JPH0557238B2 - - Google Patents
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- JPH0557238B2 JPH0557238B2 JP7671289A JP7671289A JPH0557238B2 JP H0557238 B2 JPH0557238 B2 JP H0557238B2 JP 7671289 A JP7671289 A JP 7671289A JP 7671289 A JP7671289 A JP 7671289A JP H0557238 B2 JPH0557238 B2 JP H0557238B2
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F10/00—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
- H01F10/08—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers
- H01F10/10—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition
- H01F10/12—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys
- H01F10/14—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys containing iron or nickel
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Magnetic Heads (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、Fe基化合物薄膜およびFe薄膜を利
用した磁気ヘツド、磁気記録媒体を製造する上で
有用である、(100)面が膜面に平行となる配向と
(110)面が膜面に平行となる配向との含有比率が
任意の値を持つFe薄膜およびその製造法に関す
るものである。 [従来の技術] 真空蒸着法またはスパツタリング法等によつて
金属薄膜を作成するとその稠密面が膜面に平行と
なりやすい。Fe薄膜の場合は、(110)面が膜面
に平行となる。(110)面以外の面が膜面に平行に
配向したFe薄膜を得る方法としては、分子ビー
ムエピタキシーによる方法がある。例えば、
Tustison等は、GaAs単結晶(100)面を基板と
して、その上にFeを真空蒸着し、(100)面が膜
面に平行に配向した薄膜を得ている(Appl.
Phys.Lett.、51(1987)285)。そのほかにもAg単
結晶(100)面、Au単結晶(100)面、ZnSe単結
晶(100)面等を基板として用い、同様な方法で
(100)面が膜面に平行に配向したFe薄膜を得て
いる(N.C.Koon et.al:Phys.Rev.Lett.、59
(1987)2463、S.D.Bauer et.al:J.Magn.Mat.、
53(1986)L295、G.A.Prinz et.al:Appl.Phys.
Lett.、48(1986)1756)。しかし、このような方
法は、高価な単結晶基板を用い、煩雑な基板清浄
処理が必要であり、10-10Torr以下の超高真空が
必要であり、成膜速度は、低い。従つて産業上で
利用するには大きな問題がある。また、(100)面
が膜面に平行となつた配向と(110)面が膜面に
平行となつた配向との含有比率を任意の目的とす
る値に変化させることは不可能である。 一方、高い成膜速度が得られ、産業上有用な方
法であるスパツタリング法によつてやや強い
(100)面配向性を持つたFe薄膜を得た例は数例
在るが、そのような配向性に影響を与える因子に
ついての考察は無く、再現性があるかどうか疑問
である(第10回日本応用磁気学会学術講演概要集
(1986)p298、第11回日本応用磁気学会学術講演
概要集(1987)p232)。またFe薄膜の(100)面
配向性をさらに強くする研究は行われていない。
一般的に、スパツタリング法で成膜したFe薄膜
において、偶発的にその配向性が変化することは
あるものの、その配向性を制御するという観点か
らの研究は殆ど行われていない。 [発明が解決しようとする課題] 本発明は、スパツタリング法において、Ar雰
