JPH0552446B2 - - Google Patents
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- JPH0552446B2 JPH0552446B2 JP58237146A JP23714683A JPH0552446B2 JP H0552446 B2 JPH0552446 B2 JP H0552446B2 JP 58237146 A JP58237146 A JP 58237146A JP 23714683 A JP23714683 A JP 23714683A JP H0552446 B2 JPH0552446 B2 JP H0552446B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明はX線回折法に関し、詳述すれば、例え
ば金属材などの多結晶性試料における残留応力を
測定する方法と装置とに関する。 (従来の技術) 本発明の係わる方法は、X線回折により結晶体
の格子歪を測定する方法に基づくものであつて、
結晶格子面の面間隔が歪により変化すると散乱X
線の回折角度が変化することになり、その変化量
を測定することで歪の大きさを求めるようにした
ものである。試料が多結晶体である場合、等方性
材質におけるよく知られた弾性挙動の条件から、
表面上のある方向に対して直交する平面の応力
は、そのある方向と試料表面と直交する方向とを
含む平面上におけ2つの方向の格子歪を測定する
ことにより求められる、そのある方向の応力成分
を含んでいる。一般に、試料表面上の3つの方向
における、このような3つの応力成分を測定する
ことは、主応力の量を求め、それを以て表面上の
応力の状態を説明するのに必要なことである。 今、添付図面を参照しながら、従来のX線回折
法による測定方法を説明する。第1A図と第1B
図とにおいて、Pは試料表面Aにおける測定点で
あり、PSは選ばれた方向、PH1とPH2とは歪
測定方向を示す。湯測定方向PH1とPH2とは、
測定点Pを表面Aと直交して通る法線PNに対し
て、そえぞれΨ1とΨ2なる角度だけ傾斜してい
る。そこで、格子歪ε1とε2との差をヤング率
Eで掛けたものと、方向PH1とPH2の相対傾
斜角度に依存する因数とから、試料表面における
正常な応力σnを求めることができる。即ち、 σn=E・(ε1−ε2)/(K1−K2) ……(1) 但し、K1とK2とは、角度Ψ1とΨ2、および、
材料ごとの既知定数であるポアツソン比νとの関
数であつて、それぞれ(K1=sin2Ψ1−
νcon2Ψ1)、(K2=sin2Ψ2−νcon2Ψ2)であらわ
される。 多結晶性材料における格子面の面間隔を測定す
るためのX線回折計は、主として、既知の波長分
布λを有する比較的単色のX線ビームROを試料
の特定領域に対して照射するX線源Fと、特定の
結晶面から回折したX線ビームを検出する検知器
D1,D2とで構成されている。第3A図に示し
た波長分布図においては、2つのピークKα1と
Kα2とがあり、多にも波長線があるものの、こ
れも回折に用いることできる。 検知器D1,D2は、試料におけるX線被照射
領域の中心、即ち、測定点Pを中心に回転自在な
アームに装着されて、下記の式で表される回折に
関するブラツグの法則に従つて、波長λと格子面
の間隔d(図示せず)とで決まる回析角度2θが求
められるようになつている。 λ=2d・sinθ ……(2) ここで、θは入射ビームと回折平面との角度、
即ち、方向PFと、PH1またはPH2と直交する
方向PJ1またはPJ2との間の角度を表す。試料
が整列した単結晶体であれば、回折ビームは1本
しか生じないが、それが多結晶体であれば、回折
ビームは、測定点Pを頂点とする円錐面を呈しつ
つ、結晶粒子に応じて多方向に反射する。反射ビ
ームがなすこの円錐面は、第1A図と第1B図と
にそれぞれ示した2つの方向R1とR2における
測定平面と交差する。 格子面に対して直交する方向に歪が起こると、
格子面の面間隔dが変わり、従つて、ブラツグの
式より回折角度θを変わる。回折平面と直交する
各方向PH1,PH2は、入射ビームROと回折ビ
ームR1とがなす逆反射角を2等分する方向であ
つて、入射ビームROに対して(π/2−θ)な
る角度をなして格子歪測定方向に延びている。回
折ビームが描く円錐面は方向PD1(即ち、回折
ビームR1の方向)に沿つて交差しており、そこ
で、測定点Pを通る軸芯を中心に検知器D1を回
転させると、回折角度2θが求められる。 第3B図に示した回折線の主ピークKα1の中
心が第3A図に示した波長分布のピークの既知波
長λmと一致すれば、第3B図に示した主ピーク
Kα1の中心における値2θmから、前述のブラツ
グの式(2)を用いて格子面の面間隔を求めることが
できる。小粒子が完全に任意の配列をしている変
形のない試料の場合、記録される強度Tr(2θ)
は、入射ビーム強度I(λ)と回折粒子の量ΔV
とに比例する。即ち、 Tr(2θ)∝I(λ)ΔV ……(3) 試料の第2方向における歪は、方向PH2が歪
ε2の方向と一致するように回折計の位置を変え
ることによつて求めることができる。 この2つの歪方向について求めた回折角度の角
度差Δ2θから、格子歪の差がわかる。即ち、 ε1−ε2=(θ2−θ1)cot ……(4) 但し、=(θ1+θ2)/2 2つの方向についての回折角度の角度差は、式
(1)から応力を求めるのに使われるから、ε1とε2の
値を個別的に求める必要はなく、従つて、試料と
して特定の材質よりなる歪のないものを用いる必
要はない。 歪測定の最中に回折計または試料の位置を変え
る代わりに、両者をそのままにして歪測定を行う
ことも考えられる。つまり、回折ビームが描く円
錐面が歪測定平面と交差することから、方向PD
2における第2回折ビームR2は、第1B図に示
すように入射ビームの反対側に来る。その場合、
回折平面に対する法線は、入射ビームROに対し
て(π/2−θ)なる角度をなし、また、方向
PH1に対して2(π/2−θ)なる角度をなす
方向PH2にある。そこで、第2検知器D2を適
当に位置決めさせると、方向PH1とPH2とに
ついて同時に格子歪の測定を行なうことができ
る。 2回にわたる格子歪の測定を行なう都度、回折
計の位置を変える必要のある方法は二重暴露法
(DET)(Double Exposure Technique)として
知られている。他方、2つの検知器を用いて同時
に測定する方法は、単一暴露法(SET)(Single
Exposure Technique)として知られている。 原理的には、厳密に単色のX線を用い、変形し
ない試料に応力をかけて測定を行なえば、1分よ
り小さい巾を有するシヤープな回折線が得られ、
従つて、歪を性格に測定することができる。実際
は、小粒子が完全に任意の配列をとつている変形
しない試料の場合、特定波長のX線を照射すれ
ば、第3B図に示したように、2θの範囲で同様な
回折ビーム強度が出る。器具、主として、X線源
の巾によつては、回折線が太くなつたり、ゆがん
だりすることがあるが、試料が冷間加工により変
形されたもの、或は、粒子径が0.1ミクロン以下
のものであつても、回折線が太くなる。いずれに
しても、回折線の幅は数度程度である(第3C
図)。ともかく、回折線が太くなると、回折線の
ピークが最大波長に対応する2θmから2θm′にお
ける最大強度へと、Kα1とKα2の成分がオーバ
ラツプすることからシフトしてしまう。こうなれ
ば、格子のパラメータ測定結果に誤差が出てしま
う。2つの歪測定方向について回折線のプロフイ
ールが同一である場合、回折線が太くなることに
よるシフトの角度も同一であり、従つて、式(4)よ
り、歪差は不変である。回折線のゆがみ方が等し
くないことによる誤差は、ピーク強度ないし線中
心測定法よりは、むしろ全回折線強度分布に対す
るプロフイール解析法により矯正することができ
る。 計数管を用いた回折計においては、検知器を回
転させて2θごとに段階的にスキヤンすることによ
り、回折線強度を測定している。この場合、スキ
ヤン時に試料を固定しておくと、回折方向が漸次
変化する。第2A図はこの様子を描いたものであ
つて、2θから2θ′へとωだけスキヤンすると、歪
測定方向がPH1からPH1′へと移動し、それに
伴つて、逆反射回折角度を2等分する角度が(π
−2θ′)となる。新たな格子歪測定方向PH1′は、
試料の表面に対する法線PNに対してΨからΨ′へ
の変化量は、入射ビームの方向に対する回折平面
の角度の変化量Δθと等しい。即ち、 Ψ′=Ψ+ω/2 ……(5A) 但し、 2θ′=2θ+ω ……(5B) このような計数管を用いた回折計は、大概の用
途において旧式となり、代わりに位置感応型X線
検知器(Position Sensitive X−ray Detector)
を用いたものが使われている。位置感応型検知器
は比較的最近開発されたものであつて、x線を検
出するのに写真フイルムを用いた方法や類似の方
法にとつて代わるものである。 前述の位置感応型検知器の特性や性能などにつ
いては、例えば、1969年12月9日発行の米国特許
第3483377号、1977年8月16日発行の米国特許第
4042825号、1978年2月28日発行の米国特許第
4076981号などに開示されている。いずれにして
も、位置感応型検知器は、全てのX線回折線を同
時に収集するようになつていて、従来の回折計に
比べて少なくとも50倍位、操作速度を上げること
が出来る。 しかし、このような位置感応型検知器を用いた
回折計においても、前述の計数管式回折計におけ
るのと同様な問題点がある。この点について、特
に第2B図を参照しながら説明する。第2B図に
おいて、計数管型検知器における穴が位置決めさ
れるのと同様に位置感応型検知器D1の中心Xo
を位置決めし、その検知面を軸PXoと直交する
ように設定する。検知器からの出力は、コンピユ
ータに入力されて複数(例えば500本)のチヤン
ネルに、1チヤンネルにつき例えば0.01°ごとに
分けられる。そして、装置で各X線回折ビームの
位置X′を検出し、ΔXなる幅を有する各チヤンネ
ルにおいて検出した光子の数を一定時間中に加算
していく。検知器の感応範囲(Sensitive
Length)でのX線回折パターンも同時に記録さ
れて完全な回折線が求められるようになつてい
る。この回折線上の強度は、ヒストグラム、即
ち、所定のチヤンネルにより受信されたパルスの
数にそれぞれが対応する数値群としてコンピユー
タにより描かれる。一般に、例えば、250本とか
の少数のチヤンネルを選ぶだけで、回折線の範囲
をカバーし得るのが普通である。 このような従来の回折計において、基準位置
Xoに対してαなる角度をなす位置X′で記録され
た強度は、2θ′なる角度にて回折したものによる
ものである。法線PNに対してΨ′なる角度をなす
新たな格子歪方向PH1′は、方向PH1′から
α/2だけそれることになり、従つて、 Ψ′=Ψ+α/2 ……(6A) 但し、 2θ′=2θ+α ……(6B) 計数管型検知器を用いた回折計や、位置感応型
検知器を用いた回折計のいずれにおいても、試料
における歪の方向PH1′は回折角度2θ′の変化に
応じて変わる。回折粒子の量ΔVが試料の歪方向
PH1′に伴つて不規則に変化すれば、第3D図
に示した測定強度Tm(2θ)は、小粒子が完全に
任意の配列をとつている試料についての測定強度
Tr(2θ)とは異なつたものとなり、この回折粒子
の量の比をw(H)とすると下記の式の関係が成立す
る。 Tm(2θ)=w(H)・Tr′(2θ) ……(7) 不規則な粒子回折による回折線に対する影響を
第3D図に示す。試料をスキヤン角度ω(式5A)
の半分に亙つて機械的に回転させることによりそ
の試料上での方向PH1を一定に保てば、計数管
型検知器を用いた回折計では前述の影響を防ぐこ
とができる。このようになつているのが、研究室
用応力測定回折計の特徴であるが、試料としては
小さなものに限られ、しかも、外から持つて来て
回折計に設定できるものに限られている。 ところが、従来の位置感応型検知器を用いた回
折計においては、歪の方向が連続して変化する
と、そしてそれにより粒子の配列が変わると、第
3D図に示したような強度分布における回折線が
変動する。この点は計数管型検知器を用いたもの
とも変わりない。 しかし、不規則な歪の方向による変動は主とし
て、ビームの幅が狭く、放射線の回折する粒子の
数が減少した応力勾配の測定時、および、粒子計
の大きい試料を用いたときに起こる。 それに、歪測定で誤差が出るもう一つの原因と
しては、試料上における放射線被照射領域の応力
方向における長さが特に大きい場合での入射ビー
ムの分散により、回折線がぼけることが挙げられ
る。即ち、試料の回折能が前述の長い被照射領域
で変化すれば、前述のぼけにより回折線の分布は
非対称なものとなり、しかも、それが回折線上の
各点で作用するから、回折線がずれ、それにより
歪測定に誤差が出る。 又、回折計の調整不良も応力測定に誤差をもた
らすことになる。このような調整不良としては、
主として、試料における測定点Pを中心として装
置を回転させなければならないのに、その回転中
心が合わない場合が多い。このように回転中心が
合わないと、大きさがよく似た回折線がずれを起
こすことになる。特に、単一暴露法においては、
2本の回折線を共に2θだけずらすことにより、前
述の誤差を補償している。しかし、これは二重暴
