JPH05338580A - 自転車用多段スプロケット装置 - Google Patents

自転車用多段スプロケット装置

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JPH05338580A
JPH05338580A JP1013593A JP1013593A JPH05338580A JP H05338580 A JPH05338580 A JP H05338580A JP 1013593 A JP1013593 A JP 1013593A JP 1013593 A JP1013593 A JP 1013593A JP H05338580 A JPH05338580 A JP H05338580A
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JP
Japan
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link plate
sprocket
chain
tooth
diameter sprocket
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JP1013593A
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Inventor
Jun Kobayashi
順 小林
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Maeda Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Maeda Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チエンに無理な屈曲力が作用することなしに
大径スプロケットから小径スプロケットへのチエンの掛
け換えを迅速かつ円滑に行うことができる。 【構成】 大径スプロケット3の少なくとも一つの歯
に、大径スプロケット3の外周歯に掛け回されるチエン
の内リンクプレート5bの内側縁を受支し、この内リン
クプレートの回転方向後方連結部13bを大径スプロケ
ットの歯間から持ち上げて、上記内リンクプレートを上
記外周歯のピッチ円のほぼ接線方向に向けた状態で保持
するリンクプレート保持部12を形成し、このリンクプ
レート保持部に保持される内リンクプレートの回転方向
後方連結部からチエンが小径スプロケットに向かって掛
け変わるように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、自転車用多段スプロ
ケット装置に関し、詳しくは、大径スプロケットから小
径スプロケットへのチエンの掛け換えを円滑に行えるよ
うに構成したものに関する。
【0002】
【従来の技術】最近の自転車には、クランクに装着され
るチエンホイール(前ギヤ)と、後ハブに装着されるフ
リーホイール(後ギヤ)とを、ともに歯数の異なる複数
枚のスプロケットを並設してなる多段スプロケット装置
で構成し、変速段数を増加させたものが多く見受けられ
る。これら前ギヤと後ギヤの間にはチエンが掛け回され
ており、ペダルを踏み込むことによってクランクに入力
される回転力が、前ギヤからチエンを介して後ギヤに伝
達され、これにより後車輪が回転させられて自転車が前
進させられる。
【0003】変速は、多段スプロケット装置の回転中、
この多段スプロケット装置に進入しようとするチエンを
ディレーラによって強制的に横方向に押圧して斜行さ
せ、これを現在噛合しているスプロケットから離脱させ
るとともに、目的のスプロケットに噛合させることによ
り行われる。この変速の良否はいかに速やかに現在噛合
しているスプロケットからチエンを離脱させ、かつ、い
かに速やかにチエンを目的のスプロケットに噛合させる
かによって決定される。
【0004】ところで、従来、大径スプロケットから小
径スプロケットへのチエンの掛け換え性能については、
スプロケットに進入するチエンを強く押圧すれば、大径
スプロケットの外周に形成されたどの歯の位置からでも
歯を離脱させることができ、離脱させられた上記チエン
はテンションによって自動的に小径スプロケットに移行
すると考えられていた。このため、大径スプロケットか
ら小径スプロケットへのチエンの掛け換え性能の改善に
ついてはあまりに考慮されることはなかった。
【0005】しかしながら、大径スプロケットと小径ス
プロケットの歯数が異なるため、上記大径スプロケット
から小径スプロケットへチエンが移行する際、小径スプ
