JPH054369B2 - - Google Patents
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- JPH054369B2 JPH054369B2 JP58122467A JP12246783A JPH054369B2 JP H054369 B2 JPH054369 B2 JP H054369B2 JP 58122467 A JP58122467 A JP 58122467A JP 12246783 A JP12246783 A JP 12246783A JP H054369 B2 JPH054369 B2 JP H054369B2
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Description
発明の背景
本発明は、本出願人による1981年4月6日付、
アメリカ合衆国特許出願第251321号明細書に開示
されている発明の一部継続出願に基く改良出願で
ある。 本出願人による先の出願は、止血の方法に関す
るものであつた。この先の出願の後に、本発明者
は、キトーサンが繊維増殖を阻害し、かつ組織再
生の促進に使用可能であることを発見した。 創傷の治癒における膠原質の合成の阻害方法に
ついては、長い間、研究が成されてきた。膠原質
の合成阻害についての研究のほとんどは、種々の
化学的拮抗質による膠原質の生物学的変質に関す
るものであつた。 下等動物は、瘢痕組織によつて治癒することは
できないが、既存の細胞から、正常な構造体を再
生することができる。 通常の創傷治癒は、ブイブリン網を含む血塊が
できることから始まり、それと共に、繊維芽細胞
によつて繊維増殖が始まる。血液の損失が、フイ
ブリン塊の存在によつて制御される時は、繊維芽
細胞は刺激を受ける。逆に言えば、血液の損失
が、フイブリン塊の欠乏によつて制御される際に
は、繊維芽細胞は刺激を受けず、分化細胞が失な
われた組織と交替する機会を得ることになる。 そのため、通常の血塊因子が無い場合に血液の
損失を制御し、かつ通常の組織素材の内方への成
長を助長する物質が必要であることが判明した。 すでに、キチンと数種類のキチン誘導体は、創
傷治癒の最初の数日間に、膠原質の繊維合成を促
進することによつて、創傷の張力を大きくするこ
とが判明している。それは、アメリカ合衆国特許
第3902268号明細書、同第3911116号明細書、及び
同第3914413号明細書に開示されている。この問
題については、1970年5月発行の「アメリカン・
ジヤーナル・オブ・サージエリー(American
Journal of Surjery)」の560ページ乃至564ペー
ジに記載されている。また1969年6月発行の「エ
ス・ジー・アンドオー(S.G.&O)」の1321ペー
ジ乃至1326ページにも記載されている。 しかし、従来の文献は、キチンとその誘導体に
対して論じているのみであり、本発明による脱ア
セチル化キトーサンは、それとは性質が全く異な
るものである。それについては、後で詳しく説明
する。 天然キチンの基本的構造は、N−アセチルグル
コサミンのポリマーである。しかし、バラツサ
(Balassa)は、数種類の分子構造の変更と鎖の
短縮について論じているが、各単量体上のN−ア
セチル構造については、そのままとしている。 本発明の第1の目的は、止血効果を有し、繊維
増殖を阻害し、かつ細胞の再生を促進させ、もつ
て、組織創傷の治療に有効な医薬組成物を提供す
ることにある。 本発明の第2の目的は、キトーサンの溶液、又
は固体キトーサンのシート、粉末、もしくは繊維
を、細織創傷に接触させ、それによつて止血を防
止し、かつフイブリン繊維の形成を防ぐために生
じた血塊を破壊するために、凝塊を形成させるこ
とにある。この凝塊は繊維芽細胞の増殖と膠原質
の合成を防止し、通常の細胞再生を促進させる。 本発明の第3の目的は、薬理活性成分としてキ
トーサンを含み、血管組織移植片に接触させ、も
しくはその移植片材料内に混入されて、血管組織
移植片内の繊維増殖を阻害し組織再生を促進させ
る医薬組成物を提供することである。 従つて、本発明によつて、薬理活性成分として
キトーサンを含む、組織創傷の止血、繊維増殖阻
害、及び組織再生促進用医薬組成物が提供され
る。 これらの目的やその他の目的については、以下
詳しく説明するところにあり、関係者には容易に
理解されるものと思う。 好適な方法の説明 バラツサ(Balassa)がアメリカ合衆国特許第
3804949号明細書において開示している「キチン」
は、天然のキチンと、ポリマー(N−アセチルグ
ルコサミン)と、そのエピマーポリ(N−アセチ
ルガラクトサミン)のような合成のキチンを指し
ている。 キチンは、ロブスター、シユリンプ、又はその
他の甲穀類や菌類から得られる。キトーサンは、
キチンの一誘導体であり、キトーサンの調整方法
は、アメリカ合衆国特許第3533940号明細書に開
示されている。それは、本発明による方法の一部
を成している。 本発明で用いられるキトーサンは、脱アセチル
化キトーサンである。 本発明は用いるキトーサン材料を分析した結
果、キトーサン材料から、アセチルのほとんど
(78乃至92%)が除去されており、かつほとんど
のグルコサミン単量体の2位の炭素上に、活性遊
離アミン基(NH2)が残存していることが判つ
