JPH057430B2 - - Google Patents
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- JPH057430B2 JPH057430B2 JP57180388A JP18038882A JPH057430B2 JP H057430 B2 JPH057430 B2 JP H057430B2 JP 57180388 A JP57180388 A JP 57180388A JP 18038882 A JP18038882 A JP 18038882A JP H057430 B2 JPH057430 B2 JP H057430B2
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Description
本発明は、ハイストラクチヤーカーボンブラツ
クに関する。さらに詳しくは、本発明は極めて高
いストラクチヤーを有し、しかも、加えられる外
力の変化に対するストラクチヤーの機械的強度を
一定値以上に高めたことを特徴とするカーボンブ
ラツクに関するものである。 カーボンブラツクにおいては、比表面積(ない
しは粒子径)、ストラクチヤー、及び表面化学活
性の三つの基本特性が性能上の重要な要素である
ことは周知のことである。そのうち、ストラクチ
ヤーに関しては、カーボンブラツク製造時に粒子
同志が融合して形成された永続的ストラクチヤー
(アグリゲートとも呼ばれる)と、此のアグリゲ
ートがフアン・デル・ワールス−ロンドン力の如
き物理的力によつて結合され形成される一時的ス
トラクチヤーの両者の合計としてカーボンブラツ
クのストラクチヤーが存在することは良く知られ
ているところである。 カーボンブラツクのストラクチヤーを評価する
方法としてはカーボンブラツクの空隙を滴体で満
たす手段があり、通常DBP吸収量(以下A0と言
う)が用いられる。これは、カーボンブラツク
100gに対するジブチルフタレート(DBP)の吸
収量mlを算出するものであり、A0の値は永続的
ストラクチヤーと一時的ストラクチヤーを加え合
わせたカーボンブラツクのストラクチヤーの大小
を表わす数値とみなされる。 カーボンブラツクストラクチヤーの中の主に永
続的ストラクチヤーを評価する方法として、シリ
ンダー中に入れたカーボンブラツクを、ピストン
を用いて1687Kg/cm2(24000psi)で4回圧縮した
後のDBP吸収量(以下24M4DBP吸収量、A4と
言う)を測定する方法がある。 カーボンブラツクストラクチヤーの機械的強度
を評価するためのいくらかでも直接的な方法とし
ては、カーボンブラツクをボール・ミルで粉砕し
たり、シリンダー中のカーボンブラツクを圧力で
変化させて圧縮したりした後のDBP吸収量を測
定する方法が実験室的に行なわれている程度であ
り、いずれの方法も装置・操作の面で統一を欠い
ている。現在、カーボンブラツクストラクチヤー
強度の指標として、多くの場合A0とA4の“比”
ないしは“差”を用いるか、又は、二つの数値の
組合わせを以つてストラクチヤー強度を表現しよ
うとする事が通常行なわれているが、いずれの場
合にもA0とA4の二点の測定点で表示を試みてい
る事には変わりは無い。 本発明者らは、広汎な注意深い研究を進めた結
果、カーボンブラツク配合組成物が示す種々の特
性に対するカーボンブラツクストラクチヤーの機
械的強度の影響は、A0及びA4の二つの数値によ
つては説明づける事は困難であり、広範囲な機械
的外力変化に対するストラクチヤーの崩壊過程の
態様が重要であると言う知見を得た。すなわち、
ストラクチヤー強度の指標として、広い範囲の外
力変化に対するストラクチヤーの崩壊の難易を表
示するものでなければならず、只二点のストラク
チヤーの大小からストラクチヤー強度を類推する
ことは合理的意味を持つものではないと言う知見
を得た。 例えば、後述する様な配合例に於いて、同程度
のA0,A4であつても、ダイスウエルの如き押出
し特性は、24000paiで1回圧縮した後のカーボン
ブラツクのDBP吸収量と極めて高い相関を示し、