ロケットのチエンが噛合しようとする位置に、このチエ
ンに対応して上記小径スプロケットの歯が位置がすると
は限らない。したがって、チエンが大径スプロケットか
ら速やかに離脱したとしても、引き続いてすみやかに小
径スプロケットの歯に噛合するとは限らないのである。
【0006】このような場合、チエンのローラが小径ス
プロケットの歯先に乗るような状態で、すなわち、小径
スプロケットのピッチ円より持ち上げられた状態でしば
らく回転し、ローラの周方向の位置とスプロケットの歯
間位置とが一致した時点で、チエンが上記スプロケット
に噛合する。すなわち、上記チエンは小径スプロケット
の外周を所定距離空回りした後にローラがスプロケット
の歯間に収まって噛合する。
【0007】後ギヤ(フリーホイール)において、ペダ
ル踏力が作用しているときに上記現象が生じると、ロー
ラが小径スプロケットの歯先上で空回りする状態とな
り、駆動力がチエンに伝達される駆動効率が低下する。
しかも、チエンのローラとスプロケットの歯間とが噛合
する位置まで空回りした後、急激にチエンがスプロケッ
トに噛合し、このとき駆動力が急激に伝達されて乗者に
大きなショックが与えられる。このため、チエンおよび
スプロケットが傷むばかりでなく、乗者に危険を及ぼす
場合も考えられる。
【0008】上記の問題を解決するために、たとえば、
実開昭64−40791号公報に記載されているものの
ように、大径スプロケットの外周に設けた複数の歯のう
ち、一部の歯を離脱容易歯として、上記離脱容易歯を形
成した位置において大径スプロケットからチエンを速や
かに離脱させるとともに、大径スプロケットと小径スプ
ロケットの周方向の位置を調節し、大径スプロケットか
ら離脱したチエンを速やかにかつ正確に小径スプロケッ
トに噛合させるように構成したものが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】多段スプロケット装置
の回転中に大径スプロケットに噛合しているチエンを小
径スプロケット側に押圧して斜行させると、大径スプロ
ケットに設けた上記離脱容易歯をチエンの内リンクプレ
ートが乗り越えるようにして掛け変わる。このとき、上
記離脱容易歯を乗り越えたチエンの内リンクプレート
は、上記離脱容易歯より前方の歯に噛合している部分に
対して、小径スプロケット側に強制的に撓まされること
になる。
【0010】このため、離脱直前の位置にあるチエンの
ローラが上記大径スプロケットの歯間の所定位置に嵌ま
り込むことができず、通常の噛合状態よりスプロケット
の半径方向外方に浮き上がって、チエンのリンクプレー
ト全体がスプロケットの半径方向外方へ持ち上げられた
状態となる。
【0011】そして、この状態からスプロケットの回転
が進むと、内リンクプレートが大径スプロケットの離脱
容易歯を乗り越えて大径スプロケットから離脱し、チエ
ンがチエンテンションによりスプロケットの半径方向内
方に押し下げられる。このとき、チエンは上記離脱容易
歯の近傍を起点として、この離脱容易歯の回転方向後方
につづく大径スプロケットの歯との干渉によってハブ軸
方向小径スプロケット側に大きく撓まされることにな
る。
【0012】この撓みの量は離脱容易歯を乗り越えたリ
ンクプレートが半径方向内方に押し下げられるほど大き
くなり、大径スプロケットから移行するチエンが、隣接
する小径スプロケットの外周歯を捕らえられずに飛び越
えてしまうという問題が発生しやすい。すなわち、チエ
ンの斜行する角度が大きくなりすぎて、小径スプロケッ
トの外周歯にうまく噛合できなくなるのである。
【0013】特に、大径スプロケットと小径スプロケッ
トの間隔が広い前ギヤ(チエンホイール)へ応用する場
合はさほど問題が生じないが、大径スプロケットと小径
スプロケットとの間隔が狭い後ギヤ(フリーホイール)
に応用する場合には、上述のように小径スプロケット方
向へのチエンの撓みが大きくなりすぎ、小径スプロケッ
トにチエンを正確に掛け換えられなくなるという問題が
発生しやすい。
【0014】このため、従来の多段スプロケット装置に
おいては、複数の難離脱歯を設け、チエンのリンクプレ
ートを、外周歯の歯先に徐々に持ち上げるようにして、
リンクプレートを小径スプロケット側に偏位させてから
チエンが掛け変わるように構成することが多かった。と
ころが、上記リンクプレートを徐々に歯先に持ち上げて
からチエンの掛け変えを行うと、チエンを迅速に掛け変
えることかできない。このため、変速操作装置の操作に
対してのチエンの掛け変わりの応答性が非常に悪くなる
という問題が生じる。