囲気中に微量の酸素ガスを添加してFeターゲツ
トをスパツターし、膜中に酸素含有させることに
よつてその配向性を変化させることができること
を特徴とするFe薄膜およびその製造法を提供す
ることを目的とするものである。 [課題を解決するための手段] 本発明は、酸素含有量xが0<x≦20(at.%)
であるFe薄膜であつてその結晶面が(100)面と
(110)面が薄膜面に平行に配向しかつ、前記
(100)面と(110)面の含有比率が任意の値を持
つことを特徴とするFe薄膜、および、スパツタ
リング法によりFe薄膜を製造する方法において、
3×10-4Torrから5×10-3TorrのAr雰囲気中
で、Fe薄膜中に含有される酸素量xが0<x≦
20(at.%)となるように、成膜室に酸素ガスを導
入し、基板温度を室温から300℃の間で成膜を行
うことを特徴とするFe薄膜を製造する方法、お
よび強い(100)面配向性を持つたFe薄膜におい
て、基板から100Å以上が前記の酸素を含有する
ことによつて強い(100)面配向性を持つたFe薄
膜から構成され、その上部が、エピタキシヤル成
長させたFe薄膜で構成されることを特徴とする
Fe薄膜、および、スパツタリング法によりFe薄
膜を製造する方法において基板から100Å以上の
厚さを前記の成膜室に酸素ガスを導入する方法に
より成膜して強い(100)面配向性を持つたFe薄
膜とし、その後、酸素ガスの導入をやめて酸素を
含有しない純Fe薄膜をその上に重ねて成膜し、
エピタキシヤル成長させることによつて強い
(100)面配向性を持つたFe薄膜を得ることを特
徴とするFe薄膜の製造方法である。 [作用] 本発明で開示されたFe薄膜は、膜中に酸素を
含有させることによつてFe原子の間に酸素が侵
入し、粒界形態が変化し、膜表面でのFe原子密
度が低下し、表面原子密度の高い安定面の(110)
面が出現しにくくなり、表面原子密度がより低い
(100)面が出現しやすくなることを見いだしたこ
とにより製造可能となつたものである。その結果
としてFe薄膜の配向性が変化させることが可能
となつた。Fe薄膜は、酸素含有量の増加と共に、
Fe薄膜の(100)面配向性が強くなり、第7図に
示すように17at.%の酸素含有量で完全な(100)
面配向のFe薄膜となる。すなわち、第9図に示
すようにFe薄膜に含有される酸素量と(100)面
配向性の強さの間に一定の関係があるため、任意
の強さの(100)面配向性を持つたFe薄膜を得る
ことができる。しかし、酸素含有量が20at.%を
越えると、第10図に示すように鉄酸化物の形成
等のため飽和磁化が低下し、磁気特性が劣化して
しまう。従つて、本来の鉄の物性値に影響を及ぼ
すことなくFe薄膜の配向性のみを変化させるた
めに含有される酸素の含有率の上限は、20at.%
が望ましい。 膜中に含有される酸素の量を規定する主な因子
としては、成膜室に導入する酸素ガス分圧、
基板上での成膜速度、ターゲツトから単位時間
当りに放出されるFe原子の数、基板温度、お
よびアルゴン圧力等が挙げられる。これらの因
子の内、とは、互いに独立な量ではなく、成
膜装置の構成、およびアルゴン圧力によつて主に
決定される特性を反映した関数関係にある。従つ
て、Fe膜中に含有される酸素量を制限してその
配向性を制御するに際して設定される条件は、成
膜装置の特性を反映したものとなり、予測困難な
バラツキが生じることとなる。例として、異なる
二つの成膜装置において、成膜速度、基板温度、
アルゴン圧力を同一に保ち、酸素分圧を変化させ
た場合の、Fe(100)面配向性の変化を実施例1
および2に示す。同じ配向性を得るために成膜室
に導入する酸素ガス分圧が異なることが分かる。
このような差異は、成膜装置の構成に依拠する特
性の差異に起因するものである。すなわち、成膜
装置の個性を反映したものと言うことができる。
しかし、同一のFe(100)面配向含有比率を持つ
Fe薄膜における酸素含有率は、同一である。従
つて、希望する配向性を持つたFe薄膜を得るた
めにスパツタリング雰囲気中に導入する酸素ガス
の流量または、分圧の値は、使用する成膜装置に
よつて異なる。 また、Fe薄膜に(100)面配向の部分が生成さ
れるためには、含有酸素の効果の他に、膜面に飛
来するFe粒子の膜面での易動度が大きいことが
重要である。易動度が大きいことによつて、膜表
面で一個当りのFe原子の占める実効的な面積が
増加し、表面での原子密度が低下し、(100)面が
出現しやすくなることが期待される。膜表面での
