JPH0570706B2 - - Google Patents
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- JPH0570706B2 JPH0570706B2 JP13779786A JP13779786A JPH0570706B2 JP H0570706 B2 JPH0570706 B2 JP H0570706B2 JP 13779786 A JP13779786 A JP 13779786A JP 13779786 A JP13779786 A JP 13779786A JP H0570706 B2 JPH0570706 B2 JP H0570706B2
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- Japan
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- sliding
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は高面圧下でも耐摩耗性及び耐焼付性に
優れた摺動部材に関するものである。 (従来の技術) 近年、自動車の高出力化及び低熱費化の要求か
ら各種摺動部材、例えばシフトフオーク爪部、シ
ンクロナイザリング内面、シリンダライナ内面、
ピストンリング、ミツシヨン摩擦板等はより高面
圧下で使用されるようになつてきた。そうした場
合の摺動部では焼付きや異常摩耗を引き起こしや
すいことから摺動部材の性能、特に耐焼付性、耐
摩耗性を従来以上に向上させることが要求されて
いる。摺動部材のうち例えばシフトフオークにつ
いてみると、従来は爪部に高周波焼入、硬質クロ
ムめつき、アルミブロンズ溶射などが行なわれて
きたが、最近の過酷な摺動条件下ではもはや適応
できなくなりつつある。このため、摺動部表面に
より摺動特性の優れた材料をプラズマ溶射等によ
り溶射して、摺動特性を向上させる方法が広く用
いられている。従来用いられている溶射材料とし
ては、例えばモリブデン(Mo)、鉄−クロム
(Fe−Cr)、鉄−炭素(Fe−0.8C;炭素含有量0.8
重量%)、アルミナ−チタニア(Al2O3−TiO2)
等が挙げられる。 しかしながら、上記従来の溶射材料を用いる場
合には以下のような問題点があつた。すなわち、
Mo溶射及びFe−Cr溶射は溶射材料自体の耐摩耗
性は優れているが、相手材に対する攻撃性が大き
く相手材を摩耗させ易い。又、Fe−0.8C溶射は
溶射材料自体の耐摩耗性に問題がある。更に、
Al2O3−TiO2溶射に代表されるセラミツク粉末を
用いた溶射は、耐摩耗性は優れているが相手材に
対する攻撃性が大きいため相手材を摩耗させ易
く、又、金属母材との十分な密着力が得られ難
く、衝撃荷重や振動等の作用する部品では金属母
材と剥離し易い。 そのため最近になつて、2ないし30重量%のモ
リブデンと残部アルミニウム合金又は銅合金とか
らなる溶射層を基材上に設けることを特徴とする
摺動部材が提案されている。(特公昭58−10986号
公報参照)。これは硬さHv:100〜200程度の過共
晶Al−Si等のAl合金溶射層に、単独溶射層とし
てはHv:500〜600程度の硬さを持ち且つ耐焼付
性の良いMoを2〜30重量%添加することによつ
て溶射層にMo単独層と同様の性能を与えようと
するものであつた。このような部材によつて得ら
れたシフトフオーク、シンクロナイザリング等の
自動車部品は通常の摺動条件、すなわち面圧が約
2Kgf/mm2以下においては優れた耐摩耗性並びに
耐焼付性を示す。 (発明が解決しようとする問題点) しかしこの場合2〜30重量%のMo含有率では
Al−Si合金中にMoが点在するような分布状態で
あり、今後求められるより高面圧の摺動条件、例
えば面圧5Kgf/mm2以上、シンクロ回転数
