JPH054436B2 - - Google Patents

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JPH054436B2
JPH054436B2 JP6965186A JP6965186A JPH054436B2 JP H054436 B2 JPH054436 B2 JP H054436B2 JP 6965186 A JP6965186 A JP 6965186A JP 6965186 A JP6965186 A JP 6965186A JP H054436 B2 JPH054436 B2 JP H054436B2
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lubricant
weight
galling resistance
powder
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JP6965186A
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Hideo Yamamoto
Toshiaki Mase
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、地下から産出される天然ガスや原油
を採取するために地中深く竪て込まれる油井管を
管継手で締結する際に使用する、耐焼付性に優れ
た油井管継手用潤滑剤に関する。 (発明の背景) 原油を産出する井戸に竪て込まれる油井管は全
て管継手による締結で長くつなげられる。管継手
には、(1)管や管継手自体の自重による軸方向の引
張力、(2)土圧による外周面への圧縮力、(3)内部流
体(原油)による内周面への押圧力などの各種の
非常に大きな力が作用する。 ところで、油井の深さは近年ますます深くなる
傾向にある。そのため、管継手に加わる上記の力
は井戸の深化に伴つてより苛酷になつている。管
継手はこのような苛酷な条件で使用することがで
きるよう、強大な引張荷重に耐え、かつ確実な気
密シール性を保持しうることが非常に重要であ
る。 (従来の技術) 強大な引張荷重に耐え得る技術は、継手部分の
ネジ部の形状、ピツチ等を改良し、また高強度の
高合金材料を開発することで満足しうる結果が得
られている。また、気密シール性は、ネジ部とメ
カニカルシール部を、グリースと固体粉末状潤滑
剤とのコンパウンドからなる潤滑剤を介して締め
付け密着することで、ある程度の気密シール性を
確保するようにしている。 ところが、高気密が要求される場合は、強くネ
ジ締めが行われるため、メタルシール部では締付
時のゴーリング(焼付)の問題が起こる。これ
は、高気密を保持するため、油井管と継手のシー
ル部には100〜150Kg/mm2の高面圧が加えられてお
り、締付時の摩擦熱の発生が大きくなつて潤滑剤
の保持ができなくなり、ゴーリングが発生するの
である。ゴーリングが発生すると、気密シール性
不良の原因となり、洩れなどの事故に至ることが
あつた。 このゴーリングを防止するために、(1)潤滑剤の
改善、および(2)継手シール部に潤滑下地処理を行
う方法が行われている。 (2)の潤滑下地処理は、(a)シヨツトブラスト処理
や化成処理(リン酸塩、シユウ酸塩)を行い、潤
滑剤の保持性を高める方法、(b)電気メツキ、蒸着
等により焼付にくい金属をコーテイングする方
法、および(c)潤滑性のある有機皮膜を施す方法等
である。しかし、これらの処理はいずれも潤滑剤
が不足した際に補助的に潤滑効果を発揮するもの
であり、締付・締戻しを繰り返し行うと徐々に潤
滑下地処理層が損耗し、その効果が減少していく
欠点がある。 この損耗を考慮すると、潤滑下地処理はゴーリ
ング防止の根本対策とはいえない。潤滑剤そのも
のの性能を高めることが最も重要である。 油井管締結に使用する潤滑剤については、グリ
ース(特にこれに含まれる増稠剤)の種類、固体
粉末の種類と配合量などの検討が行われている
が、未だ十分な性能を示す油井管継手用潤滑剤は
ないのが実情である。 最近多用されるようになつてきた高強度の高合
金製油井管継手の場合、深井戸に使用されるため
