JPH0565573B2 - - Google Patents
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- JPH0565573B2 JPH0565573B2 JP62314193A JP31419387A JPH0565573B2 JP H0565573 B2 JPH0565573 B2 JP H0565573B2 JP 62314193 A JP62314193 A JP 62314193A JP 31419387 A JP31419387 A JP 31419387A JP H0565573 B2 JPH0565573 B2 JP H0565573B2
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- aluminum
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は自動車、船舶、車両等のエンジン廻り
部品等の厳密に耐圧漏れ性を要求されるような機
械部品に使用するのに適した耐圧性の優れた鋳造
用アルミニウム−ケイ素−マグネシウム系合金、
またはアルミニウム−ケイ素−マグネシウム−銅
系合金に関するものである。 (従来の技術) 一般にJIS規格AC4A、AC4Cにて代表されるア
ルミニウム−ケイ素−マグネシウム系合金、
AC4D、AC8A、AC8B、AC8C等にて代表され
るアルミニウム−ケイ素−マグネシウム−銅系合
金は、鋳造性がよく、熱処理を施すことによつて
優れた機械的性質および耐圧性が得られるところ
から、自動車、船舶、車両等におけるピストン等
のエンジン廻り部品、油圧部品、保安部品その他
の機械部品鋳物用のアルミニウム合金として幅広
く用いられている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、この種のアルミニウム合金にお
いては、合金中の鉄含有量が増加すると急激に鋳
物の耐圧性が低下し、鋳造された鋳物部品に往々
にして圧漏れ等の欠陥を生ずる危険性があつて問
題であつた。 発明者らの調査によると、この現象は合金中の
鉄含有量が0.2%以下であるときは殆ど見られな
いが、これを超えると次第に散見されるようにな
り、0.4%を超えるとその傾向が顕著になること
が判つた。 ところで、一般に鋳物工場においては、資源お
よび経費節約の見地から新塊と称する一次合金地
金にスクラツプ材を多量に添加配合した合金地金
や、スクラツプ材を主体として配合された二次合
金地金が大量に使用されているが、スクラツプ材
中には多量の鉄が不純物として混入しているのが
常であり、このため鋳物工場においてはこの系の
合金を前記の目的、殊に厳格に耐圧性を要求され
る自動車、船舶等のピストン等のエンジン廻り部
品に用いる場合には、不純物としての鉄含有量を
0.4%以下の可及的少ない量に調整する必要があ
り、このための合金配合操作は極めて煩わしく、
またコストアツプの原因になるので好ましくなか
つた。 また、複雑な形状を有する鋳物部品では、合金
中の鉄含有量の増加によつて、肉厚部の凝固の遅
い部分に耐圧性不良箇所を生じやすいので、これ
を防止するために厳密な指向性凝固を行なわねば
ならず、鋳型の設計や鋳造方案に殊更の工夫を要
する面倒があつた。 本発明者らは鋳物用アルミニウム−ケイ素−マ
グネシウム系またはアルミニウム−ケイ素−マグ
ネシウム−銅系合金における上記の問題点につい
て、鉄含有量増大に伴う鋳物の耐圧性低下原因を
究明した結果、これらの系の合金においては合金
中の鉄含有量が増大すると、合金溶湯から鋳物を
鋳込むに際して合金成分中の鉄がアルミニウム、
ケイ素と反応して針状のアルミニウム−ケイ素−
鉄系化合物を晶出し、この針状化合物が鋳物の肉
厚中心部等の溶湯最終凝固部付近において急激に
増加するとともに架橋状に発達粗大化し、この部
分の爾後の溶湯の充足を阻害して亀裂状の引き巣