露法ではできない。何故なら、二重暴露法では傾
斜角度に応じて残留誤差が生ずるからである。 要するに、しつかりした応力測定用回折計なら
ば、粒子径が大きくても、また、調整不良による
誤差を制御できるようになつていたとしても、完
全に任意の粒子配列を有する試料について強度分
布のあるスムーズな回折線を描くようでなければ
ならない。そして、回折線の全ての強度分布に基
づいて、線位置が分折されるのでなければならな
い。 回折線の強度分布を得るのに異なつた回折角度
の回折強度を測定するのに比例計数管、或いは、
シンチレーシヨン係数器を用いた走査型回折計は
長年に亙つて粉末回折法におて研究室用装置とし
て標準的なものとして扱われている。この装置
も、格子の歪方向を変えるべく試料を傾斜させ、
走査機構で回転させることにより、応力測定に応
用されている。試料を回転させなくとも、試料に
おいて回折方向を一定にするために、管と検知器
とを等角度に亙つて、しかも反対方向に走査する
ようになつている等傾斜法(equi−inclination
method)を用いれば、試料を固定したまま検査
することができる。 ともかく、今日まで開発された回折計は、どの
ような型であろうとも、ほとんど研究室設置用で
あつて、携帯性がなく、しかも、研究室での制御
設定条件の下で最良の検査結果を出すようになつ
ている。このような訳であるから、野外での測
定、例えば、橋とかパイプラインとかなどの大き
い構築物を検査するのに適していない。野外で応
力を測定するには、信頼性があり、しかも、正確
に測定し得るばかりではなくて、携帯性もある回
折計が必要であり、このような装置の開発が近年
に至つて一部の研究者によつてなされている。そ
のうち、既に開示されたものとしては下記のもの
がある。 試料を固定したまま測定するものではあるが、
等傾斜法を用いない携帯型装置も開発されている
ものの、試料の方向に応じて配列に変化が起こる
ことから強度分布が不規則性を帯びやすい。 さて、既に開示されて公知となつたものとして
は、1939年12月19日発行の米国特許第2184174号、
1949年2月22日発行の米国特許第2462374号、
1959年8月4日発行の米国特許第2898470号、
1962年4月17日発行の米国特許第3030507号、
1968年9月17日発行の米国特許第3402291号、
1972年1月11日発行の米国特許第3634686号、
1972年2月1日発行の米国特許第3639758号、
1972年2月1日発行の米国特許第3639760号、
1975年2月25日発行の米国特許第3868506号、
1976年1月20日発行の米国特許第3934138号、
1978年6月13日発行の米国特許第4095103号、
1978年11月14日発行の米国特許第4125771号、
1978年12月5日発行の米国特許第4128762号、
1981年9月1日発行の米国特許第4287416号など
がある。 特に、米国特許第3634686号による装置では、
測定時試料の歪方向が一定となるようになつてい
る。この装置では、定置されたX線管と、回折線
を走査すべく、試料を中心に円形アーチ状軌道に
沿つて移動する走査検知器とを用いている。この
特許の第7図に示されているように、回折計は、
試料の表面上で検知器の回転軸を通る軸芯を有す
る軸棒に連結したアームに装着されていて、試料
における格子の歪測定に当たつて所望の方向に持
つてこられるように、回折計全体が回転されるよ
うになつている。しかも、この装置では、二重走
査方式(combined scan)、即ち、X線源に対し
てある角度ωに亙つて検知器を回転させるととも
に、アームカウンターがX線源と検知器とを−
ω/2なる角度の亙つて回転させる方式を採用し
ている。これではX線源と検知器とが等角度に亙
り互いに反対方向に回転されることになつて、等
傾斜パターン(equi−inclination geometry)を
描いている。回転速度は2つあつて、互いに関係
づけておかねばならない。 更に、このような装置では、軸棒は試料の表面
のレベルよりも下方に延在しているから、限られ
た条件の下、即ち、アームの回転軸が試料の表面
と一致する条件で固定した試料についてのみしか
測定できない。 また、米国特許第4095103号に開示された比例
計数管式位置感応型検知器を用いた装置と、米国
特許第3934138号に開示された2基の検知器を用
いた装置も、先行技術としては特に見逃せない。
いずれも、X線源に対して固定した検知器を用い
た携帯型装置である。 米国特許第3934138号による装置では、2つの
比例計数管式位置感応型検知器が使われていて、
その特許の第3図に示されているように、共にX
線源と一体的に装着されている。そして、X線源
からのビームが試料における点Oに入射するが、
検知器はX線感光面が回折したX線ビームに対し
て接線方向に来るように配置されている。しか
も、X線源と検知器とは、回折平面に対して法線
をなし、試料上の点Oを通る軸芯を中心に回動す
るように装着されているから、試料における回折
方向と試料表面に対する法線Nとの間の角度Ψは
所望値に設定できる。2つの回折パターンは、単
一暴露法により同時に記録される。 この装置においては、前述したようにX線源と
検知器とは一体的に取り付けられているから、検
知器に対してX線源たるX線管を軸Oを中心に回
転させることはできない。 他方、米国特許第4095103号に開示されている
装置では、その特許の第3図に示されているよう
に、1本の比例計数管式位置感応型検知器が使わ
れていて、それもX線管と一体的に装着されてい
る。その検知器は、検知面の中心が、X線回折ビ
ームに対して直交するように配置されている。そ
して、X線管と検知器とは共に試料の表面上を中
心としてアーチ状の軌道に沿つて移動するように
なつているから、試料の法線に対する測定試料の
歪の方向の角度を変えることができる。応力は、
格子の歪を2回かそれ以上測定することにより、
即ち、二重暴露法を用いることにより測定され
る。X線管と検知器とは一体的に装着されている
から、前述と同様に検知器に対してX線管を回転
させることはできない。 いずれの装置においても、式(7)について説明し
たように、粒子配列が不規則であることから強度
変動を伴つた回折線が観察される欠点を有してい
る。 更に、米国特許第4095103号による装置には試
料の傾斜に伴う焦点ずれに対する対策がとられて
いないが、米国特許第3934138号による装置では、
その特許の第3図に示されているように、検知器
半径が両者とも等しく、X線源半径よりも小さい
ので、焦点ずれの影響を最小限に押さえることが
できるようになつている。粒子の配列が不規則な
試料の場合、焦点ずれが起こると歪の仮想変位が
起こるが、このことはいずれの装置においてもあ
り得ることである。 「Advances in X−ray Analysis、vol.22、
1979」誌の第225頁から第265頁にかけて掲載され
ているHerbert E、.Gobelによる論文「位置感
応型検知器を用いた高速XRPD(A New
Method for Fast XRPD Using a Position
Sensitive Detector)」においては、高速粉末回
折パターンを得るのに、試料を回転して測定を行
う標準的な回折計において位置感応型検知器で走
査を行う装置が提案されている。ここでは、各走
査ステツプでの回折線はマイクロコンピユータで
収集するまうになつており、ステツプ走査を行う
ことにより、回折角度に応じて各ステツプの強度
を加算していく。また、試料を回転させることに
より、歪の方向の範囲を検知器の位置と共に一定
となしているから、得られた回折線は、回折角度
が何度であつたとしても一定範囲の粒子配列を備
えたものとなつて、式(7)におけるTr′(2θ)と比
例した強度を有するスムーズな回折線が得られ
る。 (発明の要旨) 本発明は、多結晶性試料の表面の領域にX線ビ
ームを照射し、その領域における結晶格子面より
回折したX線を位置感応型検知器、好ましくは、
単一暴露法での走査の場合は2つの位置感応型検
知器で検出して、その試料における応力を測定す
る方法と装置とを提供するものである。この場
合、各検知器で検出したX線は、最終的には、回
折角度の関数として回折強度値の回折行列
(diffraction array)に変換される。後述の実施
例においては、この変換は2段階に亙つて行われ
るようになつている。即ち、先ず検知器において
検出したX線を、チヤンネル位置の関数として強
度値の予備行列に変換する。この予備行列はその
後コンピユータにおいて回折行列に変換し、その
回折行列において回折角度の関数として強度値を
記憶する。照射したビームは試料の領域を中心に
円弧を描きながらステツプ走査されて、回折行列
のシーケンスを生ずるようになつている。その
後、回折行列の強度値を各回折角度(2θ)ごとに
平均化する。これにより得られた強度の平均値は
ヒストグラムを構成することになり、このヒスト
グラムに基づいてコンピユータが、Kα1ピークと
かの回折線における所定の特性の2θ値を算出す
る。このようにして得た2つの値(2つの検知器
を同時に作動させて得るか、または、二重暴露法
の場合は1つの検知器から得られる)は、歪差を
求めるのに使われ、この歪差がわかれば応力を求
めることができる。 殊に、本発明においては、X線回折で多結晶性
試料の表面における歪を測定するのに用いる回折
線強度分布を得るに当たり、X線照射源からのX
線ビームが照射される試料を静止状態で保持する
一方で、前記X線照射源を移動させることで試料
に対してステツプ走査を行い、回折角度の関数と
して回折行列を構成する、検知器が検出したX線
ビームの強度値の平均値を検知器の仮想窓に入る
強度値に限定することにより、前記仮想窓の幅方
向の中心部が試料における選ばれた平均歪方向と
直交する試料の格子面より検出した回折ビームと
が一致するように、また、仮想窓の角幅
(angularwidth)が、前記選ばれた平均歪方向を
中心とする選ばれた方向範囲の2倍と等しくなる
ように、前記強度値の平均値を前記方向範囲にお
ける強度値に限定し、更には、小粒子が完全に任
意の配列をとる試料の回折線強度分布とほぼ等し
い回折線強度分布を得るために、各走査位置ごと
に前記回折行列に対して前記仮想窓を前記ステツ
プ走査の方向とは反対方向に変位させることを特
徴としている。このため、各走査位置ごと、回折
行列に対して窓を変位させている。このようにす
ると、小粒子が完全に任意の配列をとる試料の回
折線強度分布とほぼ等しい回折線強度分布を得る
ことができる。 本発明によれば、試料を固定したま測定走査を
行うことができるので、試料の寸法が大きくても
野外にて測定できる携帯測定装置を実現すること
ができる。更に、X線と検知器とを互いに反対方
向に等量だけ走査させる(或いは試料を回転させ
る)必要性があるなど従来例のように複雑化させ
ることなく、等傾斜構成(equi−inclination
geometry)を有する装置を提供し得る利点があ
る。これは、検知器の仮想走査に相当する窓の変
位により達成される。 試料を固定し、X線源を走査することについて
は第4A図と第4B図とに示してある。前述の選
ばれた平均歪方向Hrは、試料の法線PNに対して
Ψrなる角度をなしている。本発明による方法で
格子歪を測定するに当たつては、平均歪方向を中
心とする選ばれた格子歪の範囲は、H+mからH
−m(第4A図)にかけて延在するようにし、そ
の際、平均歪方向Hrからは+γm−と−γmのそ
れぞれの角度をなして等距離に来るようにする。
方向Hrと、試料法線PNに対してΨsなる角度を
なす方向Hsとの間の角度γsは下式の通りである。 γs=Ψs−Ψγ ……(8A) 格子歪方向の範囲内にあるHsは、下記の関係
を有している。 |γs|≦|γm| ……(8B) 後述の分析法において得た回折線値は、「対象
区域」として知られ、仮想窓によつて定まるこの
方向範囲から関与したものに限られている。した
がつて、この窓の幅は4γmである。 第5A図において示すように走査0時、即ち、
走査開始時には、X線源FからのX線ビームが、
試料法線PNに対してΨrなる角度をなすHrに沿
う法線を有する平面PBrに平行な平面から回折さ
れ、そのように回折したビームは、第4B図に示
すように2θoなる角度だけ回折してXoにおいて検
知器Dに検出される。 F′へとωなる角度に亙つてX線を走査させる
と、Hrに対してγなる角度をなす回折法線Hを
有する平面PBに対して平行な平面より回折した
ビームは、Xoに対してαなる角度をなすXにて
検知器に検出される。 検知器が位置Xにあると、回折角度2θは下記の
式で表される。 2θ=2θo+2ω+α ……(9A) Hrに対してγなる角度をなす回折方向Hでは、 2θ=2θo−2ω+2γ ……(9B) これらの式より、変位角度γは下式で表され
る。 γ=(ω+α)/2 ……(9C) そこでX線源を第4B図においFで示した位置
からF′で示した位置へと角度−ωに亙つ走査させ
た場合、第5B図に示した状況が得られる。即
ち、第5B図の状況においはて、変位角度γが0
となるように平均歪方向Hrを定めるには、検知
器を第4B図でXoで示した位置から+ωだけ隔
てた位置Xrへ位置決めする必要がある。即ち、 2θr=2θo+2ω ……(9D) 対象区域は検知器においてX−mからX+mに