シール部の面圧が高く、しかも熱伝導率が小さい
材質であることから、摩擦面の温度上昇が大き
く、極めて焼付易いため、油井管継手用に適した
優れた潤滑性を示す潤滑剤が望まれている。 通常、耐ゴーリング性は、パワータイト試験で
10回以上の締付・締戻しに耐えられることが要求
されているが、高合金・高強度の管継手の場合は
5〜8回でゴーリングが発生する。 従来の油井管継手用の潤滑剤は、Ca、Li、Al
などの金属石鹸を増稠剤としたグリースをベース
にして、これに黒鉛、MoS2、テフロン(登録商
標:ポリテトラフルオロエチレン)などの粉末状
固体潤滑剤や、Cu、Zn、Pbなどの金属粉、ある
いはこれらの金属の酸化物などの固体粉末を添加
したものである。しかし、これらに用いられてい
るグリースは耐熱性が低く、摩擦面温度が滴点以
上になると稠度を失い、摩擦面から流れ出し、潤
滑性が低下する。また、固体粉末は潤滑性だけで
なく、気密シール性を付与するためにも用いら
れ、粒子径が小さくなり過ぎるとシール性が低下
するため、100〜200μmとかなり大きな粒子を含
んでいる。粒子径が大きいと耐ゴーリング性は劣
化するため、潤滑性能は十分ではない。 滴点が100℃以上で耐熱性の高いグリースは機
械関係の潤滑剤としては公知である。また、黒鉛
やMoS2、フツ化黒鉛、テフロンなどの粉末を鉱
油やグリースに添加した潤滑剤も公知である。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、以上に説明した従来の潤滑剤は、油井
管継手、特に焼付易い高合金材料の油井管継手の
ように苛酷な条件下での使用に対しては、潤滑性
と気密シール性の両方を満足するものではなく、
したがつて、良好な気密シール性を保持しつつ、
しかも潤滑性能、特に耐ゴーリング性に優れた油
井管締結用の潤滑剤が求められていた。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、ベースグリースの滴点、これに
配合する固体粉末の種類および粒子径を種々検討
した結果、これらの諸因子を適当に選択すること
により潤滑性能と気密シール性が共に良好な油井
管継手用潤滑剤が得られることを見出した。 ここに、本発明の要旨とするところは、滴点が
100℃以上、好ましくは250℃以上のグリースと、
フツ化黒鉛粉末と、少なくとも1種の軟質金属の
粉末とからなり、前記フツ化黒鉛粉末と金属粉末
の最大粒子径がともに50μm以下であり、潤滑剤
の総重量に基づいて前記フツ化黒鉛粉末を10〜40
重量%、前記金属粉末を30〜60重量%含有し、か
つフツ化黒鉛粉末と金属粉末の合計量が50〜75重
量%の範囲内であることを特徴とする、油井管継
手用潤滑剤である。軟質金属は、Zn、Pb、Cu、
Sn、Alが好ましく、特にZnとPbとCuの組合せが
好ましい。 (作用) 以下、本発明を詳しく説明する。 本発明にかかる潤滑剤のベースグリースは、滴
点が100℃以上、好ましくは250℃以上のグリース
である。グリースの滴点を100℃以上と限定した
理由は、滴点が100℃未満であると、高合金油井
管継手の締結時に摩擦面温度の上昇によるグリー
スの流れ出しが起こり易く、摩擦面への潤滑剤導
入量が減少して、良好な潤滑性が得られないため
である。 グリースは鉱油、合成油などの基油と増稠剤と
からなるが、本発明で用いる滴点100℃以上のグ
リースとしては、増稠剤にCa、Alなどの金属石
鹸、Al、Ca、Liなどの金属コンプレツクス(い
わゆるコンプレツクス石鹸)、アルキルジウレア、
アリールジウレア、アルキルアリールジウレアな
どのジウレア系増稠剤、もしくはベントンを使用
したグリースが挙げられる。増稠剤の添加量は通
常の範囲内でよい。 本発明において使用するのに特に適したグリー
スは、2個の〔−NH−CO−NH−〕結合を有す
る分子量300〜1000の有機化合物(すなわち、ジ
ウレア化合物)を増稠剤とするウレアグリースで
ある。かかるジウレア系増稠剤としては、たとえ
ば一般式 R1−NHCONH−R2NHCONH−R3 で示されるものがあり、式中、R2はイソシアネ
ート基であり、R1およびR3はアルキル基、シク