6000rpmという条件下では、上記摺動部材は充分
な耐摩耗性を有するとはいえないことが判つた。
これは溶射層の多くを占めるAl−Si合金の硬さ
(Hv:90〜100)が低いため、5Kgf/mm2以上の
高面圧下において、摺動面が圧縮応力による平滑
化と耐摩耗性の低さからくる摩耗により、摩擦係
数の低下を来たすためであることが判つた。 その対策として、Al−Si層中のMo含有率を多
くすることが考えられる。しかしMo含有率を50
%程度に高めた位では、面圧7〜8Kgf/mm2下の
圧縮応力に耐えることが出来ず、耐摩耗性、耐焼
付性は低いままである。それ故さらにMo含有率
を高めると、自身の耐摩耗性は改善されるものの
相手部材に対する攻撃性が著しく高くなる。これ
は溶射層中のMo含有率が50%以下では表面の硬
さがHv450以下の摺動部表面が高圧縮力により沈
下し耐摩耗性が十分発揮されず、また50%以上で
は表面のMo分布量が多くなり、その硬さ
(Hv650程度)が相手部材を摩耗させるためであ
る。 本発明は上記問題点を解決するために為された
ものであり、その目的とするところは5〜8Kg
f/mm2にも及び程度の高面圧下に置かれても耐摩
耗性が優れ、相手材に対する攻撃性が小さく且つ
対焼付性にも優れた安価な摺動部材を提供するこ
とにある。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するための本発明の摺動部材
は、基材の摺動部表面に70〜100重量%のモリブ
デンと残部アルミニウム合金または銅合金とから
なる溶射層(以下「下層」という)を設け、更に
この溶射層の上に30〜50重量%のモリブデンと残
部アルミニウム合金または銅合金とからなる5〜
50μmの厚さの溶射層(以下「上層」という)を
設けたことを特徴とする。 以下に本発明を更に詳しく説明する。なお、以
後「%」は特記しない限り重量%を指す。 Mo含有率について述べると、上層のMo含有
率が30〜50%で良いのは、30%以下では耐摩耗性
向上効果が少なく、50%以上では相手部材を攻撃
するからである。また下層のMo含有率が70%以
下では、下層を硬くすることによる上層へのバツ
クアツプ効果がみられなくなり、耐摩耗性が低く
なる。 本発明にて使用されるアルミニウム合金として
はアルミニウム−ケイ素(Al−Si)合金、また
はアルミニウム−鉛(Al−Pb)合金などがある
が特に過共晶Al−Si合金が好ましい。また、銅
合金としてはアルミブロンズ合金または燐青銅合
金などが使用され特にアルミブロンズ合金が好ま
しい。 溶射材料の調整としては、マトリツクス材料と
してのアルミニウム合金や銅合金とMoの各粉末
溶射材料(100〜400メツシユ)を別個に溶射装置
に供給し同時に溶射させて目的とする溶射層を形
成させてもよいし、また溶射装置への供給前にあ
らかじめマトリツクス材料とMo粉末とを混合さ
せたもの、またはマトリツクス材料表面にMo粉
末を付着させた複合材料を用いて行なつてもよ
い。また基材の摺動中の面圧を保つために25μRZ
程度以上の表面の凹凸が必要であるから、下層用
のマトリツクス材料は溶射後30ないし70μRZの凹
凸を有するAl−Si系が好ましい。 溶射方法としてはガス溶線式、ガス粉末式、プ
ラズマ式、爆発式のいずれでもよい。これらの場
合、上層のMo含有率と下層のMo含有率に差異
を設けるよう溶射する必要があるが、それには前
述のマトリツクス材料とMo粉末の供給量比を変
化させること、途中より両粉末の混合比を変える
こと、もしくはマトリツクス材料表面にMo粉末
の付着量を変化させた複合材料を用いることによ
り達成できる。 溶射層の厚さとしては、上層の厚さが5μm以
下では下層の露出部分が生じ相手部材への攻撃性
が大きくなり、また50μm以上では下層のバツク
アツプ効果が小さくなつて耐摩耗性が低下する。
なお基材としては鋳鉄、鋼などの鉄系合金または