かけて広がり、これは角度−2γmから角度+2γm
までに相当する。 ステツプ走査を行うに当たつては、走査ステツ
プΔωは、整数番のチヤンネルが2θだけ変位する
ようにするため、角チヤンネル幅(angular
channel width)Δαの倍数として選ぶのがよい。
2θの値を一定として各ステツプΔθごとに走査す
れば、2θに対応する検知器の位置は、Δωなる角
度に亙つてXからX′へと移動する。同時に、検
知器における対象区域の中心も−Δωなる角度だ
けXrからXr′へと移動するので、この対象区域を
横切る2θの所定値の相対変位置は2Δωとなる。 2θの値が与えられると、回折方向Hが対象区域
にあつて、この区域の平均強度Ts(2θ)が計算さ
れるときに強度が含まれることになる。これは式
(7)で表されるように、小粒子が完全に任意の配列
をとる試料における値Tr′(2θ)に関係している。
窓に含まれる値がnであれば、平均強度Ts(2θ)
は下式で表される。 Ts(2θ)=W・Tr′(2θ) ……(10A) W=(1/n)H+n 〓H-m w(Hs) ……(10B) 但し、Hsは、今説明している2θの値の場合での
Hの方向を意味する。 等間隔2Δωおきに2θ値ごとだと、各2θ値ごと
同一試料方向が係わり、Wは回折線において一定
となる。ステツプΔωがチヤンネル幅Δαよりも大
きければ、1つのステツプにおける2θ値は、増分
(Δγ=Δα/2)だけ回転させられ、それぞれが
間隔2Δωを有する別の2θのシーケンスに属する
別々の試料方向から生ずることになる。Δωが小
さいと回転が起こるものと考えられ、その場合、
Wの加算はほぼ不変である。 (実施例) 以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施
例を詳述する。第6図において、小型X線管Fは
湾曲した摺動体2に装着されていて、ベベルギヤ
(図示せず)を介してスロシン(slosyn)ステツ
ピングモーターに連結した、スクリユーと割ナツ
トとからなる従来公知の駆動装置3に駆動され
て、測定点Pを中心とするアーチ状軌道に沿つて
移動する。このX線管取付け装置と駆動装置とを
含む照射機構11は、フレーム10に固定されて
いる。D1とD2とは共に、比例計数管式位置感
応型検知器(proportional counter position
sensitive detector)であつて、各検知器はフレ
ーム10の両側において半径方向に微動調節でき
るように、マイクロメーター駆動式摺動体8,9
に装着されている。また、検知器は、測定点Pを
中心とするアーチ状のトラツク12a,12bに
それぞれ装架されてフレーム10に沿つて移動し
得ると共に、検知器間の角度、即ち、方向R1と
R2とがなす角度を単一暴露法の操作上必要な値
に設定できる。即ち、(2π−4θm)の角度に設定
できるようになつている。 機構11には4本のネジ溝付きポスト13が装
着されており、これらのポスト13は駆動機構1
4へと延在しているから、回転軸Pを試料の表面
上に設定すべく照射機構11をX線管の軸芯PF
に沿つて移動させることができる。このように照
射機構11を軸芯PFに沿つて移動させるように
した駆動機構14は、回転マウント16の回転デ
イスク15に、応力測定方向に装置の平面を合わ
せるべく、試料の表面に対する法線を中心に装置
を回転させることができるように取り付けられて
いる。回転マウントの軸15′は、試料の表面に
対する法線PNと一致するように設定されてい
る。2つの並進機構17,18には、回転マウン
ト16があつて、装置を試料表面と平行にX方向
とY方向に移動させることができるようになつて
いる。殊に、並進機構18、第7図に示したよう
な支持棒19とかの適当な取付け台に取り付けら
れている。 第7図に示した限りにおいては、X線管Fがパ
イプライン21の溶接部20の一部に指向されて
いるところを示す。分析器22、コンピユータ2
3、それに電源(図示せず)などは、測定地に駐
車させた車両25に搭載させておいてもよい。コ
ンピユータ23としては、デイスク記憶装置とプ
リンターとを備えたものがよく、そうすれば、応
力測定経過を刻時データとして取つておくことが
できる。それに、コンピユータにな、リアルタイ
ムにて応力測定の制御出力を、得られる回折線の
グラフと共に出力するためのビデオ端子が備わつ
ている。 単一暴露モードで操作するには、(π−2θm)
なる角度で互いに傾斜した方向において試料の格
子歪を測定すべく2つの検知器D1,D2を利用
する。その最、2つの方向の内、いずれか一方の
方向は、試料表面の法線に沿う方向とするのが普
通である。そして、各検知器半径Rd1、Rd2とし
ては焦点距離、即ち、X線源半径をRfとすると、
下式で求められる焦点距離に合わせておく。 Rd1=Rfsin(θm−Ψ1)/sin(θm+Ψ1) ……(11A) Rd1=Rfsin(θm−Ψ2)/sin(θm+Ψ2) ……(11B) 前述したように、走査は、試料の被照射領域を
中心としてX線源をステツプごと回転させる形で
行うとし、その際の各ステツプごとの回転角度
ΔωはnΔαに等しい。試料の個々の粒子からの回
折ビームは、各ステツプ走査につき2チヤンネル
ずつ進むから、各粒子は2θの範囲に入る走査ステ
ツプとたどることになる。 平均化作用は、第8図にて概略的に示したよう
な形でコンピユータにおいて行われる。尚、第8
図は、検知器チヤンネルの一部(91〜107まで、
任意に選んだチヤンネル)のみを適宜上示したも
のである。実際としては、各検知器には約500チ
ヤンネル位あり、そのうち250チヤンネルで全て
の回折線をカバーすると共に、このチヤンネル数
と同じ回数のステツプに亙つてX線源Fがステツ
プ走査を行うようになつている。しかし、第5A
図と第5B図とに示した対象区域であつて、以
後、分析上仮想窓と称する対象区域はほぼ小さな
グループ、例えば100チヤンネル幅である。この
仮想窓は、第8図では矩形部Gを以て示してある
が、本発明の説明においては便宜上13チヤンネル
幅W8だけ有するものとして示してある。走査ス
テツプ0では窓はチヤンネル94で始まつて、チヤ
ンネル106で終わつているが、その中心はチヤン
ネル100となつている。この窓Gにおいて、検知
器の各チヤンネルごと記録され、各走査位置ごと
コンピユータのメモリーに転送される任意の個別
的な強度値が示されている。各走査ステツプご
と、窓Gは、走査が順方向に行われるのであれば
第8図の左方向へnチヤンネル(第8図では1チ
ヤンネル)だけ移動するので、走査+1の時にな
ると窓はチヤンネル93からチヤンネル105までの
範囲となり、チヤンネル106は外される。 或る走査位置においては、各チヤンネルは2θの
値に対応し、走査ステツプが変わる都度、この2θ
の値は隣接するチヤンネル、例えば順方向走査ス
テツプの場合は高次チヤンネルへと移動する。そ
れ故、各走査ステツプごと、2θの値は、本実施例
においては各ステツプごと2チヤンネルの相対速
度で窓Gに沿つて移動することになる。各走査ス
テツプ時に2θの値に対して記録された強度値は、
窓Gの範囲に入つている限り加算され、その結果
として得た和は、2θの値について得た平均強度値
を求めるのに加算した値で割る。 この点をもう少し説明すれば、第8図において
二重円で囲つた数値は、平均化した2θの値Q1に
おける強度であつて、これが7つ示されていると
共に、求めた平均値は位置2θoに対応する。単な
る円で囲つた値Q1′は、2θの値が同一であり、
かつ、Q1の値を通る斜線上に来ているものの、
窓Gの外側にあるから、ここでは含まれていな
い。 同時に、強度値Q2(二重逆三角形で囲つた
値)の平均値がコンピユータにより計算される。
この強度値Q2も7つあつて、平均強度値を求め
ると(2θ+2Δα)に対応する別の平均値が出力さ
れる。 同様に、正三角形で囲つた値Q3は、(2θ−
2Δα)に対する別の7つの強度値を意味する。
(2θo+2Δα)と(2、θo−Δα)の中間値に対す
る合計は図示していないが、それも実際にあつて
同様に平均化される。この場合、窓Gには、各2θ
値ごとに6つのその強度値がある。 前述の予備行列は、所定の走査位置、即ち、第
8図の水平行ごとのチヤンネル位置に対する強度
値のシーケンスである。各ステツプごと、窓Gは
基準チヤンネル、例えばチヤンネル100に対して
第1増分(実施例では1チヤンネル)だけ移動し
ていく。 対応する回折行列は、第8図において平平行と
して延在するが、回折角度の関数として延在する
同一シーケンスの強度値である。各走査ステツプ
ごと、基準回折角度値、例えばQ1で表され、第
8図において左側上方から右側下方へ斜線上にく
る回折角度は、窓のそれより反対方向へと基準チ
ヤンネルに対して移動するので、基準回折角度に
対する変位量は、本実施例では前記第1増分の2
倍に相当する第2増分となる。 そこで、窓Gの中心Q(正方形で示したもの)
から測定して、2θの所定値ごとの強度値の移動量
は2チヤンネルであるのは明きらかである。 各走査ごと、コンピユータは各検知器における
各チヤンネルの強度値を検査して、式(9A)に
基づいて回折角度2θを、また、式(9C)に基づ
いて変位量γを算出する。 この算出したγ値より、コンピユータは式
(8B)に基づいて、強度値が窓Gの範囲内にある
かどうかを判定する。範囲外と判定されると、こ
の値は無視される。しかし、範囲内にある強度値
は、各2θごと平均化される。 この平均値はコンピユータより各検知器ごと
別々に出力される。 各検知器につき、この演算結果より、2θ値に対
してプロツトした平均強度値のヒストグラムが得
られ、それよりコンピユータがKα1ピークない
し、公知の解析法に従つてこのヒストグラムの所
定の特性の2θ値を計算することができる。この点
については、1977年にPlenum Press社より出版
された「Advances in X−ray Analysis」誌の
第283頁に掲載されているD.Kirk等による論文
「Location of Diffractometer Profile in X−
ray Stress Analysis(X線応力分析における回折
計プロフイールの定め方」)を参照されたし。 これらの特性値(θ1cとθ2c)を式(4)に代入して
下式をとくと、歪差(ε1−ε2)が得られる。 ε1−ε2=(θ2c−θ1c) ×cot{(θ1c+θ2c)/2} ……(12) (ε1−ε2)の値が既知数となると、表面応力成
分σn(所望値)は式(1)に従うことになる。 走査のバラメーターの選び方によつては、応力
測定の正確さと速度とが影響を受けることがあ
る。 走査幅Wsと称する位置感応型検知器で走査さ
れる区域の幅は好ましくは、回折線の幅と歪の予
測される最大変位量の和として選ぶのがよい。回
折線幅は波長分布、機器の拡張分布、それに、格
子変形分布の関数である。これらがほぼガウス分
布であれば、それにともなう回折線幅Wrは下式
より求めることができる。 Wr=(Wa2+Wi2+Wd2)1/2 ……(13) 但し、Waは、波長分布の最大強度の半値での
幅、Wiは、器機の拡張分布の幅、Wdは、格子歪
分布の幅をあらわす。 Kαダブレツト(Kα doublet)の場合、2つの
成分分布Wα1とWα2とは、成分のピーク変位量
W12により分けられる。 このKαダブレツトに対する全走査幅Wsは、
Wxを最大歪変位量とすると、下式で表わされ
る。 Ws=Wr+W12+Wx ……(14) Kαダブレツトを解消し、1つの成分Kα1のみ
を使えば、Ws=Wr+Wxとなる。 例えば線の図心とかの別の特性を選ぶ場合、走
査幅Wsには全てのKαダブレツトが入つてなけれ
ばならない。 窓幅Wgで、試料の選ばれた方向での格子歪の
分解度(degree of resolution)と、デーア集収
速度とが定まる。求める回折線に係わる試料にお
ける回折方向の角広がり(angular spread)
2γmは、角窓幅(angular window width)の半
分である。窓幅の限定的な有効値は、それが隣接
する歪方向間の分解限度(resolution limit)に
近づくと起る。この窓幅Wgは、照射するX線が
厳密に単色であれば回折分布Wmと等しく、これ
は器機の拡張分布と格子変形分布の結果である。
即ち、 Wm=(Wi2+Wd2)1/2 ……(15) 窓幅Wgが狭ければ狭い程、歪測定の精度が高
く、また、応力も正確に求めることができる。し
かし、窓幅Wgを余りにも小さくすると、操作速
度が影響を受ける。 データ収得速度は窓幅Wgにより制御されるこ
とになる。 2θが所定値にあると、速度率Sf、即ち、全強度
に対する走査時に得られる線の強度の比は下式の
通りである。 Sf=Wg/(Wg+Ws) ……(16) 窓幅Wgが走査幅Wsと等しいと、速度率Sfは
0.5であり、これは、窓幅を更に増大させると、
不適当な補償速度増加の割に分解度が減少するこ
とになることから、最大窓幅と考えることができ
る。 走査ステツプの大きさはΔωは、X線が厳密に
単色である場合回折分布の幅によつて限られる。
何故ならば、順次走査ステツプにより、分解度の
限度にある同一配列の所定群の回折粒子ごと互い
に隣接した分布が出るからである。この粒子群に
対する回折線における強度変動が起ることがあ
る。スムーズな回折線を保証するために、この幅
の一部分f1(例えば1/3か1/4)を用いることがで