ロアルキル基またはアリール基である。R1とR3
が共にアルキル基である場合を、アルキルジウレ
ア、共にアリール基である場合をアリールジウレ
ア、一方がアルキル基で他方がアリール基である
場合をアルキルアリールジウレアという。各アル
キル基の炭素数は約6以上であることが好まし
く、化合物全体の分子量が300〜1000の範囲内で
あるジウレア化合物が本発明におけるグリースの
増稠剤として有効である。 本発明にあつては、上記滴点100℃以上のグリ
ースに、潤滑剤の重量に基づいて、フツ化黒鉛粉
末10〜40重量%、好ましくは20〜40重量%と軟質
金属の粉末30〜60重量%、好ましくは35〜55重量
%とからなる固体粉末を、合計で50〜75重量%、
好ましくは55〜75重量%の範囲内の量で添加す
る。 フツ化黒鉛は、分子式(CF)nで示される固
体であり、その粉末は固体潤滑剤として従来から
機械用潤滑剤などに使用されている。一方、本発
明で用いる金属粉末は、Zn、Pb、Cu、Sn、Alな
どの軟質金属である。特にZn、Pb、Cuが金属粉
末として望ましく、この3種類の金属の混合物を
使用することが特に好結果を与える。 これらの固体粉末は、フツ化黒鉛と金属粉末の
いずれについても最大粒子径が50μm以下のもの
を用いる。これより粒子径が大きくなると、摩擦
面に導入される際に群を生じ、潤滑性が低下す
る。上述したように、固体粉末の粒子径が小さく
なると一般に気密シール性が低下する傾向があ
り、そのため従来の潤滑剤では100μm以上のか
なり大きな粒子を含有させていた。しかし、本発
明で固体粉末として用いるフツ化黒鉛と軟質金属
の組合せは、これを滴点100℃以上のグリースに
配合することにより、粒子径が小さくても優れた
気密シール性を示すという予想外の効果が得られ
る。 フツ化黒鉛の量を潤滑剤の10〜40重量%と限定
した理由は、10重量%未満ではグリースとの相乗
効果による潤滑性の向上が得られないためであ
り、40重量%を超えると金属粉末の添加量が制限
されて少量しか添加できなくなることから十分な
気密シール性が得られないためである。 金属粉末は良好な気密シール性を得るには少な
くとも30重量%必要であり、また60重量%を超え
て添加すると、フツ化黒鉛の添加量が制限されて
少なくなるため、フツ化黒鉛による潤滑性能の向
上が得られない。 フツ化黒鉛と金属粉末の添加量の総和を、潤滑
剤の重量%に基づいて50〜75重量%と限定したの
は、50重量%未満では潤滑剤の稠度が低く、摩擦
面へのグリースおよび固体粉末の導入量が少なく
なり、潤滑性、気密シール性とも劣るためであ
る。また、この総和が75重量%を超すと、著しく
稠度が高くなり、作業性が悪くなるだけでなく、
ネジ部やシール部の微細凹凸部に潤滑剤が供給さ
れ難くなり、潤滑性が得られないためである。 金属粉末は1種のみ添加してもよいが、好まし
くはPb、Zn、Cuのうちの2種以上を添加し、特
に好ましくはこの3種類の金属粉末を、潤滑剤の
総重量に基づいて、Pb:15〜35重量%、Zn:7
〜15重量%、Cu:3〜5%の範囲内の配合率で
添加する。 この他に、潤滑剤に配合される既知の潤滑性固
体粉末、たとえば黒鉛、MoS2、テフロンなど
を、潤滑剤の性能が低下しない範囲で少量添加し
てもかまわない。 上述のように、本発明の潤滑剤は、特定のグリ
ースに特定の組合せおよび配合量の固体粉末を添
加した点に特徴があるが、次に実験例を示してこ
れらの限定理由を具体的データにより例証する。
実験は、バウデン式摩擦試験機を用いて、下記の
試験条件で焼付に至るまでの往復摺動回数を求
め、この摺動回数で耐ゴーリング性を評価した。 バウデン式摩擦試験機の試験条件 ピンおよびプレートの材質: 25%Cr−6%Ni−3%Mo鋼 ピンの先端形状:直径3/16インチの半球 ピン表面あらさ:Hmax0.5μm以下 ピン押付荷重:3Kgf プレート形状:厚み3×幅15×長さ100(mm) プレート表面あらさ:Hmax2μm プレート摺動幅:10mm プレート摺動速度:4mm/sec プレート温度(試験温度):50,100,150,
200,250℃(標準250℃) 潤滑剤塗布量:30g/m2 実験例 1 グリースの滴点(増稠剤種類)と耐ゴーリング