た。 本発明で用いられるキトーサンは、部分脱アセ
チル化キチンであり、またβ−1−4グリコシド
結合によつて結合されたポリグルコサミンを形成
し、かつ2位からほとんどのアセチル基が除去さ
れている部分的解重合キチンである。 分子量の定量は、ウー(Wu)とボー
(Baugh)の方法によつて行うものとする。(「ジ
ヤーナル・オブ・クロマトグラフイー(Journal
of Chromatography)」128号、87ページ乃至99
ページ(1976年版)参照。) キトーサンの脱アセチル化の程度は、ヘイズ
(Hayes)とデーヴイス(Davies)の方法に依る
ものとし、それについては、「プロシーデイング
ス・オブ・ザ・フアースト・インターナシヨナ
ル・コンフエレンス・オン・キチン/キトーサン
(Proceedings of the First International
Conference on Chitin/Chitosan)の1978年版
193ページ乃至199ページに記載されている。 生理学的性質及び化学的性質で限定されるキト
ーサンは、節足動物の外骨格、もしくは菌類の細
胞壁のような自然界から得られる材料の脱アセチ
ル化、及び解重合化を調節することによつて調整
される。 本発明で用いられるキトーサンとしては、例え
ば、アメリカ合衆国ワシントン州ベルヴユー、カ
ールソンビル208に所在するキプロインコーポレ
イテツド(Kypro,Inc,)が、商標名「Chitosan
−High Viscosity」として売つているものが適
当である。 このキトーサンは、ポリマーの混合物であり、
分子量は10000乃至2055000で、各分子は、78乃至
92%まで脱アセチル化されている。これらのキト
ーサンを試験したところ、最も豊富な分子は、分
子量1487000乃至1682000であり、分散度5での数
平均は、129000乃至322000であつた。生成物は、
78乃至92%、平均で85%脱アセチル化されたもの
である。 キトーサンは、溶液のもの、又は繊維、シー
ト、粉末のような固体のものも使用しいる。 後で挙げる種々の実施例において用いられたキ
トーサンは、前記キプロインコーポレイテツドか
ら購入したものであるが、「キトーサン」という
言葉は、キチンを部分的に脱アセチル化して得ら
れる誘導体を示すものとして、業界では認識され
ている。 以下に挙げる実施例で使用したキトーサンは、
種々の業者より購入したものである。 次に、キトーサンを種々の実施例で使用し得る
ように調整するための好ましい方法及び割合につ
いて、詳しく説明する。しかし、後に示す表A
は、本発明によるキトーサン材料の(好ましい、
もしくは許容しうる)性質を示すものである。 様々な方面より入手した解重合状態、もしくは
脱アセチル化状態のキトーサンは、固体材料を溶
解させるのに必要な最小量の酢酸を含む蒸留水内
に、1l当り2gの濃度で溶解させる。好適な止血用
キトーサン溶液は、キトーサン2gを、998.5mlの
蒸溜水と、1.5mlの氷酢酸内に溶解して調整した
ものである。 この混合液を、2時間乃至3時間、室温で攪拌
し、PHが4.1±0.2であるキトーサンの0.026Nの清
澄な酢酸溶液を生成させる。この溶液は、4℃で
保存することが望ましい。 止血用キトーサン繊維マツトは、適量の殺菌溶
液を、殺菌したシリコーン塗布のチユーブに注入
し、その溶液を、−60℃で結晶させ、凍結乾燥さ
せることによつて調整する。 チユーブの直径を変化させたり、チユーブを冷
凍庫内に直立または側面を下にして置くことによ
つて、短く太いプラグ、または長い薄片が得られ
る。2.5mlのキトーサン溶液を用いて、5mgのマ
ツトを生成させるのが望ましい。 キトーサン薄膜は、溶液の薄片を、凍結させず
に、平たいテフロン板上で乾燥させることによつ
て調整させる。平たい繊維マツトは、薄膜よりも
取り扱いが容易であることが判明している。 止血用のキトーサン粉末は、マツトを滅菌モル
タル及びペストルと共に研摩して調整される。キ
トーサン止血剤の中に、繊維シートや管状移植片
を浸漬して、表面に接着させたり、繊維の割れ目
内で、キトーサン繊維や非結晶性のキトーサンを
乾燥させることによつて、繊維シートや管状移植
片にキトーサン止血剤を混入させる。 キトーサン止血剤は、2ミクロンのフイルター
を介して過することによつて滅菌できる。しか
し、この方法は、時間がかかり、かつ収量は少な
い。また、キトーサン溶液を蒸気オートクレーブ
にかけると、凝固生成効果は著しく減少する。 酢酸キトーサンや塩化水素酸キトーサン溶液や
凍結乾燥した固体(塩)は、100℃程度で熱に対
して不安定であるので、キトーサン止血溶液や、
繊維や粉末は、調整後に滅菌するよりも、滅菌性
キトーサンから調整する必要がある。 以下説明する本発明の実施例で用いた最良のキ
トーサンは、熱安定性がよく、かつ121℃
(250°F)において、蒸気オートクレーブ内で滅菌
したものである。 本発明者は、シユリンプと2種類のクラブ、及
び2種類の未知の取得源(実用等級キトーサン)
から得たキトーサンを、様々の濃度の酸溶液とし
て、試験管内の酸溶液や犬の皮膚切開部に接触さ
せると止血凝塊が生成することを発見した。 42%だけ脱アセチル化されたキトーサンは、溶
液として、1.0N以下の酸を必要とした(その際
いくらかの固体が残渣する)。 ポリグルコーサミン(100%脱アセチル化キト
