JPH0551524B2 - - Google Patents
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- JPH0551524B2 JPH0551524B2 JP334086A JP334086A JPH0551524B2 JP H0551524 B2 JPH0551524 B2 JP H0551524B2 JP 334086 A JP334086 A JP 334086A JP 334086 A JP334086 A JP 334086A JP H0551524 B2 JPH0551524 B2 JP H0551524B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明はアルカリ硫黄化合物の熱分解処理方法
に関し、特に、硫化水素およびアルカリ分の回収
において従来技術を著しく改善する方法を提供す
る。 アルカリ硫黄化合物を分解して、アルカリ金属
を炭酸アルカリとして回収し、硫黄を硫化水素と
して回収する方法は、例えばパルプ蒸解液の処理
のように、有機物と結合した化合物を分離後、蒸
解薬品を回収する場合、或は乾式または温式排煙
脱硫装置から得られる亜硫酸ナトリウムや芒硝を
分解する場合等広く利用されている。回収される
炭酸アルカリ塩は脱硫工程に再循環され、一方、
発生する硫化水素は公知方法により単体硫黄およ
び硫酸製造に用いられ、あるいはMHD発電の際
に生じるシードの再生等に用いられる。また、硫
化水素を燃焼工程に送つて亜硫酸ガスとし、同時
に得られる炭酸アルカリ塩と反応させて、亜硫酸
アルカリ液としてパルプ蒸解用に再利用すること
もできる。 〔従来の技術〕 従来技術の1つとして、タンペラ法があり熱回
収ボイラーと組合せた中性亜硫酸パルプ
(NSSCP)蒸解液の回収法が知られている。この
タンペラ法は硫化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム
を含む蒸解液を酸化燃焼させて硫化ナトリウムと
炭酸ナトリウムを得、これを水に溶解し、この溶
液を予備炭酸化してNaHSとNaHCO3を含む反
応液を製造する。この反応液を、Na2CO3とCO2
との別の反応工程で得られた固形の重炭酸ナトリ
ウムを反応させて、H2SとNa2CO3を生成させ
る。該H2Sは燃焼してSO2とし、これと前記工
程で得られるNa2CO3とを反応させて、亜硫酸塩
を得る方法である。 かかる従来法による硫化アルカリから炭酸アル
カリと硫化水素を得る主要な反応は、次の反応式
で表わすことができる。 (1) Na2S+CO2+H2O→NaHS+NaHCO3(炭
酸化塔) (2) NaHS+NaHCO3→Na2CO3+H2S(反応塔) (3) Na2CO3+CO2+H2O→2NaHCO3(重炭酸化
塔) また、SCAプロセスとして知られる還元分解
法がある。この方法の特徴は還元的雰囲気下にア
ルカリ硫黄化合物を700〜780℃で加熱して炭酸ア
ルカリと固形炭素(カーボン)および硫化水素に
分解し、次いでガス中から固形の炭酸アルカリを
分離し、溶解してカーボンを分離し、一方、硫化
水素をボイラーで燃焼してSO2を得、前記の炭酸
アルカリ水溶液と反応させて亜硫酸アルカリとし
て回収する方法である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 一般に、タンペラ法のような反応形式は燃焼炉
を必要とし、また重曹の結晶を得るために複雑な
プロセスを要し大量の水蒸気を必要とすることか
ら、設備費が高くかつエネルギー的にも経済的で
ない。 また、SCA法では分解温度が比較的低いため、
供給物中のカーボンは全部分解せず、一部は固体
カーボンとして折出する。そのため炭酸アルカリ
との分離のためのロ過設備が必要であり、また得
られるカーボン燃焼のために新しい炉を必要とす
る。燃焼炉からの熱回収のためには複雑な操作の
廃熱ボイラーを取付ける必要も生じ、更にカーボ
ンの湿潤ケーキの水分は80%程度で、燃料として
