JPH0564372A - 配電系統の高調波発生源の特定方法 - Google Patents

配電系統の高調波発生源の特定方法

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JPH0564372A
JPH0564372A JP3217625A JP21762591A JPH0564372A JP H0564372 A JPH0564372 A JP H0564372A JP 3217625 A JP3217625 A JP 3217625A JP 21762591 A JP21762591 A JP 21762591A JP H0564372 A JPH0564372 A JP H0564372A
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sensitivity
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eigenmode
resonance frequency
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JP3217625A
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English (en)
Inventor
Osamu Naito
督 内藤
Toshiyuki Matsumura
敏之 松村
Naoki Kunihiro
直樹 国広
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Fuji Electric Co Ltd
Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】配電系統内の障害となる高調波を発生する整流
器負荷を短時間、高精度、かつ確実に特定する。 【構成】数値的模擬回路から得られる状態方程式のシス
テム行列の固有値を演算すると、その複素数部は共振周
波数となり、この共振周波数での固有ベクトルの各要素
の絶対値は各ノードの感度寄与率となる。一方、実際の
力率改善用コンデンサ(SC)のうちの1つに変流器を
挿入して充電電流を計測し、これを周波数分析して共振
周波数とその強度を求める。SCは需要家の変電設備内
に設置されているのでこのような測定は容易であり、充
電電流は周波数が高いほど多く流れるので高調波成分が
高精度に測定できる。前述の感度寄与率と測定から得ら
れた各ノードの強度とを比較することによって、対象外
のノードを除外してゆきノードを絞り込まむことができ
る。その結果、残ったノードの近傍にある整流器負荷が
特定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、整流器負荷の転流動
作にともなって発生するノッチング電圧によって配電系
統内に生じた転流振動に起因する高調波を抑制するため
に、転流振動を発生させる整流器負荷を特定するための
高調波発生源の特定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】サイリスタ整流器などの整流器負荷の転
流動作にともなって発生するノッチング電圧と通称され
ている線間電圧の1ミリ秒レベルの陥没によって、配電
系統における力率改善用コンデンサ( 以下、SCと略称
する) と線路インダクタンスとが構成するL−C閉回路
に自由振動を引き起こし、これに起因した有害な高調波
が系統内に発生する。このような転流が引き金となって
系統内に発生する振動は転流振動と呼ばれている。
【0003】近年、電動機のインバータ制御やコンピュ
ータの電源など、系統の交流を整流器でいったん直流に
変換する負荷が増加してきており、このような整流器負
荷の増加に伴い、その発生する高調波によって同じ配電
系統に接続されている機器の誤動作や力率改善用コンデ
ンサの異常音や加熱などの障害が大きな問題になってき
ており、そのためこの高調波の抑制が重要な技術課題に
なっている。高調波障害抑制には実際に障害となる高調
波を発生している整流器負荷を特定しこの整流器負荷に
対して適切な高調波抑制処置を施す必要がある。
【0004】従来の高調波発生源の特定方法には、配電
系統のある箇所での電圧と電流を測定し、そのなかに含
まれる高調波成分の位相差を求め、その絶対値が90°よ
り大きいか小さいかを判定することによってその測定箇
所に対してどちらの方向に高調波発生源が接続されてい
