JPH0541676B2 - - Google Patents
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- JPH0541676B2 JPH0541676B2 JP59063847A JP6384784A JPH0541676B2 JP H0541676 B2 JPH0541676 B2 JP H0541676B2 JP 59063847 A JP59063847 A JP 59063847A JP 6384784 A JP6384784 A JP 6384784A JP H0541676 B2 JPH0541676 B2 JP H0541676B2
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Description
(発明の背景及び概要)
再生可能資源である森林資源のより一層有効な
利用方法の開発が現在大いに望まれているところ
である。また、パルプ工業や木材工業など木材を
原料とする工業では、木質系廃棄物の有効利用法
の確立が急がれている。 本発明は、プラスチツク性を付与した木材が、
好ましくはリグニンのフエノリシスを促進する触
媒の存在の下で、フエノール類により容易に、高
濃度で溶解するという事実の発見に基づいてなさ
れたものであり、更にこの溶解液が十分な接着強
度と、接着後の耐水性を備えた接着剤としてすぐ
れた性質をもつことを見出したことにより完成さ
れたものである。 本発明は、化学的に改質された木材などリグノ
セルロース材料(以下単に木材と称する)を好ま
しくは、適切な触媒の存在下で、250℃までの温
度、好ましくは80℃程度の中温での処理により、
50重量%以上という高濃度域を含め、フエノール
類に溶解させ、一般にはこれを中和した後、この
溶解液にホルマリン、又はヘキサメチレンテトラ
ミン類を添加し、必要に応じて、重付加・縮合の
ための触媒を加えて、加熱し、樹脂化を進めるこ
とを特徴とするプラスチツク化リグノセルロース
フエノール類樹脂接着剤の製造法に関するもので
ある。 本発明は、木材を利用した接着剤の製造法に関
するものであるが、とくに、プラスチツク化木材
をフエノール類に溶解させるにあたつて、塩酸な
ど適切な触媒を必要に応じて用い、木材中の主成
分の一つであるリグニンのフエノリシスを部分的
に、種々の度合に惹起せしめ、比較的緩やかな条
件で、溶解液をうることを特徴の一つとする。そ
のさい、フエノール類100部に対しプラスチツク
化木材を10〜1000倍量と広範囲に混合せしめるこ
とができる。 又、これら接着剤は、使用直前に、適当な架橋
剤と触媒を添加することによりとくに接着耐水性
が付与された接着剤とすることができる。 (従来技術) エステル化または、エーテル化のような簡単な
化学反応によつて、木材にプラスチツク性を付与
し、それにより、木材を含む木質系原料のより高
度で、新しい形での利用を図ろうとする試みがす
でに、提案されている。 例えば、特開昭57−103804号および同56−
135552号には、エステル化やエーテル化により、
木材の水酸基の一部あるいは全部に有機基を導入
する技術が開示され、このようにして得られたプ
ラスチツク化木材は、そのまま、または、各種合
成高分子物質と混合して成形原料として用いるこ
とができることが記載されている。また、特開昭
57−2360号には、水酸基の一部に、置換基をエス
テル化またはエーテル化により導入し、得られる
プラスチツク化木材を有機溶媒に溶解することか
らなる溶液を調製する技術が開示され、また、調
製された溶液は、単独、または、各種合成高分子
物質共溶下でフイルムに成形することが可能であ
ることが記載されている。 この外、プラスチツク化木材をフエノール類に
溶解させ、溶解液を接着剤とする技術及び繊維化
する技術について、現在特許出願中である。 しかしながら、これらの方法では、プラスチツ
ク化木材をフエノール類に高濃度で溶解させる場
合、まずニーダーを用い、フエノールの場合、た
とえば、50〜60℃で約0.5〜1時間程度混ねりし
たのち、還流装置付の反応器か耐圧容器に移し
て、200〜250℃の高温で数時間撹拌するか、ある
いは、最初から耐圧容器中で、高温(フエノール
の場合、たとえば230−270℃)加熱下で数時間撹
拌することを要する。ただ、接着剤の場合は、必
ずしもプラスチツク化木材をフエノール類中に完
全に溶解させる必要はなく、100〜120℃程度の中
温で、0.5〜2時間の混ねりで足りることもある
が、必ずしも最終的に得られる接着剤液の粘性や
溶液性が、接着剤として十分適切なものとなると
は限らない。 (発明の目的) 本発明の目的は溶液物性のすぐれたプラスチツ
ク化リグノセルローズ・フエノール類樹脂接着剤
を得る方法、および該接着剤に強い接着耐水性を
付与する方法を提供することにある。 (発明の構成) 本発明は、フエノール類100部に対して、水酸
基の一部もしくは全部に少なくとも一種の置換基
を導入することによりプラスチツク化した木材な
どのリグノセルロース材料を10〜1000部を加えて
フエノリシスし、その際原則としてリグニンのフ
エノリシスを促進する酸などの触媒の存在下で、
250度以下、好ましくは80℃程度の中温に加熱し
てその主成分をフエノリシスし、必要に応じて上
記触媒に用いた酸類を中和したのち、ホルマリ
ン、パラホルムアルデヒド、又はヘキサメチレン
テトラミン類を添加し、必要に応じて高分子化触
媒を加え、加熱反応により樹脂化を進めることを
特徴とするプラスチツク化リグノセルロースフエ
ノール類樹脂接着剤の製造法に関するものであ
る。 第1段階のフエノール類へのプラスチツク化木
材のようなプラスチツク化リグノセルローズ材料
の溶解の過程で、プラスチツク化木材の主成分、
とくにプラスチツク化リグニン分子内結合のフエ
ノリシスを併起させ、リグニンの分子内結合の
種々の程度の開裂をはかり、緩やかな条件、すな
わち、比較的低い溶解温度と、短い溶解時間にお
いて、溶解を行い、プラスチツク化木材のフエノ
ール溶液を容易に調製し、最終的に得られる接着
剤液の溶液性を高め、その作業性を適当なものと
する。 本発明で製造される接着剤は、使用前に、架橋
剤及び架橋反応を助長するための触媒を添加し
て、接着の耐水性、耐候性をさらに高めることが
できる。 本発明製造法の出発原料としてのリグノセルロ
ーズ材料は、主として木材チツプ、木粉、爆砕パ
ルプもしくは機械パルプである。木材の種類には
制限がなく、どのような樹種にも適用することが
できる。 木材原料に置換基を導入するためのプラスチツ
ク化改質反応は、木材原料中に存在するセルロー
ス、ヘミセルロース、あるいはリグニンの各々の
水酸基の少なくとも一部に置換基を導入する反応
である。 導入置換基の種類および導入のための反応は、
目的とする接着剤の特性により選択すべきことは
云うまでもない。水酸基のエステル化ないしエー
テル化反応は比較的容易に採用することができる
反応である。 エステル化には酸ハロゲン化物、酸無水物およ
び脂肪酸などの各種酸が、またエーテル化には塩
化メチル、塩化エチル、塩化ベンジル、エチレン
クロルヒドリンなどハロゲン化物;モノクロル酢
酸ナトリウム;モノクロル酢酸などα−ハロゲン
酸;硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどジアルキル
硫酸;エチレンオキシド、プロピレンオキシドな
どエポキシ化合物;アクリロニトリルなど陰性基
で活性化されたビニル化合物;ジアゾメタン;ホ
ルムアルデヒドなどアルデヒド類;チタニウムア
ルキレートなどの有機金属化合物などが改質剤と
して使用される。また、これらの反応では前者で
硫酸、過塩素酸、ピリジン、塩化亜鉛など、後者
でカ性ソーダなどアルカリを触媒として用いるこ
とができる。 導入される有機基の好適例としては、アセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基、バレロイル基
などの脂肪族アシル基;ベンゾイル基その他の芳
香族アシル基;メチル基、エチル基などの低級ア
ルキル基;カルボキシメチル基;ヒドロキシメチ
ル基、ヒドロキシエチル基などヒドロキシアルキ
ル基;ポリオキシメチレン基、ポリオキシエチレ
ングリコール基などのポリオキシアルキレングリ
コール基;ベンジル基;ベンチル基、オクチル
基、ドデシル基などの長鎖アルキル基;シアノエ
チル基;メチレンエーテル基;および類縁基など
を挙げることができる。さらに、これらの有機基
の2種以上を、たとえばアセチル基とブチリル基
を導入することも可能である。 また、有機基のほかに、無機基、たとえばニト
ロ基や、炭素、水素、酸素、窒素以外の原子を含
む有機基、たとえば有機金属基を導入してもよ
い。導入置換基は必ずしも一種類に限る必要はな
