JPH054939B2 - - Google Patents
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- JPH054939B2 JPH054939B2 JP62115675A JP11567587A JPH054939B2 JP H054939 B2 JPH054939 B2 JP H054939B2 JP 62115675 A JP62115675 A JP 62115675A JP 11567587 A JP11567587 A JP 11567587A JP H054939 B2 JPH054939 B2 JP H054939B2
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Description
利用分野
本発明は、陶磁器質製品の工業規格焼成条件の
決定法に関する。詳しくは、陶磁器質製品の実験
室規模の焼成データから、充填率の異なる生素地
に関する要素およびスケールエフエクト要素を克
服して直ちに工業的焼成条件を選定する方法に関
する。 従来の技術および問題点 陶磁器質製品の製造において、製品の所望の物
性および均一性等を熱効率よく得るために、種々
の原料、製品規格および焼成炉の特性等に関連し
て、最適の工業的焼成温度および焼成時間を選定
することが極めて重要な要素である。 従来技術によれば、所望の吸水率を有する陶磁
器質製品を入手された原料から工業規模の焼成炉
を用いて製造する場合、実験室的焼成データと工
業規模の焼成条件との間の成形生素地の充填率の
差およびいわゆるスケールエフエクトの解明は、
実質的に未解決の状態にある。従つて、原料の品
質、炉の性能および所望の製品吸水率等に応じ
て、工業規模の試焼成によつてトライアンドエラ
ー方式にて工業的焼成条件を決定する必要があつ
た。また、最近の原料供給事情において同品質の
原料を常時確保するのは極めて困難であり、原料
の品質または成形生素地の充填率が変化する都
度、その複雑な焼成条件を工業規模の試行錯誤に
よつて選定する必要があつた。 例えば、従来技術において陶磁器製品の工業的
焼成条件を決定するためには、工業炉の適当な昇
温/降温速度を仮定し、その昇温速度/降温速度
毎に4〜5点の最高温度焼成温度および時間を変
えて工業炉中で焼成し、これらの吸水率を測定し
て陶磁器化に必要な焼成時間を推定していた。従
つて、焼成最高温度、昇温速度、降温速度のどれ
か一つを変更する場合にも、同様な工業規模の複
雑な実験を繰り返さなければならない。また、新
しい素地の電気炉による実験室データは物性的な
参考となる過程で、トンネル窯等で工業的に焼成
する場合には、その工業炉について昇温速度、降
温速度、最高温度保持時間を種々変更して、工業
的な焼成実験を行なう必要があつた。 解決するための手段 従つて本発明の主目的は、実験室規模の簡単な
焼成実験データから充填率の異なる生素地に関す
る要素およびスケールエフエクト要素を克服して
直ちに工業規模の焼成条件を選定する、陶磁器質
製品の工業的焼成条件の決定方法を提供すること
である。他の主目的は、陶磁器質製品の製造ライ
ンに設置される焼成炉の設計に必要な焼成上のデ
ータを、工業規模の試行錯誤によらず実験室規模
の焼成データから直ちに選定する方法を提供する
ことである。 本発明者は先に、実験室規模の炉と比較して工
業用焼成炉は熱容量が大きくかつ熱特性が複雑で
ある等のために、焼結温度に達した後の等温度焼
成のほかに、焼成物の昇温過程および降温過程の
焼成条件が焼成効果に大きく影響することに着目
して成形生素地の充填率が同等である場合の上記
の問題点を解消した。すなわち、本発明者は上記
の各焼成段階に適合する温度、焼成時間および陶
磁器化温度についての関係式を見出し、そして各
焼成過程における陶磁器化度の和を100%として、
工業的焼成条件を決定することに成功した。 更に本発明者は、実験的焼成および工業的焼成
における成形生素地の充填率が異なる場合におい
て下記の式(1)のAiおよびCiは変化するが、該Ai
