JPH0573457B2 - - Google Patents
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- JPH0573457B2 JPH0573457B2 JP62157380A JP15738087A JPH0573457B2 JP H0573457 B2 JPH0573457 B2 JP H0573457B2 JP 62157380 A JP62157380 A JP 62157380A JP 15738087 A JP15738087 A JP 15738087A JP H0573457 B2 JPH0573457 B2 JP H0573457B2
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Description
「産業上の利用分野」
本発明は沈降製炭酸カルシウムのグリコール系
分散体に関する。更に詳しくは、特にフイルムあ
るいは繊維として使用されるポリエステルの摩擦
係数を改善するために、ポリエステル製造時に原
料となるエチレングリコール等のグリコールに懸
濁して用いられる炭酸カルシウムにおいて、グリ
コール中での分散性、分散経時安定性、粒子径の
均一性が良好でかつポリエステルとの親和性が良
好な沈降製炭酸カルシウムと、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール
等のグリコールとからなる沈降製炭酸カルシウム
のグリコール系分散体に関するものである。 「従来技術と問題点」 今日、工業的に製造されているポリエステル、
特にポリエチレンテレフタレート(以下、PET
と略す)はすぐれた物理的・化学的特性を有して
おり、繊維、フイルム、その他の成形品として広
く使用されている。 しかしながら、そのすぐれた特性とは逆に、そ
の成形過程、加工過程あるいは製品自体での取り
扱い性の面で滑り性が悪いため、作業性の悪化、
商品価値の低下といつた好ましくないトラブルが
発生する事が知られている。その原因の多くは、
ポリエステル自身の高い摩擦係数によるものであ
る。これらのトラブルに対して、ポリエステル中
に微粒子を含有せしめ、成形品の表面に適度の凹
凸を与えて成形品の表面滑性を向上させる方法が
数多く提案されているが、微粒子とポリエステル
との親和性が充分でなく、フイルム、繊維等の透
明性・摩耗性がいずれも満足すべきものではなか
つた。 ポリエステルの表面特性を向上させる手段とし
ては、従来から ポリエステル合成時に使用する触媒など一部
または全部を反応工程で析出させる方法(内部
粒子析出方法) 炭酸カルシウム、酸化ケイ素等の微粒子を重
合時または重合後に添加する方法(外部粒子添
加方法) が数多く提案されている。 しかしながら、の内部粒子の析出方法は粒子
がポリエステル成分の金属塩であるため、ポリエ
ステルとの親和性はある程度良好である反面、反
応中に粒子を生成させる方法であるため、粒子
量、粒子径のコントロールおよび粗大粒子の生成
防止などが困難である。 一方、の外部粒子添加方法は、二酸化チタ
ン、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム
等のポリエステルに不溶不活性な無機化合物粒子
を重合時または重合後に添加する方法であり、こ
れら無機化合物の粒径、添加量などを適当に選択
し、さらに粗大粒子を分級等により除去し添加す
れば、易滑性の面ではの方法より優れたものと
なる。しかし、無機粒子と有機成分であるポリエ
ステルの親和性が充分でないため、延伸時等に粒
子とポリエステルとの境界面で剥離が発生し、ボ
イドが生成する。このため、透明性、耐摩耗性の
面で解決すべき問題がある。この無機粒子とポリ
エステルとの親和性向上については、シラン系化
合物あるいはチタネート系化合物と無機粒子との
カツプリング反応による表面処理が提案されてい
るが、処理工程が複雑である、効果が期待ほどで
ない等の種々の問題があつた。 また、これら無機化合物はポリエステル中での
分散性をよくするため、無機化合物微粒子のグリ
コールスラリーを調製し、ポリエステルの製造工
程に添加する事が行われるが、これら無機化合物
はグリコール中での分散性及び経時分散安定性が
良好であるとはいえず、無機化合物を懸濁させた
グリコールを長期間保存した場合、無機化合物が
沈降沈澱し、固いハードケーキを形成し、再分散
が困難となる事、さらにグリコール中やポリエス
テルの製造時に無機化合物が凝集してしまうとい
う欠点もある。ポリマー中に凝集粗大粒子が存在
すると、紡糸時に糸切れの原因となつたり、フイ
ルムにおいては粗大突起、フイツシユ・アイ等の
原因となり、特に磁気テープ用フイルムに使用す
る場合にはドロツプアウトやS/N比の低下を引
き起こすため、凝集粗大粒子の生成しない微粒子
の開発がまたれている。 これらポリエステルに使用される微粒子の内、
炭酸カルシウムはその原料となる石灰石が国内で
豊富に産出するため、製紙、塗料、ゴム、プラス
チツク等の填剤として多方面の分野に利用されて
いる。この炭酸カルシウムは一般に重質炭酸カル
シウムと沈降製炭酸カルシウム(合成炭酸カルシ
ウム)の2種に大別される。 重質炭酸カルシウムは石灰石を機械的に粉砕し
該粉砕物を分級する事により、各種グレードに類
別し調製される炭酸カルシウムであり、比較的安
価に製造できる特徴を有している反面、粒度分布
がブロードでありかつ一定以上の微細度を有する
炭酸カルシウムは現在の粉砕、分級技術では製造
できないという欠点を有している。 この重質炭酸カルシウムはポリエステルに使用
される他の微粒子と比較してポリエステルとの相
溶性が良好であり、又モース硬度が比較的低く、
粉砕による粒子の微細化が容易であるため、特に
好んで使用される場合が多く、使用するに際して
は従来から下記の方法が多く採用されている。 市販重質炭酸カルシウム、又はその表面を脂
肪酸、樹脂酸及びこれらのアルカリ金属塩で表
面処理した重質炭酸カルシウムをくり返し風力
分級し、5μm程度以上の粗粒子を除去した後、
グリコール中に分散せしめ使用する方法。 市販重質炭酸カルシウムをグリコール中に分
散せしめ、サンドミル等の湿式粉砕機を用い湿
式粉砕した後、湿式分級を行い、3μm程度以
上の粗粒子を除去した後使用する方法。 しかしながら、上記、の様な重質炭酸カル
シウムをポリエステルに使用する場合、下記の様
な大きな欠点を有している。 の場合; (a) 風力分級の原料として特に微細グレードの重
質炭酸カルシウム市販品を選定しても、その原
料重質炭酸カルシウムの粒度分布は非常にブロ
ードであり、又第8図に示す様に4〜6μm程
度の粗大粒子が混在している。これらの粗大粒
子を分級除去するため、現在市販されている高
水準の風力分級機をくり返し使用し分級して
も、3μm程度の粗粒子の完全除去は困難であ
る。従つて、この方法によつて調製される重質
炭酸カルシウムは、オーデイオテープ等に使用
する極薄のポリエステルフイルムに使用するこ
とは困難である。参考のため、市販重質炭酸カ
ルシウムの内、特に微細なグレード(丸尾カル
シウム製、スーパー#2300)の電子顕微鏡写真
を第8図(1000倍)に示す。 (b) 風力分級の分級効率を上げるため脂肪酸、樹
脂酸又はそれらのアルカリ金属塩等で表面処理
された重質炭酸カルシウムを使用する場合、こ
れら表面処理剤とグリコールとの相溶性が良好
でないため、グリコール中で分散安定性が悪く
なる。 (c) 風力分級の原料となる市販重質炭酸カルシウ
ムの微細度には限界があるため、任意の粒子径
を有する炭酸カルシウムを調製することができ
ない。 の場合; (a) 原料重質炭酸カルシウムを湿式粉砕機を用い
て摩砕粉砕を行うため、の方法と比較し任意
の平均粒子径を有する炭酸カルシウムを得るこ
とは比較的容易となるが、粉砕方式が摩砕粉砕
であるため必要以上の微細度を有する粒子が多
量に生成し、このため粒度分布はブロードとな
り、本来の目的であるポリエステルの摩擦性の
改善に寄与する炭酸カルシウムの絶対量が減少
し好ましくないばかりでなく、これら超微細粒
子がグリコール中で再凝集して粗大2次粒子を
形成し、ポリエステルフイルムあるいはポリエ
ステル繊維の物性に悪影響を与えやすい。 (b) 原料重質炭酸カルシウムを湿式粉砕機を用い
て湿式粉砕を行つても、シヨートパス(被粉砕
物中の粗大粒子が殆ど粉砕されずに湿式粉砕気
から排出される現象)により原料重質炭酸カル
シウム中に混在する4〜6μmの粗大粒子が粉
砕後の炭酸カルシウム中に混在する場合があ
り、湿式遠心分級機等を用いてこれら粗大粒子
の分級除去を試みても、その経済的分級除去可
能粒径は1μm程度が限界である。従つて、1μ
mより粗大な粒子の完全除去が必要な分野、例
えば8mmビデオテープ等に使用するポリエステ
ルフイルムには、この種の方法で調製される炭
酸カルシウムを使用することができない。 以上の様な理由により、市販重質炭酸カルシウ
ムを原料として現在調製されている様な炭酸カル
シウムをポリエステルに使用する場合、今以上に
ポリエステルフイルム、ポリエステル繊維の滑り
性を改善する事は困難であり、又、この滑り性改
善が例えばオーデイオテープ等の走行安定性に影
響し、テープ走行安定性がより高品位性を要求さ
れている音質特性にも微妙に影響するため、下記
の様な物性を有する炭酸カルシウムがポリエステ
ルメーカー、電気機器メーカー等各方面から待望
されているにも拘わらず、これら諸物性を備えた
炭酸カルシウムは未だ提供されていないのが実情
である; (i) グリコール溶液中で分散性、経時分散安定性
の良好な炭酸カルシウム (ii) 個々の粒子の粒径が均一な炭酸カルシウム (iii) 粗大粒子、超微細粒子の様な不必要な粒子が
含有されておらず、グリコール中での粒度分布
がシヤープな炭酸カルシウム (iv) 任意の粒子径が自由に選択可能な炭酸カルシ
ウム (v) ポリエステルとの親和性が良好で、ポリエス
テル延伸時等に粒子とポリエステルとの境界面
で剥離が発生しにくく、ボイドが生成しない炭
酸カルシウム。 「問題点を解決するための手段」 本発明者らは前記実情に鑑み、特に滑り性が良
好でかつボイドの生成しにくいポリエステルフイ
ルム、ポリエステル繊維を製造するのに好適の炭
酸カルシウム、すなわち前記物性(i)〜(v)全て満足
する炭酸カルシウムについて鋭意検討した結果、
特定の分散性及び粒子径を有する沈降製炭酸カル
シウムに、特定の組成の表面処理剤を表面処理し
た表面処理沈降炭酸カルシウムをグリコール中で
特定の条件下で湿式粉砕する事により、ポリエス
テルに用いた場合に良好な特性を付与する炭酸カ
ルシウムが得られる事を見い出し、本発明を完成
した。 即ち、本発明は下記(ア)(イ)の要件を共に具備する
沈降製炭酸カルシウムに下記(ウ)の表面処理剤を用
いて表面処理して調製される表面処理沈降製炭酸
カルシウムを湿式粉砕原料として用い、該湿式粉
砕原料とグリコールとからなるグリコールスラリ
ーを下記(エ)の要件を満たす様に湿式粉砕して調製
される、沈降製炭酸カルシウムとグリコールとか
らなる沈降製炭酸カルシウムのグリコール系分散
体。 (ア) BET法により測定された比表面積S1から下
記式により算出された1次粒子系D1が0.1μm
以上であること、 Dx=60000/2.7Sx − 〔 Dx:BET法により測定された比表面積か
ら算出された沈降製炭酸カルシウムの平均粒子
径(μm) Sx:BET法により測定された沈降製炭酸カ
ルシウムの比表面積(cm2/g)〕 (イ) 光透過遠心沈降式粒度分布測定器SA−CP−
2(島津製作所製)を用いて水系で測定される
粒度分布の50%重量平均粒子径d1と前記D1の
比R1が下記式を満たすこと。 R1=d1/D1≦7 − (ウ) α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸及び
その塩から選ばれる少なくとも1種と、α、β
モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの
共重合物(A)及び/又はα、βモノエチレン性不
飽和カルボン酸とα、βモノエチレン性不飽和
カルボン酸エステルとの共重合物の塩(B)。 (エ) 前記1次粒子径D1と、湿式粉砕して調製さ
れる沈降製炭酸カルシウムのBET法により測
定された比表面積S2から前記式により算出さ
れた1次粒子径D2の比R2が下記式を満たす
こと、 R2=D1/D2、1<R2≦10 − を内容とするものである。 本発明の特徴の第1は、湿式粉砕原料として特
定の粒子径及び分散度を有する沈降製炭酸カルシ
ウムを使用する事である。特定の分散度及び特定
の粒子径を有する沈降製炭酸カルシウムを湿式粉
砕原料とする事は、一般に現在行われている様な
重質炭酸カルシウム湿式粉砕原料とする方法と比
較して下記の様な長所を有する; 沈降製炭酸カルシウムを湿式粉砕原料とした場
合、及び重質炭酸カルシウムを湿式粉砕原料とし
た場合の粉砕前後の粒子の形状の模式図を第1図
及び第2図、第3図及び第4図にそれぞれ示す。 すなわち、湿式粉砕原料として第1図に図示せ
る如く、ある一定以上の分散度を有する沈降製炭
酸カルシウムを使用した場合、該沈降製炭酸カル
シウムの粒子形態がほぼ均一な粒子径を有する1
次粒子1のソフトな凝集体であるがゆえに、湿式