【0015】また、リンクプレートの全体を歯間から持
ち上げるため、歯とリンクプレートとの間に滑りやがた
つきが生じやすく、チエンの円滑な掛け変えを行うこと
が困難であるとともに、チエンやスプロケットの歯先が
傷むといった問題も生じやすい。
【0016】本願発明は、上述の事情のもとで考え出さ
れたものであって、上記従来の問題を解決し、チエンを
大径スプロケットから速やかに離脱させることができる
のみならず、速やかにかつ正確に小径スプロケットに噛
合させることができ、チエンに無理な屈曲力が作用する
ことなしに大径スプロケットから小径スプロケットへの
チエンの掛け換えを迅速かつ円滑に行うことができるよ
うに構成した多段スプロケット装置を提供することをそ
の課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0018】すなわち、本願発明は、少なくとも一枚の
大径スプロケットと、少なくとも一枚の小径スプロケッ
トとを備える自転車用多段スプロケット装置において、
上記大径スプロケットの少なくとも一つの歯に、大径ス
プロケットの外周歯に掛け回されるチエンの内リンクプ
レートの内側縁を受支し、この内リンクプレートの回転
方向後方連結部を大径スプロケットの歯間から持ち上げ
て、上記内リンクプレートを上記外周歯のピッチ円のほ
ぼ接線方向に向けた状態で保持するリンクプレート保持
部を形成し、このリンクプレート保持部に保持される内
リンクプレートの回転方向後方連結部からチエンが小径
スプロケットに向かって掛け変わるように構成したこと
を特徴とする。
【発明の作用および効果】本願発明に係る多段スプロケ
ット装置においては、大径スプロケットの少なくとも一
つの歯に、大径スプロケットの外周歯に掛け回されるチ
エンの内リンクプレートの内側縁を受支し、この内リン
クプレートの回転方向後方連結部をスプロケットの歯間
から持ち上げて、上記内リンクプレートを上記外周歯の
ピッチ円のほぼ接線方向に向けた状態で保持するリンク
プレート保持部を形成している。
【0019】すなわち、本願発明に係る多段スプロケッ
ト装置においては、チエンの内リンクプレートの回転方
向前方の連結部を大径スプロケットの歯間にほぼ係合さ
せたまま回転方向後方の連結部をスプロケットの歯間か
ら持ち上げて、この連結部からいきなり小径スプロケッ
ト側へチエンを掛け換えるように構成しているのであ
る。
【0020】したがって、従来の多段スプロケット装置
のように、チエンを徐々に大径スプロケットの外周に持
ち上げる必要がない。また、リンクプレートの全体が大
径スプロケットの外周部に持ち上げられることもない。
このため、チエンの迅速な掛け変えを行うことが可能と
なり、変速操作装置の操作に対してきわめて応答性のよ
い変速操作を行うことができる。
【0021】また、リンクプレートを上記リンクプレー
ト保持部に受支するとともに、このリンクプレートの回
転方向後方の連結部をスプロケットの歯間から持ち上げ
てチエンを大径スプロケットから離脱させるため、上記
リンクプレート保持部に受支されるリンクプレートの回
転方向後方の連結部を、チエンが大径スプロケットから
離脱するまでに小径スプロケット側に十分偏位させるこ
とができる。したがって、上記連結部から小径スプロケ
ットに掛け変わるチエンが大径スプロケットの外周歯と
干渉して大きく撓まされるということもなくなる。この
ため、チエンの斜行角度が大きくなって小径スプロケッ
トを飛び越えてしまうということもない。
【0022】さらに、リンクプレートの全体が歯間から
持ち上げられることがないため、歯とリンクプレートと
の間に滑りやがたつきが生じることもない。したがっ
て、チエンやスプロケットの歯先が傷むといった問題も
少ない。
【0023】本願の請求項2に記載した発明は、上記リ
ンクプレート保持部を、これを設ける歯の歯先面ないし
回転方向前方歯面を切り欠くことにより形成して、上記
リンクプレートの保持を確実に行うことができるように
構成したものである。しかも、上記リンクプレート保持
部は、歯の歯先面ないし回転方向前方歯面を切り欠いて
設けられるため、チエンとの噛合に支障が生じて駆動力
の伝達効率が低下するといったこともない。
【0024】また、請求項3に記載した発明のように、
上記リンクプレート保持部の形状を内リンクプレートの
内側縁に沿う形状に形成することにより、上記リンクプ
レートと上記リンクプレート保持部との滑りがなくな
り、リンクプレートを確実に保持することができる。こ
れにより、安定したチエンの掛け変えを行うことができ
る。