い。 適切な置換度は、導入する置換基の種類と目的
とする接着剤の特性によつて異なる。 この木材のプラスチツク化改質処理は、公知の
技法に従つて実施できる。通常、溶媒または膨潤
剤の存在下に、室温ないし加温条件の下で、繊維
状、粉体状の木材を改質剤で処理する。改質処理
した木材は十分に洗浄する。例えば、水またはメ
タノールに投入し、集し、水またはメタノール
で洗浄し、その後、必要に応じ乾燥する。 本発明者の研究によれば、このような反応によ
り得られるプラスチツク化木材は、導入される置
換基の種類や置換度に応じ、これに依存した熱可
塑性が付与され、多くの場合、熱流動性をも示す
ようになると共に、水、各種水溶液、有機溶媒あ
るいはそれらの混合溶媒に対する溶解性、親和性
が改良され、高温で、長時間をかけるというよう
な厳しい溶解条件を採用すれば、溶媒の選択によ
り、完溶ないしそれに近い溶解状態を示すことが
できる。 さらに詳細に説明すると、木材は主成分(セル
ロース、ヘミセルロース、リグニン)のすべてが
反応性を有する水酸基を持つている。したがつ
て、木材のプラスチツク化にあたつては、水酸基
の反応のすべての種類が考えられ、莫大な数のも
のとなる。しかし、その際、比較的大きな置換基
を導入すると、木材は熱圧により、流動すらおこ
し、透明なフイルムへ成形しうるものとなる。脂
肪酸エステル化の範囲で考えると、ブチリル化以
上の脂肪酸アシル化で木材は熱流動を示す。エー
テル化では、ベンジル化などで、非常に熱流動性
が良く、いずれも透明なフイルムへの成形も出来
るものとなる。熱流動性も良いものは、溶剤への
溶解性も良い。 ところが、実用的なプラスチツク化法は、アセ
チル化、カルボキシメチル化、ヒドロキシエチル
化など置換基の分子容が比較的小さいものの場合
である。エーテル化の場合は置換度も割合低く、
木材中の水酸基の1/3がエーテル化されている程
度のものである。この場合、これらの熱流動性溶
解性は低くなる。 本発明は、このような事実を克服するものであ
り、プラスチツク化木材のフエノール類への溶解
過程で、プラスチツク化木材の主としてリグニン
区分のフエノリシスを併起させれば、溶解が著し
く促進され、しかも溶解を、より低温、短時間で
容易に行わせることができるという、本発明者の
新しい知見に基づいて完成したものである。 フエノリシスとは加溶媒分解(ソルボリシス)
の一種であり、本発明は、プラスチツク化木材に
おけるリグニン区分のフエノリシスを利用するも
のである。アセチル化木材、アセチル・ブチリル
化木材、カルボキシメチル化木材、ヒドロキシエ
チル化木材、ヒドロキシプロピル木材などは、フ
エノール類およびそれらの水溶液にたとえば、塩
酸のような酸などの触媒のもとで反応させると、
リグニン、炭水化物の結合を含むリグニン分子内
エーテル結合とくにベンジルエーテル結合が切断
されて、リグニンはフエノール誘導体として溶出
する。そこで、カルボキシメチル化木粉などをフ
エノリシスすることにより、リグニン分子内エー
テル結合を部分的にせよ切断して、フエノール類
への溶解性を向上せしめるので、溶液型反応性接
着剤の製造に利用することができる。この結果、
最終的に得られる接着剤は、溶解物性のすぐれた
ものとなるのである。 用いるフエノール類の種類、プラスチツク化木
材の調製方法、木材中に導入する置換基の種類、
置換度などによつて、フエノリシスの進行程度が
異なり、したがつて、溶解性も異なつたものとな
り、最終的に得られる接着剤の溶液物性が異なつ
たものとなり、いろいろな溶液物性を示す接着剤
が得られる。 又、プラスチツク化木材の種類に応じて、有機
溶剤溶性の接着剤および水溶性接着剤を、それぞ
れに調製しうる。 本発明でいうフエノール類は、ベンゼン環、ナ
フタリン環、その他の芳香族性の環に結合する水
素原子を水酸基で置換した化合物を総称するもの
で、一価のフエノールとしてのフエノール、o−
クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、
3,5−キシレノール、2,3−キシレノール、
α−ナフトールなど、二価のフエノールとしての
カテコール、レゾルシノールなど、三価のフエノ
ールとしてのフロログルシンなどが挙げられる。
それらのフエノール類の混合物であつても良い。 本発明の製造方法におけるフエノリシスは、ク
ーラ付の容器で十分行わせることができる。溶解
温度範囲は室温から250℃の範囲が適当で、溶解
時間は、他の条件に大いに左右されるが15分程度
から数時間程度である。この結果、プラスチツク
化木材の溶解濃度は、重量ベースで、数%以下か
ら95%の間で可能となる。 フエノリシスを起させるための条件は、塩酸硫
酸、トリフルオロ酢酸等の鉱酸から、塩化アルミ
ニウム、塩化亜鉛等のルイス酸などの酸のような
リグニンのフエノリシスを促進する触媒の存在下
で加熱処理を施すことである。フエノール類、プ
ラスチツク化処理などの種類によつては触媒を必
要としない場合もある。 アセチル化木材、カルボキシメチル化木材、ヒ
ドロキシエチル化木材などの場合、80℃程度で、
フエノールに上記濃度範囲となるよう溶解させる
ときは、フエノールに対し、0.5から20数%の塩
酸の共存が必要であるが、数分から数時間で、フ
エノリシスを併起し、完全な溶液が得られる。レ
ゾルシノールに溶解させるときは、100〜200℃
で、とくに酸触媒を必要としないで、良好な溶液
が得られる。 硫酸を触媒とし、無水酢酸−酢酸系で、50℃以
下で、アセチル化して得たアセチル化木材は、反
応後、かなり良く洗浄しても、硫酸が木材中のセ
ルロースへの結合硫酸として残存しがちである
が、これは、溶解過程でフエノリシスの触媒とし
て働きうる。たとえば、アセチル化剤として同じ
無水酢酸−酢酸を用い、触媒として硫酸又は過塩
素酸を使用し、それぞれ、アセチル化し、十分洗
浄して得たアセチル化木材を、それぞれ、等重量
のフエノールと混合し、250℃に加熱して約30分
放置すると、硫酸を触媒としたアセチル化木材
は、粘稠な完全な溶液となるが、一方過塩素酸を
触媒としたアセチル化木材は、膨潤するのみで、
溶液からははるかに離れた状態にある。後者の場
合でも、さらに長時間、すなわち、約5時間放置
すると、溶液状になる。 従来、木材のフエノリシスは高温が必要である
と一般に考えられていたが、本発明の場合、80℃
程度の中温で可能であることは注目されることで
ある。 無水トリフルオロ酢酸−酢酸系でアセチル化し
た木材も、容易にフエノールに溶解する。これは
トリフルオロ酢酸により、リグニンのエーテル結
合の一部、とくにα−0−4結合が、開裂される
と共に、微量アシル基として導入されて、木材中
に残留しているトリフルオロアセチル基が、この
フエノールへの溶解過程で脱離され、フエノリシ
ス触媒として働くことが、原因として考えられ
る。 溶解装置としてニーダーなど、溶解時に十分な
撹拌が可能であり、しかも、その撹拌時にトルク
をかけることができる反応器を用いると、溶解を
助長し、フエノリシス・溶解条件を緩和すること
が出来る。また、溶解時に、最初から、あるい
は、その途中より、水や有機溶媒を添加共存さ
せ、より均一に混合し、溶解することも可能であ
る。添加することができる溶媒は、たとえば、ア
セチル化木材の場合、アセトン、酢酸エチル、ジ
メチルホルムアミドなど有機溶媒、また、カルボ
キシメチル化木材、ヒドロキシエチル化木材など
では、水などである。 フエノリシスにあたつては、フエノール類100
部に対しリグノセルローズ材料を10−1000部加え
る。低濃度溶液は、容易に調製できるが、木材成
分利用の接着剤として10%程度はなければ無意味
なので下限を10部とした。上限は、性能上十分意
味のある接着剤を得る範囲として1000部とした。 第1段階のあと、必要に応じて、フエノリシス
の際使用した触媒を中和する。たとえば次の樹脂
化の第2段階でカ性ソーダを触媒に使う場合は、
この中和にあたつて同カ性ソーダを利用してよ
い。又塩酸のような酸をその後樹脂化の触媒とし
て用いるとか、塩酸やトリフルオロ酢酸のような
触媒を回収することができることもあり、これら
の場合中和の必要性はない。 本発明の第2段階は、得られたプラスチツク化
木材のフエノール類溶液に、ホルマリン、パラホ
ルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミンな
ど、フエノール類と反応し、高分子化しうる試薬
を加え、必要に応じて触媒を加え、たとえば60〜
100℃あるいはそれ以上の温度で、所定の時間樹
脂化反応を行い、接着剤として適切な物性をそな
えたプレポリマーを得る過程である。 この第2段階は、従来のフエノール樹脂初期縮
合物を得る条件に準じて行うことができ、同条件
は、フエノールの種類、それと反応させる物質な
