JPH0555713A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JPH0555713A
JPH0555713A JP1898092A JP1898092A JPH0555713A JP H0555713 A JPH0555713 A JP H0555713A JP 1898092 A JP1898092 A JP 1898092A JP 1898092 A JP1898092 A JP 1898092A JP H0555713 A JPH0555713 A JP H0555713A
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勉 手塚
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哲雄 定政
Mitsuhiro Kushibe
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自然放出光の発振共振器モードに結合する割
合を十分に高めることができ、より高効率及び低しきい
値のマイクロ共振器レーザを実現することを目的とす
る。 【構成】 屈折率の大きな半導体膜と屈折率の小さな半
導体膜を交互に複数個積層した第1及び第2の分布ブラ
ッグ反射器20,40との間に、量子井戸活性層31か
らなるダブルヘテロ構造部が形成されたマイクロ共振器
レーザにおいて、ダブルヘテロ構造部に対し基板10と
反対側の分布ブラッグ反射器40を、ダブルヘテロ構造
部の発光領域上で該ダブルヘテロ構造部と反対側に凸状
に形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体発光素子に係わ
り、特に共振器の実効的な大きさを動作する光の波長程
度とした高効率の半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信や光情報処理用の光源とし
て、半導体レーザが広く用いられている。また、OEI
C(光・電子集積回路)やフォトニックICと呼ばれる
集積回路では、半導体レーザを他の受光素子と共にモノ
リシック集積する試みが行われている。さらに、並列演
算を目指して、半導体レーザのアレイ集積も研究されて
いる。このような集積回路では、半導体レーザの集積度
を増すために、レーザの低しきい値化が重要になってい
る。
【0003】ところで、共振器の大きさが動作する光
(電磁波)の波長程度の大きさであるようなマイクロ共
振器構造を用いて、半導体レーザの効率化,超低しきい
値化を行うことが研究されている。これは、自然放出光
を制御し、発光素子の特性向上を実現するものである。
以下に、自然放出光を制御するための原理を簡単に説明
する。
【0004】良く知られているように、光の放出過程に
は、誘導放出過程と自然放出過程との2つが存在する
(A.Einstein, Verhandlung der Deutsche Physicalisc
heGesellschaft, Bd. 18, 318(1916))。誘導放出は、
その場所での共鳴電磁波の強度に比例する確率であり、
吸収の逆過程である。これに対して自然放出は、入射電
磁波とは無関係に起こるとされている。レーザは誘導放
出過程を利用した光素子であり、発光ダイオードは自然
放出光を利用している。
【0005】ここで、自然放出確率は、光子(電磁波)
のモード密度(m(ν))と発光スペクトル線の形状
(g(ν))との積を電磁波の周波数(ν)で積分して
与えられる。前述の A.Einstein の議論では、真空の光
子モード密度を仮定している。従って、大きさが発光波
長程度の微小共振器の中に発光媒質がある場合には、光
子モード密度の変化により自然放出確率が変化する。
【0006】このような考えに基づいたレーザは、マイ
クロ共振器レーザと呼ばれる。半導体レーザを例にと
り、図22を参照してさらに説明を加える。図22にお
いて、左側は通常の半導体レーザ、右側はマイクロ共振
器レーザの特性である。
【0007】通常の半導体レーザにおいては、共振器長
をL,屈折率をn′とすれば、軸方向の各モードの波長
は、mを整数としてλm =2L/n′mで規定される。
ここで、一般にLは数百μmであるため、図22の(1
−a)に示すようにモード間隔は数オングストロームに
なる。
【0008】また、半導体における発光スペクトル線幅
は、図22の(1−b)に示すように数10nmである
ために、自然放出光は波長軸上で図22の(1−c)に
示すようになる。即ち、発振しきい値以下の電流では、
注入したキャリアは、発光スペクトル線幅内の各波長で
光再結合し、自然放出確率は共振器がない場合と変わら
ない。注入電流をさらに増やすと、図22の(1−d)
に示すように波長λL で発振し、図22の(1−e)に
示すようなしきい特性を持つ光出力−電流曲線となる。
【0009】いま、共振器長Lとして、スペクトル線の
ピーク波長λg程度の大きさ(このような共振器を、マ
イクロ共振器と呼ぶ。)にとると、スペクトルg(λ)
が有限である領域に零個を含む数個のモードだけしか存
在できないようにすることができる。図22の(2−
a)に1個のモードのみ存在する場合を示した。このよ
うにすると、発光スペクトル,自然放出スペクトル及び
発振スペクトルは図22の(2−b),(2−c)及び
(2−d)に示すようになり、自然放出光といえども必
ず発振波長に結合するので、図22の(2−e)に示す
