化変換条件下で水素と反応させて炭化水素質
液体生成物を得る ことを特徴とする石炭を液化して油を製造する方法が提
供される。本発明の別の実施態様に従って、 (a)石炭、有機溶剤及び一酸化炭素を含む混合物を2
88℃〜371℃(550゜F〜70°F)の温度及び
35〜352kg/cm2(500〜5000psi)
の一酸化炭素分圧に少なくとも10分の期間にわたって
暴露し; (b)ガスを石炭混合物から除去し; (c)前処理された石炭を抽出帯域中で有機溶剤で抽出
してかなりの量の可溶性炭化水素質石炭を含む抽出物を
得; (d)前記の抽出物、有機溶剤(好ましくは石炭から誘
導されたもの)、及び触媒(触媒は硫化金属化合物を含
み、0.02〜2ミクロンの平均粒径を有する)、好ま
しくは有機油溶性金属含有化合物の変換生成物(前記の
金属は元素周期律表のVA族、VIA族、VIIA族及
びVIIIA族及びこれらの混合物からなる群から選ば
れる)のその後の混合物を生成し;次いで (e)この混合物を水素化変換帯域中で石炭水素化変換
条件下で分子状水素を含むガスと反応させて炭化水素質
液体生成物を得る ことを特徴とする石炭を液化して油を製造する方法が提
供される。 本発明の方法は、以下の詳細な説明及び図面を参照して
更に明らかに理解される。本発明の方法は、一般に石炭
を石炭液(即ち、油または通常液体の炭化水素質生成
物)に水素化変換するのに適用し得る。その方法は前処
理段階、抽出段階、及び接触水素化変換段階を含む。前
処理段階に於いて、石炭供給原料が高温、高圧で有機溶
剤中で一酸化炭素(または一酸化炭素を含む合成ガスの
如きガス混合物)で前処理される。抽出段階に於いて、
前処理された石炭がその場で、または前処理に続いて有
機溶剤で抽出されて、その後の触媒による品質向上の前
に実質的に無灰の炭化水素質抽出物(典型的には1重量
%未満の灰)を生成する。その後の水素化変換の前の石
炭の灰残渣からのこの抽出物の分離は、触媒回収を大幅
に容易にする。触媒の均等な装填量(重量%)が品質向
上帯域即ち水素化変換帯域で可能にされ、改良された生
成物の状態及び生成物の品質をもたらす。詳細には、こ
の石炭水素化変換法は気体に対する液体の高い選択性を
与えることができる。また、抽出段階は一定の転化率で
水素をそれ程必要としない水素に富む留分を生じ、部分
酸化または燃焼のために水素が少なく、触媒を含まない
灰残渣不良品を生じる。この残渣は原料石炭よりも1g
当たりに少ない水素を含む。”石炭”という用語は、歴
青炭、亜歴青炭、亜炭、泥炭及びこれらの混合物の如
き、無煙炭より下の全ての等級を含む通常固体の炭素質
物質を表すために本明細書中で使用される。亜歴青炭及
びそれより下の等級の石炭が特に好ましい。本法の原料
は、最初に粒状物または黴粉砕形態に小さくされた石炭
である。石炭は通常のボールミル中で適当に粉砕または
黴粉砕されて10ミクロン〜1/4インチ(0.6c
m)の粒径の範囲の大きさ、典型的には約8メッシュ
(タイラー(Tyler))の粒子を得る。前処理 その方法によれば、有機溶剤中に分散された褐炭、亜
炭、亜歴青炭、または歴青炭の如き供給原料が前処理中
に一酸化炭素に暴露される。石炭が前処理段階で比較的
温和な温度で反応させられる。制限量の揮発性炭化水素
液体が生成される。しかしながら、石炭は解重合され、
平衡水分及び酸素量が減少される。このような前処理後
に、石炭の性質が向上されるだけでなく、石炭はその後
の処理のために高められた反応性を示す。特に、前処理
は石炭水素化変換の供給原料としての石炭の価値を著し
く増大する。石炭水素化変換還元の激しさは減少でき、
液体収率を増し、ガス生成を減少し、水素消費を下げる
が、転化率を最大にするように水素化変換の激しさを維
持することが経済的に一層有利である。石炭は前処理後
にかなり高いdaf重量%(無水無灰重量%)転化率に
達する。前処理中に、石炭解重合反応が起こる。解重合
は種々の溶剤中の石炭の増大された溶解性により検出さ
れる。石炭を解重合する前処理の能力は、結合破壊活
性、または熱的結合破壊に続いて高分子量の生成物への
再重合を起こす潜在的な架橋源の除去にさまざまに起因
していた。前処理中に、粒子の形態の石炭は有機溶剤中
に分散され、この溶剤は一酸化炭素を石炭材料に輸送す
るのに利用できる。一般に、有機溶剤の他に内部の水
(bul kwater)の存在は前処理の利点(増加
された石炭揮発性物質及び水素化変換中の改良された反
応性)に悪影響を与えないが、石炭粒子は石炭蒸留物の
如き有機溶剤を含む単一の液相中に分散されることが好
ましい。石炭材料の水素化に備えるためには、若干の水
が前処理反応系に必要とされる。しかしながら、水は入
手したままの石炭の平衡水分(また”物理水”と称され
る)及び/または石炭中の化学水(”化学水”は前処理
の条件中で利用できるようにされる水であり、石炭鉱物
中の水和の水を含み得る)により与えられてもよい。一
つの提案される反応機構は、前処理中に、一酸化炭素が
石炭マトリックス中の水と反応し、反応性中間体(これ
らが石炭を水素化し、二酸化炭素を生成する)を生成す
ることである。実際に、本法は入手したままの石炭に水
を添加することを必要とせず、しかも液体の水相が前処
理中に必要ではない。典型的には、約30重量%の水が
入手したままの石炭中に水分として存在し得るが、これ
は前処理中に水相を形成するには不十分である。例え
ば、亜炭中には多量の水が存在することがあり、好まし
くないが、一般には前処理に有害ではない。しかしなが
ら、有機溶剤及び水の両方が中間の量で存在する場合に
は、石炭の水素化変換反応性が問題となることがある。
本法の主要の利点は、追加の水が前処理中に必要とされ
ないので、前処理された石炭からの液体水の濾過による
分離は、それが前処理反応器を出た後に、必要ではない
ことである。前処理された石炭からの水の分離は濾過に
よらずに中間段階のガス分離により気相中で適当に行わ
れる。有機溶剤対乾燥石炭の重量比は4:1〜1:1が
適当であり、約3:1〜1.5:1が好ましい。条件下
の水対乾燥石炭の比は約0.5:1未満であり、水対乾
燥石炭の入口比は約1:1未満である。(”入口条件”
に較べて”条件下の”という用語は水蒸気に蒸発された
水及び水−ガスシフト反応により失われた水を除外す
る。)前処理中の石炭は、液化段階に於ける最終使用に
適したプロセス誘導炭化水素溶剤でスラリーにされるこ
とが好ましい。溶剤の例はVGO溶剤までの204℃+
(40゜F+)蒸留物(VGO溶剤を含む)及び循環液
化残液である。前処理温度は石炭の品質に大きな影響を
有する。288〜371℃(550〜700゜F)の範
囲の温度が重要であり、316〜357℃(600〜6
75゜F)が好ましく、316〜343℃(600〜6
50゜F)が最も好ましい。別の重要な前処理法の条件
は、一酸化炭素(CO)の圧力及び石炭に対して供給さ
れるその量である。一般に、COの分圧(Pco)が増
加するにつれて、石炭の性質が次第に改良される。好適
な範囲は周囲温度で35〜105kg/cm2(500
〜1500psi)(初期)、好ましくは約60〜70
kg/cm2(850〜1000psi)である。ま
た、石炭、または”処理”に対して供給されるCOの重
量%が増加するにつれて、石炭の性質が次第に改良され
る。好適な処理範囲は、40〜100重量%(乾燥石炭
基準)、好ましくは約60〜90重量%のCOである。
条件下の全圧(H2O蒸気、CO2、H2、CO、及び
C1〜C4を含む)は、Pco及び温度に応じて約12
7〜316kg/cm2(1800〜4500ps
i)、好ましくは約197〜316kg/cm2(28
00〜4500psi)の範囲が好適であり、これは順
に溶剤分圧を決定する。一般に、前処理帯域中の滞留時
間が増すにつれて、石炭品質が改善する。343℃(6
50゜F)に於ける好適な滞留時間は、約10分〜5時
間、経済的な観点から好ましくは、20〜2時間の範囲
である。前処理反応器中の有効な混合及びCOと石炭の
間の良好な接触が望ましい。これは、機械攪拌機及び/
または固定じゃま板(これらは高乱流を生じる)、また
は適当に設計された入口ガススパージ(これらは小さな
気泡を生じる)により達成し得る。本発明の石炭の前処
理は、前処理の前記の条件に耐え得る通常の構造及びデ
ザインの反応器中で適当に行われる。石炭スラリー及び
一酸化炭素の導入管及び生成物の取り出し管を有するス
テンレス鋼製の円筒形容器が好適である。前処理反応器
への溶剤相化合物の循環は、或種の利点を与え得る任意
の特徴である。循環は、循環溶液中に含まれる低分子量
の有機溶剤(例えば、アルコール、フェノール、及びカ
ルボン酸)の結果として石炭の溶解を助け得る。或種の
可溶性の酸もしくは酸の金属塩または塩基、特に前処理
中に反応系中でつくられたものは、全て、所定の温度及
び圧力で石炭の溶解性を改良することにより石炭の前処
理を促進するための促進剤として作用し得る。最も好ま
しい促進剤はギ酸ナトリウムまたはギ酸カルシウムであ
る。その他の好ましい促進剤は硫化アンモニウムもしく
は硫化水素アンモニウムまたは硫化水素である。促進剤
は水系中で0.5〜50重量%、好ましくは0.5〜1
0重量%、最も好ましくは1〜5重量%(乾燥石炭に対
して)の量で存在すべきである。以下に示されるよう
に、これらの促進剤は水溶液中で破砕された石炭に噴霧
し得る。前処理中に、石炭は抽出にかけられ、この場
合、可溶性の炭素質物質は有機溶剤により前処理された
石炭から抽出される。必要により、追加の溶剤または異
なる溶剤が前処理に続いて添加でき、石炭が更に抽出に
かけられる。抽出された物質は沈降及び濾過またはその
他の手段により灰を含む残渣から分離される。石炭粒子
の抽出は、実際には石炭材料の成分をその水素対炭素比
及び分子量に応じて分別する。一般に、その成分は水素
が多い程、または分子量が低い程、溶剤中のその溶解性
は大きい。抽出された物質の高い水素含量のため、その
後の水素化変換の高転化率及び大きい選択率が得られ
る。一方、残渣は前処理に供給された石炭よりも水素が
不足している。抽出及び分離により、石炭供給原料は二
つの画分に分けることができる。第一の画分(灰残渣を
含む)は0〜40%のdaf(無水無灰)前処理石炭物
質を含むことが好適である。第二画分(石炭抽出物を含
み、実質的に灰を含まない(2重量%未満、好ましくは
1重量%未満の灰分))は、60〜100%のdaf前
処理石炭物質を含むことが好適である。例えば、典型的
なワイオミング石炭の場合、前処理にかけられる石炭は
0.82のH/C比を有し、抽出物を含む画分は0.9
7のH/C比を有し、そして残渣を含む画分は0.77
のH/C比を有する(25%より大きい灰分を有す
る)。灰を含む画分は部分酸化単位装置に送られ総合方
法に一酸化炭素及び水素を供給することが好ましい。石
炭抽出物及び溶剤を含む別の画分は水素化変換帯域に導
入され、そこで石炭抽出物が一層軽質の生成物に変換さ
れる。必要により、抽出溶剤の一部または全部は抽出物
を水素化変換段階に送る前に蒸留により除去されてもよ
いが、溶剤を抽出に送ることが更に都合がよい。また、
追加の溶剤または循環溶剤が石炭スラリーと混合され水
素化変換帯域に送られてもよい。実際に、343℃+
(650゜F+)の抽出溶剤及び343℃+(650゜
F+)の水素化変換生成物が、343℃+(650゜F
+)の生成物の消失により正味の343℃−(650゜
F−)の生成物を生成するのに必要とされる程度まで水
素化変換反応器に供給される。充分の量のVGOが抽出
の目的とは別に送られる。上記のように、抽出物は実質
的に水素に富み、残渣は前処理に供給された石炭に対し
て水素を減少される。本法は、高灰分の石炭を処理する
場合でさえも、水素化変換帯域に送られる炭化水素質の
流れが実質的に灰を含まない点でその他の水素化変換法
よりも利点を与える。灰の量は約1重量%未満であるこ
とが好ましく、0.1重量%未満であることが最も好ま
しい。更に、水素化変換供給原料(前処理された石炭か
らの抽出物を含む)は水素に富み、未分別の前処理され
た石炭よりも良好な液体/ガス選択率でもって水素化変
換工程で容易に変換し得る。別の利点は少ない全物質が
反応器に送られることである。何となれば、灰及びその
他の無用の物質が前もって除去されるからである。それ
故、付加的な反応器容積が長い滞留時間により高い転化
率を得るのに利用できる。本法のさらに別の利点は、無
灰石炭抽出物が固体−液体混合物よりも取扱い易いこと
である。例えば、分離は簡単な蒸留により通常行ない得
