JPH05339640A - 塑性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法 - Google Patents
塑性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法Info
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- JPH05339640A JPH05339640A JP40974790A JP40974790A JPH05339640A JP H05339640 A JPH05339640 A JP H05339640A JP 40974790 A JP40974790 A JP 40974790A JP 40974790 A JP40974790 A JP 40974790A JP H05339640 A JPH05339640 A JP H05339640A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
[構成]C 0.01〜0.07wt%、Si 0.5w
t%以下、Mn 0.10〜0.50wt%、P 0.0
02〜0.04wt%、S 0.04wt%以下、Al
0.08wt%以下を含有し、残部Feおよび不可避不
純物からなる鋼を溶製後スラブとし、このスラブを10
00〜1500℃の温度において均熱を行い、次いで、
仕上げ温度を780〜Ar3点以上および巻取り温度6
50℃以下、或いは、650℃以上の熱間圧延を行い、
65〜 85%の冷間圧延を行った後、630℃以上、
或いは、680℃以上の温度において箱焼鈍、或いは、
連続焼鈍を行う方法である。 [効果]得られた鋼板は絞り成形時に耳発生を小さく抑
制すると共に他部品との接合部分の外観品質が改善さ
れ、さらに、加工性の良好な特殊元素を含有させた極低
炭素鋼の問題点である耐縦割れ性、疲労特性を大幅に改
善することができるものである。
t%以下、Mn 0.10〜0.50wt%、P 0.0
02〜0.04wt%、S 0.04wt%以下、Al
0.08wt%以下を含有し、残部Feおよび不可避不
純物からなる鋼を溶製後スラブとし、このスラブを10
00〜1500℃の温度において均熱を行い、次いで、
仕上げ温度を780〜Ar3点以上および巻取り温度6
50℃以下、或いは、650℃以上の熱間圧延を行い、
65〜 85%の冷間圧延を行った後、630℃以上、
或いは、680℃以上の温度において箱焼鈍、或いは、
連続焼鈍を行う方法である。 [効果]得られた鋼板は絞り成形時に耳発生を小さく抑
制すると共に他部品との接合部分の外観品質が改善さ
れ、さらに、加工性の良好な特殊元素を含有させた極低
炭素鋼の問題点である耐縦割れ性、疲労特性を大幅に改
善することができるものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塑性異方性の小さい冷間
圧延鋼板の製造方法に関し、さらに詳しくは、面内異方
性が小さく、絞り成形した時の耳の発生が小さく、か
つ、耐縦割れ性に優れた塑性異方性の小さい冷間圧延鋼
板の製造方法に関するものである。
圧延鋼板の製造方法に関し、さらに詳しくは、面内異方
性が小さく、絞り成形した時の耳の発生が小さく、か
つ、耐縦割れ性に優れた塑性異方性の小さい冷間圧延鋼
板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】一般に、冷間圧延鋼板は加工性が良好であ
るばかりでなく、表面が美麗であり、かつ、寸法精度が
良好であることから、産業界においては極めて広い範囲
において使用されている。
るばかりでなく、表面が美麗であり、かつ、寸法精度が
良好であることから、産業界においては極めて広い範囲
において使用されている。
【0003】この冷間圧延鋼板は、連続焼鈍技術が発展
し、拡大すると共に、特殊な含有元素を微量含む極低炭
素鋼、所謂、IF鋼が主として使用されるようになって
きてはいるが、従来において広く使用されていたアルミ
ニウムキルド鋼も上記IF鋼の欠点を補う鋼として、さ
らに、アルミニウムキルド鋼でなければならない用途も