きる。 仮想窓を用いるに当つては、窓を横切る強度分
布に均一な重み付けを想定した。測定した強度を
窓におけるそれらの位置で測ることにより、例え
ば、試料の平均歪方向に近い回折方向により大き
い重みを与えることにより利点を得ることも可能
である。 結果として得られる回折線幅とKαダブレツト
幅の一例としての数値を表1に示しておく。
ば金属材などの多結晶性試料における残留応力を
測定する方法と装置とに関する。 (従来の技術) 本発明の係わる方法は、X線回折により結晶体
の格子歪を測定する方法に基づくものであつて、
結晶格子面の面間隔が歪により変化すると散乱X
線の回折角度が変化することになり、その変化量
を測定することで歪の大きさを求めるようにした
ものである。試料が多結晶体である場合、等方性
材質におけるよく知られた弾性挙動の条件から、
表面上のある方向に対して直交する平面の応力
は、そのある方向と試料表面と直交する方向とを
含む平面上におけ2つの方向の格子歪を測定する
ことにより求められる、そのある方向の応力成分
を含んでいる。一般に、試料表面上の3つの方向
における、このような3つの応力成分を測定する
ことは、主応力の量を求め、それを以て表面上の
応力の状態を説明するのに必要なことである。 今、添付図面を参照しながら、従来のX線回折
法による測定方法を説明する。第1A図と第1B
図とにおいて、Pは試料表面Aにおける測定点で
あり、PSは選ばれた方向、PH1とPH2とは歪
測定方向を示す。湯測定方向PH1とPH2とは、
測定点Pを表面Aと直交して通る法線PNに対し
て、そえぞれΨ1とΨ2なる角度だけ傾斜してい
る。そこで、格子歪ε1とε2との差をヤング率
Eで掛けたものと、方向PH1とPH2の相対傾
斜角度に依存する因数とから、試料表面における
正常な応力σnを求めることができる。即ち、 σn=E・(ε1−ε2)/(K1−K2) ……(1) 但し、K1とK2とは、角度Ψ1とΨ2、および、
材料ごとの既知定数であるポアツソン比νとの関
数であつて、それぞれ(K1=sin2Ψ1−
νcon2Ψ1)、(K2=sin2Ψ2−νcon2Ψ2)であらわ
される。 多結晶性材料における格子面の面間隔を測定す
るためのX線回折計は、主として、既知の波長分
布λを有する比較的単色のX線ビームROを試料
の特定領域に対して照射するX線源Fと、特定の
結晶面から回折したX線ビームを検出する検知器
D1,D2とで構成されている。第3A図に示し
た波長分布図においては、2つのピークKα1と
Kα2とがあり、多にも波長線があるものの、こ
れも回折に用いることできる。 検知器D1,D2は、試料におけるX線被照射
領域の中心、即ち、測定点Pを中心に回転自在な
アームに装着されて、下記の式で表される回折に
関するブラツグの法則に従つて、波長λと格子面
の間隔d(図示せず)とで決まる回析角度2θが求
められるようになつている。 λ=2d・sinθ ……(2) ここで、θは入射ビームと回折平面との角度、
即ち、方向PFと、PH1またはPH2と直交する
方向PJ1またはPJ2との間の角度を表す。試料
が整列した単結晶体であれば、回折ビームは1本
しか生じないが、それが多結晶体であれば、回折
ビームは、測定点Pを頂点とする円錐面を呈しつ
つ、結晶粒子に応じて多方向に反射する。反射ビ
ームがなすこの円錐面は、第1A図と第1B図と
にそれぞれ示した2つの方向R1とR2における
測定平面と交差する。 格子面に対して直交する方向に歪が起こると、
格子面の面間隔dが変わり、従つて、ブラツグの
式より回折角度θを変わる。回折平面と直交する
各方向PH1,PH2は、入射ビームROと回折ビ
ームR1とがなす逆反射角を2等分する方向であ
つて、入射ビームROに対して(π/2−θ)な
る角度をなして格子歪測定方向に延びている。回
折ビームが描く円錐面は方向PD1(即ち、回折
ビームR1の方向)に沿つて交差しており、そこ
で、測定点Pを通る軸芯を中心に検知器D1を回
転させると、回折角度2θが求められる。 第3B図に示した回折線の主ピークKα1の中
心が第3A図に示した波長分布のピークの既知波
長λmと一致すれば、第3B図に示した主ピーク
Kα1の中心における値2θmから、前述のブラツ
グの式(2)を用いて格子面の面間隔を求めることが
できる。小粒子が完全に任意の配列をしている変
形のない試料の場合、記録される強度Tr(2θ)
は、入射ビーム強度I(λ)と回折粒子の量ΔV
とに比例する。即ち、 Tr(2θ)∝I(λ)ΔV ……(3) 試料の第2方向における歪は、方向PH2が歪
ε2の方向と一致するように回折計の位置を変え
ることによつて求めることができる。 この2つの歪方向について求めた回折角度の角
度差Δ2θから、格子歪の差がわかる。即ち、 ε1−ε2=(θ2−θ1)cot ……(4) 但し、=(θ1+θ2)/2 2つの方向についての回折角度の角度差は、式
(1)から応力を求めるのに使われるから、ε1とε2の
値を個別的に求める必要はなく、従つて、試料と
して特定の材質よりなる歪のないものを用いる必
要はない。 歪測定の最中に回折計または試料の位置を変え
る代わりに、両者をそのままにして歪測定を行う
ことも考えられる。つまり、回折ビームが描く円
錐面が歪測定平面と交差することから、方向PD
2における第2回折ビームR2は、第1B図に示
すように入射ビームの反対側に来る。その場合、
回折平面に対する法線は、入射ビームROに対し
て(π/2−θ)なる角度をなし、また、方向
PH1に対して2(π/2−θ)なる角度をなす
方向PH2にある。そこで、第2検知器D2を適
当に位置決めさせると、方向PH1とPH2とに
ついて同時に格子歪の測定を行なうことができ
る。 2回にわたる格子歪の測定を行なう都度、回折
計の位置を変える必要のある方法は二重暴露法
(DET)(Double Exposure Technique)として
知られている。他方、2つの検知器を用いて同時
に測定する方法は、単一暴露法(SET)(Single
Exposure Technique)として知られている。 原理的には、厳密に単色のX線を用い、変形し
ない試料に応力をかけて測定を行なえば、1分よ
り小さい巾を有するシヤープな回折線が得られ、
従つて、歪を性格に測定することができる。実際
は、小粒子が完全に任意の配列をとつている変形
しない試料の場合、特定波長のX線を照射すれ
ば、第3B図に示したように、2θの範囲で同様な
回折ビーム強度が出る。器具、主として、X線源
の巾によつては、回折線が太くなつたり、ゆがん
だりすることがあるが、試料が冷間加工により変
形されたもの、或は、粒子径が0.1ミクロン以下
のものであつても、回折線が太くなる。いずれに
しても、回折線の幅は数度程度である(第3C
図)。ともかく、回折線が太くなると、回折線の
ピークが最大波長に対応する2θmから2θm′にお
ける最大強度へと、Kα1とKα2の成分がオーバ
ラツプすることからシフトしてしまう。こうなれ
ば、格子のパラメータ測定結果に誤差が出てしま
う。2つの歪測定方向について回折線のプロフイ
ールが同一である場合、回折線が太くなることに
よるシフトの角度も同一であり、従つて、式(4)よ
り、歪差は不変である。回折線のゆがみ方が等し
くないことによる誤差は、ピーク強度ないし線中
心測定法よりは、むしろ全回折線強度分布に対す
るプロフイール解析法により矯正することができ
る。 計数管を用いた回折計においては、検知器を回
転させて2θごとに段階的にスキヤンすることによ
り、回折線強度を測定している。この場合、スキ
ヤン時に試料を固定しておくと、回折方向が漸次
変化する。第2A図はこの様子を描いたものであ
つて、2θから2θ′へとωだけスキヤンすると、歪
測定方向がPH1からPH1′へと移動し、それに
伴つて、逆反射回折角度を2等分する角度が(π
−2θ′)となる。新たな格子歪測定方向PH1′は、
試料の表面に対する法線PNに対してΨからΨ′へ
の変化量は、入射ビームの方向に対する回折平面
の角度の変化量Δθと等しい。即ち、 Ψ′=Ψ+ω/2 ……(5A) 但し、 2θ′=2θ+ω ……(5B) このような計数管を用いた回折計は、大概の用
途において旧式となり、代わりに位置感応型X線
検知器(Position Sensitive X−ray Detector)
を用いたものが使われている。位置感応型検知器
は比較的最近開発されたものであつて、x線を検
出するのに写真フイルムを用いた方法や類似の方
法にとつて代わるものである。 前述の位置感応型検知器の特性や性能などにつ
いては、例えば、1969年12月9日発行の米国特許
第3483377号、1977年8月16日発行の米国特許第
4042825号、1978年2月28日発行の米国特許第
4076981号などに開示されている。いずれにして
も、位置感応型検知器は、全てのX線回折線を同
時に収集するようになつていて、従来の回折計に
比べて少なくとも50倍位、操作速度を上げること
が出来る。 しかし、このような位置感応型検知器を用いた
回折計においても、前述の計数管式回折計におけ
るのと同様な問題点がある。この点について、特
に第2B図を参照しながら説明する。第2B図に
おいて、計数管型検知器における穴が位置決めさ
れるのと同様に位置感応型検知器D1の中心Xo
を位置決めし、その検知面を軸PXoと直交する
ように設定する。検知器からの出力は、コンピユ
ータに入力されて複数(例えば500本)のチヤン
ネルに、1チヤンネルにつき例えば0.01°ごとに
分けられる。そして、装置で各X線回折ビームの
位置X′を検出し、ΔXなる幅を有する各チヤンネ
ルにおいて検出した光子の数を一定時間中に加算
していく。検知器の感応範囲(Sensitive
Length)でのX線回折パターンも同時に記録さ
れて完全な回折線が求められるようになつてい
る。この回折線上の強度は、ヒストグラム、即
ち、所定のチヤンネルにより受信されたパルスの
数にそれぞれが対応する数値群としてコンピユー
タにより描かれる。一般に、例えば、250本とか
の少数のチヤンネルを選ぶだけで、回折線の範囲
をカバーし得るのが普通である。 このような従来の回折計において、基準位置
Xoに対してαなる角度をなす位置X′で記録され
た強度は、2θ′なる角度にて回折したものによる
ものである。法線PNに対してΨ′なる角度をなす
新たな格子歪方向PH1′は、方向PH1′から
α/2だけそれることになり、従つて、 Ψ′=Ψ+α/2 ……(6A) 但し、 2θ′=2θ+α ……(6B) 計数管型検知器を用いた回折計や、位置感応型
検知器を用いた回折計のいずれにおいても、試料
における歪の方向PH1′は回折角度2θ′の変化に
応じて変わる。回折粒子の量ΔVが試料の歪方向
PH1′に伴つて不規則に変化すれば、第3D図
に示した測定強度Tm(2θ)は、小粒子が完全に
任意の配列をとつている試料についての測定強度
Tr(2θ)とは異なつたものとなり、この回折粒子
の量の比をw(H)とすると下記の式の関係が成立す
る。 Tm(2θ)=w(H)・Tr′(2θ) ……(7) 不規則な粒子回折による回折線に対する影響を
第3D図に示す。試料をスキヤン角度ω(式5A)
の半分に亙つて機械的に回転させることによりそ
の試料上での方向PH1を一定に保てば、計数管
型検知器を用いた回折計では前述の影響を防ぐこ
とができる。このようになつているのが、研究室
用応力測定回折計の特徴であるが、試料としては
小さなものに限られ、しかも、外から持つて来て
回折計に設定できるものに限られている。 ところが、従来の位置感応型検知器を用いた回
折計においては、歪の方向が連続して変化する
と、そしてそれにより粒子の配列が変わると、第
3D図に示したような強度分布における回折線が
変動する。この点は計数管型検知器を用いたもの
とも変わりない。 しかし、不規則な歪の方向による変動は主とし
て、ビームの幅が狭く、放射線の回折する粒子の
数が減少した応力勾配の測定時、および、粒子計
の大きい試料を用いたときに起こる。 それに、歪測定で誤差が出るもう一つの原因と
しては、試料上における放射線被照射領域の応力
方向における長さが特に大きい場合での入射ビー
ムの分散により、回折線がぼけることが挙げられ
る。即ち、試料の回折能が前述の長い被照射領域
で変化すれば、前述のぼけにより回折線の分布は
非対称なものとなり、しかも、それが回折線上の
各点で作用するから、回折線がずれ、それにより
歪測定に誤差が出る。 又、回折計の調整不良も応力測定に誤差をもた
らすことになる。このような調整不良としては、
主として、試料における測定点Pを中心として装
置を回転させなければならないのに、その回転中
心が合わない場合が多い。このように回転中心が
合わないと、大きさがよく似た回折線がずれを起
こすことになる。特に、単一暴露法においては、
2本の回折線を共に2θだけずらすことにより、前
述の誤差を補償している。しかし、これは二重暴
露法ではできない。何故なら、二重暴露法では傾
斜角度に応じて残留誤差が生ずるからである。 要するに、しつかりした応力測定用回折計なら
ば、粒子径が大きくても、また、調整不良による
誤差を制御できるようになつていたとしても、完
全に任意の粒子配列を有する試料について強度分
布のあるスムーズな回折線を描くようでなければ
ならない。そして、回折線の全ての強度分布に基
づいて、線位置が分折されるのでなければならな