【0025】また、上記リンクプレート保持部を設けた
歯において、チエンの掛け変わりを円滑に行うため、請
求項4に記載した発明のように、上記リンクプレート保
持部を形成した歯の回転方向前方につづく少なくとも一
つの歯を、チエンが小径スプロケット方向に離脱しにく
い難離脱歯とする一方、上記リンクプレート保持部を形
成した歯の回転方向後方につづく少なくとも一つの歯
を、チエンが小径スプロケット側に容易に離脱する離脱
容易歯とすることができる。
【0026】上記請求項4に記載した発明においては、
上記難離脱歯の回転方向後方に続く歯に、チエンのリン
クプレート内側縁を保持しうる保持部形成しているた
め、多段スプロケットの回転中、大径スプロケットに掛
け回されているチエンを小径スプロケット側に押圧する
と、チエンの内リンクプレートが上記リンクプレート保
持部に受支されて、この内リンクプレートが外周歯のピ
ッチ円のほぼ接線方向に向けられるとともに、小径スプ
ロケット側に偏位させられる。そして、上記リンクプレ
ート保持部を形成した歯の回転方向に続いて形成された
離脱容易歯を乗り越える。
【0027】上記難離脱歯は、たとえば、歯の小径スプ
ロケットと反対側側面を、その頂部から面取り状に切除
することにより、歯先部が小径スプロケット側へ偏位さ
せて形成されている。このため、小径スプロケットに移
行しようとするチエンがこの歯先部を乗り越えて容易に
離脱することができない。
【0028】一方、上記離脱容易歯は、たとえば、歯の
小径スプロケット側側面を、その頂部から面取り状に切
除することにより、歯先部が小径スプロケットと反対側
へ偏位させて形成されている。このため、小径スプロケ
ットに移行しようとするチエンが、この歯先部を容易に
乗り越えて離脱することができる。
【0029】本願発明においては、大径スプロケットの
歯を乗り越えようとするチエンは、まず、上記難離脱歯
においてリンクプレートが小径スプロケット側に偏位さ
せられる。そして、内リンクプレートの内側縁が、上記
リンクプレートの保持部に保持されるとともに、上記リ
ンクプレートの回転方向後方連結部が小径スプロケット
側へさらに偏位させられ、上記連結部から回転方向後方
につづく外リンクプレートが、上記離脱容易歯を乗り越
える。そして、その後スプロケットの半径方向内方へ押
し下げられるのである。したがって、リンクプレートが
大径スプロケットの側面と干渉することがほとんどな
い。
【0030】さらに、請求項5に記載した発明のよう
に、上記離脱容易歯の小径スプロケット側側面に、上記
離脱容易歯から離脱して小径スプロケットに移行するチ
エンとの干渉を緩和する凹入部を形成することにより、
大径スプロケットから小径スプロケットへ移行するチエ
ンと、大径スプロケット側面との干渉を有効に防止する
こともできる。この結果、不快なギヤ鳴り音が発生した
り、大径スプロケットの歯面が磨耗するといったことも
なくなる。
【0031】このため、チエンの撓みを適正に保持する
ことが可能となり、従来のように、大径スプロケットを
離脱したチエンの撓みが大きくなりすぎて、隣接する小
径スプロケットの歯を飛び越えてしまうというようなお
それもなくなる。したがって、大径スプロケットと小径
スプロケットと間隔が広い前ギヤのみならず、大径スプ
ロケットと小径スプロケットの間隔が狭い後ギヤに適用
して、その変速性能を向上させることができる。
【0032】また、本願の請求項6に記載した発明にお
いては、上記リンクプレート保持部に保持されるリンク
プレート後端部のチエン連結部中心から、回転方向後方
における上記小径スプロケットの一つの歯間中心に下ろ
した接線の長さが、npまたはnp±α(ただし、pは
チエンピッチ、nは整数、αはスプロケットの隣り合う
歯と歯の間の長さからチエンのローラ径を引いた値の半
分より小さい値)となるように、上記大径スプロケット
と小径スプロケットの周方向相対位置を設定している。
【0033】上記リンクプレート保持部に保持されてい
る内リンクプレートより回転方向後方につづくリンクプ
レートは、上記リンクプレート保持部を形成した歯の回
転方向後方に形成された歯を乗り越えた後、小径スプロ
ケットの外周に向かってほぼ直線状に移行する。このた
め、上記リンクプレート保持部に形成した歯に保持され
る内リンクプレートの後方の連結部中心と小径スプロケ
ットに下ろした接線の接点との距離をnpに設定するこ
とにより、大径スプロケットから小径スプロケットに移
行するチエンが上記小径スプロケットの外周に達したと
き、ただちに小径スプロケットと噛合することができ
る。
【0034】これにより、チエンが小径スプロケットの
