JPH0548346A - 線形化電力増幅回路 - Google Patents

線形化電力増幅回路

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JPH0548346A
JPH0548346A JP23114391A JP23114391A JPH0548346A JP H0548346 A JPH0548346 A JP H0548346A JP 23114391 A JP23114391 A JP 23114391A JP 23114391 A JP23114391 A JP 23114391A JP H0548346 A JPH0548346 A JP H0548346A
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power amplifier
circuit
amplitude
gain
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JP23114391A
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Inventor
Hidekazu Nakanishi
英一 中西
Tetsuo Onodera
哲雄 小野寺
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】多相PSK 変調方式の送信電力を線形増幅する線
形化電力増幅回路において、負帰還によって飽和形のパ
ワーアンプに生じる位相変調歪を減少させる。 【構成】飽和形パワーアンプ12のゲイン可変端子14に、
負帰還を行なう負帰還回路にそのループバック帯域を変
化させてループバック電圧を調整する帰還電圧振幅調整
回路(ループバック帯域可変回路)28が設けられてい
る。このループバック帯域回路28は制御回路22の制御に
より、パワーアンプ22の線形領域すなわち小出力電力域
では、ループバック帯域を振幅変化周波数よりも低い周
波数帯域にすることにより、その高周波成分を減少ある
いは遮断して電力制御に必要な直流成分のみを通過させ
る。これにより、歪補償の必要がない小出力電力領域で
のループバック電圧振幅を減少させて、パワーアンプの
位相変調歪を軽減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送信波の線形電力増幅
を行なう線形化電力増幅回路に係り、特に移動体通信等
の無線送信機に用いられる線形化電力増幅回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信にて用いられるたとえ
ば自動車電話装置等においては、雑音に強いデジタル方
式の無線装置が採用されるようになってきた。たとえ
ば、線形π/4 QDPSK(Quaternary differential Phase s
hift keying)変調を用いたデジタルセルラ方式の自動車
電話装置が知られている。FM変調(周波数変調)が適用
されるアナログ方式の自動車電話装置においては、搬送
波の振幅成分に情報を含まず振幅は一定であるがデジタ
ル方式のQDPSK 変調を用いた自動車電話装置では、搬送
波の振幅にも情報を含むので送信電力の振幅成分を保存
する必要がある。そこで、QDPSK 変調方式の送信機の電
力増幅部には、線形の電力増幅回路が必要となってく
る。このような電力増幅回路に用いられるパワーアンプ
は理想的には線形のアンプの方がよいが、線形のパワー
アンプは飽和形のパワーアンプに較べて電力効率が低い
ので、自動車電話装置等の電源電力が限られた小型無線
機には電力効率の高い飽和形のパワーアンプを用いた方
が低消費電力化を行なうために都合がよい。
【0003】そこで従来、このようなデジタル送信機に
は飽和形のパワーアンプを用いて、その非線形歪を負帰
還により補償した線形化電力増幅回路が適用されてい
た。たとえば、包絡線帰還形の線形化電力増幅回路が知
られている。この線形化電力増幅回路では、飽和形のパ
ワーアンプにおける出力電力の一部を方向性結合器等に
て抽出して、その抽出信号を包絡線検波器にて検波して
搬送波の振幅情報を検出して、この振幅情報をレベル可
変器を介して比較器に供給する。この比較器の比較端子
には電力増幅を行なう前の信号の振幅成分が供給されて
いる。つまり、出力側と同様にパワーアンプの入力側に
おける電力の一部を方向性結合器等にて取り出して、そ
の抽出信号を検波器にて包絡線検波し、この入力側の振
幅情報が出力側と同様にレベル可変器を介して比較器に
供給されている。これによって、比較器にてパワーアン
プに入出力する信号の振幅情報が比較されて、その差分
電圧が比較器の出力としてパワーアンプのゲイン調整端