性との関係を調べるために、次の第表1に示す滴
点の異なる各種グリースを用いて、上記の摩擦試
験を各種温度で行い、耐ゴーリング性(摺動回
数)を求めた。本実験ではグリースに固体粉末は
添加しなかつた。結果をグリースの滴点と耐ゴー
リング性との関係として添付の第1図に示す。
【表】 ** ベントンは滴点がないので便宜上滴点
>300℃とする
第1図のグラフから、低温度では滴点にかかわ
らずほぼ等しい耐ゴーリング性を示すが、温度が
高くなると低滴点グリースほど耐ゴーリング性が
低くなることがわかる。 実験例 2 グリースに添加する固体粉末の最大粒子径と耐
ゴーリング性との関係を調べるために、上の第1
表のNo.3に示した滴点198℃のグリース35重量部
に対して、下記第2表に示すA〜Hの各種最大粒
子径の固体粉末の混合物を合計65重量部添加した
潤滑剤を製作し、上記の摩擦試験を各種温度で行
つて、各潤滑剤の耐ゴーリング性を測定した。固
体粉末混合物65重量部の内訳は、いずれのグリー
スについても、フツ化黒鉛(または黒鉛、
MoS2、もしくはフツ化黒鉛/黒鉛混合物)20重
量部、Pb粉28重量部、Zn粉13重量部、ならびに
Cu粉4重量部とした。実験結果を、各種最大粒
子径での試験温度と耐ゴーリング性との関係とし
て第2図にグラフで示す。 第2図から、最大粒子径が小さいほど耐ゴーリ
ング性が高いことがわかる。特に、温度200℃以
上では、最大粒子径が50μm以下の固体粉末混合
物は、70μm以上の粉末混合物の2倍以上の耐ゴ
ーリング性を示した。
【表】 実験例 3 グリースの種類(滴点)と固体粉末混合物の種
類との組合せによる耐ゴーリング性の変化を調べ
るために、前記の第1表に示したNo.1〜8の8種
類のグリース35重量部に対して、固体潤滑剤の種
類が異なるが粒子径の組合せの条件が同じである
上記第2表の固体粉末混合物D、F、Gの3種類
の固体粉末混合物65重量部(組成:フツ化黒鉛、
黒鉛もしくはMoS220重量部、Pb粉26重量部、Zn
粉15重量部、Cu粉4重量部)を添加した潤滑剤
を製作し、上記の摩擦試験を250℃で行つて、各
潤滑剤の耐ゴーリング性を測定した。結果を、固
体潤滑剤の種類ごとにグリース滴点と耐ゴーリン
グ性との関係として第3図にグラフで示す。 固体潤滑剤成分に黒鉛もしくはMoS2を用いた
場合、グリースの滴点にかかわらず耐ゴーリング
性は最高230で、ほとんど150以下にとどまるが、
フツ化黒鉛を用いた場合には、グリースの滴点が
100℃以上で耐ゴーリング性が250以上となり、優
れた結果を示した。特に、フツ化黒鉛を用いた場
合で、グリースの滴点が250℃以上になると、300
以上と極めて優れた耐ゴーリング性を示した。特
に、フツ化黒鉛と滴点100℃以上のグリースとの
組合せが、MoS2や黒鉛とは全く挙動が異なる顕
著な耐ゴーリング性を示すことが認められる。ま
た、第3図から、ウレアグリース(滴点271℃)
をベース剤とする潤滑剤の耐ゴーリング性が特に
飛び抜けて高いことがわかる。 実験例 4 フツ化黒鉛の添加量と耐ゴーリング性との関係
を調べるために、第1表に示したNo.1、2、5お
よび7の4種類のグリース35重量部に、第2表の
Dに示した最大粒子径の組合せの固体粉末混合物
65重量部を次の第3表に示す各種の配合比で添加
して潤滑剤を製作し、各潤滑剤の耐ゴーリング性
を上記摩擦試験により測定した。結果を各種グリ
ースでのフツ化黒鉛の添加量(潤滑剤組成物中の
重量%)に対する耐ゴーリング性の関係として第
4図にグラフで示す。 第4図の結果から、滴点が92℃のA1石鹸グリ
ースの場合、フツ化黒鉛量が増加すると耐ゴーリ
ング性が向上するが、その値は約150までである。
それに対し、滴点が104℃のCa石鹸グリースや、
251℃のA1コンプレツクスグリース、271℃のウ
レアグリースの場合は、フツ化黒鉛添加量が10重
量%以上で耐ゴーリング性が急激に向上し、滴点
が最も低いCa石鹸グリースでも230以上の耐ゴー
リング性を示し、滴点の高いウレアグリースでは
350前後の極めて高い耐ゴーリング性が得られた。
【表】 以上の実験例1〜4の結果をまとめると、耐ゴ
