JPH0533012A - 面内異方性の小さい分散強化型鋼の加工法 - Google Patents
面内異方性の小さい分散強化型鋼の加工法Info
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- JPH0533012A JPH0533012A JP18478091A JP18478091A JPH0533012A JP H0533012 A JPH0533012 A JP H0533012A JP 18478091 A JP18478091 A JP 18478091A JP 18478091 A JP18478091 A JP 18478091A JP H0533012 A JPH0533012 A JP H0533012A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 面内異方性の小さい酸化物分散強化型フェラ
イト鋼の加工法を提供する。 【構成】 酸化物微粒子を分散含有するフェライト鋼
に、1250〜1400℃で再結晶熱処理を施した後、800 ℃以
下で加工率50%以上の加工を行う。
イト鋼の加工法を提供する。 【構成】 酸化物微粒子を分散含有するフェライト鋼
に、1250〜1400℃で再結晶熱処理を施した後、800 ℃以
下で加工率50%以上の加工を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、面内異方性の小さい酸
化物分散強化型鋼の加工法に関する。かかる鋼は、加熱
炉、ボイラ、内燃機関、タービン用等、高温下で使用さ
れる機器の材料として有望である。
化物分散強化型鋼の加工法に関する。かかる鋼は、加熱
炉、ボイラ、内燃機関、タービン用等、高温下で使用さ
れる機器の材料として有望である。
【0002】
【従来の技術】近年、高温に耐えしかも耐食性を具備し
た材料への要求が益々高まっている。こうした要求に答
える材料の一つとして有望視されている合金は、分散強
化型合金である。この分散強化型合金、とりわけ酸化物
分散強化型合金は、マトリックス中に微細な不活性粒子
が均一分散された焼結材であり、マトリックス合金の融
点に近い温度まで有用な強度を示しうる。分散強化型合
金の最も一般的な製造法は、粉末冶金法によるものにあ
っては、まず機械的合金化を行い、次いで得られた合金
化粉末を押出成形して焼結材とする方法である。
た材料への要求が益々高まっている。こうした要求に答
える材料の一つとして有望視されている合金は、分散強
化型合金である。この分散強化型合金、とりわけ酸化物
分散強化型合金は、マトリックス中に微細な不活性粒子
が均一分散された焼結材であり、マトリックス合金の融
点に近い温度まで有用な強度を示しうる。分散強化型合
金の最も一般的な製造法は、粉末冶金法によるものにあ
っては、まず機械的合金化を行い、次いで得られた合金
化粉末を押出成形して焼結材とする方法である。
【0003】機械的合金化法としては、金属粉末と硬質
微粒子(酸化物、炭化物、窒化物等)を高エネルギーボ
ールミル中で強力に粉砕混合する機械的合金化を行う方
法が一般的である。このようなプロセスは、特公昭50−
37631 号公報に教示される。このようにして機械的合金
化法によって製造された分散強化型合金粉末は、鋼製の
カプセルに真空封入され焼結されるが、鋼板を製造する
に際しては、押出、圧延工程が不可欠である。しかし一
般に金属材料が大きな歪を受けるとき、材料は変形集合
組織を生ずる。この場合、材料の結晶粒は特定の結晶学
的方位が加工方向に平行に整列するように材料の結晶粒
は配向される。
微粒子(酸化物、炭化物、窒化物等)を高エネルギーボ
ールミル中で強力に粉砕混合する機械的合金化を行う方
法が一般的である。このようなプロセスは、特公昭50−
37631 号公報に教示される。このようにして機械的合金
化法によって製造された分散強化型合金粉末は、鋼製の
カプセルに真空封入され焼結されるが、鋼板を製造する
に際しては、押出、圧延工程が不可欠である。しかし一
般に金属材料が大きな歪を受けるとき、材料は変形集合
組織を生ずる。この場合、材料の結晶粒は特定の結晶学
的方位が加工方向に平行に整列するように材料の結晶粒
は配向される。
【0004】このような集合組織はその後の加工や熱処
理によって軽減されうるが、材料がランダムな結晶配向
を回復することはめったにない。とりわけ酸化物分散強
化型合金は、再結晶温度が非常に高く (1300℃以上にな
ることもある) 、通常の熱処理により集合組織を制御す
ることは非常に難しい。結晶配向は材料の物理的性質の
方向性に影響を与えることから、高温で2軸応力を受け
る構造材でこのような組織を持つ材料では、加工方向に
垂直な方向の強度、特にクリープ破断強度が、加工方向