用いるためには乾燥が必要である。このカーボン
を廃棄物として再利用しない場合には、パルプ蒸
解液中の貴重な有機物が燃料として有効に利用さ
れないばかりでなく、カーボンに付着したアルカ
リ、硫黄分が損失する。従つて、SCAプロセス
は設備コスト、エネルギーコストの面で非経済的
である。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前記従来技術の欠点をなくし、供給
液中の有機物質を完全に分解してカーボンを生成
させず、また有価薬剤の損失を最低限に抑制する
アルカリ硫黄化合物の熱分解処理方法を提供す
る。 本発明によれば、前記SCA法、あるいはタン
ペラ法と異なり、基本的には比較的高温の還元雰
囲気下でアルカリ硫黄化合物を熱分解させること
を特徴とする。即ち、本発明では、アルカリ硫黄
化合物を含む固形物、水溶液またはスラリーを還
元的雰囲気中で、800以上の温度で熱分解させる
ことが特徴である。これによつて原料中に含有さ
れる無機塩類はすべて溶融状態で炭酸塩化され、
カーボンを含む有機物は全てガス体として揮発さ
れ、硫黄は硫化水素に変換される。一方、炭酸塩
化された溶融物は硫化水素の存在による副反応で
生じた硫化アルカリを含むが、これは放散塔中
で、分解によつて生成したCO2および炭酸アルカ
リと反応して硫化アルカリは硫水素化アルカリ
に、炭酸アルカリの一部は重炭酸化アルカリに転
化される。放散塔内ではこれらは相互に反応して
H2Sを生成する。更に未反応分を含む反応液は
H2Sの分圧の低い二次放散塔内で加熱反応され、
これによつて、塔底から硫化アルカリを実質的に
含まない炭酸アルカリ溶液を、塔頂からは硫化水
素を回収する。 本発明によれば、分解を高温で行なうものであ
るから、カーボンのガス化により固体カーボンの
発生量が極めて少なく固体カーボンによるトラブ
ルを生じさせず、また反応液は純度が高く、環境
汚染、薬剤の損失のない方法が提供される。ま
た、反応工程中に炭酸アルカリを結晶で分離させ
る必要がなく、大量の蒸気を用いる蒸発工程もな
いので経済的にも有利である。 更に、Naの硫黄酸化物の熱分解処理に例とし
て本発明の反応経過を詳細に説明する。Naの硫
黄酸化物を反応炉中で高温還元雰囲気下に熱分解
する際、反応温度が高温になる程、酸化物の還元
が促進されるので、Na硫黄酸化物をほぼ完全に
炭酸ナトリウムと硫化水素に転換させるには、少
くとも800℃、好ましくは900〜1100℃の温度範囲
で処理することが必要である。 この条件下で生成するNa2CO3とH2Sを溶融状
態で瞬時に完全に分離させることは困難である。
本発明では、洗浄塔中において反応ガス全体を水
と接触させて炭酸ナトリウムの水溶液として分離
する。 この場合、最も困難な問題は、溶融物の主成分
である炭酸ナトリウムと反応生成物の硫化水素と
が反応器中で逆反応してNa2Sを生成させること
である。このような反応によつてNa2Sが生成す
ると、生成する炭酸ナトリウム溶液にNa2Sが存
在して、例えばパルプ蒸解に再利用する際に硫化
水素が発生し、また、反応の点からも分解が低下
するので、アルカリを再利用する場合の循環量が
多くなり経済的ではない。さらに、本発明方法に
よつて得られる硫化水素を燃焼して亜硫酸ガスと
し、これを炭酸ナトリウムと接触させて亜硫酸ナ
トリウムを得る際にも、Na2Sを含む炭酸ナトリ
ウム水溶液を使用すると、SO2の吸収につれて
H2Sが放出される。これは薬品の回収率の減少
と大気汚染の問題を生じさせる。 このような逆反応、Na2CO3+H2S→Na2S、
は操作上避けられないので、本発明では、接触式
洗浄塔で得られる液を炭酸ガスを含む洗浄塔排ガ
スと多段向流的に接触させて次の反応を行なわせ
るのである。 H2S+(Na2S+CO2+Na2CO3+H2O)
〓NaHS+NaHCO3+H2S↑ (1) この反応は本発明では常圧下、またガス相には
硫化水素が存在するところで行なわれる。したが
つて、通常、右辺から左辺に反応が移動する条件