アルミ合金などの軽合金が使用されるが、これら
基材表面は通常30〜50μm程度の凹凸があるた
め、充分な厚さに溶射しないと基材の露出が起つ
たり、溶射層と基材との接着力が弱くなるため、
溶射層(上層+下層)の厚さは50μm以上が好ま
しい。 (実施例) 以下に実施例を掲げ本発明を更に詳しく説明す
る。なお溶射層が一層のみの参考例、その性能試
験、及び本発明の効果を確認するための比較試験
を併記する。 参考例 1 外径35mm、内径30mm、幅10mmの鋼(JIS規格
SUJ2相当)製の円筒試験片の外周面に第1表に
示すような、Al−Si合金とMoの混合比を変化さ
せた種々の組成の混合粉末をプラズマ溶射により
200μmの厚さに溶射して、それぞれ表面硬さの
異なる摩擦摩耗試験片(溶射リング材)B〜Jを
作成した。ここで過共晶Al−Si合金としてのAl
−23%Si合金、Moとも100〜400メツシユの範囲
内のものを用いた。また比較材として円筒試験片
にCrメツキのみを施したものも作成した。
優れた摺動部材に関するものである。 (従来の技術) 近年、自動車の高出力化及び低熱費化の要求か
ら各種摺動部材、例えばシフトフオーク爪部、シ
ンクロナイザリング内面、シリンダライナ内面、
ピストンリング、ミツシヨン摩擦板等はより高面
圧下で使用されるようになつてきた。そうした場
合の摺動部では焼付きや異常摩耗を引き起こしや
すいことから摺動部材の性能、特に耐焼付性、耐
摩耗性を従来以上に向上させることが要求されて
いる。摺動部材のうち例えばシフトフオークにつ
いてみると、従来は爪部に高周波焼入、硬質クロ
ムめつき、アルミブロンズ溶射などが行なわれて
きたが、最近の過酷な摺動条件下ではもはや適応
できなくなりつつある。このため、摺動部表面に
より摺動特性の優れた材料をプラズマ溶射等によ
り溶射して、摺動特性を向上させる方法が広く用
いられている。従来用いられている溶射材料とし
ては、例えばモリブデン(Mo)、鉄−クロム
(Fe−Cr)、鉄−炭素(Fe−0.8C;炭素含有量0.8
重量%)、アルミナ−チタニア(Al2O3−TiO2)
等が挙げられる。 しかしながら、上記従来の溶射材料を用いる場
合には以下のような問題点があつた。すなわち、
Mo溶射及びFe−Cr溶射は溶射材料自体の耐摩耗
性は優れているが、相手材に対する攻撃性が大き
く相手材を摩耗させ易い。又、Fe−0.8C溶射は
溶射材料自体の耐摩耗性に問題がある。更に、
Al2O3−TiO2溶射に代表されるセラミツク粉末を
用いた溶射は、耐摩耗性は優れているが相手材に
対する攻撃性が大きいため相手材を摩耗させ易
く、又、金属母材との十分な密着力が得られ難
く、衝撃荷重や振動等の作用する部品では金属母
材と剥離し易い。 そのため最近になつて、2ないし30重量%のモ
リブデンと残部アルミニウム合金又は銅合金とか
らなる溶射層を基材上に設けることを特徴とする
摺動部材が提案されている。(特公昭58−10986号
公報参照)。これは硬さHv:100〜200程度の過共
晶Al−Si等のAl合金溶射層に、単独溶射層とし
てはHv:500〜600程度の硬さを持ち且つ耐焼付
性の良いMoを2〜30重量%添加することによつ
て溶射層にMo単独層と同様の性能を与えようと
するものであつた。このような部材によつて得ら
れたシフトフオーク、シンクロナイザリング等の
自動車部品は通常の摺動条件、すなわち面圧が約
2Kgf/mm2以下においては優れた耐摩耗性並びに
耐焼付性を示す。 (発明が解決しようとする問題点) しかしこの場合2〜30重量%のMo含有率では
Al−Si合金中にMoが点在するような分布状態で
あり、今後求められるより高面圧の摺動条件、例
えば面圧5Kgf/mm2以上、シンクロ回転数
6000rpmという条件下では、上記摺動部材は充分
な耐摩耗性を有するとはいえないことが判つた。
これは溶射層の多くを占めるAl−Si合金の硬さ