る。前処理に供給された石炭を基準として比較する場
合、本法は、連続の水素化変換中に、かなり少ない炭化
水素物質が品質向上工程に送られるとしても、その他の
石炭水素化変換法よりも多くの望ましい液体生成物(及
び少ないガス)、即ち多くのナフサ及び蒸留物を生じ
る。抽出及び石炭の液体−固体分離は、石炭(前処理さ
れたdaf)の最悪の15%〜25%が部分酸化単位装
置に選択的に送られ、残りが殆ど完全に変換されること
をもたらす。即ち、水素化変換を受ける初期の石炭物質
の約75%〜85%、実際には100%が変換し得る。
さらに多くの蒸留物及び減圧軽油(VGO)が本法で得
られると考えられる。初期の石炭の25%までが水素化
変換を受けないとしても、抽出を行わず固体残渣の分離
を行わない場合よりも、前処理に供給された石炭を基準
として538℃−(1000゜F−)の液体への高い転
化率を得ることが可能である。更に、この高い液体転化
率は、水素化変換工程中の少ない水素消費でもって可能
である。その方法の条件は、灰を含む残渣の炭素含量が
H2及び部分酸化からのCOを得るためのプロセス要件
を満たすように設定される。前処理後の石炭の部分酸化
へ30%及び水素化変換へ70%の典型的な分割が一般
にこの目標を達成する。また、炭素含量が少ない場合に
は、残渣は酸化されてもよく、また熱のために燃焼され
てもよい。前記のように、石炭可溶物の付加的な抽出は
前処理後の分離抽出段階で行うことができ、または前処
理中にのみ行うことができる。水素化変換 石炭の前処理、抽出、及び液体−固体分離に続いて、石
炭の抽出成分が水素化変換を受けて一層軽質の生成物を
生成する。本発明の水素化変換段階に使用される溶剤
(これは前処理有機溶剤を含んでもよい)は、全溶剤の
重量基準で1/2〜約2重量%の供与性(donata
ble)水素を含んでもよい。好ましい溶剤は石炭から
誘導された液体及び石炭蒸留物またはこれらの混合物、
例えば、約177℃(350゜F)〜約566℃(10
50゜F)の範囲、更に好ましくは約343℃(650
゜F)〜約538℃(1000゜F)の範囲の大気圧沸
点を有する化合物の混合物を含む。好ましい溶剤は減圧
軽油(VGO)である。何となれば、それは最も抽出さ
れる物質のようであり、しかもその高い沸騰範囲は高温
でさえも抽出を殆どないか、または全くない反応器圧力
で進行させるからである。また、それは良い選択であ
る。何となれば、それは生成物として比較的価値が少な
く、しかも高価な損失なしに部分酸化に送ることができ
るからである(典型的には、約10%未満のVGOが経
済的な関心なしに部分酸化で失われ得る)。石炭から誘
導されたVGOは約343〜538℃(650〜100
0゜F)の範囲で沸騰する。その他の好適な溶剤は、芳
香族化合物、例えばアルキルベンゼン、アルキルナフタ
レン、アルキル化多環式芳香族化合物、ヘテロ芳香族化
合物、未水素化または水素化クレオソート油、石油供給
原料の接触分解からのテトラリン中間体生成物流、シェ
ール油、またはバージン石油流、例えば減圧軽油もしく
は残油等及びこれらの混合物を含む。触媒は通常の支持
された(即ち、固定床)金属硫化物を含む触媒であるこ
とが好適である。水素化変換段階に使用される触媒は、
良く分散されたミクロンまたはサブミクロンの大きさの
粒子を含むことが好ましい。触媒は硫化金属を含む化合
物であることが好ましい。触媒は、有機の油溶性の金属
化合物である前駆体から生成されることが最も好まし
い。前駆体は、混合帯域中で油溶性の金属化合物、溶剤
及び石炭の混合物を生成するように、典型的には抽出後
で品質向上の前に溶剤に添加される。プロセス条件下で
活性触媒に変換し得る好適な油溶性の金属化合物は、
(1)ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、水和酸化
物、ヘテロポリ酸(例えば、リンモリブデン酸、モリブ
ドケイ酸)の如き無機の金属化合物;(2)2個以上の
炭素原子を含む非環式及び脂環式の脂肪族カルボン酸
(例えば、ナフテン酸);芳香族カルボン酸(例えば、
トルイル酸);スルホン酸(例えば、トルエンスルホン
酸);スルフィン酸;メルカプタン、キサントゲン酸;
フェノール、ジ−及びポリヒドロキシ芳香族化合物の如
き有機酸の金属塩;(3)金属キレート(例えば、1,
3−ジケトン、エチレンジアミン、エチレンジアミンテ
トラ酢酸、ジチオカーバメート、キサンテート、等との
キレート)の如き有機金属化合物;(4)脂肪族アミ
ン、芳香族アミン、及び四級アンモニウム化合物の如き
有機アミンの金属塩を含む。油溶性の金属化合物の金属
成分は、サージェント−ウェルチ・サイエンティフィッ
ク・カンパニィ(Sargent−Welch Sci
entific Company)(著作権1979
年)により発行された表に従って、元素周期律表のVA
族、VIA族、VIIA族及びVIIIA族からなる群
から選ばれ、即ちバナジウム、ニオブ、タンタル、クロ
ム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、
鉄、コバルト、ニッケル及び貴金属(白金、イリジウ
ム、パラジウム、オスミウム、ルテニウム及びロジウム
を含む)である。油溶性の金属化合物の好ましい金属成
分は、モリブデン、バナジウム、クロム、ニッケル及び
コバルトからなる群から選ばれる。油溶性の金属化合物
の金属成分は、モリブデン、ニッケル及びコバルトから
なる群から選ばれることが最も好ましい。金属の好まし
い化合物は非環式(直鎖または分岐鎖)脂肪族カルボン
酸の塩、脂環式脂肪族カルボン酸の塩、ヘテロポリ酸、
水和酸化物、カルボニル化合物、フェノレート及び有機
アミン塩を含む。更に好ましい型の金属化合物はへテロ
ポリ酸、例えば、リンモリブデン酸(PMA)である。
その他の好ましい金属化合物は金属ナフテネートの如き
脂環式脂肪族カルボン酸の塩である。好ましい化合物は
モリブデンナフテネート、バナジウムナフテネート、ク
ロムナフテネート、及びモリブデン−、コバルト−、ま
たはニッケル−ジブチルジチオカーバメートまたはキサ
ンテートである。ヨウ素が触媒として使用されてもよ
い。本法中に生成された炭化水素質マトリックス中に金
属硫化物を含む好ましい触媒粒子は、供給原料中に均一
に分散される。それらの極小の大きさのため、通常の触
媒粒子の膨張床(expanded bed)または固
定床中で可能であるよりも油1立方cm当たり典型的に
は数倍多いこれらの触媒粒子がある。高度の触媒分散及
び活性触媒部位への容易な接近は、反応の良好な反応性
制御を与える。このような触媒は供給原料に対して数p
pm(重量基準)の量の金属で有効であるので、残液パ
ージ流から回収しないで使用することが経済的に実行可
能である。殆どの触媒は残液循環流と共に品質向上用反
応器に戻る。少量の”補給”触媒のみが添加されること
を必要とする。触媒装填量は、数ppm〜数重量%の範
囲で融通性がある(これはスラリー反応器中のポンプ輸
送の束縛により制限される)。多い触媒装填量は、ガス
よりも液体への良好な選択率でもって、低沸点液体への
転化率を増大し、ヘテロ原子含量を減少する。触媒はス
ラリー方式で使用されてもよく、また固定床中で実質的
に無灰の抽出物と共に使用されてもよい。条件は、夫々
ディーゼルまたは自動車用ガソリンとして(またはそれ
らへの変換のために)適した多少飽和され/水素化分解
された生成物を製造するように変えられてもよい。34
3〜427℃(650〜800゜F)の範囲の温和な水
素化変換温度が使用されることが好ましい。100〜5
000ppmの範囲の通常1000ppm程度の触媒装
填量が、本法の水素化変換反応系に適する。油溶性の金
属含有化合物補給物(循環からの追加の量を含まない)
が、混合物中の乾燥石炭の重量基準で、金属元素として
計算して約10〜5000wppm、好ましくは約25
〜950wppm、更に好ましくは約50〜700wp
pm、最も好ましくは約50〜400wppmを与える
のに充分な量で添加される。触媒補給量は石炭に対して
約30〜500ppmであることが好適である。残りは
通常触媒を含む未変換石炭抽出物または残液を循環する
ことにより供給される。しかしながら、触媒物質のコス
ト及び製造コストを増すことにより或る程度均衡される
が、多い触媒装填量の重要な利点は、ほぼ最終の生成物
が製造されることである。多い触媒装填量は、1〜10
重量%、好ましくは1〜5重量%を意味する(1%の数
値は10,000ppmに相当する)。ほぼ最終の生成
物は、低いヘテロ原子量を特徴とする液体を意味する。
多い触媒装填量では、典型的な生成物は、約5ppm未
満の窒素、194ppm未満の硫黄、1300ppm未
満の酸素及び少なくとも約1.7の水素対炭素比を有す
る。ほぼ最終の生成物を得ることの意義は、それが第二
の品質向上用反応器(例えば、水素化処理、水素化脱窒
素、または水素化脱窒素)(これは通常総合方法コスト
の大部分であり、製油所で高価な試薬の一つである水素
のかなりの量を消費する)を省略し得ることである。触
媒量は、約0〜1500ppmの窒素量、200〜40
0ppmの硫黄量、及び約1300〜15,000pp
mの酸素を特徴とするほぼ最終の生成物を得、生成物を
流動接触分解(これは高圧の水素雰囲気を必要としな
い)のための供給原料として適するようにするように選
ぶことができる。石炭抽出物中の窒素、硫黄及び酸素の
好適には少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも
約90重量%が多い触媒装填量を使用することにより除
去される。水素化変換中に触媒スラリーの形態の比較的
多い触媒装填量を使用することにより得られる利点は、
困難な触媒回収または循環工程で処理する必要なく実現
される。何となれば、先の抽出段階の結果として、水素
化変換帯域は灰が非常に少なく、水素化変換工程からの
残液は殆どないからである。抽出段階がないと、かなり
の触媒が失われる。何となれば、灰の堆積を防止する必
要の結果として、残液の一部が比例する量の触媒と一緒
に流出されるからである。原則として、触媒はまず残液
から分離できるが、現在、これを行う経済的な方法はな
い。本法に於いて、殆ど100%の触媒が難無く循環し
得る。多い触媒装填量はほぼ最終の生成物を得ることを
もたらし、これは二次の品質向上工程の一部または全部
が省略でき、経済性が大幅に高められることを意味す
る。石炭−溶剤スラリー中で触媒前駆体を活性触媒に変
換するために種々の方法を使用することができる。良好
な分散を得るために、可溶性前駆体を溶解した後に触媒
を生成することが通常良好である。前駆体即ち油溶性金
属化合物から触媒を生成する一つの方法は、水素化変換
反応の前に予備混合単位装置中で、金属化合物、石炭抽
出物及び溶剤の混合物を水素含有ガスの存在下で約3
5.2〜約352kg/cm2ゲージ圧(500〜50
00psig)の範囲の圧力で約316℃(600゜
F)〜449℃(840゜F)の範囲の温度に加熱する
ことである。H2S、CS2(液体)、または元素状硫
黄の如き硫黄含有試薬が導入されるべきである。水素含
有ガスは純粋な水素であってもよいが、一般には或種の
その他のガス混入物を含む水素流、例えば、リフォーミ
ング法で流出ガスから生成された水素含有流である。触
媒を生成する別の方法は、触媒前駆体を前処理工程に添
加することである。これは、その後の抽出が”プレソー
キング(presoak)”オプション(即ち、濾過を
行わない)である場合にのみ効力がある。濾過は触媒粒
子を除去する。H2Sが触媒を活性化するための硫黄の
源として使用される場合、硫化水素は水素含有ガス混合
物の約1/2〜約10モル%を構成することが好適であ
る。硫化水素は入口管中で水素ガスと混合され、予熱器
中で反応温度まで加熱されてもよく、あるいは循環ガス
流の一部であってもよい。高硫黄石炭は追加の硫黄源を
必要としないことがある。触媒前駆体の処理は、石炭の
組成及び使用される特別な触媒前駆体に応じて、約5分
〜約2時間の範囲の期間、好ましくは約10分〜約1時
間の範囲の期間にわたって行われることが好適である。
還元ガス(水素または一酸化炭素)の存在下または還元
ガスと硫化水素の存在下に於けるこのような熱処理は、
金属化合物を相当する金属含有硫化物触媒(これはコー
キング抑制剤としても作用する)に変換する。触媒前駆
体即ち油溶性の金属化合物を本法に使用するための触媒
に変換する別の方法は、金属化合物、石炭抽出物及び溶
剤の混合物を水素化変換帯域中で石炭水素化変換条件そ