は満されず、反応は右辺に進む。 この反応生成物の水溶液を多段向流塔の底部か
ら取り出し、硫化水素の分圧の低い二次放散塔中
で加熱下に反応を行なわせると、次式の反応が進
行する。 NaHS+NaHCO3→ Na2CO3+H2S↑ (2) この反応には真空下で僅かの水蒸気の存在で行
なうのが適当である。 本発明方法は分解ガス中の炭酸ガスを有効に利
用するので、タンペラ法と異なり、別のガス源を
必要としない。一方、反応液中のNaHSと
NaHCO3によつてH2S分圧の低い条件下で反応
させるので、固形物として重炭酸ナトリウムを循
環使用する必要もなく、設備費および用液費共、
著しく経済的である。 第1図は本発明方法を実施するためのフローシ
ートの一例である。反応塔1には原料供給ライン
11と空気供給ライン12があり、ここで高温還
元分解が行なわれる。反応生成物は洗浄塔2に送
られ、そこでライン13からの水と接触される。
洗浄水によつて反応生成物は溶解され、得られた
水溶液はライン14を経て一次放散塔3の塔頂部
に供給され、底部からは洗浄塔2の塔頂からライ
ン15を経て送られる洗浄済ガスを供給して向流
的に接触させる。一次放散塔では前記式(1)の反応
が十分に達成しうるように数段の多孔層を設ける
のが好ましい。かくして、一次放散塔の頂部から
は比較的純粋な形でライン17を経てH2Sが取
出される。反応液はライン16を経て多段式二次
放散塔4の塔頂部分に供給される。二次放散塔4
の塔頂部にはコンデンサー5を介して真空ポンプ
6が装着されており、該放散塔内における前記式
(2)の反応がH2S分圧の低い状態(80〜85℃、300
〜400mmHg)で行われ、かつ塔底部にはスチーム
のような加熱媒体24が導入されて、液が塔内を
下降中に前記反応が十分完了するように考慮され
ている。この反応で生成するH2Sガスは吸引さ
れてコンデンサー5により冷却され、水分が除去
された形でライン20を経て、一次放散塔の頂部
からのH2Sガスと合体される。一方、二次放散
塔の底部から取出される反応液は反応によつて生
成された炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液で
ある。 本発明方法の基本はH2Sと発生させる工程が
主体であるが、分離された各塔からのH2Sは燃
焼炉7に送り、25から空気を導入して燃焼さ
せ、この燃焼ガスをSO2吸収塔8に送り、二次放
散塔から流出する炭酸ナトリウム溶液と接触させ
れば、亜硫酸ナトリウムとしてアルカリを回収す
ることができる。また、回収されたH2Sはその
他単体硫黄製造等に利用することができる。 更に、本発明の方法を熱回収の面から反応炉の
後に、第2図に示すように、廃熱ボイラーを併置
させることもできる。第2図で31は廃熱ボイラ
ー、30は溶融物受槽である。この受槽に溶解水
を加え、ここで新しい溶解液を作り、高温ガスは
廃熱ボイラーに通じて熱回収した後、前記一次放
散塔下部に供給し、溶解液を一次放散塔の頂部へ
供給して熱回収が行なわれる。また、第3図のよ
うに、反応ガスを冷却塔41に送り、高温ガスを
得て、これを蒸発缶43の熱交換器42に送つ
て、脱湿の際の凝縮液で被蒸発液に熱を与え、放
散塔3への溶液の濃縮をも行なわせることもでき
る。更に、燃焼炉7をガス炊きボイラーとして蒸
気を回収することも可能である。 〔実施例〕 供給原料として中性亜硫酸パルプ蒸解液を用
い、第1図に示す装置を使用して本発明の高温還
元分解法を行なつた。原液の濃縮組成は次の通り
である。 液 濃 度 55重量% 組成 Na 13.0重量% S 8.8 〃 C 30.3 〃 H 3.2 〃 O 45.0 〃 Na2SO4 10.0 〃 発熱量 3000Kcal/Kg 反応塔は直径4.4m、高さ4.5mである。上記凝
縮原料を反応塔の頂部から6000Kg/Hの割合で供
給し、空気量を9400Nm3/Hとして、反応過度を
900℃として反応させた。 かくして得られたガスと溶融物を洗浄塔内で洗
浄液と接触させる。洗浄塔から得られた水溶液の
組成は次の通りであつた。 Na2CO3 57.8重量% Na2S 35.3 〃 Na2SO4 6.8 〃 この水溶液を直径2.7m、高さ12mで、6段の
多孔板を有する一次放散塔の塔頂部に供給し、下
部に洗浄塔からのガスを供給する。一次放散塔で
は前記式(1)の反応が進行し、次表の組成(乾物
量)を有する溶液が得られた。 Na2CO3 80.7重量% Na2S 11.7 〃 Na2SO4 7.6 〃 次に、得られた水溶液を、直径12m、高さ
4.5mで、10段の多孔板を有する二次放散塔の頂
部に供給した。二次放散塔の底部からは600〜800
Kg/Hのスチームが供給されて、ここで式(2)の、
反応が完結される。得られた塔底液の組成(乾物
換算)は次の通りであつた。 Na2CO3 92.0重量% Na2S 1.5 〃 Na2SO4 6.5 〃 前記一次放散塔からのガスの組成は容量%で表
わして、CO2 14.9%、CO 1.4%、H2 8.8%、
H2S 1.6%、CH4 0.1%、N2 58.1%、H2O
12.1%であり、流出量は13000Nm3/Hであつた。 上記のようにして得られた炭酸ナトリウム溶液
はNa2S含量が少なく、また吸収工程に送つたと
きにも硫化ナトリウムの存在によるSO2吸収工程
のトラブルや生成亜硫酸塩をパルプ蒸解に使用し
たときにも悪臭の問題を生ぜず、従来技術の問題
点がすべて解決されることが判つた。 〔発明の効果〕 本発明の方法による効果を、廃熱ボイラーおよ
びガス炊きボイラー設置した場合に、
NSSCP200T/Dプラントで、従来技術のSCA法
と比較したときの結果で示すと、次のようであ
る。
に関し、特に、硫化水素およびアルカリ分の回収
において従来技術を著しく改善する方法を提供す
る。 アルカリ硫黄化合物を分解して、アルカリ金属
を炭酸アルカリとして回収し、硫黄を硫化水素と
して回収する方法は、例えばパルプ蒸解液の処理
のように、有機物と結合した化合物を分離後、蒸
解薬品を回収する場合、或は乾式または温式排煙
脱硫装置から得られる亜硫酸ナトリウムや芒硝を
分解する場合等広く利用されている。回収される
炭酸アルカリ塩は脱硫工程に再循環され、一方、
発生する硫化水素は公知方法により単体硫黄およ
び硫酸製造に用いられ、あるいはMHD発電の際
に生じるシードの再生等に用いられる。また、硫
化水素を燃焼工程に送つて亜硫酸ガスとし、同時
に得られる炭酸アルカリ塩と反応させて、亜硫酸
アルカリ液としてパルプ蒸解用に再利用すること
もできる。 〔従来の技術〕 従来技術の1つとして、タンペラ法があり熱回
収ボイラーと組合せた中性亜硫酸パルプ
(NSSCP)蒸解液の回収法が知られている。この
タンペラ法は硫化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム
を含む蒸解液を酸化燃焼させて硫化ナトリウムと
炭酸ナトリウムを得、これを水に溶解し、この溶
液を予備炭酸化してNaHSとNaHCO3を含む反
応液を製造する。この反応液を、Na2CO3とCO2
との別の反応工程で得られた固形の重炭酸ナトリ
ウムを反応させて、H2SとNa2CO3を生成させ
る。該H2Sは燃焼してSO2とし、これと前記工
程で得られるNa2CO3とを反応させて、亜硫酸塩
を得る方法である。 かかる従来法による硫化アルカリから炭酸アル
カリと硫化水素を得る主要な反応は、次の反応式
で表わすことができる。 (1) Na2S+CO2+H2O→NaHS+NaHCO3(炭
酸化塔) (2) NaHS+NaHCO3→Na2CO3+H2S(反応塔) (3) Na2CO3+CO2+H2O→2NaHCO3(重炭酸化
塔) また、SCAプロセスとして知られる還元分解
法がある。この方法の特徴は還元的雰囲気下にア
ルカリ硫黄化合物を700〜780℃で加熱して炭酸ア
ルカリと固形炭素(カーボン)および硫化水素に
分解し、次いでガス中から固形の炭酸アルカリを
分離し、溶解してカーボンを分離し、一方、硫化
水素をボイラーで燃焼してSO2を得、前記の炭酸