多数あることから、依然として冷間圧延鋼板としての主
流であることには変わりがない。
し、拡大すると共に、特殊な含有元素を微量含む極低炭
素鋼、所謂、IF鋼が主として使用されるようになって
きてはいるが、従来において広く使用されていたアルミ
ニウムキルド鋼も上記IF鋼の欠点を補う鋼として、さ
らに、アルミニウムキルド鋼でなければならない用途も
多数あることから、依然として冷間圧延鋼板としての主
流であることには変わりがない。
【0004】また、上記に説明したIF鋼、アルミニウ
ムキルド鋼等の代表的な冷間圧延鋼板は、広く各産業界
において使用されており、同時に部品の種類およびその
形状も種々雑多で極めて多岐にわたっている。
ムキルド鋼等の代表的な冷間圧延鋼板は、広く各産業界
において使用されており、同時に部品の種類およびその
形状も種々雑多で極めて多岐にわたっている。
【0005】特に、絞り加工を行う部品形状、とりわ
け、円筒絞り形状の部品はその数が極めて多いのであ
る。この円筒絞り部品の場合には、成形後の部品に発生
する塑性異方性(△γ)に起因する成形部品端部の凹凸、
所謂、耳が問題となる場合が多い。
け、円筒絞り形状の部品はその数が極めて多いのであ
る。この円筒絞り部品の場合には、成形後の部品に発生
する塑性異方性(△γ)に起因する成形部品端部の凹凸、
所謂、耳が問題となる場合が多い。
【0006】そして、この耳の発生は、その部品を単品
使用する場合には、耳揃え工程、即ち、切削工程を必要
とするので、歩留り低下、工程数増加、さらには切削工
程中に二次加工割れの危険を有している。さらに、切削
工程を付加することなく、他部品と組立てて使用する場
合には、接合部の外観品質の点で劣ること等も指摘され
ているのが現状である。
使用する場合には、耳揃え工程、即ち、切削工程を必要
とするので、歩留り低下、工程数増加、さらには切削工
程中に二次加工割れの危険を有している。さらに、切削
工程を付加することなく、他部品と組立てて使用する場
合には、接合部の外観品質の点で劣ること等も指摘され
ているのが現状である。
【0007】このような現状において、通常の製造工程
においてはアルミニウムキルド鋼よりも、塑性異方性の
小さいことが確認されているIF鋼、もしくは、IF類
似鋼で種々の含有成分、製造工程等を変えて、より塑性
異方性を小さくすることが行われて来ているが、これら
の方法によれば確かに塑性異方性の改善は行われるもの
の、耐縦割れ性、耐疲労性を含む総合特性を改善するに
は至っていない。
においてはアルミニウムキルド鋼よりも、塑性異方性の
小さいことが確認されているIF鋼、もしくは、IF類
似鋼で種々の含有成分、製造工程等を変えて、より塑性
異方性を小さくすることが行われて来ているが、これら
の方法によれば確かに塑性異方性の改善は行われるもの
の、耐縦割れ性、耐疲労性を含む総合特性を改善するに
は至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に説明し
たように、従来の冷間圧延鋼板を使用する成形時に発生
する塑性異方性に起因する耳の発生に対する問題点に鑑
み、本発明者が鋭意研究を行い、検討を重ねた結果、鋼
の含有成分および成分割合、熱間圧延工程、冷間圧延工
程をそれぞれ特定の条件とすることにより、耳の発生を
最小限に抑制すると共に、耐縦割れ性、耐疲労性におい
て優れた塑性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法を
開発したのである。
たように、従来の冷間圧延鋼板を使用する成形時に発生
する塑性異方性に起因する耳の発生に対する問題点に鑑
み、本発明者が鋭意研究を行い、検討を重ねた結果、鋼
の含有成分および成分割合、熱間圧延工程、冷間圧延工
程をそれぞれ特定の条件とすることにより、耳の発生を
最小限に抑制すると共に、耐縦割れ性、耐疲労性におい
て優れた塑性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法を
開発したのである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る塑性異方性
の小さい冷間圧延鋼板の製造方法は、C 0.01〜0.