ように零しきい値の半導体レーザが実現できる。
【0010】また、このような光閉じ込めが完全でない
場合であっても、マイクロ共振器により、発振しきい値
の低減化が可能である。一般的には、自然放出光のうち
で、発振共振器モードに結合する割合をβ(β≦1)と
おくと、発振しきい値は近似的にβに逆比例する。通常
のレーザでは、β〜10-5であるので、発振共振器モー
ドに結合する割合βが10%であっても、4桁程度のし
きい値低減が期待される。
【0011】このようにマイクロ共振器において、半導
体レーザの低しきい値化や種々の機能発光素子が可能と
なることは、既に知られている(特開昭59-50589号公
報)。しかし、マイクロ共振器は高い反射率を持った共
振器である必要がある。さもないと、共振器外の光モー
ドが共振器内に入り込み、モード密度が真空場のそれと
同じになってしまうからである。上記の公報には、高い
反射率を得るための構造に関する具体的な施策は記載さ
れていない。
【0012】マイクロ共振器を半導体材料で具現化した
例は、文献(山本喜久,上田正仁,電気情報通信学会
誌,72(9) pp.1014-1020 (1989) 及び 73(2)pp.161-16
6:Y.Yamamoto, "Cavity Quantum Electrodynamics& Qu
antum Computing"; 1stInternational Forum on the Fr
ontier of Telecommunications Technology,SESSION 3
)に報告されている。
【0013】この例を、図23(a)(b)に示す。高
い反射率を持った共振器とするために、AlGaAs/
AlAs多層膜よりなる分布ブラッグ反射器(λ/4誘
電体多層膜)2,3を用い、活性層1は量子井戸構造と
している。なお、屈折率の大きな半導体膜と屈折率の小
さな半導体膜とが交互に複数個積層された反射器は、分
布ブラッグ反射器と呼ばれる。また、2つの分布ブラッ
グ反射器2,3に囲まれた間隔をλ(図23(a))或
いはλ/2(図23(b))とすることによって、モー
ドの腹及び節4が各々の場合に活性層に位置するように
設計し、前者の場合は自然放出強度の増大、後者では自
然放出強度の抑制を得ている。
【0014】上記のマイクロ共振器の例では、光モード
は積層方向にのみ形成されているだけであり、積層方向
に対して斜め方向や層方向に進行する光は、共振器モー
ドに結合し難くなったり、結合しなくなったりする。そ
してこれが、前述した自然放出光の発振共振器モードに
結合する割合(β)を小さくする要因となっている。従
って、半導体マイクロ共振器においては、垂直方向(薄
膜結晶成長方向)だけでなく、水平方向にも共振器長を
波長程度に短くし、且つ共振器全面を光反射膜(或いは
多層膜)で覆うことが望ましい。
【0015】しかしながら、垂直方向には分布ブラッグ
反射器を薄膜結晶成長技術により形成することが容易で
あるが、水平方向にも分布ブラッグ反射器を形成するの
は容易でない。即ち、通常の半導体レーザのコーティン
グによる光反射膜形成においては、スパッタ蒸着や電子
ビーム蒸着などが用いられ、コーティングしようとする
面を蒸着種の飛来する方向に向けて蒸着するが、コーテ
ィングしようとする面以外の面も蒸着種の回り込みによ
って蒸着されてしまう。回り込みによる蒸着層の厚さ
は、本来のコーティングしようとする面への蒸着の厚さ
よりも一般には薄くなっている。従って、垂直方向及び
水平方向のように多面的に同じ多層膜コーティングする
ことは不可能である。
【0016】また、このような半導体発光素子をモノリ
シックに集積化しようとしたときにも、従来のコーティ
ング技術では隣接したマイクロ共振器が邪魔になり、蒸
着種が全面に均等に行き渡らないという問題点もある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、マイ
クロ共振器を用いた半導体発光素子においては、自然放
出光の発振共振器モードに結合する割合を高めるため
に、垂直方向だけでなく水平方向に伝搬する光に対して
も共振器を形成することが望ましい。しかし、水平方向
に共振器を構成するための光反射膜を形成するのは困難
である。このため、自然放出を十分に制御することがで
きず、発光素子の場合は発光効率の低下を招いていた。
【0018】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、自然放出光の発振共振
器モードに結合する割合を十分に高めることができ、よ
り高効率及び低しきい値の半導体発光素子を提供するこ
とにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、マイク
ロ共振器の光反射面を、2組の分布ブラッグ反射器で構
成し、2組の分布ブラッグ反射器のうち少なくとも一方
を単一な平面でない分布ブラッグ反射器で構成すること
にある。ここで、単一な平面でない面とは、複数の平面
で構成された面或いは曲面などを意味する。
【0020】即ち本発明(請求項1)は、屈折率の大き
な半導体膜と屈折率の小さな半導体膜を交互に複数個積
層した第1の分布ブラッグ反射器と、該反射器と同様な
構成の第2の分布ブラッグ反射器との間に、半導体のダ
ブルヘテロ構造部が形成された半導体発光素子におい
て、分布ブラッグ反射器の少なくとも一方を、ダブルヘ
テロ構造部の発光領域上で該ダブルヘテロ構造部と反対
側に凸状に形成してなることを特徴としている。
