JPH0543776B2 - - Google Patents
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- JPH0543776B2 JPH0543776B2 JP1050070A JP5007089A JPH0543776B2 JP H0543776 B2 JPH0543776 B2 JP H0543776B2 JP 1050070 A JP1050070 A JP 1050070A JP 5007089 A JP5007089 A JP 5007089A JP H0543776 B2 JPH0543776 B2 JP H0543776B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は、金型に鋳造され、所望位置を面削加
工して金属光沢を出し、その部位に透明な皮膜を
設けて使用される車両、電気機器等の部分用の耐
糸状腐食性に優れたアルミニウム合金に関する。 (従来の技術) アルミニウムは、アルミニウムに添加し合金化
する元素を選ぶことによつて、強度、耐食性、流
動性等の特性を改善できることはよく知られてい
ることである。この中でSiはアルミニウムに対し
て強度、流動性の改善が著しいので、アルミニウ
ムにSiを添加したAl−Si系合金が広く使用され
ている。特にAl−Si系合金は、該合金を金型に
鋳造して急冷凝固させるとSiが微細に晶出し、
Alと共晶組織を形成して強度ばかりでなく、耐
摩耗性も向上させ得るので、このような特性の求
められる車両のホイールやその他VTR等の電気
機器部品等の多くは金型に鋳造して製造されてい
る。金型の使用される鋳造法には、ダイカスト鋳
造法、低圧鋳造法、グラビテイー鋳造法等があ
り、製品の品質、生産性等を考慮して選択採用さ
れ、一般的な方法として知られている。 ところで、アルミニウムの金属光沢は美麗なと
ころからフアツシヨン性を付与でき、そのために
鋳造製品の所望の位置を切削加工して金属素地を
露出して用いられるが、湿気および環境の汚染か
ら腐食し易くかえつて外観を損いみにくくなるこ
とがある、このために、露出した金属素地の表面
に化成処理やアルマイト処理あるいはクリヤー樹
脂を塗装して使用している。 (発明の課題) 露出した金属素地の表面に防食性を持つように
7−9μmの皮膜厚さのアルマイト処理した製品
は、製品の合金成分特有の発色を呈し、アルミニ
ウムの金属光沢を付与しにくく、殊にSiを4−
5wt%以上含有するAl−Si系合金は、灰色から黒
灰色を呈しアルミニウムの金属光沢を持たなくな
る。また、金属素地面に化成処理やクリヤー樹脂
を塗装した製品は、製品の形状によつては膜厚が
不均一になり、たとえば尖つたエツヂ部のような
個所には十分な厚さの皮膜とすることができず、
その部分から腐食し易くなり、また使用中に受け
た傷から腐食する。そこで皮膜の厚さをさらに厚
くすることも考えられるが、かえつて逆の効果に
なる。すなわち化成処理や塗装による皮膜は含有
する水分や有機溶媒を除くために乾燥処理される
が、膜厚が厚くなると微細の割れが発生し易く、
この部分から腐食し易くなる。しかしながら薄く
好ましい厚さとした皮膜は、水分が浸透し易く、
浸透した僅かな水分が素地のアルミニウムと反応
して腐食し、時の経ると共に曲線的に成長するい
わゆる糸状腐食を発生させ、時として数カ月で4
−5mmにも及びしかもその発生点の密度が大き
く、外観を損いみにくくしてしまう問題点があつ
た。 本発明は、このような問題点を解決したもので
あつて、その目的とするところは、糸状腐食の発
生点の密度の少ないしかも進行速度の遅い金系鋳
造用アルミニウム合金を提供することである。 (課題解決の手段) 発明者らは、上記問題点を解決するために研究
を重ねた結果、合金のCu含有量を可及的少量と
すると、糸状腐食の発生点の密度が小さく、また
合金にTiおよびBeの一種または二種を含有させ
ると糸状腐食成長の進行速度が遅くなることを見
出して本発明を完成したものである。 すなわち、第1の発明は、Cuの含有量を
0.02wt%以下に規制し、かつSiを4−13wt%含
有するアルミニウム合金において、0.05−0.3wt
%のTiおよび0.05−0.15wt%のBeの一種または
二種を含有していることを特徴とする透明な皮膜