およびCiの値が下記の式(2)および(3)に明示される
ように自然対数目盛にて直線関係、即ち一次式に
て表されることを見いだした。従つて成形生素地
の寸法または原料の粒度変化等によつて生素地の
充填率が変化しても、実験データから式(1)のAi
およびCiに相当するAおよびCの数値が容易に推
定できるので、成形生素地の充填率が変化する場
合の工業的焼成条件が容易に求められる。更に、
式(2)および(3)の直線式のグラフの勾配は、陶磁器
用原料の組成が類似する場合に同程度の類似した
勾配となる傾向を見いだした。 従って本発明によつて、陶磁器用原料を少なく
も一点の充填率にて成形した生素地を複数点(好
ましくは3点以上)の陶磁器化温度にて焼成して
所望の吸水率を有する陶磁器質製品を得る実験室
規模のデータから、 式 Int=Ai/T+Ci (1) [ここに、Inは自然対数記号、tは最高温度焼
成保持時間、Tは該焼成の絶対温度、Aiおよび
Ciは成形生素地の該充填率が同一である場合には
定数である]によつて定数AiおよびCiの値を求
め; 工業規模にて焼成する成形生素地の充填率にお
ける、式(1)のAiおよびCiに相当するAおよびC
を、 式 InA=−a1×Inr+b1 (2) In(−C)=−a2×Inr+b2 (3) [ここに、rは成形生素地の充填率、そして
a1,b1,a2,b2は陶磁器用原料に従つて一定であ
る定数である]から推定し、この充填率における
AおよびCの数値を用いて; 陶磁器化度V1(昇温過程焼成)、V2(最高温度焼
成)、V3(降温過程焼成)、および陶磁器化度V
(全焼成過程の和)を示す下記の関係式(4)、(5)お
よび(6)、 式 V2=exp{−(C+X)}・t (4) 式 V1(またはV3) =A/α・exp(−C) ×[exp(−X)/X2・F(X)]X2/X1 ここに F(X)=1−2!/X+3!/X2−… (5) 式 V=V1+V2+V3≧1 (6) [ここに、X=A/T、Tは各温度の絶対温
度、Tは最高温度焼成保持時間(分)、αは昇温
または降温速度(℃/分)、X1は上記の実験デー
タにおける焼成開始絶対温度のXの値、X2は陶
磁器化最高温度で焼成する絶対温度で表したXの
値]から焼成条件を選定することを特徴とする、
成形生素地の充填率が異なる場合における所望の
吸水率を有する陶磁器質製品の工業規模焼成条件
の決定法が提供される。 上記の方法において、実験的に複数点(好まし
くは3点以上)の充填率にて成形した生素地に関
してそれぞれ複数点の陶磁器化温度にて焼成して
得られた実験室データをあらかじめ得ておき、該
データから工業規模にて焼成する成形生素地の充
填率rにおける式(2)のAおよび式(3)のCの数値を
求めるのが正確な方法である。 複数点ではなく一点の充填率にて成形した生素
地の焼成実験の場合には、例えば下記のようにし
て推定することが出来る。陶磁器用原料の組成が
類似した原料に関する焼成実験データがある場合
には、類似した組成の原料における式(2)および式
(3)のグラフの勾配は同程度の勾配である傾向があ
り、そして式(2)および(3)のa1およびa2の数値はそ
れぞれ1.2〜2.0のそして通常は1.4〜1.8の範囲内
にあることが多いので該グラフの勾配から上記の
a1およびa2の数値をそれぞれ1.2〜2.0の範囲内の
数値に設定して、式(2)のAおよび式(3)のCの数値
を近似的に求めることができる。 また実験室規模の焼成実験の生素地に近い充填
率の生素地を工業的に焼成する場合において、式
(2)のa1および式(3)のa2の値ををそれぞれ上記の
1.4〜1.8の平均値である1.6に設定して、式(2)のA
および式(3)のCの数値を近似的に求めることもで
きる。なお、式(2)および(3)のb1およびb2の値は、
既知のAi,Ci,rの値を代入して求められる。 なお、上記の式(6)において、陶磁器度を100%
とするときはV=1であり、そして例えば陶磁器
度を念のため110%に設定する場合は、V=1.1と
することができる。通常は、V=V1+V2+V3=