アルカリ水溶液と反応させて亜硫酸アルカリとし
て回収する方法である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 一般に、タンペラ法のような反応形式は燃焼炉
を必要とし、また重曹の結晶を得るために複雑な
プロセスを要し大量の水蒸気を必要とすることか
ら、設備費が高くかつエネルギー的にも経済的で
ない。 また、SCA法では分解温度が比較的低いため、
供給物中のカーボンは全部分解せず、一部は固体
カーボンとして折出する。そのため炭酸アルカリ
との分離のためのロ過設備が必要であり、また得
られるカーボン燃焼のために新しい炉を必要とす
る。燃焼炉からの熱回収のためには複雑な操作の
廃熱ボイラーを取付ける必要も生じ、更にカーボ
ンの湿潤ケーキの水分は80%程度で、燃料として
用いるためには乾燥が必要である。このカーボン
を廃棄物として再利用しない場合には、パルプ蒸
解液中の貴重な有機物が燃料として有効に利用さ
れないばかりでなく、カーボンに付着したアルカ
リ、硫黄分が損失する。従つて、SCAプロセス
は設備コスト、エネルギーコストの面で非経済的
である。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前記従来技術の欠点をなくし、供給
液中の有機物質を完全に分解してカーボンを生成
させず、また有価薬剤の損失を最低限に抑制する
アルカリ硫黄化合物の熱分解処理方法を提供す
る。 本発明によれば、前記SCA法、あるいはタン
ペラ法と異なり、基本的には比較的高温の還元雰
囲気下でアルカリ硫黄化合物を熱分解させること
を特徴とする。即ち、本発明では、アルカリ硫黄
化合物を含む固形物、水溶液またはスラリーを還
元的雰囲気中で、800以上の温度で熱分解させる
ことが特徴である。これによつて原料中に含有さ
れる無機塩類はすべて溶融状態で炭酸塩化され、
カーボンを含む有機物は全てガス体として揮発さ
れ、硫黄は硫化水素に変換される。一方、炭酸塩
化された溶融物は硫化水素の存在による副反応で
生じた硫化アルカリを含むが、これは放散塔中
で、分解によつて生成したCO2および炭酸アルカ
リと反応して硫化アルカリは硫水素化アルカリ
に、炭酸アルカリの一部は重炭酸化アルカリに転
化される。放散塔内ではこれらは相互に反応して
H2Sを生成する。更に未反応分を含む反応液は
H2Sの分圧の低い二次放散塔内で加熱反応され、
これによつて、塔底から硫化アルカリを実質的に
含まない炭酸アルカリ溶液を、塔頂からは硫化水
素を回収する。 本発明によれば、分解を高温で行なうものであ
るから、カーボンのガス化により固体カーボンの
発生量が極めて少なく固体カーボンによるトラブ
ルを生じさせず、また反応液は純度が高く、環境
汚染、薬剤の損失のない方法が提供される。ま
た、反応工程中に炭酸アルカリを結晶で分離させ
る必要がなく、大量の蒸気を用いる蒸発工程もな
いので経済的にも有利である。 更に、Naの硫黄酸化物の熱分解処理に例とし
て本発明の反応経過を詳細に説明する。Naの硫
黄酸化物を反応炉中で高温還元雰囲気下に熱分解
する際、反応温度が高温になる程、酸化物の還元
が促進されるので、Na硫黄酸化物をほぼ完全に
炭酸ナトリウムと硫化水素に転換させるには、少
くとも800℃、好ましくは900〜1100℃の温度範囲
で処理することが必要である。 この条件下で生成するNa2CO3とH2Sを溶融状
態で瞬時に完全に分離させることは困難である。
本発明では、洗浄塔中において反応ガス全体を水
と接触させて炭酸ナトリウムの水溶液として分離
する。 この場合、最も困難な問題は、溶融物の主成分
である炭酸ナトリウムと反応生成物の硫化水素と
が反応器中で逆反応してNa2Sを生成させること
である。このような反応によつてNa2Sが生成す
ると、生成する炭酸ナトリウム溶液にNa2Sが存
在して、例えばパルプ蒸解に再利用する際に硫化
水素が発生し、また、反応の点からも分解が低下
するので、アルカリを再利用する場合の循環量が
多くなり経済的ではない。さらに、本発明方法に