粉砕工程において炭酸カルシウム粒子に加えられ
る粉砕エネルギーはまず結合力の弱い1次粒子間
の凝集を破壊分散することに消費され、必要以上
の湿式過粉砕を続けない限り、各々の1次粒子1
が破壊されたり、不必要な超微細粒子が生成する
ことは少ない。その結果第2図に示した如く、粒
径が均一で且つ粒度分布のシヤープな炭酸カルシ
ウムが得られる。これに対し、第3図及び第4図
に示す様に、重質炭酸カルシウムを湿式粉砕原料
とした場合、湿式粉砕工程において炭酸カルシウ
ム粒子に加えられる粉砕エネルギーは粗大1次粒
子2を2個以上の粗大1次粒子又は所望する粒子
径を有する1次粒子に破壊粉砕する事にも消費さ
れるが、粗大1次粒子の破壊粉砕には多大な粉砕
エネルギーを要するため、むしろ粉砕エネルギー
は粗大1次粒子2表面を摩砕粉砕し、大量の不必
要な微細粒子3を生成する事に消費されやすい。 上記から明らかな通り、特定の粒子径及び分散
度を有する沈降製炭酸カルシウムを湿式粉砕原料
とする事により、一般に現在行われている様な重
質炭酸カルシウムを湿式粉砕原料とする方法と比
較して、炭酸カルシウムの粒子径が任意に選択で
き、かつ、個々の粒子の粒子径が均一で粒度分布
のシヤープな炭酸カルシウムが得られる。 本発明において湿式粉砕の原料となる沈降製炭
酸カルシウムの1次粒子径は、BET法により測
定された該沈降製炭酸カルシウムの比表面積S1か
ら下記式により算出された1次粒子径D1が0.1μ
m以上であればよく、好ましくは0.2〜2μmの範
囲である。 Dx=60000/2.7Sx − Dx:BET液により測定された比表面積から算出
された沈降製炭酸カルシウムの平均粒子径(μ
m) Sx:BET法により測定された沈降製炭酸カルシ
ウムの比表面積(cm2/g) 湿式粉砕の原料となる沈降製炭酸カルシウムの
1次粒子径D1が0.1μm未満の場合、1次粒子間の
凝集力が強固で大きな2次粒子(1次粒子の凝集
体)を形成しているため、湿式粉砕を経済的な範
囲でくり返し行つても完全に2次粒子を破壊分散
せしめる事は困難であり、又1次粒子径が2μm
をこえる場合、湿式粉砕時に該粒子に加えられる
粉砕エネルギーは凝集体破壊のみに消費されず1
次粒子の破壊も行われやすくなり、その結果得ら
れる1次粒子間の粒子径のバラツキが大きくる傾
向がある。 又、湿式粉砕の原料となる沈降製炭酸カルシウ
ムの分散度は該沈降製炭酸カルシウムの光透過遠
心沈降式粒度分布測定器SA−CP−2(島津製作
所製)を用い水系で測定される粒度分布の50%重
量平均粒子径d1と、該沈降製炭酸カルシウムの
BET法により測定された比表面積S1から計算に
より算出される1次粒子径D1(前述)の比R1がR1
=d1/D1、R1≦7であればよく、好ましくはR1
≦4であればい。R1が7をこえる沈降製炭酸カ
ルシウムを湿式粉砕原料として使用した場合、該
沈降製炭酸カルシウムが大きく強固な2次粒子に
よつて構成されているため、湿式粉砕工程におい
て2次粒子が容易に破壊分散されず、重質炭酸カ
ルシウムを湿式粉砕原料として使用した場合と同
様粗大2次粒子と不必要に微細化された超微粒子
の混在物が得られる結果となり、本発明の目的を
達成する事はできない。 本発明の特徴の第2は、沈降製炭酸カルシウム
に表面処理する特定の表面処理剤の組成に存す
る。 本発明で言う特定の組成を有する表面処理剤
は、α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸又は
α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸のカルボ
キシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、ア
ンモニウム、アミン等により中和されたアルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、
アミン塩等から選ばれる少なくとも1種と、α、
βモノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの
共重合物、及びα、βモノエチレン性不飽和カル
ボン酸とα、βモノエチレン性不飽和カルボン酸
エステルとの共重合物の上記の如き塩が含まれ、
これらは1種又は2種以上混合して用いられる。 本発明で言うα、βモノエチレン性不飽和カル
ボン酸とは、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸等のα、β不飽和モノカルボン酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸等のα、β不飽和ジ
カルボン酸から選ばれる少なくとも1種であり、
又、α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸エス
テルの代表的なものとしては、アクリル酸、メタ
クリル酸その他のアルキルエステル類、アルコキ
シ基を有するアクリレート及びメタクリレート
類、シクロヘキシル基を有するアクリレート及び
メタクリレート類、ヒドロキシ基を有するアクリ
レート及びメタクリレート類、ポリアルキレング
リコールモノアクリレート類及びモノメタクリレ
ート類等があり、これらに代表されるα、βモノ
エチレン性不飽和カルボン酸エステルの少なくと
も1種を用いる。 本発明において、表面処理剤を炭酸カルシウム
表面に表面処理する方法としては、大別して以下
の2方法が存在する。 乾式処理方法 沈降製炭酸カルシウム粉体をヘンシエルミキ
サー等の回転撹拌羽根を有する処理容器に投入
し、強力に粉体を撹拌させ、該粉体中に表面処
理剤の水希釈液又は有機溶剤希釈液を滴下し、
乾式で表面処理を行う表面処理炭酸カルシウム
粉体を製造する方法。 湿式処理方法 沈降製炭酸カルシウムの高濃度水懸濁液を又
は含水プレスケーキに表面処理剤の水希釈液又
は有機溶剤希釈液を添加し、強力に撹拌し、表
面処理高濃度炭酸カルシウムスラリーを調製
し、さらに必要に応じ該表面処理高濃度炭酸カ
ルシウムスラリーをサンドグラインダー等の湿
式粉砕機を通過させ、より強力な表面処理を行
い、その後、該表面処理高濃度炭酸カルシウム
スラリーをドラムドライヤー等の乾燥機を用い
て乾燥後、粉砕機により粉末化せしめる、湿式
で表面処理を行い表面処理炭酸カルシウム粉体
を製造する方法。 これら2種の処理方法のいづれを採用しても、
本発明の目的は達成されうるが、炭酸カルシウム
各粒子表面に均一に表面処理剤を表面処理し、よ
り高度に本発明の目的を達成するためには、の
方法である湿式処理方法の方が好ましい。 これらの処理方法により炭酸カルシウム表面に
表面処理される表面処理剤については前述した通
りであるが、より強固に表面処理剤を炭酸カルシ
ウム粒子表面に表面処理するためには、表面処理
剤と炭酸カルシウム粒子表面が化学反応により強
力に結合する事が望ましく、このためには表面処
理剤中に炭酸カルシウムと反応性を有する活性な
カルボキシル基が残存している表面処理剤、即
ち、α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸エス
テルとの共重合されるα、βモノエチレン性不飽
和カルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金
属塩、アンモニウム塩、アミン塩等において、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、
アミン等により中和されたカルボキシル基の総量
が該共重合物中の全カルボキシル基の総量の100
%未満である表面処理剤、より好ましくは90%以
下である表面処理剤が用いられる。α、βモノエ
チレン性不飽和カルボン酸とそのエステルとの共
重合物を中和して塩とする場合においても同様で
ある。 又、α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸エ
ステルの共重合物全体にしめる割合は、共重合物
全体の2モル%以上で且つ95モル%以下が好まし
く、2モル%未満では炭酸カルシウムとポリエス
テルとの親和性において、又95モル%をこえた場
合、表面処理方法の方法中における炭酸カルシ
ウムの表面処理高濃度水スラリーの分散安定性に
おいて、充分満足する結果が得られにくい。 表面処理剤の表面処理量は、炭酸カルシウムに
対し純分として0.01重量%以上で且つ30重量%以
下で好ましく、0.01重量%未満の場合は処理効果
の点において充分満足しうる結果が得られにく
く、又30重量%をこえる場合は経済的に不利にな
るばかりでなく、ポリエステル自体に悪影響を与
えかねない。 更に、これら表面処理剤を炭酸カルシウム表面
に表面処理する温度に関しては特に規定はない
が、より強固に表面処理するためには少なくとも
30℃以上、好ましくは50℃以上の処理系温度で表
面処理するのがよい。表面処理系の温度を高温で
行う方法に関しては常法に従えばよく、例えば処
理方法ではヘンシエルミキサー等の処理容器の
外部ジヤケツト中に熱水又はスチーム等を通して
加温すればよく、又、処理方法では表面処理さ
れた炭酸カルシウムスラリーを外部加熱により加
温すればよい。 本発明の特徴の第3は、沈降製炭酸カルシウム
を湿式粉砕する工程における特定の湿式粉砕条件
に存する。 すなわち、本発明の方法による特定の湿式粉砕
条件とは湿式粉砕原料の沈降製炭酸カルシウム及
び湿式粉砕して調製される沈降製炭酸カルシウム
各々のBET法により測定された比表面積から前
述式により算出された1次粒子D1,D2の比R2
が R2=D1/D2、1<R2≦10 D2:湿式粉砕して調製される沈降製炭酸カルシ
ウムのBET法により測定された比表面積S2か
ら算出された1次粒子径(μm)であればよい
(第5図及び第6図)。 これに対して、R2が10をこえる様に湿式粉砕
条件を設定した場合は過粉砕となり、1次粒子表
面が著しく摩砕され、不必要な超微細粒子3が多
量に生成するため好ましくない。(第5図及び第
7図)。 従つて、本発明の方法による特定の湿式粉砕条
件により、不必要な超微細粒子を多量に含有しな
い炭酸カルシウムが得られる。 従つて、本発明の方法によつて調製される炭酸
カルシウム、すなわち前述の3つの特徴を共に具
備する様に調製される炭酸カルシウムは、前記し
たポリエステルメーカーや電気機械メーカー等に
より待望されている諸特性を悉く満足するのであ
る。 本発明に使用するグリコールとしてはエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール等が例示される。 本発明に使用する湿式粉砕原料となる沈降製炭
酸カルシウムは、石灰石を高温で焼成し得られる
生石灰と水を反応させ石灰乳を調製後、石灰乳中
に石灰石焼成時発生する炭酸ガスを導通させ炭酸
カルシウムを合成させる炭酸ガス化合プロセス、
石灰乳に炭酸ソーダを反応させる石灰ソーダプロ
セス、塩化カルシウムに炭酸ソーダを反応させる
ソーダプロセス等の化学的方法により調製される
合成炭酸カルシウムであり、これら製造プロセス
には特に制限はないが、該沈降製炭酸カルシウム
が前述している様に0.1≦D1、R1≦7の2要件を
共に具備する様な炭酸化方法、製造方法でなけれ
ばならない事は言うまでもない。例えば、本発明
に使用する湿式粉砕原料となる沈降製炭酸カルシ
ウムを炭酸ガス法により製造する場合下記の様な
方法が考えられるが、これらの方法に特に限定さ
れるものではない。 (1) 常法により0.1μm未満の極微細炭酸カルシウ
ム水懸濁液を調製し、PH制御により該極微細炭
酸カルシウム水懸濁液を調製し、PH制御により
該極微細炭酸カルシウムの水系分散体を得、該
極微細炭酸カルシウム水系分散体に炭酸ガスと
1次炭酸化石灰乳(前もつて部分的に炭酸化し
てある石灰乳)を系のPHが特定範囲になる様に
導通又は滴下し、該極微細炭酸カルシウムを核
とし順次粒子径を成長させる方法(特公昭58−
43331)及びこれに類似する方法。 (2) 上記(1)の内、1次炭酸化石灰乳を石灰乳に変
更する方法及びこれに類似する方法。 (3) 炭酸ガス中に特定条件下で石灰乳を噴霧し炭
酸化反応を行い、0.1μm未満の極微細炭酸カル
シウム水懸濁液を調製し、該極微細炭酸カルシ
ウム水懸濁液に一定割合の石灰乳を混合後、再
度炭酸ガス中に該混合物を噴霧し、この操作を
くり返す事により該極微細炭酸カルシウムを核
として順次粒子径を成長させる方法(特公昭54
−28397)及びこれに類似する方法。 (4) 石灰乳に炭酸ガスを導通し沈降製炭酸カルシ
ウムを製造する炭酸化工程において、得られる
炭酸カルシウムの分散度を良好ならしめるた
め、ストロンチウム又はバリウムの塩を炭酸化
工程において使用する方法(特開昭59−69425) (5) 常法により得られる沈降製炭酸カルシウム水
懸濁液を撹拌し炭酸ガス及び石灰乳を用い系の
PHを特定の範囲に維持することにより、該沈降
製炭酸カルシウムの分散度を良好ならしめる方
法。 本発明に使用する湿式粉砕機とは天然、合成の
鉱物微小砂、硬質ガラス微小粒子、硬質プラスチ
ツク微小粒子、金属微小粒子等の微小粒子を充填
した容器中で、その微粒子をデイスク(板状態)、
バー(棒状態)、スクリユー等の撹拌羽根を介し
て機械的に撹拌しながら被処理物分散液を還流又
