JPH0548378A - 圧電素子およびその製造方法 - Google Patents

圧電素子およびその製造方法

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JPH0548378A
JPH0548378A JP15362491A JP15362491A JPH0548378A JP H0548378 A JPH0548378 A JP H0548378A JP 15362491 A JP15362491 A JP 15362491A JP 15362491 A JP15362491 A JP 15362491A JP H0548378 A JPH0548378 A JP H0548378A
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誠治 神波
Akira Ando
陽 安藤
Toshihiko Kikko
敏彦 橘高
Hiroshi Takagi
洋 鷹木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 PT系磁器板を用いる圧電素子において、電
極部の厚みを薄くするような機械的加工を用いることな
く、厚み縦振動基本波のエネルギ閉じ込めを可能にす
る。 【構成】 PT系磁器板11の、対向する外部電極12
および13に挟まれた電極部14とそれ以外の無電極部
15との間で、コンプライアンスおよび密度の少なくと
も一方に関して差を持たせる。このような構造を得るた
め、PT系磁器のコンプライアンスおよび密度の少なく
とも一方を熱拡散により変化させ得る元素および導電性
金属を含むペーストを用意し、このペーストによって外
部電極12および13を形成するように付与し、その
後、熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、チタン酸鉛(PT)
系磁器板を備える圧電素子およびその製造方法に関する
もので、特に、厚み縦振動基本波のエネルギ閉じ込めを
可能とする新規な構造を備える圧電素子およびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PT系磁器は、低誘電率であるという特
徴を生かして、圧電受動部品、特に高周波用の部品への
応用が考えられている。
【0003】しかしながら、PT系磁器板からなる圧電
基板では、厚み縦振動基本波において、圧電基板の一部
に電極を設け、その部分の遮断周波数を低下させること
による、通常のエネルギ閉じ込め方法を採用することが
できない。
【0004】図5は、PTの厚み縦振動基本波の分散曲
線を示している。図5において、Ωは規格化された周波
数、Pは伝搬定数(波数)、ΩN は、無電極部の遮断周
波数、ΩA は電極部の遮断周波数、ΩO は共振周波数を
それぞれ示している。また、図5における横軸は、伝搬
定数(波数)Pの実数部と虚数部とを示している。ま
た、電極部の分散曲線が点線で与えられ、無電極部の分
散曲線が実線で与えられている。
【0005】PTは、図5のような厚み縦振動基本波の
分散曲線を有するため、共振周波数ΩO において、無電
極部が実数の伝搬定数を持つ伝搬域に位置し電極部が虚
数の伝搬定数を持つ遮断域に位置することになるため、
通常は、エネルギ閉じ込めができないとされている。
【0006】PTでエネルギ閉じ込めを行なうには、電
極部遮断周波数を無電極部遮断周波数より大きくするこ
とで、電極部の伝搬定数を実数、無電極部の伝搬定数を
虚数にする必要がある。この条件を満足させ、PTによ
ってもエネルギ閉じ込めを可能とするため、図6および
図7に示すような構造が提案されている。
【0007】図6および図7を参照して、PT板1の少
なくとも一方面に凹部2を設け、この凹部2が設けられ
た部分を挟むように、1対の外部電極3および4が形成
されている。なお、図7に示した矢印5は、分極方向を
示している。
【0008】規格化された遮断周波数Ωは、材料定数か
ら決まる量で、試料形状には依存しない。実際の遮断周
波数fは、このΩから以下の式に基づき求められる量で
ある。
【0009】f=Ω/{π・t・(ρ・S4 4 E
1 / 2 } t:厚み,ρ:密度,S4 4 E :コンプライアンス 上述の関係を利用して、従来は、図6および図7に示す
ように、PT板1の外部電極3および4で挟まれた部分
すなわち電極部の厚みtを小さくすることで、電極部の
実際の遮断周波数fを上げ、エネルギ閉じ込めを可能に
している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6お
よび図7に示した従来技術では、凹部2を設けるための
加工、すなわち電極部を薄くするための加工が難しく、
電極部の厚みに比較的大きなばらつきが生じてしまい、
また、加工によってPT板1の強度が低くなる、という
問題がある。
【0011】たとえば、厚み0.4mmのPT板でエネ
ルギ閉じ込めを実現するには、電極部の厚みを0.3m
m程度にしなければならないが、電極部となる板の中央
部を0.1mmだけ精度よく削り取ることは困難で、ど