よつて得られる硫化水素を燃焼して亜硫酸ガスと
し、これを炭酸ナトリウムと接触させて亜硫酸ナ
トリウムを得る際にも、Na2Sを含む炭酸ナトリ
ウム水溶液を使用すると、SO2の吸収につれて
H2Sが放出される。これは薬品の回収率の減少
と大気汚染の問題を生じさせる。 このような逆反応、Na2CO3+H2S→Na2S、
は操作上避けられないので、本発明では、接触式
洗浄塔で得られる液を炭酸ガスを含む洗浄塔排ガ
スと多段向流的に接触させて次の反応を行なわせ
るのである。 H2S+(Na2S+CO2+Na2CO3+H2O)
〓NaHS+NaHCO3+H2S↑ (1) この反応は本発明では常圧下、またガス相には
硫化水素が存在するところで行なわれる。したが
つて、通常、右辺から左辺に反応が移動する条件
は満されず、反応は右辺に進む。 この反応生成物の水溶液を多段向流塔の底部か
ら取り出し、硫化水素の分圧の低い二次放散塔中
で加熱下に反応を行なわせると、次式の反応が進
行する。 NaHS+NaHCO3→ Na2CO3+H2S↑ (2) この反応には真空下で僅かの水蒸気の存在で行
なうのが適当である。 本発明方法は分解ガス中の炭酸ガスを有効に利
用するので、タンペラ法と異なり、別のガス源を
必要としない。一方、反応液中のNaHSと
NaHCO3によつてH2S分圧の低い条件下で反応
させるので、固形物として重炭酸ナトリウムを循
環使用する必要もなく、設備費および用液費共、
著しく経済的である。 第1図は本発明方法を実施するためのフローシ
ートの一例である。反応塔1には原料供給ライン
11と空気供給ライン12があり、ここで高温還
元分解が行なわれる。反応生成物は洗浄塔2に送
られ、そこでライン13からの水と接触される。
洗浄水によつて反応生成物は溶解され、得られた
水溶液はライン14を経て一次放散塔3の塔頂部
に供給され、底部からは洗浄塔2の塔頂からライ
ン15を経て送られる洗浄済ガスを供給して向流
的に接触させる。一次放散塔では前記式(1)の反応
が十分に達成しうるように数段の多孔層を設ける
のが好ましい。かくして、一次放散塔の頂部から
は比較的純粋な形でライン17を経てH2Sが取
出される。反応液はライン16を経て多段式二次
放散塔4の塔頂部分に供給される。二次放散塔4
の塔頂部にはコンデンサー5を介して真空ポンプ
6が装着されており、該放散塔内における前記式
(2)の反応がH2S分圧の低い状態(80〜85℃、300
〜400mmHg)で行われ、かつ塔底部にはスチーム
のような加熱媒体24が導入されて、液が塔内を
下降中に前記反応が十分完了するように考慮され
ている。この反応で生成するH2Sガスは吸引さ
れてコンデンサー5により冷却され、水分が除去
された形でライン20を経て、一次放散塔の頂部
からのH2Sガスと合体される。一方、二次放散
塔の底部から取出される反応液は反応によつて生
成された炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液で
ある。 本発明方法の基本はH2Sと発生させる工程が
主体であるが、分離された各塔からのH2Sは燃
焼炉7に送り、25から空気を導入して燃焼さ
せ、この燃焼ガスをSO2吸収塔8に送り、二次放
散塔から流出する炭酸ナトリウム溶液と接触させ
れば、亜硫酸ナトリウムとしてアルカリを回収す
ることができる。また、回収されたH2Sはその
他単体硫黄製造等に利用することができる。 更に、本発明の方法を熱回収の面から反応炉の
後に、第2図に示すように、廃熱ボイラーを併置
させることもできる。第2図で31は廃熱ボイラ
ー、30は溶融物受槽である。この受槽に溶解水
を加え、ここで新しい溶解液を作り、高温ガスは
廃熱ボイラーに通じて熱回収した後、前記一次放
散塔下部に供給し、溶解液を一次放散塔の頂部へ
供給して熱回収が行なわれる。また、第3図のよ
うに、反応ガスを冷却塔41に送り、高温ガスを
得て、これを蒸発缶43の熱交換器42に送つ
て、脱湿の際の凝縮液で被蒸発液に熱を与え、放