1が用いられる。なお、ある程度の誤差が許容さ
れる場合には上記の式(4)、(5)等を数学的に簡略近
似化することが可能であり、その場合も当然本発
明の範囲に属する。 発明の具体的な態様 本発明者は、上記の式(1)、(2)、(3)……(6)そして
特に式(2)……(5)が陶磁器質の製造時の焼成におい
て成立することを見出した。すなわち、本発明
は、磁器質(例えば吸水率1%以下)、せつ器質
(例えば吸水率1〜10%)および陶器質(例えば
吸水率10%以上)の陶磁器質に有利に適用され
る。なお、焼成条件に若干変動を与える可能性の
あるMgO、FeO3および/またはLi2Oを含む陶
磁器質原料についても、通常の添加量範囲内にお
いて本発明が有利に適用できることを見出した。 更に、陶磁器質原料に少量の石灰分を添加する
と陶磁化温度が若干低下することは従来知られて
いるが、石灰分による陶磁器化度、軟化現象等の
焼成温度および焼成時間に関連する複雑な挙動は
未解明であつた。従つて、石灰分を含む原料の工
業的焼成条件を推定することは、従来特に困難で
あつた。本発明者は、CaCO3としての石灰分の
量が陶磁器質原料の約3重量%以内であれば、本
発明が有利に適用できることを見出した。こゝ
に、石灰分とは通常はCaCO3、CaOおよび/ま
たはCa(OH)2等を主成分とする天然原料または
加工原料を意味し、広義には焼成によつて主に
CaOを生成する原料を意味する。 上記の式(4)および(5)において、一般に原料、所
望の製品吸水率および工業炉の特性等から、陶磁
器質化等温度焼成温度ならびに炉の昇温速度およ
び降温速度を比較的容易に設定することができ
る。 これらの温度条件をあらかじめ設定することに
よつて、上記の式から工業規模焼成炉における最
高温度焼成に必要な焼成時間を求めるのが一般に
有利である。しかし、最高温度焼成時間等を必要
に応じてあらかじめ設定した場合には、それに対
応する他の焼成条件を上記の式から求めることも
当然可能である。 実施例 以下に本発明の態様を、吸水率1.0%未満の長
石質磁器の場合について例示する。 (1) 実験室規模の焼成実験 素地調合に使用した原料は入来カオリン、イン
ドカリ長石、インド珪石、中国ソーダ長石で、
各々単味で粉砕し、カリ長石とソーダ長石の粒度
を平均粒径で約17ミクロンに揃えた。湿式混合に
よりカリ長石系のNo.1(カオリン22.4%、石英
34.9%、カリ長石42.7%、)とソーダ長石系の
No.2(カオリン24.5%、石英34.7%、ソーダ長石
40.7%)の2種類の素地を調製し、この時アルカ
リ成分の量(モル比)が等しくなるようにした。
これらを含水率約7%になるように加水して造粒
し、成形圧力を3水準ずつ変化させて一軸定圧成
形し、30φ×4mmの供試体を得た。なお、試料名
は充填率の概略値を( )内に記入し、例えば
No.1(69)のように示す。等温実験に供する前に
1000℃でか焼した。焼成実験は2台の電気を用
い、1台(FE1)は1000℃、もう1台(EF2)は
焼成実験温度に保つておき、供試体をEF1−EF2
−EF1と移しかえることにより行つた。このよう
にして、各試料について吸水率1.0%未満の磁器
質製品を得る各3点の焼成温度および焼成時間の
データを得た。該データによる式(1)のグラフを第
1図に示す。なお、上記の成形生素地の充填率を
第1表に示す。
決定法に関する。詳しくは、陶磁器質製品の実験
室規模の焼成データから、充填率の異なる生素地
に関する要素およびスケールエフエクト要素を克
服して直ちに工業的焼成条件を選定する方法に関
する。 従来の技術および問題点 陶磁器質製品の製造において、製品の所望の物
性および均一性等を熱効率よく得るために、種々
の原料、製品規格および焼成炉の特性等に関連し
て、最適の工業的焼成温度および焼成時間を選定
することが極めて重要な要素である。 従来技術によれば、所望の吸水率を有する陶磁
器質製品を入手された原料から工業規模の焼成炉
を用いて製造する場合、実験室的焼成データと工
業規模の焼成条件との間の成形生素地の充填率の