や微細な連続した線状の引け巣の集合体を発生し
やすくして、これが鋳物の耐圧性を悪化させる原
因となることが判つた。 第1図a,b,c,dは、その代表例としてア
ルミニウム−ケイ素−マグネシウム−銅系合金鋳
物における合金中の鉄含有量と内部引け巣発生と
の関係を実験的に例示したものである。 実験に際しては、合金中の鉄含有量をそれぞれ
変化させたケイ素6.5%、マグネシウム0.3%、銅
3.0%を含むアルミニウム合金溶湯をテーターモ
ールドに鋳込み、鋳塊断面をカラーチエツクによ
り引け巣欠陥の有無を調べた。 第1図より判かるように、合金中の鉄含有量が
0.05%の合金aにあつては、鋳塊の最終凝固部で
ある凝固収縮底部が丸味を帯びた状態で凝固が終
了しており、引け巣欠陥が殆ど見られないもの
が、鉄含有量0.22%の合金bになると、凝固収縮
底部に細く小さな亀裂状の引け巣と多数の微細な
線状の引け巣が現われ、鉄含有量0.36%の合金
c、0.65%の合金dと鉄含有量がさらに増大する
につれて、凝固収縮底部におけるこれらの引き巣
欠陥の数や大きさが拡大し、部分的にこれらが互
いに連通するようになる。 発明者らの実験によれば、この関係は上記組成
の合金にとどまらず、あらゆる組成の実用鋳物用
アルミニウム−ケイ素−マグネシウム系合金およ
びアルミニウム−ケイ素−マグネシウム−銅系合
金に共通の傾向であつて、従つて、実際にこれら
の合金により作られた鋳物においては、鋳造後の
表面加工によつて、これらの鋳物内部において発
達した連通引き巣欠陥は容易にその表面に露出
し、液体や気体がこれらの欠陥を経由して外部に
流通してしまうので、このような合金で作られた
鋳物を耐圧部品等に用いた場合、その耐圧性が損
なわれるのである。 本発明者らは上述したような事実に鑑み、これ
らの問題点を克服すべく鋭意研究を重ねた結果、
鉄を多量に含むアルミニウム−ケイ素−マグネシ
ウム系またはアルミニウム−ケイ素−マグネシウ
ム−銅系合金において、合金中に適量のカルシウ
ムを添加含有させるときは、合金鋳造に際して鋳
物中に見られる互いに連通する亀裂状の引け巣お
よび微細な線状の引け巣の発生を大巾に減少させ
ることができ、従つて鋳物の耐圧性を一段と向上
させることができることを見出した。 (問題点を解決するための手段) 即ち、本発明は重量でケイ素4〜11%、マグネ
シウム0.1〜2%、カルシウム0.001〜0.01%を含
有し、さらに必要に応じて銅5%以下、マンガン
1%以下、ニツケル3%以下を含有し、残部アル
ミニウムおよび不純物とからなり、不純物中の鉄
の含有量が0.4%を超え0.8%未満である耐圧性の
優れた鋳物用アルミニウム合金である。 (作用) 本発明によるときは、合金中の鉄含有量が0.8
%程度迄であれば、カルシウム0.001〜0.01%を
添加含有させることによつて、従来の実用アルミ
ニウム−ケイ素−マグネシウム系合金鋳物または
アルミニウム−ケイ素−マグネシウム−銅系合金
鋳物において、この種の合金鋳物特有の他の優れ
た特性を妨げること無く、合金中の鉄含有に基ず
く特殊な形状の内部引け巣の発生に起因する耐圧
性低下を防止することができ、強度、靭性等は寧
ろ向上するので、鋳物工場等において鉄分の多い
スクラツプ地金や二次合金地金を使用しても、何
等配合地金中の鉄含有量の調整に気を使うことな
しに自動車、船舶等のエンジン廻り部品等、厳密
な耐圧性を要求される鋳物製品の鋳造を行なうこ
とができるので極めて効果的である。 次に本発明の合金における各添加元素の作用お
よび限定理由について説明する。 ケイ素4〜11%の添加は合金基質を強化し、湯
流れ性、引け性、鋳造割れ防止等を改善する効果
を有し、4.0%以下ではその効果少なく、11%以
上では鋳物の靭性や耐熱衝撃性を著しく低下させ
る。 マグネシウム0.1〜2%の添加は鋳物に熱処理
を施すことによつて合金組織中にMg2Siを析出し
て合金基質を強化する効果を有し、0.1%以下で