外周を滑って空回りするというようなこともなくなり、
変速性能が格段に向上する。また、後ギヤに適用した場
合には、前ギヤによって発生した駆動力をロスなく後ギ
ヤに伝達することができるとともに、駆動力が急激に伝
達されるというようなこともなくなる。
【0035】また、上記リンクプレート保持部に保持さ
れる内リンクプレート後方のチエン連結部中心と上記小
径スプロケットの歯間中心との距離をチエンピッチの整
数倍npとする場合でだけでなく、整数倍より少しずれ
た値np±αとする場合にも本願発明の効果を発揮する
ことができる。
【0036】これは、歯間の距離、すなわち、スプロケ
ットの隣り合う歯と歯の間の長さは、通常チエンのロー
ラの径より大きく設定されており、チエンのローラが余
裕をもって噛合できるように形成されている。したがっ
て、スプロケットの隣り合う歯と歯の間の長さからチエ
ンのローラ径を引いた値の半分より小さい値分ずれて
も、チエンがスプロケットに噛合できるのである。な
お、現実には、大径スプロケットと小径スプロケットと
は同一平面上にはなく、一定のすきまをもって配置され
ているため、チエンは上記両スプロケットに対して所定
の角度をもって斜めに移行させられることになる。した
がって、この分接線長さをチエンの実質長さより短く調
節するのが好ましい。
【0037】
【実施例の説明】以下、本願発明の実施例を図に基づい
て具体的に説明する。
【0038】本実施例は、本願発明を自転車用多段フリ
ーホイール(後ギヤ)に適用したものである。また、図
1は多段スプロケット装置1の側面図であるが、以下の
説明の理解を容易にするため、一枚の小径スプロケット
2とこれに隣合う一枚の大径スプロケット3のみを代表
させて図示してある。実際の多段フリーホイールにおい
ては、5枚ないし8枚の異なる径のスプロケットが並設
されているが、これらの複数枚のスプロケットにおける
相隣合う大小2枚のスプロケット間にも、以下に説明す
る小径スプロケット2と大径スプロケット3との間の関
係が適用される。
【0039】各スプロケット2,3の外周には、図1に
示すように、チエンCのピッチと対応したピッチで、多
数枚の外周歯Tが等間隔に形成されている。チエンC
は、一対の外リンクプレート4a,4bの間の空間、ま
たは、一対の内リンクプレート5a,5bの間の空間
に、上記スプロケット2,3の外周歯Tが突入するとと
もに、隣合う歯と歯の間に形成される歯間部6に、チエ
ンの連結部13に設けられるローラRが嵌まり込むよう
にして、スプロケット2,3と噛合している。上記歯間
部6の底部は、ローラRの外径よりやや曲率の大きい円
弧状の歯底部7を形成している。したがって、上記ロー
ラRは、スプロケットの周方向に、若干の偏位が可能に
噛合させられている。
【0040】本実施例おいては、図1に示すように、大
径スプロケット3の一つの歯にチエンの内リンクプレー
ト5bの内側縁を受支しうるリンクプレート保持部12
を形成した保持歯9を設けるとともに、この保持歯9の
回転方向前方に隣接して、チエンCが小径スプロケット
方向に離脱しにくい難離脱歯8を設けている。また、上
記保持歯9の回転方向後方に隣接してチエンCが小径ス
プロケット側に容易に離脱する離脱容易歯10をそれぞ
れ設けている。
【0041】上記保持歯9に設けられるリンクプレート
保持部12は、上記保持歯9の歯先面ないし回転方向前
方歯面を上記内リンクプレート5の内側縁に沿う形状に
切り欠くようにして形成されている。そして、図1ない
し図3に示すように、上記チエンCの内リンクプレート
5bの内側縁が上記リンクプレート保持部12に保持さ
れたとき、この内リンクプレート5a,5bの回転方向
後方連結部13bが、大径スプロケット3の歯間から持
ち上げられ、この内リンクプレート5a,5bを上記外
周歯Tのピッチ円の接線Sの方向にほぼ向けた状態で保
持できるように構成されている。
【0042】上記難離脱歯8は、図1および図2に示す
ように、歯の小径スプロケット2と反対側側面を、その
頂部から面取り状に切除することにより形成されてい
る。これにより、歯先部11aが小径スプロケット2側
へ偏位させられ、小径スプロケット2に移行しようとす
るチエンCがこの歯先部11aを乗り越えて容易に離脱
することができない。
【0043】一方、上記離脱容易歯10は、図2に示す
ように、歯の小径スプロケット2側側面を、その頂部か
ら面取り状に切除することにより形成されている。これ
により、歯先部11cが小径スプロケット2と反対側へ
偏位させられ、小径スプロケット2に移行しようとする