07wt%、Si 0.5wt%以下、Mn 0.10〜
0.50wt%、P 0.002〜0.04wt%、S
0.04wt%以下、Al 0.08wt%以下を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を溶製後ス
ラブとし、このスラブを1000〜1150℃の温度に
おいて均熱を行い、次いで、仕上げ温度を780〜Ar
3点以上および巻取り温度650℃以下の熱間圧延を行
い、65〜85%の冷間圧延を行った後、630℃以上
の温度において箱焼鈍を行うことを特徴とする塑性異方
性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法を第1の発明とし、
C 0.01〜0.07wt%、Si 0.5wt%以
下、Mn 0.10〜0.50wt%、P 0.002〜
0.04wt%、S 0.04wt%以下、Al 0.0
8wt%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純物か
らなる鋼を溶製後スラブとし、このスラブを1000〜
1150℃の温度において均熱を行い、次いで、仕上げ
温度を780〜Ar3点以上および巻取り温度650℃
以上の熱間圧延を行い、65〜85%の冷間圧延を行っ
た後、680℃以上の温度において連続焼鈍を行うこと
を特徴とする塑性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方
法を第2の発明とする2つの発明よりなるものである。
の小さい冷間圧延鋼板の製造方法は、C 0.01〜0.
07wt%、Si 0.5wt%以下、Mn 0.10〜
0.50wt%、P 0.002〜0.04wt%、S
0.04wt%以下、Al 0.08wt%以下を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を溶製後ス
ラブとし、このスラブを1000〜1150℃の温度に
おいて均熱を行い、次いで、仕上げ温度を780〜Ar
3点以上および巻取り温度650℃以下の熱間圧延を行
い、65〜85%の冷間圧延を行った後、630℃以上
の温度において箱焼鈍を行うことを特徴とする塑性異方
性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法を第1の発明とし、
C 0.01〜0.07wt%、Si 0.5wt%以
下、Mn 0.10〜0.50wt%、P 0.002〜
0.04wt%、S 0.04wt%以下、Al 0.0
8wt%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純物か
らなる鋼を溶製後スラブとし、このスラブを1000〜
1150℃の温度において均熱を行い、次いで、仕上げ
温度を780〜Ar3点以上および巻取り温度650℃
以上の熱間圧延を行い、65〜85%の冷間圧延を行っ
た後、680℃以上の温度において連続焼鈍を行うこと
を特徴とする塑性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方
法を第2の発明とする2つの発明よりなるものである。
【0010】本発明に係る塑性異方性の小さい冷間圧延
鋼板の製造方法について、以下詳細に説明する。
鋼板の製造方法について、以下詳細に説明する。
【0011】先ず、本発明に係る塑性異方性の小さい冷
間圧延鋼板の製造方法において使用する鋼の含有成分お
よび成分割合について説明する。
間圧延鋼板の製造方法において使用する鋼の含有成分お
よび成分割合について説明する。
【0012】Cは鋼に普通に含有されている元素であ
り、加工性を向上させるためには低い程好ましいことは
よく知られていることであるが、塑性異方性を小さくす
ると共に耐縦割れ性を改善するためアルミニウムキルド
鋼では、C含有量が0.01wt%未満では目的を達成
することができない。これは、C含有量が0.01wt
%未満では熱間圧延鋼板で結晶粒が大きくなり易く、こ
のことに追従して塑性異方性の低下に有効な{111}
が減少し、悪影響をおよぼす{100}が増加するから
である。同時に大きくなった熱間圧延鋼板の粒度は冷間
圧延・焼鈍後の粒度にも影響をおよぼし、耐縦割れ性を
劣化させるからである。そして、IF鋼、即ち、C含有
量が0.01wt%以下の材料では、塑性異方性は種々
検討されており、ある製造条件のもとでは異方性の小さ
くなることが実証されているが、耐縦割れ性に有効な鋼
種であるアルミニウムキルド鋼で異方性を小さくする条
件を見出した。また、C含有量が0.07wt%を越え
ると対象とする鋼の強度が軟鋼の範囲を逸脱してしま
い、さらに、対象となる部品が浅絞り、深絞りの何れで
も円筒絞り品を主な対象としており、円筒絞りの場合に
はそれほど高いγ値を必要としないとしても、ある程度
のγ値を得るためにはC含有量は0.07wt%以下に
抑制する必要がある。よって、C含有量は0.01〜0.