れ自体で水素含有ガスと反応させることである。油溶性
の金属化合物(触媒前駆体)が溶剤、及び石炭抽出物と
溶剤の混合物中に生成された触媒に添加されることが好
ましいが、上記のように分散が良好でないことがある
が、既に生成された触媒を溶剤に添加することがまた可
能である。いずれにしても、触媒、溶剤、及び石炭抽出
物の混合物は、以下に記載される水素化変換帯域に送ら
れる。石炭水素化変換帯域は、約343〜510℃(6
50〜950゜F)、好ましくは約343〜454℃
(650〜850゜F)、更に好ましくは約385〜4
27℃(725〜800゜F)の範囲の温度、及び約3
5.2kg/cm2ゲージ圧(500psig)〜約3
52kg/cm2ゲージ圧(5000psig)、好ま
しくは約84.4kg/cm2ゲージ圧(1200ps
ig)〜約211kg/cm2ゲージ圧(3000ps
ig)の範囲の水素分圧に維持される。毎時反応器の容
積当たりの石炭及び溶剤供給原料の容積として定義され
る空間速度(V/H/V)は、所望の変換水準に応じて
広く変化し得る。好適な空間速度は約0.1〜10の毎
時反応器容積当たりの供給原料の容積、好ましくは約
0.25〜6V/H/V、更に好ましくは約0.5〜2
V/H/Vの広い範囲であり得る。水素化変換段階から
の343℃+(650゜F+)の残液は、所望により、
343℃+(65°F+)残液の反応による変換を消失
まで増大するために水素化変換帯域に戻して一部循環さ
れてもよい。パージされる538℃+(1000゜F
+)の残液は、例えば、抽出からの残渣と共に部分酸化
により気化されて水素、一酸化炭素及び熱を生じること
が好ましい。水素化変換帯域への残液循環の場合、好適
な溶剤:石炭抽出物:538℃+(1000゜F)の残
液の重量比は約2.5:1:0〜約0.5:1:2の範
囲内である。溶剤対固体の比を低下することは、その方
法の熱効率を改良する。何となれば、反応器の大きさが
所定の石炭処理量に関して減少され、または更に多い処
理量を可能にするからである。典型的なプロセス溶剤沸
騰範囲は232〜343℃(450〜650゜F)IB
Pから約538℃(1000゜F)FBIまでである。
最良の方法と考えられる実施態様に従って、水素化変換
段階に推奨されるプロセス条件の範囲が、下記の表1に
要約される daf石炭重量%を基準として90%より大きい種々の
生成物への転化率を得ることができる。しかしながら、
上記のように、多い触媒装填量は、相当するガス収率の
減少でもって重大な改良、例えば、良好な液体選択率及
び転化率を与え得る。通常、低い水素化変換温度は低い
石炭抽出物反応性をもたらす。しかしながら、良好な転
化率及び良好な液体選択率を可能にする水素化変換反応
性は、多い触媒装填量により低温で、且つ/または石炭
が最初に上記のように前処理される場合に得ることがで
きる。本発明の方法は、バッチ型の方法として、または
連続型の方法として行われてもよい。好適には、最終生
成物、例えば輸送燃料を得るために現場の品質向上用の
単位装置がある。図面の説明 図1を参照して、微粉砕石炭が配管1により混合、前処
理帯域3に導入され、ここで石炭が夫々配管6及び5に
より導入された一酸化炭素及び有機溶剤と混合される。
この石炭混合物が、前記のように高温及び高圧条件に暴
露される。前処理帯域中に残存するガスまたは生成され
たガス、典型的にはCO2、CO、H2O、H2及びC
1〜C4炭化水素が配管15により除去される。前処理
に続いて、石炭は抽出帯域4に入る。(上記のように、
別の実施態様では、石炭の抽出は前処理帯域3中で同時
に行われてもよい。)抽出は段階単位装置中で行われて
もよい。石炭が抽出帯域4に通されている際に、または
それに通された後に、追加の溶剤が配管22により導入
されてもよい。その条件で約1:1〜5:1、好ましく
は約2:1の全溶剤対石炭の重量比を得るために、充分
な溶剤が抽出帯域に導入されてもよい。石炭の滞留時間
は約10分〜2時間の範囲、好ましくは約20分であ
る。好適な温度は93〜343℃(200〜650゜
F)、好ましくは177〜343℃(350〜650゜
F)、最も好ましくは260〜343℃(500〜65
0゜F)である。典型的には、溶剤を気化することから
防止するため、35.2kg/cm2(500psi)
の圧力が抽出帯域中で維持し得る。しかしながら、或種
の溶剤、特に石炭蒸留物またはVGOの如きプロセス誘
導溶剤は、非常に低い圧力下で保ち得る。70重量%以
上の無水無灰の処理石炭が抽出されることが好ましい。
好適な範囲は70〜100%、好ましくは80〜100
%である。抽出帯域中で、石炭混合物が攪拌され、それ
により炭化水素質物質が石炭物質から抽出され、溶剤中
に溶解され、不溶物及び灰を含む固体石炭残渣を残す。
石炭物質を可溶性の形態に変換することは、処理し難い
残液をもたらす逆行的な反応を最小にし、または排除す
る。次いで、溶剤、抽出物及び残渣の混合物は第一分離
帯域16に通され、そこで混合物は、全ての溶剤可溶性
の炭化水素質生成物成分(石炭からの実質的に全ての可
溶物)を含む配管18中の液体即ち溶剤相と、抽出帯域
4に仕込まれた全ての溶剤不溶性の炭化水素質物質(石
炭からの実質的に全ての灰)を含む配管20中の固体を
含む相とに分離される。分離は濾過手段または遠心分離
器の使用により容易に行うことができる。溶剤不溶物を
含む相は典型的には固体であり、その補給は操作に使用
された特別な石炭の組成に依存する。第二分離帯域24
中で、溶剤の一部または全部が分別により溶剤可溶性の
炭化水素質生成物から分離し得る。溶剤可溶性の炭化水
素質生成物は一般に溶剤の沸点よりかなり高い初留点を
有するので、それは蒸留カラム中で溶剤から都合よく分
離される。分離された溶剤は、前処理された石炭と混合
するため配管26により抽出帯域(または前処理帯域)
に戻して循環し得る。石炭抽出相は混合帯域17に導入
され(同様に図2では、配管100中の石炭抽出物がス
ラリーミキサー108に導入される)、そこで追加の溶
剤及び残液が配管21(図2では124)により抽出物
に添加される。更に、下流から回収された溶剤が配管1
9(図2では128)により導入し得る。触媒前駆体を
含む溶剤が配管23により混合帯域17に導入される。
図2では、溶剤流104及び触媒前駆体102が触媒混
合帯域106に導入される。混合帯域中の成分は緊密に
混合されて均一な混合物を生成する。油溶性の金属触媒
前駆体、溶剤、及び石炭抽出物の混合物が、図2に示さ
れるように予熱帯域114に導入される。水素及び必要
により硫化水素を含むガス混合物が配管112によりこ
の帯域に導入される。予熱帯域は約316〜371℃
(600〜700゜F)の範囲の温度及び約141〜1
76kg/cm2(2000〜2500psi)の圧力
で維持されることが好適である。次いで、石炭抽出物及
び触媒スラリーが図1の水素化変換帯域29(また図2
では116)に導入される。水素化変換反応器は、所望
の温度及び圧力の水素化変換条件に耐え得るあらゆる容
器または反応器であってもよい。典型的には、複数の段
階水素化変換反応器(図示されていない)があり、夫々
の反応帯域の条件は所望の平衡制限及び反応速度を最大
にし、且つ生成物の最良のプロフィールを得るように設
定される。水素化変換帯域への供給原料は、典型的には
0.5:1〜1:1の溶剤対石炭抽出物重量比である。
補給溶剤が必要により導入されてもよい。溶剤は水素化
変換帯域に送られ、水素化変換後に循環されることが好
ましい。1:1:1の溶剤対石炭抽出物対水素化変換帯
域への残液循環が好適である。一層軽質の液体の収率を
最大にするため、出来るだけ多くの343℃+(650
゜F+)液体を循環することが好ましい。総合水素化変
換法の生成物は基本法(基本法は前処理段階及び/また
は石炭抽出分離を含まない総合法を云う)に較べてかな
り改良される。例えば、接触水素変換基本法に関する5
38℃−(1000゜F−)生成物への典型的な転化率
は、最初の石炭供給原料のDAF重量%を基準として約
75%であった。典型的な生成物(ワイオミング亜歴青
炭から)は約14%のC1〜C4ガス及び43.69%
のC5〜538℃−(1000゜F−)液体(12%の
ナフサ、29%の蒸留物及び9%の538℃−(100
0゜F−)の沸点範囲のVGO)を含んでいた。水素消
費はdaf供給石炭に対して約5.3%であった。比較
するに、一酸化炭素を前処理段階で添加することによ
り、ガス生成及び水素消費が減少し、生成物中のナフサ
及び蒸留物の量が増加する。同様に石炭抽出物を分離す
ることにより、ガス生成及び水素消費が更に減少し、ナ
フサ及び蒸留物の量が更に増加する。前処理工程及び抽
出工程の使用により製造されるナフサの増加量は、それ
故、特に著しい。再度、図1を参照して、水素含有ガス
は水素化変換反応器29に直接導入され、または温度制
御の目的で反応器の前に配管31を経由して導入され
る。水素化変換帯域に導入するのに適した水素含有ガス
混合物は原料合成ガス、即ち約5〜約50モル%の水
素、好ましくは約10〜30モル%の一酸化炭素を含む
ガスを含む。別の好適な水素含有ガスは天然ガスのスチ
ームリフォーミングから得られる。純粋な水素が利用で
きる場合にはまた好適である。水素化変換に必要とされ
る水素の一部は部分酸化単位装置33により与えられる
ことが好ましい。水素の残りは通常の石炭部分酸化また
は天然ガスリフォーミングにより生成し得る。このよう
な方法に於いて、石炭または石炭画分が、水スラリーの
小液滴の形態で、部分酸化反応器、本質的には気化装置
にポンプ輸送され、そこでそれは酸素(例えば、酸素プ
ラントからの)及びスチームと混合される。酸素の量
は、CO2までの石炭物質の酸化が主として起こらない
ように調節される。若干のCO2が必ずつくられて主反
応(これは正味で吸熱である)のための熱をプロセスに
与える。これらの反応は以下のとおりである。
を含む混合物を生成し、その混合物を石炭の温和な解重
合を生じるのに有効な温度及び圧力に暴露し; (b)分離帯域中でガスを石炭混合物から除去し; (c)前処理された石炭を抽出帯域中で有機溶剤で抽出
してかなりの量の可溶性炭化水素質石炭を含む抽出物を
得; (d)前記の抽出物及び触媒(触媒は硫化金属を含む化
合物(前記の金属は元素周期律表のVA族、VIA族、
VIIA族及びVIIIA族及びこれらの混合物からな
る群から選ばれる)を含む)のその後の混合物を生成
し;次いで (e)石炭抽出物及び触媒の混合物を水素化変換帯域中
で石炭水素化変換条件下で水素と反応させて炭化水素質
液体生成物を得る ことを特徴とする石炭を液化して油を製造する方法が提
供される。本発明の別の実施態様に従って、 (a)石炭、有機溶剤及び一酸化炭素を含む混合物を2
88℃〜371℃(550゜F〜70°F)の温度及び
35〜352kg/cm2(500〜5000psi)
の一酸化炭素分圧に少なくとも10分の期間にわたって
暴露し; (b)ガスを石炭混合物から除去し; (c)前処理された石炭を抽出帯域中で有機溶剤で抽出
してかなりの量の可溶性炭化水素質石炭を含む抽出物を
得; (d)前記の抽出物、有機溶剤(好ましくは石炭から誘
導されたもの)、及び触媒(触媒は硫化金属化合物を含
み、0.02〜2ミクロンの平均粒径を有する)、好ま
しくは有機油溶性金属含有化合物の変換生成物(前記の
金属は元素周期律表のVA族、VIA族、VIIA族及
びVIIIA族及びこれらの混合物からなる群から選ば
れる)のその後の混合物を生成し;次いで (e)この混合物を水素化変換帯域中で石炭水素化変換
条件下で分子状水素を含むガスと反応させて炭化水素質
液体生成物を得る ことを特徴とする石炭を液化して油を製造する方法が提
供される。 本発明の方法は、以下の詳細な説明及び図面を参照して
更に明らかに理解される。本発明の方法は、一般に石炭
を石炭液(即ち、油または通常液体の炭化水素質生成
物)に水素化変換するのに適用し得る。その方法は前処
理段階、抽出段階、及び接触水素化変換段階を含む。前
処理段階に於いて、石炭供給原料が高温、高圧で有機溶
剤中で一酸化炭素(または一酸化炭素を含む合成ガスの
如きガス混合物)で前処理される。抽出段階に於いて、
前処理された石炭がその場で、または前処理に続いて有
機溶剤で抽出されて、その後の触媒による品質向上の前
に実質的に無灰の炭化水素質抽出物(典型的には1重量
%未満の灰)を生成する。その後の水素化変換の前の石
炭の灰残渣からのこの抽出物の分離は、触媒回収を大幅
に容易にする。触媒の均等な装填量(重量%)が品質向