ーサン)は、優良な凝塊を生成したが、試験の量
が少量であつた。 低粘度もしくは粘度が中位のキトーサンは、容
易に溶解し、膜で迅速に殺菌された。しかし、
凝塊の安定性は、溶液中に最も多く存在するポリ
マーの分子量に直接比例した。 以下の実験により、キトーサンが、繊維の増殖
を防止し、かつ組織再生を促進させることが判明
した。 前記バラツキによるアメリカ合衆国特許第
3914413号、同第3911116号及び同第3903268号で
は、キトーサン以外のキチン誘導体を、固体状に
してラツトの創傷に与えて処置している。その
際、プルデン(Prudden)による組織の張力測定
方法を用いている。 処置済みのラツトと、未処置のラツトの腹部の
空洞に、バルーンを、5日間、7日間及び11日間
の間隔で挿入した。バルーンは、創傷が破壊する
まで膨張させられた。破裂圧力(mmHg)をも
つて、張力の指標とした。 プルデン及びバラツサが特許請求している発明
によると、軟骨処置されたラツトは、5日及び7
日後では、コントロールされたラツトよりも、張
力が20乃至40%増加したが、11日目では違いは見
られなかつた。バラツサの特許では、キチンを用
いると、張力が25%増加することが、特許請求の
範囲で述べられている。 実施例 1 第1実験では、44匹のラツトを体重により、2
匹ずつ分けた。1匹のラツトの切開部に、キトー
サン溶液(0.026Nの酢酸にキトーサン200mg/
100cc)で浸したスポンジを当て、他のラツトに
は、生理食塩水で浸したスポンジを当てた。2mg
のキトーサンを含む粘性のキトーサン1cm3を、膓
部の創傷部の側部に塗布した。 キトーサン止血溶液の創傷治癒評価の結果を、
第1図に示す。 5日後に、8匹にキトーサン処理したラツトの
うち、6匹の創傷が、対をなすコントロールラツ
トよりも低い膓内圧力で破裂した。 キトーサン処理したラツトと、コントロールラ
ツトの圧力差の合計(6対減つて2対増えた)を
8で割ると、平均の破壊圧力減少値は、−
14.4mHgとなつた。これを、平均コントロール
破壊圧力で割ると、キトーサン処理のラツトの創
傷の張力の減少は、11%となる。 7日目には、8匹のキトーサン処理のラツトの
うち、5匹の創傷が、対をなすコントロールラツ
トよりも低い圧力で破壊した。計算した結果、張
力は、わずか6.4%減少していることが判つた。 11日目では、キトーサン処理したラツトのう
ち、5匹の創傷がコントロールラツトよりわずか
に高い圧力が破壊することがわかつた。計算した
ところ、張力は、わずか2%だけ減少しているこ
とが判つた。 実施例 第2の実験では、キトーサンの、繊維マツト
を、プルデンの標準腹部創傷に加えた。テフロン
塗布したピンセツトで、4mgのキトーサン繊維マ
ツトをめすのラツトの各標準膓壁切開部の一端部
に沿つて当てた。縫合によつて創傷を閉じると、
固体キトーサンを変則的に塗布することになる
が、各マツトの一部分を、傷のある縁部の反対側
に直接にあてた。コントロールラツトには、創傷
の縁部に何も加えなかつた。 5日後、キトーサン処置した創傷は、コントロ
ールラツトに比べて、相当に悪かつた。マツトが
創傷の血塊の生成を閉塞している個所は、バルー
ンの挿入中に、その創傷が破壊された。処置した
創傷を破壊しないようにして、バルーンを挿入し
ている際に、創傷は、コントロールラツトの創傷
よりも低圧で、(破裂ではなくむしろ)不規則に
破壊した。 従来、N−アセチル化部分解重合キチンは、創
傷治癒の初期(5日、7日及び11日目)におい
て、(破壊に対する)張力を増加させることによ
つて、治療の初期段階を促進させることが判つて
いる。 また本実験によつて、キトーサン止血溶液とキ
トーサン止血繊維マツトは、創傷治癒の初期段階
(5日目)において、張力を減少させることによ
つて、初期の創傷治癒を妨げることが判明した。
さらにキトーサン止血溶液は、後の段階(7日及
び11日)における創傷治癒に関しては、重要な効
果がないことも判明した。 実施例 多孔性合成血管移植片と動脈節に入れると、繊
維の形成によつて治癒がなされることは公知であ
る。繊維組織とフイブリンの層が、その構造の内
部を被膜し、外部は、他の繊維膜によつて被膜さ
れる。組織は、他人の体の、駆血瘢痕に効力があ
るが、生命組織のように成長したり、再生したり
することはない。これらのことに留意して、この
実験を行つた。 多孔性癒着ダクロンデイベイキー移植片を、犬
の腎臓下の大動脈に入れた。コントロールには、
キトーサン溶液を加えずに、該移植片を入れた。
この実験的移植片は、前述のキトーサン止血溶液
を浸漬したものである。 1,2,3及び4ケ月後、両群の移植片を、肉
眼と光学顕微鏡及び電子顕微鏡によつて、念入り
に調べた。コントロール移植片は、血管繊維組織
内に包囲されていた。 キトーサン処理の移植片は平滑筋に包まれてお
り、それが、移植片の裂け目を浸透していた。移
植片は、生命内皮細胞で裏付けされ、数多の血管
(脈管血管)が、この細胞へ供給され、有髄神経
線維が内方へ生成されていた。つまり、通常の動
脈の種々の組織素材が、新たに再生されることが
判明した。 このように、これらの実験によつて、キトーサ
ンを血管移植片に与えたら、繊維増殖は阻害さ
れ、通常の素材の再生が促進されることが示され
た。 手術前に、ヘパリンナトリウムを挿入すること