を設けて使用される耐糸状腐食性に優れた金型鋳
造用アルミニウム合金であり、また第2の発明
は、Cuの含有量を0.02wt%以下に規制し、かつ
Si4−13wt%、Mg1.5wt%以下、Mn1.2wt%以
下、Fe1.5wt%以下、を含有し、さらに0.05−
0.3wt%のTiおよび0.05−0.15wt%のBeの一種ま
たは二種を含有し残部Alおよび上記以外の不純
物からなることを特徴とする透明な皮膜を設けて
使用される耐糸状腐食性に優れた金型鋳造用アル
ミニウム合金であり、また第3の発明は、Cuの
含有量を0.02wt%以下に規制し、かつSi6−8wt
%、Mg1.5wt%以下、Mn0.3wt%以下、Fe0.3wt
%以下を含有し、さらに0.05−0.3wt%のTiおよ
び0.05−0.15wt%のBeの一種または二種を含有し
残部Alおよび上記以外の不純物からなることを
特徴とする透明な皮膜を設けて使用される耐糸状
腐食性に優れたグラビテーまたは低圧鋳造法によ
る金型鋳造用アルミニウム合金であり、また第4
の発明は、Cuの含有量を0.02wt%以下に規制し、
かつSi8−11wt%、Mg0.15−0.5wt%、Mn0.1−
0.5wt%、Fe0.3−0.8wt%を含有し、さらに0.05
−0.3wt%のTiおよび0.05−0.15wt%のBeの一種
または二種を含有し残部Alおよび上記以外の不
純物からなることを特徴とする透明な皮膜を設け
て使用される耐糸状腐食性に優れたダイカスト用
アルミニウム合金である。 (作用) Siを4−13wt%含有するAl−Si系合金は、流
動性が良く、充填性も良好で車両のホイールや、
VTR等の電気機器部品等の鋳物に適したもので
ある。好ましいSiの含有量は6−11wt%である。
特に冷却速度の遅いグラビテイーまたは低圧鋳造
法によるときは、初晶Siおよび共晶Siが粗大化し
易く、靭性または耐摩耗性を低下するので、Siの
含有量は6−8wt%とすることが好ましい。また
ダイカスト鋳造法によるときは冷却速度が速く、
上述のような初晶および共晶Siの粗大化による特
性低下の影響が少ないので、その含有量は8−
11wt%とすることが好ましい。 Cu0.02wt%以下 Cuは、糸状腐食の発生点の密度を大きくする
ので、その含有量は可及的少量とすることが好ま
しく、その含有量を0.02wt%以下、望ましくは
0.01wt%以下とする。これはCuを含有すること
によつて、Cuを含有するα−Al(Fe、Cu)Siの
第2相を晶出し、この第2相がマトリツクスに対
してより貴となり、局部電池を形成し、糸状腐食
の発生起点となるためと思われる。 Ti0.05−0.3wt% Be0.05−0.15wt%の一種または二種 TiおよびBiの一種または二種を含有させるの
は、発生した糸状腐食の成長の進行速度を抑制す
るためのもので、その含有量がTiで0.05wt%以
下、Beで0.05wt%以下では抑制の効果が少なく、
またTiの含有量がその上限値以上となると、粗
大なAl−Ti系の化合物が晶出し易くなり、切削
工具の寿命を低下させたり、靭性を低下させる。
また、Beの含有量がその上限値以上となると、
合金の溶製中にBeの酸化物が作業場の雰囲気を
汚すので好ましくない。 TiおよびBeの一種または二種を含有させると
糸状腐食成長の進行速度が遅くなる理由は正確に
把握しているわけではないが、TiまたはBeがた
とえば酸素過電圧を大きくするような因子に作用
し、糸状腐食の成長速度を実質的に律速している
と思われる腐食成長点周囲のカソード反応(O2
+H2O+4e→4OH-)に影響して該反応の速度を
大幅に抑制し、その結果、腐食の進行速度が遅く
なるためと思われる。 ここで、Siを4−13wt%含有するAl−Si系合
金とは、Al−Si合金を限定して意味するもので
はなく、上記した含有量範囲のTi、Beの他に、
Mg、Mn、Fe等の元素が含有されてもよく、強
度、靭性、耐金型焼付性等を一層付与したい場合
は、その目的に応じて合金元素を添加することが
できるものであつて、その量は特に限定するもの
ではないが、例えばJIS H5202アルミニウム合金
鋳物における4種、およびJIS H5302アルミニウ
ム合金ダイカストにおける3種の他、市販されて
いる合金鋳物のごとく、Mgを0.15−1.5wt%と