【0021】また、本発明(請求項2)は、屈折率の大
きな半導体膜と屈折率の小さな半導体膜を交互に複数個
積層した分布ブラッグ反射器と金属反射器との間に、半
導体のダブルヘテロ構造部が形成された半導体発光素子
において、分布ブラッグ反射器又は金属反射器の少なく
とも一方を、ダブルヘテロ構造部の発光領域上で該ダブ
ルヘテロ構造部と反対側に凸状に形成してなることを特
徴としている。
【0022】また、本発明(請求項3)は、屈折率の大
きな半導体膜と屈折率の小さな半導体膜を交互に複数個
積層した第1の分布ブラッグ反射器と、該反射器と同様
な構成の第2の分布ブラッグ反射器との間に、半導体の
ダブルヘテロ構造部が形成された半導体発光素子におい
て、分布ブラッグ反射器の双方を、ダブルヘテロ構造部
の活性層側に凹みを有する曲面状に形成し、且つダブル
ヘテロ構造部の活性層をブラッグ反射器によって規定さ
れる共振器モードの焦点部に位置させてなることを特徴
とする。
【0023】
【作用】既に説明したように、2組の半導体分布ブラッ
グ反射器を対向させたマイクロ共振器では、1次元方向
にのみ光の閉じ込めが有効であり、斜めや横方向への自
然放出も生じるために、自然放出光の発振共振器モード
に結合する割合は低い。これに対して本発明のように、
分布ブラッグ反射器(又は金属反射膜)を共振器から見
て凸状にすることによって、垂直方向以外に進行する光
に対しても反射器として働かせることが可能であり、自
然放出光の発振共振器モードに結合する割合を増大でき
る。
【0024】また、本発明では分布ブラッグ反射器を複
数の平面で形成された構造としているので、1つの方向
だけでなく複数の方向で光の閉じ込めが可能であり、自
然放出光の発振共振器モードに結合する割合を高くする
ことができる。さらに、本発明の構造は、半導体のドラ
イエッチングや結晶成長技術を用いて一括して形成でき
るため、大面積に再現性良く作成でき集積化も容易であ
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0026】図1は本発明の第1の実施例の概略構成を
示す断面図である。この実施例は、自然放出光を増強し
た超低しきい値マイクロ共振器レーザである。
【0027】n型GaAs基板(キャリア濃度2×10
18cm-3)10上に、例えば減圧MOCVD法を用いて半
導体の積層構造が形成され、最上層及び基板裏面には電
極11,12がそれぞれ形成されている。
【0028】半導体の積層構造において、21,23,
25,27,41,43,45,47はAl0.8 Ga
0.2 As層、22,24,26,28,42,44,4
6,48,32,33はAl0.3 Ga0.7 As層であ
り、50はp型GaAsコンタクト層(キャリア濃度5
×1018cm-3)である。41〜48はp型でキャリア濃
度2×1018cm-3に不純物ドープされ、21〜28はn
型でキャリア濃度2×1018cm-3に不純物ドープされて
いる。
【0029】組成或いは組成比の異なる半導体の接合は
ヘテロ接合と呼ばれ、ヘテロ接合を2つ持つ構造はダブ
ルヘテロ構造と呼ばれる。31〜33はダブルヘテロ構
造部をなし、31は電子と正孔が光再結合を行う活性層
である。本実施例では活性層31は厚さ7nmのInG
aAs層であり、その厚さが電子のド・ブロイ波長の程
度であるために、31〜33は量子井戸構造と呼ばれ
る。
【0030】21〜28及び41〜48は各々分布ブラ
ッグ反射器20,40を構成しており、各々の層の厚さ
(曲面の場合は、ヘテロ界面の最短距離)は光学距離に
してλ/4である。ここで、λは量子井戸の発光ピーク
波長である。また、以下の説明で記号λを用いた距離
は、特に断らない限り光学距離(実長さに有効屈折率を
掛けた長さ)を表わす。また、一般的には分布ブラッグ
反射器を構成する各層の厚さは、λ/4の奇数倍であれ
ばよい。
【0031】InGaAs量子井戸活性層31は、第1
の分布ブラッグ反射器20の最上層21からλ/2の距
離にある。第2の分布ブラッグ反射器40の最下層41
は、中央部でその半径がλ/2の半球状になっており、
活性層31はこの半球の直径部に位置している。より具
体的には、活性層31はスペーサ層33の中央部に半径
λ/2の円形に形成され、この活性層31上のスペーサ
層32が半径がλ/2の半球状になっており、これらの
スペーサ層32,33上に分布ブラッグ反射器40が成
長形成されている。また、電極11は図2に本実施例素
子の平面図を示すように、中央部に円形の開口を有する
ものとなっている。
【0032】このような構成であれば、第2の分布ブラ
ッグ反射器40を共振器から見て凸状に形成しているの
で、この分布ブラッグ反射器40を垂直方向以外に進行
する光に対しても反射器として働かせることが可能であ
り、自然放出光の発振共振器モードに結合する割合を増
大できる。本実施例では、自然放出光の発振共振器モー
ドに結合する割合βを10%程度まで高めることが可能
となり、約4桁の発振しきい値の低減となった。
【0033】次に、本実施例レーザの作成方法を、図3
を参照して説明する。
【0034】まず、図3(a)に示すように、n型Ga
As基板10上に減圧MOCVD法により、分布ブラッ
グ反射器20を積層し、さらにこの上にダブルヘテロ構
造部をなす各層33,31,32を積層する。このと
き、スペーサ層32は厚めに成長する。続いて、電子ビ
ーム露光法とウェットエッチング等により、マスク60
(酸化珪素膜)を上向きに凸となるように形成する。