は通過させる事により粉砕処理する装置であり、
例えばサンドミル、ユニバーサルミル、アトライ
ター、ダイノーミルなどと呼ばれている装置であ
る。湿式粉砕機に使用されている微小粒子の平均
粒子径は5mm程度以下、略3mm程度以下のものが
好ましく使用される。グリコール系における湿式
粉砕工程における沈降製炭酸カルシウムの濃度は
特別な制限はないが、経済性、粉砕効率、グリコ
ール系スラリーの粘性質から判断して、20重量%
以上80重量%未満が望ましい。 本発明において、湿式粉砕原料となる沈降製炭
酸カルシウムのBET法により測定された比表面
積から算出された1次粒子径とは、水系、グリコ
ール系を問わず、一切湿式粉砕を行つていない沈
降製炭酸カルシウム、すなわち炭酸ガス法、溶液
法により炭酸化し調製された沈降製炭酸カルシウ
ム水懸濁液を乾燥粉末化して得られる沈降製炭酸
カルシウム粉体の1次粒子径を意味する。本発明
における遠心沈降光透過式粒度分布測定器により
測定された50%重量平均粒子系d1は下記の要領で
測定計算されたものである。 測定機種:SA−CP−2(島津製作所製) 測定方法: 溶媒:ヘキサメタリン酸ソーダ0.2%水溶液 予備分散:KM SHAKER MODEL V−5
(IWAKI CO.、LTD製)を用い10分間シエイ
ク 粒度分布測定器回転数:1200rpm 液面高さ セル下部より1cm 測定温度:25℃ 計測方法:下記の計算例の通りとする 粒度分布測定結果(一例)
分散体に関する。更に詳しくは、特にフイルムあ
るいは繊維として使用されるポリエステルの摩擦
係数を改善するために、ポリエステル製造時に原
料となるエチレングリコール等のグリコールに懸
濁して用いられる炭酸カルシウムにおいて、グリ
コール中での分散性、分散経時安定性、粒子径の
均一性が良好でかつポリエステルとの親和性が良
好な沈降製炭酸カルシウムと、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール
等のグリコールとからなる沈降製炭酸カルシウム
のグリコール系分散体に関するものである。 「従来技術と問題点」 今日、工業的に製造されているポリエステル、
特にポリエチレンテレフタレート(以下、PET
と略す)はすぐれた物理的・化学的特性を有して
おり、繊維、フイルム、その他の成形品として広
く使用されている。 しかしながら、そのすぐれた特性とは逆に、そ
の成形過程、加工過程あるいは製品自体での取り
扱い性の面で滑り性が悪いため、作業性の悪化、
商品価値の低下といつた好ましくないトラブルが
発生する事が知られている。その原因の多くは、
ポリエステル自身の高い摩擦係数によるものであ
る。これらのトラブルに対して、ポリエステル中
に微粒子を含有せしめ、成形品の表面に適度の凹
凸を与えて成形品の表面滑性を向上させる方法が
数多く提案されているが、微粒子とポリエステル
との親和性が充分でなく、フイルム、繊維等の透
明性・摩耗性がいずれも満足すべきものではなか
つた。 ポリエステルの表面特性を向上させる手段とし
ては、従来から ポリエステル合成時に使用する触媒など一部
または全部を反応工程で析出させる方法(内部
粒子析出方法) 炭酸カルシウム、酸化ケイ素等の微粒子を重
合時または重合後に添加する方法(外部粒子添
加方法) が数多く提案されている。 しかしながら、の内部粒子の析出方法は粒子
がポリエステル成分の金属塩であるため、ポリエ
ステルとの親和性はある程度良好である反面、反
応中に粒子を生成させる方法であるため、粒子
量、粒子径のコントロールおよび粗大粒子の生成
防止などが困難である。 一方、の外部粒子添加方法は、二酸化チタ
ン、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム
等のポリエステルに不溶不活性な無機化合物粒子
を重合時または重合後に添加する方法であり、こ
れら無機化合物の粒径、添加量などを適当に選択
し、さらに粗大粒子を分級等により除去し添加す
れば、易滑性の面ではの方法より優れたものと
なる。しかし、無機粒子と有機成分であるポリエ
ステルの親和性が充分でないため、延伸時等に粒
子とポリエステルとの境界面で剥離が発生し、ボ
イドが生成する。このため、透明性、耐摩耗性の
面で解決すべき問題がある。この無機粒子とポリ
エステルとの親和性向上については、シラン系化
合物あるいはチタネート系化合物と無機粒子との
カツプリング反応による表面処理が提案されてい
るが、処理工程が複雑である、効果が期待ほどで
ない等の種々の問題があつた。 また、これら無機化合物はポリエステル中での
分散性をよくするため、無機化合物微粒子のグリ
コールスラリーを調製し、ポリエステルの製造工
程に添加する事が行われるが、これら無機化合物
はグリコール中での分散性及び経時分散安定性が
良好であるとはいえず、無機化合物を懸濁させた
グリコールを長期間保存した場合、無機化合物が
沈降沈澱し、固いハードケーキを形成し、再分散
が困難となる事、さらにグリコール中やポリエス
テルの製造時に無機化合物が凝集してしまうとい
う欠点もある。ポリマー中に凝集粗大粒子が存在
すると、紡糸時に糸切れの原因となつたり、フイ
ルムにおいては粗大突起、フイツシユ・アイ等の
原因となり、特に磁気テープ用フイルムに使用す
る場合にはドロツプアウトやS/N比の低下を引
き起こすため、凝集粗大粒子の生成しない微粒子
の開発がまたれている。 これらポリエステルに使用される微粒子の内、
炭酸カルシウムはその原料となる石灰石が国内で
豊富に産出するため、製紙、塗料、ゴム、プラス
チツク等の填剤として多方面の分野に利用されて
いる。この炭酸カルシウムは一般に重質炭酸カル
シウムと沈降製炭酸カルシウム(合成炭酸カルシ
ウム)の2種に大別される。 重質炭酸カルシウムは石灰石を機械的に粉砕し
該粉砕物を分級する事により、各種グレードに類
別し調製される炭酸カルシウムであり、比較的安
価に製造できる特徴を有している反面、粒度分布
がブロードでありかつ一定以上の微細度を有する
炭酸カルシウムは現在の粉砕、分級技術では製造
できないという欠点を有している。 この重質炭酸カルシウムはポリエステルに使用
される他の微粒子と比較してポリエステルとの相
溶性が良好であり、又モース硬度が比較的低く、
粉砕による粒子の微細化が容易であるため、特に
好んで使用される場合が多く、使用するに際して
は従来から下記の方法が多く採用されている。 市販重質炭酸カルシウム、又はその表面を脂
肪酸、樹脂酸及びこれらのアルカリ金属塩で表
面処理した重質炭酸カルシウムをくり返し風力
分級し、5μm程度以上の粗粒子を除去した後、
グリコール中に分散せしめ使用する方法。 市販重質炭酸カルシウムをグリコール中に分
散せしめ、サンドミル等の湿式粉砕機を用い湿
式粉砕した後、湿式分級を行い、3μm程度以
上の粗粒子を除去した後使用する方法。 しかしながら、上記、の様な重質炭酸カル
シウムをポリエステルに使用する場合、下記の様
な大きな欠点を有している。 の場合; (a) 風力分級の原料として特に微細グレードの重
質炭酸カルシウム市販品を選定しても、その原
料重質炭酸カルシウムの粒度分布は非常にブロ
ードであり、又第8図に示す様に4〜6μm程
度の粗大粒子が混在している。これらの粗大粒
子を分級除去するため、現在市販されている高
水準の風力分級機をくり返し使用し分級して
も、3μm程度の粗粒子の完全除去は困難であ
る。従つて、この方法によつて調製される重質
炭酸カルシウムは、オーデイオテープ等に使用
する極薄のポリエステルフイルムに使用するこ
とは困難である。参考のため、市販重質炭酸カ
ルシウムの内、特に微細なグレード(丸尾カル
シウム製、スーパー#2300)の電子顕微鏡写真
を第8図(1000倍)に示す。 (b) 風力分級の分級効率を上げるため脂肪酸、樹
脂酸又はそれらのアルカリ金属塩等で表面処理
された重質炭酸カルシウムを使用する場合、こ
れら表面処理剤とグリコールとの相溶性が良好
でないため、グリコール中で分散安定性が悪く
なる。 (c) 風力分級の原料となる市販重質炭酸カルシウ
ムの微細度には限界があるため、任意の粒子径
を有する炭酸カルシウムを調製することができ
ない。 の場合; (a) 原料重質炭酸カルシウムを湿式粉砕機を用い
て摩砕粉砕を行うため、の方法と比較し任意
の平均粒子径を有する炭酸カルシウムを得るこ
とは比較的容易となるが、粉砕方式が摩砕粉砕
であるため必要以上の微細度を有する粒子が多
量に生成し、このため粒度分布はブロードとな
り、本来の目的であるポリエステルの摩擦性の
改善に寄与する炭酸カルシウムの絶対量が減少
し好ましくないばかりでなく、これら超微細粒
子がグリコール中で再凝集して粗大2次粒子を
形成し、ポリエステルフイルムあるいはポリエ
ステル繊維の物性に悪影響を与えやすい。 (b) 原料重質炭酸カルシウムを湿式粉砕機を用い
て湿式粉砕を行つても、シヨートパス(被粉砕
物中の粗大粒子が殆ど粉砕されずに湿式粉砕気
から排出される現象)により原料重質炭酸カル
シウム中に混在する4〜6μmの粗大粒子が粉
砕後の炭酸カルシウム中に混在する場合があ
り、湿式遠心分級機等を用いてこれら粗大粒子
の分級除去を試みても、その経済的分級除去可
能粒径は1μm程度が限界である。従つて、1μ
mより粗大な粒子の完全除去が必要な分野、例
えば8mmビデオテープ等に使用するポリエステ
ルフイルムには、この種の方法で調製される炭
酸カルシウムを使用することができない。 以上の様な理由により、市販重質炭酸カルシウ
ムを原料として現在調製されている様な炭酸カル
シウムをポリエステルに使用する場合、今以上に
ポリエステルフイルム、ポリエステル繊維の滑り
性を改善する事は困難であり、又、この滑り性改
善が例えばオーデイオテープ等の走行安定性に影
響し、テープ走行安定性がより高品位性を要求さ
れている音質特性にも微妙に影響するため、下記
の様な物性を有する炭酸カルシウムがポリエステ
ルメーカー、電気機器メーカー等各方面から待望
されているにも拘わらず、これら諸物性を備えた
炭酸カルシウムは未だ提供されていないのが実情
である; (i) グリコール溶液中で分散性、経時分散安定性
の良好な炭酸カルシウム (ii) 個々の粒子の粒径が均一な炭酸カルシウム (iii) 粗大粒子、超微細粒子の様な不必要な粒子が
含有されておらず、グリコール中での粒度分布
がシヤープな炭酸カルシウム (iv) 任意の粒子径が自由に選択可能な炭酸カルシ
ウム (v) ポリエステルとの親和性が良好で、ポリエス
テル延伸時等に粒子とポリエステルとの境界面
で剥離が発生しにくく、ボイドが生成しない炭
酸カルシウム。 「問題点を解決するための手段」 本発明者らは前記実情に鑑み、特に滑り性が良
好でかつボイドの生成しにくいポリエステルフイ
ルム、ポリエステル繊維を製造するのに好適の炭
酸カルシウム、すなわち前記物性(i)〜(v)全て満足
する炭酸カルシウムについて鋭意検討した結果、
特定の分散性及び粒子径を有する沈降製炭酸カル
シウムに、特定の組成の表面処理剤を表面処理し
た表面処理沈降炭酸カルシウムをグリコール中で
特定の条件下で湿式粉砕する事により、ポリエス
テルに用いた場合に良好な特性を付与する炭酸カ
ルシウムが得られる事を見い出し、本発明を完成
した。 即ち、本発明は下記(ア)(イ)の要件を共に具備する
沈降製炭酸カルシウムに下記(ウ)の表面処理剤を用
いて表面処理して調製される表面処理沈降製炭酸
カルシウムを湿式粉砕原料として用い、該湿式粉
砕原料とグリコールとからなるグリコールスラリ
ーを下記(エ)の要件を満たす様に湿式粉砕して調製
される、沈降製炭酸カルシウムとグリコールとか
らなる沈降製炭酸カルシウムのグリコール系分散
体。 (ア) BET法により測定された比表面積S1から下
記式により算出された1次粒子系D1が0.1μm
以上であること、 Dx=60000/2.7Sx − 〔 Dx:BET法により測定された比表面積か
ら算出された沈降製炭酸カルシウムの平均粒子
径(μm) Sx:BET法により測定された沈降製炭酸カ
ルシウムの比表面積(cm2/g)〕 (イ) 光透過遠心沈降式粒度分布測定器SA−CP−
2(島津製作所製)を用いて水系で測定される
粒度分布の50%重量平均粒子径d1と前記D1の
比R1が下記式を満たすこと。 R1=d1/D1≦7 − (ウ) α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸及び
その塩から選ばれる少なくとも1種と、α、β
モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの
共重合物(A)及び/又はα、βモノエチレン性不
飽和カルボン酸とα、βモノエチレン性不飽和
カルボン酸エステルとの共重合物の塩(B)。 (エ) 前記1次粒子径D1と、湿式粉砕して調製さ
れる沈降製炭酸カルシウムのBET法により測
定された比表面積S2から前記式により算出さ
れた1次粒子径D2の比R2が下記式を満たす
こと、 R2=D1/D2、1<R2≦10 − を内容とするものである。 本発明の特徴の第1は、湿式粉砕原料として特
定の粒子径及び分散度を有する沈降製炭酸カルシ
ウムを使用する事である。特定の分散度及び特定
の粒子径を有する沈降製炭酸カルシウムを湿式粉
砕原料とする事は、一般に現在行われている様な