し、Mnの1.2wt%以下、Fe1.5wt%以下とするこ
とが望ましい。特にグラビテイーまたは低圧鋳造
法によるときは、Mn、FeはAl−Mn−Fe系の粗
い化合物を晶出し易く強度および靭性を損なうの
で、Mnを0.3wt%以下、Feを0.3wt%以下にする
ことが好ましい。またダイカスト法によるとき
は、耐金型焼付性を付与するためにMnまたはFe
の一種または二種を含有させる必要があり、その
量は、Mnで1.2wt%以下、好ましくはMn0.1−
0.5wt%、Feで1.5wt%以下、好ましくはFe0.3−
0.8wt%である。上述した元素の他にCr、W、Ni
の0.5wt%程度まで、Znの1wt%程度まで好まし
くは0.5wt%までの含有は本発明合金の効果を妨
げるものではないから許容される。 本発明の係る合金を溶製するにあたつて、Siは
金属珪素またはAl−Si母合金、TiはAl−Ti母合
金またはKTiF5のようなTi化合物を含有するフ
ラツクス、BeはAl−Be母合金等をアルミニウム
溶湯に添加撹拌し含有させる。アルミニウム溶湯
は、JIS H2102アルミニウム地金における3種以
上、好ましくは1種以上の純度の地金を使用し、
返り材から含有しがちなCuの量を希釈するなど
してCuの含有量を管理する。 このようにして溶製したアルミニウム合金溶湯
は、金型に鋳造する。これは合金溶湯を急冷し微
細な共晶Si組織とし、強度、靭性等の特性を向上
させるととも、α−Al(Fe.M)Si化合物(Mは
Al、Fe、Si以外の金属)の第2相の晶出を抑制
し、糸状腐食の発生点の密度を少なくするためで
ある。この金型鋳造は上記の如く、グラビテイー
鋳造法、低圧鋳造法、ダイカスト鋳造法等を用い
ることができる。 このようにして鋳造された鋳物は、必要に応じ
て熱処理、鍛造等の塑性加工を施したのち、所望
位置を切削加工してアルミニウムの金属光沢を出
し、クロメート処理等の化成処理、透明な樹脂、
塗料、ホーロー等の皮膜を設けて製品とされる。
アルマイト処理は、1μm程度までの厚さであれ
ばアルミニウムの金属光沢を妨げるほどには灰色
系の色を発色しないので、切削加工後の鋳物の金
属面にこの程度のアルマイト皮膜を設けることは
不都合なことではなく、むしろ他の化成皮膜等と
同様に樹脂等の皮膜との密着性を向上するので好
ましいことである。 次に本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説
明するが、低圧鋳造製品およびグラビテイー製品
は同等の効果を有することが確認されたので、実
施例においてはダイカスト製品および低圧鋳造製
品について説明する。 (実施例) 試験片100mm×250mm×厚さ10mm)を250tダイカ
スト機および300Kg低圧鋳造機を使用して鋳造し
た。溶湯は、JIS H2102アルミニウム地金第1種
に示される組成の地金を用い、これに、Al−Si、
Al−Mg、Al−Fe、Al−Mn、Al−Ti、Al−Be
の各母合金を用い、溶解後脱ガス、脱滓して溶製
した。なお、ダイカスト鋳造の場合は、鋳造した
試験片が金型に焼付くのを防止するためにFe、
Mnを添加した。また、Mgを添加したのは車両
用のホイールに使用できる程度の機械的特性を合
金に付与したためである。分析値を第1表に示
す。このようにして得た試験片について機械的特
性および耐糸状腐食性を測定した。結果を第2表
に示す。耐糸状腐食性は腐食促進試験で調べた。
すなわち試験片を2mm面削してアルミニウムの金
属光沢面を出し、脱脂後クロメート処理して5
mg/m2のCrを含有する化成皮膜を面削面に生成
させ、市販のアクリルウレタン塗料PG60(関西ペ
イント社製)を塗布し試料とした。乾燥後塗料の
膜厚を測定したところ20μmであつた。次に該試
料にクロスカツトを入れ、その部分を0.5N塩酸
水溶液で塗布してこの部分から発錆するようにし
た後、温度40℃、相対湿度80%の雰囲気中に10日
間放置し、糸状腐食の発生点の密度および最大長
さを測定した。ここで腐食の発生点の密度は0.5
mm以上の長さに成長した腐食を上記クロスカツト
長5cm当たりの数で表した。
工して金属光沢を出し、その部位に透明な皮膜を
設けて使用される車両、電気機器等の部分用の耐
糸状腐食性に優れたアルミニウム合金に関する。 (従来の技術) アルミニウムは、アルミニウムに添加し合金化