はその効果少なく、2%以上では伸びが小さく、
また鋳造性も低下する。 銅の5%以下の添加は熱処理を施した場合に、
時効効果によつて合金鋳物に著しい強度を付与す
るものであるが、5%以上の添加は伸びを低下し
靭性を損なう。 マンガンの1%以下およびニツケルの3%以下
の添加は鋳物に耐熱性を付与するものであるが、
マンガン添加量が1%を超すと、添加したマンガ
ンが合金成分中のアルミニウム、ケイ素や不純物
として含まれる鉄と反応してアルミニウム−マン
ガン−ケイ素−鉄系の粗大な針状化合物を晶出し
て鋳物の靭性を低下させ、またニツケルの添加量
が3%を超すとアルミニウム−ニツケル系の粗大
化合物を生じて同様に靭性低下を来す。 本発明においては上記した組成範囲でケイ素、
マグネシウムを含み、さらに必要に応じて銅、マ
ンガン、ニツケルを含むアルミニウム−ケイ素−
マグネシウム系、またはアルミニウム−ケイ素−
マグネシウム−銅系合金において、カルシウムの
0.001〜0.01%を添加するものであるが、カルシ
ウムの上記範囲での含有は、先に述べた如くこの
二つの系の合金に於ける合金中の鉄含有に基ずく
合金鋳物製品の引け巣欠陥の増加に依る耐圧性低
下を防止する作用を有するものであつて、含有量
が0.001%以下ではその効果が少なく、またそれ
が0.01%を超えると、合金溶湯の流動性が低下し
て鋳物に湯境等を生じなくなり、健全な製品を描
たくなる。 而して、このようにカルシウム添加に依る耐圧
性改善効果が得られる合金中の鉄含有量の範囲は
0.4%を超え0.8%未満の範囲に限られるものであ
る。 何となれば鉄0.4%以下では合金鋳物の耐圧性
はもともと問題は無く、また鉄含有量が0.8%を
超えるとカルシウム添加によつても耐圧性改善効
果が十分に得られないからである。 本発明の合金の溶製はこの種の合金系において
通常行なわれる一般的な方法が採られ、カルシウ
ムの添加は金属カルシウムまたはアルミニウム−
カルシウム母合金またはカルシウム含有フラツク
ス等が用いられる。 また、本発明合金を鋳造して各種鋳物製品を得
るに際し、この種の合金系において婁々行なわれ
るナトリウムまたはストロンチウム等に依る鋳造
組織の改良処理、チタニウム、ボロン等に依る鋳
造組織の微細化処理等によつて合金中に添加され
るこれら金属の含有は、これらの処理が常法の添
加範囲にて行なわれている限り、本発明の効果を
妨げることが無いので何等支障は無い。 本発明の合金は砂型鋳造や金型鋳造に適用可能
なことは勿論であるが、近年大型化しつゝあるダ
イカスト、低圧鋳造に適用した場合にも鋳造製品
の耐圧性を向上することができる。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示す如き各種組成の合金を溶製し、鋳
込温度720℃、鋳型温度200℃にてJIS舟底金型お
よびテーターモールドに鋳込み、それらから強度
および伸び試験片、引き巣観察試験片を作成し
た。なお、合金組成中のカルシウムはアルミニウ
ム−5%カルシウム母合金を用いて添加した。強
度および伸びの測定は試験片を500℃に6時間保
持後、水焼き入れし、180℃で6時間焼き戻すT6
処理を施した後に行なつた。 引け巣の観察については、テーターモールドに
鋳込まれた合金鋳物の上下方向に2分割し、分割
面を面削して平滑化した後カラーチエツクして、
引き巣の存在状態を調べた。これらの結果を第1
表に示す。なお、引け巣の観察結果は第1図に示
す実験結果を参考にし、aの如く有害な引き巣の
観察されなかつたものをAランクとしb,c,d
と引け巣の存在が顕著になるに従つて、それぞれ
B、C、Dとランク付けした。
部品等の厳密に耐圧漏れ性を要求されるような機
械部品に使用するのに適した耐圧性の優れた鋳造
用アルミニウム−ケイ素−マグネシウム系合金、
またはアルミニウム−ケイ素−マグネシウム−銅
系合金に関するものである。 (従来の技術) 一般にJIS規格AC4A、AC4Cにて代表されるア