(Hv:90〜100)が低いため、5Kgf/mm2以上の
高面圧下において、摺動面が圧縮応力による平滑
化と耐摩耗性の低さからくる摩耗により、摩擦係
数の低下を来たすためであることが判つた。 その対策として、Al−Si層中のMo含有率を多
くすることが考えられる。しかしMo含有率を50
%程度に高めた位では、面圧7〜8Kgf/mm2下の
圧縮応力に耐えることが出来ず、耐摩耗性、耐焼
付性は低いままである。それ故さらにMo含有率
を高めると、自身の耐摩耗性は改善されるものの
相手部材に対する攻撃性が著しく高くなる。これ
は溶射層中のMo含有率が50%以下では表面の硬
さがHv450以下の摺動部表面が高圧縮力により沈
下し耐摩耗性が十分発揮されず、また50%以上で
は表面のMo分布量が多くなり、その硬さ
(Hv650程度)が相手部材を摩耗させるためであ
る。 本発明は上記問題点を解決するために為された
ものであり、その目的とするところは5〜8Kg
f/mm2にも及び程度の高面圧下に置かれても耐摩
耗性が優れ、相手材に対する攻撃性が小さく且つ
対焼付性にも優れた安価な摺動部材を提供するこ
とにある。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するための本発明の摺動部材
は、基材の摺動部表面に70〜100重量%のモリブ
デンと残部アルミニウム合金または銅合金とから
なる溶射層(以下「下層」という)を設け、更に
この溶射層の上に30〜50重量%のモリブデンと残
部アルミニウム合金または銅合金とからなる5〜
50μmの厚さの溶射層(以下「上層」という)を
設けたことを特徴とする。 以下に本発明を更に詳しく説明する。なお、以
後「%」は特記しない限り重量%を指す。 Mo含有率について述べると、上層のMo含有
率が30〜50%で良いのは、30%以下では耐摩耗性
向上効果が少なく、50%以上では相手部材を攻撃
するからである。また下層のMo含有率が70%以
下では、下層を硬くすることによる上層へのバツ
クアツプ効果がみられなくなり、耐摩耗性が低く
なる。 本発明にて使用されるアルミニウム合金として
はアルミニウム−ケイ素(Al−Si)合金、また
はアルミニウム−鉛(Al−Pb)合金などがある
が特に過共晶Al−Si合金が好ましい。また、銅
合金としてはアルミブロンズ合金または燐青銅合
金などが使用され特にアルミブロンズ合金が好ま
しい。 溶射材料の調整としては、マトリツクス材料と
してのアルミニウム合金や銅合金とMoの各粉末
溶射材料(100〜400メツシユ)を別個に溶射装置
に供給し同時に溶射させて目的とする溶射層を形
成させてもよいし、また溶射装置への供給前にあ
らかじめマトリツクス材料とMo粉末とを混合さ
せたもの、またはマトリツクス材料表面にMo粉
末を付着させた複合材料を用いて行なつてもよ
い。また基材の摺動中の面圧を保つために25μRZ
程度以上の表面の凹凸が必要であるから、下層用
のマトリツクス材料は溶射後30ないし70μRZの凹
凸を有するAl−Si系が好ましい。 溶射方法としてはガス溶線式、ガス粉末式、プ
ラズマ式、爆発式のいずれでもよい。これらの場
合、上層のMo含有率と下層のMo含有率に差異
を設けるよう溶射する必要があるが、それには前
述のマトリツクス材料とMo粉末の供給量比を変
化させること、途中より両粉末の混合比を変える
こと、もしくはマトリツクス材料表面にMo粉末
の付着量を変化させた複合材料を用いることによ
り達成できる。 溶射層の厚さとしては、上層の厚さが5μm以
下では下層の露出部分が生じ相手部材への攻撃性
が大きくなり、また50μm以上では下層のバツク
アツプ効果が小さくなつて耐摩耗性が低下する。
なお基材としては鋳鉄、鋼などの鉄系合金または
アルミ合金などの軽合金が使用されるが、これら
基材表面は通常30〜50μm程度の凹凸があるた
