JPH0566209A - 構造物の表面または内部欠陥の検知方法 - Google Patents
構造物の表面または内部欠陥の検知方法Info
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- JPH0566209A JPH0566209A JP22801891A JP22801891A JPH0566209A JP H0566209 A JPH0566209 A JP H0566209A JP 22801891 A JP22801891 A JP 22801891A JP 22801891 A JP22801891 A JP 22801891A JP H0566209 A JPH0566209 A JP H0566209A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】単なる欠陥の有無でなく、一歩進んでその欠陥
の幅および深さを判断できるようにする。 【構成】構造物表面からの放射エネルギーを赤外線放射
計により検出して構造物の欠陥を検知する方法におい
て、前記赤外線放射計からの放射温度信号から得られる
対象面方向の温度分布を示す曲線における変曲点間の幅
b’に基づいて、前記内部欠陥の対象面の同方向の実幅
bを推定する。
の幅および深さを判断できるようにする。 【構成】構造物表面からの放射エネルギーを赤外線放射
計により検出して構造物の欠陥を検知する方法におい
て、前記赤外線放射計からの放射温度信号から得られる
対象面方向の温度分布を示す曲線における変曲点間の幅
b’に基づいて、前記内部欠陥の対象面の同方向の実幅
bを推定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビルなどの構造物の表
面または内部欠陥、たとえばクラックの幅や深さを定量
的に検知する方法に関する。
面または内部欠陥、たとえばクラックの幅や深さを定量
的に検知する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物の長年の使用により、外壁にクラ
ックが生じたり、タイルの浮き上がりなどが生じると、
漏水や外壁またはタイルの剥落の危険性を生じる。した
がって、従来、これらを検知するために、木製ハンマー
などにより表面を叩いてその音により、作業員が判断す
る方法が知られている。
ックが生じたり、タイルの浮き上がりなどが生じると、
漏水や外壁またはタイルの剥落の危険性を生じる。した
がって、従来、これらを検知するために、木製ハンマー
などにより表面を叩いてその音により、作業員が判断す
る方法が知られている。
【0003】しかし、これでは作業性が悪いばかりでな
く、信頼性に欠けるものである。
く、信頼性に欠けるものである。
【0004】そこで、作業性に優れ、信頼性が高い欠陥
の検出方法が模索されてきた。その一つに、構造物表面
からの放射エネルギーを赤外線放射計により検出して構
造物の欠陥の有無または個所を検知する方法がある。
の検出方法が模索されてきた。その一つに、構造物表面
からの放射エネルギーを赤外線放射計により検出して構
造物の欠陥の有無または個所を検知する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】なるほど、この方法
は、基本的に優れた方法であることは知られており、そ
の改良についても、種々の提案がなされている。
は、基本的に優れた方法であることは知られており、そ
の改良についても、種々の提案がなされている。
【0006】しかし、構造物の表面からの放射エネルギ
ーを検出して、たとえばCRT表示装置に表示したとし
ても、検査員が目視により、欠陥であるか否かを判断す
るのみで、実際の欠陥の性状との関係は判断できなかっ
た。また、その欠陥の有無の判断すら検査員の感に頼る
ことが多く、したがって検査ミスを生じ易く、誤って正
常部を修理のために剥離することもある。
ーを検出して、たとえばCRT表示装置に表示したとし
ても、検査員が目視により、欠陥であるか否かを判断す
るのみで、実際の欠陥の性状との関係は判断できなかっ
た。また、その欠陥の有無の判断すら検査員の感に頼る