重質炭酸カルシウム湿式粉砕原料とする方法と比
較して下記の様な長所を有する; 沈降製炭酸カルシウムを湿式粉砕原料とした場
合、及び重質炭酸カルシウムを湿式粉砕原料とし
た場合の粉砕前後の粒子の形状の模式図を第1図
及び第2図、第3図及び第4図にそれぞれ示す。 すなわち、湿式粉砕原料として第1図に図示せ
る如く、ある一定以上の分散度を有する沈降製炭
酸カルシウムを使用した場合、該沈降製炭酸カル
シウムの粒子形態がほぼ均一な粒子径を有する1
次粒子1のソフトな凝集体であるがゆえに、湿式
粉砕工程において炭酸カルシウム粒子に加えられ
る粉砕エネルギーはまず結合力の弱い1次粒子間
の凝集を破壊分散することに消費され、必要以上
の湿式過粉砕を続けない限り、各々の1次粒子1
が破壊されたり、不必要な超微細粒子が生成する
ことは少ない。その結果第2図に示した如く、粒
径が均一で且つ粒度分布のシヤープな炭酸カルシ
ウムが得られる。これに対し、第3図及び第4図
に示す様に、重質炭酸カルシウムを湿式粉砕原料
とした場合、湿式粉砕工程において炭酸カルシウ
ム粒子に加えられる粉砕エネルギーは粗大1次粒
子2を2個以上の粗大1次粒子又は所望する粒子
径を有する1次粒子に破壊粉砕する事にも消費さ
れるが、粗大1次粒子の破壊粉砕には多大な粉砕
エネルギーを要するため、むしろ粉砕エネルギー
は粗大1次粒子2表面を摩砕粉砕し、大量の不必
要な微細粒子3を生成する事に消費されやすい。 上記から明らかな通り、特定の粒子径及び分散
度を有する沈降製炭酸カルシウムを湿式粉砕原料
とする事により、一般に現在行われている様な重
質炭酸カルシウムを湿式粉砕原料とする方法と比
較して、炭酸カルシウムの粒子径が任意に選択で
き、かつ、個々の粒子の粒子径が均一で粒度分布
のシヤープな炭酸カルシウムが得られる。 本発明において湿式粉砕の原料となる沈降製炭
酸カルシウムの1次粒子径は、BET法により測
定された該沈降製炭酸カルシウムの比表面積S1か
ら下記式により算出された1次粒子径D1が0.1μ
m以上であればよく、好ましくは0.2〜2μmの範
囲である。 Dx=60000/2.7Sx − Dx:BET液により測定された比表面積から算出
された沈降製炭酸カルシウムの平均粒子径(μ
m) Sx:BET法により測定された沈降製炭酸カルシ
ウムの比表面積(cm2/g) 湿式粉砕の原料となる沈降製炭酸カルシウムの
1次粒子径D1が0.1μm未満の場合、1次粒子間の
凝集力が強固で大きな2次粒子(1次粒子の凝集
体)を形成しているため、湿式粉砕を経済的な範
囲でくり返し行つても完全に2次粒子を破壊分散
せしめる事は困難であり、又1次粒子径が2μm
をこえる場合、湿式粉砕時に該粒子に加えられる
粉砕エネルギーは凝集体破壊のみに消費されず1
次粒子の破壊も行われやすくなり、その結果得ら
れる1次粒子間の粒子径のバラツキが大きくる傾
向がある。 又、湿式粉砕の原料となる沈降製炭酸カルシウ
ムの分散度は該沈降製炭酸カルシウムの光透過遠
心沈降式粒度分布測定器SA−CP−2(島津製作
所製)を用い水系で測定される粒度分布の50%重
量平均粒子径d1と、該沈降製炭酸カルシウムの
BET法により測定された比表面積S1から計算に
より算出される1次粒子径D1(前述)の比R1がR1
=d1/D1、R1≦7であればよく、好ましくはR1
≦4であればい。R1が7をこえる沈降製炭酸カ
ルシウムを湿式粉砕原料として使用した場合、該
沈降製炭酸カルシウムが大きく強固な2次粒子に
よつて構成されているため、湿式粉砕工程におい
て2次粒子が容易に破壊分散されず、重質炭酸カ
ルシウムを湿式粉砕原料として使用した場合と同
様粗大2次粒子と不必要に微細化された超微粒子
の混在物が得られる結果となり、本発明の目的を
達成する事はできない。 本発明の特徴の第2は、沈降製炭酸カルシウム
に表面処理する特定の表面処理剤の組成に存す
る。 本発明で言う特定の組成を有する表面処理剤
は、α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸又は
α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸のカルボ
キシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、ア
ンモニウム、アミン等により中和されたアルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、
アミン塩等から選ばれる少なくとも1種と、α、
βモノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの
共重合物、及びα、βモノエチレン性不飽和カル
ボン酸とα、βモノエチレン性不飽和カルボン酸
エステルとの共重合物の上記の如き塩が含まれ、
これらは1種又は2種以上混合して用いられる。 本発明で言うα、βモノエチレン性不飽和カル
ボン酸とは、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸等のα、β不飽和モノカルボン酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸等のα、β不飽和ジ
カルボン酸から選ばれる少なくとも1種であり、
又、α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸エス
テルの代表的なものとしては、アクリル酸、メタ
クリル酸その他のアルキルエステル類、アルコキ
シ基を有するアクリレート及びメタクリレート
類、シクロヘキシル基を有するアクリレート及び
メタクリレート類、ヒドロキシ基を有するアクリ
レート及びメタクリレート類、ポリアルキレング
リコールモノアクリレート類及びモノメタクリレ
ート類等があり、これらに代表されるα、βモノ
エチレン性不飽和カルボン酸エステルの少なくと
も1種を用いる。 本発明において、表面処理剤を炭酸カルシウム
表面に表面処理する方法としては、大別して以下
の2方法が存在する。 乾式処理方法 沈降製炭酸カルシウム粉体をヘンシエルミキ
サー等の回転撹拌羽根を有する処理容器に投入
し、強力に粉体を撹拌させ、該粉体中に表面処
理剤の水希釈液又は有機溶剤希釈液を滴下し、
乾式で表面処理を行う表面処理炭酸カルシウム
粉体を製造する方法。 湿式処理方法 沈降製炭酸カルシウムの高濃度水懸濁液を又
は含水プレスケーキに表面処理剤の水希釈液又
は有機溶剤希釈液を添加し、強力に撹拌し、表
面処理高濃度炭酸カルシウムスラリーを調製
し、さらに必要に応じ該表面処理高濃度炭酸カ
ルシウムスラリーをサンドグラインダー等の湿
式粉砕機を通過させ、より強力な表面処理を行
い、その後、該表面処理高濃度炭酸カルシウム
スラリーをドラムドライヤー等の乾燥機を用い
て乾燥後、粉砕機により粉末化せしめる、湿式
で表面処理を行い表面処理炭酸カルシウム粉体
を製造する方法。 これら2種の処理方法のいづれを採用しても、
本発明の目的は達成されうるが、炭酸カルシウム
各粒子表面に均一に表面処理剤を表面処理し、よ
り高度に本発明の目的を達成するためには、の
方法である湿式処理方法の方が好ましい。 これらの処理方法により炭酸カルシウム表面に
表面処理される表面処理剤については前述した通
りであるが、より強固に表面処理剤を炭酸カルシ
ウム粒子表面に表面処理するためには、表面処理
剤と炭酸カルシウム粒子表面が化学反応により強
力に結合する事が望ましく、このためには表面処
理剤中に炭酸カルシウムと反応性を有する活性な
カルボキシル基が残存している表面処理剤、即
ち、α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸エス
テルとの共重合されるα、βモノエチレン性不飽
和カルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金
属塩、アンモニウム塩、アミン塩等において、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、
アミン等により中和されたカルボキシル基の総量
が該共重合物中の全カルボキシル基の総量の100
%未満である表面処理剤、より好ましくは90%以
下である表面処理剤が用いられる。α、βモノエ
チレン性不飽和カルボン酸とそのエステルとの共
重合物を中和して塩とする場合においても同様で
ある。 又、α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸エ
ステルの共重合物全体にしめる割合は、共重合物
全体の2モル%以上で且つ95モル%以下が好まし
く、2モル%未満では炭酸カルシウムとポリエス
テルとの親和性において、又95モル%をこえた場
合、表面処理方法の方法中における炭酸カルシ
ウムの表面処理高濃度水スラリーの分散安定性に
おいて、充分満足する結果が得られにくい。 表面処理剤の表面処理量は、炭酸カルシウムに
対し純分として0.01重量%以上で且つ30重量%以
下で好ましく、0.01重量%未満の場合は処理効果
の点において充分満足しうる結果が得られにく
く、又30重量%をこえる場合は経済的に不利にな
るばかりでなく、ポリエステル自体に悪影響を与
えかねない。 更に、これら表面処理剤を炭酸カルシウム表面
に表面処理する温度に関しては特に規定はない
が、より強固に表面処理するためには少なくとも
30℃以上、好ましくは50℃以上の処理系温度で表
面処理するのがよい。表面処理系の温度を高温で
行う方法に関しては常法に従えばよく、例えば処
理方法ではヘンシエルミキサー等の処理容器の
外部ジヤケツト中に熱水又はスチーム等を通して
加温すればよく、又、処理方法では表面処理さ
れた炭酸カルシウムスラリーを外部加熱により加
温すればよい。 本発明の特徴の第3は、沈降製炭酸カルシウム
を湿式粉砕する工程における特定の湿式粉砕条件
に存する。 すなわち、本発明の方法による特定の湿式粉砕
条件とは湿式粉砕原料の沈降製炭酸カルシウム及
び湿式粉砕して調製される沈降製炭酸カルシウム
各々のBET法により測定された比表面積から前
述式により算出された1次粒子D1,D2の比R2
が R2=D1/D2、1<R2≦10 D2:湿式粉砕して調製される沈降製炭酸カルシ
ウムのBET法により測定された比表面積S2か
ら算出された1次粒子径(μm)であればよい
(第5図及び第6図)。 これに対して、R2が10をこえる様に湿式粉砕
条件を設定した場合は過粉砕となり、1次粒子表
面が著しく摩砕され、不必要な超微細粒子3が多
量に生成するため好ましくない。(第5図及び第
7図)。 従つて、本発明の方法による特定の湿式粉砕条
件により、不必要な超微細粒子を多量に含有しな
い炭酸カルシウムが得られる。 従つて、本発明の方法によつて調製される炭酸
カルシウム、すなわち前述の3つの特徴を共に具
備する様に調製される炭酸カルシウムは、前記し
たポリエステルメーカーや電気機械メーカー等に
より待望されている諸特性を悉く満足するのであ
る。 本発明に使用するグリコールとしてはエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール等が例示される。 本発明に使用する湿式粉砕原料となる沈降製炭
酸カルシウムは、石灰石を高温で焼成し得られる
生石灰と水を反応させ石灰乳を調製後、石灰乳中
に石灰石焼成時発生する炭酸ガスを導通させ炭酸
カルシウムを合成させる炭酸ガス化合プロセス、
石灰乳に炭酸ソーダを反応させる石灰ソーダプロ
セス、塩化カルシウムに炭酸ソーダを反応させる
ソーダプロセス等の化学的方法により調製される
合成炭酸カルシウムであり、これら製造プロセス
には特に制限はないが、該沈降製炭酸カルシウム
が前述している様に0.1≦D1、R1≦7の2要件を
共に具備する様な炭酸化方法、製造方法でなけれ
ばならない事は言うまでもない。例えば、本発明
に使用する湿式粉砕原料となる沈降製炭酸カルシ
ウムを炭酸ガス法により製造する場合下記の様な
方法が考えられるが、これらの方法に特に限定さ
れるものではない。 (1) 常法により0.1μm未満の極微細炭酸カルシウ
ム水懸濁液を調製し、PH制御により該極微細炭
酸カルシウム水懸濁液を調製し、PH制御により
該極微細炭酸カルシウムの水系分散体を得、該
極微細炭酸カルシウム水系分散体に炭酸ガスと
1次炭酸化石灰乳(前もつて部分的に炭酸化し
てある石灰乳)を系のPHが特定範囲になる様に
導通又は滴下し、該極微細炭酸カルシウムを核
とし順次粒子径を成長させる方法(特公昭58−
43331)及びこれに類似する方法。 (2) 上記(1)の内、1次炭酸化石灰乳を石灰乳に変
更する方法及びこれに類似する方法。 (3) 炭酸ガス中に特定条件下で石灰乳を噴霧し炭
酸化反応を行い、0.1μm未満の極微細炭酸カル
シウム水懸濁液を調製し、該極微細炭酸カルシ
ウム水懸濁液に一定割合の石灰乳を混合後、再
度炭酸ガス中に該混合物を噴霧し、この操作を
くり返す事により該極微細炭酸カルシウムを核
として順次粒子径を成長させる方法(特公昭54
−28397)及びこれに類似する方法。 (4) 石灰乳に炭酸ガスを導通し沈降製炭酸カルシ
ウムを製造する炭酸化工程において、得られる
炭酸カルシウムの分散度を良好ならしめるた
め、ストロンチウム又はバリウムの塩を炭酸化