め、充分な厚さに溶射しないと基材の露出が起つ
たり、溶射層と基材との接着力が弱くなるため、
溶射層(上層+下層)の厚さは50μm以上が好ま
しい。 (実施例) 以下に実施例を掲げ本発明を更に詳しく説明す
る。なお溶射層が一層のみの参考例、その性能試
験、及び本発明の効果を確認するための比較試験
を併記する。 参考例 1 外径35mm、内径30mm、幅10mmの鋼(JIS規格
SUJ2相当)製の円筒試験片の外周面に第1表に
示すような、Al−Si合金とMoの混合比を変化さ
せた種々の組成の混合粉末をプラズマ溶射により
200μmの厚さに溶射して、それぞれ表面硬さの
異なる摩擦摩耗試験片(溶射リング材)B〜Jを
作成した。ここで過共晶Al−Si合金としてのAl
−23%Si合金、Moとも100〜400メツシユの範囲
内のものを用いた。また比較材として円筒試験片
にCrメツキのみを施したものも作成した。
【表】
溶射は基材を脱脂、シヨツトプラストの前処理
をした後150〜200℃に予熱して次の条件で行なつ
た。 ガスはN2(7.08/分)+H2(4.7/分)を使
用し、溶射距離120mm、粉末供給速度50g/分に
設定して行なつた。なお溶射装置としてメトコ
(METCO)社製3M型プラズマ溶射装置を用い
た。 上記のごとく次の性能試験1に付すための試験
用溶射リング材B〜J、並びにCrメツキリング
材Aを得た。 性能試験 1 実施例1で得た試験片A〜JをLFW(摩擦摩
耗)試験にかけ、各試験片の溶射層と相手材の摩
耗量を測定した。なお相手材としてはSUJ2の板
状試験片を用い、摩耗条件としては面圧7Kgf/
mm2、円筒試験片の回転数200rpm、オイルはトラ
ンスミツシヨンオイルを使用し、試験開始1時間
後に測定した。この摩耗試験の結果を第1図に示
す。なお第1図中、棒グラフ下の数字は溶射層中
のMo含有率を示す。 比較材のCrメツキ品Aは30分程度で焼き付を
生じたのに対しB〜Jの溶射品では試験終了まで
(1時間後まで)焼付きはおこらなかつた。 第1図からもわかるようにMo含有率が60%未
満のもの(B〜E)では著しく試験片の摩耗が多
く、Moの含有率が高まるにつれ摩耗は少なくな
つたが、60%以上のMo含有率のもの(F〜J)、
特に80%以上のもの(H〜J)は相手材を著しく
摩耗させた。 また試験後の溶射層断面を顕微鏡で観察すると
低いMo含有率のB〜EではAl−Si層が著しくけ
ずりとられ平滑表面になつていた。一方高いMo
含有率のF〜Jでは初期の溶射層の凹凸を殆んど
残していたが、相手材には硬いMoによる傷が多
数発生していた。 参考例 2 参考例1と同様の方法でシンクロナイザリング
のギヤとの摺動面に厚さ200μmの溶射層を形成
させた。それにより、溶射層組成が第1表のB〜
Jと対応する、様々な単層溶射シンクロナイザリ
ング:B′〜J′を得た。 性能試験 2 参考例2で得られたB′〜J′をいずれも面圧7Kg
f/mm2、シンクロ回転数6000rpmのシンクロシフ
ト耐久試験に供した。 この結果、B′〜E′においては10〜900回におい
て急激に摩擦係数が低下しギヤ鳴りが生じること
がわかつた。一方、F′〜J′ではギヤ鳴りは生じな
かつたが相手ギヤの摩耗が多く、ギヤとシンクロ
ナイザリングが背面当りして30〜950回でシンク
ロの作動不良が起きた。 これらのシンクロを調査し、第2表に示すよう
な結果を得た。
をした後150〜200℃に予熱して次の条件で行なつ
た。 ガスはN2(7.08/分)+H2(4.7/分)を使
用し、溶射距離120mm、粉末供給速度50g/分に
設定して行なつた。なお溶射装置としてメトコ
(METCO)社製3M型プラズマ溶射装置を用い
た。 上記のごとく次の性能試験1に付すための試験
用溶射リング材B〜J、並びにCrメツキリング
材Aを得た。 性能試験 1 実施例1で得た試験片A〜JをLFW(摩擦摩
耗)試験にかけ、各試験片の溶射層と相手材の摩