07wt%とする。
り、加工性を向上させるためには低い程好ましいことは
よく知られていることであるが、塑性異方性を小さくす
ると共に耐縦割れ性を改善するためアルミニウムキルド
鋼では、C含有量が0.01wt%未満では目的を達成
することができない。これは、C含有量が0.01wt
%未満では熱間圧延鋼板で結晶粒が大きくなり易く、こ
のことに追従して塑性異方性の低下に有効な{111}
が減少し、悪影響をおよぼす{100}が増加するから
である。同時に大きくなった熱間圧延鋼板の粒度は冷間
圧延・焼鈍後の粒度にも影響をおよぼし、耐縦割れ性を
劣化させるからである。そして、IF鋼、即ち、C含有
量が0.01wt%以下の材料では、塑性異方性は種々
検討されており、ある製造条件のもとでは異方性の小さ
くなることが実証されているが、耐縦割れ性に有効な鋼
種であるアルミニウムキルド鋼で異方性を小さくする条
件を見出した。また、C含有量が0.07wt%を越え
ると対象とする鋼の強度が軟鋼の範囲を逸脱してしま
い、さらに、対象となる部品が浅絞り、深絞りの何れで
も円筒絞り品を主な対象としており、円筒絞りの場合に
はそれほど高いγ値を必要としないとしても、ある程度
のγ値を得るためにはC含有量は0.07wt%以下に
抑制する必要がある。よって、C含有量は0.01〜0.
07wt%とする。
【0013】Siは軟鋼板においては略痕跡に近く、固
溶強化機能が大きい元素であり、Si含有量が増加する
と共に強度が上昇するものであるが、対象とする製品の
強度が軟鋼であることを考慮しなければならない。よっ
て、Si含有量は0.5wt%以下とする。
溶強化機能が大きい元素であり、Si含有量が増加する
と共に強度が上昇するものであるが、対象とする製品の
強度が軟鋼であることを考慮しなければならない。よっ
て、Si含有量は0.5wt%以下とする。
【0014】MnはSを含有する鋼の熱間脆性を抑制す
るのに有効な元素であり、S含有量との兼ね合いから、
Mn含有量は0.10wt%未満では効果は少なく、ま
た、軟鋼に通常含有される量が0.50wt%以下であ
ることから、上限は0.50wt%とする。よって、M
n含有量は0.10〜0.50wt%とするのである。
るのに有効な元素であり、S含有量との兼ね合いから、
Mn含有量は0.10wt%未満では効果は少なく、ま
た、軟鋼に通常含有される量が0.50wt%以下であ
ることから、上限は0.50wt%とする。よって、M
n含有量は0.10〜0.50wt%とするのである。
【0015】Pは強度を上昇させるけれども、加工性に
対する悪影響の少ない元素であり、塑性異方性が小さ
く、かつ、耐縦割れ性の優れた冷間圧延鋼板を得るため
には、結晶粒界に偏析し易く、粒界結合エネルギーを低
下させるPは耐縦割れ性向上のために低いほど良いので
あり、製鋼上の技術からPは0.002wt%未満の含
有量とすることはできず、また、耐縦割れ性および軟鋼
の強度の観点からP含有量は 0.04wt%を上限と
する。よって、P含有量は0.002〜0.04wt%と
する。
対する悪影響の少ない元素であり、塑性異方性が小さ
く、かつ、耐縦割れ性の優れた冷間圧延鋼板を得るため
には、結晶粒界に偏析し易く、粒界結合エネルギーを低
下させるPは耐縦割れ性向上のために低いほど良いので
あり、製鋼上の技術からPは0.002wt%未満の含
有量とすることはできず、また、耐縦割れ性および軟鋼
の強度の観点からP含有量は 0.04wt%を上限と
する。よって、P含有量は0.002〜0.04wt%と
する。
【0016】Sは加工性、特に、局部延性を著しく阻害
すると共に、強度に対する寄与は小さいので低いほど好
ましい。よって、S含有量は0.04wt%以下とす
る。
すると共に、強度に対する寄与は小さいので低いほど好
ましい。よって、S含有量は0.04wt%以下とす
る。
【0017】Alは本発明に係る塑性異方性の小さい冷
間圧延鋼板の製造方法における基本的思想はアルミニウ
ムキルド鋼にあることから、Al含有量は0.01wt
%以上含有することが望ましく、上限は溶製を行い易く
すること、表面性状を劣化させない含有量として0.0
8wt%を越えて含有させる必要はない。よって、Al
含有量は0.08wt%以下とする。