子に帰還される。この結果、このパワーアンプの非線形
部分における出力信号の歪が補正されて線形化が図られ
ていた。
【0004】たとえば、パワーアンプの出力電力の振幅
がそのときパワーアンプの入力信号から得られた目標値
より小さい場合においては、フィードバックされてレベ
ル調整された出力側の振幅成分と入力側のレベル調整さ
れた振幅成分とが比較器にて比較された際に、出力側か
らの振幅が入力側の振幅より小さいので、比較器の出力
電圧が上昇する。この結果、パワーアンプのゲイン端子
の電圧が上昇して、パワーアンプの利得が上昇して出力
電力が増加する。つまり、この包絡線帰還方式は、出力
信号の振幅成分が目標値よりも小さい場合、それを相殺
するように出力電力を増加させるように作用して、逆に
振幅成分が目標値より大きい場合は出力電力を減少させ
るように作用する。この場合、これら比較器に入力する
信号の所望のレベルを両レベル可変器にて調整すること
により、パワーアンプの出力調整が行なわれる。
【0005】これはまた、この線形化電力増幅回路では
基地局との距離に応じて出力電力の増減を行なう場合に
も用いられる。上記線形化電力増幅回路では、入力およ
び出力の帰還電圧のレベルを調整する両レベル可変器の
レベル調整にて、出力電力レベルに応じたループバック
電圧を制御する。たとえば、基地局との距離に応じて出
力電力レベルを6〜9段階にたとえば4dB間隔にて制御
するように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の線形化電力増幅回路は、飽和形のパワーアンプ
のゲイン端子に常にフィードバック電圧が印加されてい
るため、パワーアンプの出力信号に、フィードバック電
圧によって振幅−位相変調歪(AMーPM 変換歪)が同時に
発生して、本来の目的とは逆に側波帯のスペクトラムが
拡がるという問題があった。
【0007】詳しくは飽和形のパワーアンプは、入力電
力が小さい場合には線形性が良好であるので、実際には
この部分では振幅補償(フィードバック)の必要性がほ
とんどない。しかし、上述の電力増幅回路では、パワー
アンプの出力電力が小さいときにループゲインが増加す
る構成となっており、パワーアンプの線形領域にて振幅
の大きい帰還電圧をゲイン端子に印加することで、パワ
ーアンプに振幅−位相変換歪(位相変調歪)を誘発して
スペクトラムが拡がってしまう問題があった。言い換え
ると電力変化の範囲が60dB近くにも及ぶデジタルセルラ
方式の自動車電話等においてはすべての電力制御を入力
側のレベル可変器だけで行なうことは困難であり、負帰
還側のレベル可変器に分担させざるを得なくなる。した
がって、ほとんど振幅線形化補償を必要としない低出力
電力時に、大きなループゲインを有する状態に設定する
ことになり、わずかの振幅歪の補償のために大きなフィ
ードバック電圧が飽和形のパワーアンプに印加されてか
えって位相変調歪を発生させてしまうことになる。した
がって、上記従来の線形化電力増幅回路ではパワーアン
プの線形領域にて本来の目的とは逆にスペクトラムの拡
がりを起こしてしまう場合があった。
【0008】本発明はこのような従来技術の欠点を解消
し、飽和形のパワーアンプの入出力特性が線形の低出力
電力域においてもスペクトラムの拡がりを防止すること
ができる線形化電力増幅回路を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る線形化電力
増幅回路は上述の課題を解決するために、位相成分と振
幅成分に情報を含むデジタル信号を飽和形のパワーアン
プを用いて電力増幅する際にパワーアンプに負帰還回路
を付設して非線形歪を補償した線形化電力増幅回路にお
いて、パワーアンプには負帰還信号を入力してこのパワ
ーアンプの利得を変化させるためのゲイン可変端子が備
えられ、負帰還回路は、飽和形のパワーアンプの出力電
力の一部を抽出する抽出手段と、この抽出手段にて抽出
されたパワーアンプの出力信号を包絡線検波して振幅情
報を検出する信号検出手段と、この信号検出手段にて検
出された振幅情報を目標値と比較してその差信号をゲイ
ン可変用の帰還電圧として出力する比較手段と、この比
較手段から出力される帰還電圧のうち少なくとも信号検
出手段にて検出された振幅情報の周波数成分の電圧振幅
をパワーアンプにおける線形領域にて減少あるいは停止
させてパワーアンプのゲイン可変端子に供給する帰還電
圧振幅調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】この場合、帰還電圧振幅調整手段は負帰還
回路におけるループバック帯域を狭帯域に制限して帰還
電圧の周波数のうち少なくとも振幅情報の周波数成分を
遮断あるいは減少させるループバック帯域可変手段を含
む。
【0011】このループバック帯域可変手段は、帰還電