い。 回折線の強度分布を得るのに異なつた回折角度
の回折強度を測定するのに比例計数管、或いは、
シンチレーシヨン係数器を用いた走査型回折計は
長年に亙つて粉末回折法におて研究室用装置とし
て標準的なものとして扱われている。この装置
も、格子の歪方向を変えるべく試料を傾斜させ、
走査機構で回転させることにより、応力測定に応
用されている。試料を回転させなくとも、試料に
おいて回折方向を一定にするために、管と検知器
とを等角度に亙つて、しかも反対方向に走査する
ようになつている等傾斜法(equi−inclination
method)を用いれば、試料を固定したまま検査
することができる。 ともかく、今日まで開発された回折計は、どの
ような型であろうとも、ほとんど研究室設置用で
あつて、携帯性がなく、しかも、研究室での制御
設定条件の下で最良の検査結果を出すようになつ
ている。このような訳であるから、野外での測
定、例えば、橋とかパイプラインとかなどの大き
い構築物を検査するのに適していない。野外で応
力を測定するには、信頼性があり、しかも、正確
に測定し得るばかりではなくて、携帯性もある回
折計が必要であり、このような装置の開発が近年
に至つて一部の研究者によつてなされている。そ
のうち、既に開示されたものとしては下記のもの
がある。 試料を固定したまま測定するものではあるが、
等傾斜法を用いない携帯型装置も開発されている
ものの、試料の方向に応じて配列に変化が起こる
ことから強度分布が不規則性を帯びやすい。 さて、既に開示されて公知となつたものとして
は、1939年12月19日発行の米国特許第2184174号、
1949年2月22日発行の米国特許第2462374号、
1959年8月4日発行の米国特許第2898470号、
1962年4月17日発行の米国特許第3030507号、
1968年9月17日発行の米国特許第3402291号、
1972年1月11日発行の米国特許第3634686号、
1972年2月1日発行の米国特許第3639758号、
1972年2月1日発行の米国特許第3639760号、
1975年2月25日発行の米国特許第3868506号、
1976年1月20日発行の米国特許第3934138号、
1978年6月13日発行の米国特許第4095103号、
1978年11月14日発行の米国特許第4125771号、
1978年12月5日発行の米国特許第4128762号、
1981年9月1日発行の米国特許第4287416号など
がある。 特に、米国特許第3634686号による装置では、
測定時試料の歪方向が一定となるようになつてい
る。この装置では、定置されたX線管と、回折線
を走査すべく、試料を中心に円形アーチ状軌道に
沿つて移動する走査検知器とを用いている。この
特許の第7図に示されているように、回折計は、
試料の表面上で検知器の回転軸を通る軸芯を有す
る軸棒に連結したアームに装着されていて、試料
における格子の歪測定に当たつて所望の方向に持
つてこられるように、回折計全体が回転されるよ
うになつている。しかも、この装置では、二重走
査方式(combined scan)、即ち、X線源に対し
てある角度ωに亙つて検知器を回転させるととも
に、アームカウンターがX線源と検知器とを−
ω/2なる角度の亙つて回転させる方式を採用し
ている。これではX線源と検知器とが等角度に亙
り互いに反対方向に回転されることになつて、等
傾斜パターン(equi−inclination geometry)を
描いている。回転速度は2つあつて、互いに関係
づけておかねばならない。 更に、このような装置では、軸棒は試料の表面
のレベルよりも下方に延在しているから、限られ
た条件の下、即ち、アームの回転軸が試料の表面
と一致する条件で固定した試料についてのみしか
測定できない。 また、米国特許第4095103号に開示された比例
計数管式位置感応型検知器を用いた装置と、米国
特許第3934138号に開示された2基の検知器を用
いた装置も、先行技術としては特に見逃せない。
いずれも、X線源に対して固定した検知器を用い
た携帯型装置である。 米国特許第3934138号による装置では、2つの
比例計数管式位置感応型検知器が使われていて、
その特許の第3図に示されているように、共にX
線源と一体的に装着されている。そして、X線源
からのビームが試料における点Oに入射するが、
検知器はX線感光面が回折したX線ビームに対し
て接線方向に来るように配置されている。しか
も、X線源と検知器とは、回折平面に対して法線
をなし、試料上の点Oを通る軸芯を中心に回動す
るように装着されているから、試料における回折
方向と試料表面に対する法線Nとの間の角度Ψは
所望値に設定できる。2つの回折パターンは、単
一暴露法により同時に記録される。 この装置においては、前述したようにX線源と
検知器とは一体的に取り付けられているから、検
知器に対してX線源たるX線管を軸Oを中心に回
転させることはできない。 他方、米国特許第4095103号に開示されている
装置では、その特許の第3図に示されているよう
に、1本の比例計数管式位置感応型検知器が使わ
れていて、それもX線管と一体的に装着されてい
る。その検知器は、検知面の中心が、X線回折ビ
ームに対して直交するように配置されている。そ
して、X線管と検知器とは共に試料の表面上を中
心としてアーチ状の軌道に沿つて移動するように
なつているから、試料の法線に対する測定試料の
歪の方向の角度を変えることができる。応力は、
格子の歪を2回かそれ以上測定することにより、
即ち、二重暴露法を用いることにより測定され
る。X線管と検知器とは一体的に装着されている
から、前述と同様に検知器に対してX線管を回転
させることはできない。 いずれの装置においても、式(7)について説明し
たように、粒子配列が不規則であることから強度
変動を伴つた回折線が観察される欠点を有してい
る。 更に、米国特許第4095103号による装置には試
料の傾斜に伴う焦点ずれに対する対策がとられて
いないが、米国特許第3934138号による装置では、
その特許の第3図に示されているように、検知器
半径が両者とも等しく、X線源半径よりも小さい
ので、焦点ずれの影響を最小限に押さえることが
できるようになつている。粒子の配列が不規則な
試料の場合、焦点ずれが起こると歪の仮想変位が
起こるが、このことはいずれの装置においてもあ
り得ることである。 「Advances in X−ray Analysis、vol.22、
1979」誌の第225頁から第265頁にかけて掲載され
ているHerbert E、.Gobelによる論文「位置感
応型検知器を用いた高速XRPD(A New
Method for Fast XRPD Using a Position
Sensitive Detector)」においては、高速粉末回
折パターンを得るのに、試料を回転して測定を行
う標準的な回折計において位置感応型検知器で走
査を行う装置が提案されている。ここでは、各走
査ステツプでの回折線はマイクロコンピユータで
収集するまうになつており、ステツプ走査を行う
ことにより、回折角度に応じて各ステツプの強度
を加算していく。また、試料を回転させることに
より、歪の方向の範囲を検知器の位置と共に一定
となしているから、得られた回折線は、回折角度
が何度であつたとしても一定範囲の粒子配列を備
えたものとなつて、式(7)におけるTr′(2θ)と比
例した強度を有するスムーズな回折線が得られ
る。 (発明の要旨) 本発明は、多結晶性試料の表面の領域にX線ビ
ームを照射し、その領域における結晶格子面より
回折したX線を位置感応型検知器、好ましくは、
単一暴露法での走査の場合は2つの位置感応型検
知器で検出して、その試料における応力を測定す
る方法と装置とを提供するものである。この場
合、各検知器で検出したX線は、最終的には、回
折角度の関数として回折強度値の回折行列
(diffraction array)に変換される。後述の実施
例においては、この変換は2段階に亙つて行われ
るようになつている。即ち、先ず検知器において
検出したX線を、チヤンネル位置の関数として強
度値の予備行列に変換する。この予備行列はその
後コンピユータにおいて回折行列に変換し、その
回折行列において回折角度の関数として強度値を
記憶する。照射したビームは試料の領域を中心に
円弧を描きながらステツプ走査されて、回折行列
のシーケンスを生ずるようになつている。その
後、回折行列の強度値を各回折角度(2θ)ごとに
平均化する。これにより得られた強度の平均値は
ヒストグラムを構成することになり、このヒスト
グラムに基づいてコンピユータが、Kα1ピークと
かの回折線における所定の特性の2θ値を算出す
る。このようにして得た2つの値(2つの検知器
を同時に作動させて得るか、または、二重暴露法
の場合は1つの検知器から得られる)は、歪差を
求めるのに使われ、この歪差がわかれば応力を求
めることができる。 殊に、本発明においては、X線回折で多結晶性
試料の表面における歪を測定するのに用いる回折
線強度分布を得るに当たり、X線照射源からのX
線ビームが照射される試料を静止状態で保持する
一方で、前記X線照射源を移動させることで試料
に対してステツプ走査を行い、回折角度の関数と
して回折行列を構成する、検知器が検出したX線
ビームの強度値の平均値を検知器の仮想窓に入る
強度値に限定することにより、前記仮想窓の幅方
向の中心部が試料における選ばれた平均歪方向と
直交する試料の格子面より検出した回折ビームと
が一致するように、また、仮想窓の角幅
(angularwidth)が、前記選ばれた平均歪方向を
中心とする選ばれた方向範囲の2倍と等しくなる
ように、前記強度値の平均値を前記方向範囲にお
ける強度値に限定し、更には、小粒子が完全に任
意の配列をとる試料の回折線強度分布とほぼ等し
い回折線強度分布を得るために、各走査位置ごと
に前記回折行列に対して前記仮想窓を前記ステツ
プ走査の方向とは反対方向に変位させることを特
徴としている。このため、各走査位置ごと、回折
行列に対して窓を変位させている。このようにす
ると、小粒子が完全に任意の配列をとる試料の回
折線強度分布とほぼ等しい回折線強度分布を得る
ことができる。 本発明によれば、試料を固定したま測定走査を
行うことができるので、試料の寸法が大きくても
野外にて測定できる携帯測定装置を実現すること
ができる。更に、X線と検知器とを互いに反対方
向に等量だけ走査させる(或いは試料を回転させ
る)必要性があるなど従来例のように複雑化させ
ることなく、等傾斜構成(equi−inclination
geometry)を有する装置を提供し得る利点があ
る。これは、検知器の仮想走査に相当する窓の変
位により達成される。 試料を固定し、X線源を走査することについて
は第4A図と第4B図とに示してある。前述の選
ばれた平均歪方向Hrは、試料の法線PNに対して
Ψrなる角度をなしている。本発明による方法で
格子歪を測定するに当たつては、平均歪方向を中
心とする選ばれた格子歪の範囲は、H+mからH
−m(第4A図)にかけて延在するようにし、そ
の際、平均歪方向Hrからは+γm−と−γmのそ
れぞれの角度をなして等距離に来るようにする。
方向Hrと、試料法線PNに対してΨsなる角度を
なす方向Hsとの間の角度γsは下式の通りである。 γs=Ψs−Ψγ ……(8A) 格子歪方向の範囲内にあるHsは、下記の関係
を有している。 |γs|≦|γm| ……(8B) 後述の分析法において得た回折線値は、「対象
区域」として知られ、仮想窓によつて定まるこの
方向範囲から関与したものに限られている。した
がつて、この窓の幅は4γmである。 第5A図において示すように走査0時、即ち、
走査開始時には、X線源FからのX線ビームが、
試料法線PNに対してΨrなる角度をなすHrに沿
う法線を有する平面PBrに平行な平面から回折さ
れ、そのように回折したビームは、第4B図に示
すように2θoなる角度だけ回折してXoにおいて検
知器Dに検出される。 F′へとωなる角度に亙つてX線を走査させる
と、Hrに対してγなる角度をなす回折法線Hを
有する平面PBに対して平行な平面より回折した
ビームは、Xoに対してαなる角度をなすXにて
検知器に検出される。 検知器が位置Xにあると、回折角度2θは下記の
式で表される。 2θ=2θo+2ω+α ……(9A) Hrに対してγなる角度をなす回折方向Hでは、 2θ=2θo−2ω+2γ ……(9B) これらの式より、変位角度γは下式で表され
る。 γ=(ω+α)/2 ……(9C) そこでX線源を第4B図においFで示した位置
からF′で示した位置へと角度−ωに亙つ走査させ
た場合、第5B図に示した状況が得られる。即
ち、第5B図の状況においはて、変位角度γが0
となるように平均歪方向Hrを定めるには、検知
器を第4B図でXoで示した位置から+ωだけ隔
てた位置Xrへ位置決めする必要がある。即ち、 2θr=2θo+2ω ……(9D) 対象区域は検知器においてX−mからX+mに
かけて広がり、これは角度−2γmから角度+2γm
までに相当する。 ステツプ走査を行うに当たつては、走査ステツ
プΔωは、整数番のチヤンネルが2θだけ変位する
ようにするため、角チヤンネル幅(angular
channel width)Δαの倍数として選ぶのがよい。
2θの値を一定として各ステツプΔθごとに走査す
れば、2θに対応する検知器の位置は、Δωなる角
度に亙つてXからX′へと移動する。同時に、検