ーリング性の優れた潤滑剤は次の特徴であること
が判明し、本発明に至つたのである。 潤滑剤のベース剤となるグリースは、滴点
が高いほど耐ゴーリング性がよい(実験例
1、第1図)。 固体粉末混合物中の固体潤滑剤成分がフツ
化黒鉛であり、かつベース剤が滴点100℃以
上のグリースであると、著しく良好な耐ゴー
リング性を示す(実験例3、第3図)。 グリースに添加する固体粉末の最大粒子径
は50μm以下で良好な耐ゴーリング性を示す
(実験例2、第2図)。 滴点100℃以上のグリースに添加するフツ
化黒鉛の添加量は、潤滑剤の10重量%以上に
なると極めて良好な耐ゴーリング性を示す
(実験例4、第4図)。 特にグリースの増稠剤がウレア誘導体であ
るウレアグリースを使用すると、他のグリー
スより一段と優れた耐ゴーリング性を示す
(実験例3、第3図、および実験例4、第4
図)。 次に実施例により本発明の潤滑剤の耐ゴーリン
グ性および気密シール性についての効果を具体的
に示す。 (実施例および比較例) 前記の第1表に示したグリースのうちNo.1、
2、4、6および7のグリースと、分子量が1050
〜1200および700〜1000の範囲であるアルキルジ
ウレアを増稠剤とするNo.7とは別のウレアグリー
ス(滴点はそれぞれ280℃および276℃)の計7種
類のグリースに、各種の最大粒子径組合せと配合
割合の固体粉末混合物を各種の比率で添加して潤
滑剤を製作し、その耐ゴーリング性をパワータイ
ト試験で、また気密シール性を気密試験により評
価した。 パワータイト試験は、外径139.7mm、肉厚7.72
mmの油井管の管継手(材質25%Cr−6%Ni−3
%Mo鋼)を締付トルク1000−m、回転数4rpmで
くり返し締付−締戻しを行い、締戻した際にメタ
ルシール部を観際し、ゴーリングの発生有無を目
視判定することにより行つた。ゴーリングの発生
しない最高締付−締戻し回数を耐ゴーリング性と
して評価する。前述したように、パワータイト試
験では10回以上の締付・締戻しに耐えられるこ
と、すなわち耐ゴーリング性が10回以上であるこ
とが要求される。 また、気密試験は、パワータイト試験において
締付回数10回目の締結をした状態の管継手に、管
継手の降伏強度の80%の引張力を加え、この引張
力を加えた状態の管継手内面にさらにその降伏強
度の70%の内圧を加え、その内圧の変化を調べ
て、洩れの有無を判定することにより行つた。気
密シール性の評価は、次の3段階とし、〇を合格
とする。 〇:洩れ全くなし(内圧減少なし)、 △:わずかに洩れ(内圧減少50Kgf/cm2以内) ×:著しい洩れ(内圧減少100Kgf/cm2以上) 得られた試験結果を、使用したグリースの種類
(基油の種類、増稠剤の種類と量、滴点)および
量、固体粉末混合物の各成分の種類、最大粒子径
および量、固体粉末混合物全体の最大粒子径およ
び添加量とともに、次の第4表に示す。
【表】
【表】 (注) * 増稠剤の量は基油に対する量。
第4表の結果から、次のことがわかる。 グリースの滴点について: 比較例1は、A1石鹸を増稠剤とした滴点92℃
のグリースに固体粉末混合物として第2表のDに
示す粒径の組合せでフツ化黒鉛20重量%、金属粉
末合計45重量%の、総計65重量%の固体粉末を添
加した潤滑剤を使用した例であるが、耐ゴーリン
グ性は7回で要求水準に達せず、また気密シール
性も悪い。 これに対し、実施例1〜4は、添加する固体粉
末混合物は比較例1と同じであるが、ベース剤で
あるグリースの滴点が本発明の範囲内である100
℃以上、具体的には実施例1では104℃、実施例
2では198℃、実施例3では265℃、実施例4が
271℃である例であつて、耐ゴーリング性はいず
れも10回以上であつて、気密シール性も良い。特
に、ウレアグリースを用いた実施例4の潤滑剤の
耐ゴーリング性は18回と著しく優れている。 固体粉末状潤滑剤の種類について: 比較例2および3は、実施例2と同一のグリー
スおよび金属粉末混合物を使用しているが、固体
潤滑剤としてフツ化黒鉛に代えてそれぞれ黒鉛お
よびMoS2を添加した潤滑剤の例であり、耐ゴー
リング性がいずれも6回と低く、また気密シール
性も悪い。 固体粉末の最大粒子径について: 比較例4は、実施例2とグリースおよび固体粉
末の組成は同じであるが、固体粉末の最大粒子径
が、実施例2の50μmに対して70μmと本発明の
上限を超えて大きくなつている潤滑剤の例であ
る。実施例2に対して、比較例4では、組成とし
ては同一であるのに、粒子径が大きいため、耐ゴ
ーリング性が実施例2の14回から8回へと著しく
低下し、気密シール性も低下している。 一方、粉末混合物中の最大粒子径は50μmより
ずつと小さくてもよい。実施例22および23は、粉
末混合物中の最大粒子径がそれぞれ30および10μ
mと小さくなつた点を除いて上記の実施例4と同
じ潤滑剤の例であるが、耐ゴーリング性および気
密シール性はいずれも実施例4と同水準にある。 フツ化黒鉛の添加量について: 実施例5および6と比較例5および6は、実施
例4とグリースの種類と量および固体粉末混合物
の最大粒子径および総添加量が同じであるが、フ
ツ化黒鉛の添加量が異なる潤滑剤の例を示す。フ
ツ化黒鉛量が5重量%の比較例5では耐ゴーリン
グ性が8回と低いが、これが本発明の範囲内の10
重量%である実施例5では17回と耐ゴーリング性
が著しく向上する。一方、フツ化黒鉛量が40重量
%の実施例6では耐ゴーリング性、気密シール性
とも優れているが、これが45重量%と上限を超え
た比較例6では気密シール性が劣り、要求水準が
満たされていない。 固体粉末混合物の総添加量について: 実施例7および8と比較例7および8は、グリ
ース種類、フツ化黒鉛添加量および固体粉末混合
物の最大粒子径の組合せが実施例4と同じである
が、グリース量と金属粉末添加量が実施例4とは
異なる潤滑剤の例である。固体粉末混合物の総添
加量が45重量%の比較例7では耐ゴーリング性は
良いものの気密シール性に劣り、要求水準を満た
していないが、この総添加量がそれぞれ50重量
%、65重量%および75重量%の実施例7、4およ
び8では、良好な耐ゴーリング性と気密シール性
を示す。 一方、固体粉末混合物の総添加量が80重量%と
上限を超えた比較例8では、耐ゴーリング性(9
回)と気密シール性がいずれも要求水準に到達し
ない。 ジウレア系増稠剤の分子量について: 比較例9と実施例9は、ジウレア系増稠剤とし
て分子量の異なるアルキルジウレア化合物を使用
した点を除いて実施例4と全く同一の潤滑剤の例
である。ウレアグリースの増稠剤の分子量が300
〜1000の範囲内である実施例4および実施例9で
は非常に優れた耐ゴーリング性が得られ、気密シ
ール性も良好である。一方、ジウレア化合物の分
子量が1000を超えた比較例9では、耐ゴーリング
性(9回)と気密シール性がいずれも要求水準に
到達しない。 グリースのその他の変更について: 実施例10および11は、それぞれ実施例2および
4と、グリースの増稠剤の含有量が異なる以外は
全く同一の潤滑剤の例であり、増稠剤の量を6%
から3%あるいは12%へと増減しても、耐ゴーリ
ング性と気密シール性に大きな変化はないことが
わかる。 また、実施例12および13は、グリースの基油
を、鉱油からそれぞれα−オレフイン油およびペ
ンタエリスリトールエステル油に変更した以外は
実施例4と同一の潤滑剤の例であつて、耐ゴーリ
ング性と気密シール性は実施例4と同じく良好で
ある。 これらの試験結果から、グリースの増稠剤の量
や基油の種類は潤滑剤の性能に特に大きな変化を
生じないことがわかる。 他成分の添加について: 実施例14および15は、固体粉末状潤滑剤とし
て、フツ化黒鉛の他にそれぞれ黒鉛およびMoS2
を使用した潤滑剤の例であり、フツ化黒鉛と黒鉛
もしくはMoS2を併用しても、耐ゴーリング性、
気密シール性とも良好な結果を示している。 金属粉末の組合せについて: 以上に説明した例では、金属粉末はPbとZnと
Cuの3種類の混合物であつたが、実施例16〜18
に1種類のみ、実施例19〜21に2種類の金属粉末
を使用した例を示す。金属粉末の合計添加量その
他の条件は実施例4と同じである。これらの試験
結果から、金属粉末の種類を少なくしても、耐ゴ
ーリング性、気密シール性とも大きく変動しない
ことがわかる。 以上の結果からも明らかなように、本発明の潤
滑剤組成には、次の特徴がある。 (1) 滴点が100℃以上のグリースを潤滑剤のベ