圧の周波数のうち振幅情報の周波数成分を含む高域成分
を遮断するローパスフィルタと、このローパスフィルタ
をパワーアンプの線形領域にて負帰還回路に挿入させる
スイッチ手段とを備えるとよい。
【0012】またループバック帯域可変手段は、複数の
遮断周波数を有するローパスフィルタと、これらローパ
スフィルタをパワーアンプの出力電力に応動して切り換
えるスイッチ手段とを備えてもよい。
【0013】さらにループバック帯域可変手段は、帰還
電圧のうち振幅情報の周波数成分を含む高域成分の利得
を制限するラグリード回路を備えるとよい。
【0014】この場合ラグリード回路は、複数のコンデ
ンサを備え、これらコンデンサをパワーアンプの出力電
力に応じて切り換えることにより、帰還電圧の高域成分
の利得を変化させるようにしてもよい。
【0015】一方、このような線形化電力増幅回路で
は、信号検出手段にて包絡線検波した振幅情報のレベル
を所定のレベルに増幅あるいは減衰するレベル可変手段
を備えてもよい。
【0016】また比較手段の目標値は、パワーアンプへ
の入力信号を包絡線検波した振幅情報を所定のレベルに
増幅あるいは減衰して得るとよい。
【0017】
【作用】本発明における線形化電力増幅回路によれば、
飽和形のパワーアンプの線形領域にて、つまり振幅歪の
少ない領域にて帰還電圧のうち少なくとも出力信号から
検出された振幅情報の周波数成分の電圧振幅を帰還電圧
振幅調整手段にて減少あるいは停止させることにより、
このときのループバック電圧を小としてパワーアンプの
ゲイン可変端子に供給する。この結果、パワーアンプの
線形領域における過度の帰還電圧が減少してパワーアン
プの位相変調歪を軽減させ得る。この場合、ループバッ
ク帯域を狭帯域にすることによってパワーアンプの電力
制御に必要な直流成分以外の高周波成分、すなわちルー
プバックによる振幅の変化分を遮断または減少させて、
ループバック電圧を小とし得る。
【0018】
【実施例】次に添付図面を参照して本発明による線形化
電力増幅回路の実施例を詳細に説明する。
【0019】図1は本発明による線形化電力増幅回路の
一実施例の構成を示すブロック図である。この実施例に
おける電力増幅回路10は、たとえばデジタルセルラ方式
の自動車電話装置に用いられる。この自動車電話装置で
はπ/4シフトQDPSK 変調方式が適用され、この変調され
た高周波信号が図1に示す電力増幅回路10にて電力増幅
されてアンテナ(図示略)を介して送信される。
【0020】この電力増幅回路10は飽和形のパワーアン
プ(PA)12を備えている。このパワーアンプ12には、たと
えば GaAsFET(ガリウムヒ素電解効果トランジスタ)が
有利に適用される。このGaAsFET は、低電流にて高い利
得を得られ、高効率化および低消費電力化の点で有利で
ある。このパワーアンプ12は入力端子PIから入力するQD
PSK 変調された高周波信号を電力増幅して、出力端子PO
へ出力する電力増幅器である。このパワーアンプ12の入
出力特性は、図4に示すように高出力電力域にて飽和す
る飽和形の電力増幅器を構成している。また、このパワ
ーアンプ12はゲイン可変端子14を備えており、このゲイ
ン可変端子14に入力する電圧値にてパワーアンプ12を構
成するFETのたとえばドレインの電圧が制御されること
により、パワーアンプ12の利得が変化して歪補償および
出力電力の調整が行なわれる。
【0021】この出力電力の調整は、たとえば図3に示
すようなπ/4シフトQDPSK 変調波の平均電力レベルERP
をレベル調整することにより行なわれる。この図3にお
けるQDPSK 変調波は、たとえば北米方式のデジタルセル
ラ自動車電話装置にてその振幅変化がほぼ20dB程度変化
して、ピーク−ピーク値の間隔がほぼ41μsec となる送
信波である。さらに詳しくは、800MHzの位相変調波が前
記振幅変化および周期を有する搬送波にて振幅変調され
た高周波信号にて形成されている。この送信波は、パワ
ーアンプ12にて歪補正が行なわれていない場合は、最大
振幅付近に歪が発生して、また位相歪が生じる場合は41
μsec の間隔がずれることによりそのスペクトラムの拡
がりが生じることになる。
【0022】これらの歪補償および出力電力の調整は、
次に詳述する帰還回路にて有効に達成される。本実施例
においては、ゲイン可変端子14に帰還される信号の高周
波成分を帰還電圧振幅調整回路28にてレベル制御するこ
とにより、パワーアンプ12の線形領域における過度の帰
還電圧によって生じる位相変調歪(AM-PM 変換歪)を軽
減していることが特徴点の一つである。この実施例の帰
還回路は、図1に示すようにフィードバックループLを
構成する出力検波器26と、ゲイン可変器24と、比較器20
と、帰還電圧振幅調整回路28とを備え、比較器20の比較