上帯域即ち水素化変換帯域で可能にされ、改良された生
成物の状態及び生成物の品質をもたらす。詳細には、こ
の石炭水素化変換法は気体に対する液体の高い選択性を
与えることができる。また、抽出段階は一定の転化率で
水素をそれ程必要としない水素に富む留分を生じ、部分
酸化または燃焼のために水素が少なく、触媒を含まない
灰残渣不良品を生じる。この残渣は原料石炭よりも1g
当たりに少ない水素を含む。”石炭”という用語は、歴
青炭、亜歴青炭、亜炭、泥炭及びこれらの混合物の如
き、無煙炭より下の全ての等級を含む通常固体の炭素質
物質を表すために本明細書中で使用される。亜歴青炭及
びそれより下の等級の石炭が特に好ましい。本法の原料
は、最初に粒状物または黴粉砕形態に小さくされた石炭
である。石炭は通常のボールミル中で適当に粉砕または
黴粉砕されて10ミクロン〜1/4インチ(0.6c
m)の粒径の範囲の大きさ、典型的には約8メッシュ
(タイラー(Tyler))の粒子を得る。前処理 その方法によれば、有機溶剤中に分散された褐炭、亜
炭、亜歴青炭、または歴青炭の如き供給原料が前処理中
に一酸化炭素に暴露される。石炭が前処理段階で比較的
温和な温度で反応させられる。制限量の揮発性炭化水素
液体が生成される。しかしながら、石炭は解重合され、
平衡水分及び酸素量が減少される。このような前処理後
に、石炭の性質が向上されるだけでなく、石炭はその後
の処理のために高められた反応性を示す。特に、前処理
は石炭水素化変換の供給原料としての石炭の価値を著し
く増大する。石炭水素化変換還元の激しさは減少でき、
液体収率を増し、ガス生成を減少し、水素消費を下げる
が、転化率を最大にするように水素化変換の激しさを維
持することが経済的に一層有利である。石炭は前処理後
にかなり高いdaf重量%(無水無灰重量%)転化率に
達する。前処理中に、石炭解重合反応が起こる。解重合
は種々の溶剤中の石炭の増大された溶解性により検出さ
れる。石炭を解重合する前処理の能力は、結合破壊活
性、または熱的結合破壊に続いて高分子量の生成物への
再重合を起こす潜在的な架橋源の除去にさまざまに起因
していた。前処理中に、粒子の形態の石炭は有機溶剤中
に分散され、この溶剤は一酸化炭素を石炭材料に輸送す
るのに利用できる。一般に、有機溶剤の他に内部の水
(bul kwater)の存在は前処理の利点(増加
された石炭揮発性物質及び水素化変換中の改良された反
応性)に悪影響を与えないが、石炭粒子は石炭蒸留物の
如き有機溶剤を含む単一の液相中に分散されることが好
ましい。石炭材料の水素化に備えるためには、若干の水
が前処理反応系に必要とされる。しかしながら、水は入
手したままの石炭の平衡水分(また”物理水”と称され
る)及び/または石炭中の化学水(”化学水”は前処理
の条件中で利用できるようにされる水であり、石炭鉱物
中の水和の水を含み得る)により与えられてもよい。一
つの提案される反応機構は、前処理中に、一酸化炭素が
石炭マトリックス中の水と反応し、反応性中間体(これ
らが石炭を水素化し、二酸化炭素を生成する)を生成す
ることである。実際に、本法は入手したままの石炭に水
を添加することを必要とせず、しかも液体の水相が前処
理中に必要ではない。典型的には、約30重量%の水が
入手したままの石炭中に水分として存在し得るが、これ
は前処理中に水相を形成するには不十分である。例え
ば、亜炭中には多量の水が存在することがあり、好まし
くないが、一般には前処理に有害ではない。しかしなが
ら、有機溶剤及び水の両方が中間の量で存在する場合に
は、石炭の水素化変換反応性が問題となることがある。
本法の主要の利点は、追加の水が前処理中に必要とされ
ないので、前処理された石炭からの液体水の濾過による
分離は、それが前処理反応器を出た後に、必要ではない
ことである。前処理された石炭からの水の分離は濾過に
よらずに中間段階のガス分離により気相中で適当に行わ
れる。有機溶剤対乾燥石炭の重量比は4:1〜1:1が
適当であり、約3:1〜1.5:1が好ましい。条件下
の水対乾燥石炭の比は約0.5:1未満であり、水対乾
燥石炭の入口比は約1:1未満である。(”入口条件”
に較べて”条件下の”という用語は水蒸気に蒸発された
水及び水−ガスシフト反応により失われた水を除外す
る。)前処理中の石炭は、液化段階に於ける最終使用に
適したプロセス誘導炭化水素溶剤でスラリーにされるこ
とが好ましい。溶剤の例はVGO溶剤までの204℃+
(40゜F+)蒸留物(VGO溶剤を含む)及び循環液
化残液である。前処理温度は石炭の品質に大きな影響を
有する。288〜371℃(550〜700゜F)の範
囲の温度が重要であり、316〜357℃(600〜6
75゜F)が好ましく、316〜343℃(600〜6
50゜F)が最も好ましい。別の重要な前処理法の条件
は、一酸化炭素(CO)の圧力及び石炭に対して供給さ
れるその量である。一般に、COの分圧(Pco)が増
加するにつれて、石炭の性質が次第に改良される。好適
な範囲は周囲温度で35〜105kg/cm2(500
〜1500psi)(初期)、好ましくは約60〜70
kg/cm2(850〜1000psi)である。ま
た、石炭、または”処理”に対して供給されるCOの重
量%が増加するにつれて、石炭の性質が次第に改良され
る。好適な処理範囲は、40〜100重量%(乾燥石炭
基準)、好ましくは約60〜90重量%のCOである。
条件下の全圧(H2O蒸気、CO2、H2、CO、及び
C1〜C4を含む)は、Pco及び温度に応じて約12
7〜316kg/cm2(1800〜4500ps
i)、好ましくは約197〜316kg/cm2(28
00〜4500psi)の範囲が好適であり、これは順
に溶剤分圧を決定する。一般に、前処理帯域中の滞留時
間が増すにつれて、石炭品質が改善する。343℃(6
50゜F)に於ける好適な滞留時間は、約10分〜5時
間、経済的な観点から好ましくは、20〜2時間の範囲
である。前処理反応器中の有効な混合及びCOと石炭の
間の良好な接触が望ましい。これは、機械攪拌機及び/
または固定じゃま板(これらは高乱流を生じる)、また
は適当に設計された入口ガススパージ(これらは小さな
気泡を生じる)により達成し得る。本発明の石炭の前処
理は、前処理の前記の条件に耐え得る通常の構造及びデ
ザインの反応器中で適当に行われる。石炭スラリー及び
一酸化炭素の導入管及び生成物の取り出し管を有するス
テンレス鋼製の円筒形容器が好適である。前処理反応器
への溶剤相化合物の循環は、或種の利点を与え得る任意
の特徴である。循環は、循環溶液中に含まれる低分子量
の有機溶剤(例えば、アルコール、フェノール、及びカ
ルボン酸)の結果として石炭の溶解を助け得る。或種の
可溶性の酸もしくは酸の金属塩または塩基、特に前処理
中に反応系中でつくられたものは、全て、所定の温度及
び圧力で石炭の溶解性を改良することにより石炭の前処
理を促進するための促進剤として作用し得る。最も好ま
しい促進剤はギ酸ナトリウムまたはギ酸カルシウムであ
る。その他の好ましい促進剤は硫化アンモニウムもしく
は硫化水素アンモニウムまたは硫化水素である。促進剤
は水系中で0.5〜50重量%、好ましくは0.5〜1
0重量%、最も好ましくは1〜5重量%(乾燥石炭に対
して)の量で存在すべきである。以下に示されるよう
に、これらの促進剤は水溶液中で破砕された石炭に噴霧
し得る。前処理中に、石炭は抽出にかけられ、この場
合、可溶性の炭素質物質は有機溶剤により前処理された
石炭から抽出される。必要により、追加の溶剤または異
なる溶剤が前処理に続いて添加でき、石炭が更に抽出に
かけられる。抽出された物質は沈降及び濾過またはその
他の手段により灰を含む残渣から分離される。石炭粒子
の抽出は、実際には石炭材料の成分をその水素対炭素比
及び分子量に応じて分別する。一般に、その成分は水素
が多い程、または分子量が低い程、溶剤中のその溶解性
は大きい。抽出された物質の高い水素含量のため、その
後の水素化変換の高転化率及び大きい選択率が得られ
る。一方、残渣は前処理に供給された石炭よりも水素が
不足している。抽出及び分離により、石炭供給原料は二
つの画分に分けることができる。第一の画分(灰残渣を
含む)は0〜40%のdaf(無水無灰)前処理石炭物
質を含むことが好適である。第二画分(石炭抽出物を含
み、実質的に灰を含まない(2重量%未満、好ましくは
1重量%未満の灰分))は、60〜100%のdaf前
処理石炭物質を含むことが好適である。例えば、典型的
なワイオミング石炭の場合、前処理にかけられる石炭は
0.82のH/C比を有し、抽出物を含む画分は0.9
7のH/C比を有し、そして残渣を含む画分は0.77
のH/C比を有する(25%より大きい灰分を有す
る)。灰を含む画分は部分酸化単位装置に送られ総合方
法に一酸化炭素及び水素を供給することが好ましい。石
炭抽出物及び溶剤を含む別の画分は水素化変換帯域に導
入され、そこで石炭抽出物が一層軽質の生成物に変換さ
れる。必要により、抽出溶剤の一部または全部は抽出物
を水素化変換段階に送る前に蒸留により除去されてもよ
いが、溶剤を抽出に送ることが更に都合がよい。また、
追加の溶剤または循環溶剤が石炭スラリーと混合され水
素化変換帯域に送られてもよい。実際に、343℃+
(650゜F+)の抽出溶剤及び343℃+(650゜
F+)の水素化変換生成物が、343℃+(650゜F
+)の生成物の消失により正味の343℃−(650゜
F−)の生成物を生成するのに必要とされる程度まで水
素化変換反応器に供給される。充分の量のVGOが抽出
の目的とは別に送られる。上記のように、抽出物は実質
的に水素に富み、残渣は前処理に供給された石炭に対し
て水素を減少される。本法は、高灰分の石炭を処理する
場合でさえも、水素化変換帯域に送られる炭化水素質の
流れが実質的に灰を含まない点でその他の水素化変換法
よりも利点を与える。灰の量は約1重量%未満であるこ
とが好ましく、0.1重量%未満であることが最も好ま
しい。更に、水素化変換供給原料(前処理された石炭か
らの抽出物を含む)は水素に富み、未分別の前処理され
た石炭よりも良好な液体/ガス選択率でもって水素化変
換工程で容易に変換し得る。別の利点は少ない全物質が
反応器に送られることである。何となれば、灰及びその
他の無用の物質が前もって除去されるからである。それ
故、付加的な反応器容積が長い滞留時間により高い転化
率を得るのに利用できる。本法のさらに別の利点は、無
灰石炭抽出物が固体−液体混合物よりも取扱い易いこと
である。例えば、分離は簡単な蒸留により通常行ない得
る。前処理に供給された石炭を基準として比較する場
合、本法は、連続の水素化変換中に、かなり少ない炭化
水素物質が品質向上工程に送られるとしても、その他の
石炭水素化変換法よりも多くの望ましい液体生成物(及
び少ないガス)、即ち多くのナフサ及び蒸留物を生じ
る。抽出及び石炭の液体−固体分離は、石炭(前処理さ
れたdaf)の最悪の15%〜25%が部分酸化単位装
置に選択的に送られ、残りが殆ど完全に変換されること
をもたらす。即ち、水素化変換を受ける初期の石炭物質
の約75%〜85%、実際には100%が変換し得る。
さらに多くの蒸留物及び減圧軽油(VGO)が本法で得
られると考えられる。初期の石炭の25%までが水素化
変換を受けないとしても、抽出を行わず固体残渣の分離
を行わない場合よりも、前処理に供給された石炭を基準
として538℃−(1000゜F−)の液体への高い転
化率を得ることが可能である。更に、この高い液体転化
率は、水素化変換工程中の少ない水素消費でもって可能
である。その方法の条件は、灰を含む残渣の炭素含量が
H2及び部分酸化からのCOを得るためのプロセス要件
を満たすように設定される。前処理後の石炭の部分酸化
へ30%及び水素化変換へ70%の典型的な分割が一般
にこの目標を達成する。また、炭素含量が少ない場合に
は、残渣は酸化されてもよく、また熱のために燃焼され
てもよい。前記のように、石炭可溶物の付加的な抽出は
前処理後の分離抽出段階で行うことができ、または前処
理中にのみ行うことができる。水素化変換 石炭の前処理、抽出、及び液体−固体分離に続いて、石
炭の抽出成分が水素化変換を受けて一層軽質の生成物を
生成する。本発明の水素化変換段階に使用される溶剤
(これは前処理有機溶剤を含んでもよい)は、全溶剤の
重量基準で1/2〜約2重量%の供与性(donata
ble)水素を含んでもよい。好ましい溶剤は石炭から
誘導された液体及び石炭蒸留物またはこれらの混合物、
例えば、約177℃(350゜F)〜約566℃(10
50゜F)の範囲、更に好ましくは約343℃(650