【0035】次いで、塩素プラズマを用いた方向性ドラ
イエッチングにより、スペーサ層32及び活性層31を
スペーサ層33に達するまでエッチングする。このと
き、マスク60もスペーサ層32より遅い速度でエッチ
ングされるので、マスクの局所的膜厚に応じて図3
(b)に示すようにスペーサ層32が凸状に残される。
【0036】なお、塩素プラズマを用いた方向性ドライ
エッチングを行う前に、マスク60を用いて、活性層3
1に達するプロトンの打ち込みを行ってもよい。こうす
ることにより、打ち込み領域が高抵抗領域として働き、
電流をより有効に活性層31に注入することが可能とな
る。
【0037】次いで、図3(c)に示すように、減圧M
OCVD法により分布ブラッグ反射器40及びGaAs
コンタクト層50を積層する。最後に、通常のフォトリ
ソグラフィと蒸着により、電極11及び12を形成し、
電極11及びコンタクト層50の一部をエッチングする
ことにより、図1に示す構造が得られる。
【0038】なお、図1に示した量子井戸活性層や分布
ブラッグ反射器の形状、さらに活性層と分布ブラッグ反
射器の位置関係などには、様々の場合があり得る。例え
ば、分布ブラッグ反射器にλ/4の厚さの複数個のペア
(屈折率の高い層と低い層)を追加してもよい。量子井
戸活性層と分布ブラッグ反射器の距離がλ/2の整数倍
であってもよい。スペーサ,32,33を量子井戸活性
層31から遠ざかるに連れて禁制帯幅が大きくなるよう
にした、所謂GRIN−SCH構造にしてもよい。
【0039】また、図4に斜視図で示したように、分布
ブラッグ反射器40の形状として半円柱とすることもで
きる。図1の分布ブラッグ反射器40は球状でなくても
上向きに凸状であれば、同じようにβの増大が期待され
る。活性層として量子井戸の他に、図5に示すように量
子細線や量子箱にすることもできる。図5において70
が量子細線活性層を示している。さらに、図1では分布
ブラッグ反射器40が半球状となっているが、分布ブラ
ッグ反射器20を半球状としてもよいし、両方の分布ブ
ラッグ反射器20,40を球状としてもよい。また、4
1は活性層31を取り囲むようになっているが、取り囲
まない構造(例えば、41のAl組成を32のAl組成
とする構造)であっても、何等構わない。
【0040】図6は、本発明の第2の実施例の概略構成
を示す断面図である。本実施例は、結晶成長速度の成長
面方位依存性を使って、マイクロ共振器レーザを作成で
きる例である。
【0041】120は図1の20と同様なn型の分布ブ
ラッグ反射器であり、140は図1の40と同様なp型
の分布ブラッグ反射器である。但し、分布ブラッグ反射
器140は正四面体構造をとっている。なお、本実施例
素子を上方から見た平面図を図7に示す。この図7のA
−A′の断面が図6である。
【0042】分布ブラッグ反射器140の各層の膜厚
は、λ/4にとっている。図6を見ると、分布ブラッグ
反射器140のうちで、左側の層間隔の方が右側の層間
隔よりも厚くなっているように見えるが、図7から分か
るように左側の層は正しい層間隔を示しておらず、見掛
上厚く見えるだけである。また、131はGaAs活性
層、151は酸化珪素膜、132及び133はAl0.3
Ga0.7 As層(スペーサ層)、111及び112は電
極を示している。
【0043】次に、第2の実施例素子の作成方法の概要
を説明する。
【0044】結晶成長には(111)面のGaAs基板
110を用いる。MOCVD法で分布ブラッグ反射器1
20及びスペーサ層133を成長したのち、その上に酸
化珪素膜151を堆積する。次いで、正三角形の各辺
が、[110],[011],[101]となるように
パターニングし、酸化珪素膜151の正三角形部分をエ
ッチングで取り除く。正三角形の一辺の長さは、約0.
1μmである。さらに、参考文献(T.Fukui, S.Ando,
Y.Tokura, and T.Todhiyama: Extended Abstractsof th
e 22nd (1990 International) Conference on Solid St
ate Devices andMeterials, Sendai, 1990, pp.99-10
2)に記載されているのと同様な選択成長法を用いて、
活性層131,スペーサ層132及び分布ブラッグ反射
器140を順次積層する。結晶成長の面方位依存性のた
めに、テトラヘドラル対称性を持つ構造が積層される。
【0045】なお、本実施例方法で作成する場合、結晶
の対称性を利用しているために、酸化珪素膜のパターニ
ングは正三角形である必要はなく、例えば、円であって
も、自然に正四面体構造が積層される。酸化珪素膜は、
素子作成時には選択成長マスクとして機能するが、作成
された素子では電流狭窄層として働く。
【0046】図8は本発明の第3の実施例の概略構成を
示す断面図である。第2の実施例では、活性層が3次元
的に分布ブラッグ反射器によって囲まれていたが、本実
施例では2次元的に囲まれている例である。本実施例
も、結晶成長速度の成長面方位依存性を使って作成でき
る例である。なお、本実施例素子を上方から見た平面図
を図9に示す。この図9のB−B′の断面が図8であ
る。
【0047】220及び240はn型及びp型の分布ブ
ラッグ反射器であり,231はInGaAs活性層、2
51は酸化珪素膜である。本実施例ではGaAs基板2
10として、(001)面を用いる。酸化珪素膜251
に、[110]方向のストライプを抜き、参考文献(T.