間圧延鋼板の製造方法における基本的思想はアルミニウ
ムキルド鋼にあることから、Al含有量は0.01wt
%以上含有することが望ましく、上限は溶製を行い易く
すること、表面性状を劣化させない含有量として0.0
8wt%を越えて含有させる必要はない。よって、Al
含有量は0.08wt%以下とする。
【0018】さらに、通常は加工性を向上させるため
に、Ti、Nb等の炭・窒化物形成元素を含有させるこ
とが広く行われてきているが、アルミニウムキルド鋼を
基本思想とすると共に、C含有量を0.01〜0.07w
t%の領域を対象としているために、強度を上昇させる
これらの炭・窒化物形成元素を含有させることは本質的
に行わないのである。
に、Ti、Nb等の炭・窒化物形成元素を含有させるこ
とが広く行われてきているが、アルミニウムキルド鋼を
基本思想とすると共に、C含有量を0.01〜0.07w
t%の領域を対象としているために、強度を上昇させる
これらの炭・窒化物形成元素を含有させることは本質的
に行わないのである。
【0019】次に、本発明に係る塑性異方性の小さい冷
間圧延鋼板の製造方法の製造条件について説明する。
間圧延鋼板の製造方法の製造条件について説明する。
【0020】上記に説明した含有成分および成分割合の
鋼を溶製し、スラブを製作し、このスラブを熱間圧延前
に1000〜1150℃の温度に均熱するのである。こ
の温度に均熱するのは、析出物を大きくし、さらに、そ
の量を少なくすることにより、冷間圧延後の焼鈍工程に
おける粒成長性を促進して、加工性を向上させることに
ある。
鋼を溶製し、スラブを製作し、このスラブを熱間圧延前
に1000〜1150℃の温度に均熱するのである。こ
の温度に均熱するのは、析出物を大きくし、さらに、そ
の量を少なくすることにより、冷間圧延後の焼鈍工程に
おける粒成長性を促進して、加工性を向上させることに
ある。
【0021】従来から行われているスラブの高温均熱で
は冷間圧延後の焼鈍工程において、微細なアルミニウム
窒化物(AlN)が再結晶前に多量に析出する結果、粒成
長が阻害され、従って、所望の機械的性質が得られない
という問題があった。即ち、図1にスラブ均熱温度と冷
間圧延・焼鈍後の結晶粒度との関係を示しており、粒成
長性はスラブ均熱温度が1050℃前後において最大の
方向に向かうことを示している。
は冷間圧延後の焼鈍工程において、微細なアルミニウム
窒化物(AlN)が再結晶前に多量に析出する結果、粒成
長が阻害され、従って、所望の機械的性質が得られない
という問題があった。即ち、図1にスラブ均熱温度と冷
間圧延・焼鈍後の結晶粒度との関係を示しており、粒成
長性はスラブ均熱温度が1050℃前後において最大の
方向に向かうことを示している。
【0022】この均熱後に熱間圧延を行うのであるが、
熱間圧延の仕上温度は780℃〜Ar3点以上とするが
よく、加工用鋼板を製造する場合には、Ar3点以上に
おいて熱間圧延を完了させれば組織が整細粒となり、冷
間圧延・焼鈍後に加工性を向上させることができる。
熱間圧延の仕上温度は780℃〜Ar3点以上とするが
よく、加工用鋼板を製造する場合には、Ar3点以上に
おいて熱間圧延を完了させれば組織が整細粒となり、冷
間圧延・焼鈍後に加工性を向上させることができる。
【0023】従って、スラブ均熱温度を上記範囲に規定
することと、仕上温度を780℃以上の温度と組み合わ
せることにより、即ち、フェライトとオーステナイトの
混在する領域の仕上温度であっても、円筒絞り成形に充
分耐える加工性が付与されると共に塑性異方性の小さい
鋼板が製造できるものである。図2にこの結果を示す。
(この図2において、均熱温度は1070℃であ
る。)。
することと、仕上温度を780℃以上の温度と組み合わ
せることにより、即ち、フェライトとオーステナイトの
混在する領域の仕上温度であっても、円筒絞り成形に充
分耐える加工性が付与されると共に塑性異方性の小さい
鋼板が製造できるものである。図2にこの結果を示す。
(この図2において、均熱温度は1070℃であ
る。)。
【0024】巻取温度は箱焼鈍の場合には650℃以下
の温度、連続焼鈍の場合には650℃以上の温度とする
のがよく、スラブの均熱条件においても説明したが、熱
間圧延時、仕上温度の高い、低いの如何を問わずスラブ
低温均熱過程で粒成長性を阻害しないある程度大きな析
出物が析出しており、アルミニウムキルド鋼としての前
析出の効果は得られるものの、箱焼鈍の場合には、焼鈍
途中析出の効果、連続焼鈍の場合には、焼鈍前析出の効
果を一層有効に利用するために、それぞれ焼鈍方法の違
いにより巻取温度を規制するものである。従って、この
巻取温度の限定により円筒絞り成形に充分耐える加工性
が得られると共に、塑性異方性の小さい鋼板を製造する
ことができるものである。
の温度、連続焼鈍の場合には650℃以上の温度とする
のがよく、スラブの均熱条件においても説明したが、熱
間圧延時、仕上温度の高い、低いの如何を問わずスラブ
低温均熱過程で粒成長性を阻害しないある程度大きな析
出物が析出しており、アルミニウムキルド鋼としての前
析出の効果は得られるものの、箱焼鈍の場合には、焼鈍
途中析出の効果、連続焼鈍の場合には、焼鈍前析出の効
果を一層有効に利用するために、それぞれ焼鈍方法の違
いにより巻取温度を規制するものである。従って、この
巻取温度の限定により円筒絞り成形に充分耐える加工性
が得られると共に、塑性異方性の小さい鋼板を製造する
ことができるものである。
【0025】熱間圧延鋼板を巻取った後、冷間圧延を行
うのであるが、冷間圧延率は65〜85%とするもので
あり、通常、この冷間圧延率は製品板厚と幅、要求され
る製品特性値により種々選択して行われるものであり、
普通は60〜80%の冷間圧延率で行われることが多
い。この冷間圧延率の上昇と共に加工性を向上させる
{111}は増加するが、ある冷間圧延率以上では加工
性を悪くする{200}が急激に増加するので加工性か
ら見て好ましい冷間圧延率の範囲が存在しており、通常
は、60〜80%で行われたのである。
うのであるが、冷間圧延率は65〜85%とするもので
あり、通常、この冷間圧延率は製品板厚と幅、要求され
る製品特性値により種々選択して行われるものであり、
普通は60〜80%の冷間圧延率で行われることが多
い。この冷間圧延率の上昇と共に加工性を向上させる
{111}は増加するが、ある冷間圧延率以上では加工
性を悪くする{200}が急激に増加するので加工性か
ら見て好ましい冷間圧延率の範囲が存在しており、通常
は、60〜80%で行われたのである。
【0026】しかして、本発明に係る塑性異方性の小さ
い冷間圧延鋼板の製造方法においては、スラブの低温均
熱、780℃〜Ar3点以上の熱間圧延仕上温度とする
ことを規制しているため、熱間圧延鋼板における析出物
の状態、結晶粒度の挙動が変化し、加工性が良くなり、
さらに、塑性異方性が小さくなるという最適の冷間圧延
率が高冷間圧延率側に移行して、65〜85%に最適値
がある。
い冷間圧延鋼板の製造方法においては、スラブの低温均
熱、780℃〜Ar3点以上の熱間圧延仕上温度とする
ことを規制しているため、熱間圧延鋼板における析出物
の状態、結晶粒度の挙動が変化し、加工性が良くなり、
さらに、塑性異方性が小さくなるという最適の冷間圧延
率が高冷間圧延率側に移行して、65〜85%に最適値
がある。
【0027】そして、冷間圧延後の再結晶焼鈍は、箱焼
鈍においては630℃以上、連続焼鈍においては680
℃以上の温度とする。この温度はそれぞれ各焼鈍方法の
場合における再結晶温度以上ということであり、焼鈍サ
イクルには特に規制するものではない。
鈍においては630℃以上、連続焼鈍においては680
℃以上の温度とする。この温度はそれぞれ各焼鈍方法の
場合における再結晶温度以上ということであり、焼鈍サ
イクルには特に規制するものではない。
【0028】
【実 施 例】本発明に係る塑性異方性の小さい冷間圧
延鋼板の製造方法について、実施例を説明する。
延鋼板の製造方法について、実施例を説明する。
【0029】
【実 施 例】表1に示す含有成分および成分割合の鋼を
常法に従って溶解、鋳造を行って、スラブを製作した。
常法に従って溶解、鋳造を行って、スラブを製作した。
【0030】このスラブを表2に示すように、均熱条
件、熱間圧延条件、冷間圧延率、焼鈍条件を種々変化さ
せて、0.8mm厚の冷間圧延鋼板を製造した。
件、熱間圧延条件、冷間圧延率、焼鈍条件を種々変化さ