うしても、厚みのばらつきが生じ、そのために、特性の
ばらつきを招いてしまう。
【0012】また、加工によって、PT板にマイクロク
ラックが生じることもあり、それによって機械的強度が
劣化する。
【0013】それゆえに、この発明の目的は、上述した
ような機械的加工を行なうことなくエネルギ閉じ込めを
可能にした、PT系磁器板を備える圧電素子およびその
製造方法を提供しようとすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる圧電素
子は、簡単にいえば、電極部の材料特性と無電極部の材
料特性との間に違いを設けたことを特徴としている。
【0015】より詳細には、この発明は、PT系磁器板
と前記磁器板の対向する面の各一部に形成された1対の
対向する外部電極とを備える、圧電素子に向けられるも
のであって、上述した技術的課題を解決するため、前記
磁器板の、前記対向する外部電極に挟まれた部分とそれ
以外の部分との間で、コンプライアンスおよび密度の少
なくとも一方に関して互いに異ならされていることを特
徴としている。
【0016】この発明によれば、また、上述したような
圧電素子を製造するための方法が提供される。この発明
にかかる製造方法は、PT系磁器板を用意するステップ
と、PT系磁器のコンプライアンスおよび密度の少なく
とも一方を熱拡散により変化させ得る元素および導電性
金属を含むペーストを用意するステップと、前記磁器板
の対向する面の各一部に前記ペーストを付与するステッ
プと、前記ペーストが付与された前記磁器板を熱処理す
るステップとを備えている。
【0017】
【作用】この発明によれば、磁器板の、対向する外部電
極に挟まれた部分とそれ以外の部分との間に、コンプラ
イアンスまたは密度のような材料特性の差を与えること
によって、厚み縦振動基本波のエネルギ閉じ込めが可能
とされる。
【0018】
【発明の効果】したがって、この発明によれば、PT系
磁器板に対して機械的加工を施すことなく、エネルギ閉
じ込めが可能となるので、このような機械的加工に伴う
問題点、すなわち、精度および強度に関する問題が解決
され、それゆえに、特性のばらつきがなく、強度の劣化
にも遭遇しない、PT系磁器板を備える厚み縦振動基本
波のエネルギ閉じ込めが可能な圧電素子を得ることがで
きる。
【0019】また、この発明にかかる圧電素子の製造方
法によれば、外部電極を与える導電性金属に加えて、P
T系磁器のコンプライアンスおよび密度の少なくとも一
方を熱拡散により変化させ得る元素が含まれたペースト
を用い、このペーストを磁器板に付与して、熱処理する
ので、外部電極の形成と同時に、磁器板の所望の部分に
コンプライアンスおよび密度の少なくとも一方が異なら
された領域を形成することができる。
【0020】
【実施例】図1は、この発明の一実施例による圧電素子
10を示す断面図であり、図2は、図1に示した圧電素
子10の平面図である。
【0021】圧電素子10は、PT系磁器板11を備え
る。磁器板11の対向する面の各一部には、1対の対向
する外部電極12および13が形成される。
【0022】磁器板11の、対向する外部電極12およ
び13に挟まれた部分すなわち電極部14は、それ以外
の部分すなわち無電極部15に対して、コンプライアン
スおよび密度の少なくとも一方が異ならされている。
【0023】PT系磁器において、上述したように、コ
ンプライアンスおよび密度の少なくとも一方を異ならせ
ることは、PT系磁器の組成を変えることによって可能
である。このことを確認するため、PT系材料にCaC
3 を添加したものについて、コンプライアンスおよび
密度を測定してみた。すなわち、0.99(0.96P
bTiO3 +0.04La2 / 3 OTiO3 )+0.0
1MnO2 +XCaCO3の組成を有し、上記組成にお
けるXを0.00、0.01、0.03、0.05とい
うように変えたPT系磁器の各々について、コンプライ
アンスおよび密度を測定した。その結果が、以下の表1
に示されている。
【0024】
【表1】 表1から、CaCO3 の添加および添加量の増加に
より、コンプライアンスおよび密度が変わることがわか
る。
【0025】次に、この発明に従って行なった、図1お
よび図2に示すような圧電素子10を得るための実験例
について記載する。
【0026】素原料として、Pb3 4 、La2 3
TiO2 、およびMnO2 を用意し、これらが、0.9
9(0.96PbTiO3 +0.04La2 / 3 OTi
3 )+0.01MnO2 (以下「PT系」という)の
割合になるように秤量した。
【0027】次に、この素原料を湿式ボールミルで混合
した後、乾燥し、得られた素原料乾燥粉末を、空気中に
おいて、800℃で2時間仮焼し、PT系粉末を得た。
【0028】得られた粉末に、バインダ(ポリ酢酸ビニ
ル系)の固着を行なった後、乾式プレス機を用い、面圧
2t/cm2 の圧力で、寸法10×10×1[mm3
の成形体を作製した。
【0029】得られた形成体を、空気中において、40
0℃で熱処理することにより、その有機成分を燃焼させ