ことが多く、したがって検査ミスを生じ易く、誤って正
常部を修理のために剥離することもある。
【0007】そこで、本発明の主たる課題は、単に欠陥
の有無のみを判断するのでなく、一歩進んでその欠陥の
幅および深さを判断できるようにするとともに、検知精
度をより高めることにある。
の有無のみを判断するのでなく、一歩進んでその欠陥の
幅および深さを判断できるようにするとともに、検知精
度をより高めることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、構造物表面
からの放射エネルギーを赤外線放射計により検出して構
造物の欠陥を検知する方法において、前記赤外線放射計
からの放射温度信号から得られる対象面方向の温度分布
に基づいて、前記欠陥の対象面の同方向の実幅と深さを
推定することで解決できる。
からの放射エネルギーを赤外線放射計により検出して構
造物の欠陥を検知する方法において、前記赤外線放射計
からの放射温度信号から得られる対象面方向の温度分布
に基づいて、前記欠陥の対象面の同方向の実幅と深さを
推定することで解決できる。
【0009】また、前記温度分布を示す曲線における変
曲点間の幅に係数(=1/2〜1/4)を乗算して欠陥
部の実幅とすることが適切である。
曲点間の幅に係数(=1/2〜1/4)を乗算して欠陥
部の実幅とすることが適切である。
【0010】さらに、太陽光による自然加熱または対象
面を人為的に加熱したときの加熱過程または加熱停止に
よる於冷状態の冷却過程における、欠陥部分の表面温度
Tcと無欠陥部分の表面温度Tsとの温度差ΔTcの変
化度合いに基づいて、欠陥の深さを推定することができ
る。この場合、前記温度差ΔTcの加熱開始からの温度
差変化曲線において、加熱開始時点から温度差上昇率が
安定する時点までの時間差に基づいて欠陥の深さを推定
することが好ましい。
面を人為的に加熱したときの加熱過程または加熱停止に
よる於冷状態の冷却過程における、欠陥部分の表面温度
Tcと無欠陥部分の表面温度Tsとの温度差ΔTcの変
化度合いに基づいて、欠陥の深さを推定することができ
る。この場合、前記温度差ΔTcの加熱開始からの温度
差変化曲線において、加熱開始時点から温度差上昇率が
安定する時点までの時間差に基づいて欠陥の深さを推定
することが好ましい。
【0011】
【作用】本発明者は、後述する種々の実験結果から、赤
外線放射計からの放射温度信号から得られる対象面方向
の温度分布を示す曲線における変曲点間の幅が、内部欠
陥の対象面の同方向の実幅(実幅寸法)と相関があるこ
とを知見した。また、前記変曲点間の幅に係数(=1/
2〜1/4)を乗算して欠陥部の実幅とすることが適切
であることも知見した。
外線放射計からの放射温度信号から得られる対象面方向
の温度分布を示す曲線における変曲点間の幅が、内部欠
陥の対象面の同方向の実幅(実幅寸法)と相関があるこ
とを知見した。また、前記変曲点間の幅に係数(=1/
2〜1/4)を乗算して欠陥部の実幅とすることが適切
であることも知見した。
【0012】さらに、欠陥の深さについては、太陽光に
よる自然昇温であれ、対象面を人為的に加熱して、その
加熱または冷却過程における、欠陥部分の表面温度Tc
と無欠陥部分の表面温度Tsとの温度差ΔTcの変化度
合いに基づいて、欠陥の深さを推定することができる。
この場合、前記温度差ΔTcの加熱開始からの温度差変
化曲線において、加熱開始時点から温度差上昇率が安定
する時点までの時間差に基づいて欠陥の深さを推定する
ことが望ましい。なお、本発明において、欠陥の幅と
は、その方向を問われない。
よる自然昇温であれ、対象面を人為的に加熱して、その
加熱または冷却過程における、欠陥部分の表面温度Tc
と無欠陥部分の表面温度Tsとの温度差ΔTcの変化度
合いに基づいて、欠陥の深さを推定することができる。
この場合、前記温度差ΔTcの加熱開始からの温度差変
化曲線において、加熱開始時点から温度差上昇率が安定
する時点までの時間差に基づいて欠陥の深さを推定する
ことが望ましい。なお、本発明において、欠陥の幅と
は、その方向を問われない。
【0013】
【実施例】以下本発明を図面を参照しながら具体的に説