から予想される強度よりも著しく劣るという問題 (これ
をクリープ破断強度の異方性と呼ぶこととする)が予想
され、この異方性を持たない酸化物分散強化型合金を開
発する必要がある。
理によって軽減されうるが、材料がランダムな結晶配向
を回復することはめったにない。とりわけ酸化物分散強
化型合金は、再結晶温度が非常に高く (1300℃以上にな
ることもある) 、通常の熱処理により集合組織を制御す
ることは非常に難しい。結晶配向は材料の物理的性質の
方向性に影響を与えることから、高温で2軸応力を受け
る構造材でこのような組織を持つ材料では、加工方向に
垂直な方向の強度、特にクリープ破断強度が、加工方向
から予想される強度よりも著しく劣るという問題 (これ
をクリープ破断強度の異方性と呼ぶこととする)が予想
され、この異方性を持たない酸化物分散強化型合金を開
発する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開昭62−
83406号公報にはダイスの形状を特定化することによっ
て集合組織を実質上含まない分散強化金属押出物品の押
出方法が示されているが、寸法精度、表面性状等の点か
ら押出ままで製品となる場合は少なく、その後の圧延等
の工程により再び集合組織が発達し、クリープ破断強度
の異方性を増大させる恐れが充分に考えられる。一方、
特公昭59−1779号には、酸化物分散強化型合金の押出材
についての圧延・鍛造法が示されるが、この方法は、加
工条件としても840 〜1150℃の温度で熱間圧延 (鍛造)
することを示すにすぎず、しかも特殊な酸化物微粒子を
含有するNi基およびCo基合金についてであり、体心立方
晶金属であるフェライト鋼については何ら言及がなく、
クリープ破断強度の異方性についても触れていない。
83406号公報にはダイスの形状を特定化することによっ
て集合組織を実質上含まない分散強化金属押出物品の押
出方法が示されているが、寸法精度、表面性状等の点か
ら押出ままで製品となる場合は少なく、その後の圧延等
の工程により再び集合組織が発達し、クリープ破断強度
の異方性を増大させる恐れが充分に考えられる。一方、
特公昭59−1779号には、酸化物分散強化型合金の押出材
についての圧延・鍛造法が示されるが、この方法は、加
工条件としても840 〜1150℃の温度で熱間圧延 (鍛造)
することを示すにすぎず、しかも特殊な酸化物微粒子を
含有するNi基およびCo基合金についてであり、体心立方
晶金属であるフェライト鋼については何ら言及がなく、
クリープ破断強度の異方性についても触れていない。
【0006】かかる異方性については、特公昭58−3604
3 号公報で述べられているが、これは押出材を再結晶温
度以上1120℃以下の温度で所定歪み速度の熱間圧延を行
う方法であって、その具体的方法としては機械的合金化
から押出、圧延そして完全な2次再結晶熱処理までの全
ての工程に細かい処理条件の制限がなされ、さらにクロ
ス圧延を必要とする場合も挙げられているなど、容易に
実施できる方法とは言い難い。特開昭54−146206号公報
には、異方性を解消させる熱処理法として、Ni基、Co基
合金についてではあるが、加工方向に対して垂直な方向
に再結晶化することでクリープ破断強度の異方性が低減
できることが示されている。しかし、これは熱間圧延に
続いて再結晶化を行っており、またかかる一方向再結晶
には特別な装置が必要であり実用的でない。
3 号公報で述べられているが、これは押出材を再結晶温
度以上1120℃以下の温度で所定歪み速度の熱間圧延を行
う方法であって、その具体的方法としては機械的合金化
から押出、圧延そして完全な2次再結晶熱処理までの全
ての工程に細かい処理条件の制限がなされ、さらにクロ
ス圧延を必要とする場合も挙げられているなど、容易に
実施できる方法とは言い難い。特開昭54−146206号公報
には、異方性を解消させる熱処理法として、Ni基、Co基
合金についてではあるが、加工方向に対して垂直な方向
に再結晶化することでクリープ破断強度の異方性が低減
できることが示されている。しかし、これは熱間圧延に
続いて再結晶化を行っており、またかかる一方向再結晶
には特別な装置が必要であり実用的でない。
【0007】一方、面内異方性の小さい極薄鋼板の製造
方法が特開昭63−310924号公報に示されるが、この方法
は、冷間圧延後の再結晶時に、微細炭化物を作用させ集
合組織を制御するものである。これは一般に深絞り用鋼
と呼ばれ、高温強度を意図していない。また、本発明が
対象とする酸化物分散強化型合金は、再結晶温度が非常
に高く(1300 ℃以上になることもある) 上記のような通
常の熱処理により集合組織を制御することは非常に難し
い。このように、面内異方性は酸化物分散強型鋼におい