また、反発弾性・発熱特性などの動的性能は2〜
3回圧縮後のDBP吸収量と、さらに引張り、耐
摩耗性などの耐破壊特性は、その過酷さの程度に
より4回又はそれ以上の圧縮後のDBP吸収量と
夫々高い相関を示す事を見出したのである。 このことは、カーボンブラツク配合組成物の
種々の特性におけるカーボンブラツクストラクチ
ヤー強度の影響について広い外力範囲で検討する
必要があることを示すものであり、外力変化によ
るストラクチヤー崩壊の難易を以つてストラクチ
ヤー強度の指標とすることの妥当性が理解される
であろう。 本発明者らは、極めて高いストラクチヤーレベ
ルを有するカーボンブラツクにおいて、上述した
カーボンブラツクストラクチヤーの崩壊の難易を
ストラクチヤー強度指数(k)に転換表示すべく工夫
すると共に、この強度指数(k)を適性範囲内に保持
せしめたカーボンブラツクがゴム組成物について
極めて良好な性能を付与することを見出し、本発
明を完成させたものである。 本発明において、カーボンブラツクストラクチ
ヤーの強度指数(k)は24M4DBP吸収量測定法と同
じ装置を用い、同様な操作を施し、カーボンブラ
ツクの圧縮回数(i)を種々に変化させて、其の時の
DBP吸収量を夫々測定してAiを得、i=20(20回
圧縮)のときのDBP吸収量をA20として、統計的
に次式で近似することによつて得られる。 lnAi−A20/A0−A20=−k×i (1) 式(1)の中の係数kがカーボンブラツクストラク
チヤーの崩壊の難易を示すストラクチヤー強度指
数であり、このkの値の小さいことは、極めて大
きな外力が加わつたとき、例えば24000paiで20回
の圧縮処理を加えたときに破壊されるストラクチ
ヤーの総量に対して、比較的小さな外力、例えば
数回から十数回の圧縮処理を加えたときに破壊さ
れるストラクチヤーの比率が相対的に少ない事、
即ち、外力変化に対するストラクチヤーの機械的
強度の高いことを意味する。本発明にかかるカー
ボンブラツクは、このkの値が0.2〜0.35のカー
ボンブラツクに限定される。 A0が165〜210ml/100g、N2SAが60〜70m2/
gの特性を有するハイストラクチヤーカーボンブ
ラツクを、例えば通常のソフト級カーボンブラツ
ク製造装置の如き燃焼帯および反応帯がほぼ同一
内径の円筒形状の装置で特別な制御条件を付加せ
ずに製造した場合には、kの値は0.4を上回り、
通常は0.6程度の数値を示す。 さらに別な特性値を以つて検討対比するとつぎ
のことが認められる。即ち、次式(2)で得られる計
算24M4DBP吸収量(Ac) Ac=−0.59+0.229×(N2SA)+0.918× (A0)−2.045×10-3×(A0)2 ……(2) と実測された24M4DBP吸収量(A4)との差
(Ac−A4)(以下、ΔAと呼ぶ)はN2SA 40〜70
m2/gでA0が140ml/100g以下程度の通常カー
ボンブラツクでは−8〜8の範囲にあり、市販品
に限定すれば−6〜6の範囲にある。しかし、ス
トラクチヤー強度指数(k)の値の高い上述したカー
ボンブラツクに於いては、ΔAの値が通常カーボ
ンブラツクでの−6〜6の範囲にあつたとして
も、ストラクチヤーの機械的強度が低い理由によ
つて、全く別な有効用途を有する特性、例えば、
良好な押出し特性やすぐれた分散性を示すことは
認められるにしても、本発明のカーボンブラツク
が有するが如き良好な諸特性、即ち、後述する動
的特性と耐破壊性の整合性を発揮する事は出来な
い。 本発明のカーボンブラツクは、上述のΔA値に
ついての関係のみを注視すれば従来の市販カーボ
ンブラツクの関係値の範囲内に入つてくるが、そ
のストラクチヤーレベル(A0)が著しく高いこ
とおよび、それにもかかわらず、ストラクチヤー
強度が極めて高いことによつて種々良好な特性を
発揮するものである。 本発明のカーボンブラツクのN2SAの範囲は、
60m2/gを越えて70m2/g未満であり、分類上
は、FEFとHAFとの中間位置にあると言える。
これは、FEFとHAFの比較に於いて、一般的に
FEFは反発弾性、発熱性などの動的性能及び、