入力としてパワーアンプ12の入力側の信号を検出する入
力検波器18と、ゲイン可変器16とを備え、さらにゲイン
可変器16,24 および帰還電圧振幅調整回路28を制御する
ための制御回路22とを備えて構成されている。
【0023】出力検波器26は、検波ダイオード等からな
り入力する信号を包絡線検波してその振幅成分を検出す
る包絡線検波回路である。この出力検波器26へは、パワ
ーアンプ12の出力線に配置された方向性結合器3にて出
力線の出力電力の一部が抽出されて供給される。これに
より、出力検波器26の出力にはパワーアンプ12における
出力信号の振幅情報に応じた電圧が得られる。
【0024】レベル可変器24は、検波器26の出力信号の
直流レベルを所定レベルに設定する広帯域増幅器等から
なり、制御回路22にて所定の帰還利得β2 に設定されて
出力検波器26からの信号を設定された利得β2 にて所定
のレベルに増幅あるいは減衰させる帰還レベル設定回路
である。このレベル可変器24の出力は、比較器20の反転
端子−に接続されている。
【0025】一方、出力側と同様にパワーアンプ12の入
力線には、方向性結合器8が配置されて、この結合器8
にて抽出された入力電力の一部が入力検波器18に供給さ
れている。入力検波器18は、出力側と同様に、入力する
信号を包絡線検波してその振幅情報を検出する包絡線検
波回路である。この入力検波器18の出力にはパワーアン
プ12に入力する電力増幅する前におけるQDPSK 変調波の
振幅成分が得られる。
【0026】レベル可変器16も出力側と同様に広帯域増
幅器等にて形成され、制御回路22にて設定された所定の
利得β1 にて入力検波器18からの振幅成分を増幅あるい
は減衰させて所定の直流レベルに設定し、比較器20の非
反転端子+に供給する目標値レベル設定回路である。
【0027】比較器20は、反転端子−に供給されたパワ
ーアンプ12における出力信号の振幅成分と、非反転端子
+に供給された入力信号の振幅成分から形成された目標
値とを比較して、その差分電圧を出力する比較回路であ
る。この比較器20の出力は、帰還電圧振幅調整回路28を
介してパワーアンプ12のゲイン可変端子14に接続されて
いる。
【0028】この帰還電圧振幅調整回路28は、本実施例
においてはパワーアンプ12の線形領域Aにて、フィード
バックループLのループバック帯域を狭帯域にして比較
器20の帰還電圧の高周波成分を減少あるいは停止させる
ループバック帯域可変回路にて構成されている。このル
ープ帯域可変回路28は、基本的には図2(a) に示すよう
なローパスフィルタ40にて構成することができる。この
ローパスフィルタ40は、比較器20の出力とパワーアンプ
12のゲイン可変端子14との間に接続された抵抗R0と接地
されたコンデンサC0と、このコンデンサC0の一端をゲイ
ン端子14に接続するスイッチS1とにて構成されている。
このスイッチS1は制御回路22によってオン/オフ制御さ
れ、オンとなっているときにコンデンサS1が回路に接続
されてローパスフィルタ40が形成される。このローパス
フィルタ40のコンデンサC0および抵抗R0の設定値は、た
とえば北米方式のデジタルセルラ自動車電話装置にてQD
PSK 変調波の振幅成分が12.15kHzである場合に、それよ
り小さいカットオフ周波数となるように設定されてい
る。たとえば、図5(b)に示すようにほぼ1kHz のカッ
トオフ周波数を有するように設定して、変調波の周波数
12.15kHzでは-20dB の減衰量を得て、この周波数成分を
含む高周波成分を完全に遮断する。このときパワーアン
プ12の電力制御に必要な直流成分すなわちレベル可変器
24,16 にて設定されたレベル差に相当する直流電圧成分
は通過して、パワーアンプ12の電力制御は行なわれる。
スイッチS1がオフの場合には、ローパスフィルタとして
機能せず、比較器20の振幅成分を含む帰還電圧がそのま
まレベル可変端子14に帰還される。したがって、このロ
ーパスフィルタ40のスイッチS1は、振幅歪の補償のほと
んど必要ないパワーアンプ12の線形領域にてオンとさ
れ、振幅歪の補償が必要なパワーアンプ12の非線形領域
にてオフとされるようになっている。
【0029】図2(b) にはループバック帯域可変回路28
として複数のカットオフ周波数を備えたローパスフィル
タ42の例が示されている。この図では容量が異なる複数
の接地されたコンデンサC1〜C3... を制御回路22にて制
御されるスイッチS2にて切り換える構成であり、その遮
断域を複数段に設定することができる。たとえば、スイ
ッチS2をコンデンサC1に接続した場合に、図2(a) の場
合よりも低いカットオフ周波数に設定して12.15kHzにて
たとえば−30dBの減衰量を得るようにする。スイッチS2