どによつて異なる。たとえば、水溶液フエノール
ホルムアルデヒド樹脂初期縮合物とするときはカ
性ソーダなどのアルカリ、フエノールヘキサメチ
レンテトラミン樹脂化の場合は無触媒ないし酸触
媒、レゾルシノール・ホルマリン樹脂化の場合は
触媒を使用しなくても可能である。 本発明で得られる接着剤の性能を改善するた
め、使用前に各種の添加剤を添加することができ
る。とくに架橋剤の添加により、上記接着剤に所
望の接着の耐水性、耐候性を与えることができ
る。しかし、この架橋剤の添加がない場合におい
て、耐水性、耐候性を備えた接着が得られないわ
けではない。ホルマリンの量を適切に選択すれば
耐水性、耐候性のある接着が得られる。使用でき
る架橋剤としては、ジイソシアネート化合物など
多価イソシアネート化合物、ジグリシジル化合物
など多価グリシジル化合物、一般にジエポキシ化
合物など多価エポキシ化合物を用いることができ
る。この場合、必要に応じ、触媒や反応促進剤を
適量添加する。 さらに、接着剤の性能を改善するためには、プ
レポリマー溶液状接着剤に、天然および合成高分
子類、オリゴマー類、低分子量可塑剤、およびそ
の他の従来公知の添加剤(耐熱剤、耐候剤、滑
剤、繊維状補強剤、充てん剤、増量剤)などを添
加することができる。 高分子添加物としては、セルロースアセテート
等天然高分子類、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルア
ルコール(部分けん化物を含む)、ポリメチルメ
タクリレート、ポリ塩化ビニルなどビニル系高分
子類、エチレン酢酸ビニル共重合体など共重合体
類、ナイロン6などポリアミド類、ポリエチレン
テレフタレートなどの熱可塑性ポリエステル類、
ポリカーボネート類、ポリエーテル類、エポキシ
樹脂類、など、および、これらの混合物をあげる
ことが出来るが、中でもとくに、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリメチルメタクリレート、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチルアクリレート−メチルメ
タクリレート共重合体、セルロースナイトレート
などが、プラスチツク化木材との親和性、混和性
が良好であり、接着性向上に好適に用いうる。 オリゴマー類としては、フエノール−ホルマリ
ン初期縮合物、レゾルシノール−ホルマリン初期
縮合物などホルマリン樹脂類、低縮合度アルキツ
ド樹脂、ポリエチレングリコールエステルなどグ
リコールエステル類を好適に用いることができ
る。これらの場合、その水溶液をプラスチツク化
木材−フエノール類ホルマリン樹脂初期縮合物溶
液に混合するといつた形で使用される。 低分子量可塑剤としては、フタル酸ジメチルな
どフタル酸ジエステル類、アジピン酸ジ(2−エ
チルヘキシル)など脂肪族二塩基酸エステル類、
リン酸トリエステル類、エポキシ脂肪酸エステル
などエポキシ化合物、ロジ類などがある。 これら架橋剤、触媒、反応促進剤などの添加時
期は接着剤使用前とするのが普通である。 本発明で得られる接着剤は通常は、溶液ないし
ペースト状で、被接着面に塗布することにより使
用されるが、場合により、非サイズ紙などに含浸
し乾燥させた接合紙としたのち、それを接着面に
挿入して熱圧接着することも可能である。 この接着剤を用いての接着は、ホツトプレスに
よる加熱、高周波加熱、マイクロ波加熱、低電圧
加熱による熱圧によつて適宜行なうことができ
る。 本発明で製造される接着剤は、主として木質建
材用に用いることができる外、一般木工用、木材
と他材料との接着、さらには、他材料同志の接着
にも使用できる。木質建材とは、合板、パーテク
ルボード、フアイバーボードなど、接着剤を用い
て成形される木質建材を指し、一般木工用とは、
家具、キヤビネツト、箱、その他の製造のさい行
なわれる接着を指す。 以下に実施例を挙げて、更に説明する。 実施例 1 (1) カルボキシメチル化木粉の調製 マカンバ木粉(20−60メツシユ)を原料とし
て、イソプロパノールを媒体とする従来公知の
標準的溶媒法(“Methods in Carbohydrate
Chemistry”Vol.、p.322 Acadmic Press
(1963)参照)でカルボキシメチル化木粉を調
製した。そのさい、木粉とモノクロル酢酸の仕
込み重量比を5:6とするものを標準とした
が、後出のように、後者の仕込量をその1/3あ
るいは1/4としての、カルボキシメチル化木粉
の調製も行なつた。 (2) カルボキシメチル化木粉のフエノリシス フエノール5gを50ml容丸底フラスコに秤り
取り、50〜60℃に昇温して溶融させる。ここ
に、35%塩酸水溶液1.7mlを加え、均一に混合
する。次いで、カルボキシメチル化木粉5gを
加えて、80℃で1時間放置し、引続き30分その
状態で撹拌する。その終了時には、カルボキシ
メチル化木材は溶液化され、黒色の粘性のある
溶液となる。 (3) フエノリシスされたカルボキシメチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 上記のようにフエノリシスされたカルボキシ
メチル化木粉のフエノール溶液に、PH9となる
様50%苛性ソーダ水溶液を加えたのち、35%ホ
ルマリンを6.5g加え、撹拌下、80〜90℃で3
時間、メチロール化および部分的共縮合反応を
行い、カルボキシメチル化木材−フエノール−
ホルムアルデヒド樹脂初期縮合物水溶液を得
た。ここで、PH11になる様に50%苛性ソーダ水
溶液を加え、室温で保存した。 得られた接着剤液の粘性など溶液物性は、市
販フエノール樹脂接着剤のそれと、良く似たも
のである。従つて、良好な接着を行なうために
は、粘性の増大を図る必要があり、ここでは、
接着時に、この接着剤100部に対して、小麦粉
10部を混合して用いた。 (4) 接着試験方法および接着結果 被着材木材試験片には、30mm(L)×25mm(R)×10
mm(T)のカバ柾目板試験片を用い、25mm(L)×25mm
(R)面を接着面とした。塗布量は、320〜370g/
m2、熱板温度170℃、圧締力15Kg/cm2、熱圧時
間25分とした。そのさい、試片厚が1cmであ
り、接着層の実際の温度が問題となり、熱電対
を接着層に挿入して、実測した結果、上記の
170℃の熱板温度を用いる場合、この種のフエ
ノール樹脂の硬化に必要な130℃に接着層温度
が達するのに、20分を要することが知られた。
その意味では、上記の条件は、単板接着の場合
の、130℃、5分の熱圧という条件に相当する。
この点についても、単板を用いて接着層温度を
実測することにより確かめた。 接着後、冷圧締下(15Kg/cm2)で室温まで試
片温度を下げ、接着試験を行なつた。接着試験
はJIS−K−6852に準拠して、圧縮剪断試験を
行ない、接着力を測定した。 接着試験の結果、上記の接着剤での常態接着
力は、193Kg/cm2にも達し、JIS規格の要求する
接着力(100Kg/cm2)を十分に超える値となつ
た。木破率は90%に達した。 実施例 2 (1) カルボキシメチル化木粉の調製 カルボキシメチル化木粉は、実施例1の(1)と
同様に調製した。 (2) カルボキシメチル化木粉のフエノリシス カルボキシメチル化木粉のフエノリシスも実
施例1の(2)と同様に行なつた。 (3) フエノリシスされたカルボキシメチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 フエノリシスを十分行ない、フエノールに対
して1.4倍モル量のホルムアルデヒドを含むホ
ルマリンを加え、PH9で80−90℃の下、3時間
樹脂化を行い、上記のようにPH11としたのち、
30〜60分、さらに80℃で、加熱を続けさらに樹
脂化を進めることにより、接着剤として適当な
粘度を持つ樹脂を得た。この樹脂を接着剤とし
て、そのまゝ用いた。 (4) 接着試験方法および接着結果 接着試験方法は、熱板温度を150℃とする以
外、実施例1の(4)に準じた。 結果の1例は、次の通りである。
利用方法の開発が現在大いに望まれているところ
である。また、パルプ工業や木材工業など木材を
原料とする工業では、木質系廃棄物の有効利用法
の確立が急がれている。 本発明は、プラスチツク性を付与した木材が、
好ましくはリグニンのフエノリシスを促進する触
媒の存在の下で、フエノール類により容易に、高
濃度で溶解するという事実の発見に基づいてなさ
れたものであり、更にこの溶解液が十分な接着強
度と、接着後の耐水性を備えた接着剤としてすぐ
れた性質をもつことを見出したことにより完成さ
れたものである。 本発明は、化学的に改質された木材などリグノ
セルロース材料(以下単に木材と称する)を好ま
しくは、適切な触媒の存在下で、250℃までの温
度、好ましくは80℃程度の中温での処理により、