差およびいわゆるスケールエフエクトの解明は、
実質的に未解決の状態にある。従つて、原料の品
質、炉の性能および所望の製品吸水率等に応じ
て、工業規模の試焼成によつてトライアンドエラ
ー方式にて工業的焼成条件を決定する必要があつ
た。また、最近の原料供給事情において同品質の
原料を常時確保するのは極めて困難であり、原料
の品質または成形生素地の充填率が変化する都
度、その複雑な焼成条件を工業規模の試行錯誤に
よつて選定する必要があつた。 例えば、従来技術において陶磁器製品の工業的
焼成条件を決定するためには、工業炉の適当な昇
温/降温速度を仮定し、その昇温速度/降温速度
毎に4〜5点の最高温度焼成温度および時間を変
えて工業炉中で焼成し、これらの吸水率を測定し
て陶磁器化に必要な焼成時間を推定していた。従
つて、焼成最高温度、昇温速度、降温速度のどれ
か一つを変更する場合にも、同様な工業規模の複
雑な実験を繰り返さなければならない。また、新
しい素地の電気炉による実験室データは物性的な
参考となる過程で、トンネル窯等で工業的に焼成
する場合には、その工業炉について昇温速度、降
温速度、最高温度保持時間を種々変更して、工業
的な焼成実験を行なう必要があつた。 解決するための手段 従つて本発明の主目的は、実験室規模の簡単な
焼成実験データから充填率の異なる生素地に関す
る要素およびスケールエフエクト要素を克服して
直ちに工業規模の焼成条件を選定する、陶磁器質
製品の工業的焼成条件の決定方法を提供すること
である。他の主目的は、陶磁器質製品の製造ライ
ンに設置される焼成炉の設計に必要な焼成上のデ
ータを、工業規模の試行錯誤によらず実験室規模
の焼成データから直ちに選定する方法を提供する
ことである。 本発明者は先に、実験室規模の炉と比較して工
業用焼成炉は熱容量が大きくかつ熱特性が複雑で
ある等のために、焼結温度に達した後の等温度焼
成のほかに、焼成物の昇温過程および降温過程の
焼成条件が焼成効果に大きく影響することに着目
して成形生素地の充填率が同等である場合の上記
の問題点を解消した。すなわち、本発明者は上記
の各焼成段階に適合する温度、焼成時間および陶
磁器化温度についての関係式を見出し、そして各
焼成過程における陶磁器化度の和を100%として、
工業的焼成条件を決定することに成功した。 更に本発明者は、実験的焼成および工業的焼成
における成形生素地の充填率が異なる場合におい
て下記の式(1)のAiおよびCiは変化するが、該Ai
およびCiの値が下記の式(2)および(3)に明示される
ように自然対数目盛にて直線関係、即ち一次式に
て表されることを見いだした。従つて成形生素地
の寸法または原料の粒度変化等によつて生素地の
充填率が変化しても、実験データから式(1)のAi
およびCiに相当するAおよびCの数値が容易に推
定できるので、成形生素地の充填率が変化する場
合の工業的焼成条件が容易に求められる。更に、
式(2)および(3)の直線式のグラフの勾配は、陶磁器
用原料の組成が類似する場合に同程度の類似した
勾配となる傾向を見いだした。 従って本発明によつて、陶磁器用原料を少なく
も一点の充填率にて成形した生素地を複数点(好
ましくは3点以上)の陶磁器化温度にて焼成して
所望の吸水率を有する陶磁器質製品を得る実験室
規模のデータから、 式 Int=Ai/T+Ci (1) [ここに、Inは自然対数記号、tは最高温度焼
成保持時間、Tは該焼成の絶対温度、Aiおよび
Ciは成形生素地の該充填率が同一である場合には
定数である]によつて定数AiおよびCiの値を求
め; 工業規模にて焼成する成形生素地の充填率にお
ける、式(1)のAiおよびCiに相当するAおよびC
を、 式 InA=−a1×Inr+b1 (2) In(−C)=−a2×Inr+b2 (3) [ここに、rは成形生素地の充填率、そして
a1,b1,a2,b2は陶磁器用原料に従つて一定であ
る定数である]から推定し、この充填率における
AおよびCの数値を用いて; 陶磁器化度V1(昇温過程焼成)、V2(最高温度焼
成)、V3(降温過程焼成)、および陶磁器化度V