知器における対象区域の中心も−Δωなる角度だ
けXrからXr′へと移動するので、この対象区域を
横切る2θの所定値の相対変位置は2Δωとなる。 2θの値が与えられると、回折方向Hが対象区域
にあつて、この区域の平均強度Ts(2θ)が計算さ
れるときに強度が含まれることになる。これは式
(7)で表されるように、小粒子が完全に任意の配列
をとる試料における値Tr′(2θ)に関係している。
窓に含まれる値がnであれば、平均強度Ts(2θ)
は下式で表される。 Ts(2θ)=W・Tr′(2θ) ……(10A) W=(1/n)H+n 〓H-m w(Hs) ……(10B) 但し、Hsは、今説明している2θの値の場合での
Hの方向を意味する。 等間隔2Δωおきに2θ値ごとだと、各2θ値ごと
同一試料方向が係わり、Wは回折線において一定
となる。ステツプΔωがチヤンネル幅Δαよりも大
きければ、1つのステツプにおける2θ値は、増分
(Δγ=Δα/2)だけ回転させられ、それぞれが
間隔2Δωを有する別の2θのシーケンスに属する
別々の試料方向から生ずることになる。Δωが小
さいと回転が起こるものと考えられ、その場合、
Wの加算はほぼ不変である。 (実施例) 以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施
例を詳述する。第6図において、小型X線管Fは
湾曲した摺動体2に装着されていて、ベベルギヤ
(図示せず)を介してスロシン(slosyn)ステツ
ピングモーターに連結した、スクリユーと割ナツ
トとからなる従来公知の駆動装置3に駆動され
て、測定点Pを中心とするアーチ状軌道に沿つて
移動する。このX線管取付け装置と駆動装置とを
含む照射機構11は、フレーム10に固定されて
いる。D1とD2とは共に、比例計数管式位置感
応型検知器(proportional counter position
sensitive detector)であつて、各検知器はフレ
ーム10の両側において半径方向に微動調節でき
るように、マイクロメーター駆動式摺動体8,9
に装着されている。また、検知器は、測定点Pを
中心とするアーチ状のトラツク12a,12bに
それぞれ装架されてフレーム10に沿つて移動し
得ると共に、検知器間の角度、即ち、方向R1と
R2とがなす角度を単一暴露法の操作上必要な値
に設定できる。即ち、(2π−4θm)の角度に設定
できるようになつている。 機構11には4本のネジ溝付きポスト13が装
着されており、これらのポスト13は駆動機構1
4へと延在しているから、回転軸Pを試料の表面
上に設定すべく照射機構11をX線管の軸芯PF
に沿つて移動させることができる。このように照
射機構11を軸芯PFに沿つて移動させるように
した駆動機構14は、回転マウント16の回転デ
イスク15に、応力測定方向に装置の平面を合わ
せるべく、試料の表面に対する法線を中心に装置
を回転させることができるように取り付けられて
いる。回転マウントの軸15′は、試料の表面に
対する法線PNと一致するように設定されてい
る。2つの並進機構17,18には、回転マウン
ト16があつて、装置を試料表面と平行にX方向
とY方向に移動させることができるようになつて
いる。殊に、並進機構18、第7図に示したよう
な支持棒19とかの適当な取付け台に取り付けら
れている。 第7図に示した限りにおいては、X線管Fがパ
イプライン21の溶接部20の一部に指向されて
いるところを示す。分析器22、コンピユータ2
3、それに電源(図示せず)などは、測定地に駐
車させた車両25に搭載させておいてもよい。コ
ンピユータ23としては、デイスク記憶装置とプ
リンターとを備えたものがよく、そうすれば、応
力測定経過を刻時データとして取つておくことが
できる。それに、コンピユータにな、リアルタイ
ムにて応力測定の制御出力を、得られる回折線の
グラフと共に出力するためのビデオ端子が備わつ
ている。 単一暴露モードで操作するには、(π−2θm)
なる角度で互いに傾斜した方向において試料の格
子歪を測定すべく2つの検知器D1,D2を利用
する。その最、2つの方向の内、いずれか一方の
方向は、試料表面の法線に沿う方向とするのが普
通である。そして、各検知器半径Rd1、Rd2とし
ては焦点距離、即ち、X線源半径をRfとすると、
下式で求められる焦点距離に合わせておく。 Rd1=Rfsin(θm−Ψ1)/sin(θm+Ψ1) ……(11A) Rd1=Rfsin(θm−Ψ2)/sin(θm+Ψ2) ……(11B) 前述したように、走査は、試料の被照射領域を
中心としてX線源をステツプごと回転させる形で
行うとし、その際の各ステツプごとの回転角度
ΔωはnΔαに等しい。試料の個々の粒子からの回
折ビームは、各ステツプ走査につき2チヤンネル
ずつ進むから、各粒子は2θの範囲に入る走査ステ
ツプとたどることになる。 平均化作用は、第8図にて概略的に示したよう
な形でコンピユータにおいて行われる。尚、第8
図は、検知器チヤンネルの一部(91〜107まで、
任意に選んだチヤンネル)のみを適宜上示したも
のである。実際としては、各検知器には約500チ
ヤンネル位あり、そのうち250チヤンネルで全て
の回折線をカバーすると共に、このチヤンネル数
と同じ回数のステツプに亙つてX線源Fがステツ
プ走査を行うようになつている。しかし、第5A
図と第5B図とに示した対象区域であつて、以
後、分析上仮想窓と称する対象区域はほぼ小さな
グループ、例えば100チヤンネル幅である。この
仮想窓は、第8図では矩形部Gを以て示してある
が、本発明の説明においては便宜上13チヤンネル
幅W8だけ有するものとして示してある。走査ス
テツプ0では窓はチヤンネル94で始まつて、チヤ
ンネル106で終わつているが、その中心はチヤン
ネル100となつている。この窓Gにおいて、検知
器の各チヤンネルごと記録され、各走査位置ごと
コンピユータのメモリーに転送される任意の個別
的な強度値が示されている。各走査ステツプご
と、窓Gは、走査が順方向に行われるのであれば
第8図の左方向へnチヤンネル(第8図では1チ
ヤンネル)だけ移動するので、走査+1の時にな
ると窓はチヤンネル93からチヤンネル105までの
範囲となり、チヤンネル106は外される。 或る走査位置においては、各チヤンネルは2θの
値に対応し、走査ステツプが変わる都度、この2θ
の値は隣接するチヤンネル、例えば順方向走査ス
テツプの場合は高次チヤンネルへと移動する。そ
れ故、各走査ステツプごと、2θの値は、本実施例
においては各ステツプごと2チヤンネルの相対速
度で窓Gに沿つて移動することになる。各走査ス
テツプ時に2θの値に対して記録された強度値は、
窓Gの範囲に入つている限り加算され、その結果
として得た和は、2θの値について得た平均強度値
を求めるのに加算した値で割る。 この点をもう少し説明すれば、第8図において
二重円で囲つた数値は、平均化した2θの値Q1に
おける強度であつて、これが7つ示されていると
共に、求めた平均値は位置2θoに対応する。単な
る円で囲つた値Q1′は、2θの値が同一であり、
かつ、Q1の値を通る斜線上に来ているものの、
窓Gの外側にあるから、ここでは含まれていな
い。 同時に、強度値Q2(二重逆三角形で囲つた
値)の平均値がコンピユータにより計算される。
この強度値Q2も7つあつて、平均強度値を求め
ると(2θ+2Δα)に対応する別の平均値が出力さ
れる。 同様に、正三角形で囲つた値Q3は、(2θ−
2Δα)に対する別の7つの強度値を意味する。
(2θo+2Δα)と(2、θo−Δα)の中間値に対す
る合計は図示していないが、それも実際にあつて
同様に平均化される。この場合、窓Gには、各2θ
値ごとに6つのその強度値がある。 前述の予備行列は、所定の走査位置、即ち、第
8図の水平行ごとのチヤンネル位置に対する強度
値のシーケンスである。各ステツプごと、窓Gは
基準チヤンネル、例えばチヤンネル100に対して
第1増分(実施例では1チヤンネル)だけ移動し
ていく。 対応する回折行列は、第8図において平平行と
して延在するが、回折角度の関数として延在する
同一シーケンスの強度値である。各走査ステツプ
ごと、基準回折角度値、例えばQ1で表され、第
8図において左側上方から右側下方へ斜線上にく
る回折角度は、窓のそれより反対方向へと基準チ
ヤンネルに対して移動するので、基準回折角度に
対する変位量は、本実施例では前記第1増分の2
倍に相当する第2増分となる。 そこで、窓Gの中心Q(正方形で示したもの)
から測定して、2θの所定値ごとの強度値の移動量
は2チヤンネルであるのは明きらかである。 各走査ごと、コンピユータは各検知器における
各チヤンネルの強度値を検査して、式(9A)に
基づいて回折角度2θを、また、式(9C)に基づ
いて変位量γを算出する。 この算出したγ値より、コンピユータは式
(8B)に基づいて、強度値が窓Gの範囲内にある
かどうかを判定する。範囲外と判定されると、こ
の値は無視される。しかし、範囲内にある強度値
は、各2θごと平均化される。 この平均値はコンピユータより各検知器ごと
別々に出力される。 各検知器につき、この演算結果より、2θ値に対
してプロツトした平均強度値のヒストグラムが得
られ、それよりコンピユータがKα1ピークない
し、公知の解析法に従つてこのヒストグラムの所
定の特性の2θ値を計算することができる。この点
については、1977年にPlenum Press社より出版
された「Advances in X−ray Analysis」誌の
第283頁に掲載されているD.Kirk等による論文
「Location of Diffractometer Profile in X−
ray Stress Analysis(X線応力分析における回折
計プロフイールの定め方」)を参照されたし。 これらの特性値(θ1cとθ2c)を式(4)に代入して
下式をとくと、歪差(ε1−ε2)が得られる。 ε1−ε2=(θ2c−θ1c) ×cot{(θ1c+θ2c)/2} ……(12) (ε1−ε2)の値が既知数となると、表面応力成
分σn(所望値)は式(1)に従うことになる。 走査のバラメーターの選び方によつては、応力
測定の正確さと速度とが影響を受けることがあ
る。 走査幅Wsと称する位置感応型検知器で走査さ
れる区域の幅は好ましくは、回折線の幅と歪の予
測される最大変位量の和として選ぶのがよい。回
折線幅は波長分布、機器の拡張分布、それに、格
子変形分布の関数である。これらがほぼガウス分
布であれば、それにともなう回折線幅Wrは下式
より求めることができる。 Wr=(Wa2+Wi2+Wd2)1/2 ……(13) 但し、Waは、波長分布の最大強度の半値での
幅、Wiは、器機の拡張分布の幅、Wdは、格子歪
分布の幅をあらわす。 Kαダブレツト(Kα doublet)の場合、2つの
成分分布Wα1とWα2とは、成分のピーク変位量
W12により分けられる。 このKαダブレツトに対する全走査幅Wsは、
Wxを最大歪変位量とすると、下式で表わされ
る。 Ws=Wr+W12+Wx ……(14) Kαダブレツトを解消し、1つの成分Kα1のみ
を使えば、Ws=Wr+Wxとなる。 例えば線の図心とかの別の特性を選ぶ場合、走
査幅Wsには全てのKαダブレツトが入つてなけれ
ばならない。 窓幅Wgで、試料の選ばれた方向での格子歪の
分解度(degree of resolution)と、デーア集収
速度とが定まる。求める回折線に係わる試料にお
ける回折方向の角広がり(angular spread)
2γmは、角窓幅(angular window width)の半
分である。窓幅の限定的な有効値は、それが隣接
する歪方向間の分解限度(resolution limit)に
近づくと起る。この窓幅Wgは、照射するX線が
厳密に単色であれば回折分布Wmと等しく、これ
は器機の拡張分布と格子変形分布の結果である。
即ち、 Wm=(Wi2+Wd2)1/2 ……(15) 窓幅Wgが狭ければ狭い程、歪測定の精度が高
く、また、応力も正確に求めることができる。し
かし、窓幅Wgを余りにも小さくすると、操作速
度が影響を受ける。 データ収得速度は窓幅Wgにより制御されるこ
とになる。 2θが所定値にあると、速度率Sf、即ち、全強度
に対する走査時に得られる線の強度の比は下式の
通りである。 Sf=Wg/(Wg+Ws) ……(16) 窓幅Wgが走査幅Wsと等しいと、速度率Sfは
0.5であり、これは、窓幅を更に増大させると、
不適当な補償速度増加の割に分解度が減少するこ
とになることから、最大窓幅と考えることができ
る。 走査ステツプの大きさはΔωは、X線が厳密に
単色である場合回折分布の幅によつて限られる。
何故ならば、順次走査ステツプにより、分解度の
限度にある同一配列の所定群の回折粒子ごと互い
に隣接した分布が出るからである。この粒子群に
対する回折線における強度変動が起ることがあ
る。スムーズな回折線を保証するために、この幅
の一部分f1(例えば1/3か1/4)を用いることがで
きる。 仮想窓を用いるに当つては、窓を横切る強度分
布に均一な重み付けを想定した。測定した強度を
窓におけるそれらの位置で測ることにより、例え
ば、試料の平均歪方向に近い回折方向により大き
い重みを与えることにより利点を得ることも可能
である。 結果として得られる回折線幅とKαダブレツト
幅の一例としての数値を表1に示しておく。
【表】
【表】
【表】
☆☆:歪分解
限度
☆☆☆:f1=1