する元素を選ぶことによつて、強度、耐食性、流
動性等の特性を改善できることはよく知られてい
ることである。この中でSiはアルミニウムに対し
て強度、流動性の改善が著しいので、アルミニウ
ムにSiを添加したAl−Si系合金が広く使用され
ている。特にAl−Si系合金は、該合金を金型に
鋳造して急冷凝固させるとSiが微細に晶出し、
Alと共晶組織を形成して強度ばかりでなく、耐
摩耗性も向上させ得るので、このような特性の求
められる車両のホイールやその他VTR等の電気
機器部品等の多くは金型に鋳造して製造されてい
る。金型の使用される鋳造法には、ダイカスト鋳
造法、低圧鋳造法、グラビテイー鋳造法等があ
り、製品の品質、生産性等を考慮して選択採用さ
れ、一般的な方法として知られている。 ところで、アルミニウムの金属光沢は美麗なと
ころからフアツシヨン性を付与でき、そのために
鋳造製品の所望の位置を切削加工して金属素地を
露出して用いられるが、湿気および環境の汚染か
ら腐食し易くかえつて外観を損いみにくくなるこ
とがある、このために、露出した金属素地の表面
に化成処理やアルマイト処理あるいはクリヤー樹
脂を塗装して使用している。 (発明の課題) 露出した金属素地の表面に防食性を持つように
7−9μmの皮膜厚さのアルマイト処理した製品
は、製品の合金成分特有の発色を呈し、アルミニ
ウムの金属光沢を付与しにくく、殊にSiを4−
5wt%以上含有するAl−Si系合金は、灰色から黒
灰色を呈しアルミニウムの金属光沢を持たなくな
る。また、金属素地面に化成処理やクリヤー樹脂
を塗装した製品は、製品の形状によつては膜厚が
不均一になり、たとえば尖つたエツヂ部のような
個所には十分な厚さの皮膜とすることができず、
その部分から腐食し易くなり、また使用中に受け
た傷から腐食する。そこで皮膜の厚さをさらに厚
くすることも考えられるが、かえつて逆の効果に
なる。すなわち化成処理や塗装による皮膜は含有
する水分や有機溶媒を除くために乾燥処理される
が、膜厚が厚くなると微細の割れが発生し易く、
この部分から腐食し易くなる。しかしながら薄く
好ましい厚さとした皮膜は、水分が浸透し易く、
浸透した僅かな水分が素地のアルミニウムと反応
して腐食し、時の経ると共に曲線的に成長するい
わゆる糸状腐食を発生させ、時として数カ月で4
−5mmにも及びしかもその発生点の密度が大き
く、外観を損いみにくくしてしまう問題点があつ
た。 本発明は、このような問題点を解決したもので
あつて、その目的とするところは、糸状腐食の発
生点の密度の少ないしかも進行速度の遅い金系鋳
造用アルミニウム合金を提供することである。 (課題解決の手段) 発明者らは、上記問題点を解決するために研究
を重ねた結果、合金のCu含有量を可及的少量と
すると、糸状腐食の発生点の密度が小さく、また
合金にTiおよびBeの一種または二種を含有させ
ると糸状腐食成長の進行速度が遅くなることを見
出して本発明を完成したものである。 すなわち、第1の発明は、Cuの含有量を
0.02wt%以下に規制し、かつSiを4−13wt%含
有するアルミニウム合金において、0.05−0.3wt
%のTiおよび0.05−0.15wt%のBeの一種または
二種を含有していることを特徴とする透明な皮膜
を設けて使用される耐糸状腐食性に優れた金型鋳
造用アルミニウム合金であり、また第2の発明
は、Cuの含有量を0.02wt%以下に規制し、かつ
Si4−13wt%、Mg1.5wt%以下、Mn1.2wt%以
下、Fe1.5wt%以下、を含有し、さらに0.05−
0.3wt%のTiおよび0.05−0.15wt%のBeの一種ま
たは二種を含有し残部Alおよび上記以外の不純
物からなることを特徴とする透明な皮膜を設けて
使用される耐糸状腐食性に優れた金型鋳造用アル
ミニウム合金であり、また第3の発明は、Cuの
含有量を0.02wt%以下に規制し、かつSi6−8wt
%、Mg1.5wt%以下、Mn0.3wt%以下、Fe0.3wt
%以下を含有し、さらに0.05−0.3wt%のTiおよ
び0.05−0.15wt%のBeの一種または二種を含有し
残部Alおよび上記以外の不純物からなることを
特徴とする透明な皮膜を設けて使用される耐糸状
腐食性に優れたグラビテーまたは低圧鋳造法によ
る金型鋳造用アルミニウム合金であり、また第4