Fukui, S.Ando, H.Saito: Extended Abstractsof the 2
2nd (1990 International) Conference on Solid State
Devices andMaterrials, Sendai, 1990, pp.753-756)
に記載されているのと同様な方法で選択成長を行って、
233,231,232,240を順次積層する。本構
造は、第2の実施例ほどにβを大きくすることはできな
いが、比較的幅の広い酸化珪素膜のストライプであって
も、活性層231の横幅を狭く制御できるという利点が
あり、作成が容易である。
【0048】図10は本発明の第4の実施例の概略構成
を示す断面図である。本実施例は第2の実施例のp型分
布ブラッグ反射器140を、電極を兼ねた金属反射膜に
変えた例である。
【0049】図中331はInGaAs活性層、332
はp型GaAsスペーサ層、312は電極を兼ねた金属
反射膜である。スペーサ層の厚さはλ/5〜λ/4程度
である。金属反射膜312としては、通常用いられるA
uZn/Auの積層膜でもよいが、半導体との界面での
合金化による反射率の低下を防ぐためにAg或いはAg
/Au或いはTi/Pt/Auなどの金属膜を用いる方
法が望ましい。本実施例の活性層331とスペーサ層3
32の間に、第2の実施例のp型分布ブラッグ反射器1
40を積層した構造も可能である。この場合には、p型
分布ブラッグ反射器のペア数を減らしても高い反射率が
得られるという利点がある。
【0050】次に、本発明の第5〜第7の実施例につい
て説明する。前述した第1〜第2の実施例では、一次元
共振器構造の作製の容易さと、閉共振器並の大きなβを
同時に実現する共振器構造の一つとして、平面−凹面共
振器を用いている。このような共振器構造では、共振モ
ードはほぼ全立体角に渡って単一波長であるので、適切
な設計がなされていれば1に近いβの値が得られる。ま
た、共振器構造をエピタキシャル成長によって形成でき
るので作製プロセスは比較的簡単である。
【0051】ところで、共振器モードへの自然放出確率
は、発光体の存在する位置での規格化された共振器モー
ドの振幅の二乗に比例する。従って、βを大きくするに
は、活性層の位置でのモード振幅を大きくし(即ち共振
器のQ値を大きくし)、且つ活性層が全面に渡ってモー
ドの腹に位置することが理想的である。しかし、第1〜
第2の実施例構造では、平面反射膜が分布反射膜である
ため、活性層からの発光が反射膜の内部深くまで染み込
む。そのため、凹面鏡の曲率が大きすぎると発光の一部
が共振器外へ放出されてしまい、十分大きなQ値は得ら
れない。
【0052】即ち、第1〜第2の実施例においては図1
1に示すように、上側の球面反射膜(分布ブラッグ反射
器40)の曲率中心Pよりも活性層31よりの界面で反
射された発光成分は光路Aのように安定な共振経路を辿
るが、Pよりも基板10側の界面で反射された発光成分
はBに示すような経路で共振器外に逃げてしまう。これ
を避けるために、球面反射膜の曲率に制限を設け、曲率
中心Pを下側の平面反射膜(分布ブラッグ反射器20)
よりも基板10側に移動させる必要がある。しかし、そ
こまで曲率を小さくすると、活性層31付近での共振器
モードの電場振幅を、従来の一次元共振器に比べて十分
大きくすることはできない。さらに、活性層31のある
面が共振器モードの等位相面と一致しないために、活性
層31の全面をモードの腹の部分に一致させることがで
きない。つまり、第1〜第2の実施例構造では、球面反
射膜を用いる利点が十分生かされていない場合がある。
【0053】そこで以下の実施例では、共振器の損失を
より小さくし、且つ発振共振器モードの腹の部分に活性
層を位置させるために、対向する一対の凹面反射膜、又
はそれと光学的に透過な平面−凹面鏡反射膜によって、
共振器長が活性層の発光波長程度の光共振器を構成して
いる。
【0054】図12は本発明の第5の実施例の概略構成
を示す斜視図、図13は図12の矢視A−A′に沿った
断面図である。本実施例は、n型GaAs基板510 上に
積層されたn型分布反射膜520,n型クラッド層533,活性
層531,p型クラッド層532,p型分布反射膜540,及びp型
電極511 と基板裏面のn型電極512 を基本構成要素とし
ている。活性層531 から放出された光は、球面状の分布
反射膜540 を通して電極511 に開けられた窓Wから外部
に取り出される。
【0055】分布反射膜520,540 は、図13に示すよう
に球面状に湾曲した多層膜で構成され、厚さ10nmの
GaAs量子井戸活性層531 及びAl0.3 Ga0.7 As
クラッド層532,533 を挾んで対向する共振器構造を形成
している。これらの多層膜はそれぞれ、AlAs(521,
541 )とAl0.18Ga0.82As(522,542 )とを交互に
積層して構成されている。各層の厚さは、光学長(実際
の厚さに屈折率を掛けた値)にしてλ/4である。ここ
で、λは活性層531 の真空中における発光波長である。
【0056】クラッド層532,533 は後述する方法で、直
径0.5μm程度のレンズ状に加工されている。クラッ
ド層532,533 及び活性層531 を含むダブルヘテロ構造部
の頂部と底部の間隔は、図14(b)に示すように光学
長でλである。図中に記号Fで、共振器モードの共振器
軸に沿った電場の振幅を示しているが、活性層531 はこ