50重量%以上という高濃度域を含め、フエノール
類に溶解させ、一般にはこれを中和した後、この
溶解液にホルマリン、又はヘキサメチレンテトラ
ミン類を添加し、必要に応じて、重付加・縮合の
ための触媒を加えて、加熱し、樹脂化を進めるこ
とを特徴とするプラスチツク化リグノセルロース
フエノール類樹脂接着剤の製造法に関するもので
ある。 本発明は、木材を利用した接着剤の製造法に関
するものであるが、とくに、プラスチツク化木材
をフエノール類に溶解させるにあたつて、塩酸な
ど適切な触媒を必要に応じて用い、木材中の主成
分の一つであるリグニンのフエノリシスを部分的
に、種々の度合に惹起せしめ、比較的緩やかな条
件で、溶解液をうることを特徴の一つとする。そ
のさい、フエノール類100部に対しプラスチツク
化木材を10〜1000倍量と広範囲に混合せしめるこ
とができる。 又、これら接着剤は、使用直前に、適当な架橋
剤と触媒を添加することによりとくに接着耐水性
が付与された接着剤とすることができる。 (従来技術) エステル化または、エーテル化のような簡単な
化学反応によつて、木材にプラスチツク性を付与
し、それにより、木材を含む木質系原料のより高
度で、新しい形での利用を図ろうとする試みがす
でに、提案されている。 例えば、特開昭57−103804号および同56−
135552号には、エステル化やエーテル化により、
木材の水酸基の一部あるいは全部に有機基を導入
する技術が開示され、このようにして得られたプ
ラスチツク化木材は、そのまま、または、各種合
成高分子物質と混合して成形原料として用いるこ
とができることが記載されている。また、特開昭
57−2360号には、水酸基の一部に、置換基をエス
テル化またはエーテル化により導入し、得られる
プラスチツク化木材を有機溶媒に溶解することか
らなる溶液を調製する技術が開示され、また、調
製された溶液は、単独、または、各種合成高分子
物質共溶下でフイルムに成形することが可能であ
ることが記載されている。 この外、プラスチツク化木材をフエノール類に
溶解させ、溶解液を接着剤とする技術及び繊維化
する技術について、現在特許出願中である。 しかしながら、これらの方法では、プラスチツ
ク化木材をフエノール類に高濃度で溶解させる場
合、まずニーダーを用い、フエノールの場合、た
とえば、50〜60℃で約0.5〜1時間程度混ねりし
たのち、還流装置付の反応器か耐圧容器に移し
て、200〜250℃の高温で数時間撹拌するか、ある
いは、最初から耐圧容器中で、高温(フエノール
の場合、たとえば230−270℃)加熱下で数時間撹
拌することを要する。ただ、接着剤の場合は、必
ずしもプラスチツク化木材をフエノール類中に完
全に溶解させる必要はなく、100〜120℃程度の中
温で、0.5〜2時間の混ねりで足りることもある
が、必ずしも最終的に得られる接着剤液の粘性や
溶液性が、接着剤として十分適切なものとなると
は限らない。 (発明の目的) 本発明の目的は溶液物性のすぐれたプラスチツ
ク化リグノセルローズ・フエノール類樹脂接着剤
を得る方法、および該接着剤に強い接着耐水性を
付与する方法を提供することにある。 (発明の構成) 本発明は、フエノール類100部に対して、水酸
基の一部もしくは全部に少なくとも一種の置換基
を導入することによりプラスチツク化した木材な
どのリグノセルロース材料を10〜1000部を加えて
フエノリシスし、その際原則としてリグニンのフ
エノリシスを促進する酸などの触媒の存在下で、
250度以下、好ましくは80℃程度の中温に加熱し
てその主成分をフエノリシスし、必要に応じて上
記触媒に用いた酸類を中和したのち、ホルマリ
ン、パラホルムアルデヒド、又はヘキサメチレン
テトラミン類を添加し、必要に応じて高分子化触
媒を加え、加熱反応により樹脂化を進めることを
特徴とするプラスチツク化リグノセルロースフエ
ノール類樹脂接着剤の製造法に関するものであ
る。 第1段階のフエノール類へのプラスチツク化木
材のようなプラスチツク化リグノセルローズ材料
の溶解の過程で、プラスチツク化木材の主成分、
とくにプラスチツク化リグニン分子内結合のフエ
ノリシスを併起させ、リグニンの分子内結合の
種々の程度の開裂をはかり、緩やかな条件、すな
わち、比較的低い溶解温度と、短い溶解時間にお
いて、溶解を行い、プラスチツク化木材のフエノ
ール溶液を容易に調製し、最終的に得られる接着
剤液の溶液性を高め、その作業性を適当なものと
する。 本発明で製造される接着剤は、使用前に、架橋
剤及び架橋反応を助長するための触媒を添加し
て、接着の耐水性、耐候性をさらに高めることが
できる。 本発明製造法の出発原料としてのリグノセルロ
ーズ材料は、主として木材チツプ、木粉、爆砕パ
ルプもしくは機械パルプである。木材の種類には
制限がなく、どのような樹種にも適用することが
できる。 木材原料に置換基を導入するためのプラスチツ
ク化改質反応は、木材原料中に存在するセルロー
ス、ヘミセルロース、あるいはリグニンの各々の
水酸基の少なくとも一部に置換基を導入する反応
である。 導入置換基の種類および導入のための反応は、
目的とする接着剤の特性により選択すべきことは
云うまでもない。水酸基のエステル化ないしエー
テル化反応は比較的容易に採用することができる
反応である。 エステル化には酸ハロゲン化物、酸無水物およ
び脂肪酸などの各種酸が、またエーテル化には塩
化メチル、塩化エチル、塩化ベンジル、エチレン
クロルヒドリンなどハロゲン化物;モノクロル酢
酸ナトリウム;モノクロル酢酸などα−ハロゲン
酸;硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどジアルキル
硫酸;エチレンオキシド、プロピレンオキシドな
どエポキシ化合物;アクリロニトリルなど陰性基
で活性化されたビニル化合物;ジアゾメタン;ホ
ルムアルデヒドなどアルデヒド類;チタニウムア
ルキレートなどの有機金属化合物などが改質剤と
して使用される。また、これらの反応では前者で
硫酸、過塩素酸、ピリジン、塩化亜鉛など、後者
でカ性ソーダなどアルカリを触媒として用いるこ
とができる。 導入される有機基の好適例としては、アセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基、バレロイル基
などの脂肪族アシル基;ベンゾイル基その他の芳
香族アシル基;メチル基、エチル基などの低級ア
ルキル基;カルボキシメチル基;ヒドロキシメチ
ル基、ヒドロキシエチル基などヒドロキシアルキ
ル基;ポリオキシメチレン基、ポリオキシエチレ
ングリコール基などのポリオキシアルキレングリ
コール基;ベンジル基;ベンチル基、オクチル
基、ドデシル基などの長鎖アルキル基;シアノエ
チル基;メチレンエーテル基;および類縁基など
を挙げることができる。さらに、これらの有機基
の2種以上を、たとえばアセチル基とブチリル基
を導入することも可能である。 また、有機基のほかに、無機基、たとえばニト
ロ基や、炭素、水素、酸素、窒素以外の原子を含
む有機基、たとえば有機金属基を導入してもよ
い。導入置換基は必ずしも一種類に限る必要はな
い。 適切な置換度は、導入する置換基の種類と目的
とする接着剤の特性によつて異なる。 この木材のプラスチツク化改質処理は、公知の
技法に従つて実施できる。通常、溶媒または膨潤
剤の存在下に、室温ないし加温条件の下で、繊維
状、粉体状の木材を改質剤で処理する。改質処理
した木材は十分に洗浄する。例えば、水またはメ
タノールに投入し、集し、水またはメタノール
で洗浄し、その後、必要に応じ乾燥する。 本発明者の研究によれば、このような反応によ
り得られるプラスチツク化木材は、導入される置
換基の種類や置換度に応じ、これに依存した熱可
塑性が付与され、多くの場合、熱流動性をも示す
ようになると共に、水、各種水溶液、有機溶媒あ
るいはそれらの混合溶媒に対する溶解性、親和性
が改良され、高温で、長時間をかけるというよう
な厳しい溶解条件を採用すれば、溶媒の選択によ
り、完溶ないしそれに近い溶解状態を示すことが
できる。 さらに詳細に説明すると、木材は主成分(セル
ロース、ヘミセルロース、リグニン)のすべてが
反応性を有する水酸基を持つている。したがつ
て、木材のプラスチツク化にあたつては、水酸基
の反応のすべての種類が考えられ、莫大な数のも
のとなる。しかし、その際、比較的大きな置換基
を導入すると、木材は熱圧により、流動すらおこ
し、透明なフイルムへ成形しうるものとなる。脂
肪酸エステル化の範囲で考えると、ブチリル化以
上の脂肪酸アシル化で木材は熱流動を示す。エー
テル化では、ベンジル化などで、非常に熱流動性
が良く、いずれも透明なフイルムへの成形も出来
るものとなる。熱流動性も良いものは、溶剤への
溶解性も良い。 ところが、実用的なプラスチツク化法は、アセ
チル化、カルボキシメチル化、ヒドロキシエチル