た後、空気中において、1150℃で2時間焼成し、P
T系焼結体を得た。
【0030】得られた焼結体を、研磨およびカットする
ことにより、寸法5×5×0.4[mm3 ]の試料を得
た。
【0031】他方、CaCO3 をAg粉末と混合し、こ
れにワニス、有機溶剤およびガラスフリットを添加する
ことにより、ペーストを得た。
【0032】得られたペーストを用いて、図1および図
2に示すように、前述したPT系試料の表裏に外部電極
を印刷により形成した。
【0033】次いで、この試料を、空気中において、8
50℃で1時間熱処理することにより、外部電極の焼付
を行ない、同時に、ペースト中のCaCO3をPT系磁
器中に熱拡散させた。
【0034】この熱拡散の状態を確認するため、得られ
た試料のいくつかについて、研磨によって外部電極を削
り落とし、さらに厚みの半分まで削った試料を作製し、
研磨面での元素分析を行なった。図3に、Caの線分析
結果が示されている。図3から、図1に示した電極部1
4において、Ca濃度が高められていることがわかる。
【0035】他方、上述の元素分析に供しなかった試料
に対して、温度60℃の絶縁油中で5kVの電圧を印加
することにより、分極処理を行なった。
【0036】また、CaCO3 を含まないペーストを用
いて外部電極を形成したことを除いて、上述の本発明品
を得たのと同様の操作を行ない、比較品となる試料も用
意した。
【0037】本発明品および比較品のそれぞれについ
て、厚み縦振動基本波モードにおけるインピーダンスの
周波数特性を測定し、その結果を図4に示した。図4か
らわかるように、本発明品では、エネルギ閉じ込めが実
現されており、スプリアスのない振動特性が得られてい
る。
【0038】なお、上述した実験例では、PT系磁器の
コンプライアンスおよび密度の少なくとも一方を熱拡散
により変化させ得る元素として、Caを用い、その炭酸
塩であるCaCO3 をペースト中に含有させたが、これ
に代えて、たとえば、MnO 2 、La2 3 、Si
2 、Bi2 3 等の金属酸化物を用いても、他の金属
の炭酸塩を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による圧電素子10を示す
断面図である。
【図2】図1に示した圧電素子10の平面図である。
【図3】この発明に従って実施した実験例において得ら
れたPT系磁器中のCa濃度の線分析結果を示す図であ
る。
【図4】本発明品および比較品の厚み縦振動基本波モー
ドにおけるインピーダンスの周波数特性を示す図であ
る。
【図5】PTの厚み縦振動基本波の分散曲線を示す図で
ある。
【図6】従来のエネルギ閉じ込めが可能とされた圧電素
子に含まれるPT板1を示す斜視図である。
【図7】図6に示したPT板1を用いて構成された圧電
素子の断面図である。
【符号の説明】
10 圧電素子 11 PT系磁器板 12,13 外部電極 14 電極部 15 無電極部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷹木 洋 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン酸鉛系磁器板と、前記磁器板の対
    向する面の各一部に形成された1対の対向する外部電極
    とを備える、圧電素子において、 前記磁器板の、前記対向する外部電極に挟まれた部分と
    それ以外の部分との間で、コンプライアンスおよび密度
    の少なくとも一方に関して互いに異ならされていること
    を特徴とする、圧電素子。
  2. 【請求項2】 チタン酸鉛系磁器板を用意し、 チタン酸鉛系磁器のコンプライアンスおよび密度の少な
    くとも一方を熱拡散により変化させ得る元素および導電
    性金属を含むペーストを用意し、 前記磁器板の対向する面の各一部に前記ペーストを付与
    し、 前記ペーストが付与された前記磁器板を熱処理する、 各ステップを備える、圧電素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7999192B2 (en) 2007-03-14 2011-08-16 Amphenol Corporation Adjacent plated through holes with staggered couplings for crosstalk reduction in high speed printed circuit boards

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7999192B2 (en) 2007-03-14 2011-08-16 Amphenol Corporation Adjacent plated through holes with staggered couplings for crosstalk reduction in high speed printed circuit boards
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