工程において使用する方法(特開昭59−69425) (5) 常法により得られる沈降製炭酸カルシウム水
懸濁液を撹拌し炭酸ガス及び石灰乳を用い系の
PHを特定の範囲に維持することにより、該沈降
製炭酸カルシウムの分散度を良好ならしめる方
法。 本発明に使用する湿式粉砕機とは天然、合成の
鉱物微小砂、硬質ガラス微小粒子、硬質プラスチ
ツク微小粒子、金属微小粒子等の微小粒子を充填
した容器中で、その微粒子をデイスク(板状態)、
バー(棒状態)、スクリユー等の撹拌羽根を介し
て機械的に撹拌しながら被処理物分散液を還流又
は通過させる事により粉砕処理する装置であり、
例えばサンドミル、ユニバーサルミル、アトライ
ター、ダイノーミルなどと呼ばれている装置であ
る。湿式粉砕機に使用されている微小粒子の平均
粒子径は5mm程度以下、略3mm程度以下のものが
好ましく使用される。グリコール系における湿式
粉砕工程における沈降製炭酸カルシウムの濃度は
特別な制限はないが、経済性、粉砕効率、グリコ
ール系スラリーの粘性質から判断して、20重量%
以上80重量%未満が望ましい。 本発明において、湿式粉砕原料となる沈降製炭
酸カルシウムのBET法により測定された比表面
積から算出された1次粒子径とは、水系、グリコ
ール系を問わず、一切湿式粉砕を行つていない沈
降製炭酸カルシウム、すなわち炭酸ガス法、溶液
法により炭酸化し調製された沈降製炭酸カルシウ
ム水懸濁液を乾燥粉末化して得られる沈降製炭酸
カルシウム粉体の1次粒子径を意味する。本発明
における遠心沈降光透過式粒度分布測定器により
測定された50%重量平均粒子系d1は下記の要領で
測定計算されたものである。 測定機種:SA−CP−2(島津製作所製) 測定方法: 溶媒:ヘキサメタリン酸ソーダ0.2%水溶液 予備分散:KM SHAKER MODEL V−5
(IWAKI CO.、LTD製)を用い10分間シエイ
ク 粒度分布測定器回転数:1200rpm 液面高さ セル下部より1cm 測定温度:25℃ 計測方法:下記の計算例の通りとする 粒度分布測定結果(一例)
【表】
よつて、上記粒度分布の50%重量平均径を
0.706μmとする。 「実施例」 以下、実施例、比較例をあげて本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制
限されるものではない。 尚、実施例及び比較例に使用する沈降製炭酸カ
ルシウムを下記の要領で調製した。 沈降製炭酸カルシウムA: 温度15℃、比重1.070の石灰乳7.2m3にCO2濃度
25%の炉ガス(以下、CO2ガスと略す)を20m3/
minの流速で導通し炭酸化反応を完結した。炭酸
化反応終了後、系の温度50±5℃PHをCO2ガス及
び石灰乳を用いて10±0.5に調整し、24時間撹拌
し、粘度2000cpsの粘稠な沈降製炭酸カルシウム
A水分散体を得た。該沈降製炭酸カルシウムAの
BET法による比表面積及び粒度分布を第1表に
示す。 沈降製炭酸カルシウムB: 50℃±5℃に調整した沈降製炭酸カルシウムA
水分散体(固形分濃度14.9%)4m3に比重1.070
の石灰乳を0.6m3/hrの流量で滴下し、同時に
CO2ガスを導通し系のPHが10±0.5で撹拌条件下
炭酸化反応を行つた。石灰乳の滴下総量が32m3に
達した時石灰乳の滴下を中止し、系のPHが7.0ま
でCO2ガスを導通し、沈降製炭酸カルシウムBの
水分散体を得た。該沈降製炭酸カルシウムBの
BET法による比表面積及び粒度分布を第1表に
示す。 沈降製炭酸カルシウムC: 50℃±5℃に調整した沈降製炭酸カルシウムA
水分散体(固形分濃度14.9%)3m3に比重1.070
の石灰乳を0.6m3/hrの流量で滴下し、同時に
CO2ガスを導通し系のPHが10±0.5で撹拌条件下
炭酸化反応を行つた。石灰乳の滴下総量が60m3に
達した時石灰乳の滴下を中止し、系のPHが7.0ま
でCO2ガスを導通し、沈降製炭酸カルシウムCの
水分散体を得た。該沈降製炭酸カルシウムCの
BET法による比表面積及び粒度分布を第1表に
示す。 沈降製炭酸カルシウムD: 温度30℃、比重1.080の石灰乳43m3に12Kgの炭
酸ストロンチウムを添加し撹拌後CO2ガスを5
m3/minの流速で導通し、炭酸化反応を行い系の
PH8.0で炭酸化反応を中止した。その後、系の温
度60℃±5℃で撹拌し残存アルカリを溶出させ、
部分的にCO2ガスを用いて系のPHが10±1になる
様に調整し24時間撹拌後CO2ガスを用いて系のPH
を7.0とし、沈降製炭酸カルシウムDの水分散体
を得た。該沈降製炭酸カルシウムDのBET法に
なる比表面積及び粒度分布を第1表に示す。 沈降製炭酸カルシウムE: 温度30℃、比重1.080の石灰乳7.2m3にCO2ガス
を2m3/minの粒速で導通し炭酸化反応を行い、
系のPH6.8で炭酸化反応を中止し、沈降製炭酸カ
ルシウムEの水分散体を得た。該沈降製炭酸カル
シウムEのBET法による比表面積及び粒度分布
を第1表に示す。 実施例、比較例において使用する表面処理剤を
以下に列記する; 表面処理剤1: アクリル酸50モル%とポリエチレングリコール
モノメタクリレート50モル%の共重合物 表面処理剤2: アクリル酸80モル%とアクリル酸プロピル20モ
ル%の共重合物のアンモニウム塩で、該共重合物
中の全カルボキシル基の内85%がアンモニウムで
中和されているもの 表面処理剤3: アクリル酸30%モル%と2ヒドロキシエチルア
クリレート70モル%の共重合体 表面処理剤4: 表面処理剤3のナトリウム塩で、共重合物中の
全カルボキシル基の内50%がナトリウムで中和さ
れているもの 表面処理剤5: アクリル酸70モル%、マレイン酸10モル%、メ
トキシエチルアクリレート20モル%の共重合物の
アミン塩で、該共重合物中の全カルボキシル基の
内40%がアミンで中和されているもの 表面処理剤6: アクリル酸70モル%、イタコン酸10モル%、シ
クロヘキシルアクリレート20モル%の共重合物の
ナトリウム塩で、該共重合物中の全カルボキシル
基の内40%がナトリウムで中和されているもの 表面処理剤7: アクリル酸90モル%、メトキシポリエチレング
リコールポリプロピレングリコールモノメタクリ
レート10モル%の共重合物のナトリウム塩で、該
共重合物中の全カルボキシル基の内100%がナト
リウムで中和されているもの 表面処理剤8: アクリル酸の重合物のナトリウム塩で、該重合
物中の全カルボキシル基の内100%がナトリウム
で中和されているもの 表面処理剤9: ステアリン酸ナトリウム 表面処理剤10: エチレングリコールモノメタクリレートのモノ
マー
0.706μmとする。 「実施例」 以下、実施例、比較例をあげて本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制
限されるものではない。 尚、実施例及び比較例に使用する沈降製炭酸カ
ルシウムを下記の要領で調製した。 沈降製炭酸カルシウムA: 温度15℃、比重1.070の石灰乳7.2m3にCO2濃度
25%の炉ガス(以下、CO2ガスと略す)を20m3/
minの流速で導通し炭酸化反応を完結した。炭酸
化反応終了後、系の温度50±5℃PHをCO2ガス及
び石灰乳を用いて10±0.5に調整し、24時間撹拌
し、粘度2000cpsの粘稠な沈降製炭酸カルシウム
A水分散体を得た。該沈降製炭酸カルシウムAの
BET法による比表面積及び粒度分布を第1表に
示す。 沈降製炭酸カルシウムB: 50℃±5℃に調整した沈降製炭酸カルシウムA
水分散体(固形分濃度14.9%)4m3に比重1.070
の石灰乳を0.6m3/hrの流量で滴下し、同時に
CO2ガスを導通し系のPHが10±0.5で撹拌条件下
炭酸化反応を行つた。石灰乳の滴下総量が32m3に
達した時石灰乳の滴下を中止し、系のPHが7.0ま
でCO2ガスを導通し、沈降製炭酸カルシウムBの
水分散体を得た。該沈降製炭酸カルシウムBの
BET法による比表面積及び粒度分布を第1表に
示す。 沈降製炭酸カルシウムC: 50℃±5℃に調整した沈降製炭酸カルシウムA
水分散体(固形分濃度14.9%)3m3に比重1.070
の石灰乳を0.6m3/hrの流量で滴下し、同時に
CO2ガスを導通し系のPHが10±0.5で撹拌条件下
炭酸化反応を行つた。石灰乳の滴下総量が60m3に
達した時石灰乳の滴下を中止し、系のPHが7.0ま
でCO2ガスを導通し、沈降製炭酸カルシウムCの
水分散体を得た。該沈降製炭酸カルシウムCの
BET法による比表面積及び粒度分布を第1表に
示す。 沈降製炭酸カルシウムD: 温度30℃、比重1.080の石灰乳43m3に12Kgの炭
酸ストロンチウムを添加し撹拌後CO2ガスを5
m3/minの流速で導通し、炭酸化反応を行い系の
PH8.0で炭酸化反応を中止した。その後、系の温
度60℃±5℃で撹拌し残存アルカリを溶出させ、
部分的にCO2ガスを用いて系のPHが10±1になる
様に調整し24時間撹拌後CO2ガスを用いて系のPH
を7.0とし、沈降製炭酸カルシウムDの水分散体
を得た。該沈降製炭酸カルシウムDのBET法に
なる比表面積及び粒度分布を第1表に示す。 沈降製炭酸カルシウムE: 温度30℃、比重1.080の石灰乳7.2m3にCO2ガス
を2m3/minの粒速で導通し炭酸化反応を行い、
系のPH6.8で炭酸化反応を中止し、沈降製炭酸カ
ルシウムEの水分散体を得た。該沈降製炭酸カル
シウムEのBET法による比表面積及び粒度分布
を第1表に示す。 実施例、比較例において使用する表面処理剤を
以下に列記する; 表面処理剤1: アクリル酸50モル%とポリエチレングリコール
モノメタクリレート50モル%の共重合物 表面処理剤2: アクリル酸80モル%とアクリル酸プロピル20モ
ル%の共重合物のアンモニウム塩で、該共重合物
中の全カルボキシル基の内85%がアンモニウムで
中和されているもの 表面処理剤3: アクリル酸30%モル%と2ヒドロキシエチルア
クリレート70モル%の共重合体 表面処理剤4: 表面処理剤3のナトリウム塩で、共重合物中の
全カルボキシル基の内50%がナトリウムで中和さ
れているもの 表面処理剤5: アクリル酸70モル%、マレイン酸10モル%、メ
トキシエチルアクリレート20モル%の共重合物の
アミン塩で、該共重合物中の全カルボキシル基の
内40%がアミンで中和されているもの 表面処理剤6: アクリル酸70モル%、イタコン酸10モル%、シ
クロヘキシルアクリレート20モル%の共重合物の
ナトリウム塩で、該共重合物中の全カルボキシル
基の内40%がナトリウムで中和されているもの 表面処理剤7: アクリル酸90モル%、メトキシポリエチレング
リコールポリプロピレングリコールモノメタクリ
レート10モル%の共重合物のナトリウム塩で、該
共重合物中の全カルボキシル基の内100%がナト
リウムで中和されているもの 表面処理剤8: アクリル酸の重合物のナトリウム塩で、該重合
物中の全カルボキシル基の内100%がナトリウム
で中和されているもの 表面処理剤9: ステアリン酸ナトリウム 表面処理剤10: エチレングリコールモノメタクリレートのモノ
マー
【表】
【表】
実施例 1
沈降製炭酸カルシウムB水分散体(濃度14.9
%)をフイルタープレスを用いて脱水し、得られ
るプレスケーキ(固形分濃度60%)を外部加温式
処理槽に投入し、該プレスケーキ中に表面処理剤
1を炭酸カルシウム固形分に対し純分として1重
量%添加し強力に撹拌し、表面処理温度70℃で固
形分濃度60%の沈降製炭酸カルシウムBの表面処
理炭酸カルシウム高濃度スラリーを調製した。該
表面処理炭酸カルシウム高濃度スラリーをスプレ
ードライヤーを用いて乾燥粉末化させ、沈降製炭
酸カルシウムBの表面処理粉体を得た。この沈降
製炭酸カルシウムBの表面処理粉体50Kgのエチレ
ングリコール(三菱油化製、フアイバーグレード
A)中に投入撹拌し、湿式粉砕原料のエチレング
リコールスラリーを調製し、該スラリーを120
c.c./minの流量で湿式粉砕機(ダイノーミル
Pilot型、WAB社製、メデイア0.6〜0.9mmφのガ
ラスビーズ、メデイア充填率80%、回転数
1500rpm、以下同様)を通過せしめ湿式粉砕を行
い、沈降製炭酸カルシウムBのエチレングリコー
ル分散体を調製した。該分散体のSA−CP−2に
よる粒度分布測定結果及び粒度分布測定結果から
算出した50%重量平均径d2、S2、D2、R2を第2
表に示す。又、該分散体の電子顕微鏡写真を第9
図(10000倍)第10図(300倍)に示す。第2表
及び第9図、第10図の結果から、本実施例1で
調製された沈降製炭酸カルシウムBのエチレング
リコール分散体は、個々の粒子の大きさが比較的
均一であり、後記の比較例と比較して、粒度分布
シヤープであり、かつ不必要な微細粒子が少な
く、又、2〜3μmの粗大粒子の混在がない事が
確認される。 実施例 2 沈降製炭酸カルシウムBを同Cに、表面処理剤
1を同3に変更した他は、実施例1と同様の方法
で沈降製炭酸カルシウムCのエチレングリコール
分散体を調製した。該分散体のSA−CP−2によ
る粒度分布測定結果、d2、S2、D2、R2を第2表
に示す。又、該エチレングリコール分散体の電子
顕微鏡写真を第11図(10000倍)に示す。 実施例 3 沈降製炭酸カルシウムBを同Dに表面処理剤1
を同6に、エチレングリコールスラリーの湿式粉
砕機中における通過流量を120c.c./minから250
c.c./minに変更した他は、実施例1と同様の方法