゜F)〜約538℃(1000゜F)の範囲の大気圧沸
点を有する化合物の混合物を含む。好ましい溶剤は減圧
軽油(VGO)である。何となれば、それは最も抽出さ
れる物質のようであり、しかもその高い沸騰範囲は高温
でさえも抽出を殆どないか、または全くない反応器圧力
で進行させるからである。また、それは良い選択であ
る。何となれば、それは生成物として比較的価値が少な
く、しかも高価な損失なしに部分酸化に送ることができ
るからである(典型的には、約10%未満のVGOが経
済的な関心なしに部分酸化で失われ得る)。石炭から誘
導されたVGOは約343〜538℃(650〜100
0゜F)の範囲で沸騰する。その他の好適な溶剤は、芳
香族化合物、例えばアルキルベンゼン、アルキルナフタ
レン、アルキル化多環式芳香族化合物、ヘテロ芳香族化
合物、未水素化または水素化クレオソート油、石油供給
原料の接触分解からのテトラリン中間体生成物流、シェ
ール油、またはバージン石油流、例えば減圧軽油もしく
は残油等及びこれらの混合物を含む。触媒は通常の支持
された(即ち、固定床)金属硫化物を含む触媒であるこ
とが好適である。水素化変換段階に使用される触媒は、
良く分散されたミクロンまたはサブミクロンの大きさの
粒子を含むことが好ましい。触媒は硫化金属を含む化合
物であることが好ましい。触媒は、有機の油溶性の金属
化合物である前駆体から生成されることが最も好まし
い。前駆体は、混合帯域中で油溶性の金属化合物、溶剤
及び石炭の混合物を生成するように、典型的には抽出後
で品質向上の前に溶剤に添加される。プロセス条件下で
活性触媒に変換し得る好適な油溶性の金属化合物は、
(1)ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、水和酸化
物、ヘテロポリ酸(例えば、リンモリブデン酸、モリブ
ドケイ酸)の如き無機の金属化合物;(2)2個以上の
炭素原子を含む非環式及び脂環式の脂肪族カルボン酸
(例えば、ナフテン酸);芳香族カルボン酸(例えば、
トルイル酸);スルホン酸(例えば、トルエンスルホン
酸);スルフィン酸;メルカプタン、キサントゲン酸;
フェノール、ジ−及びポリヒドロキシ芳香族化合物の如
き有機酸の金属塩;(3)金属キレート(例えば、1,
3−ジケトン、エチレンジアミン、エチレンジアミンテ
トラ酢酸、ジチオカーバメート、キサンテート、等との
キレート)の如き有機金属化合物;(4)脂肪族アミ
ン、芳香族アミン、及び四級アンモニウム化合物の如き
有機アミンの金属塩を含む。油溶性の金属化合物の金属
成分は、サージェント−ウェルチ・サイエンティフィッ
ク・カンパニィ(Sargent−Welch Sci
entific Company)(著作権1979
年)により発行された表に従って、元素周期律表のVA
族、VIA族、VIIA族及びVIIIA族からなる群
から選ばれ、即ちバナジウム、ニオブ、タンタル、クロ
ム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、
鉄、コバルト、ニッケル及び貴金属(白金、イリジウ
ム、パラジウム、オスミウム、ルテニウム及びロジウム
を含む)である。油溶性の金属化合物の好ましい金属成
分は、モリブデン、バナジウム、クロム、ニッケル及び
コバルトからなる群から選ばれる。油溶性の金属化合物
の金属成分は、モリブデン、ニッケル及びコバルトから
なる群から選ばれることが最も好ましい。金属の好まし
い化合物は非環式(直鎖または分岐鎖)脂肪族カルボン
酸の塩、脂環式脂肪族カルボン酸の塩、ヘテロポリ酸、
水和酸化物、カルボニル化合物、フェノレート及び有機
アミン塩を含む。更に好ましい型の金属化合物はへテロ
ポリ酸、例えば、リンモリブデン酸(PMA)である。
その他の好ましい金属化合物は金属ナフテネートの如き
脂環式脂肪族カルボン酸の塩である。好ましい化合物は
モリブデンナフテネート、バナジウムナフテネート、ク
ロムナフテネート、及びモリブデン−、コバルト−、ま
たはニッケル−ジブチルジチオカーバメートまたはキサ
ンテートである。ヨウ素が触媒として使用されてもよ
い。本法中に生成された炭化水素質マトリックス中に金
属硫化物を含む好ましい触媒粒子は、供給原料中に均一
に分散される。それらの極小の大きさのため、通常の触
媒粒子の膨張床(expanded bed)または固
定床中で可能であるよりも油1立方cm当たり典型的に
は数倍多いこれらの触媒粒子がある。高度の触媒分散及
び活性触媒部位への容易な接近は、反応の良好な反応性
制御を与える。このような触媒は供給原料に対して数p
pm(重量基準)の量の金属で有効であるので、残液パ
ージ流から回収しないで使用することが経済的に実行可
能である。殆どの触媒は残液循環流と共に品質向上用反
応器に戻る。少量の”補給”触媒のみが添加されること
を必要とする。触媒装填量は、数ppm〜数重量%の範
囲で融通性がある(これはスラリー反応器中のポンプ輸
送の束縛により制限される)。多い触媒装填量は、ガス
よりも液体への良好な選択率でもって、低沸点液体への
転化率を増大し、ヘテロ原子含量を減少する。触媒はス
ラリー方式で使用されてもよく、また固定床中で実質的
に無灰の抽出物と共に使用されてもよい。条件は、夫々
ディーゼルまたは自動車用ガソリンとして(またはそれ
らへの変換のために)適した多少飽和され/水素化分解
された生成物を製造するように変えられてもよい。34
3〜427℃(650〜800゜F)の範囲の温和な水
素化変換温度が使用されることが好ましい。100〜5
000ppmの範囲の通常1000ppm程度の触媒装
填量が、本法の水素化変換反応系に適する。油溶性の金
属含有化合物補給物(循環からの追加の量を含まない)
が、混合物中の乾燥石炭の重量基準で、金属元素として
計算して約10〜5000wppm、好ましくは約25
〜950wppm、更に好ましくは約50〜700wp
pm、最も好ましくは約50〜400wppmを与える
のに充分な量で添加される。触媒補給量は石炭に対して
約30〜500ppmであることが好適である。残りは
通常触媒を含む未変換石炭抽出物または残液を循環する
ことにより供給される。しかしながら、触媒物質のコス
ト及び製造コストを増すことにより或る程度均衡される
が、多い触媒装填量の重要な利点は、ほぼ最終の生成物
が製造されることである。多い触媒装填量は、1〜10
重量%、好ましくは1〜5重量%を意味する(1%の数
値は10,000ppmに相当する)。ほぼ最終の生成
物は、低いヘテロ原子量を特徴とする液体を意味する。
多い触媒装填量では、典型的な生成物は、約5ppm未
満の窒素、194ppm未満の硫黄、1300ppm未
満の酸素及び少なくとも約1.7の水素対炭素比を有す
る。ほぼ最終の生成物を得ることの意義は、それが第二
の品質向上用反応器(例えば、水素化処理、水素化脱窒
素、または水素化脱窒素)(これは通常総合方法コスト
の大部分であり、製油所で高価な試薬の一つである水素
のかなりの量を消費する)を省略し得ることである。触
媒量は、約0〜1500ppmの窒素量、200〜40
0ppmの硫黄量、及び約1300〜15,000pp
mの酸素を特徴とするほぼ最終の生成物を得、生成物を
流動接触分解(これは高圧の水素雰囲気を必要としな
い)のための供給原料として適するようにするように選
ぶことができる。石炭抽出物中の窒素、硫黄及び酸素の
好適には少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも
約90重量%が多い触媒装填量を使用することにより除
去される。水素化変換中に触媒スラリーの形態の比較的
多い触媒装填量を使用することにより得られる利点は、
困難な触媒回収または循環工程で処理する必要なく実現
される。何となれば、先の抽出段階の結果として、水素
化変換帯域は灰が非常に少なく、水素化変換工程からの
残液は殆どないからである。抽出段階がないと、かなり
の触媒が失われる。何となれば、灰の堆積を防止する必
要の結果として、残液の一部が比例する量の触媒と一緒
に流出されるからである。原則として、触媒はまず残液
から分離できるが、現在、これを行う経済的な方法はな
い。本法に於いて、殆ど100%の触媒が難無く循環し
得る。多い触媒装填量はほぼ最終の生成物を得ることを
もたらし、これは二次の品質向上工程の一部または全部
が省略でき、経済性が大幅に高められることを意味す
る。石炭−溶剤スラリー中で触媒前駆体を活性触媒に変
換するために種々の方法を使用することができる。良好
な分散を得るために、可溶性前駆体を溶解した後に触媒
を生成することが通常良好である。前駆体即ち油溶性金
属化合物から触媒を生成する一つの方法は、水素化変換
反応の前に予備混合単位装置中で、金属化合物、石炭抽
出物及び溶剤の混合物を水素含有ガスの存在下で約3
5.2〜約352kg/cm2ゲージ圧(500〜50
00psig)の範囲の圧力で約316℃(600゜
F)〜449℃(840゜F)の範囲の温度に加熱する
ことである。H2S、CS2(液体)、または元素状硫
黄の如き硫黄含有試薬が導入されるべきである。水素含
有ガスは純粋な水素であってもよいが、一般には或種の
その他のガス混入物を含む水素流、例えば、リフォーミ
ング法で流出ガスから生成された水素含有流である。触
媒を生成する別の方法は、触媒前駆体を前処理工程に添
加することである。これは、その後の抽出が”プレソー
キング(presoak)”オプション(即ち、濾過を
行わない)である場合にのみ効力がある。濾過は触媒粒
子を除去する。H2Sが触媒を活性化するための硫黄の
源として使用される場合、硫化水素は水素含有ガス混合
物の約1/2〜約10モル%を構成することが好適であ
る。硫化水素は入口管中で水素ガスと混合され、予熱器
中で反応温度まで加熱されてもよく、あるいは循環ガス
流の一部であってもよい。高硫黄石炭は追加の硫黄源を
必要としないことがある。触媒前駆体の処理は、石炭の
組成及び使用される特別な触媒前駆体に応じて、約5分
〜約2時間の範囲の期間、好ましくは約10分〜約1時
間の範囲の期間にわたって行われることが好適である。
還元ガス(水素または一酸化炭素)の存在下または還元
ガスと硫化水素の存在下に於けるこのような熱処理は、
金属化合物を相当する金属含有硫化物触媒(これはコー
キング抑制剤としても作用する)に変換する。触媒前駆
体即ち油溶性の金属化合物を本法に使用するための触媒
に変換する別の方法は、金属化合物、石炭抽出物及び溶
剤の混合物を水素化変換帯域中で石炭水素化変換条件そ
れ自体で水素含有ガスと反応させることである。油溶性
の金属化合物(触媒前駆体)が溶剤、及び石炭抽出物と
溶剤の混合物中に生成された触媒に添加されることが好
ましいが、上記のように分散が良好でないことがある
が、既に生成された触媒を溶剤に添加することがまた可
能である。いずれにしても、触媒、溶剤、及び石炭抽出
物の混合物は、以下に記載される水素化変換帯域に送ら
れる。石炭水素化変換帯域は、約343〜510℃(6
50〜950゜F)、好ましくは約343〜454℃
(650〜850゜F)、更に好ましくは約385〜4
27℃(725〜800゜F)の範囲の温度、及び約3
5.2kg/cm2ゲージ圧(500psig)〜約3
52kg/cm2ゲージ圧(5000psig)、好ま
しくは約84.4kg/cm2ゲージ圧(1200ps
ig)〜約211kg/cm2ゲージ圧(3000ps
ig)の範囲の水素分圧に維持される。毎時反応器の容
積当たりの石炭及び溶剤供給原料の容積として定義され
る空間速度(V/H/V)は、所望の変換水準に応じて
広く変化し得る。好適な空間速度は約0.1〜10の毎
時反応器容積当たりの供給原料の容積、好ましくは約
0.25〜6V/H/V、更に好ましくは約0.5〜2
V/H/Vの広い範囲であり得る。水素化変換段階から
の343℃+(650゜F+)の残液は、所望により、
343℃+(65°F+)残液の反応による変換を消失
まで増大するために水素化変換帯域に戻して一部循環さ
れてもよい。パージされる538℃+(1000゜F
+)の残液は、例えば、抽出からの残渣と共に部分酸化
により気化されて水素、一酸化炭素及び熱を生じること
が好ましい。水素化変換帯域への残液循環の場合、好適
な溶剤:石炭抽出物:538℃+(1000゜F)の残
液の重量比は約2.5:1:0〜約0.5:1:2の範
囲内である。溶剤対固体の比を低下することは、その方
法の熱効率を改良する。何となれば、反応器の大きさが
所定の石炭処理量に関して減少され、または更に多い処
理量を可能にするからである。典型的なプロセス溶剤沸
