JPH0559331A - 撥水・撥油性コーテイング材およびその製造方法 - Google Patents

撥水・撥油性コーテイング材およびその製造方法

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JPH0559331A
JPH0559331A JP3222630A JP22263091A JPH0559331A JP H0559331 A JPH0559331 A JP H0559331A JP 3222630 A JP3222630 A JP 3222630A JP 22263091 A JP22263091 A JP 22263091A JP H0559331 A JPH0559331 A JP H0559331A
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repellent
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Yusuke Mochizuki
裕介 望月
Tsuneo Shibata
恒雄 柴田
Sanemori Soga
眞守 曽我
Norihisa Mino
規央 美濃
Kazufumi Ogawa
一文 小川
Hidesato Kawanishi
英賢 川西
Atsushi Asaue
淳 麻植
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C2222/00Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
    • C23C2222/20Use of solutions containing silanes

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水や油や食品の汚れの激しい箇所において利
用される耐摩耗性を有する撥水・撥油性コーティング材
に関するものである。 【構成】 耐摩耗性を有する基板5の表面上にシロキサ
ン結合を有する単分子吸着膜6あるいは累積膜を設けて
耐摩耗性を有する撥水・撥油性コーティング材を構成し
た。これにより耐摩耗性を有する基板5と単分子吸着膜
6あるいは累積膜は化学結合しているため、耐摩耗性に
優れた撥水・撥油性コーティング材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジャー炊飯器の内鍋
や、ホットプレート・グリル鍋・フライパン等、調理器
具の中で水や油や食品の汚れの激しい箇所において使用
されている耐摩耗性を有する撥水・撥油性コーティング
材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ジャー炊飯器の内鍋や、ホットプ
レート・グリル鍋・フライパン等の表面は、プライマー
を介してフッ素樹脂を塗装したもの、あるいは基板表面
を粗面化してフッ素樹脂を塗装したもの等、フッ素樹脂
の撥水・撥油性能を生かした表面改質が用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のフッ素コーティング技術は、基板とフッ素樹脂との密
着性が弱く、フッ素塗装面を金属などの硬いもので擦っ
たり、傷つけたりするとフッ素樹脂が剥がれて基板が露
出してしまうという問題点を有していた。また、繰り返
しヒートサイクルをかけることによっても、同じように
フッ素樹脂が剥がれて基板が露出してしまうという問題
点を有していた。この問題点は、一般家庭で使用する場
合、例えば、ジャー炊飯器の内鍋の中でお米を研ぐと米
がフッ素樹脂表面を傷つけ、繰り返し使用している間に
フッ素樹脂塗装が剥がれてしまうという現象や、ホット
プレートに金属ヘラを用いるとフッ素樹脂塗装が剥がれ
てしまうため、現行のものはプラスチック製の物が使用
されていること等に現れている。
【0004】本発明はこのような従来の課題を解決しよ
うとするものであって、耐摩耗性に優れた撥水・撥油性
コーティング材を提供することを第一の目的としてい
る。
【0005】また前記第一の目的を一層確実に達成する
第二・第三の手段を提供することを第二・第三の目的と
している。
【0006】また、簡単にかつ均一に耐摩耗性を有する
撥水・撥油性コーティング材を製造する方法を提供する
ことを第四の目的としている。
【0007】また前記第四の目的を一層確実に達成する
方法を提供することを第五・第六の目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】第一の目的を達成するた
めの本発明の第一の手段は、耐摩耗性を有する基板表面
上に、シロキサン結合を有する単分子吸着膜あるいは累
積膜を設けた撥水・撥油性コーティング材とするもので
ある。
【0009】第二の目的を達成するための本発明の第二
の手段は、前記本発明の第一の手段の構成において、単
分子吸着膜をパーフルオロアルキル基を有するクロロシ
ラン系界面活性剤とした撥水・撥油性コーティング材と
するものである。
【0010】第三の目的を達成する本発明の第三の手段
は、前記本発明の第一の手段の構成において、累積膜を
テトラクロロシランもしくはトリクロロシランとパーフ
ルオロアルキル基を有するクロロシラン系界面活性剤と
した撥水・撥油性コーティング材とするものである。
【0011】第四の目的を達成する本発明の第四の手段
は、非水系の有機溶媒に耐摩耗性を有する基板を浸漬し
て、前記基板の表面にクロロシラン系界面活性剤を化学
吸着させ、シロキサン結合を有する単分子吸着膜あるい
は累積膜を形成させる撥水・撥油性コーティング材の製
造方法とするものである。
【0012】第五の目的を達成する本発明の第五の手段
は、前記本発明の第四の手段構成において、非水系の有
機溶媒に塩基性化合物を含有させた撥水・撥油性コーテ
ィング材の製造方法とするものである。
【0013】また第六の目的を達成する本発明の第六の
手段は、前記本発明の第四の手段構成において、シロキ
サン結合を有する単分子吸着膜あるいは累積膜を形成さ
せる工程において、超音波を用いて化学吸着の促進をさ
せる撥水・撥油性コーティング材の製造方法とするもの
である。
【0014】
【作用】本発明の第一の手段によれば、耐摩耗性を有す
る基板表面上に単分子吸着膜あるいは累積膜が高密度に
形成されるため、耐摩耗性に優れた撥水・撥油性コーテ
ィング材が得られる。
【0015】本発明の第二の手段によれば、基板表面上
の単分子吸着膜がパーフルオロアルキル基を有するクロ
ロシラン系界面活性剤からなるため、パーフルオロアル
キル基が分子レベルで耐摩耗性を有する基板表面上に並
び、単分子吸着膜が一層高密度に形成される。このため
前記本発明の第一の手段によるよりも、一層撥水・撥油
性の優れたコーティング材が得られる。
【0016】本発明の第三の手段よれば、累積膜がテト
ラクロロシランもしくはトリクロロシランとパーフルオ
ロアルキル基を有するクロロシラン系界面活性剤からな
るため、パーフルオロアルキル基の密度がさらに高ま
り、より撥水・撥油性の優れた耐摩耗性を有するコーテ
ィング材が得られる。
【0017】また本発明の第四の手段によれば、耐摩耗
性を有する基板と、単分子吸着膜あるいは累積膜は化学
吸着している。このためフッ素樹脂を塗装した物に比
べ、耐熱性・耐摩耗性に優れた撥水・撥油性コーティン
グ材が得られる。またフッ素樹脂を塗装する場合、加熱
及び焼成工程が不要で、浸漬工程のみで均一な性質の耐
摩耗性を有する撥水・撥油性コーティング材が作成され
る。
【0018】また本発明の第五の手段によれば、非水系
の有機溶媒に塩基性化合物を含有させているため、クロ
ロシラン系界面活性剤と耐摩耗性を有する基板表面の水
酸基の脱塩酸反応が促進される。このため化学吸着が促
進され、コーティング材の製造工程が短縮化される。
【0019】更に本発明の第六の手段によれば、超音波
を用いているため、クロロシラン系界面活性剤と耐摩耗
性を有する基板表面の水酸基との反応が振動により促進
され、コーティング材の製造工程が短縮化され、かつ確
実な結合が得られるものである。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面に基
づいて説明する。
【0021】(実施例1)図1は炊飯器の断面図であ
る。1は炊飯器の内鍋、2は内蓋、3は放熱板である。
また4はヒーター等の熱源である。内鍋1・内蓋2・放
熱版3等は、図2に示すような表面処理を実施し、耐摩
耗性を有する撥水・撥油性材料でコーティングしてい
る。図2において、内鍋1等を構成するアルミニウムの
基板5の表面はセラミックでコートしてある。これをト
リクロロエチレン等の有機溶剤で脱脂処理する。一方、
パーフルオロアルキル基を有するクロロシラン系界面活
性剤C81724SiCl3を、3×10-3〜5×10
-2mol/l程度の濃度で溶かした80%n−ヘキサデカン
(シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ジシクロヘキ
シルでもよい)、12%四塩化炭素、8%クロロホルム
溶液を調整しておく。次いで、この溶液中に前記基板5
を非水系雰囲気中にて室温で約2時間浸漬した後、クロ
ロホルムで約30分間洗浄し、さらに水洗処理を約15
分間行う。この処理によって基板5の表面は水酸基を含
むため、パーフルオロアルキル基を有するクロロシラン
系界面活性剤のクロロシリル基と水酸基が反応して表面
【0022】
【化1】
【0023】の結合が生成され、単分子吸着膜6が基板
5と化学結合した形で10〜30Åの厚みで形成され
る。
【0024】このようにして作製された試料の耐摩耗性
を測定するため、以下の実験を行った。
【0025】上記の方法にて作成された5×5cm2の耐
摩耗性を有する撥水・撥油性コーティング材試料を、市
販の亀の子たわしで全荷重2kgをかけて毎分60回転の
スピードで回転させながら所定回数の回転を加えた後、
純水とサラダ油2.5μlを試料上に滴下し、それぞれに
ついて室温にて接触角を測定した結果を図3に示す。な
お比較例として、従来の方式であるフッ素樹脂(パーフ
ルオロアルコキシ樹脂、以下PFAと称す)を塗布した
ガラスについても、同様の測定を行い併記した。この図
3の結果から明らかなように、実施例1の耐摩耗性を有
する撥水・撥油性コーティング材は上記条件にて800
0回転まで耐摩耗性を保持し、従来のPFAを塗布した
ガラスよりも優れた耐摩耗性を示している。
【0026】なお、パーフルオロアルキル基を有するク
ロロシラン系界面活性剤としては、一般的に次式で表さ
れる。
【0027】F(CF2m(CH2nSiRq3-q あるいは F(CF2m(CH2nA(CH2pSiRq3-q (式中m=1〜30、n=0〜15、m+n=10〜3
0、p=1〜25、q=0〜2であり、Rはアルキル
基、Xはハロゲン原子あるいはアルコキシ、Aは酸素原
子、カルボキシあるいはジメチルシリレンを表す。)耐
熱性・撥油性の点からは、上式のmの数は多い方が良
く、またnの数は少ない方が良い。実用的には、n=0
〜5が好ましい。例を挙げると、 F(CF28(CH22SiCl3 F(CF28(CH2)SiCl3 F(CF28SiCl3 CF3(CH22SiCl3 F(CF26(CH22SiCl3 F(CF28(CH22Si(CH3)Cl2 F(CF220(CH22SiCl3 などが有効であるが、その他にも CF3(CH22Si(CH32(CH215SiCl3 F(CF24(CH22Si(CH32(CH29Si
Cl3 CF3COO(CH215SiCl3 CF3CH2O(CH215SiCl3 なども有効
である。
【0028】また耐摩耗性を有する基板としては、鉄・
アルミニウム等の金属表面にセラミックコートを施した
もの、またはホーロー処理を施したもの、硬質アルマイ
ト処理したものをさす。セラミックコート材料として
は、珪素アルコキシドまたは金属アルコキシド及びこれ
らの混合物を用いる。これらは一般式として R1M(OR2n で示されるものである。R1は炭素原子が0〜3個のア
ルキル基・ビニル基・3、3、3トリフルオロプロピル
基・γ−グリシドキシプロピル基・γ−メタクリロキシ
プロピル基であり、R2は水酸基またはメトキシ・エト
キシ・イソプロポキシ・t−ブトキシ置換基である。ま
た、Mは硅素または金属である。
【0029】この代表例としては、Si(OH)4,S
i(OCH34,Ti(OCH34,Al(OC
33,Zr(OCH34,Y(OCH33,La(O
CH33,Ca(OCH32,Mn(OCH34,Sn
(OCH34,Sr(OCH34,Ba(OCH32
CH3Si(OCH33,SiOZr(OC256,S
iOTi(OC256などがある。 (実施例2)図4はホットプレートの例を示している。
食品の調理面であるプレート7はアルミニウムのダイカ
ストで製造されており、耐熱強化ガラス等の透光性のガ
ラス8が施されている。このプレート7の表面は、耐摩
耗性を有する撥水・撥油性コーティング材で以下のよう
にしてコートされている。先ずセラミックコートしたア
ルミニウムの基板を、トリクロロエチレン等の有機溶剤
で脱脂処理する。一方、パーフルオロアルキル基を有す
るクロロシラン系界面活性剤C81724SiCl
3を、3×10-3〜5×10-2mol/l程度の濃度で溶かし
た80%n−ヘキサデカン(トルエン、キシレン、ジシ
クロヘキシルでもよい)、12%四塩化炭素、8%クロ
ロホルム溶液を調整する。次いで、この溶液中に前記ア
ルミニウムの基板を非水系雰囲気中にて室温で約2時間
浸漬する。この浸漬工程の後クロロホルムで約30分間
洗浄し、さらに水洗を約15分間行う。この洗浄工程に
よって、アルミニウムの基板の表面は水酸基を含むこと
になり、クロロシラン系界面活性剤のクロロシリル基と
水酸基が反応する。この反応の結果アルミニウムの基板
の表面には(化1)の結合が生成され、単分子吸着膜が
アルミニウムの基板と化学結合した形で10〜30Åの
厚みで形成される。
【0030】このようにして作製された試料の耐摩耗性
を測定するため、以下の実験を行った。
【0031】上記の方法にて作成された5×5cm2の耐
摩耗性を有する撥水・撥油性コーティング材の試料を、
市販の亀の子たわしを使用して全荷重2kgをかけながら
毎分60回転のスピードで回転させる。こうして所定回
数の回転を加えた後、純水とサラダ油2.5μlを試料上
に滴下し、それぞれについて室温にて接触角を測定し
た。この結果を図5に示す。またこのとき比較例とし
て、従来の方式であるPFAを塗布した試料についても
同様の測定を行い併記した。
【0032】この結果から明らかなように、実施例2の
耐摩耗性を有する撥水・撥油性コーティング材は、上記
条件にて6000回転まで耐摩耗性を保持している。一
方、従来のPFAを塗布した試料は急激に接触角が低下
している。
【0033】(実施例3)本実施例の構成は、前記図1
と同様である。本実施例では、炊飯器の内鍋1・内蓋2
・放熱板3の表面処理は以下のようにして実施してい
る。図6は本実施例による製造工程を示している。先
ず、基板9をトリクロロエチレン等の有機溶剤で脱脂処
理する。一方、テトラクロロシランを3×10-3〜5×
10-2mol/l程度の濃度で溶かした80%n−ヘキサデ
カン、12%四塩化炭素、8%クロロホルム溶液を調整
しておく。次いで、この溶液中に前記基板9を非水系雰
囲気中にて室温で約2時間浸漬する。この浸漬工程の
後、クロロホルムで約30分間洗浄し、さらに水洗を約
15分間行う。この洗浄工程によって、基板9の表面は
図6(a)に示すように水酸基を含むことになる。この
水酸基が、テトラクロロシランの4つの塩素基のうちの
1個と反応し、さらに水洗行程により他の3つのクロロ
シリル基が水酸基に置換され、
【0034】
【化2】
【0035】の結合が生成される。こうして、図6
(b)に示すような単分子膜が耐摩耗性を有する基板9
と化学結合した形で吸着する。このため、基板9の表面
上にあった水酸基1個に対し、3個の水酸基が得られ
る。この後、パーフルオロアルキル基を有するクロロシ
ラン系界面活性剤を、実施例1で示したように基板9上
に吸着すれば(化1)の結合が生成され、図6(c)に
示すように累積膜10が吸着される。
【0036】この方式で作製した耐摩耗性を有する撥水
・撥油性コーティング材は、実施例1で示したものに比
べ、パーフルオロアルキル基を有するクロロシラン系界
面活性剤の吸着密度が上昇するため、より優れた撥水・
撥油性コーティング材を得ることができる。
【0037】実施例1で示した撥水・撥油性コーティン
グ材と、本実施例の撥水・撥油性コーティング材の耐熱
性を以下のようにして比較した。すなわち各試料を所定
の温度で30分間加熱した後、この上に純水とサラダ油
2.5μlを滴下し、それぞれについて室温にて接触角を
測定した。この結果を図7に示している。図7から明ら
かなように、本実施例の方法で得られた撥水・撥油性コ
ーティング材は、実施例1のものより優れた性能を示し
ている。
【0038】なお、テトラクロロシラン(SiCl4
のほかに、SiHCl3、SiH2Cl2、Cl−(Si
Cl2O)n−SiCl3(nは整数)等も有効である。
【0039】(実施例4)本実施例では、実施例1のパ
ーフルオロアルキル基を有するクロロシラン系界面活性
剤を吸着する工程において、浸漬する溶液中に塩基性化
合物であるピリジンを3×10-5〜5×10-3mol/l程
度加えたものである。この場合、浸漬時間を種々変えた
サンプルを作製し、各サンプルの上に純水とサラダ油2.
5μlを滴下し、それぞれについて室温にて接触角を測
定した。 この結果を図8に示している。また比較のため
に実施例1の方法で同時間浸漬したサンプルも作成し、
同様に接触角を測定した結果を図8に併記している。
【0040】図8から明らかなように、本実施例に示し
た方法で得られた撥水・撥油性コーティング材は、実施
例1による方法によって得られた撥水・撥油性コーティ
ング材よりも、パーフルオロアルキル基を有するクロロ
シラン系界面活性剤の吸着時間が速く、浸漬工程に要す
る時間を短縮する上で有効な方法であることがわかる。
これは、パーフルオロアルキル基を有するクロロシラン
系界面活性剤が、基板に吸着する際に起きる脱塩酸反応
が加速され、シロキサン結合が生成される速度が増大す
るため、パーフルオロアルキル基を有するクロロシラン
系界面活性剤の吸着速度は増大すると考えられる。
【0041】(実施例5)本実施例は、実施例1のパー
フルオロアルキル基を有するクロロシラン系界面活性剤
を吸着する工程を、超音波を与えながら浸漬したもので
ある。この場合、浸漬時間を種々変えたサンプルを作成
し、作成したサンプルの撥水・撥油性コーティング材の
上に、純水とサラダ油2.5μlを滴下し、それぞれにつ
いて室温にて接触角を測定した。この結果を図9に示し
ている。またこのとき、比較のために実施例1の方法で
同時間浸漬したサンプルについても、同様に接触角を測
定して併記している。
【0042】図9から明らかなように、本実施例の方法
で得られた撥水・撥油性コーティング材は、実施例1に
よる撥水・撥油性コーティング材よりも、パーフルオロ
アルキル基を有するクロロシラン系界面活性剤の吸着時
間が速く、浸漬工程の時間短縮に有効な方法であること
がわかる。
【0043】また、実施例3に示した方法と実施例4に
示した方法を組み合わせることによりさらに浸漬工程時
間の短縮が可能であることは容易に類推できる。
【0044】
【発明の効果】上記したように本発明の第一の手段によ
れば、耐摩耗性を有する基板表面上に、シロキサン結合
を有する単分子吸着膜あるいは累積膜を設けた撥水・撥
油性コーティング材とすることによって、従来例のもの
に比べ耐摩耗性に優れた撥水・撥油性コーティング材が
得られるものである。
【0045】本発明の第二の手段よれば、単分子吸着膜
をパーフルオロアルキル基を有するクロロシラン系界面
活性剤から構成したことによって、パーフルオロアルキ
ル基が分子レベルで耐摩耗性を有する基板表面上に並び
単分子吸着膜が高密度に形成されるため、一層撥水・撥
油性に優れた耐摩耗性を有するコーティング材が得られ
るものである。
【0046】本発明の第三の手段によれば、累積膜をテ
トラクロロシランもしくはトリクロロシランとパーフル
オロアルキル基を有するクロロシラン系界面活性剤から
構成したことにより、パーフルオロアルキル基の密度が
さらに高まり、より撥水・撥油性の優れた耐摩耗性を有
するコーティング材が得られるものである。
【0047】また本発明の第四の手段によれば、非水系
の有機溶媒に耐摩耗性を有する基板を浸漬して、前記基
板の表面にクロロシラン系界面活性剤を化学吸着させ、
シロキサン結合を有する単分子吸着膜あるいは累積膜を
形成させる撥水・撥油性コーティング材の製造方法とす
ることによって、耐摩耗性を有する基板と単分子吸着膜
あるいは累積膜は化学吸着させることができ、フッ素樹
脂を塗装した物に比べ耐摩耗性に優れた撥水・撥油性コ
ーティング材を得ることができる製造法を提供できるも
のである。また、フッ素樹脂を塗装する場合は、乾燥及
び焼成工程が必要であるが、本発明による製造方法では
これらの工程は不要であり、工程の大幅な削減ができ、
浸漬工程のみで均一な性質の撥水・撥油性コーティング
材が作成できる。
【0048】本発明の第五の手段によれば、前記本発明
の第五の手段の構成に加え、非水系の有機溶媒に塩基性
化合物を含有させることによって、クロロシラン系界面
活性剤と基板表面の水酸基の脱塩酸反応が促進されるた
め、化学吸着が促進され製造工程が前記本発明の第四の
手段によるよりも短縮化されるものである。
【0049】また本発明の第六の手段によれば、超音波
を用いて化学吸着の促進をしているため、クロロシラン
系界面活性剤と耐摩耗性を有する基板表面の水酸基との
反応が振動により促進され、製造工程が短縮化され、か
つ確実な結合ができる耐摩耗性を有する撥水・撥油性コ
ーティング材が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の構成を示す炊飯器の断
面図
【図2】同実施例の表面状態を示す構成図
【図3】同実施例の水と油の接触角と摩耗回数との関係
を示す特性図
【図4】本発明の第二の実施例を示すホットプレートの
外観斜視図
【図5】同実施例の水と油の接触角と摩耗回数との関係
を示す特性図
【図6】同実施例の表面状態を示す構成図
【図7】本発明の第三の実施例によるコーティング材の
水と油の接触角と摩耗回数との関係を示す特性図
【図8】本発明の第四の実施例によるコーティング材の
水と油の接触角と浸漬時間との関係を示す特性図
【図9】本発明の第五の実施例によるコーティング材の
水と油の接触角と浸漬時間との関係を示す特性図
【符号の説明】
1 炊飯器の内鍋 2 炊飯器の内蓋 3 炊飯器の放熱板 5・9 基板 6 単分子吸着膜 7 ホットプレートのプレート 10 累積膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美濃 規央 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小川 一文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 川西 英賢 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 麻植 淳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐摩耗性を有する基板表面上に、シロキ
    サン結合を有する単分子吸着膜あるいは累積膜を設けた
    撥水・撥油性コーティング材。
  2. 【請求項2】 単分子吸着膜がパーフルオロアルキル基
    を有するクロロシラン系界面活性剤からなる請求項1記
    載の撥水・撥油性コーティング材。
  3. 【請求項3】 累積膜がテトラクロロシランもしくはト
    リクロロシランとパーフルオロアルキル基を有するクロ
    ロシラン系界面活性剤からなる請求項1記載の撥水・撥
    油性コーティング材。
  4. 【請求項4】 非水系の有機溶媒に耐摩耗性を有する基
    板を浸漬して、前記基板の表面にクロロシラン系界面活
    性剤を化学吸着させ、シロキサン結合を有する単分子吸
    着膜あるいは累積膜を形成させる撥水・撥油性コーティ
    ング材の製造方法。
  5. 【請求項5】 非水系の有機溶媒が塩基性化合物を含有
    している請求項4記載の撥水・撥油性コーティング材の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 シロキサン結合を有する単分子吸着膜あ
    るいは累積膜を形成させる工程において、超音波を用い
    て化学吸着の促進をしてなる請求項4記載の撥水・撥油
    性コーティング材の製造方法。
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