JPH0572028A - 赤外光検出装置 - Google Patents
赤外光検出装置Info
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- JPH0572028A JPH0572028A JP25360791A JP25360791A JPH0572028A JP H0572028 A JPH0572028 A JP H0572028A JP 25360791 A JP25360791 A JP 25360791A JP 25360791 A JP25360791 A JP 25360791A JP H0572028 A JPH0572028 A JP H0572028A
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- infrared light
- light
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 予備励起が不要で、しかも波長1.55μm
帯の赤外光に対して実用的な感度を有する赤外光検出装
置を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の赤外光検出装置は少なくともエルビ
ウムおよびイッテルビウムの2種類の元素、あるいはそ
の化合物を蛍光体母体中に含む蛍光体と、波長0.98
μmのスペクトル成分を含む光を発する発光素子とから
構成される。エルビウムの化合物は酸化エルビウムであ
り、かつその重量比が蛍光体母体100に対して3〜2
0である。蛍光体母体が少なくとも弗化鉛および二酸化
ゲルマニウムの2種類を含む。この装置においては、波
長1.55μm帯の赤外光に加えて波長0.98μmの
スペクトル成分を含む光を同時照射することが可能であ
る。
帯の赤外光に対して実用的な感度を有する赤外光検出装
置を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の赤外光検出装置は少なくともエルビ
ウムおよびイッテルビウムの2種類の元素、あるいはそ
の化合物を蛍光体母体中に含む蛍光体と、波長0.98
μmのスペクトル成分を含む光を発する発光素子とから
構成される。エルビウムの化合物は酸化エルビウムであ
り、かつその重量比が蛍光体母体100に対して3〜2
0である。蛍光体母体が少なくとも弗化鉛および二酸化
ゲルマニウムの2種類を含む。この装置においては、波
長1.55μm帯の赤外光に加えて波長0.98μmの
スペクトル成分を含む光を同時照射することが可能であ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、波長1.55μm帯の
赤外光の照射により可視域のスペクトル成分を含む再放
射光を呈する赤外光検出装置に関するものである。
赤外光の照射により可視域のスペクトル成分を含む再放
射光を呈する赤外光検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信に用いられる波長1.55
μm帯の赤外線を検出する素子に対する需要が高まって
きている。用途としては、LD等の発光素子のビーム位
置検出やモード形状等のパターン識別、さらには光ファ
イバーケーブルの破断点の探索等である。この用途に適
用可能なシステムとしては、半導体ホト・ダイオードを
用いた光パワーメータ等の純電気的なシステムと、ビジ
コン、イメージインテンシファイア、赤外励起蛍光体等
を用いた視覚的に検出可能なシステムとに大別すること
ができる。
μm帯の赤外線を検出する素子に対する需要が高まって
きている。用途としては、LD等の発光素子のビーム位
置検出やモード形状等のパターン識別、さらには光ファ
イバーケーブルの破断点の探索等である。この用途に適
用可能なシステムとしては、半導体ホト・ダイオードを
用いた光パワーメータ等の純電気的なシステムと、ビジ
コン、イメージインテンシファイア、赤外励起蛍光体等
を用いた視覚的に検出可能なシステムとに大別すること
ができる。
【0003】ところが、純電気的なシステムは高感度で
はあるが、視覚的に検出できないという問題点が有り、
ビジコン、イメージインテンシファイアは感度的にも不
十分であり、また価格が高いという欠点がある。このた
め、視覚的に検出可能で比較的感度が高く、安価な赤外
励起蛍光体を用いたシステムが有望視されている。
はあるが、視覚的に検出できないという問題点が有り、
ビジコン、イメージインテンシファイアは感度的にも不
十分であり、また価格が高いという欠点がある。このた