チエンCが、この歯先部11cを容易に乗り越えて離脱
することができる。
【0044】上記構成の多段スプロケット装置1におい
て、スプロケットの回転中、上記大径スプロケット3に
噛合するチエンCを、小径スプロケット2の方向にディ
レーラのチエンガイド等によって押圧すると、チエンC
が小径スプロケット2に向かって偏位させられ、上記保
持歯9ないし上記離脱容易歯10のところでこれらの歯
を乗り越える。
【0045】チエンCは、図2に示すように、一対の外
リンクプレート4a,4bと一対の内リンクプレート5
a,5bと交互に連結して形成されるものであり、上記
外リンクプレート4a,4bのプレート間隙間と、内リ
ンクプレート5a,5bのプレート間隙間とはその大き
さが異なる。このため、図1に示すように、まず、上記
内リンクプレート5bが保持歯9のリンクプレート保持
部12に乗り上がる。
【0046】本実施例おいては、図2に示すように、上
記保持歯9に、チエンCの内リンクプレート5bの内側
縁を受支し、この内リンクプレート5を上記外周歯Tの
ピッチ円の接線Sの方向に向けた状態で保持できるリン
クプレート保持部12を形成している。このため、図1
に示すように、内リンクプレート5a,5bの後端部が
大径スプロケット3の歯間6から大きく持ち上げられた
状態で保持される。
【0047】しかも、本実施例においては、上記リンク
プレート保持部12を形成した保持歯9の回転方向前方
に位置するすくなくとも一つの歯を、チエンCが小径ス
プロケット方向に離脱しにくい難離脱歯8としている。
すなわち、上記難離脱歯8からは、上記チエンCは離脱
しにくいが、チエンCを小径スプロケット側に容易に偏
位させることができるように構成している。
【0048】一方、上記リンクプレート保持部12を形
成した保持歯9の回転方向後方につづく、少なくとも一
つの歯を、チエンCが小径スプロケット側に容易に離脱
する離脱容易歯10としている。
【0049】このため、上記リンクプレート保持部12
に受支される内リンクプレート5bの回転方向後方連結
部13bは、小径スプロケット側に大きく偏位させられ
た状態で持ち上げられることになる。したがって、上記
保持歯9によって持ち上げられる内リンクプレート5
a,5bにつづく外リンクプレート4a,4bは、離脱
容易歯10と干渉することなく、小径スプロケット2の
外周に接線を下ろすようにして移行する。
【0050】したがって、上記リンクプレート保持部1
2を設けることにより、上記リンクプレート保持部12
に保持される内リンクプレート5a,5bに続く外リン
クプレート4a,4bを、大径スプロケット3の歯とほ
とんど干渉することなく、小径スプロケット2に向かっ
て移行させることが可能となる。
【0051】しかも、本実施例においては、図1および
図3に示すように、上記離脱容易歯10の小径スプロケ
ット側側面に、上記離脱容易歯10から離脱して小径ス
プロケット2に移行するチエンCとの干渉を緩和する凹
入部14を形成している。これにより、大径スプロケッ
ト3から小径スプロケット2へ移行するチエンCと、大
径スプロケット側面との干渉をなくして、不快なギヤ鳴
り音が発生したり、大径スプロケットの歯面が磨耗する
のを有効に防止することができる。
【0052】また、本実施例においては、図1に示すよ
うに、上記保持歯9に保持される内リンクプレート5
a,5bの後端部の連結部中心O1 から、回転方向後方
における上記小径スプロケット2の一つの歯間中心O2
に下ろした接線L1 の長さをnpまたはnp±α(ただ
し、pはチエンピッチ、nは整数、αはスプロケットに
おける隣合う歯と歯の間の長さからローラ径を引いた値
の半分より小さい値)となるように上記大径スプロケッ
ト3と小径スプロケット2の周方向相対位置を設定して
いる。
【0053】上記接線L1 の長さをnpとすることによ
り、小径スプロケット2における上記接線L1 の接点に
おいて、チエンCのローラRの中心O3 と小径スプロケ
ット2の歯間中心O2 を一致させることができる。した
がって、大径スプロケット3から小径スプロケット2へ
移行するチエンCが小径スプロケット2の外周に達した
とき、ぴったりとそのローラRが小径スプロケット2の
歯間に収まって噛合する。
【0054】また、図1に示すように、上記接線L1
接する歯間中心O2 までの距離を、チエンピッチの整数
倍npとする場合だけでなく、±αの範囲内において変
動させることができる。
【0055】通常、上記ローラRが噛合する歯と歯の間
の長さは、上記ローラRの直径よりも若干大きく形成さ
れている。したがって、上記接線L1 の長さが、npと