の発明は、Cuの含有量を0.02wt%以下に規制し、
かつSi8−11wt%、Mg0.15−0.5wt%、Mn0.1−
0.5wt%、Fe0.3−0.8wt%を含有し、さらに0.05
−0.3wt%のTiおよび0.05−0.15wt%のBeの一種
または二種を含有し残部Alおよび上記以外の不
純物からなることを特徴とする透明な皮膜を設け
て使用される耐糸状腐食性に優れたダイカスト用
アルミニウム合金である。 (作用) Siを4−13wt%含有するAl−Si系合金は、流
動性が良く、充填性も良好で車両のホイールや、
VTR等の電気機器部品等の鋳物に適したもので
ある。好ましいSiの含有量は6−11wt%である。
特に冷却速度の遅いグラビテイーまたは低圧鋳造
法によるときは、初晶Siおよび共晶Siが粗大化し
易く、靭性または耐摩耗性を低下するので、Siの
含有量は6−8wt%とすることが好ましい。また
ダイカスト鋳造法によるときは冷却速度が速く、
上述のような初晶および共晶Siの粗大化による特
性低下の影響が少ないので、その含有量は8−
11wt%とすることが好ましい。 Cu0.02wt%以下 Cuは、糸状腐食の発生点の密度を大きくする
ので、その含有量は可及的少量とすることが好ま
しく、その含有量を0.02wt%以下、望ましくは
0.01wt%以下とする。これはCuを含有すること
によつて、Cuを含有するα−Al(Fe、Cu)Siの
第2相を晶出し、この第2相がマトリツクスに対
してより貴となり、局部電池を形成し、糸状腐食
の発生起点となるためと思われる。 Ti0.05−0.3wt% Be0.05−0.15wt%の一種または二種 TiおよびBiの一種または二種を含有させるの
は、発生した糸状腐食の成長の進行速度を抑制す
るためのもので、その含有量がTiで0.05wt%以
下、Beで0.05wt%以下では抑制の効果が少なく、
またTiの含有量がその上限値以上となると、粗
大なAl−Ti系の化合物が晶出し易くなり、切削
工具の寿命を低下させたり、靭性を低下させる。
また、Beの含有量がその上限値以上となると、
合金の溶製中にBeの酸化物が作業場の雰囲気を
汚すので好ましくない。 TiおよびBeの一種または二種を含有させると
糸状腐食成長の進行速度が遅くなる理由は正確に
把握しているわけではないが、TiまたはBeがた
とえば酸素過電圧を大きくするような因子に作用
し、糸状腐食の成長速度を実質的に律速している
と思われる腐食成長点周囲のカソード反応(O2
+H2O+4e→4OH-)に影響して該反応の速度を
大幅に抑制し、その結果、腐食の進行速度が遅く
なるためと思われる。 ここで、Siを4−13wt%含有するAl−Si系合
金とは、Al−Si合金を限定して意味するもので
はなく、上記した含有量範囲のTi、Beの他に、
Mg、Mn、Fe等の元素が含有されてもよく、強
度、靭性、耐金型焼付性等を一層付与したい場合
は、その目的に応じて合金元素を添加することが
できるものであつて、その量は特に限定するもの
ではないが、例えばJIS H5202アルミニウム合金
鋳物における4種、およびJIS H5302アルミニウ
ム合金ダイカストにおける3種の他、市販されて
いる合金鋳物のごとく、Mgを0.15−1.5wt%と
し、Mnの1.2wt%以下、Fe1.5wt%以下とするこ
とが望ましい。特にグラビテイーまたは低圧鋳造
法によるときは、Mn、FeはAl−Mn−Fe系の粗
い化合物を晶出し易く強度および靭性を損なうの
で、Mnを0.3wt%以下、Feを0.3wt%以下にする
ことが好ましい。またダイカスト法によるとき
は、耐金型焼付性を付与するためにMnまたはFe
の一種または二種を含有させる必要があり、その
量は、Mnで1.2wt%以下、好ましくはMn0.1−
0.5wt%、Feで1.5wt%以下、好ましくはFe0.3−
0.8wt%である。上述した元素の他にCr、W、Ni
の0.5wt%程度まで、Znの1wt%程度まで好まし
くは0.5wt%までの含有は本発明合金の効果を妨
げるものではないから許容される。 本発明の係る合金を溶製するにあたつて、Siは
金属珪素またはAl−Si母合金、TiはAl−Ti母合
金またはKTiF5のようなTi化合物を含有するフ
ラツクス、BeはAl−Be母合金等をアルミニウム
溶湯に添加撹拌し含有させる。アルミニウム溶湯