化など置換基の分子容が比較的小さいものの場合
である。エーテル化の場合は置換度も割合低く、
木材中の水酸基の1/3がエーテル化されている程
度のものである。この場合、これらの熱流動性溶
解性は低くなる。 本発明は、このような事実を克服するものであ
り、プラスチツク化木材のフエノール類への溶解
過程で、プラスチツク化木材の主としてリグニン
区分のフエノリシスを併起させれば、溶解が著し
く促進され、しかも溶解を、より低温、短時間で
容易に行わせることができるという、本発明者の
新しい知見に基づいて完成したものである。 フエノリシスとは加溶媒分解(ソルボリシス)
の一種であり、本発明は、プラスチツク化木材に
おけるリグニン区分のフエノリシスを利用するも
のである。アセチル化木材、アセチル・ブチリル
化木材、カルボキシメチル化木材、ヒドロキシエ
チル化木材、ヒドロキシプロピル木材などは、フ
エノール類およびそれらの水溶液にたとえば、塩
酸のような酸などの触媒のもとで反応させると、
リグニン、炭水化物の結合を含むリグニン分子内
エーテル結合とくにベンジルエーテル結合が切断
されて、リグニンはフエノール誘導体として溶出
する。そこで、カルボキシメチル化木粉などをフ
エノリシスすることにより、リグニン分子内エー
テル結合を部分的にせよ切断して、フエノール類
への溶解性を向上せしめるので、溶液型反応性接
着剤の製造に利用することができる。この結果、
最終的に得られる接着剤は、溶解物性のすぐれた
ものとなるのである。 用いるフエノール類の種類、プラスチツク化木
材の調製方法、木材中に導入する置換基の種類、
置換度などによつて、フエノリシスの進行程度が
異なり、したがつて、溶解性も異なつたものとな
り、最終的に得られる接着剤の溶液物性が異なつ
たものとなり、いろいろな溶液物性を示す接着剤
が得られる。 又、プラスチツク化木材の種類に応じて、有機
溶剤溶性の接着剤および水溶性接着剤を、それぞ
れに調製しうる。 本発明でいうフエノール類は、ベンゼン環、ナ
フタリン環、その他の芳香族性の環に結合する水
素原子を水酸基で置換した化合物を総称するもの
で、一価のフエノールとしてのフエノール、o−
クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、
3,5−キシレノール、2,3−キシレノール、
α−ナフトールなど、二価のフエノールとしての
カテコール、レゾルシノールなど、三価のフエノ
ールとしてのフロログルシンなどが挙げられる。
それらのフエノール類の混合物であつても良い。 本発明の製造方法におけるフエノリシスは、ク
ーラ付の容器で十分行わせることができる。溶解
温度範囲は室温から250℃の範囲が適当で、溶解
時間は、他の条件に大いに左右されるが15分程度
から数時間程度である。この結果、プラスチツク
化木材の溶解濃度は、重量ベースで、数%以下か
ら95%の間で可能となる。 フエノリシスを起させるための条件は、塩酸硫
酸、トリフルオロ酢酸等の鉱酸から、塩化アルミ
ニウム、塩化亜鉛等のルイス酸などの酸のような
リグニンのフエノリシスを促進する触媒の存在下
で加熱処理を施すことである。フエノール類、プ
ラスチツク化処理などの種類によつては触媒を必
要としない場合もある。 アセチル化木材、カルボキシメチル化木材、ヒ
ドロキシエチル化木材などの場合、80℃程度で、
フエノールに上記濃度範囲となるよう溶解させる
ときは、フエノールに対し、0.5から20数%の塩
酸の共存が必要であるが、数分から数時間で、フ
エノリシスを併起し、完全な溶液が得られる。レ
ゾルシノールに溶解させるときは、100〜200℃
で、とくに酸触媒を必要としないで、良好な溶液
が得られる。 硫酸を触媒とし、無水酢酸−酢酸系で、50℃以
下で、アセチル化して得たアセチル化木材は、反
応後、かなり良く洗浄しても、硫酸が木材中のセ
ルロースへの結合硫酸として残存しがちである
が、これは、溶解過程でフエノリシスの触媒とし
て働きうる。たとえば、アセチル化剤として同じ
無水酢酸−酢酸を用い、触媒として硫酸又は過塩
素酸を使用し、それぞれ、アセチル化し、十分洗
浄して得たアセチル化木材を、それぞれ、等重量
のフエノールと混合し、250℃に加熱して約30分
放置すると、硫酸を触媒としたアセチル化木材
は、粘稠な完全な溶液となるが、一方過塩素酸を
触媒としたアセチル化木材は、膨潤するのみで、
溶液からははるかに離れた状態にある。後者の場
合でも、さらに長時間、すなわち、約5時間放置
すると、溶液状になる。 従来、木材のフエノリシスは高温が必要である
と一般に考えられていたが、本発明の場合、80℃
程度の中温で可能であることは注目されることで
ある。 無水トリフルオロ酢酸−酢酸系でアセチル化し
た木材も、容易にフエノールに溶解する。これは
トリフルオロ酢酸により、リグニンのエーテル結
合の一部、とくにα−0−4結合が、開裂される
と共に、微量アシル基として導入されて、木材中
に残留しているトリフルオロアセチル基が、この
フエノールへの溶解過程で脱離され、フエノリシ
ス触媒として働くことが、原因として考えられ
る。 溶解装置としてニーダーなど、溶解時に十分な
撹拌が可能であり、しかも、その撹拌時にトルク
をかけることができる反応器を用いると、溶解を
助長し、フエノリシス・溶解条件を緩和すること
が出来る。また、溶解時に、最初から、あるい
は、その途中より、水や有機溶媒を添加共存さ
せ、より均一に混合し、溶解することも可能であ
る。添加することができる溶媒は、たとえば、ア
セチル化木材の場合、アセトン、酢酸エチル、ジ
メチルホルムアミドなど有機溶媒、また、カルボ
キシメチル化木材、ヒドロキシエチル化木材など
では、水などである。 フエノリシスにあたつては、フエノール類100
部に対しリグノセルローズ材料を10−1000部加え
る。低濃度溶液は、容易に調製できるが、木材成
分利用の接着剤として10%程度はなければ無意味
なので下限を10部とした。上限は、性能上十分意
味のある接着剤を得る範囲として1000部とした。 第1段階のあと、必要に応じて、フエノリシス
の際使用した触媒を中和する。たとえば次の樹脂
化の第2段階でカ性ソーダを触媒に使う場合は、
この中和にあたつて同カ性ソーダを利用してよ
い。又塩酸のような酸をその後樹脂化の触媒とし
て用いるとか、塩酸やトリフルオロ酢酸のような
触媒を回収することができることもあり、これら
の場合中和の必要性はない。 本発明の第2段階は、得られたプラスチツク化
木材のフエノール類溶液に、ホルマリン、パラホ
ルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミンな
ど、フエノール類と反応し、高分子化しうる試薬
を加え、必要に応じて触媒を加え、たとえば60〜
100℃あるいはそれ以上の温度で、所定の時間樹
脂化反応を行い、接着剤として適切な物性をそな
えたプレポリマーを得る過程である。 この第2段階は、従来のフエノール樹脂初期縮
合物を得る条件に準じて行うことができ、同条件
は、フエノールの種類、それと反応させる物質な
どによつて異なる。たとえば、水溶液フエノール
ホルムアルデヒド樹脂初期縮合物とするときはカ
性ソーダなどのアルカリ、フエノールヘキサメチ
レンテトラミン樹脂化の場合は無触媒ないし酸触
媒、レゾルシノール・ホルマリン樹脂化の場合は
触媒を使用しなくても可能である。 本発明で得られる接着剤の性能を改善するた
め、使用前に各種の添加剤を添加することができ
る。とくに架橋剤の添加により、上記接着剤に所
望の接着の耐水性、耐候性を与えることができ
る。しかし、この架橋剤の添加がない場合におい
て、耐水性、耐候性を備えた接着が得られないわ
けではない。ホルマリンの量を適切に選択すれば
耐水性、耐候性のある接着が得られる。使用でき
る架橋剤としては、ジイソシアネート化合物など
多価イソシアネート化合物、ジグリシジル化合物
など多価グリシジル化合物、一般にジエポキシ化
合物など多価エポキシ化合物を用いることができ
る。この場合、必要に応じ、触媒や反応促進剤を
適量添加する。 さらに、接着剤の性能を改善するためには、プ
レポリマー溶液状接着剤に、天然および合成高分
子類、オリゴマー類、低分子量可塑剤、およびそ
の他の従来公知の添加剤(耐熱剤、耐候剤、滑
剤、繊維状補強剤、充てん剤、増量剤)などを添
加することができる。 高分子添加物としては、セルロースアセテート
等天然高分子類、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルア
ルコール(部分けん化物を含む)、ポリメチルメ
タクリレート、ポリ塩化ビニルなどビニル系高分
子類、エチレン酢酸ビニル共重合体など共重合体
類、ナイロン6などポリアミド類、ポリエチレン
テレフタレートなどの熱可塑性ポリエステル類、