騰範囲は232〜343℃(450〜650゜F)IB
Pから約538℃(1000゜F)FBIまでである。
最良の方法と考えられる実施態様に従って、水素化変換
段階に推奨されるプロセス条件の範囲が、下記の表1に
要約される daf石炭重量%を基準として90%より大きい種々の
生成物への転化率を得ることができる。しかしながら、
上記のように、多い触媒装填量は、相当するガス収率の
減少でもって重大な改良、例えば、良好な液体選択率及
び転化率を与え得る。通常、低い水素化変換温度は低い
石炭抽出物反応性をもたらす。しかしながら、良好な転
化率及び良好な液体選択率を可能にする水素化変換反応
性は、多い触媒装填量により低温で、且つ/または石炭
が最初に上記のように前処理される場合に得ることがで
きる。本発明の方法は、バッチ型の方法として、または
連続型の方法として行われてもよい。好適には、最終生
成物、例えば輸送燃料を得るために現場の品質向上用の
単位装置がある。図面の説明 図1を参照して、微粉砕石炭が配管1により混合、前処
理帯域3に導入され、ここで石炭が夫々配管6及び5に
より導入された一酸化炭素及び有機溶剤と混合される。
この石炭混合物が、前記のように高温及び高圧条件に暴
露される。前処理帯域中に残存するガスまたは生成され
たガス、典型的にはCO2、CO、H2O、H2及びC
1〜C4炭化水素が配管15により除去される。前処理
に続いて、石炭は抽出帯域4に入る。(上記のように、
別の実施態様では、石炭の抽出は前処理帯域3中で同時
に行われてもよい。)抽出は段階単位装置中で行われて
もよい。石炭が抽出帯域4に通されている際に、または
それに通された後に、追加の溶剤が配管22により導入
されてもよい。その条件で約1:1〜5:1、好ましく
は約2:1の全溶剤対石炭の重量比を得るために、充分
な溶剤が抽出帯域に導入されてもよい。石炭の滞留時間
は約10分〜2時間の範囲、好ましくは約20分であ
る。好適な温度は93〜343℃(200〜650゜
F)、好ましくは177〜343℃(350〜650゜
F)、最も好ましくは260〜343℃(500〜65
0゜F)である。典型的には、溶剤を気化することから
防止するため、35.2kg/cm2(500psi)
の圧力が抽出帯域中で維持し得る。しかしながら、或種
の溶剤、特に石炭蒸留物またはVGOの如きプロセス誘
導溶剤は、非常に低い圧力下で保ち得る。70重量%以
上の無水無灰の処理石炭が抽出されることが好ましい。
好適な範囲は70〜100%、好ましくは80〜100
%である。抽出帯域中で、石炭混合物が攪拌され、それ
により炭化水素質物質が石炭物質から抽出され、溶剤中
に溶解され、不溶物及び灰を含む固体石炭残渣を残す。
石炭物質を可溶性の形態に変換することは、処理し難い
残液をもたらす逆行的な反応を最小にし、または排除す
る。次いで、溶剤、抽出物及び残渣の混合物は第一分離
帯域16に通され、そこで混合物は、全ての溶剤可溶性
の炭化水素質生成物成分(石炭からの実質的に全ての可
溶物)を含む配管18中の液体即ち溶剤相と、抽出帯域
4に仕込まれた全ての溶剤不溶性の炭化水素質物質(石
炭からの実質的に全ての灰)を含む配管20中の固体を
含む相とに分離される。分離は濾過手段または遠心分離
器の使用により容易に行うことができる。溶剤不溶物を
含む相は典型的には固体であり、その補給は操作に使用
された特別な石炭の組成に依存する。第二分離帯域24
中で、溶剤の一部または全部が分別により溶剤可溶性の
炭化水素質生成物から分離し得る。溶剤可溶性の炭化水
素質生成物は一般に溶剤の沸点よりかなり高い初留点を
有するので、それは蒸留カラム中で溶剤から都合よく分
離される。分離された溶剤は、前処理された石炭と混合
するため配管26により抽出帯域(または前処理帯域)
に戻して循環し得る。石炭抽出相は混合帯域17に導入
され(同様に図2では、配管100中の石炭抽出物がス
ラリーミキサー108に導入される)、そこで追加の溶
剤及び残液が配管21(図2では124)により抽出物
に添加される。更に、下流から回収された溶剤が配管1
9(図2では128)により導入し得る。触媒前駆体を
含む溶剤が配管23により混合帯域17に導入される。
図2では、溶剤流104及び触媒前駆体102が触媒混
合帯域106に導入される。混合帯域中の成分は緊密に
混合されて均一な混合物を生成する。油溶性の金属触媒
前駆体、溶剤、及び石炭抽出物の混合物が、図2に示さ
れるように予熱帯域114に導入される。水素及び必要
により硫化水素を含むガス混合物が配管112によりこ
の帯域に導入される。予熱帯域は約316〜371℃
(600〜700゜F)の範囲の温度及び約141〜1
76kg/cm2(2000〜2500psi)の圧力
で維持されることが好適である。次いで、石炭抽出物及
び触媒スラリーが図1の水素化変換帯域29(また図2
では116)に導入される。水素化変換反応器は、所望
の温度及び圧力の水素化変換条件に耐え得るあらゆる容
器または反応器であってもよい。典型的には、複数の段
階水素化変換反応器(図示されていない)があり、夫々
の反応帯域の条件は所望の平衡制限及び反応速度を最大
にし、且つ生成物の最良のプロフィールを得るように設
定される。水素化変換帯域への供給原料は、典型的には
0.5:1〜1:1の溶剤対石炭抽出物重量比である。
補給溶剤が必要により導入されてもよい。溶剤は水素化
変換帯域に送られ、水素化変換後に循環されることが好
ましい。1:1:1の溶剤対石炭抽出物対水素化変換帯
域への残液循環が好適である。一層軽質の液体の収率を
最大にするため、出来るだけ多くの343℃+(650
゜F+)液体を循環することが好ましい。総合水素化変
換法の生成物は基本法(基本法は前処理段階及び/また
は石炭抽出分離を含まない総合法を云う)に較べてかな
り改良される。例えば、接触水素変換基本法に関する5
38℃−(1000゜F−)生成物への典型的な転化率
は、最初の石炭供給原料のDAF重量%を基準として約
75%であった。典型的な生成物(ワイオミング亜歴青
炭から)は約14%のC1〜C4ガス及び43.69%
のC5〜538℃−(1000゜F−)液体(12%の
ナフサ、29%の蒸留物及び9%の538℃−(100
0゜F−)の沸点範囲のVGO)を含んでいた。水素消
費はdaf供給石炭に対して約5.3%であった。比較
するに、一酸化炭素を前処理段階で添加することによ
り、ガス生成及び水素消費が減少し、生成物中のナフサ
及び蒸留物の量が増加する。同様に石炭抽出物を分離す
ることにより、ガス生成及び水素消費が更に減少し、ナ
フサ及び蒸留物の量が更に増加する。前処理工程及び抽
出工程の使用により製造されるナフサの増加量は、それ
故、特に著しい。再度、図1を参照して、水素含有ガス
は水素化変換反応器29に直接導入され、または温度制
御の目的で反応器の前に配管31を経由して導入され
る。水素化変換帯域に導入するのに適した水素含有ガス
混合物は原料合成ガス、即ち約5〜約50モル%の水
素、好ましくは約10〜30モル%の一酸化炭素を含む
ガスを含む。別の好適な水素含有ガスは天然ガスのスチ
ームリフォーミングから得られる。純粋な水素が利用で
きる場合にはまた好適である。水素化変換に必要とされ
る水素の一部は部分酸化単位装置33により与えられる
ことが好ましい。水素の残りは通常の石炭部分酸化また
は天然ガスリフォーミングにより生成し得る。このよう
な方法に於いて、石炭または石炭画分が、水スラリーの
小液滴の形態で、部分酸化反応器、本質的には気化装置
にポンプ輸送され、そこでそれは酸素(例えば、酸素プ
ラントからの)及びスチームと混合される。酸素の量
は、CO2までの石炭物質の酸化が主として起こらない
ように調節される。若干のCO2が必ずつくられて主反
応(これは正味で吸熱である)のための熱をプロセスに
与える。これらの反応は以下のとおりである。
【化1】
生成されたCOとH2の混合物(”合成ガス”として知
られる)は、分離器35中の酸ガス除去に続いてプリズ
ム膜単位装置41(モンサント・コーポレーション(M
onsanto Corporation)の登録商
標)に送ることができる。H2が分離され、配管43に
より除去され、配管6中のCOが前処理工程に使用され
る。加えて、部分酸化単位装置からのガスの一部がNi
触媒に通され、反応器39中で追加の水と接触されて下
記の水性ガスシフト反応に従ってCOをシフトしCO2
及びプラントに必要な追加のH2を生成する。
られる)は、分離器35中の酸ガス除去に続いてプリズ
ム膜単位装置41(モンサント・コーポレーション(M
onsanto Corporation)の登録商
標)に送ることができる。H2が分離され、配管43に
より除去され、配管6中のCOが前処理工程に使用され
る。加えて、部分酸化単位装置からのガスの一部がNi
触媒に通され、反応器39中で追加の水と接触されて下
記の水性ガスシフト反応に従ってCOをシフトしCO2
及びプラントに必要な追加のH2を生成する。
【化2】
分離器37中の酸ガス除去に続いて、H2が配管47中
で得られる。配管43及び47中の水素が水素化変換反
応帯域中で使用し得る。図1の水素化変換帯域29に戻
って、配管49中の流出物は軽質ガス、油生成物、残
液、及び一緒にスラリーにされた触媒を含む。流出物は
分離帯域51(常圧パイプスチルを含む)に通され、そ
こからガスが配管53により塔頂で除去される。ガスは
典型的にはC1〜C4炭化水素、H2、及び酸ガスを含
む。C1〜C4ガスは、例えば石炭を予熱するための燃
料として使用し得る。H2は配管53及び31により石
炭水素化変換帯域に循環されてもよく、または液体生成
物を品質向上するのに使用されてもよい。ガスは最初に
通常の方法によりスクラビングされて望ましくない量の
硫化水素、アンモニア、水及び二酸化炭素を除去するこ
とができる。水素化変換帯域29からのスラリーにされ
た流出物は、帯域51中で通常の手段、例えば、蒸留に
より炭化水素質油(約343℃(650゜F)未満の常
圧の沸点)(これは配管57により分別帯域61に送ら
れる)を含む第一流と、重質液体(約343℃+(65
0゜F+)以上の常圧の沸点)、溶剤、及び触媒のスラ
リーを含む第二流に分離される。このスラリーは、所望
の固体パージ速度及び/または所望の量の溶剤補給によ
り決められる比で循環配管21と55の間に分けられ
る。配管21中で、スラリーは水素化変換帯域で再使用
するために混合帯域17に直接戻して循環される。これ
は転化率を増大し触媒を循環するのに望ましい。配管5
5中で、スラリーは減圧分離器59に運ばれ、そこで重
質溶剤(343℃(650゜F)〜538℃(1000
゜F)の常圧の沸点)が減圧蒸留により残渣から分離さ
れる。重質溶剤は配管19により混合帯域17または抽
出帯域4に循環される。残渣は任意の触媒回収帯域(図
示されていない)に送られてもよく、または環境上許さ
れる方法で廃棄されてもよい。固体残渣は実質的に無灰
であるので、触媒回収帯域は、例えば、混合帯域17中
で再使用するための触媒を容易に生じることができる。
水素化変換帯域で生成された炭化水素質油は配管57に
より分離帯域51から除去され、分別帯域61に通さ
れ、そこで種々の沸騰範囲の留分を得ることができる。
水素化変換帯域中の触媒装填量に応じて、これらの留分
は品質向上帯域(図示されていない)に送ることがで
き、そこで、必要により水素化処理触媒の存在下で水素
による処理が配管67中で最終生成物を生じる。本発明
の別の実施態様に於いて、油生成物の少なくとも一部が
配管21により抽出帯域4に循環されて、抽出工程用の
軽質溶剤を与える。水素化変換反応器29から取り出さ
れる液体流出物を処理するための種々の方法の選択が可
能であり、当業者により認められている。例えば、図2
を参照して、液体生成物を処理するのに好ましい実施態
様が示されている。水素化変換反応器116からの液体
流出物118は常圧分別装置120中で配管122中の
343℃−(650゜F−)粗生成物に分別される。常
圧残液の一部が石炭抽出物及び触媒と共に所望の比で循
環流124中で循環される。水素化変換への循環に必要
とされない常圧残液は配管126中で残液分離器130
に送られて溶剤として使用するため付加的な343℃+
(650゜F+)液体を回収する。この分離器130は
減圧蒸留塔、溶剤抽出単位装置、等であってもよい。配
管132中の残留の減圧残液は、部分酸化単位装置、ハ
イブリッドボイラー、またはプロセス熱もしくは水素用
の通常のボイラーへの供給原料として別個に、または石