ルミニウム−ケイ素−マグネシウム系合金、
AC4D、AC8A、AC8B、AC8C等にて代表され
るアルミニウム−ケイ素−マグネシウム−銅系合
金は、鋳造性がよく、熱処理を施すことによつて
優れた機械的性質および耐圧性が得られるところ
から、自動車、船舶、車両等におけるピストン等
のエンジン廻り部品、油圧部品、保安部品その他
の機械部品鋳物用のアルミニウム合金として幅広
く用いられている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、この種のアルミニウム合金にお
いては、合金中の鉄含有量が増加すると急激に鋳
物の耐圧性が低下し、鋳造された鋳物部品に往々
にして圧漏れ等の欠陥を生ずる危険性があつて問
題であつた。 発明者らの調査によると、この現象は合金中の
鉄含有量が0.2%以下であるときは殆ど見られな
いが、これを超えると次第に散見されるようにな
り、0.4%を超えるとその傾向が顕著になること
が判つた。 ところで、一般に鋳物工場においては、資源お
よび経費節約の見地から新塊と称する一次合金地
金にスクラツプ材を多量に添加配合した合金地金
や、スクラツプ材を主体として配合された二次合
金地金が大量に使用されているが、スクラツプ材
中には多量の鉄が不純物として混入しているのが
常であり、このため鋳物工場においてはこの系の
合金を前記の目的、殊に厳格に耐圧性を要求され
る自動車、船舶等のピストン等のエンジン廻り部
品に用いる場合には、不純物としての鉄含有量を
0.4%以下の可及的少ない量に調整する必要があ
り、このための合金配合操作は極めて煩わしく、
またコストアツプの原因になるので好ましくなか
つた。 また、複雑な形状を有する鋳物部品では、合金
中の鉄含有量の増加によつて、肉厚部の凝固の遅
い部分に耐圧性不良箇所を生じやすいので、これ
を防止するために厳密な指向性凝固を行なわねば
ならず、鋳型の設計や鋳造方案に殊更の工夫を要
する面倒があつた。 本発明者らは鋳物用アルミニウム−ケイ素−マ
グネシウム系またはアルミニウム−ケイ素−マグ
ネシウム−銅系合金における上記の問題点につい
て、鉄含有量増大に伴う鋳物の耐圧性低下原因を
究明した結果、これらの系の合金においては合金
中の鉄含有量が増大すると、合金溶湯から鋳物を
鋳込むに際して合金成分中の鉄がアルミニウム、
ケイ素と反応して針状のアルミニウム−ケイ素−
鉄系化合物を晶出し、この針状化合物が鋳物の肉
厚中心部等の溶湯最終凝固部付近において急激に
増加するとともに架橋状に発達粗大化し、この部
分の爾後の溶湯の充足を阻害して亀裂状の引き巣
や微細な連続した線状の引け巣の集合体を発生し
やすくして、これが鋳物の耐圧性を悪化させる原
因となることが判つた。 第1図a,b,c,dは、その代表例としてア
ルミニウム−ケイ素−マグネシウム−銅系合金鋳
物における合金中の鉄含有量と内部引け巣発生と
の関係を実験的に例示したものである。 実験に際しては、合金中の鉄含有量をそれぞれ
変化させたケイ素6.5%、マグネシウム0.3%、銅
3.0%を含むアルミニウム合金溶湯をテーターモ
ールドに鋳込み、鋳塊断面をカラーチエツクによ
り引け巣欠陥の有無を調べた。 第1図より判かるように、合金中の鉄含有量が
0.05%の合金aにあつては、鋳塊の最終凝固部で
ある凝固収縮底部が丸味を帯びた状態で凝固が終
了しており、引け巣欠陥が殆ど見られないもの
が、鉄含有量0.22%の合金bになると、凝固収縮
底部に細く小さな亀裂状の引け巣と多数の微細な
線状の引け巣が現われ、鉄含有量0.36%の合金
c、0.65%の合金dと鉄含有量がさらに増大する
につれて、凝固収縮底部におけるこれらの引き巣
欠陥の数や大きさが拡大し、部分的にこれらが互
いに連通するようになる。 発明者らの実験によれば、この関係は上記組成
の合金にとどまらず、あらゆる組成の実用鋳物用
アルミニウム−ケイ素−マグネシウム系合金およ
びアルミニウム−ケイ素−マグネシウム−銅系合