屈曲亀裂成長性等の疲労破壊性能にすぐれ、
HAFは引張り強度、引裂き強度、耐摩耗性等の
耐破壊性能にすぐれたカーボンブラツク配合組成
物を与える。 本発明によるカーボンブラツクをFEF及び
HAFとによる組成物と同一硬度となる様に配合
して得られる組成物は、FEF配合組成物と同程
度の動的特性を有し、しかも、耐破壊特性に於い
てはFEFのそれを著しく改善し、或る項目によ
つては、HAF配合組成物と同程度ないしはそれ
以上の耐破壊特性を示す。 本発明にかかるカーボンブラツクにおいて、60
〜70m2/gのN2SA以外に、必須の構成要件とし
てA0が165〜210ml/100gで且つ、ストラクチヤ
ー強度指数(k)が0.2〜0.35の範囲内にあることが
要求される。 カーボンブラツク配合組成物の動的特性は、一
般的にはカーボンブラツクの比表面積の小なる程
良好となるが、本発明のカーボンブラツクにおい
てN2SAが60m2/gを下回わる場合には、これを
配合したゴム組成物の引裂き強さや耐摩耗性が
FEFのそれに近似し、改善効果が認められぬ為
好ましくなく、また、70m2/gを上回わる場合に
は破壊強度が向上する反面、動的特性及び耐疲労
破壊特性がFEFのそれに比較して著しく低下す
る為60〜70m2/gに限定される。 また、FEF及びHAF配合ゴム組成物と同硬度
となるような配合系において、本発明カーボンブ
ラツクは配合量の著しい低減を可能とする。A0
が165ml/100gを下回わる場合にはカーボンブラ
ツク配合量の低減効果が減殺される。また、A0
が210ml/100gを上回わるストラクチヤーを有す
るカーボンブラツクを製造することは、オイルフ
アーネス法を用いる限り現在の技術レベルでは著
しく困難であり、例えばカーボンブラツクの比表
面積(ないしは粒子径)制御や、微細コークス混
入排除制御等が困難となるのみならず、製造装置
内のコークス堆積により長時間の安定運転が出来
なくなるなどの理由により、本発明におけるA0
の上限は210ml/100gに限定される。 ストラクチヤー強度指数kが0.35を上回わるよ
うなストラクチヤー強度の低いカーボンブラツク
を配合したゴム組成物においては、比較的外部応
力の小さな範囲での特性、例えば反発弾性、発熱
特性等の動的特性および、屈曲亀裂成長性等の疲
労破壊特性の低下が著しくなる。これは、ストラ
クチヤー強度が低い為に比較的小さな外部変形に
よつてもゴム組成物中に存在するカーボンブラツ
クのストラクチヤーの崩壊をもたらし、その外部
変形がくり返えされるような場合には、ストラク
チヤーの崩壊・再結合がくり返えされ、その過程
においていわゆるヒステリシス・ロスが過大とな
り、応力集中緩和効果を減殺することが原因とな
つて内部発熱永久歪み等をきたし、性能低下の原
因となるものと推察される。また逆に、kが0.2
を下回る非常に小さなk値のカーボンブラツクの
場合については、相対的なストラクチヤー強度は
極めて高いカーボンブラツクであると言えるが、
比較的小さな機械的外力を加えられたときに保持
されるストラクチヤー(例えば24M4DBP吸収
量)が同程度であるカーボンブラツクで、kの値
がより大きなカーボンブラツクと比較したとき、
非常に大きな外力を加えたときに保持されるスト
ラクチヤーは大巾に低下する。この様な理由か
ら、極めて過酷な条件での耐摩耗性や引張り強さ
等の性能は、kが0.2を下回わる値になると其の
性能低下が著しくなり、kの値は0.2を下限とす
る。 反発弾性・発熱特性等の動的特性、及び屈曲亀
裂成長性等の疲労破壊性は、カーボンブラツク配
合ゴム組成物に対して繰り返し加えられる外部変
形に関して、内部応力集中の緩和・平均化する事
によつて向上・改善される機構と、いわゆるヒス
テリシス・ロスの低減によつて向上、改善される
機構とが組み合わされているものと考えられる。
機械的強度の比較的小さなストラクチヤーの存在
割合の大きいカーボンブラツクを用いた組成物に
おいては、其の組成物に外部変形を与えたときス
トラクチヤーの一部崩壊を来たし、それによつて
局部的な内部応力集中を緩和、平均化して、動的