明する。まず、本発明の欠陥検出装置の概要を説明する
と、図1において、1は構造物としてのビルで、その外
壁1Aを睨む赤外線放射計2が地上に設置されている。
明する。まず、本発明の欠陥検出装置の概要を説明する
と、図1において、1は構造物としてのビルで、その外
壁1Aを睨む赤外線放射計2が地上に設置されている。
【0014】赤外線放射計2はその上下左右角度に調整
自在に設置されている。また、外壁1Aを加熱するため
に、ビル1の屋上に屋上走行台車3が設けられ、それか
ら張り出したアーム4の先端に設けられた吊り下げウイ
ンチ5およびワイヤー6を介してゴンドラ7が吊り下げ
られ、このゴンドラ7に熱ガス吹付手段8が設けられて
いる。
自在に設置されている。また、外壁1Aを加熱するため
に、ビル1の屋上に屋上走行台車3が設けられ、それか
ら張り出したアーム4の先端に設けられた吊り下げウイ
ンチ5およびワイヤー6を介してゴンドラ7が吊り下げ
られ、このゴンドラ7に熱ガス吹付手段8が設けられて
いる。
【0015】熱ガス吹付手段8は、好ましくは図2に示
すように、ゴンドラ7中に外壁1Aの面に平行な方向に
敷設された走行レール9に沿って横行自在とされる。こ
の横行には、熱ガス吹付台車10に設けられた横行用駆
動モーター11によりレール9に接触するローラー12
を回転させることにより行われる。13A、13Bは横
行用ストッパーである。他方、熱ガス吹付手段8を外壁
1Aに接離させるために、図3に示すように、前記熱ガ
ス吹付台車10の基台10A上に敷設された前後進用レ
ール14上に副台車10Bが前後進用駆動モーター15
により前後進自在とされている。この前後進に際して
は、たとえば図示のように、副車輪16を回転させるこ
とにより行われる。仮想線で図示されている17は横行
用車輪である。さらに、ある高さ範囲全体を加熱するた
めに、熱ガス吹付手段8は、上下に首振り自在とされて
いる。この首振りは、首振り用モーター18により、熱
ガス吹付手段8の支持軸8aを回転させることにより行
われるように構成されている。
すように、ゴンドラ7中に外壁1Aの面に平行な方向に
敷設された走行レール9に沿って横行自在とされる。こ
の横行には、熱ガス吹付台車10に設けられた横行用駆
動モーター11によりレール9に接触するローラー12
を回転させることにより行われる。13A、13Bは横
行用ストッパーである。他方、熱ガス吹付手段8を外壁
1Aに接離させるために、図3に示すように、前記熱ガ
ス吹付台車10の基台10A上に敷設された前後進用レ
ール14上に副台車10Bが前後進用駆動モーター15
により前後進自在とされている。この前後進に際して
は、たとえば図示のように、副車輪16を回転させるこ
とにより行われる。仮想線で図示されている17は横行
用車輪である。さらに、ある高さ範囲全体を加熱するた
めに、熱ガス吹付手段8は、上下に首振り自在とされて
いる。この首振りは、首振り用モーター18により、熱
ガス吹付手段8の支持軸8aを回転させることにより行
われるように構成されている。
【0016】一方、地上に配置された赤外線放射計2
も、外壁1Aに平行な走行レール19に沿って平行移動
させることが望ましい。さらに、赤外線放射計2による
検出信号は、信号処理装置を備えた画像解析装置20に
入力し、さらにその信号をCRT表示装置21などの表
示装置に表示したり、フレキシブルディスクなどに記録
するようになっている。
も、外壁1Aに平行な走行レール19に沿って平行移動
させることが望ましい。さらに、赤外線放射計2による
検出信号は、信号処理装置を備えた画像解析装置20に
入力し、さらにその信号をCRT表示装置21などの表
示装置に表示したり、フレキシブルディスクなどに記録
するようになっている。
【0017】このように構成された装置においては、所
定の高さおよび水平方向位置にゴンドラ7が、その吊り
下げ位置および屋上走行台車位置を調節することにより
設定される。次いで、熱ガス吹付手段8により、外壁1
A表面に熱ガスが吹き付けられ加熱される。この当該外
壁1A部分に一致するように赤外線放射計2の視方向が
調節され、熱ガス吹付手段8による加熱開始時点からま