の共振器モードの腹の部分に位置している。クラッド層
532,533 のレンズ状の部分の外側は、電流狭窄のために
イオン打ち込みによって高抵抗化されている(領域Iで
表示)。
【0057】ここで、図15に示すような、2枚の球面
反射鏡を向かい合わせた共振器の固有モードは、“ガウ
シアンビーム”によって表わされる。この図で、実線は
電場強度が中心軸の1/eになる位置を表わしている。
ビームの等位相面は図中の一点鎖線で示すように最小ビ
ームスポットに近づくにつれて曲率が小さくなり、最小
ビームスポットで平面となる。従って、活性層の位置を
最小ビームスポットに合わせることにより、活性層は共
振器モードの等位相面と一致する。このため、共振器長
を適切に設定すれば、モードの腹の部分に活性層の全部
が位置することとなり、共振器モードに放出される自然
放出の割合を最大限に高めることができる。
【0058】このような効果は、反射膜が完全な球面で
なくとも、形状が著しく球面から逸脱していない限り同
様に得られる。本実施例では、球面反射鏡として球面状
の分布ブラッグ反射膜を用いている。また、 0≦(1−L/R1 )(1−L/R2 )≦1 の関係を満たすように、反射鏡の曲率半径R1 、R2 、
共振器長Lを設定することにより、横方向への光損失が
抑制される。その結果、平面反射鏡を向かい合わせたフ
ァブリ・ペロー共振器構造に比べ、遥かにQ値の高い共
振器構造が実現する。
【0059】自然放出確率はQ値に比例するため(S.Ha
roche and D.Kleppner, PhysicsToday,p24 Jan.198
9)、活性層からの自然放出確率は、共振器がない場合
に比べても、さらにファブリ・ペロー共振器中におかれ
た場合に比べても増大する(典型的には、共振器がない
場合の10倍程度)。このことは、発光効率が実質的に
増大することを意味している。なぜなら、発光効率は、
無輻射再結合確率と輻射再結合確率との兼ね合いで決ま
る。前者は共振器の構造によらず一定であるのに対し、
後者は本実施例の曲面共振器の効果で増大するため、注
入されたキャリアのうち、発光に寄与する割合が増える
からである。
【0060】一般に、半導体発光媒質は、室温において
は無輻射再結合確率が輻射再結合確率より大きく、自然
放出に対する発光効率は極めて低い(数%程度)。しか
し、この輻射再結合確率の増大により自然放出に対する
発光効率を数十%まで増大させることが可能となる。こ
れは、室温で動作する微小共振器レーザを実現する上で
重要な点である。以上の二つの効果の相乗作用により、
著しい閾値の低減効果が得られる。
【0061】なお、本実施例による半導体発光素子は、
自然放出光自身が数GHz〜数十GHz程度の比較的狭
いスペクトル線幅を持ち、自然放出寿命も室温で1ns
程度と短いため、発振閾値以下の注入電流でもレーザー
に準ずるような使用が可能である。例えば、1素子当り
数nA程度の注入電流で1GHzで動作する高効率・高
速LEDとして用いることができる。
【0062】図16は本発明の第6の実施例の概略構成
を示す断面図である。本実施例は、電極511 から活性層
531 までは第5の実施例と共通である。異なる点は、ク
ラッド層533 の底面が平面で、クラッド層532 のレンズ
状の部分の直下の基板510 がエッチングにより取り去ら
れ、金属反射膜兼電極513 がクラッド層533 に直接蒸着
されている点である。反射膜兼電極513 は、高い反射率
を保ちつつオーミックコンタクトを得るため、GaAs
との間で合金化が生じないAg等の金属を用いる。本実
施例においては、高いQ値を得るために、平面反射鏡と
してこの金属反射膜を用いることが本質的である。本実
施例の活性層531 の位置とクラッド層532,533 、反射膜
兼電極513 との位置関係は、共振器のモード振幅(F)
に対して図17(a)に示されている。クラッド層532
の頂部と反射膜兼電極513 との間隔は光学距離で3λ/
4であり、この場合もやはり共振器のモードの腹に活性
層531 が位置する。
【0063】ここで、球面反射鏡と平面反射鏡を組み合
わせても、先に第5の実施例で述べた共振器と等価な共
振器が得られる。図18にその概略図を示す。これは、
平面反射鏡を中心として球面反射鏡を折り返した構造、
即ち共振器長2Lの対称球面共振器と光学的には等価な
構造である。このとき、安定な共振器となる条件は、球
面反射鏡の曲率半径をRとして、 R>L である。本実施例では、球面反射鏡を分布反射膜540 と
し、平面反射鏡を金属反射膜513 としている。但し、こ
の共振器構造では等位相面が平面になるのは平面反射膜
上となるため、活性層を厳密に等位相面に一致させるこ
とはできない。しかし、活性層は平面反射膜から4分の
1波長〜1波長程度という非常に近接した平面上に位置
しているため、実質的には問題とならない。当然なが
ら、この構造においても上で述べた理由により大幅な閾
値の低減が達成される。
【0064】図19は本発明の第7の実施例の概略構成
を示す断面図である。本実施例はクラッド層532 のレン
ズ状の部分の外側を二酸化珪素膜534 で覆い、これを選
択成長マスクとして分布反射膜540 を成長させた構造で
ある。本実施例では二酸化珪素膜534 が電流狭窄層とし
ても働くため、イオン打ち込み領域Iは不要となる。本
実施例は第6の実施例に比べて製造工程が複雑になるも
のの、活性層531 から反射膜540 を見込む立体角が大き