め、視覚的に検出可能で比較的感度が高く、安価な赤外
励起蛍光体を用いたシステムが有望視されている。
【0004】蛍光体は適当な励起源により励起される。
励起された蛍光体から再放射される光には、その蛍光体
の種類によって種々の分光分布を持たせることができ
る。したがって、蛍光体は適当な励起源と組み合わせる
ことによって、いろいろな応用分野に適用されうる。こ
のような蛍光体の中でも赤外励起蛍光体と呼ばれる材料
は、赤外光を可視光に波長変換する蛍光体として知られ
ている。このように、赤外光を光子エネルギーの格段に
大きな可視光に、反ストークス的に波長変換するために
は、材料の特性と励起波長との関係を巧みに選択する必
要がある。
励起された蛍光体から再放射される光には、その蛍光体
の種類によって種々の分光分布を持たせることができ
る。したがって、蛍光体は適当な励起源と組み合わせる
ことによって、いろいろな応用分野に適用されうる。こ
のような蛍光体の中でも赤外励起蛍光体と呼ばれる材料
は、赤外光を可視光に波長変換する蛍光体として知られ
ている。このように、赤外光を光子エネルギーの格段に
大きな可視光に、反ストークス的に波長変換するために
は、材料の特性と励起波長との関係を巧みに選択する必
要がある。
【0005】従来の赤外励起蛍光体を用いた赤外光検出
素子としてはQUANTEX社のIRセンサカードが良
く知られている。このIRセンサカードはこれに赤外光
が照射されると蛍光体の材料によっては例えば赤色、青
緑色等に発光する。これらのセンサでは赤外光照射の前
に予備励起(室内光でも可能)する必要があり、この予
備励起のプロセスを経て初めて赤外光励起が可能にな
る。
素子としてはQUANTEX社のIRセンサカードが良
く知られている。このIRセンサカードはこれに赤外光
が照射されると蛍光体の材料によっては例えば赤色、青
緑色等に発光する。これらのセンサでは赤外光照射の前
に予備励起(室内光でも可能)する必要があり、この予
備励起のプロセスを経て初めて赤外光励起が可能にな
る。
【0006】ところが、上記赤外光検出素子に赤外光を
連続して照射すると、可逆的ではあるが変換効率が経時
的に変化し、かつ可視光発光強度が徐々に低下するとい
う問題を生じる。
連続して照射すると、可逆的ではあるが変換効率が経時
的に変化し、かつ可視光発光強度が徐々に低下するとい
う問題を生じる。
【0007】一方、予備励起を必要としないIRセンサ
も報告されてはいるが、波長1.55μm帯の赤外光に
対する感度は実用的でないものである。
も報告されてはいるが、波長1.55μm帯の赤外光に
対する感度は実用的でないものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の技術的
課題を解決するためになされたもので、その目的とする
ところは予備励起が不要で、しかも波長1.55μm帯
の赤外光に対して実用的な感度を有する赤外光検出装置
を提供することにある。
課題を解決するためになされたもので、その目的とする
ところは予備励起が不要で、しかも波長1.55μm帯
の赤外光に対して実用的な感度を有する赤外光検出装置
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、少なくともエルビウムおよびイッテルビ
ウムの2種類の元素、あるいはその化合物を蛍光体母体
中に含む蛍光体と、波長0.98μmのスペクトル成分
を含む光を発する発光素子とから構成される。
め、本発明は、少なくともエルビウムおよびイッテルビ
ウムの2種類の元素、あるいはその化合物を蛍光体母体
中に含む蛍光体と、波長0.98μmのスペクトル成分
を含む光を発する発光素子とから構成される。
【0010】また、本発明は、エルビウムの化合物は酸
化エルビウムであり、かつその重量比が蛍光体母体10
0に対して3〜20である。
化エルビウムであり、かつその重量比が蛍光体母体10
0に対して3〜20である。
【0011】さらにまた、本発明は、蛍光体母体が少な
くとも弗化鉛および二酸化ゲルマニウムの2種類を含
む。
くとも弗化鉛および二酸化ゲルマニウムの2種類を含
む。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面に従って説
明する。なお、実施例は一つの例示であって、本発明の
精神を逸脱しない範囲で、種々の変更あるいは改良を行
い得ることは言うまでもない。
明する。なお、実施例は一つの例示であって、本発明の
精神を逸脱しない範囲で、種々の変更あるいは改良を行
い得ることは言うまでもない。
【0013】図1は本発明の赤外光検出装置の一実施例
を示す概略断面図である。図1中において符号1は有底
円筒状のケースである。このケース1の開口部には、そ
の内周縁に円板状の蛍光体2が固定されている。
を示す概略断面図である。図1中において符号1は有底
円筒状のケースである。このケース1の開口部には、そ
の内周縁に円板状の蛍光体2が固定されている。
【0014】この蛍光体2は、蛍光体母体材料として弗
化鉛(PbF2 )および二酸化ゲルマニウム(GeO
2 )の2種類を含み、この母体材料に添加物質としてエ
ルビウム(Er)およびイッテルビウム(Yb)の2種
類の元素あるいは酸化物等の化合物を含み、これらの材
料を所定の配合比で混合し焼成して得られたものであ
る。
化鉛(PbF2 )および二酸化ゲルマニウム(GeO
2 )の2種類を含み、この母体材料に添加物質としてエ
ルビウム(Er)およびイッテルビウム(Yb)の2種
類の元素あるいは酸化物等の化合物を含み、これらの材
料を所定の配合比で混合し焼成して得られたものであ
る。
【0015】蛍光体2に波長0.98μmのスペクトル
成分を含む光を照射するためのレーザダイオード(L
D)3が配設されている。ケース1の内底部にはLD3
を駆動するための電池4がLD3と電気的に接続されて
配設されている。
成分を含む光を照射するためのレーザダイオード(L
D)3が配設されている。ケース1の内底部にはLD3
を駆動するための電池4がLD3と電気的に接続されて
配設されている。
【0016】なお、上記構成要素に加えて、例えばLD
3からの光を制御するためのレンズ、あるいは蛍光体2
からの光を伝播させるためのレンズ、電池4のON・O
FFを切り替えるスイッチおよびLDを例えば蛍光体2
の波長1.55μm帯の赤外光照射による発光を検知し
て駆動する電気回路などを必要に応じて付加することが
できる。
3からの光を制御するためのレンズ、あるいは蛍光体2
からの光を伝播させるためのレンズ、電池4のON・O
FFを切り替えるスイッチおよびLDを例えば蛍光体2
の波長1.55μm帯の赤外光照射による発光を検知し
て駆動する電気回路などを必要に応じて付加することが
できる。
【0017】このような構成の赤外光検出装置にあって
は、蛍光体2の外面、すなわち図1において上面より波
長1.55μm帯の赤外光が受光される。受光した赤外
光により蛍光体2は励起され、例えば660nmの赤色
発光が観測される。ここで、LD3を駆動させて波長
0.98μmのスペクトル成分を含む光を上記赤色発光
中の蛍光体2の下面に照射すると、蛍光体2から発光さ
せる赤色発光強度が増大する。
は、蛍光体2の外面、すなわち図1において上面より波
長1.55μm帯の赤外光が受光される。受光した赤外
光により蛍光体2は励起され、例えば660nmの赤色
発光が観測される。ここで、LD3を駆動させて波長
0.98μmのスペクトル成分を含む光を上記赤色発光
中の蛍光体2の下面に照射すると、蛍光体2から発光さ
せる赤色発光強度が増大する。
【0018】ここで、本発明の赤外光検出装置に用いる
蛍光体を波長1.55μmの赤外光で励起した際の発光
スペクトルの一例を図2の(a)に示す。発光ピーク波
長は、520〜550nm、650〜670nm、79
0〜830nmである。このうち、650〜670nm
の発光強度が最も強く、肉眼では赤色として認識され
る。
蛍光体を波長1.55μmの赤外光で励起した際の発光
スペクトルの一例を図2の(a)に示す。発光ピーク波
長は、520〜550nm、650〜670nm、79
0〜830nmである。このうち、650〜670nm
の発光強度が最も強く、肉眼では赤色として認識され
る。
【0019】図2の(b)は、(a)の蛍光体に波長
1.55μmおよび0.98μmの両赤外光を同時に照
射して、二重波長励起した時の発光スペクトルの一例で
ある。図2の(a)に示した発光スペクトルと比べる
と、図2の(b)に示す発光スペクトルでは、520〜
550nmの発光ピークが増加し、650〜670nm
の発光ピーク強度も数倍に増加している。
1.55μmおよび0.98μmの両赤外光を同時に照
射して、二重波長励起した時の発光スペクトルの一例で
ある。図2の(a)に示した発光スペクトルと比べる
と、図2の(b)に示す発光スペクトルでは、520〜
550nmの発光ピークが増加し、650〜670nm
の発光ピーク強度も数倍に増加している。
【0020】この結果から、本蛍光体では、1.55μ
mから660nmへの波長変換における変換効率を0.
98μm光の同時照射により、著しく増大させることが
できることがわかる。
mから660nmへの波長変換における変換効率を0.
98μm光の同時照射により、著しく増大させることが
できることがわかる。
【0021】次に本発明、およびその効果を実施例によ
り具体的に説明する。
り具体的に説明する。
【0022】なお、本発明、およびその効果は下記実施
例中に記述した材料、組成、および作製方法に何等限定
されるものではない。例えば、本発明で用いた蛍光体中
にErやYbを酸化物ではなく他の化合物、あるいは単
元素として添加した場合や、添加濃度を変えた場合、ま
たこれらに加えて同時に他の不純物元素を添加して用い
た場合、あるいは蛍光体の母体として用いたPbF2 と
GeO2 の組成を変えた場合や、さらに他の化合物を含
む母体とした場合でも同様の効果が期待できる。また、
LD光源の代わりに同様の発光スペクトル成分を有する
LED(発光ダイオード)や他の発光素子を用いても同
様の効果が得られることは言うまでもない。
例中に記述した材料、組成、および作製方法に何等限定
されるものではない。例えば、本発明で用いた蛍光体中
にErやYbを酸化物ではなく他の化合物、あるいは単
元素として添加した場合や、添加濃度を変えた場合、ま
たこれらに加えて同時に他の不純物元素を添加して用い
た場合、あるいは蛍光体の母体として用いたPbF2 と
GeO2 の組成を変えた場合や、さらに他の化合物を含
む母体とした場合でも同様の効果が期待できる。また、
LD光源の代わりに同様の発光スペクトル成分を有する
LED(発光ダイオード)や他の発光素子を用いても同
様の効果が得られることは言うまでもない。
【0023】(実施例1)図2に示した発光スペクトル
を再放射する蛍光体を作製するにあたり、まず市販の粉
末試薬である弗化鉛(PbF2 、純度99.999%)
および二酸化ゲルマニウム(GeO2 、99.997
%)の母体材料に酸化エルビウム(Er2 O3 、99.
9%)および酸化イッテルビウム(Yb2 O3 、99.
99%)の添加材料を、重量比でPbF2 :GeO2 :
Er2 O3 :Yb2 O3 =39:11:0.25:5の
組成に秤量し、乳鉢で撹拌混合した。次に、この混合し
た原料粉末を蓋付きの白金ルツボに入れ、電気炉で焼成
した。焼成は大気雰囲気中で行い、焼成温度は1000
℃で1時間保持した後、400℃で3時間保持し、その
後に室温まで徐冷した。
を再放射する蛍光体を作製するにあたり、まず市販の粉
末試薬である弗化鉛(PbF2 、純度99.999%)
および二酸化ゲルマニウム(GeO2 、99.997
%)の母体材料に酸化エルビウム(Er2 O3 、99.
9%)および酸化イッテルビウム(Yb2 O3 、99.
99%)の添加材料を、重量比でPbF2 :GeO2 :
Er2 O3 :Yb2 O3 =39:11:0.25:5の
組成に秤量し、乳鉢で撹拌混合した。次に、この混合し
た原料粉末を蓋付きの白金ルツボに入れ、電気炉で焼成
した。焼成は大気雰囲気中で行い、焼成温度は1000
℃で1時間保持した後、400℃で3時間保持し、その
後に室温まで徐冷した。
【0024】このようにして作製した蛍光体を、1.5
5μmのLDで励起した時の発光スペクトルを図2の
(a)に示す。同蛍光体を1.55μmのLD、および
0.98μmのLDで同時に励起した時の発光スペクト
ルを図2の(b)に示す。図3および図4に、Er3+イ
オン、およびYb3+イオンの4f電子のエネルギー準位
図をそれぞれ示す。図2の(a)および(b)の両発光
スペクトルにおける、522nm、548nm、660
nm、および800nmの各ピークは、それぞれEr3+
イオンの4f電子の励起準位から基底準位への輻射遷
移、( 2H11/2→ 4I15/2),( 4S3/2 →
4I15/2),( 4F9/2 → 4I15/2)および( 4I9/2→
4I15/2)による発光である。図2の(b)の発光スペ
クトルにおける650〜670nmのピーク強度は、同
(a)の同ピーク強度に対して約3倍程度に増大してい
る。
5μmのLDで励起した時の発光スペクトルを図2の
(a)に示す。同蛍光体を1.55μmのLD、および
0.98μmのLDで同時に励起した時の発光スペクト
ルを図2の(b)に示す。図3および図4に、Er3+イ
オン、およびYb3+イオンの4f電子のエネルギー準位
図をそれぞれ示す。図2の(a)および(b)の両発光
スペクトルにおける、522nm、548nm、660
nm、および800nmの各ピークは、それぞれEr3+
イオンの4f電子の励起準位から基底準位への輻射遷
移、( 2H11/2→ 4I15/2),( 4S3/2 →
4I15/2),( 4F9/2 → 4I15/2)および( 4I9/2→
4I15/2)による発光である。図2の(b)の発光スペ
クトルにおける650〜670nmのピーク強度は、同
(a)の同ピーク強度に対して約3倍程度に増大してい
る。
【0025】1.55μmの赤外光照射による660n
m発光過程は次のように考えられる。図3において、
1.55μmの赤外光照射により、Er3+イオンの4f
電子の基底準位( 4I15/2)から励起準位( 4I13/2)
への遷移と、励起準位から基底準位への遷移( 4I13/2
→ 4I15/2)が生じる。この時の遷移エネルギーが非輻
射で他のEr3+イオンに伝達され、Er3+イオンの励起
準位( 4I13/2)から更に上の励起準位( 4I9/2 )に
二段階励起される。そして、Er3+イオンの励起準位
( 4I9/2 )から非輻射で直下の準位( 4I11/2)に緩
和し、そこから基底準位への遷移( 4I11/2→
4I15/2)エネルギーが再び他のEr3+イオンに伝達さ
れ、Er3+イオンの励起準位( 4I13/2)からこの時に
は更に上の励起準位(4F9/2 )に二段階励起される。
そして、その準位から基底準位への遷移( 4F9/2 → 4
I15/2)が660nmの発光となる。
m発光過程は次のように考えられる。図3において、
1.55μmの赤外光照射により、Er3+イオンの4f
電子の基底準位( 4I15/2)から励起準位( 4I13/2)
への遷移と、励起準位から基底準位への遷移( 4I13/2
→ 4I15/2)が生じる。この時の遷移エネルギーが非輻
射で他のEr3+イオンに伝達され、Er3+イオンの励起
準位( 4I13/2)から更に上の励起準位( 4I9/2 )に
二段階励起される。そして、Er3+イオンの励起準位
( 4I9/2 )から非輻射で直下の準位( 4I11/2)に緩
和し、そこから基底準位への遷移( 4I11/2→
4I15/2)エネルギーが再び他のEr3+イオンに伝達さ
れ、Er3+イオンの励起準位( 4I13/2)からこの時に
は更に上の励起準位(4F9/2 )に二段階励起される。
そして、その準位から基底準位への遷移( 4F9/2 → 4
I15/2)が660nmの発光となる。
【0026】次に、0.98μmの赤外光同時照射によ
る1.55μm〜660nmへの波長変換過程を考える
と、以下のようになる。図4において、0.98μmの
光照射により、Yb3+イオンの基底準位( 2F7/2 )か
ら励起準位( 2F5/2 )への遷移と、励起準位から基底
準位へ遷移( 2F5/2 → 2F7/2 )が生じる。この時の
遷移エネルギーが非輻射でEr3+イオンに伝達され、E
r3+イオンにおいて1.55μmの赤外光照射によりあ
らかじめ励起されていた準位( 4I13/2)から更に上の
準位( 4F9/2 )に二段階励起される。そして、Er3+
イオンの励起準位から基底準位への遷移( 4F9/2 → 4
I15/2)が660nmの発光となる。
る1.55μm〜660nmへの波長変換過程を考える
と、以下のようになる。図4において、0.98μmの
光照射により、Yb3+イオンの基底準位( 2F7/2 )か
ら励起準位( 2F5/2 )への遷移と、励起準位から基底
準位へ遷移( 2F5/2 → 2F7/2 )が生じる。この時の
遷移エネルギーが非輻射でEr3+イオンに伝達され、E
r3+イオンにおいて1.55μmの赤外光照射によりあ
らかじめ励起されていた準位( 4I13/2)から更に上の
準位( 4F9/2 )に二段階励起される。そして、Er3+
イオンの励起準位から基底準位への遷移( 4F9/2 → 4
I15/2)が660nmの発光となる。
【0027】(実施例2)実施例1と同様の方法で、組
成のみを、重量比でPbF2 :GeO2 :Er2O3 :
Yb2 O3 =78:22:x:10として、xを0.5
〜70の範囲で変化させて赤外励起蛍光体を作製した。
成のみを、重量比でPbF2 :GeO2 :Er2O3 :
Yb2 O3 =78:22:x:10として、xを0.5
〜70の範囲で変化させて赤外励起蛍光体を作製した。
【0028】このようにして作製した蛍光体の内、x=
10とした蛍光体を1.55μmの赤外光で励起した時
の発光スペクトルの660nmの発光ピーク強度は、実
施例1の蛍光体の場合と比較して約150倍の強度であ
った。また、同蛍光体を1.55μmおよび0.98μ
mの赤外光同時照射による二重波長励起した場合には、
さらに660nmの発光ピーク強度の増大が認められ
た。
10とした蛍光体を1.55μmの赤外光で励起した時
の発光スペクトルの660nmの発光ピーク強度は、実
施例1の蛍光体の場合と比較して約150倍の強度であ
った。また、同蛍光体を1.55μmおよび0.98μ
mの赤外光同時照射による二重波長励起した場合には、
さらに660nmの発光ピーク強度の増大が認められ
た。
【0029】図5は、作製した蛍光体を1.55μmの
赤外光で励起したときの発光スペクトルの内、660n
mの発光ピーク強度とxとの関係を示す。x=7〜10
の時に660nmの発光ピーク強度は最も強く、x=3
〜20の範囲で660nmの発光ピーク強度は比較的強
いと言える。
赤外光で励起したときの発光スペクトルの内、660n
mの発光ピーク強度とxとの関係を示す。x=7〜10
の時に660nmの発光ピーク強度は最も強く、x=3
〜20の範囲で660nmの発光ピーク強度は比較的強
いと言える。
【0030】本材料系では前述のように多段エネルギー
伝達で波長変換を行うため、Er低濃度側での発光強度
の低下は発光中心原子数の減少とそれに伴うエネルギー
伝達確率の低下によるものであり、高濃度側での低下は
Er3+−Er3+あるいはEr3+−Yb3+イオン間の非輻
射遷移確率の増大による濃度消光のためと考えられる。
伝達で波長変換を行うため、Er低濃度側での発光強度
の低下は発光中心原子数の減少とそれに伴うエネルギー
伝達確率の低下によるものであり、高濃度側での低下は
Er3+−Er3+あるいはEr3+−Yb3+イオン間の非輻
射遷移確率の増大による濃度消光のためと考えられる。
【0031】(実施例3)実施例1と同様の方法で、組
成のみを、重量比でPbF2 :GeO2 :Er2O3 :
Yb2 O3 =78:22:10:Yとして、Yを0〜1
5の範囲で変化させて赤外励起蛍光体を作製した。 図
6に、作製した蛍光体を1.55μmの赤外光で励起し
たときの660nmの発光ピーク強度(I0 )と1.5
5μmと0.98μmとで二重波長励起したときの66
0nmの発光ピーク強度(I)との発光強度比(I/I
0 )とYとの関係を示す。Y=5を越えると660nm
(赤色)の発光ピーク強度の0.98μm補助励起光に
よる増大効果は大きくなる。
成のみを、重量比でPbF2 :GeO2 :Er2O3 :
Yb2 O3 =78:22:10:Yとして、Yを0〜1
5の範囲で変化させて赤外励起蛍光体を作製した。 図
6に、作製した蛍光体を1.55μmの赤外光で励起し
たときの660nmの発光ピーク強度(I0 )と1.5
5μmと0.98μmとで二重波長励起したときの66
0nmの発光ピーク強度(I)との発光強度比(I/I
0 )とYとの関係を示す。Y=5を越えると660nm
(赤色)の発光ピーク強度の0.98μm補助励起光に
よる増大効果は大きくなる。
【0032】ここで、Y=15の蛍光体を1.55μm
の赤外光で励起したときの660nmの発光ピーク強度
は、Y=10の蛍光体の発光ピーク強度の1/5以下で
あり、Yを15以上とした蛍光体ではさらに低くなっ
た。
の赤外光で励起したときの660nmの発光ピーク強度
は、Y=10の蛍光体の発光ピーク強度の1/5以下で
あり、Yを15以上とした蛍光体ではさらに低くなっ
た。
【0033】従って、Yの値が5〜15の範囲では、6
60nmの発光ピーク強度は比較的強く、0.98μm
補助励起光による赤色発光の増大効果が大きいと言え
る。
60nmの発光ピーク強度は比較的強く、0.98μm
補助励起光による赤色発光の増大効果が大きいと言え
る。
【0034】本材料系では前述のように多段エネルギー
伝達で波長変換を行うため、Yb濃度が増加するとYb
3+−Er3+イオン間のエネルギー伝達確率が増大し、
0.98μm補助励起光による赤色発光の増大効果が顕
著になる。さらにYb濃度が増加すると、Er3+−Yb
3+、あるいはYb3+−Yb3+イオン間の非輻射遷移確率
の増大により、赤色発光強度が低下するものと考えられ
る。
伝達で波長変換を行うため、Yb濃度が増加するとYb
3+−Er3+イオン間のエネルギー伝達確率が増大し、
0.98μm補助励起光による赤色発光の増大効果が顕
著になる。さらにYb濃度が増加すると、Er3+−Yb
3+、あるいはYb3+−Yb3+イオン間の非輻射遷移確率
の増大により、赤色発光強度が低下するものと考えられ
る。
【0035】(実施例4)上記実施例1,2および3で
用いたと同様の材料組成を有する蛍光体の形状を、厚さ
が1mm程度、もしくはそれ以下で直径が約10mmの
円盤状になるように作製し、波長0.98μmの発光ス
ペクトル成分を有するLDおよびLD駆動用電池と組み
合わせて、図1に示した小型のペンシル(円筒)状の素
子を作製した。この素子ではLDから放射された0.9
8μmのスペクトル成分を含む光を蛍光体裏側全面に照
射できる。蛍光体の表側に波長1.55μmの赤外光を
照射すると、実施例1,2および3の場合とほぼ同様に
660nmの赤色発光、およびその増大効果が観られ
た。
用いたと同様の材料組成を有する蛍光体の形状を、厚さ
が1mm程度、もしくはそれ以下で直径が約10mmの
円盤状になるように作製し、波長0.98μmの発光ス
ペクトル成分を有するLDおよびLD駆動用電池と組み
合わせて、図1に示した小型のペンシル(円筒)状の素
子を作製した。この素子ではLDから放射された0.9
8μmのスペクトル成分を含む光を蛍光体裏側全面に照
射できる。蛍光体の表側に波長1.55μmの赤外光を
照射すると、実施例1,2および3の場合とほぼ同様に
660nmの赤色発光、およびその増大効果が観られ
た。
【0036】(実施例5)上記実施例4において、円盤
状蛍光体の代わりに、焼結後の蛍光体を粉砕した微小粉
末粒を有機樹脂や低融点ガラス等のバインダー中に分散
させ、波長0.98μmの光を透過する例えばガラスや
プラスチック等の基板上に塗布した、いわゆる分散型蛍
光体板を作製した。この蛍光体板を用いた場合にも、実
施例4の場合と同様に蛍光体の表側から1.55μmの
赤外光を照射すると660nmの赤色発光、およびその
増大効果が観られた。
状蛍光体の代わりに、焼結後の蛍光体を粉砕した微小粉
末粒を有機樹脂や低融点ガラス等のバインダー中に分散
させ、波長0.98μmの光を透過する例えばガラスや
プラスチック等の基板上に塗布した、いわゆる分散型蛍
光体板を作製した。この蛍光体板を用いた場合にも、実
施例4の場合と同様に蛍光体の表側から1.55μmの
赤外光を照射すると660nmの赤色発光、およびその
増大効果が観られた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の赤外光検
出装置は、1.55μmの赤外光照射により可視域のス
ペクトル成分を含む再放射光を呈するので、予備励起が
不要で、視覚的な赤外光検出が可能で、しかも小型であ
るという利点がある。
出装置は、1.55μmの赤外光照射により可視域のス
ペクトル成分を含む再放射光を呈するので、予備励起が
不要で、視覚的な赤外光検出が可能で、しかも小型であ
るという利点がある。
【0038】また、本発明の赤外光検出装置は、赤外光
の照射を連続的に行っていても、照射光から赤色発光へ
の波長変換効率および可視光発光強度が長期間にわたっ
て安定であるという利点もある。
の照射を連続的に行っていても、照射光から赤色発光へ
の波長変換効率および可視光発光強度が長期間にわたっ
て安定であるという利点もある。
【図1】本発明の赤外光検出装置の一実施例を示す概略
断面図である。
断面図である。
【図2】図1に示した装置に用いる蛍光体を波長1.5
5μm(a),1.55μmおよび0.98μm(b)
の赤外光により励起した際に得られる発光スペクトルの
一例を示すグラフである。
5μm(a),1.55μmおよび0.98μm(b)
の赤外光により励起した際に得られる発光スペクトルの
一例を示すグラフである。
【図3】図1に示した装置に用いる蛍光体を波長1.5
5μmの赤外光により励起した際の660nm発光過程
を示すEr3+イオンの4f電子のエネルギー準位図であ
る。
5μmの赤外光により励起した際の660nm発光過程
を示すEr3+イオンの4f電子のエネルギー準位図であ
る。
【図4】図1に示した装置に用いる蛍光体を波長1.5
5μmおよび0.98μmの赤外光により励起した際の
1.55μmから660nmへの波長変換過程を示すE
r3+イオンおよびYb3+イオンの4f電子のエネルギー
準位図である。
5μmおよび0.98μmの赤外光により励起した際の
1.55μmから660nmへの波長変換過程を示すE
r3+イオンおよびYb3+イオンの4f電子のエネルギー
準位図である。
【図5】図1に示した装置に用いる蛍光体の組成を重量
比で、PbF2 :GeO2 :Er2 O3 :Yb2 O3 =
78:22:x:10とした上で、その蛍光体を波長
1.55μmの赤外光により励起した際の発光スペクト
ルの内、660nmの発光ピーク強度とxとの関係を示
すグラフである。
比で、PbF2 :GeO2 :Er2 O3 :Yb2 O3 =
78:22:x:10とした上で、その蛍光体を波長
1.55μmの赤外光により励起した際の発光スペクト
ルの内、660nmの発光ピーク強度とxとの関係を示
すグラフである。
【図6】図1に示した装置に用いる蛍光体の組成を重量
比で、PbF2 :GeO2 :Er2 O3 :Yb2 O3 =
78:22:10:Yとした上で、その蛍光体を波長
1.55μmの赤外光により励起した際の発光ピーク強
度(I0 )と1.55μmと0.98μmとで二重波長
励起したときの660nmの発光ピーク強度(I)との
発光強度比(I/I0 )とYとの関係を示すグラフであ
る。
比で、PbF2 :GeO2 :Er2 O3 :Yb2 O3 =
78:22:10:Yとした上で、その蛍光体を波長
1.55μmの赤外光により励起した際の発光ピーク強
度(I0 )と1.55μmと0.98μmとで二重波長
励起したときの660nmの発光ピーク強度(I)との
発光強度比(I/I0 )とYとの関係を示すグラフであ
る。
1 ケース 2 蛍光体 3 レーザダイオード(LD) 4 電池
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくともエルビウムおよびイッテルビ
ウムの2種類の元素、あるいはその化合物を蛍光体母体
中に含む蛍光体と、波長0.98μmのスペクトル成分
を含む光を発する発光素子とから構成されることを特徴
とする赤外光検出装置。 - 【請求項2】 前記エルビウムの化合物は酸化エルビウ
ムであり、かつその重量比が蛍光体母体100に対して
3〜20であることを特徴とする請求項1記載の赤外光
検出装置。 - 【請求項3】 前記蛍光体母体が少なくとも弗化鉛およ
び二酸化ゲルマニウムの2種類を含むことを特徴とする
請求項1または2記載の赤外光検出装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25360791A JPH0572028A (ja) | 1991-05-20 | 1991-10-01 | 赤外光検出装置 |
Applications Claiming Priority (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11484991 | 1991-05-20 | ||
| JP17409691 | 1991-07-15 | ||
| JP3-114849 | 1991-07-15 | ||
| JP3-174096 | 1991-07-15 | ||
| JP25360791A JPH0572028A (ja) | 1991-05-20 | 1991-10-01 | 赤外光検出装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0572028A true JPH0572028A (ja) | 1993-03-23 |
Family
ID=27312839
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25360791A Pending JPH0572028A (ja) | 1991-05-20 | 1991-10-01 | 赤外光検出装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0572028A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003524839A (ja) * | 2000-01-10 | 2003-08-19 | シクパ・ホールディング・ソシエテ・アノニム | 物品の認証 |
-
1991
- 1991-10-01 JP JP25360791A patent/JPH0572028A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003524839A (ja) * | 2000-01-10 | 2003-08-19 | シクパ・ホールディング・ソシエテ・アノニム | 物品の認証 |
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