たは所定時間経過後から、外壁1Aからの赤外線放射エ
ネルギーを赤外線放射計2により検出する。この検出信
号は画像解析装置20により画像解析し、主に現在の赤
外線放射計2の視方向信号から判断した当該外壁1A領
域の欠陥部分の有無またはその個所を、判断する。
定の高さおよび水平方向位置にゴンドラ7が、その吊り
下げ位置および屋上走行台車位置を調節することにより
設定される。次いで、熱ガス吹付手段8により、外壁1
A表面に熱ガスが吹き付けられ加熱される。この当該外
壁1A部分に一致するように赤外線放射計2の視方向が
調節され、熱ガス吹付手段8による加熱開始時点からま
たは所定時間経過後から、外壁1Aからの赤外線放射エ
ネルギーを赤外線放射計2により検出する。この検出信
号は画像解析装置20により画像解析し、主に現在の赤
外線放射計2の視方向信号から判断した当該外壁1A領
域の欠陥部分の有無またはその個所を、判断する。
【0018】本発明においては、前記赤外線放射計2に
よって得た信号を次のように信号処理して、当該欠陥の
幅および深さを検知する。 <実験1>すなわち、予め厚み80mm、幅200 mm、長さ20
0 mmのモルタルサンプル板の中央部分に縦方向に沿って
幅b50mm、深さh13mm(背面から67mmまで)の空洞を人
工的に形成し、実際にビルの外壁1Aに、その表面が面
一となるように埋設し、熱ガス(熱流束量q=0.4 W/
cm2 )を用いて6分間強制加熱し、加熱停止から14分
後までの間2分間隔の冷却過程で、対象サンプルからの
放射エネルギーの放射温度分布を地上で調べたところ、
図4に示す結果が得られた。この結果は、第1には、加
熱を開始して2分後には欠陥部と正常部との温度差(分
布)が明瞭に現れないが、4分後特に6分後には明瞭に
現れること、第2にたとえば6分後の温度分布を示す曲
線における変曲点間の幅b’=105.3 mmは、欠陥部の実
幅b=50mmの約2倍であることが判明した。
よって得た信号を次のように信号処理して、当該欠陥の
幅および深さを検知する。 <実験1>すなわち、予め厚み80mm、幅200 mm、長さ20
0 mmのモルタルサンプル板の中央部分に縦方向に沿って
幅b50mm、深さh13mm(背面から67mmまで)の空洞を人
工的に形成し、実際にビルの外壁1Aに、その表面が面
一となるように埋設し、熱ガス(熱流束量q=0.4 W/
cm2 )を用いて6分間強制加熱し、加熱停止から14分
後までの間2分間隔の冷却過程で、対象サンプルからの
放射エネルギーの放射温度分布を地上で調べたところ、
図4に示す結果が得られた。この結果は、第1には、加
熱を開始して2分後には欠陥部と正常部との温度差(分
布)が明瞭に現れないが、4分後特に6分後には明瞭に
現れること、第2にたとえば6分後の温度分布を示す曲
線における変曲点間の幅b’=105.3 mmは、欠陥部の実
幅b=50mmの約2倍であることが判明した。
【0019】<実験2および3>同様に、幅bのみを20
mmおよび10mmに代えた以外は同一の条件にて放射温度分
布を調べたところ、図5および図6にそれぞれ示す結果
を得た。この各場合の変曲点間の幅b’はそれぞれ72.2
mm、35mmであり、実幅b=20mm、10mmの3.61倍、3.5 倍
であった。いずれにしても、これらの結果の相関から、
実幅の変化に変曲点間の幅b’の変化が対応する。した
がって、逆に変曲点間の幅b’を知ることにより、係数
1/2〜1/4を乗じて実際の欠陥の幅を推定できる。
なお、詳述はしないが、構造物の実幅bが50mmであるこ
とは稀であり、通常は30mm以下であることからして、変
曲点間の幅b’に係数(=1/3〜1/4)を乗算して
実幅bとするのが実際的である。
mmおよび10mmに代えた以外は同一の条件にて放射温度分
布を調べたところ、図5および図6にそれぞれ示す結果
を得た。この各場合の変曲点間の幅b’はそれぞれ72.2
mm、35mmであり、実幅b=20mm、10mmの3.61倍、3.5 倍
であった。いずれにしても、これらの結果の相関から、
実幅の変化に変曲点間の幅b’の変化が対応する。した
がって、逆に変曲点間の幅b’を知ることにより、係数