るかを知り、この方法を繰り返すことにより高調波発生
源を特定してゆくという方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来採用されてい
る高調波発生源の特定方法を行う場合には、電圧、電流
の測定箇所を変えて何度か行うことによって高調波発生
源を絞り込んでゆくことになるが、その際の電圧、電流
の測定には、電柱によじ登って計器用変圧器と変流器を
接続する作業が必要となるが、高所作業であり、しかも
前述のように多数の箇所で行う必要があるので、危険で
あるとともに、多くの時間を要するという問題がある。
また、一般に配電系統の配線は余り長くないので高調波
電流による電圧変化は小さく、したがって、高調波電圧
の測定精度が低くなり、方向の判定に高精度が期待でき
ないという問題がある。更には、整流器負荷が複数有る
場合には、それぞれが発生する転流振動が重畳し合って
方向を判定するのが困難になるという問題もある。
【0006】この発明の目的は、このような問題を解決
し、複数の整流器負荷が接続されている配電系統に対し
て、安全に、短時間に、高精度に、かつ確実に障害とな
る高調波を発生している整流器負荷を絞り込むことので
きる高調波発生源の特定方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明によれば、配電系統を数値的に模擬した模
擬回路を設定し、この模擬回路の固有値とその固有ベク
トルを算出し、固有値の複素数部からその固有モードの
共振周波数を、それぞれの固有ベクトルと各ノードに付
属するコンデンサのキャパシタンス値からその固有モー
ドにおける感度行列を算出し、一方、前記配電系統に並
列に接続されている力率改善用コンデンサのうちの1つ
の充電電流波形を計測し、そのデータに基づいて周波数
分析を行って実際に発生している発生モードでの共振周
波数とその強度を求め、これら発生モードの1つに実質
的に一致する共振周波数を持つ前記模擬回路から算出さ
れた固有モードを選定し、この固有モードにおける各ノ
ードの感度を前記感度行列の測定コンデンサに一致する
行を、感度ベクトルとして選び、この感度ベクトル内の
各ノードに対応する数値とし、あらかじめ設定された感
度下限値よりも低い感度のノードの近傍には高調波発生
源は存在しないと見なしてそのノードを除外し、この処
理を全ての発生モードについて行い、残ったノードの近
傍に接続されている整流器負荷が高調波発生源であると
みなすものとし、また、一致する発生モードがある固有
モードにおけるあらかじめ設定された感度下限値よりも
低い感度のノードの近傍には高調波発生源は存在しない
と見なす代わりに、一致する発生モードのない固有モー
ドにおける感度があらかじめ設定された感度上限値より
大きいノードの近傍には高調波発生源が存在しないと見
なすものとし、また、前述の2つの異なる方法における
それぞれのノードを除外する方法を併用するものとし、
また、所定の最低周波数よりも低く、所定の最高周波数
よりも高い共振周波数を持つ発生モードを対象外として
除外するものとする。
【0008】
【作用】この発明の構成において、対象とする配電系統
を数値的に模擬した模擬回路を設定し、この模擬回路に
おいて電圧が定義されるノードと電流が定義されるブラ
ンチにそれぞれ着目した回路方程式をたて、この方程式
を左辺が時間微分項となる状態方程式の形にしたときの
右辺のシステム行列の固有値とその固有ベクトルを求め
ると、この固有値の複素数部は模擬回路の共振角周波数
を、この共振角周波数をもつ固有モードにおける固有ベ
クトルの各ノードに対応する要素の絶対値はその固有モ
ードの各ノードへの寄与率分布となる。また、各固有ベ
クトルを各列に持つ行列の逆行列は、その各行ベクトル
が対応する固有モードに対する各ノードでの転流による
ノッチング電圧の寄与率比を与える。ただし、各ノード
のノッチング電圧はノード付属のコンデンサのキャパシ
タンス値により抑制されるので、このキャパシタンス値
と反比例するとした。したがって、各固有モードの固有
ベクトル、逆行列の行ベクトルと模擬系統のキャパシタ
ンス行列の逆行列の積は各モードの相互影響度、したが
って、感度行列を与える。
【0009】一方、実際の配電系統に接続されているS
Cのうちの1つに変流器を挿入して充電電流波形を計測
し、そのデータに基づいて周波数分析を行って実際に発
生している発生モードでの共振周波数とその強度を求め
る。
【0010】これら発生モードの1つの共振周波数に実