く取れるために、共振器のQ値がより大きくなり、閾値
をより下げることができる。
【0065】以上の第5〜第7の実施例において、クラ
ッド層532,533の厚さ及び活性層531 の位置は、活性層5
31 が共振器モードの腹に位置するという条件を満たす
範囲において任意に変えることができる。前記図14及
び図17に、その例を示した。図中の記号H,Lはそれ
ぞれ、隣合う層(活性層は除く)に比べて屈折率が高い
こと及び低いことを示している。図14(a)、17
(b)はそれぞれ、分布反射膜の積層順序を第5及び第
6の実施例と逆にした例、図14(c)は分布反射膜の
積層順序のみを第5の実施例の逆にした例である。ま
た、図17(c)は、金属膜による吸収損失を低減する
ためにクラッド層533 と反射膜兼電極513との間に二酸
化珪素等の誘電体膜515 を挿入した例である。
【0066】次に、本実施例素子の製造方法について説
明する。図20は第5の実施例素子の製造工程を示す断
面図である。
【0067】まず、図20(a)に示すように、n型基
板510 上に窒化硅素膜M1をプラズマCVD法等により
形成する。その上にレジストRを塗布し、電子ビーム露
光により直径0.5μmの開口を作る。続いて、弗酸或
いは弗酸の希釈液を用いてマスクM1の表面をエッチン
グし、レジストの開口部に凹みを作る。このとき、マス
クM1のエッチングが基板面に達する前にエッチングを
停止する。
【0068】次いで、図20(b)に示すように、レジ
ストRを除去し、塩素系の反応性イオンエッチング(R
IE)、反応性イオンビームエッチング(RIBE)等
を用いて、凹みを有するマスクM1と基板510 のエッチ
ングを行う。基板510 のエッチング深さはマスクM1が
薄いところほど大きくなるので、基板510 上にも凹みが
形成される。この形状は、マスク形状及びマスクとGa
Asのエッチング速度の差に応じて決まる。通常、Ga
Asのエッチング速度の方がマスクのエッチング速度よ
りもやや速いので、基板上の凹みの曲率はマスクのそれ
よりも大きくなる。
【0069】次いで、有機金属気相成長(MOCVD)
法や分子ビームエピタキシー(MBE)法により、図2
0(c)に示すように、n型分布ブラッグ反射膜520,n
型クラッド層533,活性層531,及びp型クラッド層532 を
積層する。続いて、クラッド層532 上にレジストを塗布
し、電子ビーム露光により直径0.5μmの円形パター
ンを作成し、100keV程度のGaイオンビームを打
ち込んで電流狭窄のための高抵抗領域Iを形成する。そ
の後、基板510 を回転させながら斜め方向より数百eV
のArイオンビームを照射して、レジストからなるレン
ズ状のマスクM2を形成する。
【0070】次いで、酸素,塩素混合ガスを用いたRI
E又はRIBEによりクラッド層532 をマスクM2ごと
エッチングして、図20(d)に示すように、クラッド
層532 上にレンズ状の突起を形成する。この突起の上に
p型分布ブラッグ反射膜540 をMOCVD或いはMBE
により積層する。最後に、基板裏面及び分布ブラッグ反
射膜540 上に電極を蒸着し、出力光を取り出すための窓
W(図11参照)を形成して工程を完了する。
【0071】第6、第7の実施例素子の製造方法も第5
の実施例素子に準じる。但し、これらの実施例では当然
ながら、基板510 に凹みを設ける工程及び分布反射膜52
0 を積層する工程は不要となる。その代わり、基板510
をクラッド層533 に達するまでエッチングする工程が加
わる。エッチングを正確にクラッド層533 の表面で停止
させるには、アンモニア水と過酸化水素水の混合エッチ
ャントを用いた選択エッチングを行えばよい。
【0072】第7の実施例においては、クラッド層532
の上面に突起を設けた後に、二酸化硅素膜534 を積層す
る。電子ビームを用いたリソブラフィーと弗酸によるエ
ッチングで図19に示すように突起の上面の二酸化硅素
膜534 を除去した後にMOCVD法による選択成長でp
型分布ブラッグ反射膜540 を積層する。p型電極511は
分布ブラッグ反射膜540 に接するように設ける。
【0073】図21に、第5の実施例の素子を集積化し
た例を示す。各素子間は活性層よりも深く掘られた溝に
よって分離されている。この溝は絶縁性のポリイミド58
0 で埋め込まれ、平坦化されている。p型電極511 は各
素子ごとに個別に設けられ、個別制御が可能となってい
る。各素子上部には、素子から放射状に放出される出力
光を平行ビームに修正するためのマイクロレンズ590 が
設けられている。これらのマイクロレンズ590 は、CC
Dアレイの集光レンズに用いられているような熱軟化性
樹脂、或いは光硬化性樹脂等を用いて作成される。ま
た、素子間のクロストークを減少させるために、レンズ
間は溝によって分離されている。
【0074】以上の第5〜第7の実施例によれば、対向
する球面状の分布ブラッグ反射膜、或いは平面金属反射
鏡と球面状の分布ブラッグ反射膜によって構成される微
小共振器を用いているので、活性層と共振器モードの等
位相面とを平行に保つことができ。従って、従来構造に
比べ自然放出光の共振器モードに結合する割合を増大さ
せることができ、より閾値の低い半導体発光素子を実現
することができる。
【0075】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例では、GaAs/AlGaA