特性、耐疲労破壊性の向上に一部寄与する。しか
し、同時に外部変形の繰り返しの過程に於いて、
組成物中のカーボンブラツクストラクチヤーの崩
壊、再結合が繰り返され、いわゆるヒステリシ
ス・ロスも大きくなり、動的特性、耐疲労破壊性
の改善効果は制限される結果となる。従つて、本
発明によるカーボンブラツクの如く、充分な性能
向上・改善を達成するためには、広い範囲にわた
る外力の変化に対するカーボンブラツクストラク
チヤー強度を一定値以上に高めることが肝要なの
である。 本発明のカーボンブラツクにおいては、上述し
た三要件に加えて、窒素吸着比表面積(N2SA:
m2/g)沃素吸着量(IA:mg/g)との比IA/
N2SAを0.7〜0.9の範囲に限定保持せしめたカー
ボンブラツクが好ましく、さらにまた計算
24M4DBP吸収量(Acml/100g)と実測
24M4DBP吸収量(A4ml/100g)との差、ΔAを
−6〜6の範囲に限定し、上述の三要件に加え
て、あるいは三要件にIA/N2SA比の好適要件を
加えて保持せしめたカーボンブラツクが一層好ま
しい。 IA/N2SA比で示される値は、カーボンブラツ
ク表面の、多くの種類のゴム分子に対する化学的
活性度と関連すると考えられ、此の値が0.9を上
回ると引張り強さ、反発弾性等の性能低下と、発
熱、屈曲亀裂成長等の増大をもたらして好ましく
なく、0.9より小さい値の場合には、破壊強度、
動的特性、耐疲労破壊性能の向上に寄与するが、
0.7を下回る場合には、カーボンブラツク表面に
カーボンブラツク製造原料の未分解物質又は、副
反応生成物の多量付着をもたらし、カーボンブラ
ツク配合ゴム組成物の加硫工程における発泡現象
の原因となつたり、スコーチ時間の極端な短縮
や、加硫組成物の油状物質による汚染などの原因
となるばかりでなく後述の実施例において見られ
る如く引裂き強度の低下をもたらすので好ましく
ない。 ΔA値については、すでに説明したとおり、本
発明によるカーボンブラツクについて比較的小さ
な機械的外力の加えられたときに保持されている
ストラクチヤーの性状を示す値であるが、極めて
高いストラクチヤーレベルの本発明カーボンブラ
ツクが市販品のハイストラクチヤーカーボンブラ
ツクとストラクチヤーレベルの著しい相異にもか
かわらず、A0およびN2SAならびにΔAの関係に
おいて、同程度の延長線上の範囲にあることが好
ましく、こうした性質を保持せしめることによ
り、種々良好な特性が発揮し得るのである。 本発明によるカーボンブラツク、すなわち、60
〜70m2/gのN2SA、165〜210ml/100gのDBP
吸収量という特性範囲にあるカーボンブラツクで
あつて、ストラクチヤー強度指数が0.2〜0.35の
特定範囲のカーボンブラツクをゴムに配合するこ
とにより、HAFと同等またはそれ以上の引張り
強度、引裂き強度、耐摩耗性等の耐破壊性能を有
するゴム組成物でありながら、FEFと同等の反
発弾性、発熱性などの動的特性をもち、さらには
屈曲亀裂成長等の疲労破壊性能にも優れていると
いう極めて有用なゴム組成物を与えることができ
る。 すなわち、ゴムにおける補強性(耐破壊性能)
を上げると動的特性および疲労破壊性能は両立し
ないという二律背反を上述のような特性をもつ本
発明カーボンブラツクを用いることにより解決で
きるのである。 このようなゴム特性を与えるカーボンブラツク
としては上述の条件に加えIA/N2SAが0.7〜0.9、
ΔAが−6〜6という特性をもつカーボンブラツ
クがより好ましい。従つて、本発明によるカーボ
ンブラツクは上述した利点を発揮させることので
きる各種工業用ゴム部材、あるいはタイヤ用ゴム
組成物の補強充填剤として好適である。 本発明にかかるカーボンブラツクは、いわゆる
ベンチユリー部を備えたオイルフアーネスタイプ
の製造装置を用いて製造される。このような製造
装置としては、特開昭57−108163号公報(特許出
願人:旭カーボン株式会社)に記載されている装
置がそのまま利用できる。 上記のカーボンブラツク製造装置は、SAFな
いしHAF級のハード系カーボンブラツクの生産