で沈降製炭酸カルシウムDのエチレングリコール
分散体を調製した。該分散体のSA−CP−2によ
る粒度分布測定結果、d2、S2、D2、R2を第2表
に示す。 実施例 4 表面処理剤1を同2に、表面処理温度70℃を50
℃変更した他は実施例1と同様の方法で沈降製炭
酸カルシウムBの表面処理炭酸カルシウムの高濃
度スラリーを調製した。該高濃度スラリーを500
c.c./minの流量で湿式粉砕機を通過せしめ、その
後スプレードライヤーを用いて乾燥粉末化させ、
沈降製炭酸カルシウムBの表面処理粉末を得た。
この沈降製炭酸カルシウムBの表面処理粉体を湿
式粉砕原料とし、実施例1と同様の方法で沈降製
炭酸カルシウムBのエチレングリコール分散体を
調製した。該分散体のSA−CP−2による粒度分
布測定結果、d2、S2、D2、R2を第2表に示す。 実施例 5、6、7 表面処理剤2を同4に変更(実施例5)又は同
5に変更(実施例6)又は同7に変更(実施例
7)した他は、実施例4と同様の方法で沈降製炭
酸カルシウムBのエチレングリコール分散体をそ
れぞれ調製した。該分散体のSA−CP−2による
粒度分布測定結果、d2、S2、D2、R2を第2表に
示す。 比較例 1 沈降製炭酸カルシウムB水分散体(濃度14.9
%)をフイルタープレスを用いて脱水し、得られ
るプレスケーキをパドルドライヤーで乾燥後乾燥
粉砕し、沈降製炭酸カルシウムBの乾粉50Kgを得
た。この沈降製炭酸カルシウムB50Kgを50Kgのエ
チレングリコール(三菱油化製、フアイバーグレ
ードA)の中に投入撹拌し湿式粉砕原料のエチレ
ングリコールスラリーを調製し、該スラリーを
120c.c./minの流量で湿式粉砕機(ダイノーミル
pilot型、WAB社製、メデイア0.6〜0.9mmφのガ
ラスビーズ、メデイア充填率80%、回転数約
1500rpm)を通過せしめ湿式粉砕を行い、沈降製
炭酸カルシウムBのエチレングリコール分散体を
調製した。該分散体のSA−CP−2による粒度分
布測定結果及び粒度分布測定結果から算出した50
%重量平均径d2、S2、D2、R2を第2表に示す。
該エチレングリコール分散体の電子顕微鏡写真を
第12図(5000倍)、第13図(400倍)に示す。 比較例 2 表面処理剤1を同8に変更した他は、実施例1
と同様の方法で沈降製炭酸カルシウムBのエチレ
ングリコール分散体を調製した。該分散体のSA
−CP−2による粒度分布測定結果、d2、S2、D2、
R2を第2表に示す。 比較例 3 沈降製炭酸カルシウムB水分散体(濃度14.9
%)に表面処理剤9の温水希釈液を炭酸カルシウ
ム固形分に対し純分として3重量%添加し強力に
撹拌後、フイルタープレスで脱水し得られるプレ
スケーキ(固形分濃度67%)をパドルドライヤー
を用いて乾燥させ、乾式粉砕機を用いて粉砕し、
沈降製炭酸カルシウムBの表面処理粉体を得た。
この沈降製炭酸カルシウムBの表面処理粉体50Kg
を50Kgのエチレングリコール中に投入し、以降、
実施例1と同様の方法で湿式粉砕を行い、沈降製
炭酸カルシウムBのエチレングリコール分散体を
調製した。該分散体のSA−CP−2による粒度分
布測定結果及び粒度分布測定結果から算出した50
%重量平均径d2、S2、D2、R2を第2表に示す。 比較例 4 DET法による比表面積が74300cm2/g、D1=
0.30μmの重質炭酸カルシウム「スーパー#2300」
(丸尾カルシウム製)50Kgを50Kgのエチレングリ
コール(三菱油化製、フアイバーグレードA)中
に投入撹拌し湿式粉砕原料のエチレングリコール
スラリーを調製し、該スラリーを30c.c./minの流
量で湿式粉砕機(ダイノーミルpilot型、WAB社
製)を通過せしめ湿式粉砕を行い、重質炭酸カル
シウムのエチレングリコール分散体を調製した。
該分散体のSA−CP−2による粒度分布測定結
果、d2、S2、D2、R2を第2表に示す。又、該分
散体の電子顕微鏡写真を第14図(10000倍)に
示す。第2表及び第14図の結果から、本比較例
4で調製された重質炭酸カルシウムのエチレング
リコール分散体は実施例1で調製された沈降製炭
酸カルシウムのエチレングリコール分散体と比較
して、d2がほぼ同等であるにもかかわらず粒度分
布がブロードであり、かつ2〜3μm程度の粗大
粒子が混在している事が確認される。 比較例 5 沈降製炭酸カルシウムEの水分散体(濃度16.8
%)をフイルタープレスを用いて脱水し、得られ
るプレスケーキをパドルドライヤーで乾燥後乾式
粉砕し、沈降製炭酸カルシウムEの乾粉50Kgを得
た。この沈降製炭酸カルシウムE50Kgを50Kgのエ
チレングリコール(三菱油化製、フアイバーグレ
ードA)中に投入撹拌し湿式粉砕原料のエチレン
グリコールスラリーを調製し、該スラリーを60
c.c./minの流量で湿式粉砕を繰り返し2回通過せ
しめ湿式粉砕を行ない、沈降製炭酸カルシウムE
のエチレングリコール分散体を調製した。該分散
体のSA−CP−2による粒度分布測定結果、d2、
S2、D2、R2を第2表に示す。又、該分散体の電
子顕微鏡写真を第16図(5000倍)、第17図
(2000倍)に、湿式粉砕原料である沈降製炭酸カ
ルシウムE(湿式粉砕前)の電子顕微鏡写真を第
15図(10000倍)に示す。 第2表及び第15図、第16図、第17図の結
果から判断して、本比較例5で調製された沈降製
炭酸カルシウムEのエチレングリコール分散体は
その粉砕原料としてR1>7(第1表参照)つま
り、1次粒子間の凝集性が極めて大きく、大きな
2次粒子を形成している沈降製炭酸カルシウムE
を用いているため、そのエチレングリコール系に
おける湿式粉砕工程において実施例1の約4倍の
粉砕条件を採用しているにもかかわらず、5μm
程度の粗大2次粒子が混在している事が確認され
る。 比較例 6 エチレングリコール系における湿式粉砕工程に
おいて、湿式粉砕原料のエチレングリコールスラ
リーを60c.c./minの流量で湿式粉砕機を繰り返し
3回通過せしめた事をのぞき、他は実施例2と同
様の方式で沈降製炭酸カルシウムCのエチレング
リコール分散体を調製した。該分散体のSA−CP
−2による粒度分布測定結果、d2、S2、D2、R2
を第2表に示す。又、該分散体の電子顕微鏡写真
を第18図(10000倍)に示す。第18図の結果
から、本比較例6で調製された沈降製炭酸カルシ
ウムCのエチレングリコール分散体は、実施例2
で調製された沈降製炭酸カルシウムCのエチレン
グリコール分散体と比較して、不必要な微細粒子
が多量に生成している事が確認される。 比較例 7 実施例3で用いた表面処理沈降製炭酸カルシウ
ムDの乾粉50Kgを50Kgのエチレングリコール中に
投入後、湿式粉砕機を用いて湿式粉砕を行うかわ
りに撹拌羽根直径10cm、周速62m/minのデイゾ
ルバー型撹拌機を用いて10分間強力に撹拌し沈降
製炭酸カルシウムDのエチレングリコール分散体
を調製した。該分散体のSA−CP−2による粒度
分布測定結果を第2表に示す。又該分散体の電子
顕微鏡写真を第19図(1000倍)に示す。 第19図の結果から、本比較例7において調製
された沈降製炭酸カルシウムDのエチレングリコ
ール分散体には不必要な5〜10μmの粗大2次粒
子が混在している事が確認される。 比較例 8 沈降製炭酸カルシウムAの水分散体(濃度14.9
%)をフイルタープレスを用いて脱水し、得られ
るプレスケーキ(固形分濃度57%)を外部加温式
処理槽に投入し、該プレスケーキ中に表面処理剤
1を炭酸カルシウム固形分に対し純分として2重
量%添加し強力に撹拌し、表面処理温度70℃で固
形分濃度57%の沈降製炭酸カルシウムAの表面処
理炭酸カルシウム高濃度スラリーを調製した。該
表面処理炭酸カルシウム高濃度スラリーをスプレ
ードライヤーを用いて乾燥粉末化させ、沈降製炭
酸カルシウムAの表面処理粉体を得た。この沈降
製炭酸カルシウムAの表面処理粉体30Kgを70Kgの
エチレングリコール中に投入撹拌し湿式粉砕原料
のエチレングリコールスラリーを調製し、該スラ
リーを60c.c./minの流量で湿式粉砕機を繰り返し
2回通過せしめ湿式粉砕を行い、沈降製炭酸カル
シウムAのエチレングリコール分散体を調製し
た。該分散体のSA−CP−2による粒度分布測定
結果、d2、S2、D2、R2を第2表に示す。又、該
分散体の電子顕微鏡写真を第20図(1000倍)に
示す。第20図の結果から、本比較例8において
調製された沈降製炭酸カルシウムAのエチレング
リコール分散体には、2〜5μm程度の粒子径を
有する2次粒子が多数混在している事が確認され
る。 比較例 9 表面処理剤1と表面処理剤8と表面処理剤10の
混合物(等モル比混合物で重合開始剤を添加しな
い混合物)に変更する事をのぞき、他は実施例1
と同様の方法で炭酸カルシウムAのエチレングリ
コール分散体を調製した。 応用例 1 エチレングリコール分散体の長期経時安定性 実施例1〜7、比較例1〜9で調製した各々の
炭酸カルシウムのエチレングリコール分散体各1
を1のメスシリンダーにとり、60日間静置し
た後、各々メスシリンダー中の炭酸カルシウムエ
チレングリコール分散体の炭酸カルシウムとエチ
レングリコールとの分離状態、及びメスシリンダ
ーの底部に沈降沈澱した炭酸カルシウムの状態を
観察した。これらの測定結果を第2表に示す。観
察時の評価基準は以下の通りである; ○:炭酸カルシウムとエチレングリコールとの分
離がほとんどなく、メスシリンダー底部に沈降
沈澱した炭酸カルシウムがやわらかく、容易に
再分散可能なもの △:炭酸カルシウムとエチレングリコールとの分
離をおこしているが、メスシリンダー底部に沈
降沈澱した炭酸カルシウムが比較的やわらか
く、再分散可能なもの ×:炭酸カルシウムとエチレングリコールとの分
離程度が大きく、メスシリンダー底部に沈降沈
澱した炭酸カルシウムが固いハードケーキ状を
しており、再分散が困難なもの 応用例 2 炭酸カルシウム粒子とPET樹脂との親和性 ジメチルテレフタレート100重量部とエチレン
グリコール70重量部を酢酸マンガン4水和物
0.035部を触媒として常法通りエステル交換せし
めた後、実施例1〜7及び比較例1〜9で調製し
た炭酸カルシウムのエチレングリコール分散体を
炭酸カルシウム濃度がポリマーに対して5000ppm
になる様に撹拌下添加した。その後、高温真空下
にて常法通り重縮合反応を行い、極限粘度0.630
のポリエチレンテレフタレートを得た。このポリ
マーを290℃で溶解押出しし、90℃で縦方向に3.5
倍、130℃で横方向に3.5倍延伸した後、220℃で
熱処理し、15μmの厚さのフイルムを作成した。
これらフイルムをエツチング処理により表層ポリ
マーを除去し、炭酸カルシウムを露出させた後、
走査型電子顕微鏡下20000倍でボイドの直径
(Db)と炭酸カルシウムの直径(Dc)を測定す
る事により、炭酸カルシウムとポリエステルとの
親和性を観察した。観察結果を第2表に示す。
尚、観察時の評価基準は以下の通りである; ◎:1≦Db/Dc<1.2 ボイドが存在しないか、もしくは非常に小さ
い ○:1.2≦Db/Dc<1.5 △:1.5≦Db/Dc<3.0 △:3.0≦Db/Dc<4.0 応用例 3 エチレングリコール分散体のフイルター通過性 実施例1〜7及び比較例1〜9で調製した各々
のエチレングリコール分散体をエチレングリコー
ルでさらに希釈し、各々の10wt%希釈液を400ml
調製した。これらの10wt%希釈液200mlの調製後
及び24時間後、8μmのメンブランフイルター
(ミリポア社製)を2Kg/cm2の条件で加圧濾過し、
その通過量を測定した。測定結果を第2表に示
す。 応用例 4 PET樹脂中の炭酸カルシウム粒子の分散性 応用例2で調製された各種ポリマーの少量を2
枚のカバーグラス間にはさみ、280℃にて溶融プ
レスし、急冷した後顕微鏡観察し、複数個の一次
粒子同士が凝集し、粒径の粗くなつた部分を粗大
粒子と判定する事により、ポリマー中の粒子の分
散性について検討した。粒子の分散性については
1mm2に存在する平均一次粒子径の4倍を越える大
きさの粗大粒子を観察して、次のように判定し
た。判定結果を第2表に示す。尚、平均一次粒子
径としては、粒度分布の50%重量平均径d2を採用
した。 ◎:粗大粒子が10個/mm2以下 ○:粗大粒子が11個/mm2以上30個/mm2以下 △:粗大粒子が31個/mm2以上50個/mm2以下 ×:粗大粒子が51個/mm2以上
%)をフイルタープレスを用いて脱水し、得られ
るプレスケーキ(固形分濃度60%)を外部加温式
処理槽に投入し、該プレスケーキ中に表面処理剤
1を炭酸カルシウム固形分に対し純分として1重
量%添加し強力に撹拌し、表面処理温度70℃で固
形分濃度60%の沈降製炭酸カルシウムBの表面処
理炭酸カルシウム高濃度スラリーを調製した。該
表面処理炭酸カルシウム高濃度スラリーをスプレ
ードライヤーを用いて乾燥粉末化させ、沈降製炭
酸カルシウムBの表面処理粉体を得た。この沈降
製炭酸カルシウムBの表面処理粉体50Kgのエチレ
ングリコール(三菱油化製、フアイバーグレード
A)中に投入撹拌し、湿式粉砕原料のエチレング
リコールスラリーを調製し、該スラリーを120
c.c./minの流量で湿式粉砕機(ダイノーミル
Pilot型、WAB社製、メデイア0.6〜0.9mmφのガ
ラスビーズ、メデイア充填率80%、回転数
1500rpm、以下同様)を通過せしめ湿式粉砕を行
い、沈降製炭酸カルシウムBのエチレングリコー
ル分散体を調製した。該分散体のSA−CP−2に
よる粒度分布測定結果及び粒度分布測定結果から
算出した50%重量平均径d2、S2、D2、R2を第2
表に示す。又、該分散体の電子顕微鏡写真を第9
図(10000倍)第10図(300倍)に示す。第2表
及び第9図、第10図の結果から、本実施例1で
調製された沈降製炭酸カルシウムBのエチレング
リコール分散体は、個々の粒子の大きさが比較的
均一であり、後記の比較例と比較して、粒度分布
シヤープであり、かつ不必要な微細粒子が少な
く、又、2〜3μmの粗大粒子の混在がない事が
確認される。 実施例 2 沈降製炭酸カルシウムBを同Cに、表面処理剤
1を同3に変更した他は、実施例1と同様の方法
で沈降製炭酸カルシウムCのエチレングリコール
分散体を調製した。該分散体のSA−CP−2によ
る粒度分布測定結果、d2、S2、D2、R2を第2表
に示す。又、該エチレングリコール分散体の電子
顕微鏡写真を第11図(10000倍)に示す。 実施例 3 沈降製炭酸カルシウムBを同Dに表面処理剤1
を同6に、エチレングリコールスラリーの湿式粉
砕機中における通過流量を120c.c./minから250
c.c./minに変更した他は、実施例1と同様の方法
で沈降製炭酸カルシウムDのエチレングリコール
分散体を調製した。該分散体のSA−CP−2によ
る粒度分布測定結果、d2、S2、D2、R2を第2表
に示す。 実施例 4 表面処理剤1を同2に、表面処理温度70℃を50
℃変更した他は実施例1と同様の方法で沈降製炭
酸カルシウムBの表面処理炭酸カルシウムの高濃
度スラリーを調製した。該高濃度スラリーを500
c.c./minの流量で湿式粉砕機を通過せしめ、その
後スプレードライヤーを用いて乾燥粉末化させ、
沈降製炭酸カルシウムBの表面処理粉末を得た。
この沈降製炭酸カルシウムBの表面処理粉体を湿
式粉砕原料とし、実施例1と同様の方法で沈降製
炭酸カルシウムBのエチレングリコール分散体を
調製した。該分散体のSA−CP−2による粒度分
布測定結果、d2、S2、D2、R2を第2表に示す。 実施例 5、6、7 表面処理剤2を同4に変更(実施例5)又は同
5に変更(実施例6)又は同7に変更(実施例
7)した他は、実施例4と同様の方法で沈降製炭
酸カルシウムBのエチレングリコール分散体をそ
れぞれ調製した。該分散体のSA−CP−2による
粒度分布測定結果、d2、S2、D2、R2を第2表に
示す。 比較例 1 沈降製炭酸カルシウムB水分散体(濃度14.9
%)をフイルタープレスを用いて脱水し、得られ
るプレスケーキをパドルドライヤーで乾燥後乾燥
粉砕し、沈降製炭酸カルシウムBの乾粉50Kgを得
た。この沈降製炭酸カルシウムB50Kgを50Kgのエ
チレングリコール(三菱油化製、フアイバーグレ
ードA)の中に投入撹拌し湿式粉砕原料のエチレ
ングリコールスラリーを調製し、該スラリーを
120c.c./minの流量で湿式粉砕機(ダイノーミル
pilot型、WAB社製、メデイア0.6〜0.9mmφのガ
ラスビーズ、メデイア充填率80%、回転数約
1500rpm)を通過せしめ湿式粉砕を行い、沈降製
炭酸カルシウムBのエチレングリコール分散体を
調製した。該分散体のSA−CP−2による粒度分
布測定結果及び粒度分布測定結果から算出した50
%重量平均径d2、S2、D2、R2を第2表に示す。
該エチレングリコール分散体の電子顕微鏡写真を
第12図(5000倍)、第13図(400倍)に示す。 比較例 2 表面処理剤1を同8に変更した他は、実施例1
と同様の方法で沈降製炭酸カルシウムBのエチレ
ングリコール分散体を調製した。該分散体のSA
−CP−2による粒度分布測定結果、d2、S2、D2、
R2を第2表に示す。 比較例 3 沈降製炭酸カルシウムB水分散体(濃度14.9
%)に表面処理剤9の温水希釈液を炭酸カルシウ
ム固形分に対し純分として3重量%添加し強力に
撹拌後、フイルタープレスで脱水し得られるプレ
スケーキ(固形分濃度67%)をパドルドライヤー
を用いて乾燥させ、乾式粉砕機を用いて粉砕し、
沈降製炭酸カルシウムBの表面処理粉体を得た。
この沈降製炭酸カルシウムBの表面処理粉体50Kg
を50Kgのエチレングリコール中に投入し、以降、
実施例1と同様の方法で湿式粉砕を行い、沈降製
炭酸カルシウムBのエチレングリコール分散体を
調製した。該分散体のSA−CP−2による粒度分
布測定結果及び粒度分布測定結果から算出した50
%重量平均径d2、S2、D2、R2を第2表に示す。 比較例 4 DET法による比表面積が74300cm2/g、D1=
0.30μmの重質炭酸カルシウム「スーパー#2300」
(丸尾カルシウム製)50Kgを50Kgのエチレングリ
コール(三菱油化製、フアイバーグレードA)中
に投入撹拌し湿式粉砕原料のエチレングリコール
スラリーを調製し、該スラリーを30c.c./minの流
量で湿式粉砕機(ダイノーミルpilot型、WAB社
製)を通過せしめ湿式粉砕を行い、重質炭酸カル
シウムのエチレングリコール分散体を調製した。
該分散体のSA−CP−2による粒度分布測定結
果、d2、S2、D2、R2を第2表に示す。又、該分
散体の電子顕微鏡写真を第14図(10000倍)に
示す。第2表及び第14図の結果から、本比較例
4で調製された重質炭酸カルシウムのエチレング
リコール分散体は実施例1で調製された沈降製炭
酸カルシウムのエチレングリコール分散体と比較
して、d2がほぼ同等であるにもかかわらず粒度分
布がブロードであり、かつ2〜3μm程度の粗大
粒子が混在している事が確認される。 比較例 5 沈降製炭酸カルシウムEの水分散体(濃度16.8
%)をフイルタープレスを用いて脱水し、得られ
るプレスケーキをパドルドライヤーで乾燥後乾式
粉砕し、沈降製炭酸カルシウムEの乾粉50Kgを得
た。この沈降製炭酸カルシウムE50Kgを50Kgのエ
チレングリコール(三菱油化製、フアイバーグレ
ードA)中に投入撹拌し湿式粉砕原料のエチレン
グリコールスラリーを調製し、該スラリーを60
c.c./minの流量で湿式粉砕を繰り返し2回通過せ
しめ湿式粉砕を行ない、沈降製炭酸カルシウムE
のエチレングリコール分散体を調製した。該分散
体のSA−CP−2による粒度分布測定結果、d2、
S2、D2、R2を第2表に示す。又、該分散体の電
子顕微鏡写真を第16図(5000倍)、第17図
(2000倍)に、湿式粉砕原料である沈降製炭酸カ
ルシウムE(湿式粉砕前)の電子顕微鏡写真を第
15図(10000倍)に示す。 第2表及び第15図、第16図、第17図の結
果から判断して、本比較例5で調製された沈降製
炭酸カルシウムEのエチレングリコール分散体は
その粉砕原料としてR1>7(第1表参照)つま
り、1次粒子間の凝集性が極めて大きく、大きな
2次粒子を形成している沈降製炭酸カルシウムE
を用いているため、そのエチレングリコール系に
おける湿式粉砕工程において実施例1の約4倍の
粉砕条件を採用しているにもかかわらず、5μm
程度の粗大2次粒子が混在している事が確認され
る。 比較例 6 エチレングリコール系における湿式粉砕工程に
おいて、湿式粉砕原料のエチレングリコールスラ
リーを60c.c./minの流量で湿式粉砕機を繰り返し
3回通過せしめた事をのぞき、他は実施例2と同
様の方式で沈降製炭酸カルシウムCのエチレング
リコール分散体を調製した。該分散体のSA−CP
−2による粒度分布測定結果、d2、S2、D2、R2
を第2表に示す。又、該分散体の電子顕微鏡写真
を第18図(10000倍)に示す。第18図の結果
から、本比較例6で調製された沈降製炭酸カルシ
ウムCのエチレングリコール分散体は、実施例2
で調製された沈降製炭酸カルシウムCのエチレン
グリコール分散体と比較して、不必要な微細粒子
が多量に生成している事が確認される。 比較例 7 実施例3で用いた表面処理沈降製炭酸カルシウ
ムDの乾粉50Kgを50Kgのエチレングリコール中に
投入後、湿式粉砕機を用いて湿式粉砕を行うかわ
りに撹拌羽根直径10cm、周速62m/minのデイゾ
ルバー型撹拌機を用いて10分間強力に撹拌し沈降
製炭酸カルシウムDのエチレングリコール分散体
を調製した。該分散体のSA−CP−2による粒度
分布測定結果を第2表に示す。又該分散体の電子
顕微鏡写真を第19図(1000倍)に示す。 第19図の結果から、本比較例7において調製
された沈降製炭酸カルシウムDのエチレングリコ
ール分散体には不必要な5〜10μmの粗大2次粒
子が混在している事が確認される。 比較例 8 沈降製炭酸カルシウムAの水分散体(濃度14.9
%)をフイルタープレスを用いて脱水し、得られ
るプレスケーキ(固形分濃度57%)を外部加温式
処理槽に投入し、該プレスケーキ中に表面処理剤
1を炭酸カルシウム固形分に対し純分として2重
量%添加し強力に撹拌し、表面処理温度70℃で固
形分濃度57%の沈降製炭酸カルシウムAの表面処
理炭酸カルシウム高濃度スラリーを調製した。該
表面処理炭酸カルシウム高濃度スラリーをスプレ
ードライヤーを用いて乾燥粉末化させ、沈降製炭
酸カルシウムAの表面処理粉体を得た。この沈降
製炭酸カルシウムAの表面処理粉体30Kgを70Kgの
エチレングリコール中に投入撹拌し湿式粉砕原料
のエチレングリコールスラリーを調製し、該スラ
リーを60c.c./minの流量で湿式粉砕機を繰り返し
2回通過せしめ湿式粉砕を行い、沈降製炭酸カル
シウムAのエチレングリコール分散体を調製し
た。該分散体のSA−CP−2による粒度分布測定
結果、d2、S2、D2、R2を第2表に示す。又、該
分散体の電子顕微鏡写真を第20図(1000倍)に
示す。第20図の結果から、本比較例8において
調製された沈降製炭酸カルシウムAのエチレング
リコール分散体には、2〜5μm程度の粒子径を
有する2次粒子が多数混在している事が確認され
る。 比較例 9 表面処理剤1と表面処理剤8と表面処理剤10の
混合物(等モル比混合物で重合開始剤を添加しな
い混合物)に変更する事をのぞき、他は実施例1
と同様の方法で炭酸カルシウムAのエチレングリ
コール分散体を調製した。 応用例 1 エチレングリコール分散体の長期経時安定性 実施例1〜7、比較例1〜9で調製した各々の
炭酸カルシウムのエチレングリコール分散体各1
を1のメスシリンダーにとり、60日間静置し
た後、各々メスシリンダー中の炭酸カルシウムエ
チレングリコール分散体の炭酸カルシウムとエチ
レングリコールとの分離状態、及びメスシリンダ
ーの底部に沈降沈澱した炭酸カルシウムの状態を
観察した。これらの測定結果を第2表に示す。観
察時の評価基準は以下の通りである; ○:炭酸カルシウムとエチレングリコールとの分
離がほとんどなく、メスシリンダー底部に沈降
沈澱した炭酸カルシウムがやわらかく、容易に
再分散可能なもの △:炭酸カルシウムとエチレングリコールとの分
離をおこしているが、メスシリンダー底部に沈
降沈澱した炭酸カルシウムが比較的やわらか
く、再分散可能なもの ×:炭酸カルシウムとエチレングリコールとの分
離程度が大きく、メスシリンダー底部に沈降沈
澱した炭酸カルシウムが固いハードケーキ状を
しており、再分散が困難なもの 応用例 2 炭酸カルシウム粒子とPET樹脂との親和性 ジメチルテレフタレート100重量部とエチレン
グリコール70重量部を酢酸マンガン4水和物
0.035部を触媒として常法通りエステル交換せし
めた後、実施例1〜7及び比較例1〜9で調製し
た炭酸カルシウムのエチレングリコール分散体を
炭酸カルシウム濃度がポリマーに対して5000ppm
になる様に撹拌下添加した。その後、高温真空下
にて常法通り重縮合反応を行い、極限粘度0.630
のポリエチレンテレフタレートを得た。このポリ
マーを290℃で溶解押出しし、90℃で縦方向に3.5
倍、130℃で横方向に3.5倍延伸した後、220℃で
熱処理し、15μmの厚さのフイルムを作成した。
これらフイルムをエツチング処理により表層ポリ
マーを除去し、炭酸カルシウムを露出させた後、
走査型電子顕微鏡下20000倍でボイドの直径
(Db)と炭酸カルシウムの直径(Dc)を測定す
る事により、炭酸カルシウムとポリエステルとの
親和性を観察した。観察結果を第2表に示す。
尚、観察時の評価基準は以下の通りである; ◎:1≦Db/Dc<1.2 ボイドが存在しないか、もしくは非常に小さ
い ○:1.2≦Db/Dc<1.5 △:1.5≦Db/Dc<3.0 △:3.0≦Db/Dc<4.0 応用例 3 エチレングリコール分散体のフイルター通過性 実施例1〜7及び比較例1〜9で調製した各々
のエチレングリコール分散体をエチレングリコー
ルでさらに希釈し、各々の10wt%希釈液を400ml
調製した。これらの10wt%希釈液200mlの調製後
及び24時間後、8μmのメンブランフイルター
(ミリポア社製)を2Kg/cm2の条件で加圧濾過し、
その通過量を測定した。測定結果を第2表に示
す。 応用例 4 PET樹脂中の炭酸カルシウム粒子の分散性 応用例2で調製された各種ポリマーの少量を2
枚のカバーグラス間にはさみ、280℃にて溶融プ
レスし、急冷した後顕微鏡観察し、複数個の一次
粒子同士が凝集し、粒径の粗くなつた部分を粗大
粒子と判定する事により、ポリマー中の粒子の分
散性について検討した。粒子の分散性については