1/2〜1/4を乗じて実際の欠陥の幅を推定できる。
なお、詳述はしないが、構造物の実幅bが50mmであるこ
とは稀であり、通常は30mm以下であることからして、変
曲点間の幅b’に係数(=1/3〜1/4)を乗算して
実幅bとするのが実際的である。
【0020】<実験4>一方、実験1と同一の条件の下
で、欠陥部分の表面温度Tcと無欠陥部分の表面温度T
sとの温度差ΔTc(=Tc−Ts)を調べたところ、
図7に示す結果を得た。この温度差は加熱停止2分後に
最大となり、やがて減少して行くことが判明した。
で、欠陥部分の表面温度Tcと無欠陥部分の表面温度T
sとの温度差ΔTc(=Tc−Ts)を調べたところ、
図7に示す結果を得た。この温度差は加熱停止2分後に
最大となり、やがて減少して行くことが判明した。
【0021】<実験5>かかる温度差を知ることは、種
々の判断に役立つ。すなわち、図8および図9は、ΔT
cと欠陥部の深さhまたは幅bとの相関を後者の1つを
パラメータとして示した実験結果のグラフである。な
お、結果は6分の加熱の後、1分冷却したときの温度差
である。この結果によると、実幅bが小さいほど、かつ
深さhが大きくなるほど温度差ΔTcは小さくなること
が判明する。したがって、熱流速一定の条件では幅のほ
か、この温度差ΔTcにより、欠陥の深さhを推定でき
る。 <実験6>さらに、ある同一の加熱条件の下で、ある同
一欠陥幅であって種々の深さの欠陥部を加熱したときの
放射温度の上昇は、図10に示すようになる。かかる温
度差ΔTcの加熱開始からの温度差変化曲線において、
加熱開始時点から温度差上昇率が安定する時点までの時
間差、たとえば変化率が一定となる点を通る接線と時間
軸との交点までの時間に基づいて欠陥部の深さを判定す
るのがより好適であることを知見した。
々の判断に役立つ。すなわち、図8および図9は、ΔT
cと欠陥部の深さhまたは幅bとの相関を後者の1つを
パラメータとして示した実験結果のグラフである。な
お、結果は6分の加熱の後、1分冷却したときの温度差
である。この結果によると、実幅bが小さいほど、かつ
深さhが大きくなるほど温度差ΔTcは小さくなること
が判明する。したがって、熱流速一定の条件では幅のほ
か、この温度差ΔTcにより、欠陥の深さhを推定でき
る。 <実験6>さらに、ある同一の加熱条件の下で、ある同
一欠陥幅であって種々の深さの欠陥部を加熱したときの
放射温度の上昇は、図10に示すようになる。かかる温
度差ΔTcの加熱開始からの温度差変化曲線において、
加熱開始時点から温度差上昇率が安定する時点までの時
間差、たとえば変化率が一定となる点を通る接線と時間
軸との交点までの時間に基づいて欠陥部の深さを判定す
るのがより好適であることを知見した。
【0022】他方、欠陥の判断に際して、構造物表面を
強制的に加熱するのが望ましい。太陽光により加温され
た表面についてその内部欠陥を検出する場合には、前述
のように、熱流束が小さいために、欠陥部と正常部との
間の温度差が顕著に現れるのに、長時間を要する。ま
た、外気の流れの変化や部屋内部の温度変化、さらに対
流などによる外壁内部の温度伝導干渉などの影響を受け
やすく、また、反対側のビルの外壁からの反射光の影響
もある。トンネルなどの太陽光を受けない地下構造物に
ついては検知が困難である。
強制的に加熱するのが望ましい。太陽光により加温され
た表面についてその内部欠陥を検出する場合には、前述
のように、熱流束が小さいために、欠陥部と正常部との
間の温度差が顕著に現れるのに、長時間を要する。ま
た、外気の流れの変化や部屋内部の温度変化、さらに対
流などによる外壁内部の温度伝導干渉などの影響を受け
やすく、また、反対側のビルの外壁からの反射光の影響
もある。トンネルなどの太陽光を受けない地下構造物に
ついては検知が困難である。
【0023】したがって、測定対象面を強制的に加熱す
ることが望ましい。さらに、強制的に加熱することによ
り、その加熱過程およびまたは加熱停止後の冷却過程に
おける温度変化を捉え、最適な時点で欠陥の有無を検知
できる。また、加熱手段としては、ハロゲンランプなど
も用いることができるが、このハロゲンランプでは、反
射光の干渉を受けるとともに、熱流束も必ずしも充分で