によつて、完全に抗凝固性を有する(血塊生成時
間が1時間以上かかる状態)ようになつた犬は、
多孔性移植片から血液が漏れることがなかつた。
移植片を包囲する平滑筋の再生は、1,2,3,
及び4ケ月毎に観察した。 実施例 5匹の健康な雑種犬の腹部の皮膚に、皮下組織
まで貫通する2cm長の皮膚創傷を付けた。各犬
に、4個所の創傷を付け、各創傷を、食塩水湿
布、標準止血剤(ゼラチン泡状)、前述のキトー
サン溶液、及びキトーサン溶液繊維マツトで処置
した。 それらの創傷を、24時間、72時間、7日、及び
1ケ月の間隔で調べた。 肉眼的検査と光学顕微鏡による検査を行つた。
食塩水を用いたコントロールにおいては、通常の
場合のように瘢痕が広がつた。止血剤で処置した
創傷は、ゼラチン泡が創傷内に残存し、組織が再
生されていた。固体キトーサンの処置による創傷
の瘢痕は、ゼラチン泡による処置と同様の結果と
なつた。キトーサン溶液で処置した創傷は、瘢痕
が薄くなつて治癒した。 実施例 5匹の健康な雑種犬の左腹部直滑に、長さ2cm
深さ1cmの深裂創傷を付けた。実施例と同じよ
うに、この創傷を、食塩塗布と止血剤とキトーサ
ン溶液とキトーサン繊維マツトで処置した。検査
間隔は、24時間、72時間、7日及び30日とした。
肉眼的検査と光学顕微鏡によつて、瘢痕組織の残
存量を調べた。 筋内は、深裂を受けると退縮するので、組織の
欠損はかなり広かつた。食塩水処理の筋肉創傷
は、広い瘢痕となつた。標準止血剤で処理した創
傷は、かなり組織再生され、ゼラチン泡は、1ケ
月後にも残存していた。キトーサン溶液や凍結乾
燥したキトーサンで処理した創傷では、瘢痕組織
と筋力の増殖があまり見られなかつた。 実施例 5匹の健康な雑種犬の肝蔵に、長さ2cm深さ1
cmの深裂創傷を付けた。この創傷を、標準止血
剤、キトーサン溶液、及び凍結乾燥したキトーサ
ンで処理した。創傷を間隔とおいて、肉眼及び光
学顕微鏡で検査した。止血剤で処理した創傷は、
かなり瘢痕が見られ、止血物質が、1ケ月後でも
創傷内に残つていた。キトーサン溶液や凍結乾燥
したキトーサンで処理した創傷は、瘢痕も小さ
く、肝組織の再生もいくらか見られた。 実施例 5匹の健康な雑種犬の脾臓に、長さ2cm深さ1
cmの深裂創傷を付けた。これらの創傷を、標準止
血剤と前述のキトーサン溶液と凍結乾燥したキト
ーサンで処理した。時間的間隔をおいて、肉眼及
び光学顕微鏡で検査を行つたが、その結果、標準
止血剤で処理した創傷は、組織が反応を示し瘢痕
が見られ、止血剤が残存していた。 キトーサン溶液と凍結乾燥したキトーサンによ
つて処理した創傷には、組織反応は見られず、瘢
痕は小さかつた。 実施例 雑種のネコの脳の左右の頭頂葉に、同様の抉出
(スクープ創傷)を付けた。本発明によるキトー
サン止血溶液は、他の液体(トロンビン溶液)や
止血剤と同様に、止血効果があつた。 1ケ月後に、止血効果が最良であつたキトーサ
ン処理した創傷は、繊維瘢痕が少なく、色素を有
する大食細胞も少く、かつ神経膠の素材が多く見
られた。 実施例 本発明のキトーサン止血溶液を、犬の腰の露出
した骨の骨髄表面に与えると、この溶液は、表面
上から滲出する血液を止血した。1週間後、コン
トロール部位は、大食細胞及び、繊維芽細胞を含
む組織化した薄い血塊によつて包囲されていた。 キトーサンで処理した表面は、大食細胞及び、
繊維芽細胞をあまり含まない凝塊によつて包囲さ
れていた。 また、キトーサン溶液を、雑種犬の創傷のある
股間接に注入した。1週間後、この溶液を注入さ
れた関節は、0.026Nの酢酸を注入したコントロ
ール関節よりも、出血が少なく、炎症のある細胞
も少なかつた。 以上の実験は、キトーサンの中で、pH4の酢酸
の溶液と、繊維マツトと、粉末のどれが、駆血の
際に、繊維増殖を阻害し、細胞の再生を促進させ
るかを試したものである。 表Aは、止血と、繊維増殖の阻害と、組織再生
を可能にするキトーサン溶液の様々な方法を示す
ものである。
アメリカ合衆国特許出願第251321号明細書に開示
されている発明の一部継続出願に基く改良出願で
ある。 本出願人による先の出願は、止血の方法に関す
るものであつた。この先の出願の後に、本発明者
は、キトーサンが繊維増殖を阻害し、かつ組織再
生の促進に使用可能であることを発見した。 創傷の治癒における膠原質の合成の阻害方法に
ついては、長い間、研究が成されてきた。膠原質
の合成阻害についての研究のほとんどは、種々の
化学的拮抗質による膠原質の生物学的変質に関す
るものであつた。 下等動物は、瘢痕組織によつて治癒することは
できないが、既存の細胞から、正常な構造体を再
生することができる。 通常の創傷治癒は、ブイブリン網を含む血塊が
できることから始まり、それと共に、繊維芽細胞
によつて繊維増殖が始まる。血液の損失が、フイ
ブリン塊の存在によつて制御される時は、繊維芽
細胞は刺激を受ける。逆に言えば、血液の損失
が、フイブリン塊の欠乏によつて制御される際に
は、繊維芽細胞は刺激を受けず、分化細胞が失な
われた組織と交替する機会を得ることになる。 そのため、通常の血塊因子が無い場合に血液の
損失を制御し、かつ通常の組織素材の内方への成
長を助長する物質が必要であることが判明した。 すでに、キチンと数種類のキチン誘導体は、創
傷治癒の最初の数日間に、膠原質の繊維合成を促
進することによつて、創傷の張力を大きくするこ
とが判明している。それは、アメリカ合衆国特許