に適したものである。 カーボンブラツクのストラクチヤーの生成過程
は、その製造炉の形状および操作方法により大き
く異なる。すなわち、ハード系カーボンブラツク
製造炉ではソフト系カーボンブラツク製造炉に比
べて炉径は小さくその炉内の流動速度は速やかで
あり、また急冷するまでの距離もずつと短くな
り、アグリゲート同士の物理的力による一時的ス
トラクチヤー形成の機会が少なくなる。 さらに、反応温度はソフト系の製造炉に比較し
て高い傾向にあり、これにともなつて生成した構
成粒子同士の融着数が流動速度の向上もあつて増
大し、アグリゲートへの成長の度合は大きくな
る。 これらの理由から、融着粒子によるアグリゲー
トの生成度合(永続的ストラクチヤー)は大き
く、物理的力による一時的ストラクチヤーの形成
機会は減少することになる。すなわち、同じ
DBP吸収量を示すカーボンブラツクであつても
ハード系の製造炉で生産したカーボンブラツクで
は機械的外力により崩壊しにくい永続的ストラク
チヤーの占める割合が大きいものが生成する。 これをまとめて示すと次のようになる。
クに関する。さらに詳しくは、本発明は極めて高
いストラクチヤーを有し、しかも、加えられる外
力の変化に対するストラクチヤーの機械的強度を
一定値以上に高めたことを特徴とするカーボンブ
ラツクに関するものである。 カーボンブラツクにおいては、比表面積(ない
しは粒子径)、ストラクチヤー、及び表面化学活
性の三つの基本特性が性能上の重要な要素である
ことは周知のことである。そのうち、ストラクチ
ヤーに関しては、カーボンブラツク製造時に粒子
同志が融合して形成された永続的ストラクチヤー
(アグリゲートとも呼ばれる)と、此のアグリゲ
ートがフアン・デル・ワールス−ロンドン力の如
き物理的力によつて結合され形成される一時的ス
トラクチヤーの両者の合計としてカーボンブラツ
クのストラクチヤーが存在することは良く知られ
ているところである。 カーボンブラツクのストラクチヤーを評価する
方法としてはカーボンブラツクの空隙を滴体で満
たす手段があり、通常DBP吸収量(以下A0と言
う)が用いられる。これは、カーボンブラツク
100gに対するジブチルフタレート(DBP)の吸
収量mlを算出するものであり、A0の値は永続的
ストラクチヤーと一時的ストラクチヤーを加え合
わせたカーボンブラツクのストラクチヤーの大小
を表わす数値とみなされる。 カーボンブラツクストラクチヤーの中の主に永
続的ストラクチヤーを評価する方法として、シリ
ンダー中に入れたカーボンブラツクを、ピストン
を用いて1687Kg/cm2(24000psi)で4回圧縮した
後のDBP吸収量(以下24M4DBP吸収量、A4と
言う)を測定する方法がある。 カーボンブラツクストラクチヤーの機械的強度
を評価するためのいくらかでも直接的な方法とし
ては、カーボンブラツクをボール・ミルで粉砕し
たり、シリンダー中のカーボンブラツクを圧力で
変化させて圧縮したりした後のDBP吸収量を測
定する方法が実験室的に行なわれている程度であ
り、いずれの方法も装置・操作の面で統一を欠い
ている。現在、カーボンブラツクストラクチヤー
強度の指標として、多くの場合A0とA4の“比”
ないしは“差”を用いるか、又は、二つの数値の
組合わせを以つてストラクチヤー強度を表現しよ
うとする事が通常行なわれているが、いずれの場
合にもA0とA4の二点の測定点で表示を試みてい
る事には変わりは無い。 本発明者らは、広汎な注意深い研究を進めた結
果、カーボンブラツク配合組成物が示す種々の特
性に対するカーボンブラツクストラクチヤーの機
械的強度の影響は、A0及びA4の二つの数値によ
つては説明づける事は困難であり、広範囲な機械
的外力変化に対するストラクチヤーの崩壊過程の
態様が重要であると言う知見を得た。すなわち、
ストラクチヤー強度の指標として、広い範囲の外
力変化に対するストラクチヤーの崩壊の難易を表
示するものでなければならず、只二点のストラク
チヤーの大小からストラクチヤー強度を類推する
ことは合理的意味を持つものではないと言う知見
を得た。 例えば、後述する様な配合例に於いて、同程度