炭とブレンドされて使用し得る。循環常圧残液流は活性
な良く分散された微小触媒を含む。補給触媒は、残液で
パージされた触媒の損失のため、触媒濃度を維持するた
めに必要とされる。別の実施態様に於いて、水素化変換
帯域に続く分別装置は流出物を軽質液またはナフサ、C
5〜204℃(400゜F))、204〜343℃(4
00〜650゜F)に於ける蒸留物及び343〜538
℃(650〜1000゜F)に於ける溶剤に分離するの
に使用し得る。溶剤は水素化変換反応器及び/または抽
出反応器に循環されることが好ましく、分別装置からの
残液は水素化変換反応器に循環され、部分酸化単位装置
に送られ、またはパージし得る。以下の実施例は本法の
好ましい実施態様及び或種の利点を説明する。この実施
例は本発明の広い範囲を限定することを目的とするもの
ではない。本発明のその他の利点及び実施態様は、本明
細書に示された記載から当業者に明らかである。
で得られる。配管43及び47中の水素が水素化変換反
応帯域中で使用し得る。図1の水素化変換帯域29に戻
って、配管49中の流出物は軽質ガス、油生成物、残
液、及び一緒にスラリーにされた触媒を含む。流出物は
分離帯域51(常圧パイプスチルを含む)に通され、そ
こからガスが配管53により塔頂で除去される。ガスは
典型的にはC1〜C4炭化水素、H2、及び酸ガスを含
む。C1〜C4ガスは、例えば石炭を予熱するための燃
料として使用し得る。H2は配管53及び31により石
炭水素化変換帯域に循環されてもよく、または液体生成
物を品質向上するのに使用されてもよい。ガスは最初に
通常の方法によりスクラビングされて望ましくない量の
硫化水素、アンモニア、水及び二酸化炭素を除去するこ
とができる。水素化変換帯域29からのスラリーにされ
た流出物は、帯域51中で通常の手段、例えば、蒸留に
より炭化水素質油(約343℃(650゜F)未満の常
圧の沸点)(これは配管57により分別帯域61に送ら
れる)を含む第一流と、重質液体(約343℃+(65
0゜F+)以上の常圧の沸点)、溶剤、及び触媒のスラ
リーを含む第二流に分離される。このスラリーは、所望
の固体パージ速度及び/または所望の量の溶剤補給によ
り決められる比で循環配管21と55の間に分けられ
る。配管21中で、スラリーは水素化変換帯域で再使用
するために混合帯域17に直接戻して循環される。これ
は転化率を増大し触媒を循環するのに望ましい。配管5
5中で、スラリーは減圧分離器59に運ばれ、そこで重
質溶剤(343℃(650゜F)〜538℃(1000
゜F)の常圧の沸点)が減圧蒸留により残渣から分離さ
れる。重質溶剤は配管19により混合帯域17または抽
出帯域4に循環される。残渣は任意の触媒回収帯域(図
示されていない)に送られてもよく、または環境上許さ
れる方法で廃棄されてもよい。固体残渣は実質的に無灰
であるので、触媒回収帯域は、例えば、混合帯域17中
で再使用するための触媒を容易に生じることができる。
水素化変換帯域で生成された炭化水素質油は配管57に
より分離帯域51から除去され、分別帯域61に通さ
れ、そこで種々の沸騰範囲の留分を得ることができる。
水素化変換帯域中の触媒装填量に応じて、これらの留分
は品質向上帯域(図示されていない)に送ることがで
き、そこで、必要により水素化処理触媒の存在下で水素
による処理が配管67中で最終生成物を生じる。本発明
の別の実施態様に於いて、油生成物の少なくとも一部が
配管21により抽出帯域4に循環されて、抽出工程用の
軽質溶剤を与える。水素化変換反応器29から取り出さ
れる液体流出物を処理するための種々の方法の選択が可
能であり、当業者により認められている。例えば、図2
を参照して、液体生成物を処理するのに好ましい実施態
様が示されている。水素化変換反応器116からの液体
流出物118は常圧分別装置120中で配管122中の
343℃−(650゜F−)粗生成物に分別される。常
圧残液の一部が石炭抽出物及び触媒と共に所望の比で循
環流124中で循環される。水素化変換への循環に必要
とされない常圧残液は配管126中で残液分離器130
に送られて溶剤として使用するため付加的な343℃+
(650゜F+)液体を回収する。この分離器130は
減圧蒸留塔、溶剤抽出単位装置、等であってもよい。配
管132中の残留の減圧残液は、部分酸化単位装置、ハ
イブリッドボイラー、またはプロセス熱もしくは水素用
の通常のボイラーへの供給原料として別個に、または石
炭とブレンドされて使用し得る。循環常圧残液流は活性
な良く分散された微小触媒を含む。補給触媒は、残液で
パージされた触媒の損失のため、触媒濃度を維持するた
めに必要とされる。別の実施態様に於いて、水素化変換
帯域に続く分別装置は流出物を軽質液またはナフサ、C
5〜204℃(400゜F))、204〜343℃(4
00〜650゜F)に於ける蒸留物及び343〜538
℃(650〜1000゜F)に於ける溶剤に分離するの
に使用し得る。溶剤は水素化変換反応器及び/または抽
出反応器に循環されることが好ましく、分別装置からの
残液は水素化変換反応器に循環され、部分酸化単位装置
に送られ、またはパージし得る。以下の実施例は本法の
好ましい実施態様及び或種の利点を説明する。この実施
例は本発明の広い範囲を限定することを目的とするもの
ではない。本発明のその他の利点及び実施態様は、本明
細書に示された記載から当業者に明らかである。
【実施例】実施例1
以下は本発明を実施するための予想のプロセス設計であ
る。図3を参照する。入手したままの石炭を配管201
により破砕帯域203に導入し、そこで石炭を通常のボ
ールミルまたはロッドミル中で直径約0.64cm(1
/4インチ)未満の粒子に破砕する。入手したままの石
炭が非常に湿っている場合、破砕中の凝集を防止するた
め石炭を通常のガススイープ乾燥器中で乾燥してもよ
い。破砕帯域203に続いて、石炭を配管204により
導入された化学促進剤溶液で噴霧してその後の前処理工
程を促進することは、任意である。次いで、破砕された
石炭を熱油粉砕帯域205中で約1.5:1の溶剤対乾
燥石炭の比で約107℃(225゜F)の温度で溶剤
(また”熱油”と称する)と混合する。この粉砕工程
は、通常の熱油ボールミル中で行うことができ、石炭ス
ラリーを約−100〜−200メッシュの石炭粒子を含
む塗料状のコンシステンシーに低下する。熱油溶剤の温
度は、それをポンプ輸送し得る粘度に保つような温度で
ある。次いで石炭スラリーは混合及び/またはホールド
アップ用のタンク207に入り、その後ポンプ209に
より加圧される。加圧された石炭スラリーは熱交換機2
11及び213を通過する。(図3中の熱交換機は、熱
流し及び冷流しが熱交換されてプロセスの熱効率を最適
にする場所を示す参照記号A、B、C等で表される。)
一酸化炭素を配管215により石炭スラリーと混合し、
石炭スラリーを炉217により温度を更に上昇させ、そ
の後約90分の滞留時間にわたって前処理帯域219に
入る。前処理帯域は246kg/cm2(3500ps
i)の圧力及び316℃(600゜F)の温度である。
前処理された石炭を熱交換機221または炉中で357
℃(675゜F)の温度にさらに加熱し、183kg/
cm2(2600psi)の圧力のフラッシュタンク2
23に入る。フラッシュタンクからのガス流出物を熱交
換機225及び冷水交換機227中で43℃(110゜
F)の温度に冷却し、凝縮液をタンク229中に溜め、
そこで二つの不混和性液相が生じる。即ち、配管228
中の軽質溶剤相(これは常圧パイプスチルに送ることが
できる)と、可溶性有機物(この有機物は抽出し、種々
の製品に使用するため販売し得る)を含む水相(配管2
30中)が生じる。タンク229からの非凝縮ガスを酸
ガス清浄帯域231中で処理してCO2を除去し、残存
COを前処理帯域219に循環してもよく、または水−
ガスシフト反応にパージしてプラント用水素をつくって
もよい。1.8:1の重量比の溶剤対石炭抽出物を含む
液体流出物を配管235によりフラッシュタンク223
から取り出し、液体−固体分離帯域224に導入し、そ
こで固体残渣を配管226により廃棄し、好ましくは部
分酸化単位装置に送る。石炭可溶物を含む分離された液
体(石炭抽出物)相を配管228により取り出し、配管
236中で溶剤常圧残液循環物と混合する。水素化変換
反応の触媒を配管237により石炭抽出物中に導入す
る。次いで石炭抽出物及び触媒スラリーは357℃(6
75゜F)の温度及び179kg/cm2(2550p
si)の圧力の混合帯域239に入る。少量の水素を混
合帯域に添加して逆行反応を防止してもよい。混合され
た石炭抽出物及び触媒スラリーは配管269中で処理ガ
スから分子状水素ガスを受取り、この処理ガスは配管2
65により供給され炉263及び熱交換機267により
加熱される。処理ガスを加熱して全混合物の温度を上昇
させることを助け、水素化変換条件を満たす。石炭抽出
物、溶剤、処理ガス及び触媒の混合物は水素化変換帯域
241に入り、そこでそれを1.8:1:0.5の溶剤
対処理された石炭抽出物対循環残液の比で約90〜12
0分の期間にわたって427℃(800゜F)の温度及
び178kg/cm2(2500psig)の圧力に暴
露する。一つまたは一連の水素化変換反応器を使用し得
る。反応器241からの流出物はガス−液体分離器24
3に入り、そこで分離された液体を常圧パイプスチル2
77に送る。ガス−液体分離器243からのガスは、熱
交換機245及び247中で冷却された後に、343℃
(650゜F)の温度の熱分離器249に入る。凝縮さ
れた液相を配管273により熱分離器249から取り出
し、常圧パイプスチル277に送る。非凝縮ガスを、熱
交換機251及び253並びに冷水交換機255を通し
た後に、配管250により冷分離器257に送り、そこ
で非凝縮ガスを帯域259で酸ガス清浄した後、配管2
60により除去する。次いでガス流を分割して(図示さ
れていない)水素を含む循環流と水素回収のためのパー
ジ流をつくることができる。冷分離器257からの凝縮
液を配管275で取り出し、熱交換機261を通した後
に、常圧パイプスチル277に送る。常圧パイプスチル
277(これは水素化変換反応器241及び分離器22
9から液体生成物を受け取る)は、塔頂ガス流281及
び生成物流279を生成し、この生成物流は最終処理の
ための水素化処理帯域(図示されていない)に送られて
もよい。常圧パイプスチルからの残液の一部を配管28
3により残液循環流236に送り、これを、上記のよう
に、水素化変換の前に石炭出物及び触媒と混合する。残
液の別の部分を減圧パイプスチル285に送り、そこで
水素化処理用の更に別の生成物流287を製造する。減
圧パイプスチルからの残液流293を部分酸化単位装置
に供給原料として送り、必要とされるCO及びH2の一
部を製造する。減圧パイプスチル285は343〜53
8℃(650〜1000゜F)の沸点を有する蒸留物を
製造し、この蒸留物はVGO(減圧軽油)循環流を形成
する。熱交換機288を通した後、VGOを上記のよう
に熱油粉砕帯域205に入ってくる石炭と混合するため
配管291により循環する。
る。図3を参照する。入手したままの石炭を配管201
により破砕帯域203に導入し、そこで石炭を通常のボ
ールミルまたはロッドミル中で直径約0.64cm(1
/4インチ)未満の粒子に破砕する。入手したままの石
炭が非常に湿っている場合、破砕中の凝集を防止するた
め石炭を通常のガススイープ乾燥器中で乾燥してもよ
い。破砕帯域203に続いて、石炭を配管204により
導入された化学促進剤溶液で噴霧してその後の前処理工
程を促進することは、任意である。次いで、破砕された
石炭を熱油粉砕帯域205中で約1.5:1の溶剤対乾
燥石炭の比で約107℃(225゜F)の温度で溶剤
(また”熱油”と称する)と混合する。この粉砕工程
は、通常の熱油ボールミル中で行うことができ、石炭ス
ラリーを約−100〜−200メッシュの石炭粒子を含
む塗料状のコンシステンシーに低下する。熱油溶剤の温
度は、それをポンプ輸送し得る粘度に保つような温度で
ある。次いで石炭スラリーは混合及び/またはホールド
アップ用のタンク207に入り、その後ポンプ209に
より加圧される。加圧された石炭スラリーは熱交換機2
11及び213を通過する。(図3中の熱交換機は、熱
流し及び冷流しが熱交換されてプロセスの熱効率を最適
にする場所を示す参照記号A、B、C等で表される。)
一酸化炭素を配管215により石炭スラリーと混合し、
石炭スラリーを炉217により温度を更に上昇させ、そ
の後約90分の滞留時間にわたって前処理帯域219に