第3902268号明細書、同第3911116号明細書、及び
同第3914413号明細書に開示されている。この問
題については、1970年5月発行の「アメリカン・
ジヤーナル・オブ・サージエリー(American
Journal of Surjery)」の560ページ乃至564ペー
ジに記載されている。また1969年6月発行の「エ
ス・ジー・アンドオー(S.G.&O)」の1321ペー
ジ乃至1326ページにも記載されている。 しかし、従来の文献は、キチンとその誘導体に
対して論じているのみであり、本発明による脱ア
セチル化キトーサンは、それとは性質が全く異な
るものである。それについては、後で詳しく説明
する。 天然キチンの基本的構造は、N−アセチルグル
コサミンのポリマーである。しかし、バラツサ
(Balassa)は、数種類の分子構造の変更と鎖の
短縮について論じているが、各単量体上のN−ア
セチル構造については、そのままとしている。 本発明の第1の目的は、止血効果を有し、繊維
増殖を阻害し、かつ細胞の再生を促進させ、もつ
て、組織創傷の治療に有効な医薬組成物を提供す
ることにある。 本発明の第2の目的は、キトーサンの溶液、又
は固体キトーサンのシート、粉末、もしくは繊維
を、細織創傷に接触させ、それによつて止血を防
止し、かつフイブリン繊維の形成を防ぐために生
じた血塊を破壊するために、凝塊を形成させるこ
とにある。この凝塊は繊維芽細胞の増殖と膠原質
の合成を防止し、通常の細胞再生を促進させる。 本発明の第3の目的は、薬理活性成分としてキ
トーサンを含み、血管組織移植片に接触させ、も
しくはその移植片材料内に混入されて、血管組織
移植片内の繊維増殖を阻害し組織再生を促進させ
る医薬組成物を提供することである。 従つて、本発明によつて、薬理活性成分として
キトーサンを含む、組織創傷の止血、繊維増殖阻
害、及び組織再生促進用医薬組成物が提供され
る。 これらの目的やその他の目的については、以下
詳しく説明するところにあり、関係者には容易に
理解されるものと思う。 好適な方法の説明 バラツサ(Balassa)がアメリカ合衆国特許第
3804949号明細書において開示している「キチン」
は、天然のキチンと、ポリマー(N−アセチルグ
ルコサミン)と、そのエピマーポリ(N−アセチ
ルガラクトサミン)のような合成のキチンを指し
ている。 キチンは、ロブスター、シユリンプ、又はその
他の甲穀類や菌類から得られる。キトーサンは、
キチンの一誘導体であり、キトーサンの調整方法
は、アメリカ合衆国特許第3533940号明細書に開
示されている。それは、本発明による方法の一部
を成している。 本発明で用いられるキトーサンは、脱アセチル
化キトーサンである。 本発明は用いるキトーサン材料を分析した結
果、キトーサン材料から、アセチルのほとんど
(78乃至92%)が除去されており、かつほとんど
のグルコサミン単量体の2位の炭素上に、活性遊
離アミン基(NH2)が残存していることが判つ
た。 本発明で用いられるキトーサンは、部分脱アセ
チル化キチンであり、またβ−1−4グリコシド
結合によつて結合されたポリグルコサミンを形成
し、かつ2位からほとんどのアセチル基が除去さ
れている部分的解重合キチンである。 分子量の定量は、ウー(Wu)とボー
(Baugh)の方法によつて行うものとする。(「ジ
ヤーナル・オブ・クロマトグラフイー(Journal
of Chromatography)」128号、87ページ乃至99
ページ(1976年版)参照。) キトーサンの脱アセチル化の程度は、ヘイズ
(Hayes)とデーヴイス(Davies)の方法に依る
ものとし、それについては、「プロシーデイング
ス・オブ・ザ・フアースト・インターナシヨナ
ル・コンフエレンス・オン・キチン/キトーサン
(Proceedings of the First International
Conference on Chitin/Chitosan)の1978年版
193ページ乃至199ページに記載されている。 生理学的性質及び化学的性質で限定されるキト
ーサンは、節足動物の外骨格、もしくは菌類の細
胞壁のような自然界から得られる材料の脱アセチ
ル化、及び解重合化を調節することによつて調整
される。 本発明で用いられるキトーサンとしては、例え
ば、アメリカ合衆国ワシントン州ベルヴユー、カ
ールソンビル208に所在するキプロインコーポレ
イテツド(Kypro,Inc,)が、商標名「Chitosan
−High Viscosity」として売つているものが適
当である。 このキトーサンは、ポリマーの混合物であり、
分子量は10000乃至2055000で、各分子は、78乃至
92%まで脱アセチル化されている。これらのキト
ーサンを試験したところ、最も豊富な分子は、分
子量1487000乃至1682000であり、分散度5での数
平均は、129000乃至322000であつた。生成物は、
78乃至92%、平均で85%脱アセチル化されたもの
である。 キトーサンは、溶液のもの、又は繊維、シー
ト、粉末のような固体のものも使用しいる。 後で挙げる種々の実施例において用いられたキ
トーサンは、前記キプロインコーポレイテツドか
ら購入したものであるが、「キトーサン」という
言葉は、キチンを部分的に脱アセチル化して得ら
れる誘導体を示すものとして、業界では認識され