Fe粒子の易動度が大きいためには、基板温度が
高く、および飛来するFe粒子の運動エネルギー
が高いほうがよい。しかし、基板温度が高過ぎる
と成膜室内壁等からの脱ガスによる悪影響が無視
できない。また、飛来するFe粒子の運動エネル
ギーに影響を与える因子としてアルゴン圧力があ
る。ターゲツトから飛び出したFe粒子は、主に
アルゴン粒子との衝突によつて運動エネルギーを
失い、平衡状態になり膜面に飛来する。従つてこ
の平衡状態の運動エネルギーを高くするには、ア
ルゴン圧力を低くすることが効果的である。しか
し、あまりアルゴン圧力が低いと、プラズマが生
成されず、スパツタリングが不可能となる。この
ような観点から、条件探索を行つた結果、基板温
度、およびアルゴン圧力は、各々、室温から300
℃、および3×10-4Torrから5×10-3Torrとす
るのが適当であることを見いだした。 強い(100)面配向性を持つたFe薄膜を得るこ
とを目的とし、かつ含有酸素量を少なく抑えたい
場合、酸素を含有することによつて強い(100)
面配向性を持つたFe薄膜を基板上に成膜し、そ
の上に通常のスパツタリング法により、酸素を含
有しない純Fe薄膜をエピタキシヤルに成膜する
ことで酸素含有量が少なく抑えられ、かつ強い
(100)面配向性を持つたFe薄膜を得ることがで
きる。このとき、下地膜として使う、酸素を含有
した強い(100)面配向性を持つたFe薄膜の厚さ
は、その上に成長するFe薄膜が安定にエピタキ
シヤル成長するために、100Å以上であることが
望ましい。本発明によるFe薄膜は、第10図に
示すように、従来のFe薄膜に比較して磁気特性
の劣化は見られず、(110)面配向と(100)面配
向の間で希望する任意の配向性を持つことが可能
となつた。さらに、スパツタリング法で成膜する
ため、高速成膜であり、産業上で利用するに適し
ている。基板としては、ガラス、有機物、金属
等、いかなる物質でも使用し得る。 鉄の磁歪は、その結晶性によつて異なる大きさ
と符号を持つことが知られている。従つて、
(110)面配向と、(100)面配向の含有比率を調整
することによつて、磁歪の大きさが調整された
Fe薄膜を提供することが可能である。また、磁
気ヘツド等、磁歪が問題となる物質に、それを打
ち消す符号と大きさに磁歪が調整されたFe薄膜
を、本発明の開示する技術を利用してスパツタ蒸
着することによつて、問題となる磁歪を無くすこ
とができる。 また、Fe(100)面は、(110)面に比較して、
表面の原子間距離が大きいため、化学的により活
性であると言える。すなわち、鉄窒化物等のFe
基化合物薄膜で、準安定な相を持つた化合物薄膜
を得るためのベースとして利用できる(例えば、
第12回日本応用磁気学会学術講演概要集(1988)
p285、p286)。ところで本発明で開示されたFe薄
膜には、(100)面に完全配向したものも含まれ
る。さらに、いかなる基板にも高い成膜速度で作
成できる。すなわち、上記準安定相を持つFe基
化合物薄膜を、容易かつ迅速に作成することが可
能となる。 [実施例] 実施例 1 マグネトロンスパツタリング装置によつて成膜
したFe薄膜のX線回折パターンの成膜室に導入
した酸素ガス分圧に対する変化を第1図に示す。
(200)回折ピークが(100)面配向に対応する。
図中PO2は成膜室に導入した酸素分圧を示す。こ
のときの薄膜中酸素含有率を第1表に示す。酸素
含有率が増加すると(100)面の比率が増加する。
(100)面配向性と成膜室に導入した酸素分圧の関
係を第2図に示す。配向性は(200)面回折ピー
ク強度を(100)面回折ピーク強度で割つた値で
評価したものである。なお第2表は酸素分圧以外
のスパツタリング条件を示している。
用した磁気ヘツド、磁気記録媒体を製造する上で
有用である、(100)面が膜面に平行となる配向と
(110)面が膜面に平行となる配向との含有比率が
任意の値を持つFe薄膜およびその製造法に関す
るものである。 [従来の技術] 真空蒸着法またはスパツタリング法等によつて
金属薄膜を作成するとその稠密面が膜面に平行と
なりやすい。Fe薄膜の場合は、(110)面が膜面
に平行となる。(110)面以外の面が膜面に平行に
配向したFe薄膜を得る方法としては、分子ビー
ムエピタキシーによる方法がある。例えば、
Tustison等は、GaAs単結晶(100)面を基板と
して、その上にFeを真空蒸着し、(100)面が膜
面に平行に配向した薄膜を得ている(Appl.