(全焼成過程の和)を示す下記の関係式(4)、(5)お
よび(6)、 式 V2=exp{−(C+X)}・t (4) 式 V1(またはV3) =A/α・exp(−C) ×[exp(−X)/X2・F(X)]X2/X1 ここに F(X)=1−2!/X+3!/X2−… (5) 式 V=V1+V2+V3≧1 (6) [ここに、X=A/T、Tは各温度の絶対温
度、Tは最高温度焼成保持時間(分)、αは昇温
または降温速度(℃/分)、X1は上記の実験デー
タにおける焼成開始絶対温度のXの値、X2は陶
磁器化最高温度で焼成する絶対温度で表したXの
値]から焼成条件を選定することを特徴とする、
成形生素地の充填率が異なる場合における所望の
吸水率を有する陶磁器質製品の工業規模焼成条件
の決定法が提供される。 上記の方法において、実験的に複数点(好まし
くは3点以上)の充填率にて成形した生素地に関
してそれぞれ複数点の陶磁器化温度にて焼成して
得られた実験室データをあらかじめ得ておき、該
データから工業規模にて焼成する成形生素地の充
填率rにおける式(2)のAおよび式(3)のCの数値を
求めるのが正確な方法である。 複数点ではなく一点の充填率にて成形した生素
地の焼成実験の場合には、例えば下記のようにし
て推定することが出来る。陶磁器用原料の組成が
類似した原料に関する焼成実験データがある場合
には、類似した組成の原料における式(2)および式
(3)のグラフの勾配は同程度の勾配である傾向があ
り、そして式(2)および(3)のa1およびa2の数値はそ
れぞれ1.2〜2.0のそして通常は1.4〜1.8の範囲内
にあることが多いので該グラフの勾配から上記の
a1およびa2の数値をそれぞれ1.2〜2.0の範囲内の
数値に設定して、式(2)のAおよび式(3)のCの数値
を近似的に求めることができる。 また実験室規模の焼成実験の生素地に近い充填
率の生素地を工業的に焼成する場合において、式
(2)のa1および式(3)のa2の値ををそれぞれ上記の
1.4〜1.8の平均値である1.6に設定して、式(2)のA
および式(3)のCの数値を近似的に求めることもで
きる。なお、式(2)および(3)のb1およびb2の値は、
既知のAi,Ci,rの値を代入して求められる。 なお、上記の式(6)において、陶磁器度を100%
とするときはV=1であり、そして例えば陶磁器
度を念のため110%に設定する場合は、V=1.1と
することができる。通常は、V=V1+V2+V3=
1が用いられる。なお、ある程度の誤差が許容さ
れる場合には上記の式(4)、(5)等を数学的に簡略近
似化することが可能であり、その場合も当然本発
明の範囲に属する。 発明の具体的な態様 本発明者は、上記の式(1)、(2)、(3)……(6)そして
特に式(2)……(5)が陶磁器質の製造時の焼成におい
て成立することを見出した。すなわち、本発明
は、磁器質(例えば吸水率1%以下)、せつ器質
(例えば吸水率1〜10%)および陶器質(例えば
吸水率10%以上)の陶磁器質に有利に適用され
る。なお、焼成条件に若干変動を与える可能性の
あるMgO、FeO3および/またはLi2Oを含む陶
磁器質原料についても、通常の添加量範囲内にお
いて本発明が有利に適用できることを見出した。 更に、陶磁器質原料に少量の石灰分を添加する
と陶磁化温度が若干低下することは従来知られて
いるが、石灰分による陶磁器化度、軟化現象等の
焼成温度および焼成時間に関連する複雑な挙動は
未解明であつた。従つて、石灰分を含む原料の工
業的焼成条件を推定することは、従来特に困難で
あつた。本発明者は、CaCO3としての石灰分の
量が陶磁器質原料の約3重量%以内であれば、本
発明が有利に適用できることを見出した。こゝ
に、石灰分とは通常はCaCO3、CaOおよび/ま
たはCa(OH)2等を主成分とする天然原料または
加工原料を意味し、広義には焼成によつて主に
CaOを生成する原料を意味する。 上記の式(4)および(5)において、一般に原料、所
望の製品吸水率および工業炉の特性等から、陶磁
器質化等温度焼成温度ならびに炉の昇温速度およ
び降温速度を比較的容易に設定することができ