をコンデンサC2に接続した場合に、図2(a) と同じカッ
トオフ周波数に設定して図5(b) と同じ減衰量-20dB を
得るようにして、さらに、スイッチS2をコンデンサC3に
接続したときに、図5(a) に示すように12.15kHzの周波
数成分にて-2dBの減衰量が得られるように設定する。こ
れらの設定はたとえばパワーアンプ12の線形領域の前半
域にてコンデンサC1に接続し、線形領域の後半域にてコ
ンデンサC2に切り換え、さらにパワーアンプ12の非線形
領域にてコンデンサC3に切り換えるように制御される。
【0030】図2(c) および図2(d) はループ帯域可変
回路28に適用される他の例、すなわち帰還電圧の周波数
成分に応じて利得を変化させるラグリード回路44,46 の
例がそれぞれ示されている。これらラグリード回路44,4
6 は、オペアンプ30と、入力抵抗Riと、帰還抵抗Rfとに
て構成された反転増幅器を基本に、帰還抵抗Rfに並列に
接続されたコンデンサと抵抗Rcとの直列回路とにて構成
されている。帰還抵抗Rfに並列に接続された直列回路
は、直流成分に対してはオフとなっているが、交流分に
対してはコンデンサの容量に応じて抵抗分が変化し、こ
の抵抗分および帰還抵抗Rfの並列値がオペアンプ30での
帰還率を変化させ、このラグリード回路の利得が高周波
になるほど低くなっていく一種のフィルタを形成してい
る。したがって、コンデンサの容量を適切な値に設定す
ることにより、所望の周波数成分における利得(減衰
量)を決定することができる。オペアンプ30の非反転端
子+に供給される入力は、反転増幅器におけるオフセッ
ト電圧となっている。
【0031】この実施例では、たとえば図2(c) のラグ
リードフィルタ44の場合、入力抵抗を 10kΩ、帰還抵抗
を 62kΩ、直列回路の抵抗を 530Ωと設定して、コンデ
ンサを 0.1μF と設定することにより、図6に示すよう
に12.15kHzの周波数成分に対して-20dB の減衰量が得ら
れる。したがって、この図2(c) のラグリード回路44を
図1の帰還電圧調整回路28に適用した場合、パワーアン
プ12の線形領域にてスイッチS3を閉じることによりフィ
ードバック電圧の12.15kHz成分を十分に減衰させるフィ
ルタとして動作させ、パワーアンプ12の非線形領域にお
いてはスイッチS3をオフとすることにより反転増幅器と
して動作させるようにスイッチS3を制御する。
【0032】図2(d) のラグリードフィルタ46の場合に
は、帰還抵抗Rfに並列な直列回路に3つのコンデンサC
4,C5,C6を備え、これらをスイッチS4にて切り換えて、
回路の利得を可変とした構成である。たとえば、各抵抗
Ri,Rf,Rcを図2(c) と同じ値に設定した場合、コンデン
サC4を 0.1μF に、コンデンサC5を4300pFに、コンデン
サC6を1000pFに設定すると、図6に示すように12.15kHz
の周波数成分にてそれぞれ-20dB,-10dB,0dB の減衰量が
得られる。これにより、パワーアンプ12の線形領域の前
半域、線形領域の後半域、非線形領域にてそれぞれスイ
ッチS4を切り換えて所望の減衰量を得る。この場合、図
6には、コンデンサC4〜C6の値に応じてラグリード回路
46の位相特性が示されているが、このラグリード回路
は、本来信号の位相遅れを補償する回路であり、この回
路を図1の帰還回路に適用することによって帰還による
発振が防止されてさらに安定したループ動作が得られる
ことになる。
【0033】制御回路22は、レベル可変器16,24 を制御
してパワーアンプ12の出力電力の調整を行なわせる電力
制御機能と、帰還電圧振幅調整回路28を制御してパワー
アンプ12の出力電力に応じたループバック電圧の調整を
行なわせる機能を有した制御手段である。この制御回路
22は、ゲイン可変器16,24 を制御する場合には4dB 間隔
で6〜9段階の調整を行なう。たとえば、この制御回路
22は受信機に接続されて、基地局からの制御信号に基づ
いてレベル可変器16,24 を制御し、あるいは通信を行な
っている相手局の受信電力に基づいて自局の送信電力を
切り換える。この制御回路22は、通常は入力側のレベル
可変器16の利得β1 を制御して目標値の直流レベルを設
定することにより比較器20からの帰還電圧を調整してパ
ワーアンプ12の利得を変化させる。たとえば、レベル可
変器16の利得β1 を上昇させることにより目標値の直流
レベルが高くなり、比較器20の出力電圧が上昇してパワ
ーアンプ12のゲイン可変端子14の電圧が高くなる。これ
によりパワーアンプ12のゲインが高くなり、出力電力の
平均電力レベルERP が上昇して出力が増加する。パワー
アンプ12の出力を減少させる場合は、レベル可変器16の
利得β1 を減少させる。しかし、このレベル可変器16の