金に共通の傾向であつて、従つて、実際にこれら
の合金により作られた鋳物においては、鋳造後の
表面加工によつて、これらの鋳物内部において発
達した連通引き巣欠陥は容易にその表面に露出
し、液体や気体がこれらの欠陥を経由して外部に
流通してしまうので、このような合金で作られた
鋳物を耐圧部品等に用いた場合、その耐圧性が損
なわれるのである。 本発明者らは上述したような事実に鑑み、これ
らの問題点を克服すべく鋭意研究を重ねた結果、
鉄を多量に含むアルミニウム−ケイ素−マグネシ
ウム系またはアルミニウム−ケイ素−マグネシウ
ム−銅系合金において、合金中に適量のカルシウ
ムを添加含有させるときは、合金鋳造に際して鋳
物中に見られる互いに連通する亀裂状の引け巣お
よび微細な線状の引け巣の発生を大巾に減少させ
ることができ、従つて鋳物の耐圧性を一段と向上
させることができることを見出した。 (問題点を解決するための手段) 即ち、本発明は重量でケイ素4〜11%、マグネ
シウム0.1〜2%、カルシウム0.001〜0.01%を含
有し、さらに必要に応じて銅5%以下、マンガン
1%以下、ニツケル3%以下を含有し、残部アル
ミニウムおよび不純物とからなり、不純物中の鉄
の含有量が0.4%を超え0.8%未満である耐圧性の
優れた鋳物用アルミニウム合金である。 (作用) 本発明によるときは、合金中の鉄含有量が0.8
%程度迄であれば、カルシウム0.001〜0.01%を
添加含有させることによつて、従来の実用アルミ
ニウム−ケイ素−マグネシウム系合金鋳物または
アルミニウム−ケイ素−マグネシウム−銅系合金
鋳物において、この種の合金鋳物特有の他の優れ
た特性を妨げること無く、合金中の鉄含有に基ず
く特殊な形状の内部引け巣の発生に起因する耐圧
性低下を防止することができ、強度、靭性等は寧
ろ向上するので、鋳物工場等において鉄分の多い
スクラツプ地金や二次合金地金を使用しても、何
等配合地金中の鉄含有量の調整に気を使うことな
しに自動車、船舶等のエンジン廻り部品等、厳密
な耐圧性を要求される鋳物製品の鋳造を行なうこ
とができるので極めて効果的である。 次に本発明の合金における各添加元素の作用お
よび限定理由について説明する。 ケイ素4〜11%の添加は合金基質を強化し、湯
流れ性、引け性、鋳造割れ防止等を改善する効果
を有し、4.0%以下ではその効果少なく、11%以
上では鋳物の靭性や耐熱衝撃性を著しく低下させ
る。 マグネシウム0.1〜2%の添加は鋳物に熱処理
を施すことによつて合金組織中にMg2Siを析出し
て合金基質を強化する効果を有し、0.1%以下で
はその効果少なく、2%以上では伸びが小さく、
また鋳造性も低下する。 銅の5%以下の添加は熱処理を施した場合に、
時効効果によつて合金鋳物に著しい強度を付与す
るものであるが、5%以上の添加は伸びを低下し
靭性を損なう。 マンガンの1%以下およびニツケルの3%以下
の添加は鋳物に耐熱性を付与するものであるが、
マンガン添加量が1%を超すと、添加したマンガ
ンが合金成分中のアルミニウム、ケイ素や不純物
として含まれる鉄と反応してアルミニウム−マン
ガン−ケイ素−鉄系の粗大な針状化合物を晶出し
て鋳物の靭性を低下させ、またニツケルの添加量
が3%を超すとアルミニウム−ニツケル系の粗大
化合物を生じて同様に靭性低下を来す。 本発明においては上記した組成範囲でケイ素、
マグネシウムを含み、さらに必要に応じて銅、マ
ンガン、ニツケルを含むアルミニウム−ケイ素−
マグネシウム系、またはアルミニウム−ケイ素−
マグネシウム−銅系合金において、カルシウムの
0.001〜0.01%を添加するものであるが、カルシ
ウムの上記範囲での含有は、先に述べた如くこの
二つの系の合金に於ける合金中の鉄含有に基ずく
合金鋳物製品の引け巣欠陥の増加に依る耐圧性低
下を防止する作用を有するものであつて、含有量
が0.001%以下ではその効果が少なく、またそれ
が0.01%を超えると、合金溶湯の流動性が低下し