る。 これらの温度条件をあらかじめ設定することに
よつて、上記の式から工業規模焼成炉における最
高温度焼成に必要な焼成時間を求めるのが一般に
有利である。しかし、最高温度焼成時間等を必要
に応じてあらかじめ設定した場合には、それに対
応する他の焼成条件を上記の式から求めることも
当然可能である。 実施例 以下に本発明の態様を、吸水率1.0%未満の長
石質磁器の場合について例示する。 (1) 実験室規模の焼成実験 素地調合に使用した原料は入来カオリン、イン
ドカリ長石、インド珪石、中国ソーダ長石で、
各々単味で粉砕し、カリ長石とソーダ長石の粒度
を平均粒径で約17ミクロンに揃えた。湿式混合に
よりカリ長石系のNo.1(カオリン22.4%、石英
34.9%、カリ長石42.7%、)とソーダ長石系の
No.2(カオリン24.5%、石英34.7%、ソーダ長石
40.7%)の2種類の素地を調製し、この時アルカ
リ成分の量(モル比)が等しくなるようにした。
これらを含水率約7%になるように加水して造粒
し、成形圧力を3水準ずつ変化させて一軸定圧成
形し、30φ×4mmの供試体を得た。なお、試料名
は充填率の概略値を( )内に記入し、例えば
No.1(69)のように示す。等温実験に供する前に
1000℃でか焼した。焼成実験は2台の電気を用
い、1台(FE1)は1000℃、もう1台(EF2)は
焼成実験温度に保つておき、供試体をEF1−EF2
−EF1と移しかえることにより行つた。このよう
にして、各試料について吸水率1.0%未満の磁器
質製品を得る各3点の焼成温度および焼成時間の
データを得た。該データによる式(1)のグラフを第
1図に示す。なお、上記の成形生素地の充填率を
第1表に示す。
【表】
得られた第1図に示すデータから第2表に示す
データを得た。これらを縦軸InAまたはIn(−c)
そして横軸Inr(r=充填率)に関してプロツトし
たものを第2図に示す。充填率とは、カサ密度
(アルキメデス法による)÷真密度(ピクノメータ
ー法による)×100%を意味する。
データを得た。これらを縦軸InAまたはIn(−c)
そして横軸Inr(r=充填率)に関してプロツトし
たものを第2図に示す。充填率とは、カサ密度
(アルキメデス法による)÷真密度(ピクノメータ
ー法による)×100%を意味する。
【表】
なお第2図において、原料組成が類似している
試料No.1およびNo.2のグラフ直線(AまたはIn
−Cが、それぞれ同程度の勾配であることが明示
される。 (2) 工業用焼成炉における焼成条件の選定 上記のNo.1の原料を充填率68%の生素地に成
形し、工業焼成炉で吸水率1.0%未満の磁器質に
焼成する場合の条件を求める。ここに、上記の吸
水率1.0%未満の磁器質を得る実験室データから
磁器化最高温度焼成過程の温度を1250℃、そして
工業焼成炉の熱特性から1250℃までの昇温速度α
を5℃/分および1250℃からの降温速度αを20
℃/分に設定する。 第1図および第2図の相当するグラフから充填
率68%における式(2)および(3)のAおよびCを求め
ると、 A=5.707、 C=−33.25 式(5)から昇温過程の磁器化度V1を求めると、 V1=(5.707)/5×exp(33.25)〔exp(−
X)/X2・F(X)〕5.707/1523 5.707/1273=0.113 同様にして式(5)から降温過程の磁器化度V3を
求めると、 V3=0.028 最高温度焼成過程の磁器化度V2を式(6)のV=
1から求めると、 V2=1−0.113−0.028=0.859 従って、該最高温度焼成の保持時間は式(4)か
ら、t=58.5(分)となる。すなわち、この工業
焼成炉の場合炉の昇温速度を5℃/分として1250
℃まで搬送加熱し、平均温度1250℃にて59分搬送
焼成し、そして炉の降温速度を20℃/分として搬
送取出しすればよい。 作用および効果 前記のように本発明において、成形生素地の充
填率が異なる場合の陶磁器質製品の工業焼成炉に
よる各焼成段階に適合する温度、焼成時間および
陶磁器化度についての関係式〔式(1)〜(6)〕が見い