質的に一致する共振周波数を持つ固有モードを求める
と、この共振周波数の高調波を転流振動として発生させ
ている整流器負荷が実際に存在し、しかもその接続位置
はこの固有モードにおける感度の高いノードの近傍にあ
るといえるので、あらかじめ感度下限値を設定しておい
てこれよりも低い感度のノードの近傍には整流器負荷は
存在していないと見なして除外することができ、このよ
うなノードの除外を発生モードそれぞれに対して行うこ
とによってノードを絞り込み、これによって障害となる
転流振動を発生させている整流器負荷を特定することが
できる。
【0011】また、前述のノードを除外する方法とは異
なり、一致する発生モードのない固有モードの共振周波
数を持つ転流振動は発生していなと見なせるので、この
固有モードにおける感度の高いノードの近傍には整流器
負荷は存在していなと見なしこのノードを除外すること
ができる。
【0012】前述の2つのノードを除外して絞り込む方
法はそれぞれ単独に使用してもよいが、これを併用すれ
ば、より合理的なノードの除外による特定が可能にな
る。また、これらの特定方法における発生モードの算定
において、低過ぎる共振周波数は各ノードの感度に差が
小さいことから除き、高過ぎる共振周波数はSN比が悪
化することからこれも除いて発生モードを限定すること
によって前述の特定処理がより迅速、確実になる。
【0013】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施例を示すフローチャートでありこ
れらはコンピュータによって実行されるものである。こ
の図において、ステップ100では、実際の配電系統に
接続されているSCの充電電流を計器用変流器で計測
し、その波形を周波数分析して含まれる高調波成分の周
波数とその強度を求める。ステップ110では、別に計
算させてあった配電系統の固有モードのデータ、すなわ
ち、固有値と固有ベクトルのデータが入力される。ステ
ップ130では、障害が生ずる転流振動を発生する整流
器の近傍に存在すると推定されるSCを後述する特定方
法〔1〕によって絞り込む処理を行う。ステップ150 で
は、後述の特定方法〔2〕を用いて特定方法〔1〕と同
様にSCを絞り込む。判定部120、140はそれぞれ
特定方法〔1〕、特定方法〔2〕を実行するか否かの判
定を行い、実行する必要のないときはそれぞれステップ
130、150を飛ばすようにしている。
【0014】図2は図1のステップ100─の「発生モ
ード算出」を詳細に示すフローチャートである。この図
において、ステップ101で所定のSCに計器用変流器
を挿入して得られた電流波形データを入力する。このデ
ータは数kHz 程度まで正しく検出することのできる程
度の時間間隔でサンプリングされた電流値をディジタル
信号に変換された値の列で構成されている。ステップ1
02でこの電流波形データを基にフーリエ解析を行い、
電流波形に含まれる高調波成分のそれぞれの角周波数ω
i (i=1,2,・・・・ )とこれに対応する強度Hi を求
める。このフーリエ解析に使用するプログラムは科学用
サブルーチンに含まれているものなど汎用のものがあ
り、これを使用することにより容易に行うことができ
る。
【0015】それぞれの角周波数ωi は低い値から高い
値に並べそのi番目の角周波数がω i であり、その強度
がHi であるものとする。また、ωi で配電系統が共振
している状態をモードと呼ぶことにする。前述のよう
に、図1の110において、配電系統を模擬した等価回
路から固有値と固有ベクトルが入力されるが、この場合
のモードと区別するために、図2で得られるモードは実
際に発生しているものなので「発生モード」、計算で求
められたモードを、固有値から求めることから「固有モ
ード」と称して区別することにする。
【0016】図2のステップ103で、以後の取扱いを
容易にするために強度Hi を正規化する。すなわち、強
度Hi のうちの最大値をHmaとして、これを100%に
して他の強度Hi を次式で正規化する。Hi ←(Hi /
ma)×100%。以後はこの正規化された強度Hi
正規化前の符号と区別せずに使用する。
【0017】ステップ104で、角周波数ωi の値が接
近している隣接するモードでは強度が小さい方を除外す
るとか、強度が30%以下のモードは除外するなどの間
引きを行う。このような間引きによって後述の特定方法
の実行において発生モードと固有モードとの対応が容易
になるなどの実際的な効果がある。なお、発生モード、
固有モードとも高精度に算出されるのであれば間引きの
必要性も小さくなるが、実際には間引くことによってよ
り確実な特定方法の実行が可能になる。ステップ105
で角周波数ωi が最低角周波数ωmin より小さな発生モ
ードを除外し、また、ステップ106で角周波数ωi
最高角周波数ωmax より大きな発生モードも除外する。
その理由は、角周波数ωi が小さいと配電線のインダク
タンスの影響が小さくなって、この角周波数を用いた特
定が実質的に不可能になってしまうのであらかじめ除外
して余計な計算を行わないようにするものであり、角周
波数ωi が余り大きいと強度Hi が小さくなる一方でノ
イズが大きくなりSN比が悪化することになり、意味の
ある特定が不可能になってしまうからである。最低角周
波数ωmin は後述の固有ベクトルのそれぞれの要素の値
の違いが小さいことに着目して決定されるが、概ね50
0Hz程度が妥当な値である。
【0018】採用最高角周波数ωmax を理論的に最適な
値に設定するためには種々の要素を総合的に判断して決
定されなければならないが、それは煩雑であると同時に
不明な要素もあり、実用的に一律に6kHzに設定して概
ね差し支えない。以上のようにステップ100におい
て、発生モードを適宜間引いて発生モードを限定した
が、その必要性や方法は一義的なものではなく、前述の
方法は一例に過ぎない。また、発生モードや固有モード
の算出技術が向上すればこのような発生モードの限定も
不要になることも考えられる。
【0019】図3はSCの充電電流を計測し図2の演算
を行うコンピュータに入力する装置を示す概念図であ
る。この図において、配電線1は三相で例えば6.6k
Vの配電系統のものであり、この配電系統に力率改善用
コンデンサ2が接続されている。この力率改善用コンデ
ンサの端子リードの1本に変流器3を取付け、この変流
器3で計測された電流を絶縁増幅器4で増幅した上でA
/D変換器でディジタル信号に変換してコンピュータ5
に入力する。図1や図2のフローチャートはこのコンピ
ュータ5によって実行されるものである。
【0020】絶縁増幅器は入力されたアナログ信号を増
幅する他に、配電線に発生したサージが絶縁増幅器4の
出力側以降の電子回路に侵入して破壊することのないよ
うサージを遮断する働きを持ったものであり、一般に使
用されているものである。A/D変換器5の入力信号は
力率改善用コンデンサ2の充電電流に比例したアナログ
信号であり、商用周波成分から転流振動によって発生し
た数kHzの高周波成分が含まれている。A/D変換器5
はこのような入力信号を所定の時間間隔でサンプリング
してその都度ディジタル信号に変換して出力するもので
あり、コンピュータ5に入力されたこのディジタル信号
はコンピュータ5内の記憶部に順次記憶される。
【0021】力率改善用コンデンサ2は配電系統から電
力が供給されている需要家の変電設備内に設置されてい
るものなので、変流器3を取付ける際には容易に力率改
善用コンデンサを無電圧状態にすることができるし力率
改善用コンデンサ2は高所に設置される訳ではないので
変流器3の取付けも容易であるのが実際である。配電線
の模擬回路を設定しこれに基づいて回路方程式をたてそ
の固有モードを算出する方法について次に述べる( 佐
藤、篠原、内藤「高圧配電系統の整流器に起因する転流
振動現象の解析」電学論B,109 巻9号, 平成元年) 。
この算出結果は図1のステップ110によってコンピュ
ータ5に入力される。固有モードの算出はコンピュータ
5に限定するものではなく、別のコンピュータで別途行
っておけばよい。
【0022】SCや整流器負荷が接続されている位置及
び分岐点を数値解析のための模擬回路のノード(節点)
とし、配電線をこれらノードを接続するブランチ(枝)
とし、ノードの電圧Vj (j=1,2,・・・・N) 、ブラ
ンチの電流Ik (k=1,2,・・・・M) とすると、次式
の微分方程式が成立する。微分演算子 d/dtの代わりに
ラプラス変換の演算子pを使用して表すことにする。な
お、ここでは自由振動として発生する発生モードを求め
るのが目的であるので、単にこの自由振動のトリガとな
る整流器負荷のノッチ電圧は固有値と固有ベクトルを求
めるのに不要なことから、回路方程式の外部印加項とな
るこのノッチ電圧は方程式から省略してある。
【0023】 pCV=BI ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) pLI=−BT V−RI ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) ここで、 p ;ラプラス変換の演算子 V ;ノード電圧ベクトル I ;ブランチ電流ベクトル C ;キャパシタンス行列 L ;インダクタンス行列 R ;抵抗行列 B ;接続行列 BT ;接続行列Bの転置マトリクス
【0024】(1)式はノードに着目しノードに流入す
るブランチ電流の総和はそのノードに接続されているキ
ャパシタンスの充電電流に等しいことを表すものであ
り、(2)式はブランチに着目しブランチの電圧降下は
両端のノードの電圧差であることを表すものである。こ
の式を変形して状態方程式の形式で表現すると次式とな
る。
【数1】 ここで、 A ;システム行列
【0025】システム行列Aの固有値をλl ( l =1,
2,・・・・) 、固有値λl に対する固有ベクトルをηl
する。固有値λl は1つの複素数であり、ηl は大きさ
がTの固有ベクトル〔λl1 ,λl2,・・‥λlT〕である。
固有値λl の虚数部はl 番目の固有モードにおける共振
角周波数を与え、その固有ベクトルのそれぞれの要素の
絶対値をηltとするとこれはt番目のノードへの寄与率
を与えることが知られている。なお、固有値とその固有
ベクトルは電流Iで定義されているブランチに対しても
存在するが、以下の固有値λl 固有ベクトルηl はいず
れも各ノードに対応するものだけに限定する。
【0026】前述のように、整流振動はノッチング電圧
をトリガとして発生するので、ηltはl 番目の固有振動
モードに対するt番目のノードの大まかな感度であると
も言える。更に、整流器負荷の転流の影響を受けるの
は、この整流器負荷に近接したSCであることから、整
流器負荷に近接したSCが高い感度を持つ振動モードが
実際に発生し前述の発生モードとして求められるものと
推定される。言い換えれば、発生している振動モードの
感度が小さいSCの近傍には転流振動の発生源は存在し
ないと言える。
【0027】図4は図1の特定方法〔1〕の手順を示す
フローチャートであり、前述のような発生モードと転流
振動発生源との関係を利用した特定方法の1つであり、
実際に発生しているモードにおける転流振動発生源は感
度の高いノードの近傍にあると見なし、逆に感度の低い
ノードの近傍には発生源はないものと見なして除外する
ことによって、特定の対象とする整流器負荷の存在位置
を絞り込もうとするものである。図4において、ステッ
プ131で感度下限値ηmin を入力し、以下、この感度
下限値ηmin を基準にして感度の小さなノードを除いて
行く。この感度下限値η min は経験から10%程度が妥
当な値である。
【0028】まず、初期値としてステップ132で強度
i が最大の発生モードを以下の手順の対象となる発生
モードに選定する。ステップ133で選定された発生モ
ードの共振角周波数をωr としてこのωr に一致する共
振角周波数を持つ固有モードを探しその番号をj とす
る。ステップ134において固有ベクトルの各要素の絶
対値ηjk (k=1,2,・・・・)の中でηmin よりも小さ
なηjkとなるk番目のノードを除外する。判定部135
で全ての発生モードについて前述の手順を完了したら次
に進み、未処理の発生モードがあったら次に大きな強度
i を持つ発生モードを選択して再度ステップ133に
戻り、これを繰り返す。繰り返しが完了したところでも
し残っているノードが1つもなかったら、感度下限値η
min が大き過ぎたと見なしてステップ138でηmin
1割ないし2割小さくし再度ステップ132からやりな
おす。1以上残っているノードがあったらそれらが特定
方法〔1〕による特定結果であるとして特定方法〔1〕
を完了する。
【0029】この図では、残っているノードの数が0か
否かでやりなおしの可否を判定したが、この数を1又は
2というように0以外の特定の値に設定してもよい。後
述の特定方法〔2〕も含めてこのような特定方法には不
確定の要素を含んでいるので、ただ、1つのノードが残
ってもよいとするのではなく、複数のノードを残して、
後はそのノードの近傍の整流器負荷を直接調査するなど
のより高精度の特定方法を採用するようにした方がよい
場合もある。また、残ノード数が所定の値以下になった
らやりなおすというのではなく、所定の値になったらそ
こで打ち切って未だ残っている発生モードによる除外処
理はしないという方法も採用することができる。図4の
方法の場合は、発生モードの適用順序は残ノードには関
係しないので、感度の大きな発生モードから適用してゆ
く必要はないが、前述の途中で打ち切るという方法を採