耗量を測定した。なお相手材としてはSUJ2の板
状試験片を用い、摩耗条件としては面圧7Kgf/
mm2、円筒試験片の回転数200rpm、オイルはトラ
ンスミツシヨンオイルを使用し、試験開始1時間
後に測定した。この摩耗試験の結果を第1図に示
す。なお第1図中、棒グラフ下の数字は溶射層中
のMo含有率を示す。 比較材のCrメツキ品Aは30分程度で焼き付を
生じたのに対しB〜Jの溶射品では試験終了まで
(1時間後まで)焼付きはおこらなかつた。 第1図からもわかるようにMo含有率が60%未
満のもの(B〜E)では著しく試験片の摩耗が多
く、Moの含有率が高まるにつれ摩耗は少なくな
つたが、60%以上のMo含有率のもの(F〜J)、
特に80%以上のもの(H〜J)は相手材を著しく
摩耗させた。 また試験後の溶射層断面を顕微鏡で観察すると
低いMo含有率のB〜EではAl−Si層が著しくけ
ずりとられ平滑表面になつていた。一方高いMo
含有率のF〜Jでは初期の溶射層の凹凸を殆んど
残していたが、相手材には硬いMoによる傷が多
数発生していた。 参考例 2 参考例1と同様の方法でシンクロナイザリング
のギヤとの摺動面に厚さ200μmの溶射層を形成
させた。それにより、溶射層組成が第1表のB〜
Jと対応する、様々な単層溶射シンクロナイザリ
ング:B′〜J′を得た。 性能試験 2 参考例2で得られたB′〜J′をいずれも面圧7Kg
f/mm2、シンクロ回転数6000rpmのシンクロシフ
ト耐久試験に供した。 この結果、B′〜E′においては10〜900回におい
て急激に摩擦係数が低下しギヤ鳴りが生じること
がわかつた。一方、F′〜J′ではギヤ鳴りは生じな
かつたが相手ギヤの摩耗が多く、ギヤとシンクロ
ナイザリングが背面当りして30〜950回でシンク
ロの作動不良が起きた。 これらのシンクロを調査し、第2表に示すよう
な結果を得た。
【表】
実施例 1
参考例1及び2の方法に準じ、Mo含有率が5
%刻みで60%〜100%の下層と、同じく10%〜60
%の上層とを組み合せた、2層の溶射層をシンク
ロナイザリングのギヤとの摺動面に形成した。な
お溶射層のマトリツクス材料はAl−23%Si合金
であり、上層の厚さは10μm、下層の厚さは190μ
mである。 比較試験 実施例1で得た二層溶射シンクロナイザリング
を性能試験2と同様の試験に付した。その結果を
第2図に示すが、該図中、○印は1000回シフト時
までギア鳴り及びシンクロ作動不良を起こさず、
何の異常も見られなかつたものを示す。また×印
は1000回シフト未満でシンクロ作動不良またはギ
ア鳴りを生じたものを示す。この結果から上層の
Mo含有率が30〜50%で且つ下層のMo含有率が
70〜90%である溶射層を持つものが最も優れた摺
動特性を有していることが判る。 この試験に供されたシンクロナイザリングを調
査した結果、本発明に係るものは全てシンクロナ
イザリング摩耗量26μm以下、相手ギア摩耗量
18μm以下であり、単層溶射シンクロナイザリン
グで最良の性能を示したもの(第2表に掲げたも
の)よりも明らかに優れていることが判つた。 本発明品の上層の表面硬さはHv450〜500程度
のものが多く、一方、ギア鳴りを起こしたもので
はHv450未満のものが殆んどであつた。またシン
クロ作動不良を起した物では上層硬さHv500以上
のものが多く、ギアが約20μm以上摩耗してい
た。 ギア鳴りを起こしたもの、即ち、上層あるいは
下層中のMo含有率が低すぎるものは、下層のバ
ツクアツプ効果が低く、高面圧下での圧縮に耐え
られなかつたため、耐摩耗性が低かつたことが判
つた。またシンクロ作動不良を生じたものでは、
上層の硬さが高すぎるか、或いは上層表面に硬質
Mo層が多く分布していたことにより相手ギアの
摩耗が激しくなつたことが判つた。 実施例 2 溶射層の上層及び下層中のMo含有率をそれぞ
れ40%及び80%と一定にした上で、上層の厚さが