は、JIS H2102アルミニウム地金における3種以
上、好ましくは1種以上の純度の地金を使用し、
返り材から含有しがちなCuの量を希釈するなど
してCuの含有量を管理する。 このようにして溶製したアルミニウム合金溶湯
は、金型に鋳造する。これは合金溶湯を急冷し微
細な共晶Si組織とし、強度、靭性等の特性を向上
させるととも、α−Al(Fe.M)Si化合物(Mは
Al、Fe、Si以外の金属)の第2相の晶出を抑制
し、糸状腐食の発生点の密度を少なくするためで
ある。この金型鋳造は上記の如く、グラビテイー
鋳造法、低圧鋳造法、ダイカスト鋳造法等を用い
ることができる。 このようにして鋳造された鋳物は、必要に応じ
て熱処理、鍛造等の塑性加工を施したのち、所望
位置を切削加工してアルミニウムの金属光沢を出
し、クロメート処理等の化成処理、透明な樹脂、
塗料、ホーロー等の皮膜を設けて製品とされる。
アルマイト処理は、1μm程度までの厚さであれ
ばアルミニウムの金属光沢を妨げるほどには灰色
系の色を発色しないので、切削加工後の鋳物の金
属面にこの程度のアルマイト皮膜を設けることは
不都合なことではなく、むしろ他の化成皮膜等と
同様に樹脂等の皮膜との密着性を向上するので好
ましいことである。 次に本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説
明するが、低圧鋳造製品およびグラビテイー製品
は同等の効果を有することが確認されたので、実
施例においてはダイカスト製品および低圧鋳造製
品について説明する。 (実施例) 試験片100mm×250mm×厚さ10mm)を250tダイカ
スト機および300Kg低圧鋳造機を使用して鋳造し
た。溶湯は、JIS H2102アルミニウム地金第1種
に示される組成の地金を用い、これに、Al−Si、
Al−Mg、Al−Fe、Al−Mn、Al−Ti、Al−Be
の各母合金を用い、溶解後脱ガス、脱滓して溶製
した。なお、ダイカスト鋳造の場合は、鋳造した
試験片が金型に焼付くのを防止するためにFe、
Mnを添加した。また、Mgを添加したのは車両
用のホイールに使用できる程度の機械的特性を合
金に付与したためである。分析値を第1表に示
す。このようにして得た試験片について機械的特
性および耐糸状腐食性を測定した。結果を第2表
に示す。耐糸状腐食性は腐食促進試験で調べた。
すなわち試験片を2mm面削してアルミニウムの金
属光沢面を出し、脱脂後クロメート処理して5
mg/m2のCrを含有する化成皮膜を面削面に生成
させ、市販のアクリルウレタン塗料PG60(関西ペ
イント社製)を塗布し試料とした。乾燥後塗料の
膜厚を測定したところ20μmであつた。次に該試
料にクロスカツトを入れ、その部分を0.5N塩酸
水溶液で塗布してこの部分から発錆するようにし
た後、温度40℃、相対湿度80%の雰囲気中に10日
間放置し、糸状腐食の発生点の密度および最大長
さを測定した。ここで腐食の発生点の密度は0.5
mm以上の長さに成長した腐食を上記クロスカツト
長5cm当たりの数で表した。
【表】
【表】
第2表の結果から、Cu含有量の少ない合金
(試料番号5および11)は、Cu含有量の多い合金
(試料番号6および12)に比べ腐食の発生点密度
の小さいことが判る。そしてこのCu含有量の少
ない合金にさらにTiおよびBeの1種または2種
含有した合金(本発明合金:試料番号1、2、
3、4および7、8、9、10)はCu含有量の少
ないだけの合金(上記試料番号5および11)に比
べ腐食の最大長さの短いことが判る。 (発明の効果) 以上述べたように、本発明合金は、糸状腐食の
発生点の密度が小さく、腐食の最大長さが短いか
ら、製品の切削面が発錆により汚れ、外観がみに
くくなることがなく、金属光沢面を保持するの
で、車輌のホイール、オーデイオ部品、各種ミラ
ー等のフアツシヨン性や表面性能を長期にわたつ
て維持することができる。
(試料番号5および11)は、Cu含有量の多い合金
(試料番号6および12)に比べ腐食の発生点密度
の小さいことが判る。そしてこのCu含有量の少
ない合金にさらにTiおよびBeの1種または2種
含有した合金(本発明合金:試料番号1、2、
3、4および7、8、9、10)はCu含有量の少
ないだけの合金(上記試料番号5および11)に比
べ腐食の最大長さの短いことが判る。 (発明の効果) 以上述べたように、本発明合金は、糸状腐食の