て問題であったが、その解消には複雑な処理工程を経た
りして、実用上有利な方法がないのが現状である。本発
明の目的は、異方性、特にクリープ破断強度の面内異方
性が非常に小さい酸化物分散強化型鋼の簡便な加工法を
提供することを目的とする。
方法が特開昭63−310924号公報に示されるが、この方法
は、冷間圧延後の再結晶時に、微細炭化物を作用させ集
合組織を制御するものである。これは一般に深絞り用鋼
と呼ばれ、高温強度を意図していない。また、本発明が
対象とする酸化物分散強化型合金は、再結晶温度が非常
に高く(1300 ℃以上になることもある) 上記のような通
常の熱処理により集合組織を制御することは非常に難し
い。このように、面内異方性は酸化物分散強型鋼におい
て問題であったが、その解消には複雑な処理工程を経た
りして、実用上有利な方法がないのが現状である。本発
明の目的は、異方性、特にクリープ破断強度の面内異方
性が非常に小さい酸化物分散強化型鋼の簡便な加工法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、分散強化型合金の高温強度の異方性に
及ぼす集合組織の影響について鋭意研究を重ねた。図1
は、INCO社の酸化物分散強化型フェライト鋼であるMA95
7 鋼 (公称成分:Fe-14Cr-1Ti-0.3Mo-0.25Y2O3) のa、
b、cの各加工材、a: 一方向に加工度70%で圧延した
後、さらにその直角方向に加工度50%で圧延したクロス
圧延材、b: 押出材 (押出比5)、c: 押出材(押出比15)
について、長手方向(L) とその直角方向(T) のそれぞ
れにおける650 ℃×1000h クリープ破断強度と <110>方
位の応力軸への集積度、つまり<110> X線積分強度(I/I
0)との関係を調べてグラフに表わしたものである。
め、本発明者は、分散強化型合金の高温強度の異方性に
及ぼす集合組織の影響について鋭意研究を重ねた。図1
は、INCO社の酸化物分散強化型フェライト鋼であるMA95
7 鋼 (公称成分:Fe-14Cr-1Ti-0.3Mo-0.25Y2O3) のa、
b、cの各加工材、a: 一方向に加工度70%で圧延した
後、さらにその直角方向に加工度50%で圧延したクロス
圧延材、b: 押出材 (押出比5)、c: 押出材(押出比15)
について、長手方向(L) とその直角方向(T) のそれぞ
れにおける650 ℃×1000h クリープ破断強度と <110>方
位の応力軸への集積度、つまり<110> X線積分強度(I/I
0)との関係を調べてグラフに表わしたものである。
【0009】図中、破線で示すごとく酸化物分散強化型
フェライト鋼は、応力軸に<110> 方位を集積させると強
度が増加することが判明した。しかし、その直角方向
(T) の<110> 方位の集積度が小さいとクリープ破断強度
の異方性が顕著となる。例えば、図1の押出材(c) の場
合、L方向の積分強度は17で、クリープ破断強度が31kg
f/mm2 以上を示しているのに対して、T方向の積分強度
は0.3 で、クリープ破断強度も11kgf/mm2 程度しかな
く、強度差が約20kgf/mm2 もあり、その割合(T/L) は35
%である。
フェライト鋼は、応力軸に<110> 方位を集積させると強
度が増加することが判明した。しかし、その直角方向
(T) の<110> 方位の集積度が小さいとクリープ破断強度
の異方性が顕著となる。例えば、図1の押出材(c) の場
合、L方向の積分強度は17で、クリープ破断強度が31kg
f/mm2 以上を示しているのに対して、T方向の積分強度
は0.3 で、クリープ破断強度も11kgf/mm2 程度しかな
く、強度差が約20kgf/mm2 もあり、その割合(T/L) は35
%である。
【0010】ここで、「集積する」とは、ある結晶方位
のX線積分強度を供試材の応力軸に沿って測定したとき
(I) に、粉末試料のような無秩序サンプルから得られる
もの(I0)の5倍を越える軸密度(I/I0)を持つことを意味
する。本発明者は、以上のような知見に基づき、クリー
プ破断強度の異方性と変形集合組織の相関に着目して、
スピニング加工を行うことによって不利な集合組織を減
少させるクリープ破断強度の異方性を減少させる加工法
を提案し (特願平1−284294号) 、さらに直角方向にも
<110> 方位を発達させクリープ破断強度の異方性を減少
させる加工法を提案した (特願平2−37687 号) 。
のX線積分強度を供試材の応力軸に沿って測定したとき
(I) に、粉末試料のような無秩序サンプルから得られる
もの(I0)の5倍を越える軸密度(I/I0)を持つことを意味
する。本発明者は、以上のような知見に基づき、クリー
プ破断強度の異方性と変形集合組織の相関に着目して、
スピニング加工を行うことによって不利な集合組織を減
少させるクリープ破断強度の異方性を減少させる加工法
を提案し (特願平1−284294号) 、さらに直角方向にも
<110> 方位を発達させクリープ破断強度の異方性を減少
させる加工法を提案した (特願平2−37687 号) 。
【0011】本発明者は、さらに研究開発をつづけたと
ころ、1250〜1400℃で再結晶熱処理を施した後、800 ℃
以下で加工率50%以上の加工を行うことで、クリープ破
断強度の面内異方性が非常に小さくなることを見出し、
本発明を完成した。ここに、最も広義には、本発明は、
押出焼結材を高温で再結晶させることで集合組織を等方
化し、その後、圧延等の加工を行うことで強度を回復
し、クリープ破断強度の面内異方性が非常に小さい酸化
物分散強化型鋼の製造方法である。
ころ、1250〜1400℃で再結晶熱処理を施した後、800 ℃
以下で加工率50%以上の加工を行うことで、クリープ破
断強度の面内異方性が非常に小さくなることを見出し、
本発明を完成した。ここに、最も広義には、本発明は、
押出焼結材を高温で再結晶させることで集合組織を等方
化し、その後、圧延等の加工を行うことで強度を回復
し、クリープ破断強度の面内異方性が非常に小さい酸化
物分散強化型鋼の製造方法である。
【0012】より具体的には、本発明は、酸化物微粒子
を分散含有するフェライト鋼に、1250〜1400℃で再結晶
熱処理を施した後、800 ℃以下で加工率50%以上の加工
を行うことを特徴とする、面内異方性の小さい酸化物分
散強化型鋼の加工法である。なお、再結晶熱処理温度に
保持する時間は集合組織の等方化が行われれば特に制限
ないが、好ましくは10〜40分間である。上記「酸化物を
分散含有するフェライト鋼」とは、例えば機械的合金化
法によって得た粒子を押出成形して得る焼結鋼である。
を分散含有するフェライト鋼に、1250〜1400℃で再結晶
熱処理を施した後、800 ℃以下で加工率50%以上の加工
を行うことを特徴とする、面内異方性の小さい酸化物分
散強化型鋼の加工法である。なお、再結晶熱処理温度に
保持する時間は集合組織の等方化が行われれば特に制限
ないが、好ましくは10〜40分間である。上記「酸化物を
分散含有するフェライト鋼」とは、例えば機械的合金化
法によって得た粒子を押出成形して得る焼結鋼である。
【0013】
【作用】次に、本発明において各加工条件を上述のよう
に制限した理由をその作用効果とともに説明する。本発
明において、対象鋼は酸化物を分散含有するフェライト
鋼であるが、これ以上特に制限されない。市販品として
はMA956 およびMA957 鋼 (いずれもINCO社商品名) があ
り、その他、例えば「NUCLEAR TECHNOLOGY」Vol.70, AU
G. 1985 の第216 頁表1中に記載されるTi2O3 やY2O3を
分散させたDT2906鋼、DT2203Y05 鋼等が包含される。
に制限した理由をその作用効果とともに説明する。本発
明において、対象鋼は酸化物を分散含有するフェライト
鋼であるが、これ以上特に制限されない。市販品として
はMA956 およびMA957 鋼 (いずれもINCO社商品名) があ
り、その他、例えば「NUCLEAR TECHNOLOGY」Vol.70, AU
G. 1985 の第216 頁表1中に記載されるTi2O3 やY2O3を
分散させたDT2906鋼、DT2203Y05 鋼等が包含される。
【0014】再結晶熱処理温度は1250〜1400℃に制限す
るが、これは押出材にみられる集合組織を等方化するた
めのもので、1250℃未満では十分な再結晶組織が得られ
ず、集合組織が等方化しない。また1400℃を越えると、
分散粒子が粗大化し、その後の圧延などの加工で強度を
回復することができない。このため熱処理温度範囲を12
50〜1400℃とした。図2は、図1の場合と同様にMA957
鋼について各指示温度で30分間加熱してから炉冷する再
結晶熱処理を行った場合の再結晶熱処理温度と分散粒子
平均粒径および<110> X線積分強度との関係を示すグラ
フである。グラフからも分かるように1250〜1400℃の温
度範囲で十分な等方化がみられるのが分かる。
るが、これは押出材にみられる集合組織を等方化するた
めのもので、1250℃未満では十分な再結晶組織が得られ
ず、集合組織が等方化しない。また1400℃を越えると、
分散粒子が粗大化し、その後の圧延などの加工で強度を
回復することができない。このため熱処理温度範囲を12
50〜1400℃とした。図2は、図1の場合と同様にMA957
鋼について各指示温度で30分間加熱してから炉冷する再
結晶熱処理を行った場合の再結晶熱処理温度と分散粒子