2、3、5、7、10、15、20、25、30、35、40、
45、50、55、60、70、μmで且つ上層+下層の厚
さが200μmとなるように、実施例1と同様にし
て各々シンクロナイザリング摺動面に溶射層を形
成した。得られたものを前記比較試験と同様に試
験し、摺動部位を精査した結果、上層の厚さが
50μmを越えると下層のバツクアツプ効果が見ら
れず、耐摩耗性が低下することが判つた。また上
層の厚さが5μm未満では下層が1部露出し、下
層の摺動特性が出て相手材への攻撃性が増すこと
がわかつた。 従つて、上層の厚さは5〜50μmが本発明の効
果を発揮させるために良いことが判る。 (発明の効果) 溶射層を、Mo含有率70〜100%の下層と、同
30〜50%の上層とからなる二層としたことによ
り、硬質下層のバツクアツプ効果を利用して上層
の耐摩耗性を向上させるとともに上層の被覆効果
により下層の相手攻撃性を押えたために、本発明
摺動部材は7〜8Kgf/mm2という厳しい面圧下で
も優れた耐摩耗性、対焼付性、相手部材に対する
非攻撃性を示す。従つて本発明は従来よりさらに
高面圧におかれることが要求されている各種摺動
部品例えばピストンリング、シリンダボア、ピス
トン、エアコンプレツサー部品、ピストンロツ
ド、シフトフオーク、シンクロナイザリングなど
に使用した場合に耐摩耗性、耐焼付性、耐食性、
耐熱性の諸物性を向上させる効果を奏する。
%刻みで60%〜100%の下層と、同じく10%〜60
%の上層とを組み合せた、2層の溶射層をシンク
ロナイザリングのギヤとの摺動面に形成した。な
お溶射層のマトリツクス材料はAl−23%Si合金
であり、上層の厚さは10μm、下層の厚さは190μ
mである。 比較試験 実施例1で得た二層溶射シンクロナイザリング
を性能試験2と同様の試験に付した。その結果を
第2図に示すが、該図中、○印は1000回シフト時
までギア鳴り及びシンクロ作動不良を起こさず、
何の異常も見られなかつたものを示す。また×印
は1000回シフト未満でシンクロ作動不良またはギ
ア鳴りを生じたものを示す。この結果から上層の
Mo含有率が30〜50%で且つ下層のMo含有率が
70〜90%である溶射層を持つものが最も優れた摺
動特性を有していることが判る。 この試験に供されたシンクロナイザリングを調
査した結果、本発明に係るものは全てシンクロナ
イザリング摩耗量26μm以下、相手ギア摩耗量
18μm以下であり、単層溶射シンクロナイザリン
グで最良の性能を示したもの(第2表に掲げたも
の)よりも明らかに優れていることが判つた。 本発明品の上層の表面硬さはHv450〜500程度
のものが多く、一方、ギア鳴りを起こしたもので
はHv450未満のものが殆んどであつた。またシン
クロ作動不良を起した物では上層硬さHv500以上
のものが多く、ギアが約20μm以上摩耗してい
た。 ギア鳴りを起こしたもの、即ち、上層あるいは
下層中のMo含有率が低すぎるものは、下層のバ
ツクアツプ効果が低く、高面圧下での圧縮に耐え
られなかつたため、耐摩耗性が低かつたことが判
つた。またシンクロ作動不良を生じたものでは、
上層の硬さが高すぎるか、或いは上層表面に硬質
Mo層が多く分布していたことにより相手ギアの
摩耗が激しくなつたことが判つた。 実施例 2 溶射層の上層及び下層中のMo含有率をそれぞ
れ40%及び80%と一定にした上で、上層の厚さが
2、3、5、7、10、15、20、25、30、35、40、
45、50、55、60、70、μmで且つ上層+下層の厚
さが200μmとなるように、実施例1と同様にし
て各々シンクロナイザリング摺動面に溶射層を形
成した。得られたものを前記比較試験と同様に試
験し、摺動部位を精査した結果、上層の厚さが
50μmを越えると下層のバツクアツプ効果が見ら
れず、耐摩耗性が低下することが判つた。また上
層の厚さが5μm未満では下層が1部露出し、下