なる場合だけでなく、上記ローラが歯間の間で偏位しう
る範囲内で設定すれば、大径スプロケット3から小径ス
プロケット2へ掛け変わるチエンCを確実に噛合させる
ことができる。なお、上記接線L1 の長さは、np+α
より小さく設定することが好ましい。これは、上記接線
1 の長さが、チエンCのローラRの中心間距離より大
きくなると、上記チエンCに張力が作用してしまい、小
径スプロケット2の外周上で、うまく噛合できないおそ
れがあるからである。
【0056】一方、上記接線L1 の長さは、np−αよ
りも若干小さく設定することも可能である。これは、上
記接線L1 の長さを短くすることにより、ローラRを上
記小径スプロケット2の歯間に余裕をもって噛合させる
ことができるからである。また、現実には大径スプロケ
ット3と小径スプロケット2とは同一平面上にはなく、
ハブ軸方向に一定の隙間をもって配置されているため、
チエンCは上記両スプロケット2,3に対して所定の角
度をもって斜めに移行させられることになり、この分上
記接線L1 の長さをチエンCの実質長さより短く調節す
るのが好ましいからである。
【0057】上記構成により本実施例にかかる多段スプ
ロケット装置1においては、大径スプロケット3から離
脱したチエンCは、すぐに半径方向内方に押し下げられ
るのではなく、保持歯9のリンクプレート保持部12に
いったん保持された後に、小径スプロケット2に向かっ
て掛け変わる。しかも、上記大径スプロケット3のリン
クプレート保持部12に保持される内リンクプレート5
bは、回転方向後方連結部13bが、大径スプロケット
3の歯間から大きく持ち上げられて、上記内リンクプレ
ート5a,5bが上記外周歯のピッチ円のほぼ接線方向
に向けた状態で保持されるため、上記内リンクプレート
5a,5bの連結部13bは、小径スプロケット2側に
大きく偏位させられている。このため、大径スプロケッ
ト3を離脱した直後のチエンCが、大径スプロケット3
の歯の側面と干渉して、ハブ軸方向に大きく撓まされる
というようなことはない。この結果、掛け変わり行程に
あるチエンCの撓みを適正に保持することが可能とな
る。
【0058】また、従来のように、大径スプロケット3
を離脱した直後のチエンCの撓みが大きくなりすぎて、
隣接する小径スプロケット2の歯を飛び越えてしまうと
いうような問題もなくなる。
【0059】さらに、本実施例に係る多段スプロケット
装置1においては、内リンクプレート5a,5bの回転
方向後方連結部13bをスプロケットの歯間から持ち上
げて、この後方連結部13bから直接小径スプロケット
2へチエンCが掛け変わっていくように構成している。
すなわち、従来のように、リンクプレートを歯先に徐々
に持ち上げて小径スプロケット側に偏位させるのではな
い。このため、変速操作装置の操作に対するチエンの掛
け変わりの応答性がきわめて高い変速操作を行うこと可
能となる。
【0060】さらにまた、、リンクプレートの全体が歯
間から持ち上げられることがないため、歯とリンクプレ
ートとの間に滑りやがたつきが生じることもない。した
がって、チエンCやスプロケットの歯先が傷むといった
問題も少ない。
【0061】本願発明の範囲は上述の実施例に限定され
ることはない。実施例は、本願発明を多段フリーホイー
ル(後ギヤ)に適用した例であるが、複数枚の異径スプ
ロケットを並設して形成された多段チエンホイール(前
ギヤ)についても、同様に適用することができる。
【0062】また、実施例においては、大径スプロケッ
ト3に一つの保持歯9を設けたが、大径スプロケットの
複数の箇所に保持歯を形成することもできる。
【0063】また、保持歯9における内リンクプレート
保持部12の形状も実施例に限定されることはなく、内
リンクプレートの回転方向後方連結部13bを大径スプ
ロケットの歯間から持ち上げて、この内リンクプレート
を上記外周歯のピッチ円のほぼ接線方向に向けた状態で
保持できる形状であれば、他の形状を採用することもで
きる。
【0064】さらに、上記保持歯9の回転方向前後に難
離脱歯8と離脱容易歯10とを二枚づつ設けたが、一枚
あるいは三枚以上の難離脱歯および離脱容易歯を設ける
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施例の多段スプロケット装置の
側面図である。
【図2】図1の多段スプロケット装置の作用を説明する
図であり、図1のII方向矢視図である。
【図3】本願発明に係る多段スプロケット装置の要部側
面図である。
【符号の説明】