入る。前処理帯域は246kg/cm2(3500ps
i)の圧力及び316℃(600゜F)の温度である。
前処理された石炭を熱交換機221または炉中で357
℃(675゜F)の温度にさらに加熱し、183kg/
cm2(2600psi)の圧力のフラッシュタンク2
23に入る。フラッシュタンクからのガス流出物を熱交
換機225及び冷水交換機227中で43℃(110゜
F)の温度に冷却し、凝縮液をタンク229中に溜め、
そこで二つの不混和性液相が生じる。即ち、配管228
中の軽質溶剤相(これは常圧パイプスチルに送ることが
できる)と、可溶性有機物(この有機物は抽出し、種々
の製品に使用するため販売し得る)を含む水相(配管2
30中)が生じる。タンク229からの非凝縮ガスを酸
ガス清浄帯域231中で処理してCO2を除去し、残存
COを前処理帯域219に循環してもよく、または水−
ガスシフト反応にパージしてプラント用水素をつくって
もよい。1.8:1の重量比の溶剤対石炭抽出物を含む
液体流出物を配管235によりフラッシュタンク223
から取り出し、液体−固体分離帯域224に導入し、そ
こで固体残渣を配管226により廃棄し、好ましくは部
分酸化単位装置に送る。石炭可溶物を含む分離された液
体(石炭抽出物)相を配管228により取り出し、配管
236中で溶剤常圧残液循環物と混合する。水素化変換
反応の触媒を配管237により石炭抽出物中に導入す
る。次いで石炭抽出物及び触媒スラリーは357℃(6
75゜F)の温度及び179kg/cm2(2550p
si)の圧力の混合帯域239に入る。少量の水素を混
合帯域に添加して逆行反応を防止してもよい。混合され
た石炭抽出物及び触媒スラリーは配管269中で処理ガ
スから分子状水素ガスを受取り、この処理ガスは配管2
65により供給され炉263及び熱交換機267により
加熱される。処理ガスを加熱して全混合物の温度を上昇
させることを助け、水素化変換条件を満たす。石炭抽出
物、溶剤、処理ガス及び触媒の混合物は水素化変換帯域
241に入り、そこでそれを1.8:1:0.5の溶剤
対処理された石炭抽出物対循環残液の比で約90〜12
0分の期間にわたって427℃(800゜F)の温度及
び178kg/cm2(2500psig)の圧力に暴
露する。一つまたは一連の水素化変換反応器を使用し得
る。反応器241からの流出物はガス−液体分離器24
3に入り、そこで分離された液体を常圧パイプスチル2
77に送る。ガス−液体分離器243からのガスは、熱
交換機245及び247中で冷却された後に、343℃
(650゜F)の温度の熱分離器249に入る。凝縮さ
れた液相を配管273により熱分離器249から取り出
し、常圧パイプスチル277に送る。非凝縮ガスを、熱
交換機251及び253並びに冷水交換機255を通し
た後に、配管250により冷分離器257に送り、そこ
で非凝縮ガスを帯域259で酸ガス清浄した後、配管2
60により除去する。次いでガス流を分割して(図示さ
れていない)水素を含む循環流と水素回収のためのパー
ジ流をつくることができる。冷分離器257からの凝縮
液を配管275で取り出し、熱交換機261を通した後
に、常圧パイプスチル277に送る。常圧パイプスチル
277(これは水素化変換反応器241及び分離器22
9から液体生成物を受け取る)は、塔頂ガス流281及
び生成物流279を生成し、この生成物流は最終処理の
ための水素化処理帯域(図示されていない)に送られて
もよい。常圧パイプスチルからの残液の一部を配管28
3により残液循環流236に送り、これを、上記のよう
に、水素化変換の前に石炭出物及び触媒と混合する。残
液の別の部分を減圧パイプスチル285に送り、そこで
水素化処理用の更に別の生成物流287を製造する。減
圧パイプスチルからの残液流293を部分酸化単位装置
に供給原料として送り、必要とされるCO及びH2の一
部を製造する。減圧パイプスチル285は343〜53
8℃(650〜1000゜F)の沸点を有する蒸留物を
製造し、この蒸留物はVGO(減圧軽油)循環流を形成
する。熱交換機288を通した後、VGOを上記のよう
に熱油粉砕帯域205に入ってくる石炭と混合するため
配管291により循環する。
【図面の簡単な説明】
【図1】石炭を有機溶剤中で一酸化炭素の存在下で処理
し、その後有価な液体に変換する本発明を説明するため
のプロセス工程系統図である。
し、その後有価な液体に変換する本発明を説明するため
のプロセス工程系統図である。
【図2】水素化変換反応器の液体流出物を品質向上する
ための方法を説明するプロセス工程系統図である。
ための方法を説明するプロセス工程系統図である。
【図3】本法の例示方法のプロセス工程系統図である。
3…混合、前処理帯域
4…抽出帯域
16…第一分離帯域
17…混合帯域
24…第二分離帯域
29、116…水素化変換帯域
33…部分酸化単位装置
35、37…分離器
61…分別帯域
114…予熱帯域
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ステイーヴン デイヴイツド レイノルズ
アメリカ合衆国 ルイジアナ州 ベイトン
ルージユ シンクレアー ドライヴ
1089
Claims (16)
- 【請求項1】(a)前処理帯域中で、有機溶剤中の含水
石炭のスラリー(条件下の水対乾燥石炭の比は0.5:
1より小さい)を生成し、そのスラリーを288℃〜3
71℃(550゜F〜700゜Fの範囲の温度及び高圧
で有効量の一酸化炭素に暴露して石炭の解重合及び水素
化を生じ、それにより溶剤中の石炭の溶解性を増し、石
炭の一部を有機溶剤中に抽出し; (b)前処理された石炭スラリーを二相、即ち石炭から
抽出されたかなりの量の可溶性の炭化水素質物質を含む
有機溶剤相、及び石炭からの実質的に全ての無機灰を含
む第二固体残渣相に分離し; (c)前記の抽出物及び触媒(触媒は硫化金属を含む化
合物(前記の金属は元素周期律表のVA族、VIA族、
VIIA族及びVIIIA族及びこれらの混合物からな
る群から選ばれる)の分散粒子を含む)を含む実質的に
無灰の混合物を生成し;次いで (d)石炭抽出物及び触媒の実質的に無灰の混合物を水
素化変換帯域中で石炭水素化変換条件下で水素含有ガス
と反応させて炭化水素質液体を得ることを特徴とする石
炭を水素化変換して炭化水素質液体を製造する方法。 - 【請求項2】 工程(a)の前処理に続いて、前処理さ
れた石炭スラリーを工程(b)の石炭物質の固体相及び
液体相への分離の前に抽出帯域中で更に抽出する請求項
1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記の水素化変換帯域が343〜510
℃(650〜950゜F)の温度であり、前記の前処理
帯域が316〜357℃(600〜675゜F)の温度
である請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 前記の触媒が有機油溶性金属化合物の変
換生成物である請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】 工程(b)の石炭抽出物を灰を含む石炭
固体を含む残渣から分離し、得られた残渣を部分酸化に
かけ、それにより工程(a)用の一酸化炭素を生成し、
工程(d)用の水素を生成する請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】 最初の破砕された入手したままの石炭の
一部が工程(a)をバイパスし、部分酸化を受ける請求
項1に記載の方法。 - 【請求項7】 工程(d)で生成された炭化水素質液体
を分別帯域に導入することを更に含み、そこで少なくと
も二つの留分を得、それにより少なくとも一つの留分を
水素化変換帯域に循環する請求項1に記載の方法。 - 【請求項8】 溶剤流を前処理帯域に循環する請求項1
に記載の方法。 - 【請求項9】 追加の有機溶剤を水素化変換の前に石炭
抽出物と混合し、触媒を水素化変換帯域に循環する請求
項1に記載の方法。 - 【請求項10】 有機溶剤が約227〜343℃(44
0〜650゜F)の範囲で沸騰する蒸留物もしくは約3
43〜538℃(650〜1000゜F)の範囲で沸騰
する減圧軽油またはこれらの混合物である請求項1に記
載の方法。 - 【請求項11】 前記の油溶性金属化合物がリンモリブ
デン酸を含む請求項4に記載の方法。 - 【請求項12】 工程(d)の前記の水素含有ガスが約
1〜10モル%の硫化水素を含む請求項1に記載の方
法。 - 【請求項13】 前記の油溶性金属化合物を水素化変換
条件下で水素化変換帯域中で水素含有ガスの存在下で変
換し、それにより前記の水素化変換帯域中で前記の混合
物中で前記の触媒をその場で生成する請求項4に記載の
方法。 - 【請求項14】 前記の溶剤及び石炭抽出物を約1:1
〜2:1の範囲の溶剤対石炭重量比で工程(b)で混合
する請求項1に記載の方法。 - 【請求項15】 有効量の触媒を工程(d)で使用して
抽出物をほぼ最終の生成物に変換する請求項1に記載の
方法。 - 【請求項16】 ほぼ最終の生成物が0〜1500pp
mの窒素量、200〜400ppmの硫黄量、1300
〜15,000の酸素量、及び少なくとも約1.7の水
素対炭素比により特性決定される請求項15に記載の方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25406991A JPH0532976A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 溶剤で促進された一酸化炭素前処理を含む石炭抽出水素化変換法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25406991A JPH0532976A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 溶剤で促進された一酸化炭素前処理を含む石炭抽出水素化変換法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0532976A true JPH0532976A (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=17259791
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25406991A Pending JPH0532976A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 溶剤で促進された一酸化炭素前処理を含む石炭抽出水素化変換法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0532976A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008083600A1 (en) * | 2006-12-30 | 2008-07-17 | Accelergy Shanghai R & D Center Co., Ltd. | An integrated coal liquefaction process |
| WO2008083601A1 (en) * | 2006-12-30 | 2008-07-17 | Accelergy Shanghai R & D Center Co., Ltd. | An integrated coal liquefaction process |
-
1991
- 1991-06-28 JP JP25406991A patent/JPH0532976A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008083600A1 (en) * | 2006-12-30 | 2008-07-17 | Accelergy Shanghai R & D Center Co., Ltd. | An integrated coal liquefaction process |
| WO2008083601A1 (en) * | 2006-12-30 | 2008-07-17 | Accelergy Shanghai R & D Center Co., Ltd. | An integrated coal liquefaction process |
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