層の摺動特性が出て相手材への攻撃性が増すこと
がわかつた。 従つて、上層の厚さは5〜50μmが本発明の効
果を発揮させるために良いことが判る。 (発明の効果) 溶射層を、Mo含有率70〜100%の下層と、同
30〜50%の上層とからなる二層としたことによ
り、硬質下層のバツクアツプ効果を利用して上層
の耐摩耗性を向上させるとともに上層の被覆効果
により下層の相手攻撃性を押えたために、本発明
摺動部材は7〜8Kgf/mm2という厳しい面圧下で
も優れた耐摩耗性、対焼付性、相手部材に対する
非攻撃性を示す。従つて本発明は従来よりさらに
高面圧におかれることが要求されている各種摺動
部品例えばピストンリング、シリンダボア、ピス
トン、エアコンプレツサー部品、ピストンロツ
ド、シフトフオーク、シンクロナイザリングなど
に使用した場合に耐摩耗性、耐焼付性、耐食性、
耐熱性の諸物性を向上させる効果を奏する。
第1図は溶射層中のMo含有率と溶射摺動部位
の耐摩耗性、相手材攻撃性の関係を示す図、第2
図は溶射層の上層及び下層中のMo含有率の最適
範囲を示す図である。
の耐摩耗性、相手材攻撃性の関係を示す図、第2
図は溶射層の上層及び下層中のMo含有率の最適
範囲を示す図である。
Claims (1)
- 1 基材の摺動部表面に70〜100重量%のモリブ
デンと残部アルミニウム合金または銅合金とから
なる溶射層を設け、更にこの溶射層の上に30〜50
重量%のモリブデンと残部アルミニウム合金また
は銅合金とからなる5〜50μmの厚さの溶射層を
設けたことを特徴とする摺動部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13779786A JPS62294158A (ja) | 1986-06-13 | 1986-06-13 | 摺動部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13779786A JPS62294158A (ja) | 1986-06-13 | 1986-06-13 | 摺動部材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62294158A JPS62294158A (ja) | 1987-12-21 |
| JPH0570706B2 true JPH0570706B2 (ja) | 1993-10-05 |
Family
ID=15207074
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13779786A Granted JPS62294158A (ja) | 1986-06-13 | 1986-06-13 | 摺動部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62294158A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7094474B2 (en) * | 2004-06-17 | 2006-08-22 | Caterpillar, Inc. | Composite powder and gall-resistant coating |
| KR101628477B1 (ko) * | 2014-08-28 | 2016-06-22 | 현대자동차주식회사 | 내마모성이 향상된 시프트 포크 |
-
1986
- 1986-06-13 JP JP13779786A patent/JPS62294158A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62294158A (ja) | 1987-12-21 |
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