1mm2に存在する平均一次粒子径の4倍を越える大
きさの粗大粒子を観察して、次のように判定し
た。判定結果を第2表に示す。尚、平均一次粒子
径としては、粒度分布の50%重量平均径d2を採用
した。 ◎:粗大粒子が10個/mm2以下 ○:粗大粒子が11個/mm2以上30個/mm2以下 △:粗大粒子が31個/mm2以上50個/mm2以下 ×:粗大粒子が51個/mm2以上
【表】
【表】
第2表の結果から、実施例1で調製された沈降
炭酸カルシウムBのエチレングリコール分散体は
経時分散安定性フイルター通過性が良好であり、
かつPET樹脂の製造に使用してPET樹脂中での
分散性及びPET樹脂との親和性が良好である事
が確認される。 比較例1で調製された沈降製炭酸カルシウムB
のエチレングリコール分散体は、表面処理剤1を
使用していない点でのみ実施例1で調製された沈
降製炭酸カルシウムBのエチレングリコール分散
体と異なる。本比較例1の調製品は実施例1の調
製品と比較してエチレングリコール分散体の経時
分散安定性が不良であり、又、これを使用して調
製されるPET樹脂において炭酸カルシウムと
PET樹脂との親和性が不良である事は応用例1、
応用例2の結果から明らかである。 比較例2で調製された沈降製炭酸カルシウムB
のエチレングリコール分散体を使用して調製され
るPET樹脂において、炭酸カルシウム粒子と
PET樹脂との親和性が不良である事は応用例2
の結果から明らかである。 比較例3で調製された沈降製炭酸カルシウムB
のエチレングリコール分散体は、実施例1、4、
5、6、7と比較してd2がほぼ近似であるにもか
かわらず、その粒度分布がブロードでありかつ
6μmより大きな粗大粒子が多数混在している事
が確認される。 又、応用例1、2の結果から、本比較例3で調
製された沈降製炭酸カルシウムBのエチレングリ
コール分散体の経時分散安定性は不良であり、且
つ、この炭酸カルシウムのエチレングリコールの
分散体を使用して調製したPET樹脂における炭
酸カルシウム粒子とPET樹脂の親和性も不良で
ある。 比較例4で調製された重質炭酸カルシウムのエ
チレングリコール分散体は、経時分散安定性、フ
イルター通過性が極めて不良であり、且つ、この
重質炭酸カルシウムのエチレングリコール分散体
を使用するPET樹脂における炭酸カルシウム粒
子の分散性及び炭酸カルシウムとPET樹脂との
親和性も極めて不良である事は応用例1、2、
3、4の結果から明らかである。 比較例5で調製された沈降製炭酸カルシウムE
のエチレングリコール分散体は、経時分散安定
性、フイルター透過性が極めて不良であり、且
つ、この沈降製炭酸カルシウムEのエチレングリ
コール分散体を使用するPET樹脂における炭酸
カルシウム粒子の分散性及び炭酸カルシウムと
PET樹脂との親和性も極めて不良である事は応
用例1、2、3、4の結果から確認される。 応用例4の結果から、比較例6で調製された沈
降製炭酸カルシウムCのエチレングリコール分散
体は、これを使用して調製されるPET樹脂にお
いて炭酸カルシウム粒子の分散性が不良である事
が確認される。 応用例4の結果から、比較例8で調製された沈
降製炭酸カルシウムAのエチレングリコール分散
体は、これを使用して調製されるPET樹脂にお
いて炭酸カルシウム粒子の分散性が不良である事
が確認される。 比較例9で調製された沈降製炭酸カルシウムB
のエチレングリコール分散体は、これを使用し調
製されるPET樹脂において炭酸カルシウム粒子
の分散性が不良である事が確認される。 「作用・効果」 叙上の通り、本発明は、グリコール中の分散
性、分散経時安定性及び粒子径の均一性並びにポ
リエステルとの親和性の良好な沈降製炭酸カルシ
ウムのグリコール系分散体を提供し、ポリエステ
ルの表面特性を向上させるものである。
炭酸カルシウムBのエチレングリコール分散体は
経時分散安定性フイルター通過性が良好であり、
かつPET樹脂の製造に使用してPET樹脂中での
分散性及びPET樹脂との親和性が良好である事
が確認される。 比較例1で調製された沈降製炭酸カルシウムB
のエチレングリコール分散体は、表面処理剤1を
使用していない点でのみ実施例1で調製された沈
降製炭酸カルシウムBのエチレングリコール分散
体と異なる。本比較例1の調製品は実施例1の調
製品と比較してエチレングリコール分散体の経時
分散安定性が不良であり、又、これを使用して調
製されるPET樹脂において炭酸カルシウムと
PET樹脂との親和性が不良である事は応用例1、
応用例2の結果から明らかである。 比較例2で調製された沈降製炭酸カルシウムB
のエチレングリコール分散体を使用して調製され
るPET樹脂において、炭酸カルシウム粒子と
PET樹脂との親和性が不良である事は応用例2
の結果から明らかである。 比較例3で調製された沈降製炭酸カルシウムB
のエチレングリコール分散体は、実施例1、4、
5、6、7と比較してd2がほぼ近似であるにもか
かわらず、その粒度分布がブロードでありかつ
6μmより大きな粗大粒子が多数混在している事
が確認される。 又、応用例1、2の結果から、本比較例3で調
製された沈降製炭酸カルシウムBのエチレングリ
コール分散体の経時分散安定性は不良であり、且
つ、この炭酸カルシウムのエチレングリコールの
分散体を使用して調製したPET樹脂における炭
酸カルシウム粒子とPET樹脂の親和性も不良で
ある。 比較例4で調製された重質炭酸カルシウムのエ
チレングリコール分散体は、経時分散安定性、フ
イルター通過性が極めて不良であり、且つ、この
重質炭酸カルシウムのエチレングリコール分散体
を使用するPET樹脂における炭酸カルシウム粒
子の分散性及び炭酸カルシウムとPET樹脂との
親和性も極めて不良である事は応用例1、2、
3、4の結果から明らかである。 比較例5で調製された沈降製炭酸カルシウムE
のエチレングリコール分散体は、経時分散安定
性、フイルター透過性が極めて不良であり、且
つ、この沈降製炭酸カルシウムEのエチレングリ
コール分散体を使用するPET樹脂における炭酸
カルシウム粒子の分散性及び炭酸カルシウムと
PET樹脂との親和性も極めて不良である事は応
用例1、2、3、4の結果から確認される。 応用例4の結果から、比較例6で調製された沈
降製炭酸カルシウムCのエチレングリコール分散
体は、これを使用して調製されるPET樹脂にお
いて炭酸カルシウム粒子の分散性が不良である事
が確認される。 応用例4の結果から、比較例8で調製された沈
降製炭酸カルシウムAのエチレングリコール分散
体は、これを使用して調製されるPET樹脂にお
いて炭酸カルシウム粒子の分散性が不良である事
が確認される。 比較例9で調製された沈降製炭酸カルシウムB
のエチレングリコール分散体は、これを使用し調
製されるPET樹脂において炭酸カルシウム粒子
の分散性が不良である事が確認される。 「作用・効果」 叙上の通り、本発明は、グリコール中の分散
性、分散経時安定性及び粒子径の均一性並びにポ
リエステルとの親和性の良好な沈降製炭酸カルシ
ウムのグリコール系分散体を提供し、ポリエステ
ルの表面特性を向上させるものである。
第1図及び第2図は沈降製炭酸カルシウムを湿
式粉砕する場合の模式図、第3図及び第4図は重
質炭酸カルシウムを湿式粉砕する場合の模式図、
第5図及び第6図は湿式粉砕して得られた本発明
の沈降製炭酸カルシウム、第7図はR2>10の場
合の沈降製炭酸カルシウム、第8図乃至第20図
は炭酸カルシウムの粒子構造を示す電子顕微鏡写
真である。 1……ほぼ均一な粒子径の1次粒子、2……粗
大1次粒子、3……微細粒子。
式粉砕する場合の模式図、第3図及び第4図は重
質炭酸カルシウムを湿式粉砕する場合の模式図、
第5図及び第6図は湿式粉砕して得られた本発明
の沈降製炭酸カルシウム、第7図はR2>10の場
合の沈降製炭酸カルシウム、第8図乃至第20図
は炭酸カルシウムの粒子構造を示す電子顕微鏡写
真である。 1……ほぼ均一な粒子径の1次粒子、2……粗
大1次粒子、3……微細粒子。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記(ア)(イ)の要件を共に具備する沈降製炭酸カ
ルシウムに下記(ウ)の表面処理剤を用いて表面処理
して調製される表面処理沈降製炭酸カルシウムを
湿式粉砕原料として用い、該湿式粉砕原料とグリ
コールとからなるグリコールスラリーを下記(エ)の
要件を満たす様に湿式粉砕して調製される、沈降
製炭酸カルシウムとグリコールとからなる沈降製
炭酸カルシウムのグリコール系分散体。 (ア) BET法により測定された比表面積S1から下
記式により算出された1次粒子系D1が0.1μm
以上であること、 Dx=60000/2.7Sx − 〔 Dx:BET法により測定された比表面積か
ら算出された沈降製炭酸カルシウムの平均粒子
径(μm) Sx:BET法により測定された沈降製炭酸カ
ルシウムの比表面積(cm2/g)〕 (イ) 光透過遠心沈降式粒度分布測定器SA−CP−
2(島津製作所製)を用い水系で測定される粒
度分布の50%重量平均粒子径d1と前記D1の比
R1が下記式を満たすこと。 R1=d1/D1≦7 − (ウ) α、βモノエチレン性不飽和カルボン酸及び
その塩から選ばれる少なくとも1種と、α、β
モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの
共重合物(A)及び/又はα、βモノエチレン性不
飽和カルボン酸とα、βモノエチレン性不飽和
カルボン酸エステルとの共重合物の塩(B)。 (エ) 前記1次粒子径D1と、湿式粉砕して調製さ
れる沈降製炭酸カルシウムのBET法により測
定された比表面積S2から前記式により算出さ
れた1次粒子径D2の比R2が下記式を満たす
こと、 R2=D1/D2、1<R2≦10 − 2 前記(ウ)において、α、βモノエチレン性不飽
和カルボン酸エステルの共重合物全体にしめる割
合が、共重合物全体の2モル%以上で且つ95モル
%以下である特許請求の範囲第1項記載のグリコ
ール系分散体。 3 炭酸カルシウムを表面処理する共重合物の表
面処理量が、炭酸カルシウムに対し純分として
0.01wt%以上で且つ30wt%以下である特許請求
の範囲第1項記載のグリコール系分散体。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62157380A JPS644240A (en) | 1987-06-24 | 1987-06-24 | Glycol dispersion of calcium carbonate |
| US07/209,393 US5000871A (en) | 1987-06-24 | 1988-06-21 | Gycol dispersion of calcium carbonate |
| KR1019880007619A KR920007011B1 (ko) | 1987-06-24 | 1988-06-23 | 탄산칼슘의 글리콜 분산체 |
| DE3855810T DE3855810T2 (de) | 1987-06-24 | 1988-06-24 | Dispersion von Kalzium-Karbonat in Glycol |
| EP88110107A EP0296610B1 (en) | 1987-06-24 | 1988-06-24 | Glycol dispersion of calcium carbonate |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62157380A JPS644240A (en) | 1987-06-24 | 1987-06-24 | Glycol dispersion of calcium carbonate |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS644240A JPS644240A (en) | 1989-01-09 |
| JPH0573457B2 true JPH0573457B2 (ja) | 1993-10-14 |
Family
ID=15648386
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62157380A Granted JPS644240A (en) | 1987-06-24 | 1987-06-24 | Glycol dispersion of calcium carbonate |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS644240A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP7127833B2 (ja) * | 2016-11-10 | 2022-08-30 | 丸尾カルシウム株式会社 | 樹脂用炭酸カルシウム填料、及びそれを含有してなる樹脂組成物 |
-
1987
- 1987-06-24 JP JP62157380A patent/JPS644240A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS644240A (en) | 1989-01-09 |
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