平均粒径および<110> X線積分強度との関係を示すグラ
フである。グラフからも分かるように1250〜1400℃の温
度範囲で十分な等方化がみられるのが分かる。
【0015】本発明によれば、再結晶熱処理後の圧延の
加工硬化により強度を回復させるが、その温度が800 ℃
を越える場合や、その加工度が50%未満の場合には十分
な効果が得られない。そのため圧延などの加工条件を80
0 ℃以下で加工率50%以上に制限する。圧延温度は余り
低くなると加工抵抗が大きくなることから、300 ℃以上
とするのが好ましい。なお、圧延などの加工は1回のみ
あるいは加工繰返し間に軟化熱処理を介存させることな
く複数回に分けて行ってもよい。
加工硬化により強度を回復させるが、その温度が800 ℃
を越える場合や、その加工度が50%未満の場合には十分
な効果が得られない。そのため圧延などの加工条件を80
0 ℃以下で加工率50%以上に制限する。圧延温度は余り
低くなると加工抵抗が大きくなることから、300 ℃以上
とするのが好ましい。なお、圧延などの加工は1回のみ
あるいは加工繰返し間に軟化熱処理を介存させることな
く複数回に分けて行ってもよい。
【0016】本発明に言う「加工法」としては第一に圧
延加工が挙げられるが、その他、鍛造、抽伸についても
加工硬化による強度回復効果が見られる限り、本発明の
いう「加工法」に包含される。また、圧延加工に用いら
れる圧延機は、板圧延のロール圧延機のように特に制限
されるものではないが、その他、例えば管圧延の場合を
考えると、ピルガーミル、プラグミルまたはマンドレル
ミル等が例示される。なお、「加工率 (圧下率) 」は下
式で定義される断面減少率である。
延加工が挙げられるが、その他、鍛造、抽伸についても
加工硬化による強度回復効果が見られる限り、本発明の
いう「加工法」に包含される。また、圧延加工に用いら
れる圧延機は、板圧延のロール圧延機のように特に制限
されるものではないが、その他、例えば管圧延の場合を
考えると、ピルガーミル、プラグミルまたはマンドレル
ミル等が例示される。なお、「加工率 (圧下率) 」は下
式で定義される断面減少率である。
【0017】{(A-A0)/A}×100(%) A : 加工 (圧延) 前の断面積 A0: 加工 (圧延) 後の断面積 このようにして得られた酸化物分散強化型フェライト鋼
は、その後特に処理加工することなくそのまゝ製品とし
て使用でき、実質上面内異方性がみられず、例えば650
℃×103hクリープ破断強度が20kgf/mm2 である高温部材
として用いられる。
は、その後特に処理加工することなくそのまゝ製品とし
て使用でき、実質上面内異方性がみられず、例えば650
℃×103hクリープ破断強度が20kgf/mm2 である高温部材
として用いられる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本例ではIN
CO社が市販する押出材である酸化物分散強化型フェライ
ト鋼 (商品名「MA957 鋼」) の25mmt ×100 mmw ×500
mml の寸法の押出材を用いた。この供試鋼の化学成分を
表1に示す。単位は重量%である。
CO社が市販する押出材である酸化物分散強化型フェライ
ト鋼 (商品名「MA957 鋼」) の25mmt ×100 mmw ×500
mml の寸法の押出材を用いた。この供試鋼の化学成分を
表1に示す。単位は重量%である。
【0019】
【表1】
【0020】このようにして用意した押出材に表2に示
す条件で、再結晶熱処理とそれに続く熱間圧延を加え
た。再結晶熱処理は、いずれも真空炉中で指示温度に30
分加熱してから炉冷した。圧延方向は押出材の押出方向
と合わせたその方向をL方向、それに直角な方向をT方
向とした。その後、全ての条件の場合について1100℃×
10分の溶体化処理を行い供試材として試験に供した。試
験ではそれぞれの方向の<110> X線積分強度と650 ℃×
1000h クリープ破断強度を測定した。結果を表2に示
す。また、クリープ破断強度の異方性 (σT /σL ) お
よびL方向の強度の変化量 (σL /σO ) を合わせて示
す。
す条件で、再結晶熱処理とそれに続く熱間圧延を加え
た。再結晶熱処理は、いずれも真空炉中で指示温度に30
分加熱してから炉冷した。圧延方向は押出材の押出方向
と合わせたその方向をL方向、それに直角な方向をT方
向とした。その後、全ての条件の場合について1100℃×
10分の溶体化処理を行い供試材として試験に供した。試
験ではそれぞれの方向の<110> X線積分強度と650 ℃×
1000h クリープ破断強度を測定した。結果を表2に示
す。また、クリープ破断強度の異方性 (σT /σL ) お
よびL方向の強度の変化量 (σL /σO ) を合わせて示
す。