/4と仮定
走査幅Ws、窓幅Wg、走査ステツプΔωの対応
する値を分解Kα1成分については表2Aに、また、
Kα1、α2ダブレツトについては表2Bにそれぞれ
示す。 歪に関する単位での上記数値は、検知器の角幅
(angular width)に対応する角度Δ2θ、または、
チヤンネルNc(整数に切捨て)に下記の如く変換
できる。 Δ2θ=2εtanθ ……(17A) Nc=Δ2θ×Cd ……(17B) 但し、εは上記表における歪値、Cdは1度ご
とのチヤンネル数をあらわす定数、θは選んだ反
射に対する回折角度をあらわす。 フエライト質鉄の試料にクロームKα照射を行
なうと、θの値は約78°である。この値を式
(7A)に入れると、Wgの最少値(ε=530×
10-6)と最大値(ε=4830×1010-6)とでは、
Δ2θはそれぞれ0.29°と2.60°とになる。式(17B)
においては、Cdを100と仮定すれば、Ncについ
ての対応する数値は29と260とになる。 他方、オーステナイト質スチールの試料にクロ
ームKβ1、3照射を行なうとθは74.2°と出る。
Kβ線幅は(882×10-6)であり、これらの数値を
式(17A)に入れると、Wgの最少値(ε=530×
10-6)と最大値(ε=2462×10-6)とでは、Δ2θ
はそれぞれ0.22°と0.997°となる。式(17B)でCd
を100と仮定した場合、Ncについて対応する数値
は22チヤンネルと100チヤンネルとなる。この例
におい最大窓幅が減少しているのは、クローム
Kαダブレツトに比べてクロームKβ1、3ダブレ
ツトの幅が小さいからである。 別の方法 X線源が走査され、2つの検知器を用いている
本発明による装置では、別の方法にて応力測定を
行なうことも可能である。即ち、単一暴露法では
前述のように検知器間の角度を(2π−4θm)とす
るものとして説明したが、これをもつと大きい角
度に増加させて測定を行なうことが可能である。
このためには、それぞれの検知器で回折線を順次
測定する。すると、二重暴露法の利点、即ち、検
知器間の角度を大きくすることができる利点を備
え、しかも、2回の歪測定に当つて装置の位置変
えを要するという二重暴露法の欠点を除いた方法
となる。この別の方法によれば、選ばれた反対の
逆反射角(π−2θm)が小さく、従つて、試料に
おける歪方向が互いに近接している場合での応力
測定をより正確にすることができる。検知器間の
角度を増大させれば、式(1)における(K1−K2)
を増大させることができ、また、測定歪差の大き
さを大きくすることができるから、表面応力成分
σnに生ずる誤差を極めて小さくすることができ
る。 目盛調整(Calibration) 検知器には、X線源走査により各チヤンネルご
と2θの値を定めるため、既知の格子間隔を有する
標準試料に合せて目盛付けしておいてもよい。標
準試料としては、歪がないものであれば、既知の
格子面間隔を有し、所定領域で回折線を生じるも
のなら何であつても良い。一般に、標準試料とし
ては、検査している応力のかかつている試料と同
一結晶構造を有するのであれば、その試料の基本
元素でできているのを選ぶ。例えば、応力のかか
つている試料がフエライト質スチールであれば、
標準試料としては鉄でもよい。標準試験の格子面
間隔は、応力のかかつている材質の歪のないサン
プルのそれと同一でなければならないことはな
い。 標準試料は、ブラツグの式(2)で既知の格子面間
隔dを波長ピーク値λmを用いると、ピークチヤ
ンネル時に回折角度2θmを出す。これは1チヤン
ネルの2θ値を求めるのに充分なものである。先
ず、マルチチヤンネルアナライザーまたはコンピ
ユータで検知器出力をチヤンネルに区分けする。
但し、検知器間チヤンネルの角変位量は未知、既
知角度にわたつてX線管を走査し、2回目に標準
試料のピークチヤンネルを測定することにより平
均チヤンネル幅を求めるのに、走査式X線管を標
準試料と共に使うことができる。基準チヤンネル
に対する2θの値と平均チヤンネル幅がわかつてい
ると、各チヤンネルの2θ値を求めることができ
る。 変形例 第6図に示した本発明の実施例では、X線源F
が試料に対して走査され、また、検知器はX線源
に対して固定してあるものであつた。本発明にお
いてはX線源の走査は必須であるが、検知器は必
ずしも固定させる必要はない。従つて、検知器は
X線源に対して固定されているけれども、装置全
体としては試料に対して走査される構成が考えら
れる。 この場合、位置感動型検知器はオープン計数管
であるから、それを回転させると、検知器におい
て角度−ωにわたつてX線源走査が行なわれるこ
とから、パターンがずれる。 すると検知器の式(9A)は下記の通りとなる。 2θ=2θo+α ……(18A) 回折角度に対する試料の回折方向の関係をあら
わす式(9B)は変らない。そこで、式(9B)と
式(18A)とを組合せると、下式が得られる。 γ=α/2+ω 基準回折角度2θoは、回転角度がどうあろうと
も常にXoにとどまる。検知器における歪方向Hr
の位置Xrは、Xoに対して−2ωなる角度にある。
従つて検知器が固定されている前述の実施例に比
べて、変位量Xrは2倍もあり、また、有効な検
知器の範囲は1/2である。 2θの所定値に対する検知器位置Xは走査時は一
定であるが、回折方向が変化する。従つて、ωの
範囲にわたつて装置を往復動させると、各2θ値ご
と強度が自動的に加算されることになる。それに
よる回折線は増大した試料回折量を有するように
なるが、試料方向の範囲は各2θ値ごと異つてく
る。Hrを中心に限られた等距離の範囲にわつて
回折を得るための走査は、前述した実施例におけ
るのと同一分析において行なうことができる。 この結果を第8図に関連して図式的にながめて
みると、所定の2θ値に対する強度値は垂直線に来
る。即ち、同一チヤンネルにとどまつたままであ
る。窓Gは、第8図に示したものよりは2倍も早
い速度、即ち、1走査につき2チヤンネルの割合
で左側へと移動する。また、基準回折角度に対す
る窓の移動の第2増分は、基準チヤンネル位置に
対する窓の移動の第1増分と等しい。
限度
☆☆☆:f1=1
/4と仮定
走査幅Ws、窓幅Wg、走査ステツプΔωの対応
する値を分解Kα1成分については表2Aに、また、
Kα1、α2ダブレツトについては表2Bにそれぞれ
示す。 歪に関する単位での上記数値は、検知器の角幅
(angular width)に対応する角度Δ2θ、または、
チヤンネルNc(整数に切捨て)に下記の如く変換
できる。 Δ2θ=2εtanθ ……(17A) Nc=Δ2θ×Cd ……(17B) 但し、εは上記表における歪値、Cdは1度ご
とのチヤンネル数をあらわす定数、θは選んだ反
射に対する回折角度をあらわす。 フエライト質鉄の試料にクロームKα照射を行
なうと、θの値は約78°である。この値を式
(7A)に入れると、Wgの最少値(ε=530×
10-6)と最大値(ε=4830×1010-6)とでは、
Δ2θはそれぞれ0.29°と2.60°とになる。式(17B)
においては、Cdを100と仮定すれば、Ncについ
ての対応する数値は29と260とになる。 他方、オーステナイト質スチールの試料にクロ
ームKβ1、3照射を行なうとθは74.2°と出る。
Kβ線幅は(882×10-6)であり、これらの数値を
式(17A)に入れると、Wgの最少値(ε=530×
10-6)と最大値(ε=2462×10-6)とでは、Δ2θ
はそれぞれ0.22°と0.997°となる。式(17B)でCd
を100と仮定した場合、Ncについて対応する数値
は22チヤンネルと100チヤンネルとなる。この例
におい最大窓幅が減少しているのは、クローム
Kαダブレツトに比べてクロームKβ1、3ダブレ
ツトの幅が小さいからである。 別の方法 X線源が走査され、2つの検知器を用いている
本発明による装置では、別の方法にて応力測定を
行なうことも可能である。即ち、単一暴露法では
前述のように検知器間の角度を(2π−4θm)とす
るものとして説明したが、これをもつと大きい角
度に増加させて測定を行なうことが可能である。
このためには、それぞれの検知器で回折線を順次
測定する。すると、二重暴露法の利点、即ち、検
知器間の角度を大きくすることができる利点を備
え、しかも、2回の歪測定に当つて装置の位置変
えを要するという二重暴露法の欠点を除いた方法
となる。この別の方法によれば、選ばれた反対の
逆反射角(π−2θm)が小さく、従つて、試料に
おける歪方向が互いに近接している場合での応力
測定をより正確にすることができる。検知器間の
角度を増大させれば、式(1)における(K1−K2)
を増大させることができ、また、測定歪差の大き
さを大きくすることができるから、表面応力成分
σnに生ずる誤差を極めて小さくすることができ
る。 目盛調整(Calibration) 検知器には、X線源走査により各チヤンネルご
と2θの値を定めるため、既知の格子間隔を有する
標準試料に合せて目盛付けしておいてもよい。標
準試料としては、歪がないものであれば、既知の
格子面間隔を有し、所定領域で回折線を生じるも
のなら何であつても良い。一般に、標準試料とし
ては、検査している応力のかかつている試料と同
一結晶構造を有するのであれば、その試料の基本
元素でできているのを選ぶ。例えば、応力のかか
つている試料がフエライト質スチールであれば、
標準試料としては鉄でもよい。標準試験の格子面
間隔は、応力のかかつている材質の歪のないサン
プルのそれと同一でなければならないことはな
い。 標準試料は、ブラツグの式(2)で既知の格子面間
隔dを波長ピーク値λmを用いると、ピークチヤ
ンネル時に回折角度2θmを出す。これは1チヤン
ネルの2θ値を求めるのに充分なものである。先
ず、マルチチヤンネルアナライザーまたはコンピ
ユータで検知器出力をチヤンネルに区分けする。
但し、検知器間チヤンネルの角変位量は未知、既
知角度にわたつてX線管を走査し、2回目に標準
試料のピークチヤンネルを測定することにより平
均チヤンネル幅を求めるのに、走査式X線管を標
準試料と共に使うことができる。基準チヤンネル
に対する2θの値と平均チヤンネル幅がわかつてい
ると、各チヤンネルの2θ値を求めることができ
る。 変形例 第6図に示した本発明の実施例では、X線源F
が試料に対して走査され、また、検知器はX線源
に対して固定してあるものであつた。本発明にお
いてはX線源の走査は必須であるが、検知器は必
ずしも固定させる必要はない。従つて、検知器は
X線源に対して固定されているけれども、装置全
体としては試料に対して走査される構成が考えら
れる。 この場合、位置感動型検知器はオープン計数管
であるから、それを回転させると、検知器におい
て角度−ωにわたつてX線源走査が行なわれるこ
とから、パターンがずれる。 すると検知器の式(9A)は下記の通りとなる。 2θ=2θo+α ……(18A) 回折角度に対する試料の回折方向の関係をあら
わす式(9B)は変らない。そこで、式(9B)と
式(18A)とを組合せると、下式が得られる。 γ=α/2+ω 基準回折角度2θoは、回転角度がどうあろうと
も常にXoにとどまる。検知器における歪方向Hr
の位置Xrは、Xoに対して−2ωなる角度にある。
従つて検知器が固定されている前述の実施例に比
べて、変位量Xrは2倍もあり、また、有効な検
知器の範囲は1/2である。 2θの所定値に対する検知器位置Xは走査時は一
定であるが、回折方向が変化する。従つて、ωの
範囲にわたつて装置を往復動させると、各2θ値ご
と強度が自動的に加算されることになる。それに
よる回折線は増大した試料回折量を有するように
なるが、試料方向の範囲は各2θ値ごと異つてく
る。Hrを中心に限られた等距離の範囲にわつて
回折を得るための走査は、前述した実施例におけ
るのと同一分析において行なうことができる。 この結果を第8図に関連して図式的にながめて
みると、所定の2θ値に対する強度値は垂直線に来
る。即ち、同一チヤンネルにとどまつたままであ
る。窓Gは、第8図に示したものよりは2倍も早
い速度、即ち、1走査につき2チヤンネルの割合
で左側へと移動する。また、基準回折角度に対す
る窓の移動の第2増分は、基準チヤンネル位置に
対する窓の移動の第1増分と等しい。
第1A図、第1B図、第2A図及び第2B図
は、X線回折計の原理を説明するための測定状況
を示す図であり、第3A図から第3D図までは、
波長と回折角度についてプロツトした強度表であ
り、第4A図と第4B図とは、第1A図から第2
B図にかけて示したのと類似の図ではあるが、本
発明による測定状況を示す説明図、第5A図と第
5B図とは本発明による測定を示す強度表、第6
図は本発明の一実施例による装置の概略平面図、
第7図は、第6図の装置を野外測定に用いている
ところを示す斜視図、第8図は、本発明で用いる
分析法を示す図である。 D1,D2……検知器、10……フレーム、2
2……分析器、23……コンピユータ。
は、X線回折計の原理を説明するための測定状況
を示す図であり、第3A図から第3D図までは、
波長と回折角度についてプロツトした強度表であ
り、第4A図と第4B図とは、第1A図から第2
B図にかけて示したのと類似の図ではあるが、本
発明による測定状況を示す説明図、第5A図と第
5B図とは本発明による測定を示す強度表、第6
図は本発明の一実施例による装置の概略平面図、
第7図は、第6図の装置を野外測定に用いている
ところを示す斜視図、第8図は、本発明で用いる