ない。干渉を受けることがない点で、熱ガス吹き付け機
を用いるのが適している。
ることが望ましい。さらに、強制的に加熱することによ
り、その加熱過程およびまたは加熱停止後の冷却過程に
おける温度変化を捉え、最適な時点で欠陥の有無を検知
できる。また、加熱手段としては、ハロゲンランプなど
も用いることができるが、このハロゲンランプでは、反
射光の干渉を受けるとともに、熱流束も必ずしも充分で
ない。干渉を受けることがない点で、熱ガス吹き付け機
を用いるのが適している。
【0024】強制加熱温度としては、40〜100 ℃が好ま
しい。また、加熱速度も問題になるので、構造物表面や
躯体の材質、凹凸などの表面性状、背部における断熱材
の有無またはその材質などとの関連で、熱ガス吹付手段
からの噴出熱量を調整する、対象面との距離をたとえば
前述の前後進機構により調整するなどにより、表面への
単位時間当たりの入熱量を調節できる。強制加熱は、連
続的または間欠的に行うことができる。
しい。また、加熱速度も問題になるので、構造物表面や
躯体の材質、凹凸などの表面性状、背部における断熱材
の有無またはその材質などとの関連で、熱ガス吹付手段
からの噴出熱量を調整する、対象面との距離をたとえば
前述の前後進機構により調整するなどにより、表面への
単位時間当たりの入熱量を調節できる。強制加熱は、連
続的または間欠的に行うことができる。
【0025】<実験7>他方、条件が揃えば、太陽光に
よる自然加熱での測定も充分行うことができる。図11
は、深さh=13mm、幅b=53mmの人工欠陥に対して、午
前8時から午後8時までの、欠陥部分の表面温度Tc、
無欠陥部分の表面温度Ts、およびそれらの温度差ΔT
c(=Tc−Ts)の経時変化を調べたものである。こ
の結果によれば、日中のみならず、冷却過程としての夕
方でも充分に温度差があり、かつ夕方が温度差が安定し
ていることが判る。
よる自然加熱での測定も充分行うことができる。図11
は、深さh=13mm、幅b=53mmの人工欠陥に対して、午
前8時から午後8時までの、欠陥部分の表面温度Tc、
無欠陥部分の表面温度Ts、およびそれらの温度差ΔT
c(=Tc−Ts)の経時変化を調べたものである。こ
の結果によれば、日中のみならず、冷却過程としての夕
方でも充分に温度差があり、かつ夕方が温度差が安定し
ていることが判る。
【0026】<実験8>この際に、放射温度計からの信
号を画像処理して、幅方向および長さ方向の放射温度分
布の経時変化を調べることにより、欠陥の全体を知るこ
とができる。図12および図13は、深さh=20mm、幅
b=40mmおよび長さ=40mmの人工欠陥を形成したパネル
を、あるビルの3階部分に設置して、幅方向および長さ
方向の放射温度分布の経時変化を調べた結果を示したも
のである。この結果によれば、時間的に午後1時〜2時
ごろおよび午後8時ごろにおいて欠陥を明瞭に判断でき
ることが判る。特に、外壁の昇温過程のみならず、冷却
過程においても、放射温度分布における欠陥部分と非欠
陥部分との温度差が明確に現れる。また、欠陥の幅bの
みでなく、長さ方向についても放射温度分布を調べるこ
とで、欠陥の長さあるいは面積も判断できることが判明
した。 <実験9>太陽光による加熱(昇温)および冷却過程に
おいても、温度差ΔTcと、幅bと、深さhとの関係
は、図14に示す関係があり、これによっても幅および
深さを充分に推定できることが判明した。
号を画像処理して、幅方向および長さ方向の放射温度分
布の経時変化を調べることにより、欠陥の全体を知るこ
とができる。図12および図13は、深さh=20mm、幅
b=40mmおよび長さ=40mmの人工欠陥を形成したパネル
を、あるビルの3階部分に設置して、幅方向および長さ
方向の放射温度分布の経時変化を調べた結果を示したも
のである。この結果によれば、時間的に午後1時〜2時
ごろおよび午後8時ごろにおいて欠陥を明瞭に判断でき
ることが判る。特に、外壁の昇温過程のみならず、冷却
過程においても、放射温度分布における欠陥部分と非欠
陥部分との温度差が明確に現れる。また、欠陥の幅bの
みでなく、長さ方向についても放射温度分布を調べるこ