ポリカーボネート類、ポリエーテル類、エポキシ
樹脂類、など、および、これらの混合物をあげる
ことが出来るが、中でもとくに、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリメチルメタクリレート、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチルアクリレート−メチルメ
タクリレート共重合体、セルロースナイトレート
などが、プラスチツク化木材との親和性、混和性
が良好であり、接着性向上に好適に用いうる。 オリゴマー類としては、フエノール−ホルマリ
ン初期縮合物、レゾルシノール−ホルマリン初期
縮合物などホルマリン樹脂類、低縮合度アルキツ
ド樹脂、ポリエチレングリコールエステルなどグ
リコールエステル類を好適に用いることができ
る。これらの場合、その水溶液をプラスチツク化
木材−フエノール類ホルマリン樹脂初期縮合物溶
液に混合するといつた形で使用される。 低分子量可塑剤としては、フタル酸ジメチルな
どフタル酸ジエステル類、アジピン酸ジ(2−エ
チルヘキシル)など脂肪族二塩基酸エステル類、
リン酸トリエステル類、エポキシ脂肪酸エステル
などエポキシ化合物、ロジ類などがある。 これら架橋剤、触媒、反応促進剤などの添加時
期は接着剤使用前とするのが普通である。 本発明で得られる接着剤は通常は、溶液ないし
ペースト状で、被接着面に塗布することにより使
用されるが、場合により、非サイズ紙などに含浸
し乾燥させた接合紙としたのち、それを接着面に
挿入して熱圧接着することも可能である。 この接着剤を用いての接着は、ホツトプレスに
よる加熱、高周波加熱、マイクロ波加熱、低電圧
加熱による熱圧によつて適宜行なうことができ
る。 本発明で製造される接着剤は、主として木質建
材用に用いることができる外、一般木工用、木材
と他材料との接着、さらには、他材料同志の接着
にも使用できる。木質建材とは、合板、パーテク
ルボード、フアイバーボードなど、接着剤を用い
て成形される木質建材を指し、一般木工用とは、
家具、キヤビネツト、箱、その他の製造のさい行
なわれる接着を指す。 以下に実施例を挙げて、更に説明する。 実施例 1 (1) カルボキシメチル化木粉の調製 マカンバ木粉(20−60メツシユ)を原料とし
て、イソプロパノールを媒体とする従来公知の
標準的溶媒法(“Methods in Carbohydrate
Chemistry”Vol.、p.322 Acadmic Press
(1963)参照)でカルボキシメチル化木粉を調
製した。そのさい、木粉とモノクロル酢酸の仕
込み重量比を5:6とするものを標準とした
が、後出のように、後者の仕込量をその1/3あ
るいは1/4としての、カルボキシメチル化木粉
の調製も行なつた。 (2) カルボキシメチル化木粉のフエノリシス フエノール5gを50ml容丸底フラスコに秤り
取り、50〜60℃に昇温して溶融させる。ここ
に、35%塩酸水溶液1.7mlを加え、均一に混合
する。次いで、カルボキシメチル化木粉5gを
加えて、80℃で1時間放置し、引続き30分その
状態で撹拌する。その終了時には、カルボキシ
メチル化木材は溶液化され、黒色の粘性のある
溶液となる。 (3) フエノリシスされたカルボキシメチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 上記のようにフエノリシスされたカルボキシ
メチル化木粉のフエノール溶液に、PH9となる
様50%苛性ソーダ水溶液を加えたのち、35%ホ
ルマリンを6.5g加え、撹拌下、80〜90℃で3
時間、メチロール化および部分的共縮合反応を
行い、カルボキシメチル化木材−フエノール−
ホルムアルデヒド樹脂初期縮合物水溶液を得
た。ここで、PH11になる様に50%苛性ソーダ水
溶液を加え、室温で保存した。 得られた接着剤液の粘性など溶液物性は、市
販フエノール樹脂接着剤のそれと、良く似たも
のである。従つて、良好な接着を行なうために
は、粘性の増大を図る必要があり、ここでは、
接着時に、この接着剤100部に対して、小麦粉
10部を混合して用いた。 (4) 接着試験方法および接着結果 被着材木材試験片には、30mm(L)×25mm(R)×10
mm(T)のカバ柾目板試験片を用い、25mm(L)×25mm
(R)面を接着面とした。塗布量は、320〜370g/
m2、熱板温度170℃、圧締力15Kg/cm2、熱圧時
間25分とした。そのさい、試片厚が1cmであ
り、接着層の実際の温度が問題となり、熱電対
を接着層に挿入して、実測した結果、上記の
170℃の熱板温度を用いる場合、この種のフエ
ノール樹脂の硬化に必要な130℃に接着層温度
が達するのに、20分を要することが知られた。
その意味では、上記の条件は、単板接着の場合
の、130℃、5分の熱圧という条件に相当する。
この点についても、単板を用いて接着層温度を
実測することにより確かめた。 接着後、冷圧締下(15Kg/cm2)で室温まで試
片温度を下げ、接着試験を行なつた。接着試験
はJIS−K−6852に準拠して、圧縮剪断試験を
行ない、接着力を測定した。 接着試験の結果、上記の接着剤での常態接着
力は、193Kg/cm2にも達し、JIS規格の要求する
接着力(100Kg/cm2)を十分に超える値となつ
た。木破率は90%に達した。 実施例 2 (1) カルボキシメチル化木粉の調製 カルボキシメチル化木粉は、実施例1の(1)と
同様に調製した。 (2) カルボキシメチル化木粉のフエノリシス カルボキシメチル化木粉のフエノリシスも実
施例1の(2)と同様に行なつた。 (3) フエノリシスされたカルボキシメチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 フエノリシスを十分行ない、フエノールに対
して1.4倍モル量のホルムアルデヒドを含むホ
ルマリンを加え、PH9で80−90℃の下、3時間
樹脂化を行い、上記のようにPH11としたのち、
30〜60分、さらに80℃で、加熱を続けさらに樹
脂化を進めることにより、接着剤として適当な
粘度を持つ樹脂を得た。この樹脂を接着剤とし
て、そのまゝ用いた。 (4) 接着試験方法および接着結果 接着試験方法は、熱板温度を150℃とする以
外、実施例1の(4)に準じた。 結果の1例は、次の通りである。
【表】
この接着例では、接着層温度は、熱圧25分後
で105℃にしか達しないのにもかかわらず、JIS
規格値(100Kg/cm2)は十分超える値となつて
いる。 実施例 3 (1) カルボキシメチル化木粉の調製 カルボキシメチル化木粉は、実施例1の(1)と
同様に調製した。 (2) カルボキシメチル化木粉のフエノリシス 最終的に得られる接着剤の粘性をさらに高め
るためには、フエノリシスの度合を若干弱めに
して、木材成分の低分子化の度合を少なくする
こと、たとえば塩酸の量を減すか、フエノリシ
スの時間を短かくするか、あるいはフエノリシ
スの温度を低くするかが考えられる。そこで本
例では、フエノリシスの時間を短縮した。実施
例1の(2)と同様の方法で、フエノール、塩酸お
よびカルボキシメチル化木粉を、丸底フラスコ
に秤り取り、80℃で1時間放置し、引続いて15
分間、同温度で撹拌した。 (3) フエノリシスされたカルボキシメチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 上記のように、フエノリシスされたカルボキ
シメチル化木粉溶液に、フエノールに対し1.4
倍量のホルムアルデヒドを含むホルマリンを加
え、直ちに、PH9とすると、少なくとも肉眼的
には、十分均一な溶液が得られる。引続いて、
80〜90℃で3時間の樹脂化を行ない、PH11とし
て、直ちに加熱を止め、室温まで冷却すると、
適当な粘性をもつ接着剤となる。 (4) 接着試験方法および接着結果 接着試験方法は、熱圧時間を15〜25分と変え
て接着するという点以外では、実施例1の(4)に
準じた。 接着試験の結果、上記の接着剤での常態接着
力は、15分の熱圧の場合でも、120Kg/cm2とな
り、JIS規格値を上回るものとなつており25分
の接着を行なう場合には、常態接着力が190
Kg/cm2と上昇する外、JISの煮沸繰返し耐水接
着試験で、2回の煮沸に耐え、かなりの耐水接
着を示すということが知られた。 実施例 4 (1) カルボキシメチル化木粉の調製 ここでのカルボキシメチル化木粉の調製は、
エーテル化試薬(モノクロル酢酸)と苛性ソー
ダを標準の仕込み量のそれぞれ1/3に減ずると
いう点以外、実施例1の(1)と同様に行つた。 これは、後述のように木粉のカルボキシメチ
ル化の度合が少ない方が、最終的に得られる接
着剤による接着の耐水性が高くなるという点を
考慮したものである。 (2) カルボキシメチル化木粉のフエノリシス カルボキシメチル化木粉のフエノリシス法