Phys.Lett.、51(1987)285)。そのほかにもAg単
結晶(100)面、Au単結晶(100)面、ZnSe単結
晶(100)面等を基板として用い、同様な方法で
(100)面が膜面に平行に配向したFe薄膜を得て
いる(N.C.Koon et.al:Phys.Rev.Lett.、59
(1987)2463、S.D.Bauer et.al:J.Magn.Mat.、
53(1986)L295、G.A.Prinz et.al:Appl.Phys.
Lett.、48(1986)1756)。しかし、このような方
法は、高価な単結晶基板を用い、煩雑な基板清浄
処理が必要であり、10-10Torr以下の超高真空が
必要であり、成膜速度は、低い。従つて産業上で
利用するには大きな問題がある。また、(100)面
が膜面に平行となつた配向と(110)面が膜面に
平行となつた配向との含有比率を任意の目的とす
る値に変化させることは不可能である。 一方、高い成膜速度が得られ、産業上有用な方
法であるスパツタリング法によつてやや強い
(100)面配向性を持つたFe薄膜を得た例は数例
在るが、そのような配向性に影響を与える因子に
ついての考察は無く、再現性があるかどうか疑問
である(第10回日本応用磁気学会学術講演概要集
(1986)p298、第11回日本応用磁気学会学術講演
概要集(1987)p232)。またFe薄膜の(100)面
配向性をさらに強くする研究は行われていない。
一般的に、スパツタリング法で成膜したFe薄膜
において、偶発的にその配向性が変化することは
あるものの、その配向性を制御するという観点か
らの研究は殆ど行われていない。 [発明が解決しようとする課題] 本発明は、スパツタリング法において、Ar雰
囲気中に微量の酸素ガスを添加してFeターゲツ
トをスパツターし、膜中に酸素含有させることに
よつてその配向性を変化させることができること
を特徴とするFe薄膜およびその製造法を提供す
ることを目的とするものである。 [課題を解決するための手段] 本発明は、酸素含有量xが0<x≦20(at.%)
であるFe薄膜であつてその結晶面が(100)面と
(110)面が薄膜面に平行に配向しかつ、前記
(100)面と(110)面の含有比率が任意の値を持
つことを特徴とするFe薄膜、および、スパツタ
リング法によりFe薄膜を製造する方法において、
3×10-4Torrから5×10-3TorrのAr雰囲気中
で、Fe薄膜中に含有される酸素量xが0<x≦
20(at.%)となるように、成膜室に酸素ガスを導
入し、基板温度を室温から300℃の間で成膜を行
うことを特徴とするFe薄膜を製造する方法、お
よび強い(100)面配向性を持つたFe薄膜におい
て、基板から100Å以上が前記の酸素を含有する
ことによつて強い(100)面配向性を持つたFe薄
膜から構成され、その上部が、エピタキシヤル成
長させたFe薄膜で構成されることを特徴とする
Fe薄膜、および、スパツタリング法によりFe薄
膜を製造する方法において基板から100Å以上の
厚さを前記の成膜室に酸素ガスを導入する方法に
より成膜して強い(100)面配向性を持つたFe薄
膜とし、その後、酸素ガスの導入をやめて酸素を
含有しない純Fe薄膜をその上に重ねて成膜し、
エピタキシヤル成長させることによつて強い
(100)面配向性を持つたFe薄膜を得ることを特
徴とするFe薄膜の製造方法である。 [作用] 本発明で開示されたFe薄膜は、膜中に酸素を
含有させることによつてFe原子の間に酸素が侵
入し、粒界形態が変化し、膜表面でのFe原子密
度が低下し、表面原子密度の高い安定面の(110)
面が出現しにくくなり、表面原子密度がより低い
(100)面が出現しやすくなることを見いだしたこ
とにより製造可能となつたものである。その結果
としてFe薄膜の配向性が変化させることが可能
となつた。Fe薄膜は、酸素含有量の増加と共に、
Fe薄膜の(100)面配向性が強くなり、第7図に
示すように17at.%の酸素含有量で完全な(100)
面配向のFe薄膜となる。すなわち、第9図に示
すようにFe薄膜に含有される酸素量と(100)面
配向性の強さの間に一定の関係があるため、任意
の強さの(100)面配向性を持つたFe薄膜を得る
ことができる。しかし、酸素含有量が20at.%を
越えると、第10図に示すように鉄酸化物の形成
等のため飽和磁化が低下し、磁気特性が劣化して
しまう。従つて、本来の鉄の物性値に影響を及ぼ
すことなくFe薄膜の配向性のみを変化させるた
めに含有される酸素の含有率の上限は、20at.%
が望ましい。 膜中に含有される酸素の量を規定する主な因子
としては、成膜室に導入する酸素ガス分圧、
基板上での成膜速度、ターゲツトから単位時間
当りに放出されるFe原子の数、基板温度、お
よびアルゴン圧力等が挙げられる。これらの因
子の内、とは、互いに独立な量ではなく、成
膜装置の構成、およびアルゴン圧力によつて主に
決定される特性を反映した関数関係にある。従つ
て、Fe膜中に含有される酸素量を制限してその
配向性を制御するに際して設定される条件は、成
膜装置の特性を反映したものとなり、予測困難な
バラツキが生じることとなる。例として、異なる
二つの成膜装置において、成膜速度、基板温度、
アルゴン圧力を同一に保ち、酸素分圧を変化させ
た場合の、Fe(100)面配向性の変化を実施例1
および2に示す。同じ配向性を得るために成膜室
に導入する酸素ガス分圧が異なることが分かる。
このような差異は、成膜装置の構成に依拠する特
性の差異に起因するものである。すなわち、成膜
装置の個性を反映したものと言うことができる。
しかし、同一のFe(100)面配向含有比率を持つ
Fe薄膜における酸素含有率は、同一である。従
つて、希望する配向性を持つたFe薄膜を得るた
めにスパツタリング雰囲気中に導入する酸素ガス
の流量または、分圧の値は、使用する成膜装置に
よつて異なる。 また、Fe薄膜に(100)面配向の部分が生成さ
れるためには、含有酸素の効果の他に、膜面に飛
来するFe粒子の膜面での易動度が大きいことが
重要である。易動度が大きいことによつて、膜表
面で一個当りのFe原子の占める実効的な面積が
増加し、表面での原子密度が低下し、(100)面が
出現しやすくなることが期待される。膜表面での
Fe粒子の易動度が大きいためには、基板温度が
高く、および飛来するFe粒子の運動エネルギー
が高いほうがよい。しかし、基板温度が高過ぎる
と成膜室内壁等からの脱ガスによる悪影響が無視
できない。また、飛来するFe粒子の運動エネル
ギーに影響を与える因子としてアルゴン圧力があ
る。ターゲツトから飛び出したFe粒子は、主に
アルゴン粒子との衝突によつて運動エネルギーを
失い、平衡状態になり膜面に飛来する。従つてこ
の平衡状態の運動エネルギーを高くするには、ア
ルゴン圧力を低くすることが効果的である。しか
し、あまりアルゴン圧力が低いと、プラズマが生
成されず、スパツタリングが不可能となる。この
ような観点から、条件探索を行つた結果、基板温
度、およびアルゴン圧力は、各々、室温から300
℃、および3×10-4Torrから5×10-3Torrとす
るのが適当であることを見いだした。 強い(100)面配向性を持つたFe薄膜を得るこ
とを目的とし、かつ含有酸素量を少なく抑えたい
場合、酸素を含有することによつて強い(100)
面配向性を持つたFe薄膜を基板上に成膜し、そ
の上に通常のスパツタリング法により、酸素を含
有しない純Fe薄膜をエピタキシヤルに成膜する
ことで酸素含有量が少なく抑えられ、かつ強い