用する場合には適用順序によって結果が違うものになり
前述のような強度の大きい発生モードから順次選択する
ことが必要になる。いずれにしても図4に示したフロー
チャートは特定方法〔1〕の単なる1例であって前述の
基本的な考え方を守る範囲で種々の方法を採用すること
ができる。
【0030】図5は図1の特定方法〔2〕の手順を示す
フローチャートであり、この特定方法〔2〕は特定方法
〔1〕とは逆に、実際に発生していない固有モードに着
目して、そのような発生していない振動モードでは、感
度の高いノードの近傍には発生源となる整流器負荷は存
在しないと見なしてそのノードを除外することによって
特定の対象とする整流器負荷の存在位置を絞り込もうと
するものである。
【0031】図5において、ステップ141で感度上限
値ηmax を入力し、以下、この感度上限値ηmax を基準
にして感度の大きなノードを除いて行く。この感度上限
値η max は50%程度が妥当な値である。まず、初期値
としてステップ142で一致する発生モードのない固有
モードをその共振周波数の高い方から探索し、最初に得
られた固有モードを初期値として設定し、その固有モー
ド番号をrとする。ステップ143においてr番目の固
有モードの固有ベクトルの各要素の絶対値ηrk(k=
1,2,・・・・)の中でηmax よりも小さなηrkとなるk
番目のノードを除外してゆく。判定部144で全ての固
有モードについて前述の手順を完了したら次に進み、未
処理の固有モードがあったら次に高い共振角周波数を持
ち一致する発生モードのない固有モードを選択してステ
ップ143に戻り、これを繰り返す。繰り返しが完了し
たところでもし残っているノードが1つもなかったら、
感度上限値ηmax が小さ過ぎたものとしてステップ14
6でηmax を少し大きくし再度ステップ142からやり
なおす。1以上残っているノードがあったらそれらが特
定方法〔2〕による特定結果であるとして特定方法
〔2〕を完了する。
【0032】図4の特定方法〔2〕と同じくフローチャ
ートで示した特定方法〔2〕の細部については種々の異
なる手順の採用が可能である。図1ではこれら2つの特
定方法〔1〕、〔2〕を選択できるようにし、また、併
用する場合には特定方法〔1〕を先行させる手順を示し
てある。種々の観点から特定方法〔1〕を先に実行した
方がよい結果が得られることが分かっている。しかし、
これを逆にして先に特定方法〔2〕を実行しその後に特
定方法〔1〕を実行したとしても特定が不可能になると
いうことではない。
【0033】
【発明の効果】この発明は前述のように、対象とする配
電系統を数値的に模擬した模擬回路を設定し、この模擬
回路において電圧が定義されるノードと電流が定義され
るブランチにそれぞれ着目した回路方程式をたて、この
方程式を左辺が時間微分項となる状態方程式の形にした
ときの右辺のシステム行列の固有値とその固有ベクトル
を求めると、この固有値の複素数部は模擬回路の共振周
波数を、この共振周波数を持つ固有モードにおける固有
ベクトルのノードに対応する各要素の絶対値はその固有
モードにおける各ノードの感度寄与率配分となる。
【0034】一方、実際の配電系統に接続されているS
Cのうちの1つに変流器を挿入して充電電流波形を計測
し、そのデータに基づいて周波数分析を行って実際に発
生している発生モードでの共振周波数とその強度を求め
る。SCは需要家の変電設備内に設置されるものなの
で、遮断器を開にしてSCを無電圧状態にするのは、他
の需要家に影響を与えることなしに容易に行うことがで
き、SCは高所に設置されるものではないので、その端
子リードに変流器を挿入するのも比較的容易であるとい
う効果がある。更に測定が必要なのはこのSCの充電電
流だけであり、充電電流は周波数が高いほど多く流れる
特徴があることから、高調波成分の測定に適しているの
で、高精度の測定が可能であるという効果もある。
【0035】発生モードのどれかに実質的に一致する共
振周波数を持つ固有モードを求めると、この共振周波数
の高調波を転流振動として発生させている整流器負荷が
実際に存在し、しかもその接続位置はこの固有モードに
おける感度の高いノードの近傍にあるといえる。したが
って、あらかじめ感度下限値を設定しておいてこれより
も低い感度のノードの近傍には整流器負荷は存在してい
ないと見なしてこのノードを除外する。このようなノー
ドの除外を発生モードそれぞれに対して行うことによっ
てノードが絞り込まれ、これによって障害となる転流振
動を発生させている整流器負荷の存在位置を特定するこ
とができる。