s系,InGaAs/AlGaAs系を例にとって説明
したが、本発明はこれらの材料系に何等とらわれる必要
はなく、例えばInP/InGaAsP系,InGaP
/InAlP系などにも広く適用することができる。ま
た、実施例では自然放出を増強することを念頭においた
が、同様に自然放出を抑制することも可能である。ま
た、光双安定素子,光微分離得素子,波長変換素子のよ
うな光機能素子にも適用することができる。
【0076】また、実施例では、n型基板を用いた例に
ついて示したが、勿論p型基板を用いてもよい。この場
合、各層の導電型を反転すればよい。また、活性層とし
ては量子井戸構造に制限されるものではなく、量子細
線、量子箱構造を用いることも可能である。また、分布
反射膜は半導体のみに制限される必要はなく、誘電体、
或いは誘電体と半導体の組み合わせで構成されてもよ
い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々
変形して実施することができる。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ダ
ブルヘテロ構造部を挟む第1の分布ブラッグ反射器と第
2の分布ブラッグ反射器(又は金属膜)とのうちの少な
くとも一方を、ダブルヘテロ構造部の発光領域上でダブ
ルヘテロ構造部と反対側に凸状に形成しているので、従
来構造では不十分であった自然放出光の発振共振器モー
ドに結合する割合を高めることができ、超低しきい値化
を可能とした半導体発光素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わる半導体レーザの
概略構成を示す断面図、
【図2】第1の実施例素子を上方から見た平面図、
【図3】第1の実施例素子の製造工程を示す断面図、
【図4】第1の実施例の第1の変形例を示す斜視図、
【図5】第1の実施例の第2の変形例を示す断面図、
【図6】第2の実施例素子の概略構成を示す断面図、
【図7】第2の実施例素子を上方から見た平面図、
【図8】第3の実施例素子の概略構成を示す断面図、
【図9】第3の実施例素子を上方から見た平面図、
【図10】第4の実施例素子の概略構成を示す断面図、
【図11】平面−凹面共振器を用いた場合の反射光経路
を説明するための模式図、
【図12】第5の実施例素子の概略構成を示す斜視図、
【図13】図12のA−A′断面図、
【図14】第5の実施例素子の活性層近傍の構造例を示
す模式図、
【図15】第5の実施例における共振器モードの概略を
示す模式図、
【図16】第6の実施例素子の概略構成を示す断面図、
【図17】第6の実施例素子の活性層近傍の構造例を示
す模式図、
【図18】第6の実施例における共振器モードの概略を
示す模式図、
【図19】第7の実施例素子の概略構成を示す断面図、
【図20】第5の実施例素子の製造工程を示す断面図、
【図21】第5の実施例素子を集積化した例を示す断面
図、
【図22】共振器内での自然放出と半導体レーザの光出
力特性を示す模式図、
【図23】従来素子の要部構成を示す断面図。
【符号の説明】
10…基板、 20,120,220,320…n型分布ブラッグ反射
器、 40,140,240…p型分布ブラッグ反射器、 31,131,231…量子井戸活性層、 32,33,132,133,232,233,332
…スペーサ層、 50…コンタクト層、 60…酸化珪素膜(マスク) 70…量子井戸細線活性層、 331…量子箱活性層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫛部 光弘 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屈折率の大きな半導体膜と屈折率の小さな
    半導体膜を交互に複数個積層した第1の分布ブラッグ反
    射器と、該反射器と同様な構成の第2の分布ブラッグ反
    射器との間に、半導体のダブルヘテロ構造部が形成され
    た半導体発光素子において、 前記分布ブラッグ反射器の少なくとも一方を、前記ダブ
    ルヘテロ構造部の発光領域上で該ダブルヘテロ構造部と
    反対側に凸状に形成してなることを特徴とする半導体発
    光素子。
  2. 【請求項2】屈折率の大きな半導体膜と屈折率の小さな
    半導体膜を交互に複数個積層した分布ブラッグ反射器と
    金属反射器との間に、半導体のダブルヘテロ構造部が形
    成された半導体発光素子において、 前記分布ブラッグ反射器又は前記金属反射器の少なくと
    も一方を、前記ダブルヘテロ構造部の発光領域上で該ダ
    ブルヘテロ構造部と反対側に凸状に形成してなることを
    特徴とする半導体発光素子。
  3. 【請求項3】屈折率の大きな半導体膜と屈折率の小さな
    半導体膜を交互に複数個積層した第1の分布ブラッグ反
    射器と、該反射器と同様な構成の第2の分布ブラッグ反
    射器との間に、半導体のダブルヘテロ構造部が形成され
    た半導体発光素子において、 前記分布ブラッグ反射器の双方を、前記ダブルヘテロ構
    造部の活性層側に凹みを有する曲面状に形成し、且つ前
    記ダブルヘテロ構造部の活性層を前記ブラッグ反射器に
    よって規定される共振器モードの焦点部に位置させてな
    ることを特徴とする半導体発光素子。
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