ている。 以下に挙げる実施例で使用したキトーサンは、
種々の業者より購入したものである。 次に、キトーサンを種々の実施例で使用し得る
ように調整するための好ましい方法及び割合につ
いて、詳しく説明する。しかし、後に示す表A
は、本発明によるキトーサン材料の(好ましい、
もしくは許容しうる)性質を示すものである。 様々な方面より入手した解重合状態、もしくは
脱アセチル化状態のキトーサンは、固体材料を溶
解させるのに必要な最小量の酢酸を含む蒸留水内
に、1l当り2gの濃度で溶解させる。好適な止血用
キトーサン溶液は、キトーサン2gを、998.5mlの
蒸溜水と、1.5mlの氷酢酸内に溶解して調整した
ものである。 この混合液を、2時間乃至3時間、室温で攪拌
し、PHが4.1±0.2であるキトーサンの0.026Nの清
澄な酢酸溶液を生成させる。この溶液は、4℃で
保存することが望ましい。 止血用キトーサン繊維マツトは、適量の殺菌溶
液を、殺菌したシリコーン塗布のチユーブに注入
し、その溶液を、−60℃で結晶させ、凍結乾燥さ
せることによつて調整する。 チユーブの直径を変化させたり、チユーブを冷
凍庫内に直立または側面を下にして置くことによ
つて、短く太いプラグ、または長い薄片が得られ
る。2.5mlのキトーサン溶液を用いて、5mgのマ
ツトを生成させるのが望ましい。 キトーサン薄膜は、溶液の薄片を、凍結させず
に、平たいテフロン板上で乾燥させることによつ
て調整させる。平たい繊維マツトは、薄膜よりも
取り扱いが容易であることが判明している。 止血用のキトーサン粉末は、マツトを滅菌モル
タル及びペストルと共に研摩して調整される。キ
トーサン止血剤の中に、繊維シートや管状移植片
を浸漬して、表面に接着させたり、繊維の割れ目
内で、キトーサン繊維や非結晶性のキトーサンを
乾燥させることによつて、繊維シートや管状移植
片にキトーサン止血剤を混入させる。 キトーサン止血剤は、2ミクロンのフイルター
を介して過することによつて滅菌できる。しか
し、この方法は、時間がかかり、かつ収量は少な
い。また、キトーサン溶液を蒸気オートクレーブ
にかけると、凝固生成効果は著しく減少する。 酢酸キトーサンや塩化水素酸キトーサン溶液や
凍結乾燥した固体(塩)は、100℃程度で熱に対
して不安定であるので、キトーサン止血溶液や、
繊維や粉末は、調整後に滅菌するよりも、滅菌性
キトーサンから調整する必要がある。 以下説明する本発明の実施例で用いた最良のキ
トーサンは、熱安定性がよく、かつ121℃
(250°F)において、蒸気オートクレーブ内で滅菌
したものである。 本発明者は、シユリンプと2種類のクラブ、及
び2種類の未知の取得源(実用等級キトーサン)
から得たキトーサンを、様々の濃度の酸溶液とし
て、試験管内の酸溶液や犬の皮膚切開部に接触さ
せると止血凝塊が生成することを発見した。 42%だけ脱アセチル化されたキトーサンは、溶
液として、1.0N以下の酸を必要とした(その際
いくらかの固体が残渣する)。 ポリグルコーサミン(100%脱アセチル化キト
ーサン)は、優良な凝塊を生成したが、試験の量
が少量であつた。 低粘度もしくは粘度が中位のキトーサンは、容
易に溶解し、膜で迅速に殺菌された。しかし、
凝塊の安定性は、溶液中に最も多く存在するポリ
マーの分子量に直接比例した。 以下の実験により、キトーサンが、繊維の増殖
を防止し、かつ組織再生を促進させることが判明
した。 前記バラツキによるアメリカ合衆国特許第
3914413号、同第3911116号及び同第3903268号で
は、キトーサン以外のキチン誘導体を、固体状に
してラツトの創傷に与えて処置している。その
際、プルデン(Prudden)による組織の張力測定
方法を用いている。 処置済みのラツトと、未処置のラツトの腹部の
空洞に、バルーンを、5日間、7日間及び11日間
の間隔で挿入した。バルーンは、創傷が破壊する
まで膨張させられた。破裂圧力(mmHg)をも
つて、張力の指標とした。 プルデン及びバラツサが特許請求している発明
によると、軟骨処置されたラツトは、5日及び7
日後では、コントロールされたラツトよりも、張
力が20乃至40%増加したが、11日目では違いは見
られなかつた。バラツサの特許では、キチンを用
いると、張力が25%増加することが、特許請求の
範囲で述べられている。 実施例 1 第1実験では、44匹のラツトを体重により、2
匹ずつ分けた。1匹のラツトの切開部に、キトー
サン溶液(0.026Nの酢酸にキトーサン200mg/
100cc)で浸したスポンジを当て、他のラツトに
は、生理食塩水で浸したスポンジを当てた。2mg
のキトーサンを含む粘性のキトーサン1cm3を、膓
部の創傷部の側部に塗布した。 キトーサン止血溶液の創傷治癒評価の結果を、
第1図に示す。 5日後に、8匹にキトーサン処理したラツトの
うち、6匹の創傷が、対をなすコントロールラツ
トよりも低い膓内圧力で破裂した。 キトーサン処理したラツトと、コントロールラ
ツトの圧力差の合計(6対減つて2対増えた)を
8で割ると、平均の破壊圧力減少値は、−
14.4mHgとなつた。これを、平均コントロール
破壊圧力で割ると、キトーサン処理のラツトの創
傷の張力の減少は、11%となる。 7日目には、8匹のキトーサン処理のラツトの
うち、5匹の創傷が、対をなすコントロールラツ
トよりも低い圧力で破壊した。計算した結果、張