【0036】また、前述のノードを除外する方法とは異
なり、一致する発生モードのない固有モードの共振周波
数を持つ転流振動は発生していなと見なせるので、この
固有モードにおける感度の大きいノードの近傍には整流
器負荷は存在していなといえる。したがって、あらかじ
め感度上限値を設定しておいてこれよりも高い感度のノ
ードの近傍には整流器負荷は存在しないと見なしてこの
ノードを除外する。このようなノードの除外を発生モー
ドそれぞれに対して行うことによってノードが絞り込ま
れ、これによって障害となる転流振動を発生させている
整流器負荷の存在位置を特定することができる。
【0037】前述の2つのノードを除外して絞り込む方
法はそれぞれ単独に使用してもよいが、これを併用すれ
ば、より合理的なノードの除外による特定が可能にな
り、より的確な特定方法になるという効果が得られる。
また、これらの特定方法における発生モードの算定にお
いて、低過ぎる共振周波数はそれぞれのノードの感度に
変化が少ないことから除き、高過ぎる共振周波数はSN比
が悪化することから、これも除いて発生モードの限定す
ることによって前述の特定方法がより迅速、確実になる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すフローチャ−ト
【図2】図1のステップ「発生モード算出」を示すフロ
ーチャート
【図3】電流波形をコンピュータに入力する装置を示す
概念図
【図4】図1のステップ「特定方法〔1〕」を示すフロ
ーチャート
【図5】図1のステップ「特定方法〔2〕」を示すフロ
ーチャート
【符号の説明】
1 配電線 2 力率改善用コンデンサ(SC) 3 変流器 4 絶縁増幅器 5 コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 国広 直樹 東京都調布市西つつじケ丘二丁目4番1号 東京電力株式会社技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配電系統を数値的に模擬した模擬回路を設
    定し、この模擬回路の固有値とその固有ベクトルとを算
    出し、固有値の複素数部からその固有モードの共振周波
    数を、それぞれの固有ベクトルと各ノードに付属するコ
    ンデンサのキャパシタンス値からその固有モードにおけ
    る感度行列を算出し、一方、前記配電系統に並列に接続
    されている力率改善用コンデンサのうちの1つの充電電
    流波形を計測し、そのデータに基づいて周波数分析を行
    って実際に発生している発生モードでの共振周波数とそ
    の強度を求め、これら発生モードの1つに実質的に一致
    する共振周波数を持つ前記模擬回路から算出された固有
    モードを選定し、この固有モードにおける各ノードの感
    度を前記感度行列の測定コンデンサに一致する行を感度
    ベクトルとして選び、この感度ベクトル内の各ノードに
    対応する数値とし、あらかじめ設定された感度下限値よ
    りも低い感度のノードの近傍には高調波発生源は存在し
    ないと見なしてそのノードを除外し、この処理を全ての
    発生モードについて行い、残ったノードの近傍に接続さ
    れている整流器負荷が高調波発生源であるとみなすこと
    を特徴とする配電系統の高調波発生源の特定方法。
  2. 【請求項2】一致する発生モードがある固有モードにお
    けるあらかじめ設定された感度下限値よりも低い感度の
    ノードの近傍には高調波発生源は存在しないと見なす代
    わりに、一致する発生モードのない固有モードにおける
    感度があらかじめ設定された感度上限値より大きいノー
    ドの近傍には高調波発生源が存在しないと見なすことを
    特徴とする請求項1記載の配電系統の高調波発生源の特
    定方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法と請求項2記載の方法
    とにおけるそれぞれのノードを除外する方法を併用する
    ことを特徴とする配電系統の高調波発生源の特定方法。
  4. 【請求項4】所定の最低周波数よりも低く、所定の最高
    周波数よりも高い共振周波数を持つ発生モードを対象外
    として除外することを特徴とする請求項1、2又は3記
    載の配電系統の高調波発生源の特定方法。
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