だされた。従つて、試行錯誤による工業的実験を
必要とせず、相対的に簡単な実験室データからこ
れらの関係式の組み合わせによつて該実験室デー
タとは成形生素地の充填率が異なる場合におい
て、直ちに所望の吸水率を有する陶磁器質製品の
工業的焼成条件が得られる。
試料No.1およびNo.2のグラフ直線(AまたはIn
−Cが、それぞれ同程度の勾配であることが明示
される。 (2) 工業用焼成炉における焼成条件の選定 上記のNo.1の原料を充填率68%の生素地に成
形し、工業焼成炉で吸水率1.0%未満の磁器質に
焼成する場合の条件を求める。ここに、上記の吸
水率1.0%未満の磁器質を得る実験室データから
磁器化最高温度焼成過程の温度を1250℃、そして
工業焼成炉の熱特性から1250℃までの昇温速度α
を5℃/分および1250℃からの降温速度αを20
℃/分に設定する。 第1図および第2図の相当するグラフから充填
率68%における式(2)および(3)のAおよびCを求め
ると、 A=5.707、 C=−33.25 式(5)から昇温過程の磁器化度V1を求めると、 V1=(5.707)/5×exp(33.25)〔exp(−
X)/X2・F(X)〕5.707/1523 5.707/1273=0.113 同様にして式(5)から降温過程の磁器化度V3を
求めると、 V3=0.028 最高温度焼成過程の磁器化度V2を式(6)のV=
1から求めると、 V2=1−0.113−0.028=0.859 従って、該最高温度焼成の保持時間は式(4)か
ら、t=58.5(分)となる。すなわち、この工業
焼成炉の場合炉の昇温速度を5℃/分として1250
℃まで搬送加熱し、平均温度1250℃にて59分搬送
焼成し、そして炉の降温速度を20℃/分として搬
送取出しすればよい。 作用および効果 前記のように本発明において、成形生素地の充
填率が異なる場合の陶磁器質製品の工業焼成炉に
よる各焼成段階に適合する温度、焼成時間および
陶磁器化度についての関係式〔式(1)〜(6)〕が見い
だされた。従つて、試行錯誤による工業的実験を
必要とせず、相対的に簡単な実験室データからこ
れらの関係式の組み合わせによつて該実験室デー
タとは成形生素地の充填率が異なる場合におい
て、直ちに所望の吸水率を有する陶磁器質製品の
工業的焼成条件が得られる。
第1図は、長石系の磁器用原料を吸水率1.0%
未満の磁器質に焼成した実験室データを、縦軸t
(分)(対数目盛)、横軸1/T(K-1)にてプロツ
トしたグラフである。第2図は、第1図のデータ
に基いて縦軸にInA(式2)またはIn(−C)(式
3)そして横軸に充填率Inrをプロツトしたグラ
フである。 t……陶磁器化等温度焼成時間、T……陶磁器
化焼成絶対温度、r……充填率、No.1およびNo.2
……試料番号、65〜71……充填率の概略値。
未満の磁器質に焼成した実験室データを、縦軸t
(分)(対数目盛)、横軸1/T(K-1)にてプロツ
トしたグラフである。第2図は、第1図のデータ
に基いて縦軸にInA(式2)またはIn(−C)(式
3)そして横軸に充填率Inrをプロツトしたグラ
フである。 t……陶磁器化等温度焼成時間、T……陶磁器
化焼成絶対温度、r……充填率、No.1およびNo.2
……試料番号、65〜71……充填率の概略値。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 陶磁器用原料を少なくも一点の充填率にて成
形した生素地を複数点の陶磁器化温度にて焼成し
て所望の吸水率を有する陶磁器質製品を得る実験
室規模のデータから、 式 Int=Ai/T+Ci (1) [ここに、Inは自然対数記号、tは最高温度焼
成保持時間、Tは該焼成の絶対温度、Aiおよび
Ciは成形生素地の該充填率が同一である場合には
定数である]によつて定数AiおよびCiの値を求
め; 工業規模にて焼成する成形生素地の充填率にお
ける、式(1)のAiおよびCiに相当するAおよびC
を、 式 InA=−a1×Inr+b1 (2) In(−C)=−a2×Inr+b2 (3) [ここに、rは成形生素地の充填率、そして