分析法を示す図である。 D1,D2……検知器、10……フレーム、2
2……分析器、23……コンピユータ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 X線回折で多結晶性試料の表面における歪を
測定するのに用いる回折線強度分布を得る方法に
して、(a)前記表面にX線照射源からX線ビームを
投射し、(b)位置感応型検知器で前記表面における
結晶格子面より回折されたX線ビームを検出し、
(c)前記検知器で検出したX線ビームを、回折角度
の関数として強度値の回折行列に変換し、(d)前記
行列のシーケンスを得るべく、前記表面を中心と
して斜め方向より投射したX線ビームをステツプ
走査し、(e)各回折角度ごと前記行列の強度値を平
均化することからなる方法において、(f)前記試料
を静止状態で保持する一方で、前記X線照射源を
移動させることで前記ステツプ走査を行い、 (g)平均化した強度値を検知器の仮想窓に入る強
度値に限定することにより、前記仮想窓の幅方向
の中心部が試料における選ばれた平均歪方向と直
交する試料の格子面より検出した回折ビームとが
一致するように、また、仮想窓の角幅が、前記平
均歪方向を中心とする選ばれた方向範囲の2倍と
等しくなるように、前記平均化した強度値を前記
方向範囲における歪に対応する強度値に限定し、
(h)小粒子が完全に任意の配列をとる試料の回折線
強度分布とほぼ等しい回折線強度分布を得るため
に、各走査位置ごとに前記回折行列に対して前記
仮想窓を前記ステツプ走査の方向とは反対方向に
変位させることを特徴とする方法。 2 特許請求の範囲第1項記載のものであつて、
前記平均歪方向にある第1歪の手掛りとして、前
記工程(h)で得られた回折線強度分布の所定特性値
の位置に対応する回折角度を前記回折線強度分布
より求めることを特徴とする方法。 3 特許請求の範囲第2項記載のものであつて、
前記変換する工程(c)が、(i)検出したX線ビーム
を、検知器におけるチヤンネル位置の関数として
の強度値の予備行列に変換し、その後、(j)その予
備行列を前記回折行列に変換することよりなるこ
とを特徴とする方法。 4 特許請求の範囲第3項記載のものであつて、
前記仮想窓は各走査位置ごと、基準チヤンネル位
置に対しては第1増分だけ、また、回折行列にお
ける基準回折角度値に対しては第2増分だけ変位
させられることを特徴とする方法。 5 特許請求の範囲第4項記載のものであつて、
(k)試料に対して検知器を固定したままにし、(l)前
記第2増分を前記第1増分の2倍に等しくするこ
とを特徴とする方法。 6 特許請求の範囲第4項記載のものであつて、
(k)投射したX線ビームに対して検知器を固定した
ままにし、(l)前記第1および第2増分を互いに等
しくすることを特徴とする方法。 7 特許請求の範囲第1項または第2項記載のも
のであつて、前記投射したX線ビームが、分解
Kα1結果(resolved Kα1 resultant)の幅と回折
線の最大予想歪変位の幅の和に少なくとも等しい
幅にわたつて走査されることを特徴とする方法。 8 特許請求の範囲第1項または第2項記載のに
記載のものであつて、前記投射したX線ビーム
が、得られるKα1、α2ダブレツトの幅と回折線
の最大予想歪変位の幅の和と少なくとも等しい幅
にわたつて走査されることを特徴とする方法。 9 特許請求の範囲第7項または第8項記載のも
のであつて、仮想窓の幅が、投射したX線ビーム
が走査される幅とほぼ等しい上限値と、機器拡張
分布と格子変形分布の合成幅とほぼ等しい下限値
との間の範囲にあることを特徴とする方法。 10 特許請求の範囲第2項記載のものであつ
て、 (m)前記検出する工程(b)と同時に、前記検知器と
は投射X線ビームを中心に反対側に配置された第
2位置感応型検知器で、前記表面における第2結
晶格子面より回折されたX線ビームを検出し、 (n)前記第2検知器で検出したX線ビームを、回
折角度の関数として強度値の第2回折行列に変換
する一方、前記ステツプ走査で前記別の回折行列
の第2シーケンスを得、 (o)各回折角度ごと前記第2回折行列の強度値を
平均化するとともに、平均化した強度値を検知器
の第2仮想窓に入る強度値に限定することによ
り、前記第2仮想窓の幅方向の中心部が試料にお
ける選ばれた第2平均歪方向と直交する試料の格
子面より検出した回折ビームとが一致するよう
に、また、前記第2仮想窓の角幅が、前記第2平
均歪方向を中心とする選ばれた第2方向範囲の2
倍と等しくなるように、前記平均化した強度値を
前記第2方向範囲における歪に対応する強度値に
限定し、而して、小粒子が完全に任意の配列をと
る試料の回折線強度分布とほぼ等しい第2回折線
強度分布を得るために、各走査位置ごとに前記第
2回折行列に対して前記第2仮想窓を前記ステツ
プ走査の方向とは反対方向に変位させる、 (p)前記第2平均歪方向にある第2歪の手掛りと
して、前記第2回折線強度分布の所定特性値の位
置に対応する回折角度を前記第2回折線強度分布
より求め、 (q)前記第1および第2歪とから試料における正
常応力成分を算出することよりなるのを特徴とす
る方法。 11 特許請求の範囲第2項記載のものであつ
て、 (m)前記検出する工程(b)の後に、前記第2平均歪
方向に対応する別の位置へ前記検知器を移動させ
て、前記表面における第2結晶格子面より回折し
たX線ビームを前記別の位置にある前記検知器で
検出し、 (n)前記別の位置において前記検知器で検出した
X線ビームを、回折角度の関数として強度値の第
2回折行列に変換し、 (o)前記第2回折行列の第2シーケンスを得るべ
く、前記表面に対して投射X線ビームをステツプ
走査し、 (p)各回折角度ごと前記第2回折行列の強度値を
平均化するとともに、平均化した強度値を前記検
知器の第2仮想窓に入る強度値に限定することに
より、試料の選ばれた第2平均歪方向と直交する
試料の格子面より検出した回折ビームと第2仮想
窓の幅方向の中心部とが一致するように、また、
第2仮想窓の角幅が前記第2平均歪方向を中心と
する選ばれた第2方向範囲の2倍と等しくなるよ
うに、前記平均化した強度値を前記第2方向範囲
において歪をあらわすものに限定し、小粒子が完
全に任意の配列をとる試料の回折線強度分布とほ
ぼ等しい第2回折線強度分布を得るために、各走
査位置ごとに前記第2回折行列に対して前記第2
仮想窓を変位させ、 (q)前記第2平均歪方向にある第2歪の手掛りと
して得られた第2回折線強度分布の所定特性値の
位置に対応する回折角度を前記第2回折線強度分
布より求め、 (r)前記第1および第2歪とから試料における正
常応力成分を算出することよりなるのを特徴とす
る方法。 12 特許請求の範囲第2項記載のものであつ
て、 (m)投射X線ビームを中心として前記検知器とは
反対側に第2位置感応型検知器を設け、その際、
試料表面における両検知器間の角度を、当該試料
表面上における投射X線ビームと前記検知器へと
回折したX線ビームとの間の逆反射角度の2倍よ
り大きくなるようにし、 (n)前記第2検知器で検出したX線ビームを、回
折角度の関数として強度の第2回折行列に変換
し、 (o)ステツプ走査工程(d)の後に前記第2回折行列
の第2シーケンスを得るべく、前記表面を中心に
斜め方向から投射X線ビームをステツプ走査し、 (p)各回折角度ごと前記第2回折行列の強度値を
平均化するとともに、平均化した強度値を検知器
の第2仮想窓に入る強度値に限定することによ
り、試料の選ばれた第2平均歪方向と直交する試
料の格子面より検出した回折ビームと第2仮想窓
の幅方向の中心部とが一致するように、また、第
2仮想窓の角幅が前記第2平均歪方向を中心とす
る選ばれた第2方向範囲の2倍と等しくなるよう
に、前記平均化した強度値を前記第2方向範囲に
おいて歪をあらわすものに限定し、小粒子が完全
に任意の配列をとる試料の回折線強度分布とほぼ
等しい第2回折線強度分布を得るために、各走査
位置ごとに前記第2回折行列に対して前記第2仮
想窓を変位させ、 (q)前記第2平均歪方向にある第2歪の手掛りと
して得られた第2回折線強度分布の所定特性値の
位置に対応する回折角度を前記第2回折線強度分
布より求め、 (r)前記第1および第2歪とから試料における正
常応力成分を算出することよりなるのを特徴とす
る方法。 13 定置された多結晶性試料の任意の表面領域
における歪を測定するのに使う回折線強度分布を
得るためのものであつて、(a)小さな前記領域に照
準を合せてX線ビームを照射するX線源と、(b)位
置感応型検知器と、(c)定置されている試料に対し
て所定位置にその装着手段を設定して試料を前記
X線ビームで照射すると、その試料の前記領域に
おける結晶格子面により回折されたX線ビームが
検知器に検出されるように、前記X線源と前記検
知器とを支持する装着手段と、(d)検知器で検出し
たX線ビームを、回折角度の関数として強度値の
回折行列に変換する手段と、(e)前記装着手段に設
けられていて、前記変換手段で前記行列のシーケ
ンスが得られるように試料に対してX線源をステ
ツプ走査する手段と、(f)前記回折角度のそれぞれ
につき前記行列の強度値を平均化する手段とから
なるX線回折装置において、 (g)平均化した強度値を検知器の仮想窓に入る強
度値に限定することにより、試料の選ばれた平均
歪方向と直交する試料における格子面より検出し
た回折ビームと前記仮想窓の幅方向の中心部とが
一致するように、また、前記仮想窓の角幅が前記
平均歪方向を中心とする選ばれた方向範囲の2倍
と等しくなるように、前記平均化した強度値を前
記方向範囲において歪をあらわすものに限定する
手段を前記平均化手段に設け、 (h)小粒子が完全に任意の配列をとる試料の回折
線強度分布とほぼ等しい回折線強度分布を得るた
めに、各走査位置ごとに前記回折行列に対して前
記仮想窓を変位させる手段を設けたことよりなる
のを特徴とするX線回折装置。 14 特許請求の範囲第13項に記載のものであ
つて、前記平均歪方向にある第1歪の手掛りとし
て、得られた回折線強度分布の所定特性値の位置
に対応する回折角度を前記回折線強度分布より求
める手段を設けたことを特徴とする装置。 15 特許請求の範囲第15項に記載のものであ
つて、前記変換手段を、(i)検出したX線ビーム
を、検知器におけるチヤンネル位置の関数として
の強度値の予備行列に変換する手段と、(j)その予
備行列を前記回折行列に変換する手段とで構成し
たことを特徴とする装置。 16 特許請求の範囲第15項に記載のものであ
つて、前記仮想窓の変位手段は、各走査位置ご
と、基準チヤンネル位置に対しては第1増分だ
け、また、回折行列における基準回折角度に対し
ては第2増分だけ仮想窓を変位させるようになつ
ていることを特徴とする装置。 17 特許請求の範囲第16項に記載のものであ
つて、前記装着手段が、(k)前記検知器を装着手段
上の所定位置において試料に対して固定して支持
する手段を備えており、而して、(l)前記第2増分
を前記第1増分の2倍に等しくなるようにしたこ
とを特徴とする装置。 18 特許請求の範囲第16項に記載のものであ
つて、前記装着手段が、(k)前記X線源に検知器を
取付けてそれとともにステツプ走査を行なうよう
にした手段を備えており、而して、(l)前記第1お
よび第2増分を互いに等しくしたことを特徴とす
る装置。 19 特許請求の範囲第14項に記載のものであ
つて、 (m)第2位置感応型検知器を更に設け、 (n)前記装着手段が、前記領域における第2結晶
格子面より回折されたX線ビームを検出するため
に、投射X線ビームを中心に前記検知器とは反対
側に前記第2検知器を支持する手段を備えてお
り、 (o)前記変換手段が、前記ステツプ走査手段より
強度値の第2回折行列の第2シーケンスを得るた
め、前記第2検知器で検出したX線ビームを回折
角度の関数として前記第2回折行列に変換する手
段を備えており、また、 (p)前記平均化手段が、各回折角度ごと前記第2
回折行列の強度値を平均化するとともに、平均化
した強度値を検知器の第2仮想窓に入る強度値に
限定することにより、試料の選ばれた第2平均歪
方向と直交する試料の格子面より検出した回折ビ
ーム前記と第2仮想窓の幅方向の中心部とが一致
するように、また、第2仮想窓の角幅が前記第2
平均歪方向を中心とする選ばれた第2方向範囲の
2倍と等しくなるように、前記平均化した強度値
を前記第2方向範囲において歪をあらわすものに
限定する手段を備えており、少粒子が完全に任意
の配列をとる試料の回折線強度分布とほぼ等しい
第2回折線強度分布を得るために、各走査位置ご
とに前記第2回折行列に対して前記第2仮想窓を
変位させる手段を備えており、更に、 (q)前記第2平均歪方向にある第2歪の手掛りと
して、得られた第2回折線強度分布の所定特性値
の位置に対応する回折角度を前記第2回折線強度
分布より求める手段と、 (r)前記第1および第2歪とから試料における正
常応力成分を算出する手段とを設けたことを特徴
とする装置。 20 特許請求の範囲第14項に記載のものであ
つて、検知器がX線源に対して前記装着手段上の
異つた位置におかれて前記回折角度を求める手段
により測定された2つの歪から、試料における正
常応力成分を算出する手段を更に設けたことを特
徴とする装置。
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