せて、0.8mm厚の冷間圧延鋼板を製造した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】これらの材料について、引張試験、γ値に
よる塑性異方性の測定、100φブランクから3段絞り
で33φに成形したカップを用いて縦割れ遷移温度の測
定、平面曲げの耐疲労試験を行った。表3にその結果を
示す。
よる塑性異方性の測定、100φブランクから3段絞り
で33φに成形したカップを用いて縦割れ遷移温度の測
定、平面曲げの耐疲労試験を行った。表3にその結果を
示す。
【0034】
【表3】
【0035】表3から明らかなように、本発明に係る塑
性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法の範囲内にお
いて実施することにより、塑性異方性(△γ)が0.2以
下の鋼板が得られ、アルミニウムキルド鋼を使用するこ
とにより縦割れの遷移温度も大幅に低下していることが
わかる。図3に冷間圧延率とγと△γとの関係を示す。
性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法の範囲内にお
いて実施することにより、塑性異方性(△γ)が0.2以
下の鋼板が得られ、アルミニウムキルド鋼を使用するこ
とにより縦割れの遷移温度も大幅に低下していることが
わかる。図3に冷間圧延率とγと△γとの関係を示す。
【0036】また、表3において、特殊元素のTiを含
む極低炭素鋼は低いYPと高いγ値が得られるが、通常
の製法では△γはそれ程低下せず、さらに、成形時に耳
発生が問題となる円筒絞り時には縦割れの遷移温度がア
ルミニウムキルド鋼に比して、著しく高いために縦割れ
の危険性が顕著に増大するという問題がある。図4に遷
移温度と縦割れ発生率の関係を示す。
む極低炭素鋼は低いYPと高いγ値が得られるが、通常
の製法では△γはそれ程低下せず、さらに、成形時に耳
発生が問題となる円筒絞り時には縦割れの遷移温度がア
ルミニウムキルド鋼に比して、著しく高いために縦割れ
の危険性が顕著に増大するという問題がある。図4に遷
移温度と縦割れ発生率の関係を示す。
【0037】図5に本発明に係る塑性異方性の小さい冷
間圧延鋼板の製造方法により製造された鋼板の疲労試験
結果を示してあり、アルミニウムキルド鋼を基本とする
鋼は耐疲労特性に優れていることがわかる。
間圧延鋼板の製造方法により製造された鋼板の疲労試験
結果を示してあり、アルミニウムキルド鋼を基本とする
鋼は耐疲労特性に優れていることがわかる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る塑性
異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法は上記の構成を
有しているから、製造された鋼板は絞り成形時に耳発生
を小さく抑制すると共に他部品との接合部分の外観品質
を改善し、さらに、加工性の良好な特殊元素含有極低炭
素鋼の問題点である耐縦割れ性、疲労特性を大幅に改善
するという優れた効果を有するものである。
異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法は上記の構成を
有しているから、製造された鋼板は絞り成形時に耳発生
を小さく抑制すると共に他部品との接合部分の外観品質
を改善し、さらに、加工性の良好な特殊元素含有極低炭
素鋼の問題点である耐縦割れ性、疲労特性を大幅に改善
するという優れた効果を有するものである。
【図1】スラブ均熱温度と焼鈍板粒度との関係を示す図
である。
である。
【図2】圧延の仕上温度とγおよび△γとの関係を示す
図である。
図である。
【図3】冷間圧延率とγと△γとの関係を示す図であ
る。
る。
【図4】遷移温度と縦割れ発生率との関係を示す図であ
る。
る。
【図5】疲労試験結果を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
Claims (2)
- 【請求項1】C 0.01〜0.07wt%、Si 0.
5wt%以下、 Mn 0.10〜0.50wt%、P 0.002〜0.0
4wt%、 S 0.04wt%以下、Al 0.08wt%以下 を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を溶