a1,b1,a2,b2は陶磁器用原料に従つて一定であ
る定数である]から推定し、この充填率における
AおよびCの数値を用いて; 陶磁器化度V1(昇温過程焼成)、V2(最高温度焼
成)、V3(降温過程焼成)、および陶磁器化度V
(全焼成過程の和)を示す下記の関係式(4)、(5)お
よび(6)、 式 V2=exp{−(C+X)}・t (4) 式 V1(またはV3) =A/α・exp(−C) ×[exp(−X)/X2・F(X)]X2/X1 ここに F(X)=1−2!/X+3!/X2−… (5) 式 V=V1+V2+V3≧1 (6) [ここに、X=A/T、Tは各温度の絶対温
度、Tは最高温度焼成保持時間(分)、αは昇温
または降温速度(℃/分)、X1は上記の実験デー
タにおける焼成開始絶対温度のXの値、X2は陶
磁器化最高温度で焼成する絶対温度で表したXの
値]から焼成条件を選定することを特徴とする、
成形生素地の充填率が異なる場合における所望の
吸水率を有する陶磁器質製品の工業規格焼成条件
の決定法。 2 実験的に複数点の充填率にて成形した生素地
に関してそれぞれ複数点の陶磁器化温度にて焼成
して得られた実験室データから、工業規格にて焼
成する成形生素地の充填率rにおける、式(2)のA
および式(3)のCの数値を求める、特許請求の範囲
第1項の決定法。 3 陶磁器質原料の組成が類似した原料に関する
焼成実験データにおける式(2)および式(3)のグラフ
の勾配から、a1およびa2の数値をそれぞれ1.2〜
2.0の範囲内の数値に設定して、式(2)のAおよび
式(3)のCの数値を近似的に求める、特許請求の範
囲第1項の決定法。 4 実験室規模の焼成実験の生素地の充填率に近
い充填率の生素地を工業的に焼成する場合におい
て、式(2)のa1および式(3)のa2の値をそれぞれ1.6
に設定して、式(2)のAおよび式(3)のCの数値を近
似的に求める、特許請求の範囲第1項の決定法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62115675A JPS63282174A (ja) | 1987-05-11 | 1987-05-11 | 陶磁器質製品の焼成条件の決定法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62115675A JPS63282174A (ja) | 1987-05-11 | 1987-05-11 | 陶磁器質製品の焼成条件の決定法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63282174A JPS63282174A (ja) | 1988-11-18 |
| JPH054939B2 true JPH054939B2 (ja) | 1993-01-21 |
Family
ID=14668506
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62115675A Granted JPS63282174A (ja) | 1987-05-11 | 1987-05-11 | 陶磁器質製品の焼成条件の決定法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63282174A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN114875486B (zh) * | 2022-04-24 | 2024-03-22 | 新疆大全新能源股份有限公司 | 一种多晶硅的后处理工艺 |
-
1987
- 1987-05-11 JP JP62115675A patent/JPS63282174A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63282174A (ja) | 1988-11-18 |
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