発生点の密度が小さく、腐食の最大長さが短いか
ら、製品の切削面が発錆により汚れ、外観がみに
くくなることがなく、金属光沢面を保持するの
で、車輌のホイール、オーデイオ部品、各種ミラ
ー等のフアツシヨン性や表面性能を長期にわたつ
て維持することができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Cuの含有量を0.02wt%以下に規制し、かつ
Siを4−13wt%含有するアルミニウム合金にお
いて、0.05−0.3wt%のTiおよび0.05−0.15wt%
のBeの一種または二種を含有していることを特
徴とする透明な皮膜を設けて使用される耐糸状腐
食性に優れた金型鋳造用アルミニウム合金。 2 Cuの含有量を0.02wt%以下に規制し、かつ
Si4−13wt%、Mg1.5wt%以下、Mn1.2wt%以
下、Fe1.5wt%以下、を含有し、さらに0.05−
0.3wt%のTiおよび0.05−0.15wt%のBeの一種ま
たは二種を含有し残部Alおよび上記以外の不純
物からなることを特徴とする透明な皮膜を設けて
使用される耐糸状腐食性に優れた金型鋳造用アル
ミニウム合金。 3 Cuの含有量を0.02wt%以下に規制し、かつ
Si6−8wt%、Mg0.15−1.5wt%、Mn0.3wt%以
下、Fe0.3wt%以下を含有し、さらに0.05−0.3wt
%のTiおよび0.05−0.15wt%のBeの一種または
二種を含有し残部Alおよび上記以外の不純物か
らなることを特徴とする透明な皮膜を設けて使用
される耐糸状腐食性に優れたグラビテイーまたは
低圧鋳造法による金型鋳造用アルミニウム合金。 4 Cuの含有量を0.02wt%以下に規制し、かつ
Si8−11wt%、Mg0.15−0.5wt%、Mn0.1−0.5wt
%、Fe0.3−0.8wt%を含有し、さらに0.05−
0.3wt%のTiおよび0.05−0.15wt%のBeの一種ま
たは二種を含有し残部Alおよび上記以外の不純
物からなることを特徴とする透明な皮膜を設けて
使用される耐糸状腐食性に優れたダイカスト用ア
ルミニウム合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5007089A JPH02232331A (ja) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | 耐糸状腐食性に優れた金型鋳造用アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5007089A JPH02232331A (ja) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | 耐糸状腐食性に優れた金型鋳造用アルミニウム合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02232331A JPH02232331A (ja) | 1990-09-14 |
| JPH0543776B2 true JPH0543776B2 (ja) | 1993-07-02 |
Family
ID=12848741
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5007089A Granted JPH02232331A (ja) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | 耐糸状腐食性に優れた金型鋳造用アルミニウム合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH02232331A (ja) |
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-
1989
- 1989-03-03 JP JP5007089A patent/JPH02232331A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02232331A (ja) | 1990-09-14 |
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