のA0,A4であつても、ダイスウエルの如き押出
し特性は、24000paiで1回圧縮した後のカーボン
ブラツクのDBP吸収量と極めて高い相関を示し、
また、反発弾性・発熱特性などの動的性能は2〜
3回圧縮後のDBP吸収量と、さらに引張り、耐
摩耗性などの耐破壊特性は、その過酷さの程度に
より4回又はそれ以上の圧縮後のDBP吸収量と
夫々高い相関を示す事を見出したのである。 このことは、カーボンブラツク配合組成物の
種々の特性におけるカーボンブラツクストラクチ
ヤー強度の影響について広い外力範囲で検討する
必要があることを示すものであり、外力変化によ
るストラクチヤー崩壊の難易を以つてストラクチ
ヤー強度の指標とすることの妥当性が理解される
であろう。 本発明者らは、極めて高いストラクチヤーレベ
ルを有するカーボンブラツクにおいて、上述した
カーボンブラツクストラクチヤーの崩壊の難易を
ストラクチヤー強度指数(k)に転換表示すべく工夫
すると共に、この強度指数(k)を適性範囲内に保持
せしめたカーボンブラツクがゴム組成物について
極めて良好な性能を付与することを見出し、本発
明を完成させたものである。 本発明において、カーボンブラツクストラクチ
ヤーの強度指数(k)は24M4DBP吸収量測定法と同
じ装置を用い、同様な操作を施し、カーボンブラ
ツクの圧縮回数(i)を種々に変化させて、其の時の
DBP吸収量を夫々測定してAiを得、i=20(20回
圧縮)のときのDBP吸収量をA20として、統計的
に次式で近似することによつて得られる。 lnAi−A20/A0−A20=−k×i (1) 式(1)の中の係数kがカーボンブラツクストラク
チヤーの崩壊の難易を示すストラクチヤー強度指
数であり、このkの値の小さいことは、極めて大
きな外力が加わつたとき、例えば24000paiで20回
の圧縮処理を加えたときに破壊されるストラクチ
ヤーの総量に対して、比較的小さな外力、例えば
数回から十数回の圧縮処理を加えたときに破壊さ
れるストラクチヤーの比率が相対的に少ない事、
即ち、外力変化に対するストラクチヤーの機械的
強度の高いことを意味する。本発明にかかるカー
ボンブラツクは、このkの値が0.2〜0.35のカー
ボンブラツクに限定される。 A0が165〜210ml/100g、N2SAが60〜70m2/
gの特性を有するハイストラクチヤーカーボンブ
ラツクを、例えば通常のソフト級カーボンブラツ
ク製造装置の如き燃焼帯および反応帯がほぼ同一
内径の円筒形状の装置で特別な制御条件を付加せ
ずに製造した場合には、kの値は0.4を上回り、
通常は0.6程度の数値を示す。 さらに別な特性値を以つて検討対比するとつぎ
のことが認められる。即ち、次式(2)で得られる計
算24M4DBP吸収量(Ac) Ac=−0.59+0.229×(N2SA)+0.918× (A0)−2.045×10-3×(A0)2 ……(2) と実測された24M4DBP吸収量(A4)との差
(Ac−A4)(以下、ΔAと呼ぶ)はN2SA 40〜70
m2/gでA0が140ml/100g以下程度の通常カー
ボンブラツクでは−8〜8の範囲にあり、市販品
に限定すれば−6〜6の範囲にある。しかし、ス
トラクチヤー強度指数(k)の値の高い上述したカー
ボンブラツクに於いては、ΔAの値が通常カーボ
ンブラツクでの−6〜6の範囲にあつたとして
も、ストラクチヤーの機械的強度が低い理由によ
つて、全く別な有効用途を有する特性、例えば、
良好な押出し特性やすぐれた分散性を示すことは
認められるにしても、本発明のカーボンブラツク
が有するが如き良好な諸特性、即ち、後述する動
的特性と耐破壊性の整合性を発揮する事は出来な
い。 本発明のカーボンブラツクは、上述のΔA値に
ついての関係のみを注視すれば従来の市販カーボ
ンブラツクの関係値の範囲内に入つてくるが、そ
のストラクチヤーレベル(A0)が著しく高いこ
とおよび、それにもかかわらず、ストラクチヤー
強度が極めて高いことによつて種々良好な特性を
発揮するものである。 本発明のカーボンブラツクのN2SAの範囲は、
60m2/gを越えて70m2/g未満であり、分類上
