JPH0558739A - 窒化ケイ素系焼結体およびその製造法 - Google Patents
窒化ケイ素系焼結体およびその製造法Info
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- JPH0558739A JPH0558739A JP3131589A JP13158991A JPH0558739A JP H0558739 A JPH0558739 A JP H0558739A JP 3131589 A JP3131589 A JP 3131589A JP 13158991 A JP13158991 A JP 13158991A JP H0558739 A JPH0558739 A JP H0558739A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は特に常温において優れた機械的強度
を有し、生産性、コスト面において有利に窒化ケイ素系
焼結体を提供する。 【構成】 Si3N4−第1助剤(Y2O3+MgO)−第
2助剤(Al2O3、AlNの1種又は2種)の組成範囲
が図1のABCDの範囲にあり、焼結体の結晶相にα’
−サイアロン(α−Si3N4を含む)とβ’−サイアロ
ン(β−Si3N4)の双方を含み、相対密度が98%以
上のもの並びにその製法として、上気原料の圧粉体を1
500〜1700℃、1.1気圧以下のN2ガス中で相
対密度が96%以上になるように1次焼結した後、15
00〜1700℃、10気圧以上のN2ガス中で相対密
度が98%以上になるように2次焼結する。
を有し、生産性、コスト面において有利に窒化ケイ素系
焼結体を提供する。 【構成】 Si3N4−第1助剤(Y2O3+MgO)−第
2助剤(Al2O3、AlNの1種又は2種)の組成範囲
が図1のABCDの範囲にあり、焼結体の結晶相にα’
−サイアロン(α−Si3N4を含む)とβ’−サイアロ
ン(β−Si3N4)の双方を含み、相対密度が98%以
上のもの並びにその製法として、上気原料の圧粉体を1
500〜1700℃、1.1気圧以下のN2ガス中で相
対密度が96%以上になるように1次焼結した後、15
00〜1700℃、10気圧以上のN2ガス中で相対密
度が98%以上になるように2次焼結する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はとくに常温において優れ
た機械的強度を有し、生産性、コスト面において優れた
窒化ケイ素系焼結体およびその製造法に関する。
た機械的強度を有し、生産性、コスト面において優れた
窒化ケイ素系焼結体およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、窒化ケイ素系材料の強度向上を目
的として、焼結方法、焼結助剤、含有結晶相の限定など
様々な研究開発が行われてきた。たとえば、焼結法に関
しては、ホットプレス焼結法では、Am.Ceram.
Soc.Bull.,52(1973)pp560で〜
100kg/mm2(曲げ強度)が実現されており、ま
たガラスカプセルによる熱間静水圧プレス法(HIP
法)等も開発されている。こうした手法では焼結体の強
度特性の面では優れた特性が得られているものの、生産
性、コストの面で優れた手法とは言えない。一方、こう
した問題に対して、ガス圧焼結法(例えば、三友、粉体
と工業、12巻、12号、pp27、1989)がある
が、本方法では最終の焼結体の緻密化をβ−Si3N4結
晶の粒成長に伴なうため、粗大結晶粒の析出による強度
劣化をまねく可能性が高いことに加え、一般には、10
気圧以上のN2ガス圧をかけ焼結を実施するため、ホッ
トプレス法やHIP法と同様に焼結設備が大型となり、
特性面、生産面で十分優れた手法とは言えない。他方、
焼結助剤に関しては、主たる助剤としてY2O3を用いた
Si3N4−Al2O3−Y2O3系の窒化ケイ素系焼結体が
特公昭49−21091号、特公昭48−38448号
に開示されている。これらは、該特許明細書中に示され
ているように、β−Si3N4結晶粒が焼結体中で繊維状
組織を形成し、これがマトリックス中に分散することか
ら強度、靭性を向上しうるものと考えられている。すな
わちこれは、β−Si3N4結晶形が六方晶でありC軸方
向に結晶が異方性成長をすることを積極的に利用したも
のであり、とくに特公昭48−38448号や窯業協会
誌、94巻、pp96、1986に示されるように、繊
維状のβ−Si3N4結晶粒がC軸方向に10数μm以上
に成長している場合がある。しかしながら、本技術にお
いては、やはりこの粒成長が異常成長や気孔の発生をま
ねき、強度劣化をまねく可能性があり、また本方法での
焼結助剤だけを用いた焼結体では、焼結温度を1700
〜1900℃に上昇させなければ、緻密化が十分図れ
ず、大気圧付近のN2ガス圧焼結では、窒化ケイ素の昇
華分解が生じ、安定した焼結体を得られない場合があ
る。このため同じく、焼結体特性と生産性両面で十分優
れているとは言えない。一方、以上で述べてきた手法で
は、いずれも得られる焼結体の強度が、例えばJIS−
R1601に準拠した3点曲げ強度でせいぜい100k
g/mm2前後であり、様々な窒化ケイ素系材料の応用
を考えた場合、必ずしも十分な特性が得られていない。
的として、焼結方法、焼結助剤、含有結晶相の限定など
様々な研究開発が行われてきた。たとえば、焼結法に関
しては、ホットプレス焼結法では、Am.Ceram.
Soc.Bull.,52(1973)pp560で〜
100kg/mm2(曲げ強度)が実現されており、ま
たガラスカプセルによる熱間静水圧プレス法(HIP
法)等も開発されている。こうした手法では焼結体の強
度特性の面では優れた特性が得られているものの、生産
性、コストの面で優れた手法とは言えない。一方、こう
した問題に対して、ガス圧焼結法(例えば、三友、粉体
と工業、12巻、12号、pp27、1989)がある
が、本方法では最終の焼結体の緻密化をβ−Si3N4結
晶の粒成長に伴なうため、粗大結晶粒の析出による強度
劣化をまねく可能性が高いことに加え、一般には、10
気圧以上のN2ガス圧をかけ焼結を実施するため、ホッ
トプレス法やHIP法と同様に焼結設備が大型となり、
特性面、生産面で十分優れた手法とは言えない。他方、
焼結助剤に関しては、主たる助剤としてY2O3を用いた
Si3N4−Al2O3−Y2O3系の窒化ケイ素系焼結体が
特公昭49−21091号、特公昭48−38448号
に開示されている。これらは、該特許明細書中に示され
ているように、β−Si3N4結晶粒が焼結体中で繊維状
組織を形成し、これがマトリックス中に分散することか
ら強度、靭性を向上しうるものと考えられている。すな
わちこれは、β−Si3N4結晶形が六方晶でありC軸方
向に結晶が異方性成長をすることを積極的に利用したも
のであり、とくに特公昭48−38448号や窯業協会
誌、94巻、pp96、1986に示されるように、繊
維状のβ−Si3N4結晶粒がC軸方向に10数μm以上
に成長している場合がある。しかしながら、本技術にお
いては、やはりこの粒成長が異常成長や気孔の発生をま
ねき、強度劣化をまねく可能性があり、また本方法での
焼結助剤だけを用いた焼結体では、焼結温度を1700
〜1900℃に上昇させなければ、緻密化が十分図れ
ず、大気圧付近のN2ガス圧焼結では、窒化ケイ素の昇
華分解が生じ、安定した焼結体を得られない場合があ
る。このため同じく、焼結体特性と生産性両面で十分優
れているとは言えない。一方、以上で述べてきた手法で
は、いずれも得られる焼結体の強度が、例えばJIS−
R1601に準拠した3点曲げ強度でせいぜい100k
g/mm2前後であり、様々な窒化ケイ素系材料の応用
を考えた場合、必ずしも十分な特性が得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうした従来技術にお
ける生産性と焼結体の機械的特性の両立を満足させる手
法を提供するのが本発明の課題である。
ける生産性と焼結体の機械的特性の両立を満足させる手
法を提供するのが本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、Si3N4−第
1助剤−第2助剤の3元組成図において、第1助剤がY
2O3及びMgOの2種よりなる組合せからなり、一方第
2助剤がAlNの1種または2種より選ばれた組合せよ
りなり、その組成の範囲が図1に示される範囲、すなわ
ちSi3N4と第1助剤の添加組成比がモル%で85:1
5から95:5の範囲であり、かつSi3N4と第2助剤
の添加組成比がモル%で90:10から98:2の範囲
で示される図1中の点A、B、C、Dで囲まれる範囲に
あり、得られた焼結体中の結晶相にα´−サイアロン
(α−Si3N4を含む)とβ´−サイアロン(β−Si
3N4を含む)の双方を含み、その焼結体の相対密度が9
8%以上であることを特徴とする窒化ケイ素系焼結体で
ある。
1助剤−第2助剤の3元組成図において、第1助剤がY
2O3及びMgOの2種よりなる組合せからなり、一方第
2助剤がAlNの1種または2種より選ばれた組合せよ
りなり、その組成の範囲が図1に示される範囲、すなわ
ちSi3N4と第1助剤の添加組成比がモル%で85:1
5から95:5の範囲であり、かつSi3N4と第2助剤
の添加組成比がモル%で90:10から98:2の範囲
で示される図1中の点A、B、C、Dで囲まれる範囲に
あり、得られた焼結体中の結晶相にα´−サイアロン
(α−Si3N4を含む)とβ´−サイアロン(β−Si
3N4を含む)の双方を含み、その焼結体の相対密度が9
8%以上であることを特徴とする窒化ケイ素系焼結体で
ある。
【0005】本発明では、かかる焼結体が、JISR−
1601に準拠した3点曲げ強度が容易に100kg/
mm2以上の特性を有する知見を得たものである。
1601に準拠した3点曲げ強度が容易に100kg/
mm2以上の特性を有する知見を得たものである。
【0006】又、本発明はα率93%以上、平均粒径が
0.7μm以下の窒化ケイ素原料粉末を用い、これに図
1に示される組成範囲となる助剤を混合してなる混合粉
末より圧粉体を形成し、これを1500〜1700℃、
1.1気圧以下のN2ガス雰囲気中で焼結体相対密度が
96%以上になるよう1次焼結をおこなった後、150
0〜1700℃、10気圧以上のN2ガス雰囲気中で焼
結体相対密度が99%以上になるよう2次焼結をおこな
うことを特徴とする窒化ケイ素系焼結体の製造法であ
る。この製造法は、生産性にも十分優れた焼結体を得る
手法であると同時に、その焼結温度が低いため異常粒成
長に伴う焼結体の特性劣化を生じることもない。本発明
の焼結体が優れた強度特性を得る効果は、微粒で等軸晶
のα´−サイアロン(α−Si3N4を含む)と柱状化し
たβ´−サイアロン(β−Si3N4を含む)の両方の結
晶相を複合させることにより、従来の柱状化したβ´−
サイアロン(β−Si3N4を含む)結晶相のみで構成さ
れた焼結体に比較し、ヤング率、硬度が向上する。これ
は材料の変形抵抗を示す物性値でありセラミック材料の
ような脆性材料では、この値を向上させることが広義で
は材料の強度向上につながるためである。さらにの脆性
材料の破壊の基本概念であるGriffithの理論に
従えば、焼結体の破壊強度σfは次式で与えられる。
0.7μm以下の窒化ケイ素原料粉末を用い、これに図
1に示される組成範囲となる助剤を混合してなる混合粉
末より圧粉体を形成し、これを1500〜1700℃、
1.1気圧以下のN2ガス雰囲気中で焼結体相対密度が
96%以上になるよう1次焼結をおこなった後、150
0〜1700℃、10気圧以上のN2ガス雰囲気中で焼
結体相対密度が99%以上になるよう2次焼結をおこな
うことを特徴とする窒化ケイ素系焼結体の製造法であ
る。この製造法は、生産性にも十分優れた焼結体を得る
手法であると同時に、その焼結温度が低いため異常粒成
長に伴う焼結体の特性劣化を生じることもない。本発明
の焼結体が優れた強度特性を得る効果は、微粒で等軸晶
のα´−サイアロン(α−Si3N4を含む)と柱状化し
たβ´−サイアロン(β−Si3N4を含む)の両方の結
晶相を複合させることにより、従来の柱状化したβ´−
サイアロン(β−Si3N4を含む)結晶相のみで構成さ
れた焼結体に比較し、ヤング率、硬度が向上する。これ
は材料の変形抵抗を示す物性値でありセラミック材料の
ような脆性材料では、この値を向上させることが広義で
は材料の強度向上につながるためである。さらにの脆性
材料の破壊の基本概念であるGriffithの理論に
従えば、焼結体の破壊強度σfは次式で与えられる。
【0007】σf=E・γs/4a、E;ヤング率、γ
s;破壊の表面エネルギー、a;先在亀裂長さここでγ
sは粒界相の組成と厚みに依存すると考えられるため、
とくに厚みの点で結晶粒の存在密度を向上させる結晶相
の複合化は有利である。また本式に従えば、破壊強度を
向上させるためにはEの増大とaの減少が重要である。
aの値は工程上不可避な欠陥寸法を排除すれば、結晶粒
径に依存するため、微細結晶粒で充填性を向上させた本
発明はE、γsの点で強度向上に有効である。こうした
α´−サイアロン(α−Si3N4を含む)と柱状化した
β´−サイアロン(β−Si3N4を含む)の両方の結晶
相を複合させる考え方は、例えば特開昭61−9106
5号や特開平2−44066号に開示されているが、い
ずれも組成的にはSi3N4−AlN−MO(M;Mg
O、Y2O3、CaO等)の3成分系が主であり、その範
囲もAlNとMOの添加比がモル%で1:9の限定され
た範囲で強度等の機械的特性の向上を示したものであ
り、またその実施例でも明らかなように各焼結体の強度
特性が曲げ強度で100kg/mm2を安定して越える
焼結体製法はいずれもホットプレス法によるものであ
り、工業的に安定して高い強度特性を得るまでに至って
いない。本発明はこうした条件の限定がなく工業的に安
定して高強度な焼結体を提供することにある。
s;破壊の表面エネルギー、a;先在亀裂長さここでγ
sは粒界相の組成と厚みに依存すると考えられるため、
とくに厚みの点で結晶粒の存在密度を向上させる結晶相
の複合化は有利である。また本式に従えば、破壊強度を
向上させるためにはEの増大とaの減少が重要である。
aの値は工程上不可避な欠陥寸法を排除すれば、結晶粒
径に依存するため、微細結晶粒で充填性を向上させた本
発明はE、γsの点で強度向上に有効である。こうした
α´−サイアロン(α−Si3N4を含む)と柱状化した
β´−サイアロン(β−Si3N4を含む)の両方の結晶
相を複合させる考え方は、例えば特開昭61−9106
5号や特開平2−44066号に開示されているが、い
ずれも組成的にはSi3N4−AlN−MO(M;Mg
O、Y2O3、CaO等)の3成分系が主であり、その範
囲もAlNとMOの添加比がモル%で1:9の限定され
た範囲で強度等の機械的特性の向上を示したものであ
り、またその実施例でも明らかなように各焼結体の強度
特性が曲げ強度で100kg/mm2を安定して越える
焼結体製法はいずれもホットプレス法によるものであ
り、工業的に安定して高い強度特性を得るまでに至って
いない。本発明はこうした条件の限定がなく工業的に安
定して高強度な焼結体を提供することにある。
【0008】本発明の詳細な作用の説明をすると、組成
の範囲が図1に示される範囲、すなわちSi3N4と第1
助剤の添加組成比がモル%で85:15から95:5の
範囲であり、かつSi3N4と第2助剤の添加組成比がモ
ル%で90:10から98:2の範囲で示される図1中
の点A、B、C、Dで囲まれる範囲とするのは、Si3
N4と第1助剤の添加組成比がモル%で85:15より
第1助剤側へずれるとα´−サイアロン(α−Si3N4
を含む)の含有量が高く、焼結体強度の劣化をまねく原
因になるとともに、焼結中の雰囲気の影響を受け、焼結
体表面に強度等の特性を劣化させる表面層を生成するた
めである。また同組成比が95:5よりSi3N4側へず
れると焼結性が低下しホットプレス法等の加圧焼結法を
用いなければ十分緻密な焼結体を得ることができないた
めである。一方Si3N4と第2助剤の添加組成比がモル
%で90:10を越えて第2助剤側へずれるとβ´−サ
イアロン(β−Si3N4を含む)の粗大結晶が選択的に
生成するため強度劣化をまねくとともに、やはり焼結中
の雰囲気の影響を受け、焼結体表面に強度等の特性を劣
化させる表面層を生成するためである。また同組成比が
98:2よりSi3N4側へずれると焼結性が低下しホッ
トプレス法等の加圧焼結法を用いなければ、十分緻密な
焼結体を得ることができないためである。さらに本発明
の効果を顕著にするためには、焼結体中のα´−サイア
ロン(α−Si3N4を含む)とβ´−サイアロン(β−
Si3N4を含む)の結晶相の析出比がX線回折のピーク
強度比で、5:95から30:70の範囲に析出させる
ことが好ましい。この析出比が5:95を越えて低α´
−サイアロン(α−Si3N4を含む)側へずれると結晶
相の複合化の効果が十分現れず強度向上の効果が十分で
はない。また析出比が30:70を越えて高α´−サイ
アロン(α−Si3N4を含む)側へずれるとβ´−サイ
アロン(β−Si3N4を含む)の柱状晶組織の効果が減
少しやはり結晶相の複合化の効果が十分現れず強度向上
の効果が十分ではない。
の範囲が図1に示される範囲、すなわちSi3N4と第1
助剤の添加組成比がモル%で85:15から95:5の
範囲であり、かつSi3N4と第2助剤の添加組成比がモ
ル%で90:10から98:2の範囲で示される図1中
の点A、B、C、Dで囲まれる範囲とするのは、Si3
N4と第1助剤の添加組成比がモル%で85:15より
第1助剤側へずれるとα´−サイアロン(α−Si3N4
を含む)の含有量が高く、焼結体強度の劣化をまねく原
因になるとともに、焼結中の雰囲気の影響を受け、焼結
体表面に強度等の特性を劣化させる表面層を生成するた
めである。また同組成比が95:5よりSi3N4側へず
れると焼結性が低下しホットプレス法等の加圧焼結法を
用いなければ十分緻密な焼結体を得ることができないた
めである。一方Si3N4と第2助剤の添加組成比がモル
%で90:10を越えて第2助剤側へずれるとβ´−サ
イアロン(β−Si3N4を含む)の粗大結晶が選択的に
生成するため強度劣化をまねくとともに、やはり焼結中
の雰囲気の影響を受け、焼結体表面に強度等の特性を劣
化させる表面層を生成するためである。また同組成比が
98:2よりSi3N4側へずれると焼結性が低下しホッ
トプレス法等の加圧焼結法を用いなければ、十分緻密な
焼結体を得ることができないためである。さらに本発明
の効果を顕著にするためには、焼結体中のα´−サイア
ロン(α−Si3N4を含む)とβ´−サイアロン(β−
Si3N4を含む)の結晶相の析出比がX線回折のピーク
強度比で、5:95から30:70の範囲に析出させる
ことが好ましい。この析出比が5:95を越えて低α´
−サイアロン(α−Si3N4を含む)側へずれると結晶
相の複合化の効果が十分現れず強度向上の効果が十分で
はない。また析出比が30:70を越えて高α´−サイ
アロン(α−Si3N4を含む)側へずれるとβ´−サイ
アロン(β−Si3N4を含む)の柱状晶組織の効果が減
少しやはり結晶相の複合化の効果が十分現れず強度向上
の効果が十分ではない。
【0009】また本発明の効果はその焼結体の製法条件
も重要である。すなわちα率93%以上、平均粒径が
0.7μm以下の窒化ケイ素原料粉末を用い、図1に示
される組成範囲の助剤となる混合粉末よりなる圧粉体を
1500〜1700℃、1.1気圧以下のN2ガス雰囲
気中で焼結体相対密度が96%以上になるよう1次焼結
をおこなった後、1500〜1700℃、10気圧以上
のN2ガス雰囲気中で焼結体相対密度が99%以上にな
るよう2次焼結をおこなうことがよい。ここで窒化ケイ
素原料としてα率93%以上、平均粒径が0.7μm以
下の窒化ケイ素原料粉末を必要とする理由は低温域での
焼結性を向上させるためである。また本発明の組成の範
囲を選択することにより、焼結条件は1次焼結が150
0〜1700℃、1.1気圧以下のN2ガス雰囲気中の
低温域で可能となった。このため結晶粒の複合化がより
微細な結晶粒により構成され、その効果を顕著にすると
ともに、1次焼結がプッシャー式あるいはベルト式等の
開放型連続焼結炉により、同時に生産性の優れた焼結が
可能となる。この詳細な説明を加えると、一般に強度特
性に優れた窒化ケイ素系材料の焼結法としては、いわゆ
るバッチ式焼結炉によるガス圧焼結が主であるが、この
方式では炉内の温度分布のばらつきやロット間の条件ば
らつき等が必ず生じるために、量産部品等の用途のセラ
ミック材料を安定して供給する製法としては十分とは言
えない。また窒化ケイ素は大気圧のN2雰囲気下では1
700℃以上の温度域で昇華分解するため、加圧N2雰
囲気下で焼結する必要があり、設備面でバッチ式焼結炉
を用いていた。この点からも本発明はその生産性を同時
に向上させた点で工業的に重要である。ここで焼結温度
を1500〜1700℃としたのは、上述した理由の他
に1500℃未満では焼結体の緻密化が十分図れず、1
700℃を超えると結晶粒の粗大化が顕著になり強度特
性の劣化やばらつきの原因となる。また1次焼結体の相
対密度を96%以上に焼結するのは、2次焼結において
焼結体の緻密化を十分達成するためである。一方2次焼
結条件の焼結温度を1500〜1700℃としたのは、
やはり1500℃未満では焼結体の緻密化が十分図れ
ず、1700℃を超えると焼結粒の粗大化が顕著になり
強度特性の劣化やばらつきの原因となるためである。と
くに2次焼結温度に関しては、1次焼結温度以下が前述
の点で好ましい。また2次焼結を10気圧未満のN2雰
囲気下で行うと最終の焼結体が十分に緻密化しないため
10気圧以上が好ましい。一方得られた焼結体の相対密
度が99%未満であると、強度特性にばらつきが生じる
ため好ましくない。また上述した条件は、窒化ケイ素原
料粉末の製法がイミド分解法によるものであり、得られ
た焼結体中のα’−サイアロン(α−Si3N4を含む)
結晶粒の平均粒径が0.5μm以下及び、β’−サイア
ロン(β−Si3N4を含む)結晶粒の平均粒径が5μm
以下であると、さらに焼結体の強度特性を向上させるの
に好ましい。イミド分解法により得られた窒化ケイ素原
料粉末はα率が高く、結晶粒径の粒度分布も狭いため、
本発明の組成、焼結法の組合せにより、結晶相の複合化
の効果が顕著に現れる。すなわちα’−サイアロン(α
−Si3N4を含む)結晶粒の平均粒径が0.5μm以下
及び、β’−サイアロン(β−Si3N4を含む)結晶粒
の平均粒径が5μm以下と非常に微細な形態で両結晶相
が複合されるためである。この範囲で結晶粒が複合され
た焼結体の強度は、その曲げ強度が100kg/mm2
を容易に越えるばかりでなく、そのばらつきもきわめて
少ないためである。以上により本発明の焼結体が強度特
性、生産性、コストに優れたものであることが明らかと
なった。
も重要である。すなわちα率93%以上、平均粒径が
0.7μm以下の窒化ケイ素原料粉末を用い、図1に示
される組成範囲の助剤となる混合粉末よりなる圧粉体を
1500〜1700℃、1.1気圧以下のN2ガス雰囲
気中で焼結体相対密度が96%以上になるよう1次焼結
をおこなった後、1500〜1700℃、10気圧以上
のN2ガス雰囲気中で焼結体相対密度が99%以上にな
るよう2次焼結をおこなうことがよい。ここで窒化ケイ
素原料としてα率93%以上、平均粒径が0.7μm以
下の窒化ケイ素原料粉末を必要とする理由は低温域での
焼結性を向上させるためである。また本発明の組成の範
囲を選択することにより、焼結条件は1次焼結が150
0〜1700℃、1.1気圧以下のN2ガス雰囲気中の
低温域で可能となった。このため結晶粒の複合化がより
微細な結晶粒により構成され、その効果を顕著にすると
ともに、1次焼結がプッシャー式あるいはベルト式等の
開放型連続焼結炉により、同時に生産性の優れた焼結が
可能となる。この詳細な説明を加えると、一般に強度特
性に優れた窒化ケイ素系材料の焼結法としては、いわゆ
るバッチ式焼結炉によるガス圧焼結が主であるが、この
方式では炉内の温度分布のばらつきやロット間の条件ば
らつき等が必ず生じるために、量産部品等の用途のセラ
ミック材料を安定して供給する製法としては十分とは言
えない。また窒化ケイ素は大気圧のN2雰囲気下では1
700℃以上の温度域で昇華分解するため、加圧N2雰
囲気下で焼結する必要があり、設備面でバッチ式焼結炉
を用いていた。この点からも本発明はその生産性を同時
に向上させた点で工業的に重要である。ここで焼結温度
を1500〜1700℃としたのは、上述した理由の他
に1500℃未満では焼結体の緻密化が十分図れず、1
700℃を超えると結晶粒の粗大化が顕著になり強度特
性の劣化やばらつきの原因となる。また1次焼結体の相
対密度を96%以上に焼結するのは、2次焼結において
焼結体の緻密化を十分達成するためである。一方2次焼
結条件の焼結温度を1500〜1700℃としたのは、
やはり1500℃未満では焼結体の緻密化が十分図れ
ず、1700℃を超えると焼結粒の粗大化が顕著になり
強度特性の劣化やばらつきの原因となるためである。と
くに2次焼結温度に関しては、1次焼結温度以下が前述
の点で好ましい。また2次焼結を10気圧未満のN2雰
囲気下で行うと最終の焼結体が十分に緻密化しないため
10気圧以上が好ましい。一方得られた焼結体の相対密
度が99%未満であると、強度特性にばらつきが生じる
ため好ましくない。また上述した条件は、窒化ケイ素原
料粉末の製法がイミド分解法によるものであり、得られ
た焼結体中のα’−サイアロン(α−Si3N4を含む)
結晶粒の平均粒径が0.5μm以下及び、β’−サイア
ロン(β−Si3N4を含む)結晶粒の平均粒径が5μm
以下であると、さらに焼結体の強度特性を向上させるの
に好ましい。イミド分解法により得られた窒化ケイ素原
料粉末はα率が高く、結晶粒径の粒度分布も狭いため、
本発明の組成、焼結法の組合せにより、結晶相の複合化
の効果が顕著に現れる。すなわちα’−サイアロン(α
−Si3N4を含む)結晶粒の平均粒径が0.5μm以下
及び、β’−サイアロン(β−Si3N4を含む)結晶粒
の平均粒径が5μm以下と非常に微細な形態で両結晶相
が複合されるためである。この範囲で結晶粒が複合され
た焼結体の強度は、その曲げ強度が100kg/mm2
を容易に越えるばかりでなく、そのばらつきもきわめて
少ないためである。以上により本発明の焼結体が強度特
性、生産性、コストに優れたものであることが明らかと
なった。
【0010】
実施例1 平均粒径0.4μm、α結晶化率96%、酸素量1.4
重量%のイミド分解法を製法とする窒化ケイ素原料粉末
および、平均粒径0.8μm、0.4μm、0.5μm
のY2O3、Al2O3、AlN、MgOの各粉末を表1に
示す組成で、エタノール中、100時間、ナイロン製ボ
ールミルにて湿式混合したのち、乾燥して得られた混合
粉末を3000kg/cm2でCIP成形し、この成形
体をN2ガス1気圧中で1500℃で6時間、1650
℃で3時間1次焼結した。得られた焼結体を1600
℃、1000気圧N2ガス雰囲気中で1時間、2次焼結
した。この焼結体よりJISR1601に準拠した3m
m×4mm×40mm相当の抗折試験片を切り出し、#
800ダイヤモンド砥石により切削加工仕上げした後、
引張面については#3000のダイヤモンドペーストに
よりラッピング仕上げ加工した後、JISR1601に
準拠して3点曲げ強度を15本ずつ実施した。表2中に
は1次焼結体の相対密度、2次焼結体の相対密度、結晶
相の比率と曲げ強度及びワイブル係数を示した。なお、
結晶相の比率に関してはX線回折法により求めた各結晶
相のピーク高さ比より算出した。
重量%のイミド分解法を製法とする窒化ケイ素原料粉末
および、平均粒径0.8μm、0.4μm、0.5μm
のY2O3、Al2O3、AlN、MgOの各粉末を表1に
示す組成で、エタノール中、100時間、ナイロン製ボ
ールミルにて湿式混合したのち、乾燥して得られた混合
粉末を3000kg/cm2でCIP成形し、この成形
体をN2ガス1気圧中で1500℃で6時間、1650
℃で3時間1次焼結した。得られた焼結体を1600
℃、1000気圧N2ガス雰囲気中で1時間、2次焼結
した。この焼結体よりJISR1601に準拠した3m
m×4mm×40mm相当の抗折試験片を切り出し、#
800ダイヤモンド砥石により切削加工仕上げした後、
引張面については#3000のダイヤモンドペーストに
よりラッピング仕上げ加工した後、JISR1601に
準拠して3点曲げ強度を15本ずつ実施した。表2中に
は1次焼結体の相対密度、2次焼結体の相対密度、結晶
相の比率と曲げ強度及びワイブル係数を示した。なお、
結晶相の比率に関してはX線回折法により求めた各結晶
相のピーク高さ比より算出した。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】実施例2 市販の直接窒化法により得られた窒化ケイ素原料粉末
(平均粒径=0.7μm、α結晶化率=93%、酸素量
=1.5重量%)に実施例1と同様の助剤粉末を実施例
1の組成1〜5になるよう、実施例1と同様の手法で混
合、乾燥し成形した。この成形体をN2ガス1気圧中で
1550℃で5時間、1650℃で2時間1次焼結した
後、1600℃、1000気圧N2ガス雰囲気中で1時
間、2次焼結した。この焼結体より実施例1と同様の手
法によりJISR1601に準拠した抗折試験片を加工
し、同様の評価に供試した。この結果を表3に示す。
(平均粒径=0.7μm、α結晶化率=93%、酸素量
=1.5重量%)に実施例1と同様の助剤粉末を実施例
1の組成1〜5になるよう、実施例1と同様の手法で混
合、乾燥し成形した。この成形体をN2ガス1気圧中で
1550℃で5時間、1650℃で2時間1次焼結した
後、1600℃、1000気圧N2ガス雰囲気中で1時
間、2次焼結した。この焼結体より実施例1と同様の手
法によりJISR1601に準拠した抗折試験片を加工
し、同様の評価に供試した。この結果を表3に示す。
【0014】
【表3】
【0015】実施例3 実施例1と同様の原料粉末を、実施例1で示した組成1
〜5について同様の手法で混合、乾燥、成形した。得ら
れた成形体をN2ガス1気圧中で1500℃で6時間、
1650℃で3時間1次焼結した後、連続して1600
℃、80気圧N 2ガス雰囲気中で2時間、2次焼結し
た。得られた焼結体より、実施例1と同様の手法でJI
SR1601に準拠した抗折試験片を切り出し、実施例
1と同様の手法で評価した。この結果を表4に示す。
〜5について同様の手法で混合、乾燥、成形した。得ら
れた成形体をN2ガス1気圧中で1500℃で6時間、
1650℃で3時間1次焼結した後、連続して1600
℃、80気圧N 2ガス雰囲気中で2時間、2次焼結し
た。得られた焼結体より、実施例1と同様の手法でJI
SR1601に準拠した抗折試験片を切り出し、実施例
1と同様の手法で評価した。この結果を表4に示す。
【0016】
【表4】
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、特に常温において優れ
た機械的強度を有する窒化ケイ素系焼結体を、生産性、
コスト面において有利に提供される。
た機械的強度を有する窒化ケイ素系焼結体を、生産性、
コスト面において有利に提供される。
【図1】本発明における組成範囲を示す3元組成図であ
る。
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 雅也 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内
Claims (5)
- 【請求項1】 Si3N4−第1助剤−第2助剤の3元組
成図において、第1助剤がY2O3及びMgOの2種より
なる組合わせからなり、一方第2助剤がAl2O3及びA
lNの1種または2種より選ばれた組合わせよりなり、
その組成の範囲が図1に示される範囲、すなわちSi3
N4と第1助剤の添加組成比がモル%で85:15から
95:5の範囲であり、かつSi3N4と第2助剤の添加
組成比がモル%で90:10から98:2の範囲で示さ
れる図1中の点A、B、C、Dで囲まれる範囲にあり、
得られた焼結体中の結晶相にα´−サイアロン(α−S
i3N4を含む)とβ´−サイアロン(β−Si3N4を含
む)の双方を含み、その焼結体の相対密度が98%以上
であることを特徴とする窒化ケイ素系焼結体。 - 【請求項2】 焼結体中のα´−サイアロン(α−Si
3N4を含む)とβ’−サイアロン(β−Si3N4を含
む)の結晶相の析出比がX線回折のピーク強度比で、
5:95から30:70の範囲にあることを特徴とする
請求項1記載の窒化ケイ素系焼結体。 - 【請求項3】 焼結体中のα´−サイアロン(α−Si
3N4を含む)結晶粒の平均粒径が0.5μm以下及び、
β´−サイアロン(β−Si3N4を含む)結晶粒の平均
粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1又は
2記載の窒化ケイ素系焼結体。 - 【請求項4】 α率93%以上、平均粒径が0.7μm
以下の窒化ケイ素原料粉末を用い、これに図1に示され
る組成範囲となる助剤を混合してなる混合粉末より圧粉
体を形成し、これを1500〜1700℃、1.1気圧
以下のN2ガス雰囲気中で焼結体相対密度が96%以上
になるよう1次焼結をおこなった後、1500〜170
0℃、10気圧以上のN2ガス雰囲気中で焼結体相対密
度が99%以上になるよう2次焼結をおこなうことを特
徴とする窒化ケイ素系焼結体の製造法。 - 【請求項5】窒化ケイ素原料粉末がイミド分解法により
得られるものである請求項4記載の窒化ケイ素系焼結体
の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3131589A JPH0558739A (ja) | 1991-05-08 | 1991-05-08 | 窒化ケイ素系焼結体およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3131589A JPH0558739A (ja) | 1991-05-08 | 1991-05-08 | 窒化ケイ素系焼結体およびその製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0558739A true JPH0558739A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=15061589
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3131589A Pending JPH0558739A (ja) | 1991-05-08 | 1991-05-08 | 窒化ケイ素系焼結体およびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0558739A (ja) |
-
1991
- 1991-05-08 JP JP3131589A patent/JPH0558739A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |