JPH0571815B2 - - Google Patents
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- JPH0571815B2 JPH0571815B2 JP2289849A JP28984990A JPH0571815B2 JP H0571815 B2 JPH0571815 B2 JP H0571815B2 JP 2289849 A JP2289849 A JP 2289849A JP 28984990 A JP28984990 A JP 28984990A JP H0571815 B2 JPH0571815 B2 JP H0571815B2
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Description
本発明は、ブレーキ特性の優れたカーボンブレ
ーキに関するものである。 更に詳しくは、周囲を補強したカーボンブレー
キデイスクあるいはカーボンブレーキパツドに関
するものである。 従来、カーボンブレーキデイスクは、その厚さ
方向から即ち摺動面側から圧縮成形して作られて
いたため、強化炭素繊維の大部分は摺動面にほぼ
平行になつていた。このため、摩擦係数が低く、
また、ブレーキ作動中に繊維の脱落が生じ、ブレ
ーキ挙動が不安定になるなどの問題があつた。 これを改善するため、比較的長い繊維と短い繊
維とを用い、短い繊維(5mm以下)をランダムに
配向させる試みがなされている(特開昭58−
30537号公報)。しかし、この技術においては、支
配的要素となる長い繊維が摺動面に対し平行であ
るため、十分改善の実を挙げるに至つていない。 本発明者等は、このような問題について鋭意見
当の結果、大部分の繊維を摺動面に対し角度をも
つて配向させ、且つ、周囲を補強することによつ
て、これらの問題を改善しうることを見出した。 本発明は、下記のとおりである。 (1) 埋設されている炭素繊維が摺動面に対し角度
をもつて配向しており、内周若しくは外周のい
ずれか、又は、内周及び外周の両方が一方向炭
素繊維又は炭素繊維織物にて旋回配置されてな
る周囲を補強したカーボンブレーキ。 本発明において、摺動面に対する繊維の角度と
は、繊維の実質的直線方向を示すものであり、繊
維の部分的且つミクロ的単位長さでの角度を示す
ものではない。好ましくは、繊維又はその繊維方
向の延長線が一方の摺動面から相対する他方の面
にまで延在するような角度で配向していることで
ある。 繊維の方向を図面にて説明する。 第1図イ〜ハは繊維とその方向を示し、1は繊
維、2は繊維の方向を示す。 第1図イは、強化材が織物である場合の繊維と
その方向を示したものである。織物に使用されて
いる繊維はサイン曲線的であるが、全体として繊
維の方向は直線で結ぶことができる。この直線で
表わされる方向を繊維の方向とする。第1図ロ及
びハは、繊維が規則的でない場合の繊維とその方
向を示したものである。 本発明における繊維の方向が摺動面に対し角度
をもつて配向しているとは、別言すれば、成形時
摺動面の方向から加圧され、その結果、繊維が加
圧方向に対し実質的に直角方向に配向している如
き場合を除外する意味である。 第4図は、カーボンブレーキの斜視図を示した
ものである。このようなブレーキは、カーボンブ
レーキの一般的な形状である。 第4図において、5は摺動面(摩擦面)、6は
ブレーキの内周、7はブレーキの外周を示す。矢
印はブレーキの摺動方向を示している。 本発明のカーボンブレーキにおいては、炭素繊
維が、摺動面(摩擦面)5に対し、角度をもつて
配向している。 また、本発明では、このようなカーボンブレー
キの内周6、及び、カーボンブレーキの外周7の
いずれか、又は、内周6及び外周7の両方が、一
方向炭素繊維又は炭素繊維織物にて旋回配置され
ている。8はスロツトル部(切欠き部)を示す。 このような本発明のカーボンブレーキは、摺動
面に対し炭素繊維が角度をもつて配向しており、
更に、周囲が補強されているために、ブレーキ作
動時において、摩擦係数が高く、摩耗量が少な
く、繊維の脱落が生じることはほとんどなく安定
したブレーキ作動特性を示す。 本発明のカーボンブレーキは、炭素繊維強化複
合材料の円筒状成形体を切断、焼成、緻密化、場
合により熱処理などを行つて製造される。焼成は
有機物を炭化させるために行われ、緻密化は組織
を緻密にするために行われ、これは含浸と焼成の
工程からなり、熱処理は主に材料の耐熱酸化性を
向上させるために行われるものである。 本発明に使用される炭素繊維は、レーヨン、ポ
リアクリロニトリル、ピツチ等を主成分とするプ
レカーサーを不活性雰囲気中800〜2000℃で炭化
した炭素質繊維、あるいは、2000℃以上の温度で
黒鉛化した黒鉛質繊維である。 成形硬化に使用する熱硬化性樹脂は、フラン、
フエノール、ポリイミド、エポキシ等の各樹脂
で、高粘度あるいは固体である場合は適当な溶媒
に溶かすか、加熱し溶融するかして用いる。 また、緻密化するために該複合材をフラン、フ
エノール等の各樹脂あるいはコールタールピツチ
等に含浸し、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中
で焼成する。 この緻密化は、複合材を窒素、アルゴン等の非
酸化性雰囲気中で700〜2000℃に加熱し、メタン、
エタン、ベンゼン等の炭化水素ガスを導入して行
うことも可能である(ケミカル・ベーパー・デイ
ポジシヨン)。 更に、炭素の配列構造を変え、耐熱酸化性を向
上させるために、通常、熱処理が行われる。この
熱処理は、不活性ガス雰囲気中2000〜3000℃の温
度にて処理することによつて行われる。この熱処
理は、耐熱酸化性を向上するほか、緻密化時の樹
脂等の含浸を容易にする効果もある。必要によつ
ては、所定の特性が得られるまで、緻密化及び熱
処理を繰返す。 本発明のカーボンブレーキは、航空機、鉄道車
両、自動車、オートバイ用に有用で、特に航空機
用マルチタイプデイスクブレーキに有用である。 次に、カーボンブレーキデイスクの製造法を説
明する。 1 流動成形法 繊維長5〜40mmの炭素繊維と熱硬化性樹脂(例
えば、フエノール、フラン、エポキシ、ポリイミ
ドの各樹脂など)との混合物を円筒状軸方向(長
さ方向)に流動させて、繊維を流動方向に配向さ
せた後、樹脂を硬化させて円筒状成形物とする。
この流動成形法を図面によつて説明する。 第2図−1は、流動成形法に用いられる金型の
断面図を示したものである。 第2図−1において、3は雄型、4は雌型を示
す。雌型4の底部には、炭素繊維Fと樹脂Rの混
合物が収納される。 炭素繊維Fと樹脂Rの混合物は、雌型に雄型を
圧入することによつて流動し金型内に充満する。
この状態を模式的に示すと、第2図−2のとおり
である。かかる結果、、炭素繊維は円筒の軸方向
に流動して配向した円筒状成形物を得ることがで
きる。次に、該成形物を円筒の軸方向と直角方向
(半径方向)に切断、即ち輪切りにすることによ
つて、デイスク状成形物を得る。次いで、該デイ
スク状成形物を不活性雰囲気中にて徐々に昇温し
800〜1500℃まで加熱焼成することによつて、マ
トリツクス樹脂を炭素質に変える。成形物の形状
及び工程上の操作性等によつては、円筒状成形物
を不活性雰囲気中で焼成した後に切断してデイス
ク状カーボン材にしてもよい。 次に、該カーボン材にピツチ又はフラン樹脂等
の液状有機物を含浸後、不活性雰囲気で焼成する
ことによつて緻密化を行う。この緻密化は、該カ
ーボン材を高温不活性雰囲気中に保持して導入炭
化水素ガスを熱分解して炭素を蒸着させる前記ケ
ミカル・ベーパー・デイポジシヨン法によつて行
つてもよい。 2 フイラメントワインデイング法 フエノール樹脂あるいはフラン樹脂等の熱硬化
性樹脂を含浸した炭素繊維フイラメントを所定の
マンドレルに円周方向(マンドレルの軸方向と直
角方向)に角度をもつて捲付ける方法によつて円
筒状成形物を得た後、不活性雰囲気中での焼成、
デイスク状に切断加工、緻密化及び熱処理を行つ
て、本発明のカーボンブレーキを得る。 炭素繊維フイラメントの代わりに、炭素繊維織
物等のテープを用いてもよい。 3 クロスローリング法 熱硬化性樹脂を含浸した炭素繊維フイラメント
クロスあるいは炭素繊維スパンヤーンクロスを所
定のマンドレルに捲回積層し硬化した後、切断加
工、焼成、緻密化、熱処理等を行う。 埋設している炭素繊維が摺動面に角度をもつて
配向している複合材の外周若しくは内周又は外周
と内周の両方に一方向炭素繊維あるいは炭素繊維
織物を旋回するのは、複合材の硬化前、硬化後、
焼成後、緻密化後あるいは熱処理後のいずれでも
よい。 流動成形法の場合には、使用する雌型のキヤビ
テイ外周部あるいは雄型外周部に熱硬化性樹脂を
含浸した炭素繊維を旋回積層した後に、前記流動
成形法で成形可能である。 また、マンドレルを使用する製造法は、マンド
レルにあらかじめ熱硬化性樹脂を含浸した一方向
炭素繊維あるいは炭素繊維織物をその周方向に旋
回積層した後、前記フイラメントワインデイング
法又はクロスローリング法で成形する。 前記のいずれかの方法で成形した後、切断後、
焼成後、緻密化後、熱処理後のいずれかの段階で
熱硬化性樹脂を含浸した炭素繊維を旋回積層さ
せ、硬化及び焼成等を行つてもよい。 以上の如く、炭素繊維が摺動面に角度をもつて
配向した本発明のカーボン材の場合、炭素繊維が
摺動面とほぼ平行している従来のカーボン材と比
較して、周方向あるいは半径方向の強度が低下す
る傾向があるが、苛酷な使用条件下で高い強度が
要求される場合には、本発明の如く外周又は/及
び内周に一方向炭素繊維又は炭素繊維織物を旋回
積層して補強することが有効である。この補強は
デイスクブレーキ等の外周あるいは内周の固定用
の切欠き部(スロツトル部)に特に有効である。
この切欠き部を補強した場合には、複合材を所定
形状より若干小さめに切削加工した後、炭素繊維
を旋回積層し所定の形状を得る。 本発明カーボンブレーキの製造における焼成
(炭化)、緻密化、熱処理、切断等の工程は、順序
が特に固定されない。また、緻密化及び熱処理は
繰返し行われることが好ましい。更に、緻密化と
熱処理は、いずれを先に行つてもよい。即ち焼成
後熱処理し、その後、緻密化するか、順序を逆に
して行う。 切断は、初めの樹脂硬化後のいずれかの段階に
て行われる。しかし、切断を、緻密化前に行う
と、材料が脆いため、加工し難い。従つて、切断
は、何回かの緻密化、熱処理の段階で行うのがよ
い。切断後、緻密化することは、緻密化効果をよ
り高めることができる。これは、切断によつて表
面積が一層大きくなるからである。 切断を容易にするには、切断を緻密化工程の焼
成前に行う。これは、炭化してない樹脂等が粘結
剤として作用し脆弱な炭素材料の損傷を防ぐから
である。 本発明のカーボンブレーキは、同時に多数製造
することができ、生産効率が高い。 以下、本発明を実施例で説明すると共に、比較
例を示す。 実施例 1 レゾール型フエノール樹脂を含浸した炭素繊維
フイラメント束〔樹脂含有量32重量%〕を20mmに
切断してチヨツプドストランドプリプレグを作成
した。該プリプレグを第2図に示す金型キヤビテ
イ(雌型中央部)に充填し、ホツトプレスにて
170℃、20Kgf/cm2、60分硬化させ、円筒状複合
材を得た。該複合材の両端各15mmを切削除去後、
輪切りにしてデイスク状複合材を得た。 次に、該複合材の外周及び内周に、レゾール型
フエノール樹脂を含浸した炭素繊維一方向プリプ
レグ〔樹脂含有量32重量%〕を周方向に厚さ1mm
に旋回積層した。 得られた複合材を窒素雰囲気中2℃/minで
1000℃まで昇温して30分保持し、有機質マトリツ
クスを炭素質に変えてカーボン質複合材を得た
(焼成工程)。 該カーボン質複合材を緻密化処理するために、
減圧下200℃でピツチを含浸した後、窒素雰囲気
中1000℃で焼成した(緻密化工程)。この緻密化
工程を5回繰返した後、窒素雰囲気中200℃/hr
で2000℃に昇温して30分保持して(熱処理工程)、
密度1.65g/cm3、外径117mm、内径53mm、厚さ10mm
のカーボンブレーキを得た。 該ブレーキ材を摺動面(デイスク面)と直角に
切断して、その断面の繊維配向を観察したとこ
ろ、大部分の繊維が摺動面にほぼ直角に配向して
いた。 実施例 2 東邦レーヨン(株)製の炭素繊維紡績糸織物(8枚
朱子、目付320g/m2)にフラン樹脂(ヒタフラ
ンVF−302、触媒0.5重量%含有)を400g/m2塗
布し、70℃で30分プレキユアした後、巾10mm、長
さ25mmに切断して、クロス・チヨツプ・プリプレ
グを得た。該プリプレグを実施例1と同じ金型を
用いて成形して、デイスク状の複合材を得た。 次に、該複合材の外周に、レゾール型フエノー
ル樹脂を含浸した炭素繊維プリプレグ〔平織、
CF目付:200g/m2、樹脂含有量35重量%〕を周
方向に厚さ1mmに旋回積層した。 得られた複合材を実施例1と同じ方法で焼成、
緻密化、熱処理を行い、厚さ10mm、外径117mm、
内径55mm、密度1.65g/cm3、カーボンデイスクを
作成した。 比較例 1 外周及び内周に炭素繊維一方向プリプレグを旋
回積層せずに、チヨツプドストランドプリプレグ
を用いて実施例1と同じ方法にて成形、切削加
工、焼成、緻密化、熱処理を行い、密度1.65g/
cm3、外径115mm、内径55mm、厚さ10mmのカーボン
ブレーキ材を得た。 比較例 2 外周に炭素繊維織物プリプレグを旋回積層せず
に、炭素繊維紡績糸織物プリプレグを用いて実施
例2と同じ方法にて成形、切削加工、焼成、緻密
化、熱処理を行い、密度1.65g/cm3、外径115mm、
内径55mm、厚さ10mmのカーボンブレーキ材を得
た。 比較例 3 東邦レーヨン(株)製の炭素繊維紡績糸織物(8枚
朱子、目付320g/m2)にフラン樹脂(ヒタフラ
ンVF−302、触媒0.5重量%含有)を400g/m2塗
布し、70℃で20分プレキユアした後、外径115mm、
内径55mmに必要枚数切断し、第3図に示す金型に
充填して、通常の圧縮成形にて外径115mm、内径
55mm、長さ60mmの円筒状複合材を得た。 該複合材を実施例1と同様に切削加工、焼成、
緻密化、熱処理を行い、密度1.65g/cm2外径115
mm、内径55mm、厚さ10mmのカーボンブレーキ材を
得た。 各実施例及び比較例で製作したデイスク2個に
ついて、ダイナモメーターによる動摩擦試験を行
つた。その結果を下表に示す。 実施例においては、試験回数による摩擦係数及
び磨耗量の変動は少なく、また、試験圧力を上げ
ても破損等のトラブルは認められなかつたが、比
較例においては、摩擦特性の大きな変動が認めら
れ、また、高圧試験時にスロツトル部より破損が
生じるトラブルが認められた。
ーキに関するものである。 更に詳しくは、周囲を補強したカーボンブレー
キデイスクあるいはカーボンブレーキパツドに関
するものである。 従来、カーボンブレーキデイスクは、その厚さ
方向から即ち摺動面側から圧縮成形して作られて
いたため、強化炭素繊維の大部分は摺動面にほぼ
平行になつていた。このため、摩擦係数が低く、
また、ブレーキ作動中に繊維の脱落が生じ、ブレ
ーキ挙動が不安定になるなどの問題があつた。 これを改善するため、比較的長い繊維と短い繊
維とを用い、短い繊維(5mm以下)をランダムに
配向させる試みがなされている(特開昭58−
30537号公報)。しかし、この技術においては、支
配的要素となる長い繊維が摺動面に対し平行であ
るため、十分改善の実を挙げるに至つていない。 本発明者等は、このような問題について鋭意見
当の結果、大部分の繊維を摺動面に対し角度をも
つて配向させ、且つ、周囲を補強することによつ
て、これらの問題を改善しうることを見出した。 本発明は、下記のとおりである。 (1) 埋設されている炭素繊維が摺動面に対し角度
をもつて配向しており、内周若しくは外周のい
ずれか、又は、内周及び外周の両方が一方向炭
素繊維又は炭素繊維織物にて旋回配置されてな
る周囲を補強したカーボンブレーキ。 本発明において、摺動面に対する繊維の角度と
は、繊維の実質的直線方向を示すものであり、繊
維の部分的且つミクロ的単位長さでの角度を示す
ものではない。好ましくは、繊維又はその繊維方
向の延長線が一方の摺動面から相対する他方の面
にまで延在するような角度で配向していることで
ある。 繊維の方向を図面にて説明する。 第1図イ〜ハは繊維とその方向を示し、1は繊
維、2は繊維の方向を示す。 第1図イは、強化材が織物である場合の繊維と
その方向を示したものである。織物に使用されて
いる繊維はサイン曲線的であるが、全体として繊
維の方向は直線で結ぶことができる。この直線で
表わされる方向を繊維の方向とする。第1図ロ及
びハは、繊維が規則的でない場合の繊維とその方
向を示したものである。 本発明における繊維の方向が摺動面に対し角度
をもつて配向しているとは、別言すれば、成形時
摺動面の方向から加圧され、その結果、繊維が加
圧方向に対し実質的に直角方向に配向している如
き場合を除外する意味である。 第4図は、カーボンブレーキの斜視図を示した
ものである。このようなブレーキは、カーボンブ
レーキの一般的な形状である。 第4図において、5は摺動面(摩擦面)、6は
ブレーキの内周、7はブレーキの外周を示す。矢
印はブレーキの摺動方向を示している。 本発明のカーボンブレーキにおいては、炭素繊
維が、摺動面(摩擦面)5に対し、角度をもつて
配向している。 また、本発明では、このようなカーボンブレー
キの内周6、及び、カーボンブレーキの外周7の
いずれか、又は、内周6及び外周7の両方が、一
方向炭素繊維又は炭素繊維織物にて旋回配置され
ている。8はスロツトル部(切欠き部)を示す。 このような本発明のカーボンブレーキは、摺動
面に対し炭素繊維が角度をもつて配向しており、
更に、周囲が補強されているために、ブレーキ作
動時において、摩擦係数が高く、摩耗量が少な
く、繊維の脱落が生じることはほとんどなく安定
したブレーキ作動特性を示す。 本発明のカーボンブレーキは、炭素繊維強化複
合材料の円筒状成形体を切断、焼成、緻密化、場
合により熱処理などを行つて製造される。焼成は
有機物を炭化させるために行われ、緻密化は組織
を緻密にするために行われ、これは含浸と焼成の
工程からなり、熱処理は主に材料の耐熱酸化性を
向上させるために行われるものである。 本発明に使用される炭素繊維は、レーヨン、ポ
リアクリロニトリル、ピツチ等を主成分とするプ
レカーサーを不活性雰囲気中800〜2000℃で炭化
した炭素質繊維、あるいは、2000℃以上の温度で
黒鉛化した黒鉛質繊維である。 成形硬化に使用する熱硬化性樹脂は、フラン、
フエノール、ポリイミド、エポキシ等の各樹脂
で、高粘度あるいは固体である場合は適当な溶媒
に溶かすか、加熱し溶融するかして用いる。 また、緻密化するために該複合材をフラン、フ
エノール等の各樹脂あるいはコールタールピツチ
等に含浸し、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中
で焼成する。 この緻密化は、複合材を窒素、アルゴン等の非
酸化性雰囲気中で700〜2000℃に加熱し、メタン、
エタン、ベンゼン等の炭化水素ガスを導入して行
うことも可能である(ケミカル・ベーパー・デイ
ポジシヨン)。 更に、炭素の配列構造を変え、耐熱酸化性を向
上させるために、通常、熱処理が行われる。この
熱処理は、不活性ガス雰囲気中2000〜3000℃の温
度にて処理することによつて行われる。この熱処
理は、耐熱酸化性を向上するほか、緻密化時の樹
脂等の含浸を容易にする効果もある。必要によつ
ては、所定の特性が得られるまで、緻密化及び熱
処理を繰返す。 本発明のカーボンブレーキは、航空機、鉄道車
両、自動車、オートバイ用に有用で、特に航空機
用マルチタイプデイスクブレーキに有用である。 次に、カーボンブレーキデイスクの製造法を説
明する。 1 流動成形法 繊維長5〜40mmの炭素繊維と熱硬化性樹脂(例
えば、フエノール、フラン、エポキシ、ポリイミ
ドの各樹脂など)との混合物を円筒状軸方向(長
さ方向)に流動させて、繊維を流動方向に配向さ
せた後、樹脂を硬化させて円筒状成形物とする。
この流動成形法を図面によつて説明する。 第2図−1は、流動成形法に用いられる金型の
断面図を示したものである。 第2図−1において、3は雄型、4は雌型を示
す。雌型4の底部には、炭素繊維Fと樹脂Rの混
合物が収納される。 炭素繊維Fと樹脂Rの混合物は、雌型に雄型を
圧入することによつて流動し金型内に充満する。
この状態を模式的に示すと、第2図−2のとおり
である。かかる結果、、炭素繊維は円筒の軸方向
に流動して配向した円筒状成形物を得ることがで
きる。次に、該成形物を円筒の軸方向と直角方向
(半径方向)に切断、即ち輪切りにすることによ
つて、デイスク状成形物を得る。次いで、該デイ
スク状成形物を不活性雰囲気中にて徐々に昇温し
800〜1500℃まで加熱焼成することによつて、マ
トリツクス樹脂を炭素質に変える。成形物の形状
及び工程上の操作性等によつては、円筒状成形物
を不活性雰囲気中で焼成した後に切断してデイス
ク状カーボン材にしてもよい。 次に、該カーボン材にピツチ又はフラン樹脂等
の液状有機物を含浸後、不活性雰囲気で焼成する
ことによつて緻密化を行う。この緻密化は、該カ
ーボン材を高温不活性雰囲気中に保持して導入炭
化水素ガスを熱分解して炭素を蒸着させる前記ケ
ミカル・ベーパー・デイポジシヨン法によつて行
つてもよい。 2 フイラメントワインデイング法 フエノール樹脂あるいはフラン樹脂等の熱硬化
性樹脂を含浸した炭素繊維フイラメントを所定の
マンドレルに円周方向(マンドレルの軸方向と直
角方向)に角度をもつて捲付ける方法によつて円
筒状成形物を得た後、不活性雰囲気中での焼成、
デイスク状に切断加工、緻密化及び熱処理を行つ
て、本発明のカーボンブレーキを得る。 炭素繊維フイラメントの代わりに、炭素繊維織
物等のテープを用いてもよい。 3 クロスローリング法 熱硬化性樹脂を含浸した炭素繊維フイラメント
クロスあるいは炭素繊維スパンヤーンクロスを所
定のマンドレルに捲回積層し硬化した後、切断加
工、焼成、緻密化、熱処理等を行う。 埋設している炭素繊維が摺動面に角度をもつて
配向している複合材の外周若しくは内周又は外周
と内周の両方に一方向炭素繊維あるいは炭素繊維
織物を旋回するのは、複合材の硬化前、硬化後、
焼成後、緻密化後あるいは熱処理後のいずれでも
よい。 流動成形法の場合には、使用する雌型のキヤビ
テイ外周部あるいは雄型外周部に熱硬化性樹脂を
含浸した炭素繊維を旋回積層した後に、前記流動
成形法で成形可能である。 また、マンドレルを使用する製造法は、マンド
レルにあらかじめ熱硬化性樹脂を含浸した一方向
炭素繊維あるいは炭素繊維織物をその周方向に旋
回積層した後、前記フイラメントワインデイング
法又はクロスローリング法で成形する。 前記のいずれかの方法で成形した後、切断後、
焼成後、緻密化後、熱処理後のいずれかの段階で
熱硬化性樹脂を含浸した炭素繊維を旋回積層さ
せ、硬化及び焼成等を行つてもよい。 以上の如く、炭素繊維が摺動面に角度をもつて
配向した本発明のカーボン材の場合、炭素繊維が
摺動面とほぼ平行している従来のカーボン材と比
較して、周方向あるいは半径方向の強度が低下す
る傾向があるが、苛酷な使用条件下で高い強度が
要求される場合には、本発明の如く外周又は/及
び内周に一方向炭素繊維又は炭素繊維織物を旋回
積層して補強することが有効である。この補強は
デイスクブレーキ等の外周あるいは内周の固定用
の切欠き部(スロツトル部)に特に有効である。
この切欠き部を補強した場合には、複合材を所定
形状より若干小さめに切削加工した後、炭素繊維
を旋回積層し所定の形状を得る。 本発明カーボンブレーキの製造における焼成
(炭化)、緻密化、熱処理、切断等の工程は、順序
が特に固定されない。また、緻密化及び熱処理は
繰返し行われることが好ましい。更に、緻密化と
熱処理は、いずれを先に行つてもよい。即ち焼成
後熱処理し、その後、緻密化するか、順序を逆に
して行う。 切断は、初めの樹脂硬化後のいずれかの段階に
て行われる。しかし、切断を、緻密化前に行う
と、材料が脆いため、加工し難い。従つて、切断
は、何回かの緻密化、熱処理の段階で行うのがよ
い。切断後、緻密化することは、緻密化効果をよ
り高めることができる。これは、切断によつて表
面積が一層大きくなるからである。 切断を容易にするには、切断を緻密化工程の焼
成前に行う。これは、炭化してない樹脂等が粘結
剤として作用し脆弱な炭素材料の損傷を防ぐから
である。 本発明のカーボンブレーキは、同時に多数製造
することができ、生産効率が高い。 以下、本発明を実施例で説明すると共に、比較
例を示す。 実施例 1 レゾール型フエノール樹脂を含浸した炭素繊維
フイラメント束〔樹脂含有量32重量%〕を20mmに
切断してチヨツプドストランドプリプレグを作成
した。該プリプレグを第2図に示す金型キヤビテ
イ(雌型中央部)に充填し、ホツトプレスにて
170℃、20Kgf/cm2、60分硬化させ、円筒状複合
材を得た。該複合材の両端各15mmを切削除去後、
輪切りにしてデイスク状複合材を得た。 次に、該複合材の外周及び内周に、レゾール型
フエノール樹脂を含浸した炭素繊維一方向プリプ
レグ〔樹脂含有量32重量%〕を周方向に厚さ1mm
に旋回積層した。 得られた複合材を窒素雰囲気中2℃/minで
1000℃まで昇温して30分保持し、有機質マトリツ
クスを炭素質に変えてカーボン質複合材を得た
(焼成工程)。 該カーボン質複合材を緻密化処理するために、
減圧下200℃でピツチを含浸した後、窒素雰囲気
中1000℃で焼成した(緻密化工程)。この緻密化
工程を5回繰返した後、窒素雰囲気中200℃/hr
で2000℃に昇温して30分保持して(熱処理工程)、
密度1.65g/cm3、外径117mm、内径53mm、厚さ10mm
のカーボンブレーキを得た。 該ブレーキ材を摺動面(デイスク面)と直角に
切断して、その断面の繊維配向を観察したとこ
ろ、大部分の繊維が摺動面にほぼ直角に配向して
いた。 実施例 2 東邦レーヨン(株)製の炭素繊維紡績糸織物(8枚
朱子、目付320g/m2)にフラン樹脂(ヒタフラ
ンVF−302、触媒0.5重量%含有)を400g/m2塗
布し、70℃で30分プレキユアした後、巾10mm、長
さ25mmに切断して、クロス・チヨツプ・プリプレ
グを得た。該プリプレグを実施例1と同じ金型を
用いて成形して、デイスク状の複合材を得た。 次に、該複合材の外周に、レゾール型フエノー
ル樹脂を含浸した炭素繊維プリプレグ〔平織、
CF目付:200g/m2、樹脂含有量35重量%〕を周
方向に厚さ1mmに旋回積層した。 得られた複合材を実施例1と同じ方法で焼成、
緻密化、熱処理を行い、厚さ10mm、外径117mm、
内径55mm、密度1.65g/cm3、カーボンデイスクを
作成した。 比較例 1 外周及び内周に炭素繊維一方向プリプレグを旋
回積層せずに、チヨツプドストランドプリプレグ
を用いて実施例1と同じ方法にて成形、切削加
工、焼成、緻密化、熱処理を行い、密度1.65g/
cm3、外径115mm、内径55mm、厚さ10mmのカーボン
ブレーキ材を得た。 比較例 2 外周に炭素繊維織物プリプレグを旋回積層せず
に、炭素繊維紡績糸織物プリプレグを用いて実施
例2と同じ方法にて成形、切削加工、焼成、緻密
化、熱処理を行い、密度1.65g/cm3、外径115mm、
内径55mm、厚さ10mmのカーボンブレーキ材を得
た。 比較例 3 東邦レーヨン(株)製の炭素繊維紡績糸織物(8枚
朱子、目付320g/m2)にフラン樹脂(ヒタフラ
ンVF−302、触媒0.5重量%含有)を400g/m2塗
布し、70℃で20分プレキユアした後、外径115mm、
内径55mmに必要枚数切断し、第3図に示す金型に
充填して、通常の圧縮成形にて外径115mm、内径
55mm、長さ60mmの円筒状複合材を得た。 該複合材を実施例1と同様に切削加工、焼成、
緻密化、熱処理を行い、密度1.65g/cm2外径115
mm、内径55mm、厚さ10mmのカーボンブレーキ材を
得た。 各実施例及び比較例で製作したデイスク2個に
ついて、ダイナモメーターによる動摩擦試験を行
つた。その結果を下表に示す。 実施例においては、試験回数による摩擦係数及
び磨耗量の変動は少なく、また、試験圧力を上げ
ても破損等のトラブルは認められなかつたが、比
較例においては、摩擦特性の大きな変動が認めら
れ、また、高圧試験時にスロツトル部より破損が
生じるトラブルが認められた。
【表】
【表】
摩耗量:実施例1に対する相対値
第1図イ,ロ,ハは、繊維方向を示す図、第2
図−1は、流動成形型の断面概略図を示したもの
である。第2図−2は、圧縮時第2図−1の流動
成形金型内での繊維の流動状態を模式的に示した
ものである。第3図−1は、単純圧縮成形の金型
の断面概略図を示したものである。第3図−2は
圧縮時第3図−1の金型内での繊維の流動状態を
模式的に示したものである。第4図は、ブレーキ
パツドの一般的形状の斜視図を示したものであ
る。 1…繊維、2…繊維の方向、3…雄型、4…雌
型、5…摺動面(摩擦面)、6…ブレーキの内周、
7…ブレーキの外周、8…スロツトル部(切欠き
部)を示す。矢印はブレーキの摺動方向を示して
いる。
図−1は、流動成形型の断面概略図を示したもの
である。第2図−2は、圧縮時第2図−1の流動
成形金型内での繊維の流動状態を模式的に示した
ものである。第3図−1は、単純圧縮成形の金型
の断面概略図を示したものである。第3図−2は
圧縮時第3図−1の金型内での繊維の流動状態を
模式的に示したものである。第4図は、ブレーキ
パツドの一般的形状の斜視図を示したものであ
る。 1…繊維、2…繊維の方向、3…雄型、4…雌
型、5…摺動面(摩擦面)、6…ブレーキの内周、
7…ブレーキの外周、8…スロツトル部(切欠き
部)を示す。矢印はブレーキの摺動方向を示して
いる。
Claims (1)
- 1 埋設されている炭素繊維が摺動面に対し角度
をもつて配向しており、内周若しくは外周のいず
れか、又は、内周及び外周の両方が一方向炭素繊
維又は炭素繊維織物にて旋回配置されてなる周囲
を補強したカーボンブレーキ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28984990A JPH03194228A (ja) | 1990-10-26 | 1990-10-26 | 周囲を補強したカーボンブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28984990A JPH03194228A (ja) | 1990-10-26 | 1990-10-26 | 周囲を補強したカーボンブレーキ |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11539983A Division JPS608536A (ja) | 1983-06-27 | 1983-06-27 | カ−ボンブレ−キ及びその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03194228A JPH03194228A (ja) | 1991-08-23 |
| JPH0571815B2 true JPH0571815B2 (ja) | 1993-10-08 |
Family
ID=17748565
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28984990A Granted JPH03194228A (ja) | 1990-10-26 | 1990-10-26 | 周囲を補強したカーボンブレーキ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH03194228A (ja) |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CA1014867A (en) * | 1974-03-29 | 1977-08-02 | Bendix Corporation (The) | Oxidation inhibiting caps for carbon friction disc |
| CA1023277A (en) * | 1975-09-29 | 1977-12-27 | Bendix Corporation (The) | Oxidation inhibiting caps for carbon friction disc |
| FR2392280A1 (fr) * | 1977-05-25 | 1978-12-22 | Europ Propulsion | Element de friction notamment pour frein a disques |
| FR2506672A1 (fr) * | 1981-06-02 | 1982-12-03 | Lorraine Carbone | Procede de fabrication de disques de frottement |
-
1990
- 1990-10-26 JP JP28984990A patent/JPH03194228A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03194228A (ja) | 1991-08-23 |
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