は、FEFとHAFとの中間位置にあると言える。
これは、FEFとHAFの比較に於いて、一般的に
FEFは反発弾性、発熱性などの動的性能及び、
屈曲亀裂成長性等の疲労破壊性能にすぐれ、
HAFは引張り強度、引裂き強度、耐摩耗性等の
耐破壊性能にすぐれたカーボンブラツク配合組成
物を与える。 本発明によるカーボンブラツクをFEF及び
HAFとによる組成物と同一硬度となる様に配合
して得られる組成物は、FEF配合組成物と同程
度の動的特性を有し、しかも、耐破壊特性に於い
てはFEFのそれを著しく改善し、或る項目によ
つては、HAF配合組成物と同程度ないしはそれ
以上の耐破壊特性を示す。 本発明にかかるカーボンブラツクにおいて、60
〜70m2/gのN2SA以外に、必須の構成要件とし
てA0が165〜210ml/100gで且つ、ストラクチヤ
ー強度指数(k)が0.2〜0.35の範囲内にあることが
要求される。 カーボンブラツク配合組成物の動的特性は、一
般的にはカーボンブラツクの比表面積の小なる程
良好となるが、本発明のカーボンブラツクにおい
てN2SAが60m2/gを下回わる場合には、これを
配合したゴム組成物の引裂き強さや耐摩耗性が
FEFのそれに近似し、改善効果が認められぬ為
好ましくなく、また、70m2/gを上回わる場合に
は破壊強度が向上する反面、動的特性及び耐疲労
破壊特性がFEFのそれに比較して著しく低下す
る為60〜70m2/gに限定される。 また、FEF及びHAF配合ゴム組成物と同硬度
となるような配合系において、本発明カーボンブ
ラツクは配合量の著しい低減を可能とする。A0
が165ml/100gを下回わる場合にはカーボンブラ
ツク配合量の低減効果が減殺される。また、A0
が210ml/100gを上回わるストラクチヤーを有す
るカーボンブラツクを製造することは、オイルフ
アーネス法を用いる限り現在の技術レベルでは著
しく困難であり、例えばカーボンブラツクの比表
面積(ないしは粒子径)制御や、微細コークス混
入排除制御等が困難となるのみならず、製造装置
内のコークス堆積により長時間の安定運転が出来
なくなるなどの理由により、本発明におけるA0
の上限は210ml/100gに限定される。 ストラクチヤー強度指数kが0.35を上回わるよ
うなストラクチヤー強度の低いカーボンブラツク
を配合したゴム組成物においては、比較的外部応
力の小さな範囲での特性、例えば反発弾性、発熱
特性等の動的特性および、屈曲亀裂成長性等の疲
労破壊特性の低下が著しくなる。これは、ストラ
クチヤー強度が低い為に比較的小さな外部変形に
よつてもゴム組成物中に存在するカーボンブラツ
クのストラクチヤーの崩壊をもたらし、その外部
変形がくり返えされるような場合には、ストラク
チヤーの崩壊・再結合がくり返えされ、その過程
においていわゆるヒステリシス・ロスが過大とな
り、応力集中緩和効果を減殺することが原因とな
つて内部発熱永久歪み等をきたし、性能低下の原
因となるものと推察される。また逆に、kが0.2
を下回る非常に小さなk値のカーボンブラツクの
場合については、相対的なストラクチヤー強度は
極めて高いカーボンブラツクであると言えるが、
比較的小さな機械的外力を加えられたときに保持
されるストラクチヤー(例えば24M4DBP吸収
量)が同程度であるカーボンブラツクで、kの値
がより大きなカーボンブラツクと比較したとき、
非常に大きな外力を加えたときに保持されるスト
ラクチヤーは大巾に低下する。この様な理由か
ら、極めて過酷な条件での耐摩耗性や引張り強さ
等の性能は、kが0.2を下回わる値になると其の
性能低下が著しくなり、kの値は0.2を下限とす
る。 反発弾性・発熱特性等の動的特性、及び屈曲亀
裂成長性等の疲労破壊性は、カーボンブラツク配
合ゴム組成物に対して繰り返し加えられる外部変
形に関して、内部応力集中の緩和・平均化する事
によつて向上・改善される機構と、いわゆるヒス
テリシス・ロスの低減によつて向上、改善される
機構とが組み合わされているものと考えられる。
機械的強度の比較的小さなストラクチヤーの存在
割合の大きいカーボンブラツクを用いた組成物に