散塔3への溶液の濃縮をも行なわせることもでき
る。更に、燃焼炉7をガス炊きボイラーとして蒸
気を回収することも可能である。 〔実施例〕 供給原料として中性亜硫酸パルプ蒸解液を用
い、第1図に示す装置を使用して本発明の高温還
元分解法を行なつた。原液の濃縮組成は次の通り
である。 液 濃 度 55重量% 組成 Na 13.0重量% S 8.8 〃 C 30.3 〃 H 3.2 〃 O 45.0 〃 Na2SO4 10.0 〃 発熱量 3000Kcal/Kg 反応塔は直径4.4m、高さ4.5mである。上記凝
縮原料を反応塔の頂部から6000Kg/Hの割合で供
給し、空気量を9400Nm3/Hとして、反応過度を
900℃として反応させた。 かくして得られたガスと溶融物を洗浄塔内で洗
浄液と接触させる。洗浄塔から得られた水溶液の
組成は次の通りであつた。 Na2CO3 57.8重量% Na2S 35.3 〃 Na2SO4 6.8 〃 この水溶液を直径2.7m、高さ12mで、6段の
多孔板を有する一次放散塔の塔頂部に供給し、下
部に洗浄塔からのガスを供給する。一次放散塔で
は前記式(1)の反応が進行し、次表の組成(乾物
量)を有する溶液が得られた。 Na2CO3 80.7重量% Na2S 11.7 〃 Na2SO4 7.6 〃 次に、得られた水溶液を、直径12m、高さ
4.5mで、10段の多孔板を有する二次放散塔の頂
部に供給した。二次放散塔の底部からは600〜800
Kg/Hのスチームが供給されて、ここで式(2)の、
反応が完結される。得られた塔底液の組成(乾物
換算)は次の通りであつた。 Na2CO3 92.0重量% Na2S 1.5 〃 Na2SO4 6.5 〃 前記一次放散塔からのガスの組成は容量%で表
わして、CO2 14.9%、CO 1.4%、H2 8.8%、
H2S 1.6%、CH4 0.1%、N2 58.1%、H2O
12.1%であり、流出量は13000Nm3/Hであつた。 上記のようにして得られた炭酸ナトリウム溶液
はNa2S含量が少なく、また吸収工程に送つたと
きにも硫化ナトリウムの存在によるSO2吸収工程
のトラブルや生成亜硫酸塩をパルプ蒸解に使用し
たときにも悪臭の問題を生ぜず、従来技術の問題
点がすべて解決されることが判つた。 〔発明の効果〕 本発明の方法による効果を、廃熱ボイラーおよ
びガス炊きボイラー設置した場合に、
NSSCP200T/Dプラントで、従来技術のSCA法
と比較したときの結果で示すと、次のようであ
る。
【表】
以上の様に、本発明方法の経済的優位が判明し
た。また、上表での動力消費量の減少は、主に本
発明方法ではカーボンの発生が殆んどないので、
ロ過設備を要しないためである。更に、本発明方
法の利点として、回収液中の芒硝の量が少ないこ
とが挙げられる。これは本発明の反応方法によれ
ば、供給液中の芒硝が殆んど分解して炭酸ナトリ
ウムとなり、回収薬液中の芒硝量は極めて少な
い。このため、黒液の濃縮工程において芒硝の折
出による蒸発操作上のトラブルがなく、最終濃度
を従来法に較べて高くすることができる。
た。また、上表での動力消費量の減少は、主に本
発明方法ではカーボンの発生が殆んどないので、
ロ過設備を要しないためである。更に、本発明方
法の利点として、回収液中の芒硝の量が少ないこ
とが挙げられる。これは本発明の反応方法によれ
ば、供給液中の芒硝が殆んど分解して炭酸ナトリ
ウムとなり、回収薬液中の芒硝量は極めて少な
い。このため、黒液の濃縮工程において芒硝の折
出による蒸発操作上のトラブルがなく、最終濃度
を従来法に較べて高くすることができる。
第1図は本発明を実施するための装置構成を示
すフローシートの一例である。第2図は熱回収の
ための廃熱ボイラーを併置する場合のフローシー
トの一部である。第3図は熱回収を伴なう他のフ
ローシートの一部である。 1……反応塔、2……洗浄塔、3……一次放散
塔、4……二次放散塔、5……コンデンサー、6
……真空ポンプ、7……燃焼炉、8……SO2吸収
塔、30……溶融物受槽、31……廃熱ボイラ
ー、41……冷却塔、42……熱交換器、43…