製後スラブとし、このスラブを1000〜1150℃の
温度において均熱を行い、次いで、仕上げ温度を780
〜Ar3点以上および巻取り温度650℃以下の熱間圧
延を行い、65〜85%の冷間圧延を行った後、630
℃以上の温度において箱焼鈍を行うことを特徴とする塑
性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法。 - 【請求項2】C 0.01〜0.07wt%、Si 0.
5wt%以下、 Mn 0.10〜0.50wt%、P 0.002〜0.0
4wt%、 S 0.04wt%以下、Al 0.08wt%以下 を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を溶
製後スラブとし、このスラブを1000〜1150℃の
温度において均熱を行い、次いで、仕上げ温度を780
〜Ar3点以上および巻取り温度650℃以上の熱間圧
延を行い、65〜85%の冷間圧延を行った後、680
℃以上の温度において連続焼鈍を行うことを特徴とする
塑性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP40974790A JPH05339640A (ja) | 1990-12-10 | 1990-12-10 | 塑性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP40974790A JPH05339640A (ja) | 1990-12-10 | 1990-12-10 | 塑性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05339640A true JPH05339640A (ja) | 1993-12-21 |
Family
ID=18519034
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP40974790A Pending JPH05339640A (ja) | 1990-12-10 | 1990-12-10 | 塑性異方性の小さい冷間圧延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05339640A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100723165B1 (ko) * | 2005-05-03 | 2007-05-30 | 주식회사 포스코 | 소성이방성이 우수한 냉연강판과 그 제조방법 |
| JP2014058745A (ja) * | 2013-12-12 | 2014-04-03 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 冷延鋼板の製造方法 |
| JP2014098210A (ja) * | 2013-12-12 | 2014-05-29 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 構造部材 |
-
1990
- 1990-12-10 JP JP40974790A patent/JPH05339640A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100723165B1 (ko) * | 2005-05-03 | 2007-05-30 | 주식회사 포스코 | 소성이방성이 우수한 냉연강판과 그 제조방법 |
| JP2014058745A (ja) * | 2013-12-12 | 2014-04-03 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 冷延鋼板の製造方法 |
| JP2014098210A (ja) * | 2013-12-12 | 2014-05-29 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 構造部材 |
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