利得調整だけでは60dBの範囲の電力制御に無理が生ずる
ので、出力側のレベル可変器24の利得β2 を変えること
により、その可変範囲をカバーしている。この場合、レ
ベル可変器24の利得β2 を下げると、比較器20の反転端
子−に供給される電圧の直流レベルが下降して非反転端
子+に供給される目標値との差が少なくなるので、比較
器20の出力電圧が増加してパワーアンプ12の利得が上昇
する。これにより、さらにパワーアンプ12の出力電力を
増加させる。パワーアンプ12の出力電力を減少させると
きはレベル可変器24の利得β2 を高くする。制御回路22
はこれらレベル可変器24の制御にともなって帰還電圧振
幅調整回路28の制御を行なう。たとえば、制御回路22は
パワーアンプ12の非線形領域である出力電力が大となる
ようにレベル可変器16,24 を制御した場合は、帰還電圧
振幅調整回路28にて帰還電圧の高周波成分を抑圧しない
方向に制御する。具体的には、図2(a) の例ではローパ
スフィルタ40のスイッチS1をオフとする制御信号を送出
する。図2(b) の例では、ローパスフィルタ42の遮断周
波数が最大のコンデンサC3にスイッチS2を切り換えるた
めの制御信号を送出する。図2(c) の例ではスイッチS3
をオフとする制御信号を送出する。図2(d) の例では、
スイッチS4を12.15kHzの周波数にて利得が0dB となるコ
ンデンサC6に切り換える制御信号を送出する。また制御
回路22はパワーアンプ12の線形領域である出力電力が小
となるようにレベル可変器16,24 を制御した場合は、帰
還電圧振幅調整回路28にて帰還電圧の高周波成分を抑圧
する方向に制御する。具体的には、図2(a) の例ではス
イッチS1をオンとし、図2(b) の例ではスイッチS2をコ
ンデンサC1またはC2に切り換え、図2(c) ではスイッチ
S3をオンとし、さらに図2(d) ではスイッチS4をコンデ
ンサC4またはC5に切り換える制御信号をそれぞれの場合
にて送出する。
【0034】次に上記構成の線形化電力増幅回路の作用
を説明する。この場合、説明を簡単にするためパワーア
ンプの出力電力レベルが大小2通りを考え、フィードバ
ックループLにおけるループ帯域を2通りに変化させる
場合を説明する。
【0035】たとえば、パワーアンプ12の入出力特性が
図4の飽和領域Bにおいて回路を動作させる場合には振
幅飽和が著しいので十分な振幅線形化を行なう必要があ
る。したがって、振幅の包絡線成分でも十分なループゲ
インを有するようにループ帯域可変回路28を広い帯域に
切り替える。ループ帯域可変回路28が図2(a) の場合に
は、制御回路22はスイッチS1をオフとする。これによ
り、比較器20の出力は、そのままパワーアンプ12のゲイ
ン可変端子14に供給されて、十分なループバックゲイン
が得られる。したがって、パワーアンプ12の非線形性に
よってスペクトラムが図8(a) ように側波帯のレベルが
上昇しようとするのを、帰還回路の作用により図8(b)
に示すように抑圧して所望の帯域のスペクトラムを得る
ことができる。
【0036】次に、パワーアンプ12の入出力特性が直線
性を有する図4のAの領域の部分で動作させる場合、こ
の部分は元々パワーアンプ12における入出力の直線性が
良好であるので、振幅線形化補償はごく少ないかあるい
は全くなくてもよい。このとき、パワーアンプ12の出力
電力は小さく絞ってあるので、電力制御のためループゲ
インはゲイン可変器24の利得を上昇させているとすると
増加せざるを得ない。ここで、フィードバックループL
のループ帯域が上記非直線領域Bの場合と同じであると
すると、ループゲインの増加のため、振幅誤差がごく小
さくてもフィードバック電圧はかなりの振幅で印加さ
れ、図7に示すような制御電圧−位相関係にてパワーア
ンプ12にAM-PM変換歪が発生する。したがって、図2(a)
の例では制御回路22の制御によってスイッチS1をオン
とすることにより、ローパスフィルタ40がフィードバッ
クループLに挿入されてループ帯域が30kHz に絞られる
(図5(b) 参照) 。これによって、検波器24にて検出さ
れている12.15kHzの振幅成分が遮断すなわち20dB減衰さ
れて、この結果、フィードバック電圧がレベル可変器1
6,24 による直流成分のみとなって小さく抑えられる。
したがって、パワーアンプ12に帰還する電圧振幅が抑え
られて、いままで帰還電圧の振幅成分によって生じてい
た振幅−位相変換歪(位相変調歪)の発生が起こらなく
なる。
【0037】この場合、直流のループゲインは増加させ
たままなので、電力制御レベルはパワーアンプ12の直線
領域Aに設定される。たとえば、出力電力を3段階下げ
るためにレベル可変器24の利得β2 を12dB上昇させる
と、直流ループゲインが12dB上昇し振幅成分が4倍の大