…蒸発缶、44……コンデンサー。
すフローシートの一例である。第2図は熱回収の
ための廃熱ボイラーを併置する場合のフローシー
トの一部である。第3図は熱回収を伴なう他のフ
ローシートの一部である。 1……反応塔、2……洗浄塔、3……一次放散
塔、4……二次放散塔、5……コンデンサー、6
……真空ポンプ、7……燃焼炉、8……SO2吸収
塔、30……溶融物受槽、31……廃熱ボイラ
ー、41……冷却塔、42……熱交換器、43…
…蒸発缶、44……コンデンサー。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アルカリ硫黄化合物を含む固形物、水溶液ま
たはスラリーを還元的雰囲気中で800℃以上の温
度で熱分解し、生成する溶融物を水に溶解し、生
成する水溶液と前記熱分解で発生した炭酸ガスを
含むガス流とを接触させ、溶液中の硫化アルカリ
を硫化水素アルカリに、炭酸アルカリの一部を重
炭酸アルカリに転化させると共に、これらをH2
S分圧の低減された条件下に相互に反応させて、
生成する硫化水素ガスと炭酸アルカリ溶液とを回
収することを特徴とするアルカリ硫黄化合物の熱
分解処理方法。 2 前記の回収された硫化水素を燃焼して亜硫酸
ガスの形とし、これを前記回収した炭酸アルカリ
溶液と反応させ、得られる亜硫酸アルカリを回収
する工程を更に含む特許請求の範囲第1項記載の
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP334086A JPS62162606A (ja) | 1986-01-10 | 1986-01-10 | アルカリ硫黄化合物の熱分解処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP334086A JPS62162606A (ja) | 1986-01-10 | 1986-01-10 | アルカリ硫黄化合物の熱分解処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62162606A JPS62162606A (ja) | 1987-07-18 |
| JPH0551524B2 true JPH0551524B2 (ja) | 1993-08-02 |
Family
ID=11554625
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP334086A Granted JPS62162606A (ja) | 1986-01-10 | 1986-01-10 | アルカリ硫黄化合物の熱分解処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62162606A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2676927A1 (de) * | 2012-06-22 | 2013-12-25 | Evonik Industries AG | Reaktor und Verfahren zur Herstellung von Schwefelwasserstoff |
| CN103693780A (zh) * | 2013-12-20 | 2014-04-02 | 四川省洪雅青衣江元明粉有限公司 | 一种节能减排综合利用的硝水净化方法及其装置 |
| CN116425121B (zh) * | 2023-05-22 | 2024-07-05 | 南风化工(运城)集团有限公司 | 一种硫化钠的生产方法 |
-
1986
- 1986-01-10 JP JP334086A patent/JPS62162606A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62162606A (ja) | 1987-07-18 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |