JPH0560912A - 玉虫色の生成方法 - Google Patents

玉虫色の生成方法

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JPH0560912A
JPH0560912A JP29857191A JP29857191A JPH0560912A JP H0560912 A JPH0560912 A JP H0560912A JP 29857191 A JP29857191 A JP 29857191A JP 29857191 A JP29857191 A JP 29857191A JP H0560912 A JPH0560912 A JP H0560912A
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grating
diffraction
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Kimito Horie
公人 堀江
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、人間の美的感覚に訴える玉虫色を
生成するため特殊な回折格子を提案し、これを応用した
様々な製品群、例えばICカード等の化粧板、壁紙等を
提供することを目的とする。 【構成】 回折格子の格子定数を色光の生成に適するよ
うに設計すると共に、格子定数の異なる回折格子又は方
向の異なる回折格子を混在させて色光の生じる範囲を拡
大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人間の美的感覚に訴え
る玉虫色を生成するため特殊な回折格子を提案し、これ
を応用した様々な製品群、例えばICカード等の化粧
板、壁紙等を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】飛鳥時代の代表的な工芸品である法隆寺
の玉虫の厨子はその外側の装飾として玉虫の甲殻が使わ
れたという事実があるように、玉虫の甲殼上に現われる
七色の変化は人間の美観に訴える不思議な魅力を有して
いる。玉虫色は意匠法上は模様と解するのが通説であ
る。見る方向により色彩が異なるからである。レインコ
ートの布地にもその織り方により見る方向により赤く見
えたり褐色に見えたりするものがある。しかしこの場合
物体の光吸収に基づく外観が見えているだけで、光源と
して輝いているわけではない。これに対し、ダイヤモン
ドやシャンデリアのきらめきは七色の虹色を伴う色光で
あって、その強い輝きと彩度の高い色光が昔から人間の
美観に強く訴えてきた。更に積乱雲の合間に見える七色
の虹を始め、夜空に輝くキラ星も様々な色を伴うことが
知られている。この様な人間の美観に強く訴える七色の
色光を人工的に作り出せないかというのが本発明の基本
的課題である。先のダイヤモンドの例によれば、その装
飾の歴史はカットの歴史でもある。例えばブリリアン・
カット(round brilliantcut)など
多面体に加工したものは、明るくかつあらゆる角度から
色光を見ることができるという特徴がある。色光につい
てダイヤモンドが優れている第1の理由はそれが可視光
に対して透明なことである。その第2の理由は屈折率が
可視光に対しおよそ2.4の値を持ち物質中では非常に
大きく、かつ周波数分散も大きいことによる。屈折率の
大きいことによりダイヤモンドの底面で全反射する範囲
が広く、これが強い輝きの裏付けになっている。また、
屈折率の高いプリズムが大きな遍角を持つので広い角度
に分散光を放つことから明らかなように、大きな周波数
分散は彩度の高い色光を放射する。そこでダイヤモンド
を多面体にカットすると常に人間の目に分散光の映じる
面が存在し、その怪しげな色光が映じることになる。
[平凡社大百科事典、第9巻、P119] さて、色光を人工的に創出する方法の一つには物質の周
波数分散特性を利用するものの他、回折格子を用いる方
法がある。もちろん、シャボン玉の虹色の如く薄膜を利
用する方法もある。しかし、本発明では主にこの回折格
子を利用して玉虫色を生成しようとする。その場合、太
陽や蛍光灯などのいわゆる白色光源による背景光を前提
とし、Naランプのごとき単色光源による背景光を前提
とはしないこととする。また、本発明による効果は、物
理的には色光、即ち回折光の生成であるがその最終的効
果は人間の視覚に訴える美的効果であり、本発明による
実施例も主にこの観点から設計がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題】さて、回折格子は18
20年代に、フラウンホーヘル(J.Fraunhof
er)が発明した。回折格子とは、平面上に平行な溝を
形成したもので、通常平面研磨された金属又は結晶をダ
イヤモンドなどで線状痕を付けて作成する。透過形と反
射形があるが、本発明では主に反射形を扱う。何れも回
折条件(結晶のブラッグ反射条件に類似する。)の式
【数1】 が満たされる方向が明るく輝くわけであるが、波長λへ
の依存性から分散式
【数2】 により分散光を生じることになる。但し、λは波長、d
は溝の間隔で格子定数という。また、mは次数、iは入
射角、θは回折角である。この様な特性から、回折格子
は例えば特定の波長の光のみ分別するためのモノクロメ
ーターとして使用される。さて、かくの如き回折格子を
装飾的効果を達成するための手段として捕えた場合、以
下の如き欠点を有する。第1に、色光の生じる回折角の
範囲が狭いという欠点がある。ダイヤモンドの多面体カ
ットはこの欠点を補うのに十分であるが、回折格子では
回折条件
【数1】 に拘束されていることに留意する必要がある。式
【数2】 から明らかなように、分散を大きく取るには次数mが高
いか格子定数dが小さくなければならない。処が、格子
定数を小さくすると異なる次数間で色光同志の重なりが
生じて白色化し、結果的に美的効果が半減してしまう第
2の欠点が生じてしまう。そこで、回折光の生じる範囲
の増大と白色化防止のバランスを取るための設計が必要
になる。回折格子を用いる場合の第3の欠点はその放射
特性にある。幅aの反射板の回折光強度は式
【数3】 及び
【数4】 で与えられるので、格子と垂直な面に対してφの角度で
入射する場合は、あたかも幅a・cosφの反射板の如
く作用し、これは格子定数がd/cosφとなることと
等価である。従って、回折格子の場合格子に垂直な面か
らずれると急速に回折光強度が減じるという指向性を有
しているのである。これはアレイアンテナの指向性が素
子の数に応じてその利得が高まることと類似する。この
結果、色光を放射する立体角が狭く、格子と平行な面に
至っては全く色光が生せず単なる反射のみが生じること
になる。本発明においては以上の欠点を克服するための
様々な工夫がしてある。なお、回折格子には、以上の欠
点を補うものとして1910年にエシェレット格子が考
案されているが、本発明ではエシェレット格子のみなら
ずホログラフィック格子等にも及ぶ一般的な手法を提供
するものである。[「分光の基礎と方法」、P364、
工藤恵栄著、オーム社]
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、人間の美的感
覚に訴える玉虫色を生成するため特殊な回折格子を提案
し、これを応用した様々な製品群、例えばICカード等
の化粧板、壁紙等を提供することを目的とする。この目
的のため、回折格子の格子定数を色光の生成に適するよ
うに設計すると共に、格子定数の異なる回折格子又は方
向の異なる回折格子を混在させて色光の生じる範囲を拡
大する。近年ホログラムの実用的用途が進み、ホログラ
ムによるレンズ効果や回折効果を用いてPOSスキャナ
やレーザープリンタへ応用する新技術が登場している。
本発明でもその応用例として、ホログラム格子による回
折効果を用いることにより直接的に技術的効果を達成す
る場合がある。しかし、本発明では最終的には装飾を目
的とした美的効果を達成せんとする点で大きく相違する
のである。そこで本発明による回折格子の特殊性もこの
設計思想に基づいており、その用途も従来の回折格子の
それと際だった差異を有するものと言えよう。
【0005】
【実施例】本発明は特殊な回折格子を提案するものであ
るが、その構造は従来の回折格子の欠点を克服すること
にその視点が置かれている。この欠点は従来の回折格子
が専ら技術上の目的の下に設計されていたことに起因し
ている。即ち、美的効果を目的にする以上回折条件を単
一にする必要もないし、単色性にも或程度の緩和が認め
られる点を積極的に活用するものである。さて、従来の
回折格子の第1の欠点は色光の生じる回折角が狭く、仮
に回折角を広くするため格子定数を小さくすると、異な
る次数の回折光同志が重なりを生じて白色化するという
第2の欠点が生じることにあった。本発明の第1のアイ
デアは設計的なもので実用範囲において最大の色光範囲
を確保する方法である。ここで実用範囲とは、回折角で
0度≦θ≦45度の範囲であり、通常この範囲で人間が
ものを見ることが多いと考えられる。さて、可視光の範
囲は0.40μm〜0.74μmとされているので、
【表1】 に示す如く、回折条件式
【数1】 を満たす次数mと波長λについて、2次の可視光と3次
の可視光、3次の可視光と4次の可視光等が重なり合う
ことになる。但し、
【表1】 で右辺とするのは式
【数1】 の右辺である。ところで人間の視覚は複数の非常に近接
する色彩が並存する場合に、その識別力を欠くが故に単
なる刺激のみ感じ色を感じないこと、即ち白色と感じる
生理法則を持つ。そこで、少なくとも実用範囲において
色光の重なりが生じないように設計せんとするのが本発
明のアイデアなのである。具体的には、θ=45度にお
いて式
【数1】 の右辺が0.40m/d(m=3)となるように、即ち
2次と3次の回折光同志の重なり開始点であるようにd
を定めることである。即ち、m=2の2次回折光の場
合、一部領域はm=3の3次回折光と重なるが、その重
なりがわずかで人間の視感度の低い部分であることか
ら、全体としてかなりの範囲で色光を観察できることに
なる。同様の考えから、式
【数1】 の右辺の値を3次と4次の回折光同志の重なり開始点ま
で延長してもよい。この場合、右辺=0.40m/d
(m=4)となる。但し、その分回折光の拡がりが小さ
く、色光の彩度または単色性が低下することになる。こ
の様な回折光同志の重なりの状況は、前期具体例におい
てX=sini、Y=sinθとおくと
【図1】の如く表現される。
【図1】で、Y軸の切片は式
【数1】 の右辺に一致し、その値は垂直入射の場合(i=0)回
折角の正弦が1/√2となり、この回折角から1次回折
光を観察することができる。処が、
【図1】から明らかなように、この様な単純なアイデア
だけでは実用範囲の総てを色光でカバーすることはでき
ない。即ち、m=0の場合、又はsinθ=siniの
場合、0次回折光のみが存し、これは明らかに単なる反
射であって白色光源がそのまま映ずるにすぎず、本発明
の目的と合致しない欠点を有する。更に、式
【数1】 の右辺について、0<右辺<0.4m/d(m=1)の
範囲においては何らの回折光も存しないのである。これ
は単純回折格子の持つ根本的な弱みであり、これが故に
後のエシェレット格子の考案へと結び付くことになっ
た。即ち、エシェレット格子においては0次回折光強度
が小さく、その分1次回折光等の強度が増すという特徴
を有している。本発明における第2のアイデアは、前記
色光の空白部を何らかの手段で埋め合わせせんとするも
のである。これは格子定数の異なる第2の回折格子を混
在させることにより達成する。前記の如く、本発明の目
的は単色光の分離等ではなくあらゆる角度において色光
を放射させることであり、これによって模様又は装飾と
しての効果を求めるものである。従って異なる格子定数
を持つ回折格子の混在といった事情は何ら問題とならな
い。ただ、この場合前記高次回折光の重なりといった現
象が生じ、白色化する欠点が再び問題になる。本発明の
第3のアイデアはかかる困難を克服するために、第2の
格子定数を持つ領域の面積を第1のそれよりも相対的に
小さく(例えば2割)せんとするものである。この概念
は
【図2】の(a)に於いて密度の高いハッチングの大き
な領域と密度の低いハッチングの小さな領域により示さ
れている。但し、この密度は格子定数の大きさに対応す
る。回折光の強度は
【数1】 式、
【数3】 式及び
【数4】 式から明らかなように次数mの2乗に逆比例してその強
度が低下する。従って、第2の格子の混在により第1の
格子による回折光の殆どと重なり合うことになるが、本
発明の設計下では重なるのは第2の格子の高次光(m≧
3)のみであり、その振幅は領域の面積比と高次光の強
度比の双方によって十分に小さくできる。純粋な単色光
ではなくなるが白色化の防止を図ることができるのであ
る。明らかな如く、第2の格子の格子定数(d1)は第
1の格子のそれ(d0)よりも大きくする必要がある。
仮にこの逆であると、0次回折光のすぐ隣から第1の回
折格子による強い回折光を得ることができる半面第2の
回折格子による回折光と重なる部分が白色化してしまう
欠点があるからである。前記第1のアイデアによる設計
手法を再び応用すれば、回折角θ=45度において
【数1】 式の右辺は第1の格子について0.40m/d0(m=
3)=1√2、第2の格子について0.40m/d1
(m=3)=1/3√2、とすれば全体としてほぼ単色
性を確保できることになる。この状況は
【図3】の(a)に示されている。旧し、図中、m0は
第1の回析格子の次数、m1は第2の回折格子の次数で
ある。この結果
【図3】の(b)に示す如く、実用範囲において、第1
のアイデアで縦のハッチング部のみ回折光が観測された
に過ぎなかったのに、第2のアイデアにより更に横のハ
ッチング部までも色光が観測できることになったのであ
る。注意すべきことは、第2の格子による回折光は第1
の格子による回折光が何ら存在しない領域に出現するこ
とである。それ故、仮にその領域の面積が小さい場合で
あっても鮮明な色光が出現することになる。しかしなが
ら、以上の如き方法によってもなお0次回折光を除去す
ることはできず、特に白色光源が面積の広い光源である
場合には、その影響が大きいという欠点が残ることに変
わりはない。実用範囲内で単に色光の生ずる範囲が拡が
ったに過ぎないのである。この問題の根本的解決にはエ
シェレット回折格子等を用いる外はない。さて、回折格
子を用いる第3の欠点はその狭い放射特性にある。具体
的に言えば、角度φで入射した光線による回折光はあた
かも格子定数がd/cosφの回折格子と等価であり、
格子に平行な垂直面(φ=π/2)においては単なる反
射のみが生じることになる(d→∞において
【数1】 式の右辺→0)。この結果、回折光の範囲が狭くなり美
的効果も著しく減少する。この欠点を克服するのが本発
明の第4のアイデアであって、格子の向きの異なる回折
格子を混在させようとするものである。即ち、平面上を
複数の領域に分け、各領域に異なる向きの格子(格子定
数は一定でもよい)を形成せんとする。この概念は
【図2】の(b)で示されている。この様にすること
で、どの方向から回折格子を眺めてみても、常に色光を
観察することができることになる。更に、本発明による
第1ないし第4のアイデアを結合した回折格子の概念を
【図2】の(c)に示した。この回折格子は、上記アイ
デアを統合する本発明の最終的な回折格子の姿を示して
いる。この概念に従って、上記領域を500μm平方程
度に取り、かつその方向を乱雑かつ均一に分布させると
きは、あたかも夜空のキラ星のごとき色光群を観賞でき
ることになろう。その回折格子を回転させれば、次々に
七色に変化し、かつ瞬くことになる。以上のごとき概念
の具体的実施例として、本発明に基づき設計された第1
の実施例である回折格子を
【図2】の(d)に示す。回折格子となるべき平面を平
面図形で充填する方法は様々有るが、この実施例ではと
りあえず各領域を正六角形としている。もちろん正十二
角形等によって格子の向きを6方向に替えることも可能
である。ここでは正六角形により3方向に異なる向きを
持つ回折格子A、B、Cを作り、それぞれについて格子
定数の大きい回折格子A1、B1、C1を20%程度混
在させる。A、B、Cの配列はカラーテレビのRGB蛍
光膜やCCDのRGBフィルターのそれと同様である。
この様な配列はこの回折格子を観察する者が見る場合
に、一定の視角を与える領域を一様な色光で染めること
になる。しかし、これら3種の回折格子をランダムに配
置しかつ各領域の直径を200μm以上にすると、先に
述べた如く視角が変わる度に七色に変化することにな
る。
【図4】は、本発明による回折格子板の実施例をより具
体的な断面図により示したものである。
【図4】で、4−1は可視光に対し透明なシート状樹脂
基板である。4−2は基板の裏面に印刷された格子であ
って回折格子の本体である。その材質は可視光に対して
の吸収材であればよくIC製造プロセスにおけるリソグ
ラフィ技術を用いる場合は、レジストやエッチングに適
すものでなければならない。カーボン等の不透明な物質
やレジスト自体でもよい。4−3は可視光に対する反射
板であって、Al蒸着により形成した薄膜である。しか
し、30μm〜100μm程度のAl箔膜をシート状の
樹脂基板と張り合わせるほうが量産に向いている。けれ
ども格子自体は、Al箔膜上に印刷等で,形成するより
基板4−1に形成するほうが量産化の点では都合がよ
い。回折格子の格子定数量は、図中記号dで示した。本
発明の設計上d=1.70μmの場合であるので、IC
プロセスはいわゆる0.5μmルール程度が要求される
ことになる。第1回折格子4−5はこの格子定数を持
つ。他方、本発明による第2の回折格子4−6はより広
い格子定数を持っている。4−4は、可視光に対する反
射防止膜であり4−1の樹脂基板上面からの反射を防止
する目的を持つ。但し、これにより0次回折光を取り除
くことはできない。さて、入射光線4−7が入射角iで
入射した場合、4−4の反射膜及び4−1の樹脂基板を
透過し、回折格子4−2又は反射板4−3において吸収
又は反射され、反射光は再び基板及び反射防止膜を透過
して出射角θを持つ出射光線4−8となり、これが回折
光となる。本実施例の場合、本来刻線により形成される
べき溝の替りに吸収体4−2が使用され、基板の前面で
はなく後面に格子が形成されている。本来の回折格子は
モノクロメーター等に使用されるので光線の進路に異な
る材料を置くことができないのであるが、本発明では技
術的効果ではなく視覚的効果を目的とするので、何らこ
のことは問題とはならないのである。また、本来の回折
格子の溝の果たす役割は位相のそろった光線を生成する
ためであり、本実施例の如く吸収体であっても何ら支障
とはならない。更に、本発明の回折格子が樹脂基板の裏
面に形成されたために入射角や出射角の意昧が変わるわ
けではない。平行な光線に対し、光路差は樹脂基板の屈
折率をnとしたときはn倍となるが、空気中から基板へ
の屈折の際スネルの法則に基づき正弦の値が1/nとな
っていて、
【数1】 を不変にするからである。処で、回折格子の製造方法に
ついていえばレリーフ形格子の場合、CDと同様の製造
方法により金型を作ってプレス加工で量産できるメリッ
トがある。本実施例においては同じく回折光であるが、
一旦反射された光を用いる。これに対し透過形の回折格
子も勿論制作することができる。ただ、透過型回折格子
の場合0次回折光の強度は入射光強度の1〜2割が通常
であって、高次の回折光の強度が低く装飾性が劣ると考
えられる。本発明の第2の実施例においては、回折格子
の本体を樹脂基板の下面に形成するので、この構造によ
りCDと同様に汚染を防止し保守性を高めることができ
る。また、その反射膜の裏側に粘着材を塗布すると容易
に化粧板等の用途を見いだすことができる。さて、本実
施例と類似するものに先に言及したCD(コンパクト・
ディスク)がある。これは樹脂製の円板上にAlの長短
のピットを形成し、デジタル信号の記憶装置として作用
させるもので主として音楽のレコードに利用される。実
際、CDを蛍光灯の下で見た場合、美しい虹色を呈する
場合が少なくない。これはピットの幅が0.5μmピッ
ト間が1.6μmで、比較的本発明による第1のアイデ
アによる設計と近似していることによる。しかし、その
色彩は他の回折格子と同様不規則で狭い視角の範囲での
み観察されることに変わりはない。ただCDの場台、円
盤であるが故に常に盤面の何れかの場所で回折条件が満
たされるという利点がある。しかしながら、本発明の実
施例では回折格子を有する化粧板等の何れの部位からも
色光が観察できる点において重大な差異がある。
【0006】
【発明の効果】本発明によれば以下の如き特有の効果を
有する。第1に、本発明の回折格子によれば実用範囲の
殆どで色光を生成でき、異なる角度で見ると異なる色光
を観察できることから、あたかも玉虫色の如き印象を与
えることになる。具体的に言えば本発明の設計による
【図3】において、垂直入射の場合その回折光の拡がり
はおよそ13.6度が下限であったものが、4.5度ま
で拡がることになるのであり、事実上殆どの方向から色
光を観察できることになる。第2に、上記回折格子の技
術的特色により最も効果的に玉虫色を人工生成にするこ
とで、意匠上模様としての美的効果を発揮することがで
きる。第3に、この美的効果に基づいて本発明の利用に
おいては以下の如き広い応用が期待できる。これは本来
の回折格子が技術的効果を目的とするのに、本発明が専
ら美的効果を目的にすることに基づく。即ち、ICカー
ド、磁気カード等主に平面状の物品の化粧板として使用
できる。特にレリーフ形回折格子ではプレス加工で多量
の安価な回折格子を制作でき、例えば金属メッキをして
制作した金型を用いる加熱圧着法の場合、安価で大量の
製造により壁紙や模様紙として利用できる。また、容易
に制作可能なものとして、本発明による透過型回析格子
板を持ち、その前部に絵画等の図柄を起き後方から白色
光源で背景光を与えると、簡易な置物や装飾品を制作す
ることができる。ただ、この場合美的効果を最大限に引
き出すため、斜からの背景光の照射によるなど0次回折
光を除く工夫が必要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 単純な回折格子を用いた場合に可視光同志が
重なる状態を示した説明図である。但し、本発明の第1
のアイデアに基づき実用範囲において彩度の高い色光を
確保するように設計している。X軸は入射光iの正弦の
値、Y軸は回折光θの正弦の値、mは回折光の次数、点
線とX軸及びY軸に囲まれた範囲は実用範囲を示してい
る。
【図2】 本発明による回折格子を示した概念図であ
る。各領域は平面図形であり、ハッチングの密度は回折
格子の格子定数に対応する。 (a)は異なる格子定数を持つ回折格子が混在する場合
である。 (b)は異なる向きの格子を持つ回折格子が混在する場
合である。 (c)は異なる格子定数と向きを持つ回折格子が混在す
る場合である。 (d)は(c)を具体化した本発明による第1の実施例
であり、AとA1,BとB1、CとC1はそれぞれ異な
る向きの格子を持つ。また、A、B、Cは第1の格子定
数を持ち、A1、B1、C1は第2の格子定数を持つ。
【図3】 本発明による第2及び第3のアイデアの説明
図である。 (a)は異なる格子定数を持つ回折格子を混在させる場
合の色光同志の重なりの状況を示している。X軸、Y
軸、外側の点線の意味は 図1 と同様である。内側の
点線とY軸の交点は、第2の回折格子における色光の重
なり開始点である。 (b)は実用範囲において色光の見える範囲が拡張され
る状況を示している。X軸は入射角、Y軸は回折角、対
角線はθ=iの直線、点線は実用範囲である。また、縦
のハッチングは第1の格子による色光の範囲、横のハッ
チングは新たに付加された第2の回折格子による色光範
囲である。
【図4】 本発明による回折格子の第2の実施例であ
り、断面図を示している。1は樹脂基板、2は吸収材で
できた格子、3は反射板、4は反射防止膜、5は第1の
格子定数を持つ回折格子、6は第2の回折格子定数を持
つ回折格子、7は入射光線、8は出射光線である。ま
た、記号iは入射角、θは回折角又は出射角、dは格子
定数である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の領域に分割された平面又は曲面上
    において、その各領域に形成されかつその格子定数又は
    格子の方向が複数とすることを特徴とする回折格子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009154462A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Yoshino Kogyosho Co Ltd 加飾合成樹脂成形品
EP2357091A4 (en) * 2008-12-04 2012-07-04 Panasonic Corp EXTERNAL PART AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
JP2019159203A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 株式会社リコー 光学部材、投影装置、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、車両、分光器及び画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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