て鋳物に湯境等を生じなくなり、健全な製品を描
たくなる。 而して、このようにカルシウム添加に依る耐圧
性改善効果が得られる合金中の鉄含有量の範囲は
0.4%を超え0.8%未満の範囲に限られるものであ
る。 何となれば鉄0.4%以下では合金鋳物の耐圧性
はもともと問題は無く、また鉄含有量が0.8%を
超えるとカルシウム添加によつても耐圧性改善効
果が十分に得られないからである。 本発明の合金の溶製はこの種の合金系において
通常行なわれる一般的な方法が採られ、カルシウ
ムの添加は金属カルシウムまたはアルミニウム−
カルシウム母合金またはカルシウム含有フラツク
ス等が用いられる。 また、本発明合金を鋳造して各種鋳物製品を得
るに際し、この種の合金系において婁々行なわれ
るナトリウムまたはストロンチウム等に依る鋳造
組織の改良処理、チタニウム、ボロン等に依る鋳
造組織の微細化処理等によつて合金中に添加され
るこれら金属の含有は、これらの処理が常法の添
加範囲にて行なわれている限り、本発明の効果を
妨げることが無いので何等支障は無い。 本発明の合金は砂型鋳造や金型鋳造に適用可能
なことは勿論であるが、近年大型化しつゝあるダ
イカスト、低圧鋳造に適用した場合にも鋳造製品
の耐圧性を向上することができる。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示す如き各種組成の合金を溶製し、鋳
込温度720℃、鋳型温度200℃にてJIS舟底金型お
よびテーターモールドに鋳込み、それらから強度
および伸び試験片、引き巣観察試験片を作成し
た。なお、合金組成中のカルシウムはアルミニウ
ム−5%カルシウム母合金を用いて添加した。強
度および伸びの測定は試験片を500℃に6時間保
持後、水焼き入れし、180℃で6時間焼き戻すT6
処理を施した後に行なつた。 引け巣の観察については、テーターモールドに
鋳込まれた合金鋳物の上下方向に2分割し、分割
面を面削して平滑化した後カラーチエツクして、
引き巣の存在状態を調べた。これらの結果を第1
表に示す。なお、引け巣の観察結果は第1図に示
す実験結果を参考にし、aの如く有害な引き巣の
観察されなかつたものをAランクとしb,c,d
と引け巣の存在が顕著になるに従つて、それぞれ
B、C、Dとランク付けした。
【表】
*:ppm表示
第1表の結果からカルシウム添加のない従来の
アルミニウム−ケイ素−マグネシウム系合金(試
料番号1〜4)およびアルミニウム−ケイ素−マ
グネシウム−銅係合金(試料番号9〜11)におい
ては、合金中の鉄含有量が低い間は引け巣ランク
はAと全く問題が無い(試料番号1)が、鉄含有
量が0.2%を超えると(試料番号2〜4および9
〜11)有害な引け巣が観測され、含有量が多くな
るに従つてB、C、Dとこれら有害な引け巣量が
多くなり、これらの合金によつて作られた鋳物の
耐圧性に問題を生ずる恐れがあるのに対し、これ
らの合金系に本発明の範囲でカルシウムを添加し
た本発明第1乃至第4の合金(試料番号5〜8お
よび12〜15)においては合金中の鉄含有量が0.2
%を超えて相当量高くなつても、いずれもランク
Aで有害な引け巣が存在せず、本発明合金は耐圧
性が優れていることが判かる。 また、強度、伸びの測定結果から本発明のアル
ミニウム−ケイ素−マグネシウム系合金およびア
ルミニウム−ケイ素−マグネシウム−銅系合金は
同一組成のケイ素、マグネシウム、銅を含む従来
合金に較べて概ね強度、伸びともに改善されてお
り、機械的性質、殊に靭性においても優れている
ことが判かる。 (効果) 以上述べたように、従来のアルミニウム−ケイ
素−マグネシウム系合金、またはアルミニウム−
ケイ素−マグネシウム−銅系合金に適量のカルシ
ウムを添加含有せしめた本発明の鋳物用アルミニ
ウム合金は、合金中の鉄含有量の増加にもかゝわ
らず、これを鋳造して得られた鋳物製品に鉄化合
物の生成に起因する特殊な形状の内部引け巣に依
る欠陥を生ずることが無いので、耐圧性に優れ、