ース剤として用いる。特に、滴点が250℃以
上のグリースが好ましく、さらに分子量300
〜1000のジウレア化合物を増稠剤としたウレ
アグリースが好ましい。 (2) グリースには、フツ化黒鉛粉末と、Zn、
Pb、Cu、Sn、Alなどの少なくとも1種の軟
質金属の粉末とからなる固体粉末混合物を添
加して、潤滑剤とする。 (3) グリースに添加する固体粉末混合物の最大
粒子径が50μm以下である。 (4) 固体粉末混合物のグリースへの添加量の総
和は、潤滑剤全体の50〜75重量%の範囲内で
ある。すなわち、グリースは25〜50重量%で
ある。 (5) 固体粉末のうち、フツ化黒鉛の添加量は潤
滑剤全体の10〜40重量%、金属粉末は30〜60
重量%である。 (発明の効果) 本発明の潤滑剤は、高滴点グリースと特定の固
体粉末混合物の組合せを選択したことにより、従
来の油井管継手用潤滑剤では両立しにくかつた優
れた耐ゴーリング性と優れた気密シール性を両方
との示すものである。すなわち、上に詳しく説明
および例示したように、本発明の潤滑剤は、その
構成成分自体は新規なものでないが、グリースの
滴点とこれに添加する固体粉末混合物の組成と量
を特定することにより、グリースと固体粉末の相
乗作用により、深井戸での高合金鋼の管継手とい
つた苛酷な条件での油井管継手締結時であつても
優れた耐ゴーリング性と気密シール性を示すこと
ができる。 以上の説明において、グリース基油は主として
鉱油であつたが、それ以外の慣用の基油、たとえ
ばα−オレフイン油や、トリメチロールプロパン
エステル、ペンタエリスリトールエステルなどの
ヒンダードエステル油や、シリコーン油を用いた
グリースであつても、実施例12および13に示した
ように、本発明の潤滑剤の性能は本質的に変動せ
ず、鉱油の場合と同様に優れた耐ゴーリング性と
気密シール性とが得られる。 また、管継手にCuメツキや化成処理などの潤
滑下地処理を行つた後、本発明の潤滑剤を使用し
ても本発明の潤滑剤の性能が何ら低下しないこと
を確認している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、固体粉末を添加しないグリースの各
種温度での摩擦試験においてグリースの滴点と耐
ゴーリング性との関係を示すグラフ、第2図は、
グリースに添加した固体粉末の最大粒子径による
影響を調べるため行つた摩擦試験における、各種
最大粒子径での試験温度と耐ゴーリング性の関係
を示すグラフ、第3図は、フツ化黒鉛、黒鉛もし
くはMoS2を含有する潤滑剤のグリース滴点と耐
ゴーリング性との関係を示すグラフ、および第4
図は、各種滴点のグリースをベース剤とした潤滑
剤のフツ化黒鉛含有量と耐ゴーリング性との関係
を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 滴点が100℃以上のグリースと、フツ化黒鉛
    粉末と、少なくとも1種の軟質金属の粉末とから
    なり、前記フツ化黒鉛粉末と金属粉末の最大粒子
    径がともに50μm以下であり、潤滑剤の総重量に
    基づいて前記フツ化黒鉛粉末を10〜40重量%、前
    記金属粉末を30〜60重量%含有し、かつフツ化黒
    鉛粉末と金属粉末の合計量が50〜75重量%の範囲
    内であることを特徴とする、油井管継手用潤滑
    剤。 2 前記グリースの滴点が250℃以上である、特
    許請求の範囲第1項記載の油井管継手用潤滑剤。 3 前記グリースが、2個の〔−NH−CO−NH
    −〕結合を有する分子量300〜1000の有機化合物
    を増稠剤とするウレアグリースである、特許請求
    の範囲第1項または第2項記載の油井管継手用潤
    滑剤。 4 前記軟質金属が、Zn、Pb、Cu、SnおよびAl
    のうち1種または2種以上である、特許請求の範
    囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の油井管
    継手用潤滑剤。
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