は、35%塩酸水溶液量を1.9mlとし、また、フ
エノリシス時間を最大2倍までと大きくする以
外、実施例3の(2)に準じた。 (3) フエノリシスされたカルボキシメチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 実施例3の(3)と同様に製造した。 (4) 接着試験方法および試験結果 接着試験方法は、実施例3の(4)に準じた。 結果の1例は、次の通りである。
で105℃にしか達しないのにもかかわらず、JIS
規格値(100Kg/cm2)は十分超える値となつて
いる。 実施例 3 (1) カルボキシメチル化木粉の調製 カルボキシメチル化木粉は、実施例1の(1)と
同様に調製した。 (2) カルボキシメチル化木粉のフエノリシス 最終的に得られる接着剤の粘性をさらに高め
るためには、フエノリシスの度合を若干弱めに
して、木材成分の低分子化の度合を少なくする
こと、たとえば塩酸の量を減すか、フエノリシ
スの時間を短かくするか、あるいはフエノリシ
スの温度を低くするかが考えられる。そこで本
例では、フエノリシスの時間を短縮した。実施
例1の(2)と同様の方法で、フエノール、塩酸お
よびカルボキシメチル化木粉を、丸底フラスコ
に秤り取り、80℃で1時間放置し、引続いて15
分間、同温度で撹拌した。 (3) フエノリシスされたカルボキシメチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 上記のように、フエノリシスされたカルボキ
シメチル化木粉溶液に、フエノールに対し1.4
倍量のホルムアルデヒドを含むホルマリンを加
え、直ちに、PH9とすると、少なくとも肉眼的
には、十分均一な溶液が得られる。引続いて、
80〜90℃で3時間の樹脂化を行ない、PH11とし
て、直ちに加熱を止め、室温まで冷却すると、
適当な粘性をもつ接着剤となる。 (4) 接着試験方法および接着結果 接着試験方法は、熱圧時間を15〜25分と変え
て接着するという点以外では、実施例1の(4)に
準じた。 接着試験の結果、上記の接着剤での常態接着
力は、15分の熱圧の場合でも、120Kg/cm2とな
り、JIS規格値を上回るものとなつており25分
の接着を行なう場合には、常態接着力が190
Kg/cm2と上昇する外、JISの煮沸繰返し耐水接
着試験で、2回の煮沸に耐え、かなりの耐水接
着を示すということが知られた。 実施例 4 (1) カルボキシメチル化木粉の調製 ここでのカルボキシメチル化木粉の調製は、
エーテル化試薬(モノクロル酢酸)と苛性ソー
ダを標準の仕込み量のそれぞれ1/3に減ずると
いう点以外、実施例1の(1)と同様に行つた。 これは、後述のように木粉のカルボキシメチ
ル化の度合が少ない方が、最終的に得られる接
着剤による接着の耐水性が高くなるという点を
考慮したものである。 (2) カルボキシメチル化木粉のフエノリシス カルボキシメチル化木粉のフエノリシス法
は、35%塩酸水溶液量を1.9mlとし、また、フ
エノリシス時間を最大2倍までと大きくする以
外、実施例3の(2)に準じた。 (3) フエノリシスされたカルボキシメチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 実施例3の(3)と同様に製造した。 (4) 接着試験方法および試験結果 接着試験方法は、実施例3の(4)に準じた。 結果の1例は、次の通りである。
【表】
実施例 5
(1) カルボキシメチル化木粉の調製
実施例1および実施例4の(1)と同様にしてカ
ルボキシメチル化度の異なる3種のカルボキシ
メチル化木粉を調製した。 (2) カルボキシメチル化木粉のフエノリシス 実施例4の(2)に準じて、必要量の塩酸を加え
て、フエノリシスした。 (3) フエノリシスされたカルボキシメチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 当該の接着剤は、実施例3の(3)と同様にして
製造したのち、ジイソシアネート系硬化剤H−
3M(水性ビニルウレタン樹脂接着剤用)を、当
該接着剤液(主剤)に対し、20%添加し、十分
かきまぜた。 (4) 接着試験方法および試験結果 接着試験方法は、実施例3の(4)に準じた。た
だし、硬化剤添加後のポツトライフおよび接着
剤液の変化を考慮して、撹拌をすばやく行な
い、塗布し、硬化剤添加後10分以内に熱圧し
た。 試験結果の1例として、煮沸繰返し試験後の
圧縮せん断接着力を次に示す。
ルボキシメチル化度の異なる3種のカルボキシ
メチル化木粉を調製した。 (2) カルボキシメチル化木粉のフエノリシス 実施例4の(2)に準じて、必要量の塩酸を加え
て、フエノリシスした。 (3) フエノリシスされたカルボキシメチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 当該の接着剤は、実施例3の(3)と同様にして
製造したのち、ジイソシアネート系硬化剤H−
3M(水性ビニルウレタン樹脂接着剤用)を、当
該接着剤液(主剤)に対し、20%添加し、十分
かきまぜた。 (4) 接着試験方法および試験結果 接着試験方法は、実施例3の(4)に準じた。た
だし、硬化剤添加後のポツトライフおよび接着
剤液の変化を考慮して、撹拌をすばやく行な
い、塗布し、硬化剤添加後10分以内に熱圧し
た。 試験結果の1例として、煮沸繰返し試験後の
圧縮せん断接着力を次に示す。
【表】
この表より明らかなように、エーテル化度の
小さいカルボキシメチル化木材より製造した接
着剤の方が、耐水性が大きく、JIS規格値の60
Kg/cm2を越える耐水性を示すようになる。 実施例 6 この実施例では、接着剤製造時のホルマリン添
加量を高めることで、耐水接着を行ないうる接着
剤を製造しうることを示す。 (1) カルボキシメチル化木粉の調製 実施例4の(1)に準じて、カルボキシメチル化
木粉を調製した。 (2) カルボキシメチル化木粉のフエノリシス 実施例4の(2)と同様の方法で、フエノリシス
した。 (3) フエノリシスされたカルボキシメチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 ホルルマリン添加量を、1.5倍とする以外、
実施例5の(3)に準じて、当該接着剤液を製造し
た。 (4) 接着試験方法および試験結果 接着試験方法は、実施例3の4に準じた。 接着試験の結果、煮沸繰返し試験後の圧縮剪
断接着力を次に示す。
小さいカルボキシメチル化木材より製造した接
着剤の方が、耐水性が大きく、JIS規格値の60
Kg/cm2を越える耐水性を示すようになる。 実施例 6 この実施例では、接着剤製造時のホルマリン添
加量を高めることで、耐水接着を行ないうる接着
剤を製造しうることを示す。 (1) カルボキシメチル化木粉の調製 実施例4の(1)に準じて、カルボキシメチル化
木粉を調製した。 (2) カルボキシメチル化木粉のフエノリシス 実施例4の(2)と同様の方法で、フエノリシス
した。 (3) フエノリシスされたカルボキシメチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 ホルルマリン添加量を、1.5倍とする以外、
実施例5の(3)に準じて、当該接着剤液を製造し
た。 (4) 接着試験方法および試験結果 接着試験方法は、実施例3の4に準じた。 接着試験の結果、煮沸繰返し試験後の圧縮剪
断接着力を次に示す。
【表】
表より知られる様に、ホルマリン添加量を実
施例1〜5の1.5倍とすることで、JIS規格値を
満足するさらに高い耐水接着が得られる。木破
率は80%を越える。この結果は、木材成分とく
に、フエノリシスされたリグニン区分がホルム
アルデヒドと反応し、樹脂化系に組込まれてい
ることを示すと思われる。 実施例 7 (1) ヒドロキシエチル化木粉の調製 フカンバ木粉(20−60メツシユ)を原料とし
て、イソプロパノールを媒体とする従来公知の
標準的溶媒法(“Methods in Carbohydrate
Chemistry”Vol、p.322 Academic Press
(1963)参照)で、ヒドロキシエチル化木粉を
調製した。そのさい、木粉と酸化エチレンの仕
込み重量比を1:1とするものを標準とした。 (2) ヒドロキシエチル化木粉のフエノリシス フエノール5gを50ml容丸底フラスコに秤り
取り、50℃で溶融させたのち、35%塩酸水溶液
0.48mlを加え、均一に混合する。次いで、ヒド
ロキシエチル化木粉5gを加えて、80℃で1時
間放置し、引続き30分その状態で撹拌する。そ
の終了時には、ヒドロキシエチル化木粉は溶液
化され、黒色の粘性のある溶液となる。 (3) フエノリシスされたヒドロキシエチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 上記のようにフエノリシスされたヒドロキシ