きさとなって比較器20に供給される。この場合、振幅値
の大きい部分では目標値と差が少なくなるが、振幅値の
小さい部分では目標値との差が大きくなり、かえって比
較器20の出力が大となって帰還電圧振幅が増加する。し
たがって、たとえば図2(a) の例の特性を示す図5(b)
の遮断周波数にてその周波数成分12.15kHzの電圧を-20d
B の減衰量にて減衰させる。これにより12.15kHzのルー
プゲインは8dB 程度となる。この結果、ゲイン可変端子
14にはパワーアンプ12の線形領域にてローパスフィルタ
40を通過させない場合に生じていた過度のフィードバッ
ク電圧振幅による位相変調歪が発生しなくなり、位相変
調歪がある場合に較べて明らかにスペクトラムが改善さ
れる。
【0038】同様に、図2(c) の場合にもスイッチS3を
パワーアンプ12の直線域にてオンとすることにより、フ
ィードバックされる振幅成分が減少されることにより、
ループバックゲインが小となって位相変調歪が軽減され
る。この場合にも、図2(d)のように、電力制御に合わ
せて複数段の切り換えを行なってもよい。
【0039】なお、上記実施例においては、線形化電力
増幅回路10をデジタルセルラ方式の自動車電話に適用し
たが、搬送波に振幅情報を有する他の方式のデジタル送
信機に用いてもよい。また、本実施例においては、パワ
ーアンプ12としてGaAsFET を用いたがこれに限ることは
ない。さらに、上記実施例においてループ帯域可変回路
28として、ローパスフィルタあるいはラグリード回路を
用いたが、パワーアンプ12の低出力電力域にてループ帯
域幅を狭帯域とすることができる回路、または小電力域
にてループゲインを小とすることができる回路であれ
ば、他の回路を用いてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明における線形
化電力増幅回路によれば、飽和形のパワーアンプの線形
領域にて帰還電圧のうち少なくとも信号の振幅成分の周
波数を含む高周波成分を帰還電圧振幅調整手段にて減少
あるいは停止させることにより、ループバック電圧を小
として、パワーアンプの位相変調歪を軽減させることが
できる。この場合、ループバック帯域を狭帯域にするこ
とによって、パワーアンプの電力制御に必要な直流成分
以外の高周波成分すなわちループバックによる振幅の変
化分を遮断または減少させて、ループバック電圧振幅を
小さくすることができる。したがって、負帰還制御電圧
による位相変調歪(AMーPM 変換歪)をなくすことがで
き、位相変調歪によって生じるスペクトラムの拡がりを
防止し得て、この結果不用な側波帯域のチャネルへの妨
害を減少させることができるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による線形化電力増幅回路の一実施例の
構成を示すブロック図である。
【図2】図1の帰還電圧振幅調整回路28に適用されるル
ープ帯域可変回路のそれぞれの例を示す回路図であり、
図2(a) はローパスフィルタを用いた例、図2(b) はロ
ーパスフィルタの他の例、図2(c) はラグリード回路を
用いた例、図2(d) はラグリード回路の他の例を示す図
である。
【図3】本実施例の線形化電力増幅回路にて電力増幅さ
れるπ/4 QDPSK変調波の一例を示す波形図である。
【図4】図1の飽和形パワーアンプ12の入出力特性を示
す図である。
【図5】図2(a),(b) のローパスフィルタにおける周波
数特性を示す図である。
【図6】図2(c),(d) のラグリード回路における周波数
特性を示す図である。
【図7】実施例の線形化電力増幅回路の制御電圧に対す
る出力電力、出力位相特性を示す図である。
【図8】本実施例における出力電力のスペクトラムの説
明図である。
【符号の説明】
10 線形化電力増幅回路 12 飽和形パワーアンプ 16,24 ゲイン可変器 18 入力検波器 20 比較器 22 制御回路 26 出力検波器 28 帰還電圧振幅調整回路(ループバック帯域可変回
路)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相成分と振幅成分に情報を含むデジタ
    ル変調信号を飽和形のパワーアンプを用いて電力増幅す
    る際に、パワーアンプに負帰還回路を付設して非線形歪
    を補償した線形化電力増幅回路において、 前記パワーアンプには、負帰還信号を入力して該パワー
    アンプの利得を変化させるためのゲイン可変端子が備え
    られ、 前記負帰還回路は、前記飽和形のパワーアンプの出力電
    力の一部を抽出する抽出手段と、該抽出手段にて抽出さ
    れたパワーアンプの出力信号を包絡線検波して振幅情報
    を検出する信号検出手段と、該信号検出手段にて検出さ