とで、欠陥の長さあるいは面積も判断できることが判明
した。 <実験9>太陽光による加熱(昇温)および冷却過程に
おいても、温度差ΔTcと、幅bと、深さhとの関係
は、図14に示す関係があり、これによっても幅および
深さを充分に推定できることが判明した。
【0027】強制加熱でない場合には、太陽光の熱流
束、気温、気流の流速、放射温度計以外の温度計で直接
測定した壁温度などにより補正することができる。さら
に、いずれの場合にも、表面の材質、凹凸、反射率など
で補正することが好ましい。
束、気温、気流の流速、放射温度計以外の温度計で直接
測定した壁温度などにより補正することができる。さら
に、いずれの場合にも、表面の材質、凹凸、反射率など
で補正することが好ましい。
【0028】本発明は、前述のビルの外壁の診断に限ら
ず、屋根、煙突、ダム、堤防、トンネル、橋梁、道路
(高架道路)、地下鉄などの診断に用いることができ
る。また、欠陥の性状として、亀裂、剥離、浮き上がり
などを検出できる。
ず、屋根、煙突、ダム、堤防、トンネル、橋梁、道路
(高架道路)、地下鉄などの診断に用いることができ
る。また、欠陥の性状として、亀裂、剥離、浮き上がり
などを検出できる。
【0029】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、単なる欠
陥の有無でなく、一歩進んでその欠陥の幅および深さを
判断できるとともに、信頼性の高いものとなるなどの利
点がもたらされる。
陥の有無でなく、一歩進んでその欠陥の幅および深さを
判断できるとともに、信頼性の高いものとなるなどの利
点がもたらされる。
【図1】欠陥検出設備の概要図である。
【図2】そのゴンドラの縦断面図である。
【図3】熱ガス吹付装置の設置例の概要図である。
【図4】本発明の実験結果のグラフである。
【図5】本発明の実験結果のグラフである。
【図6】本発明の実験結果のグラフである。
【図7】本発明の実験結果のグラフである。
【図8】本発明の実験結果のグラフである。
【図9】本発明の実験結果のグラフである。
【図10】本発明の実験結果のグラフである。
【図11】本発明の実験結果のグラフである。
【図12】本発明の実験結果のグラフである。
【図13】本発明の実験結果のグラフである。
【図14】本発明の実験結果のグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】構造物表面からの放射エネルギーを赤外線
放射計により検出して構造物の欠陥を検知する方法にお
いて、 前記赤外線放射計からの放射温度信号から得られる対象
面における温度分布に基づいて、前記内部欠陥の実際の
大きさを推定することを特徴とする構造物の表面または
内部欠陥の検知方法。 - 【請求項2】前記温度分布を示す曲線における変曲点間
の幅に係数(=1/2〜1/4)を乗算して欠陥部の実
幅とする請求項1記載の構造物の表面または内部欠陥の
検知方法。 - 【請求項3】前期温度分布に示される欠陥部分の表面温
度Tcと無欠陥部分の表面温度Tsとの温度差ΔTcの
変化度合いに基づいて、欠陥の深さを推定する請求項1
記載の構造物の表面または内部欠陥の検知方法。 - 【請求項4】構造物表面からの放射エネルギーを赤外線
放射計により検出して構造物の欠陥を検知する方法にお
いて、 対象面を人為的に加熱するとともに、その加熱または冷
却過程における、欠陥部分の表面温度Tcと無欠陥部分
の表面温度Tsとの温度差ΔTcの変化度合いに基づい
て、欠陥の深さを推定することを特徴とする構造物の表
面または内部欠陥の検知方法。 - 【請求項5】前記温度差ΔTcの加熱開始からの温度差
変化曲線において、加熱開始時点から温度差上昇率が安
定する時点までの時間差に基づいて欠陥の深さを推定す
る請求項4記載の構造物の表面または内部欠陥の検知方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22801891A JPH0566209A (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | 構造物の表面または内部欠陥の検知方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22801891A JPH0566209A (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | 構造物の表面または内部欠陥の検知方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0566209A true JPH0566209A (ja) | 1993-03-19 |
Family
ID=16869905
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22801891A Pending JPH0566209A (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | 構造物の表面または内部欠陥の検知方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0566209A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002168816A (ja) * | 2000-12-04 | 2002-06-14 | Penta Ocean Constr Co Ltd | 橋の診断方法およびその装置 |
| US6711284B1 (en) | 1999-10-25 | 2004-03-23 | Nikon Corporation | Image processor for a digital image of an object having a crack |
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| JP2013524229A (ja) * | 2010-04-08 | 2013-06-17 | インスティトゥート ドクトル フェルスター ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト | サーモグラフ試験方法及びこの試験方法を実行するための試験装置 |
| JP2016166781A (ja) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | 国立大学法人東京海洋大学 | 配管内スケール監視システム、および配管内スケール監視方法 |
| WO2017130251A1 (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 厚み計測方法及び厚み計測装置、並びに欠陥検出方法及び欠陥検出装置 |
-
1991
- 1991-09-09 JP JP22801891A patent/JPH0566209A/ja active Pending
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| US9194831B2 (en) | 2010-04-08 | 2015-11-24 | Institut Dr. Foerster Gmbh & Co. Kg | Thermographic test method and testing device for carrying out the test method |
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| WO2017130251A1 (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 厚み計測方法及び厚み計測装置、並びに欠陥検出方法及び欠陥検出装置 |
| JPWO2017130251A1 (ja) * | 2016-01-29 | 2018-12-13 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 厚み計測方法及び厚み計測装置、並びに欠陥検出方法及び欠陥検出装置 |
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