また強度、靭性も改善されるので自動車、船舶の
ピストン等のエンジン廻り部品、油圧容器、その
他の耐圧性を必要とする機械部品鋳物の鋳造に最
適である。 また、鋳物工場等においてスクラツプ材、二次
合金地金の配合使用に際しても、配合地金中の鉄
不純物の調整に煩わされること無く、合金の溶製
ができるので極めて効率的かつ経済的である。
第1表の結果からカルシウム添加のない従来の
アルミニウム−ケイ素−マグネシウム系合金(試
料番号1〜4)およびアルミニウム−ケイ素−マ
グネシウム−銅係合金(試料番号9〜11)におい
ては、合金中の鉄含有量が低い間は引け巣ランク
はAと全く問題が無い(試料番号1)が、鉄含有
量が0.2%を超えると(試料番号2〜4および9
〜11)有害な引け巣が観測され、含有量が多くな
るに従つてB、C、Dとこれら有害な引け巣量が
多くなり、これらの合金によつて作られた鋳物の
耐圧性に問題を生ずる恐れがあるのに対し、これ
らの合金系に本発明の範囲でカルシウムを添加し
た本発明第1乃至第4の合金(試料番号5〜8お
よび12〜15)においては合金中の鉄含有量が0.2
%を超えて相当量高くなつても、いずれもランク
Aで有害な引け巣が存在せず、本発明合金は耐圧
性が優れていることが判かる。 また、強度、伸びの測定結果から本発明のアル
ミニウム−ケイ素−マグネシウム系合金およびア
ルミニウム−ケイ素−マグネシウム−銅系合金は
同一組成のケイ素、マグネシウム、銅を含む従来
合金に較べて概ね強度、伸びともに改善されてお
り、機械的性質、殊に靭性においても優れている
ことが判かる。 (効果) 以上述べたように、従来のアルミニウム−ケイ
素−マグネシウム系合金、またはアルミニウム−
ケイ素−マグネシウム−銅系合金に適量のカルシ
ウムを添加含有せしめた本発明の鋳物用アルミニ
ウム合金は、合金中の鉄含有量の増加にもかゝわ
らず、これを鋳造して得られた鋳物製品に鉄化合
物の生成に起因する特殊な形状の内部引け巣に依
る欠陥を生ずることが無いので、耐圧性に優れ、
また強度、靭性も改善されるので自動車、船舶の
ピストン等のエンジン廻り部品、油圧容器、その
他の耐圧性を必要とする機械部品鋳物の鋳造に最
適である。 また、鋳物工場等においてスクラツプ材、二次
合金地金の配合使用に際しても、配合地金中の鉄
不純物の調整に煩わされること無く、合金の溶製
ができるので極めて効率的かつ経済的である。
第1図a,b,cおよびdは従来のアルミニウ
ム−ケイ素−マグネシウム−銅系合金における合
金中の鉄含有量と引け巣発生状態の関係を示すた
めのカラーチエツによる引け巣観察試料である。
本試料は同時に引け巣発生手段程度を示すランク
付け試料の兼ねており、A、B、C、Dの順で引
け巣量が増大することを示す。
ム−ケイ素−マグネシウム−銅系合金における合
金中の鉄含有量と引け巣発生状態の関係を示すた
めのカラーチエツによる引け巣観察試料である。
本試料は同時に引け巣発生手段程度を示すランク
付け試料の兼ねており、A、B、C、Dの順で引
け巣量が増大することを示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量で、ケイ素4〜11%、マグネシウム0.1
〜2%、カルシウム0.001〜0.01%を含有し、残
部アルミニウムおよび不純物からなり、不純物中
の鉄の含有量が0.4%を超え0.8%未満である耐圧
性の優れた鋳物用アルミニウム合金。 2 重量で、ケイ素4〜11%、マグネシウム0.1
〜2%、銅5%以下、カルシウム0.001〜0.01%
を含有し、残部アルミニウムおよび不純物からな
り、不純物中の鉄の含有量が0.4%を超え0.8%未
満である耐圧性の優れた鋳物用アルミニウム合
金。 3 重量で、ケイ素4〜11%、マグネシウム0.1
〜2%、カルシウム0.001〜0.01%を含有し、さ
らに、マンガン1%以下およびニツケル3%以下
のうちの1種以上を含有し、残部アルミニウムお