1 多段スプロケット装置 2 小径スプロケット 3 大径スプロケット 5a,5b 内リンクプレート 8 難離脱歯 10 離脱容易歯 12 リンクプレート保持部 14 凹入部 O1 連結部中心 O2 歯間中心

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一枚の大径スプロケットと、
    少なくとも一枚の小径スプロケットとを備える自転車用
    多段スプロケット装置において、 上記大径スプロケットの少なくとも一つの歯に、大径ス
    プロケットの外周歯に掛け回されるチエンの内リンクプ
    レートの内側縁を受支し、この内リンクプレートの回転
    方向後方連結部を大径スプロケットの歯間から持ち上げ
    て、上記内リンクプレートを上記外周歯のピッチ円のほ
    ぼ接線方向に向けた状態で保持するリンクプレート保持
    部を形成し、このリンクプレート保持部に保持される内
    リンクプレートの回転方向後方連結部からチエンが小径
    スプロケットに向かって掛け変わるように構成したこと
    を特徴とする、自転車用多段スプロケット装置。
  2. 【請求項2】 上記リンクプレート保持部は、これを形
    成する歯の歯先面ないし回転方向前方歯面を切欠くこと
    により形成したことを特徴とする、請求項1に記載の自
    転車用多段スプロケット装置。
  3. 【請求項3】 上記リンクプレート保持部は、上記保持
    部に保持される内リンクプレートの内側縁に沿う形状に
    形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の自
    転車用多段スプロケット装置。
  4. 【請求項4】 上記リンクプレート保持部を形成した歯
    の回転方向前方に続く少なくとも一つの歯を、チエンが
    小径スプロケット方向に離脱しにくい難離脱歯とする一
    方、 上記リンクプレート保持部を形成した歯の回転方向後方
    に続く少なくとも一つの歯を、チエンが小径スプロケッ
    ト側に容易に離脱する離脱容易歯としたことを特徴とす
    る、請求項1に記載の自転車用多段スプロケット装置。
  5. 【請求項5】 上記離脱容易歯の小径スプロケット側側
    面に、上記離脱容易歯から離脱して小径スプロケットに
    移行するチエンとの干渉を緩和する凹入部を形成したこ
    とを特徴とする、請求項4に記載した自転車用多段スプ
    ロケット装置。
  6. 【請求項6】 上記リンクプレート保持部でチエンの内
    リンクプレートが保持されるとき、この内リンクプレー
    トの回転方向後方の連結部中心から、チエンが掛け変わ
    る小径スプロケットの一つの歯間中心に下ろした接線の
    長さが、npまたはnp±α(ただし、pはチエンピッ
    チ、nは整数、αはスプロケットの隣り合う歯と歯の間
    の長さからチエンのローラ径を引いた値の半分より小さ
    い値)となるように、上記大径スプロケットと小径スプ
    ロケットの周方向相対位置を設定したことを特徴とす
    る、請求項1に記載の自転車用多段スプロケット装置。
JP1013593A 1992-03-09 1993-01-25 自転車用多段スプロケット装置 Pending JPH05338580A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/848,044 US5192250A (en) 1991-04-23 1992-03-09 Multiple sprocket assembly for bicycle
US07/848044 1992-03-09

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05338580A true JPH05338580A (ja) 1993-12-21

Family

ID=25302193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1013593A Pending JPH05338580A (ja) 1992-03-09 1993-01-25 自転車用多段スプロケット装置

Country Status (1)

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JP (1) JPH05338580A (ja)

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