力は、わずか6.4%減少していることが判つた。 11日目では、キトーサン処理したラツトのう
ち、5匹の創傷がコントロールラツトよりわずか
に高い圧力が破壊することがわかつた。計算した
ところ、張力は、わずか2%だけ減少しているこ
とが判つた。 実施例 第2の実験では、キトーサンの、繊維マツト
を、プルデンの標準腹部創傷に加えた。テフロン
塗布したピンセツトで、4mgのキトーサン繊維マ
ツトをめすのラツトの各標準膓壁切開部の一端部
に沿つて当てた。縫合によつて創傷を閉じると、
固体キトーサンを変則的に塗布することになる
が、各マツトの一部分を、傷のある縁部の反対側
に直接にあてた。コントロールラツトには、創傷
の縁部に何も加えなかつた。 5日後、キトーサン処置した創傷は、コントロ
ールラツトに比べて、相当に悪かつた。マツトが
創傷の血塊の生成を閉塞している個所は、バルー
ンの挿入中に、その創傷が破壊された。処置した
創傷を破壊しないようにして、バルーンを挿入し
ている際に、創傷は、コントロールラツトの創傷
よりも低圧で、(破裂ではなくむしろ)不規則に
破壊した。 従来、N−アセチル化部分解重合キチンは、創
傷治癒の初期(5日、7日及び11日目)におい
て、(破壊に対する)張力を増加させることによ
つて、治療の初期段階を促進させることが判つて
いる。 また本実験によつて、キトーサン止血溶液とキ
トーサン止血繊維マツトは、創傷治癒の初期段階
(5日目)において、張力を減少させることによ
つて、初期の創傷治癒を妨げることが判明した。
さらにキトーサン止血溶液は、後の段階(7日及
び11日)における創傷治癒に関しては、重要な効
果がないことも判明した。 実施例 多孔性合成血管移植片と動脈節に入れると、繊
維の形成によつて治癒がなされることは公知であ
る。繊維組織とフイブリンの層が、その構造の内
部を被膜し、外部は、他の繊維膜によつて被膜さ
れる。組織は、他人の体の、駆血瘢痕に効力があ
るが、生命組織のように成長したり、再生したり
することはない。これらのことに留意して、この
実験を行つた。 多孔性癒着ダクロンデイベイキー移植片を、犬
の腎臓下の大動脈に入れた。コントロールには、
キトーサン溶液を加えずに、該移植片を入れた。
この実験的移植片は、前述のキトーサン止血溶液
を浸漬したものである。 1,2,3及び4ケ月後、両群の移植片を、肉
眼と光学顕微鏡及び電子顕微鏡によつて、念入り
に調べた。コントロール移植片は、血管繊維組織
内に包囲されていた。 キトーサン処理の移植片は平滑筋に包まれてお
り、それが、移植片の裂け目を浸透していた。移
植片は、生命内皮細胞で裏付けされ、数多の血管
(脈管血管)が、この細胞へ供給され、有髄神経
線維が内方へ生成されていた。つまり、通常の動
脈の種々の組織素材が、新たに再生されることが
判明した。 このように、これらの実験によつて、キトーサ
ンを血管移植片に与えたら、繊維増殖は阻害さ
れ、通常の素材の再生が促進されることが示され
た。 手術前に、ヘパリンナトリウムを挿入すること
によつて、完全に抗凝固性を有する(血塊生成時
間が1時間以上かかる状態)ようになつた犬は、
多孔性移植片から血液が漏れることがなかつた。
移植片を包囲する平滑筋の再生は、1,2,3,
及び4ケ月毎に観察した。 実施例 5匹の健康な雑種犬の腹部の皮膚に、皮下組織
まで貫通する2cm長の皮膚創傷を付けた。各犬
に、4個所の創傷を付け、各創傷を、食塩水湿
布、標準止血剤(ゼラチン泡状)、前述のキトー
サン溶液、及びキトーサン溶液繊維マツトで処置
した。 それらの創傷を、24時間、72時間、7日、及び
1ケ月の間隔で調べた。 肉眼的検査と光学顕微鏡による検査を行つた。
食塩水を用いたコントロールにおいては、通常の
場合のように瘢痕が広がつた。止血剤で処置した
創傷は、ゼラチン泡が創傷内に残存し、組織が再
生されていた。固体キトーサンの処置による創傷
の瘢痕は、ゼラチン泡による処置と同様の結果と
なつた。キトーサン溶液で処置した創傷は、瘢痕
が薄くなつて治癒した。 実施例 5匹の健康な雑種犬の左腹部直滑に、長さ2cm
深さ1cmの深裂創傷を付けた。実施例と同じよ
うに、この創傷を、食塩塗布と止血剤とキトーサ
ン溶液とキトーサン繊維マツトで処置した。検査
間隔は、24時間、72時間、7日及び30日とした。
肉眼的検査と光学顕微鏡によつて、瘢痕組織の残
存量を調べた。 筋内は、深裂を受けると退縮するので、組織の
欠損はかなり広かつた。食塩水処理の筋肉創傷
は、広い瘢痕となつた。標準止血剤で処理した創
傷は、かなり組織再生され、ゼラチン泡は、1ケ
月後にも残存していた。キトーサン溶液や凍結乾
燥したキトーサンで処理した創傷では、瘢痕組織
と筋力の増殖があまり見られなかつた。 実施例 5匹の健康な雑種犬の肝蔵に、長さ2cm深さ1
cmの深裂創傷を付けた。この創傷を、標準止血
剤、キトーサン溶液、及び凍結乾燥したキトーサ
ンで処理した。創傷を間隔とおいて、肉眼及び光
学顕微鏡で検査した。止血剤で処理した創傷は、
かなり瘢痕が見られ、止血物質が、1ケ月後でも
創傷内に残つていた。キトーサン溶液や凍結乾燥
したキトーサンで処理した創傷は、瘢痕も小さ
く、肝組織の再生もいくらか見られた。 実施例 5匹の健康な雑種犬の脾臓に、長さ2cm深さ1
cmの深裂創傷を付けた。これらの創傷を、標準止
血剤と前述のキトーサン溶液と凍結乾燥したキト
ーサンで処理した。時間的間隔をおいて、肉眼及
び光学顕微鏡で検査を行つたが、その結果、標準
止血剤で処理した創傷は、組織が反応を示し瘢痕
が見られ、止血剤が残存していた。 キトーサン溶液と凍結乾燥したキトーサンによ
つて処理した創傷には、組織反応は見られず、瘢
痕は小さかつた。 実施例 雑種のネコの脳の左右の頭頂葉に、同様の抉出
(スクープ創傷)を付けた。本発明によるキトー
サン止血溶液は、他の液体(トロンビン溶液)や
止血剤と同様に、止血効果があつた。 1ケ月後に、止血効果が最良であつたキトーサ
ン処理した創傷は、繊維瘢痕が少なく、色素を有
する大食細胞も少く、かつ神経膠の素材が多く見
られた。 実施例 本発明のキトーサン止血溶液を、犬の腰の露出
した骨の骨髄表面に与えると、この溶液は、表面
上から滲出する血液を止血した。1週間後、コン
トロール部位は、大食細胞及び、繊維芽細胞を含
む組織化した薄い血塊によつて包囲されていた。 キトーサンで処理した表面は、大食細胞及び、
繊維芽細胞をあまり含まない凝塊によつて包囲さ
れていた。 また、キトーサン溶液を、雑種犬の創傷のある
股間接に注入した。1週間後、この溶液を注入さ
れた関節は、0.026Nの酢酸を注入したコントロ
ール関節よりも、出血が少なく、炎症のある細胞
も少なかつた。 以上の実験は、キトーサンの中で、pH4の酢酸
の溶液と、繊維マツトと、粉末のどれが、駆血の
際に、繊維増殖を阻害し、細胞の再生を促進させ
るかを試したものである。 表Aは、止血と、繊維増殖の阻害と、組織再生
を可能にするキトーサン溶液の様々な方法を示す
ものである。
【表】
許容範囲は独立変数ではない。高分子量を有
し、脱アセチル化の程度が低いキトーサンは、溶
液内に材料を入れるためには、酸濃度を高くする
ことが必要である。 (∴)通常の血液溶質濃度との比較による。 第1実施例乃至第9実施例から本発明によるキ
トーサンは、止血作用を有し、繊維の増殖を阻害
し、かつ組織再生を促進させる効果があることが
判明した。
し、脱アセチル化の程度が低いキトーサンは、溶
液内に材料を入れるためには、酸濃度を高くする
ことが必要である。 (∴)通常の血液溶質濃度との比較による。 第1実施例乃至第9実施例から本発明によるキ
トーサンは、止血作用を有し、繊維の増殖を阻害
し、かつ組織再生を促進させる効果があることが
判明した。
第1図は、キトーサン止血剤による創傷治癒の
一例を示すグラフである。
一例を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 薬理活性成分としてキトーサンを含む、組織
創傷の止血、繊維増殖阻害、及び組織再生促進用
医薬組成物。 2 キトーサンが、部分的に脱アセチル化された
キチンであることを特徴とする特許請求範囲第1
項に記載の医薬組成物。 3 キトーサンが、78%乃至92%脱アセチル化さ
れていることを特徴とする特許請求の範囲第2項
に記載の医薬組成物。 4 キトーサンが、分子量10000乃至2055000を有
するものであることを特徴とする特許請求の範囲
第1項に記載の医薬組成物。 5 キトーサンが、蒸留水と酢酸の溶液であり、
かつpHが約4であることを特徴とする特許請求
の範囲第4項に記載の医薬組成物。 6 キトーサンが、固体であることを特徴とする
特許請求の範囲第1項に記載の医薬組成物。 7 キトーサンが、キトーサンの酸溶液を脱アセ
チン化して調整した塩であることを特徴とする特
許請求の範囲第6項に記載の医薬組成物。 8 キトーサンが、粉末であることを特徴とする
特許請求の範囲第7項に記載の医薬組成物。 9 キトーサンが、フイルムであることを特徴と
する特許請求の範囲第7項に記載の医薬組成物。 10 キトーサンが、シートであることを特徴と
する特許請求の範囲第7項に記載の医薬組成物。 11 キトーサンが、繊維状を成していることを
特徴とする特許請求の範囲第7項に記載の医薬組
成物。 12 キトーサン繊維が、マツト状をなしている
ことを特徴とする特許請求の範囲第11項に記載
の医薬組成物。 13 キトーサン繊維が、プラグ状を成している
ことを特徴とする特許請求の範囲第11項に記載
の医薬組成物。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US06/440,039 US4532134A (en) | 1981-04-06 | 1982-11-08 | Method of achieving hemostasis, inhibiting fibroplasia, and promoting tissue regeneration in a tissue wound |
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| JPS5988424A JPS5988424A (ja) | 1984-05-22 |
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| JP (1) | JPS5988424A (ja) |
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| GB (1) | GB2129300B (ja) |
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