よび不純物からなり、不純物中の鉄の含有量が
0.4%を超え0.8%未満である耐圧性の優れた鋳物
用アルミニウム合金。 4 重量で、ケイ素4〜11%、マグネシウム0.1
〜2%、銅5%以下、カルシウム0.001〜0.01%
を含有し、さらに、マンガン1%以下およびニツ
ケル3%以下のうちの1種以上を含有し、残部ア
ルミニウムおよび不純物からなり、不純物中の鉄
の含有量が0.4%を超え0.8%未満である耐圧性の
優れた鋳物用アルミニウム合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31419387A JPH01156446A (ja) | 1987-12-14 | 1987-12-14 | 耐圧性の優れた鋳物用アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31419387A JPH01156446A (ja) | 1987-12-14 | 1987-12-14 | 耐圧性の優れた鋳物用アルミニウム合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01156446A JPH01156446A (ja) | 1989-06-20 |
| JPH0565573B2 true JPH0565573B2 (ja) | 1993-09-20 |
Family
ID=18050386
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31419387A Granted JPH01156446A (ja) | 1987-12-14 | 1987-12-14 | 耐圧性の優れた鋳物用アルミニウム合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01156446A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6412164B1 (en) * | 2000-10-10 | 2002-07-02 | Alcoa Inc. | Aluminum alloys having improved cast surface quality |
| JP4590784B2 (ja) | 2001-06-18 | 2010-12-01 | アイシン精機株式会社 | 摺動部材および弁開閉時期制御装置 |
| JP4623372B2 (ja) * | 2005-07-27 | 2011-02-02 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 鋳物用アルミニウム合金およびその製造方法、ならびにアルミニウム合金鋳造製品の製造方法 |
| KR101273579B1 (ko) * | 2010-10-19 | 2013-06-11 | 한국생산기술연구원 | 알루미늄 합금 압출재 및 그 제조 방법 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5538965A (en) * | 1978-09-14 | 1980-03-18 | Sukai Alum Kk | Solder alloy for vacuum brazing aluminum |
| JPS6126744A (ja) * | 1984-07-16 | 1986-02-06 | Honda Motor Co Ltd | 耐摩耗性アルミニウム合金 |
-
1987
- 1987-12-14 JP JP31419387A patent/JPH01156446A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01156446A (ja) | 1989-06-20 |
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