【0021】条件A、Bは本発明例、条件C〜Fは比較
例、条件Gは素材とした押出材、条件Hはその押出材に
再結晶熱処理のみを施したものであって、条件Gと条件
Hは従来例ということができる。表2に示す結果からも
明らかなように、本発明によれば、クリープ破断強度の
異方性 (σT /σL ) およびL方向の強度の変化量 (σ
L /σO ) がともに80%以上で、高温強度を損ねずに異
方性を軽減させていることがわかる。
例、条件Gは素材とした押出材、条件Hはその押出材に
再結晶熱処理のみを施したものであって、条件Gと条件
Hは従来例ということができる。表2に示す結果からも
明らかなように、本発明によれば、クリープ破断強度の
異方性 (σT /σL ) およびL方向の強度の変化量 (σ
L /σO ) がともに80%以上で、高温強度を損ねずに異
方性を軽減させていることがわかる。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明によると、面内異方性の小さい酸
化物分散強化型フェライト鋼加工品が容易に得ることが
でき、かかる鋼加工品は、加熱炉、ボイラ、内燃機関、
タービン用等、高温下で使用される機器用の部品として
有用である。
化物分散強化型フェライト鋼加工品が容易に得ることが
でき、かかる鋼加工品は、加熱炉、ボイラ、内燃機関、
タービン用等、高温下で使用される機器用の部品として
有用である。
【図1】種々の条件で加工した材料について、650 ℃×
1000h クリープ破断強度と2方位の応力軸への集積度を
調べた結果を示すグラフである。
1000h クリープ破断強度と2方位の応力軸への集積度を
調べた結果を示すグラフである。
【図2】再結晶熱処理温度による<110> X線積分強度と
分散粒子平均粒径の変化を示すグラフである。
分散粒子平均粒径の変化を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 酸化物微粒子を分散含有するフェライト
鋼に、1250〜1400℃で再結晶熱処理を施した後、800 ℃
以下で加工率50%以上の加工を行うことを特徴とする、
面内異方性の小さい酸化物分散強化型鋼の加工法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18478091A JPH0533012A (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | 面内異方性の小さい分散強化型鋼の加工法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18478091A JPH0533012A (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | 面内異方性の小さい分散強化型鋼の加工法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0533012A true JPH0533012A (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=16159172
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18478091A Withdrawn JPH0533012A (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | 面内異方性の小さい分散強化型鋼の加工法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0533012A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010047840A (ja) * | 2000-03-03 | 2010-03-04 | Boehler Uddeholm Ag | 粉末冶金で製造されかつ機械的性質の改善された等方法を持つ材料 |
-
1991
- 1991-07-24 JP JP18478091A patent/JPH0533012A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010047840A (ja) * | 2000-03-03 | 2010-03-04 | Boehler Uddeholm Ag | 粉末冶金で製造されかつ機械的性質の改善された等方法を持つ材料 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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