(100)面配向性を持つたFe薄膜を得ることがで
きる。このとき、下地膜として使う、酸素を含有
した強い(100)面配向性を持つたFe薄膜の厚さ
は、その上に成長するFe薄膜が安定にエピタキ
シヤル成長するために、100Å以上であることが
望ましい。本発明によるFe薄膜は、第10図に
示すように、従来のFe薄膜に比較して磁気特性
の劣化は見られず、(110)面配向と(100)面配
向の間で希望する任意の配向性を持つことが可能
となつた。さらに、スパツタリング法で成膜する
ため、高速成膜であり、産業上で利用するに適し
ている。基板としては、ガラス、有機物、金属
等、いかなる物質でも使用し得る。 鉄の磁歪は、その結晶性によつて異なる大きさ
と符号を持つことが知られている。従つて、
(110)面配向と、(100)面配向の含有比率を調整
することによつて、磁歪の大きさが調整された
Fe薄膜を提供することが可能である。また、磁
気ヘツド等、磁歪が問題となる物質に、それを打
ち消す符号と大きさに磁歪が調整されたFe薄膜
を、本発明の開示する技術を利用してスパツタ蒸
着することによつて、問題となる磁歪を無くすこ
とができる。 また、Fe(100)面は、(110)面に比較して、
表面の原子間距離が大きいため、化学的により活
性であると言える。すなわち、鉄窒化物等のFe
基化合物薄膜で、準安定な相を持つた化合物薄膜
を得るためのベースとして利用できる(例えば、
第12回日本応用磁気学会学術講演概要集(1988)
p285、p286)。ところで本発明で開示されたFe薄
膜には、(100)面に完全配向したものも含まれ
る。さらに、いかなる基板にも高い成膜速度で作
成できる。すなわち、上記準安定相を持つFe基
化合物薄膜を、容易かつ迅速に作成することが可
能となる。 [実施例] 実施例 1 マグネトロンスパツタリング装置によつて成膜
したFe薄膜のX線回折パターンの成膜室に導入
した酸素ガス分圧に対する変化を第1図に示す。
(200)回折ピークが(100)面配向に対応する。
図中PO2は成膜室に導入した酸素分圧を示す。こ
のときの薄膜中酸素含有率を第1表に示す。酸素
含有率が増加すると(100)面の比率が増加する。
(100)面配向性と成膜室に導入した酸素分圧の関
係を第2図に示す。配向性は(200)面回折ピー
ク強度を(100)面回折ピーク強度で割つた値で
評価したものである。なお第2表は酸素分圧以外
のスパツタリング条件を示している。
【表】
【表】
実施例 2
実施例1と異なるマグネトロンスパツタリング
装置によつてスパツタリング条件を実施例1ち同
じくして成膜したFe薄膜のX線回折パターンの
成膜室に導入した酸素ガス分圧に対する変化を第
3図に示す。このときの薄膜中酸素含有率を第3
表に示す。(100)面配向性と成膜室に導入した酸
素分圧の関係を第4図に示す。配向性は(200)
面回折ピーク強度を(110)面回折ピーク強度で
割つた値で評価している。
装置によつてスパツタリング条件を実施例1ち同
じくして成膜したFe薄膜のX線回折パターンの
成膜室に導入した酸素ガス分圧に対する変化を第
3図に示す。このときの薄膜中酸素含有率を第3
表に示す。(100)面配向性と成膜室に導入した酸
素分圧の関係を第4図に示す。配向性は(200)
面回折ピーク強度を(110)面回折ピーク強度で
割つた値で評価している。
【表】
実施例 3
膜中酸素含有率に対するFe薄膜のX線回折パ
ターンの変化を第5図から第8図に示す。 各々の成膜室導入酸素分圧と酸素含有率の関係
を第4表に示す。
ターンの変化を第5図から第8図に示す。 各々の成膜室導入酸素分圧と酸素含有率の関係
を第4表に示す。
【表】
導入酸素分圧以外のスパツタリング条件を第5
表に示す。
表に示す。
【表】
酸素含有率に対するFe薄膜の(100)面配向性
の関係を第9図に示す。ただし、図中Aで示され
た点の試料における導入酸素分圧は、4.5×
10-5Torrであり、他のスパツタリング条件は、
上記のものと同様である。 酸素含有率に対するFe薄膜の飽和磁化および
保磁力の関係を第10図に示す。 実施例 4 強い(100)面配向性を持つた下地膜を800Å成
膜し、その上にエピタキシヤル成長した純Fe膜
のX線回折パターンを第11図に示す。 スパツタリング条件を第6表に示す。
の関係を第9図に示す。ただし、図中Aで示され
た点の試料における導入酸素分圧は、4.5×
10-5Torrであり、他のスパツタリング条件は、
上記のものと同様である。 酸素含有率に対するFe薄膜の飽和磁化および
保磁力の関係を第10図に示す。 実施例 4 強い(100)面配向性を持つた下地膜を800Å成
膜し、その上にエピタキシヤル成長した純Fe膜
のX線回折パターンを第11図に示す。 スパツタリング条件を第6表に示す。
【表】
比較例として、下地膜をつけずに成膜した純
Fe薄膜のX線回折パターンを第12図に示す。
膜厚は、4000Åである。他のスパツタリング条件
は、上記エピタキシヤル成長膜のものと同一。 実施例 5 強い(100)面配向性を持つた下地膜を100Å成
膜し、その上にエピタキシヤル成長した純Fe膜
のX線回折パターンを第13図に示す。 スパツタリング条件を第7表に示す。
Fe薄膜のX線回折パターンを第12図に示す。
膜厚は、4000Åである。他のスパツタリング条件
は、上記エピタキシヤル成長膜のものと同一。 実施例 5 強い(100)面配向性を持つた下地膜を100Å成
膜し、その上にエピタキシヤル成長した純Fe膜
のX線回折パターンを第13図に示す。 スパツタリング条件を第7表に示す。
【表】
【表】
[発明の効果]
本発明によつて開示されたFe薄膜およびその
製造方法によつて、Fe薄膜の磁気特性を劣化さ
せることなくその配向性において(110)面配向
と(100)面配向との含有比率を任意に変化せる
ことが可能となつた。このことを利用することに
よつて磁気ヘツド、磁気記録媒体の製造にとつて
有用な、磁歪の制御、Fe基準安定化合物の製造
等が容易に行うことが可能となる。
製造方法によつて、Fe薄膜の磁気特性を劣化さ
せることなくその配向性において(110)面配向
と(100)面配向との含有比率を任意に変化せる
ことが可能となつた。このことを利用することに
よつて磁気ヘツド、磁気記録媒体の製造にとつて
有用な、磁歪の制御、Fe基準安定化合物の製造
等が容易に行うことが可能となる。
第1図は成膜室導入酸素分圧に対するFe薄膜
のX線回折パターンの変化を示す図、第2図は成
膜室導入酸素分圧に対するFe薄膜の配向性の変
化を示す線図、第3図は成膜室導入酸素分圧に対
するFe薄膜のX線回折パターンの変化を示す図、
第4図は成膜室導入酸素分圧に対するFe薄膜の
配向性の変化を示す線図、第5図はFe薄膜のX
線回折パターンを示す図、第6図はFe薄膜のX
線回折パターンを示す図、第7図はFe薄膜のX
線回折パターンを示す図、第8図はFe薄膜のX
線回折パターンを示す図、第9図は酸素含有率に
対するFe薄膜の(100)面配向性の関係を示す線
図、第10図は酸素含有率に対するFe薄膜の飽
和磁化および保磁力の関係を示す線図、第11図
はFe薄膜のX線回折パターンを示す図、第12
図はFe薄膜のX線回折パターンを示す図、第1
3図はFe薄膜のX線回折パターンを示す図であ
る。
のX線回折パターンの変化を示す図、第2図は成
膜室導入酸素分圧に対するFe薄膜の配向性の変
化を示す線図、第3図は成膜室導入酸素分圧に対
するFe薄膜のX線回折パターンの変化を示す図、
第4図は成膜室導入酸素分圧に対するFe薄膜の
配向性の変化を示す線図、第5図はFe薄膜のX
線回折パターンを示す図、第6図はFe薄膜のX
線回折パターンを示す図、第7図はFe薄膜のX
線回折パターンを示す図、第8図はFe薄膜のX
線回折パターンを示す図、第9図は酸素含有率に
対するFe薄膜の(100)面配向性の関係を示す線
図、第10図は酸素含有率に対するFe薄膜の飽
和磁化および保磁力の関係を示す線図、第11図
はFe薄膜のX線回折パターンを示す図、第12
図はFe薄膜のX線回折パターンを示す図、第1
3図はFe薄膜のX線回折パターンを示す図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 酸素含有量xが0<x≦20(at.%)であるFe
薄膜であつて、結晶面が(100)面と(110)面が
薄膜面に平行に配向しかつ、前記(100)面と
(110)面の含有比率が任意の値を持つことを特徴
とするFe薄膜。 2 基板面から100Å以上が請求項1記載の
(100)面配向性を持つたFe薄膜から構成され、
その上部が、エピタキシヤル成長させたFe薄膜
で構成されることを特徴とするFe薄膜。 3 スパツタリング法によりFe薄膜を製造する
方法において、3×10-4Torrから5×10-3Torr
のAr雰囲気中で、Fe薄膜中に含有される酸素量
xが0<x≦20(at.%)となるように、成膜室に
酸素ガスを導入し、基板温度を室温から300℃の
間で成膜を行うことを特徴とするFe薄膜を製造
する方法。 4 スパツタリング法によりFe薄膜を製造する
方法において、基板面から100Å以上の厚さを、
請求項3記載の方法で成膜室に酸素ガスを導入し
て成膜し(100)面配向性を持つたFe薄膜とし、
その後、酸素ガスの導入を中止し、Fe薄膜をそ
の上に重ねてエピタキシヤル成長させることを特
徴とするFe薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7671289A JPH02255596A (ja) | 1989-03-30 | 1989-03-30 | Fe薄膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7671289A JPH02255596A (ja) | 1989-03-30 | 1989-03-30 | Fe薄膜およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02255596A JPH02255596A (ja) | 1990-10-16 |
| JPH0557238B2 true JPH0557238B2 (ja) | 1993-08-23 |
Family
ID=13613157
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7671289A Granted JPH02255596A (ja) | 1989-03-30 | 1989-03-30 | Fe薄膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH02255596A (ja) |
-
1989
- 1989-03-30 JP JP7671289A patent/JPH02255596A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02255596A (ja) | 1990-10-16 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080823 Year of fee payment: 15 |
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