    れた振幅情報を目標値と比較してその差信号をゲイン可
    変用の帰還電圧として出力する比較手段と、該比較手段
    から出力される帰還電圧のうち少なくとも前記信号検出
    手段にて検出された振幅情報の周波数成分の電圧振幅を
    前記パワーアンプにおける線形領域にて減少あるいは停
    止させて前記パワーアンプのゲイン可変端子に供給する
    帰還電圧振幅調整手段とを備えたことを特徴とする線形
    化電力増幅回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の線形化電力増幅回路に
    おいて、前記帰還電圧振幅調整手段は、前記パワーアン
    プの線形領域にて前記負帰還回路におけるループバック
    帯域を狭帯域に制限して帰還電圧の周波数のうち少なく
    とも前記振幅情報の周波数成分を遮断あるいは減少させ
    るループバック帯域可変手段を含むことを特徴とする線
    形化電力増幅回路。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の線形化電力増幅回路に
    おいて、前記ループバック帯域可変手段は、帰還電圧の
    うち前記振幅情報の周波数成分を含む高域成分を遮断あ
    るいは減少させるローパスフィルタと、該ローパスフィ
    ルタを前記パワーアンプの線形領域にて負帰還回路に挿
    入させるスイッチ手段とを備えたことを特徴とする線形
    化電力増幅回路。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の線形化電力増幅回路に
    おいて、前記ループバック帯域可変手段は、複数の遮断
    周波数を有するローパスフィルタと、該ローパスフィル
    タを前記パワーアンプの出力電力に応動して切り換える
    スイッチ手段とを備えたことを特徴とする線形化電力増
    幅回路。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の線形化電力増幅回路に
    おいて、前記ループバック帯域可変手段は、帰還電圧の
    うち前記振幅情報の周波数成分を含む高域成分の利得を
    制限するラグリード回路を備えたことを特徴とする線形
    化電力増幅回路。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の線形化電力増幅回路に
    おいて、前記ラグリード回路は、複数のコンデンサを備
    え、該コンデンサを前記パワーアンプの出力電力に応じ
    て切り換えることにより、帰還電圧の高域成分の利得を
    変化させることを特徴とする線形化電力増幅回路。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6に記載の線形化電力
    増幅回路において、該回路は、前記信号検出手段にて包
    絡線検波した振幅情報のレベルを所定のレベルに増幅あ
    るいは減衰するレベル可変手段を備えたことを特徴とす
    る線形化電力増幅回路。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7に記載の線形化電力
    増幅回路において、前記比較手段の目標値は、前記パワ
    ーアンプへの入力信号を包絡線検波した振幅情報を所定
    のレベルに増幅あるいは減衰して得ることを特徴とする
    線形化電力増幅回路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6756844B2 (en) 2001-08-07 2004-06-29 Hitachi Kokusai Electric Inc. Distortion compensation amplification apparatus of feed forward type and adaptive pre-distortion type
JP2008295089A (ja) * 2004-09-21 2008-12-04 Hitachi Kokusai Electric Inc 歪補償増幅装置
JP2013172160A (ja) * 2012-02-17 2013-09-02 Toshiba Corp 電力増幅装置

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JP2008295089A (ja) * 2004-09-21 2008-12-04 Hitachi Kokusai Electric Inc 歪補償増幅装置
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