エチル化木粉のフエノール溶液に、PH9となる
様、50%苛性ソーダ水溶液を加えたのち、35%
ホルマリンを6.5g加え、撹拌下80〜90℃で3
時間メチロール化および部分的共縮合反応を行
い、ヒドロキシエチル化木材−フエノール−ホ
ルムアルデヒド樹脂初期縮合物水溶液を得た。
ここでPH11になる様に50%苛性ソーダ水溶液を
加え、目的とする接着剤を得た。 (4) 接着試験方法および接着結果 上記により得られた接着剤をそのまゝ用いて
接着し、接着試験を行なつた。 接着試験方法は、実施例1の(4)に準じた。 接着試験の結果、常態接着力として次の値が
得られ、いずれもJIS規格を満足するものとな
つた。
施例1〜5の1.5倍とすることで、JIS規格値を
満足するさらに高い耐水接着が得られる。木破
率は80%を越える。この結果は、木材成分とく
に、フエノリシスされたリグニン区分がホルム
アルデヒドと反応し、樹脂化系に組込まれてい
ることを示すと思われる。 実施例 7 (1) ヒドロキシエチル化木粉の調製 フカンバ木粉(20−60メツシユ)を原料とし
て、イソプロパノールを媒体とする従来公知の
標準的溶媒法(“Methods in Carbohydrate
Chemistry”Vol、p.322 Academic Press
(1963)参照)で、ヒドロキシエチル化木粉を
調製した。そのさい、木粉と酸化エチレンの仕
込み重量比を1:1とするものを標準とした。 (2) ヒドロキシエチル化木粉のフエノリシス フエノール5gを50ml容丸底フラスコに秤り
取り、50℃で溶融させたのち、35%塩酸水溶液
0.48mlを加え、均一に混合する。次いで、ヒド
ロキシエチル化木粉5gを加えて、80℃で1時
間放置し、引続き30分その状態で撹拌する。そ
の終了時には、ヒドロキシエチル化木粉は溶液
化され、黒色の粘性のある溶液となる。 (3) フエノリシスされたヒドロキシエチル化木粉
のフエノール・ホルマリン樹脂化接着剤液の製
造 上記のようにフエノリシスされたヒドロキシ
エチル化木粉のフエノール溶液に、PH9となる
様、50%苛性ソーダ水溶液を加えたのち、35%
ホルマリンを6.5g加え、撹拌下80〜90℃で3
時間メチロール化および部分的共縮合反応を行
い、ヒドロキシエチル化木材−フエノール−ホ
ルムアルデヒド樹脂初期縮合物水溶液を得た。
ここでPH11になる様に50%苛性ソーダ水溶液を
加え、目的とする接着剤を得た。 (4) 接着試験方法および接着結果 上記により得られた接着剤をそのまゝ用いて
接着し、接着試験を行なつた。 接着試験方法は、実施例1の(4)に準じた。 接着試験の結果、常態接着力として次の値が
得られ、いずれもJIS規格を満足するものとな
つた。
【表】
なお、この接着剤についても、架橋剤H−
3M(ジイソシアネート系架橋剤)の添加および
ホルマリン添加量の増大により、ほぼJIS規格
の耐水接着性を満足する接着を行ないうること
が知られた。
3M(ジイソシアネート系架橋剤)の添加および
ホルマリン添加量の増大により、ほぼJIS規格
の耐水接着性を満足する接着を行ないうること
が知られた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 フエノール類100部に対して、水酸基の一部
もしくは全部に少なくとも一種の置換基を導入す
ることによりプラスチツク化した木材などのリグ
ノセルロース材料を10−1000部加え、酸触媒の存
在下でフエノリシスし、次いでホルマリン、パラ
ホルムアルデヒド、又はヘキサメチレンテトラミ
ン類を添加して加熱して樹脂化を進めることを特
徴とするプラスチツク化リグノセルロースフエノ
ール類樹脂接着剤の製造法。 2 フエノリシスを、250℃までの温度に加熱し
て行う特許請求の範囲第1項に記載のプラスチツ
ク化リグノセルロースフエノール類樹脂接着剤の
製造法。 3 フエノリシス後触媒として用いた酸を中和す
る特許請求の範囲第1項又は第2項記載のプラス
チツク化リグノセルロースフエノール類樹脂接着
剤の製造法。 4 ホルマリン、パラホルムアルデヒド、又はヘ
キサメチレンテトラミン類の添加にあたり、高分
子化触媒を加える特許請求の範囲第1項から第3
項までのいずれかに記載のプラスチツク化リグノ
セルロースフエノール類樹脂接着剤の製造法。 5 樹脂化を進めた後、使用前に、架橋剤および
触媒を添加する特許請求の範囲第1項から第4項
までのいずれかに記載のプラスチツク化リグノセ
ルロースフエノール類樹脂接着剤の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6384784A JPS60206883A (ja) | 1984-03-30 | 1984-03-30 | 接着剤の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6384784A JPS60206883A (ja) | 1984-03-30 | 1984-03-30 | 接着剤の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60206883A JPS60206883A (ja) | 1985-10-18 |
| JPH0541676B2 true JPH0541676B2 (ja) | 1993-06-24 |
Family
ID=13241131
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6384784A Granted JPS60206883A (ja) | 1984-03-30 | 1984-03-30 | 接着剤の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60206883A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2023209931A1 (ja) | 2022-04-28 | 2023-11-02 | 三菱重工業株式会社 | 複合アミン吸収液、除去装置及び除去方法 |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2595307B2 (ja) * | 1987-09-04 | 1997-04-02 | 王子製紙株式会社 | リグノセルロース−フェノール樹脂組成物 |
| JP3012296B2 (ja) | 1990-08-24 | 2000-02-21 | 信夫 白石 | リグノセルロース物質の液化溶液の製造法 |
| KR100391247B1 (ko) * | 2001-06-01 | 2003-07-12 | 금호미쓰이화학 주식회사 | 리그노셀루로오스계 성형판 제조용 접착제 |
| US9328188B2 (en) | 2011-12-29 | 2016-05-03 | Industrial Technology Research Institute | Method for preparing phenol-formaldehyde resins, resin materials and method for preparing resin molding materials |
| FI20175001L (fi) * | 2017-01-02 | 2018-07-03 | Teknologian Tutkimuskeskus Vtt Oy | Biopohjainen sulaliima, joka sisältää komponenttina ligniiniä |
| JP2020094079A (ja) * | 2017-03-28 | 2020-06-18 | ハリマ化成株式会社 | 摺動材 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59182873A (ja) * | 1983-04-01 | 1984-10-17 | Toray Ind Inc | 接着剤組成物 |
-
1984
- 1984-03-30 JP JP6384784A patent/JPS60206883A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2023209931A1 (ja) | 2022-04-28 | 2023-11-02 | 三菱重工業株式会社 | 複合アミン吸収液、除去装置及び除去方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60206883A (ja) | 1985-10-18 |
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