おいては、其の組成物に外部変形を与えたときス
トラクチヤーの一部崩壊を来たし、それによつて
局部的な内部応力集中を緩和、平均化して、動的
特性、耐疲労破壊性の向上に一部寄与する。しか
し、同時に外部変形の繰り返しの過程に於いて、
組成物中のカーボンブラツクストラクチヤーの崩
壊、再結合が繰り返され、いわゆるヒステリシ
ス・ロスも大きくなり、動的特性、耐疲労破壊性
の改善効果は制限される結果となる。従つて、本
発明によるカーボンブラツクの如く、充分な性能
向上・改善を達成するためには、広い範囲にわた
る外力の変化に対するカーボンブラツクストラク
チヤー強度を一定値以上に高めることが肝要なの
である。 本発明のカーボンブラツクにおいては、上述し
た三要件に加えて、窒素吸着比表面積(N2SA:
m2/g)沃素吸着量(IA:mg/g)との比IA/
N2SAを0.7〜0.9の範囲に限定保持せしめたカー
ボンブラツクが好ましく、さらにまた計算
24M4DBP吸収量(Acml/100g)と実測
24M4DBP吸収量(A4ml/100g)との差、ΔAを
−6〜6の範囲に限定し、上述の三要件に加え
て、あるいは三要件にIA/N2SA比の好適要件を
加えて保持せしめたカーボンブラツクが一層好ま
しい。 IA/N2SA比で示される値は、カーボンブラツ
ク表面の、多くの種類のゴム分子に対する化学的
活性度と関連すると考えられ、此の値が0.9を上
回ると引張り強さ、反発弾性等の性能低下と、発
熱、屈曲亀裂成長等の増大をもたらして好ましく
なく、0.9より小さい値の場合には、破壊強度、
動的特性、耐疲労破壊性能の向上に寄与するが、
0.7を下回る場合には、カーボンブラツク表面に
カーボンブラツク製造原料の未分解物質又は、副
反応生成物の多量付着をもたらし、カーボンブラ
ツク配合ゴム組成物の加硫工程における発泡現象
の原因となつたり、スコーチ時間の極端な短縮
や、加硫組成物の油状物質による汚染などの原因
となるばかりでなく後述の実施例において見られ
る如く引裂き強度の低下をもたらすので好ましく
ない。 ΔA値については、すでに説明したとおり、本
発明によるカーボンブラツクについて比較的小さ
な機械的外力の加えられたときに保持されている
ストラクチヤーの性状を示す値であるが、極めて
高いストラクチヤーレベルの本発明カーボンブラ
ツクが市販品のハイストラクチヤーカーボンブラ
ツクとストラクチヤーレベルの著しい相異にもか
かわらず、A0およびN2SAならびにΔAの関係に
おいて、同程度の延長線上の範囲にあることが好
ましく、こうした性質を保持せしめることによ
り、種々良好な特性が発揮し得るのである。 本発明によるカーボンブラツク、すなわち、60
〜70m2/gのN2SA、165〜210ml/100gのDBP
吸収量という特性範囲にあるカーボンブラツクで
あつて、ストラクチヤー強度指数が0.2〜0.35の
特定範囲のカーボンブラツクをゴムに配合するこ
とにより、HAFと同等またはそれ以上の引張り
強度、引裂き強度、耐摩耗性等の耐破壊性能を有
するゴム組成物でありながら、FEFと同等の反
発弾性、発熱性などの動的特性をもち、さらには
屈曲亀裂成長等の疲労破壊性能にも優れていると
いう極めて有用なゴム組成物を与えることができ
る。 すなわち、ゴムにおける補強性(耐破壊性能)
を上げると動的特性および疲労破壊性能は両立し
ないという二律背反を上述のような特性をもつ本
発明カーボンブラツクを用いることにより解決で
きるのである。 このようなゴム特性を与えるカーボンブラツク
としては上述の条件に加えIA/N2SAが0.7〜0.9、
ΔAが−6〜6という特性をもつカーボンブラツ
クがより好ましい。従つて、本発明によるカーボ
ンブラツクは上述した利点を発揮させることので
きる各種工業用ゴム部材、あるいはタイヤ用ゴム
組成物の補強充填剤として好適である。 本発明にかかるカーボンブラツクは、いわゆる
ベンチユリー部を備えたオイルフアーネスタイプ
の製造装置を用いて製造される。このような製造
装置としては、特開昭57−108163号公報(特許出
願人:旭カーボン株式会社)に記載されている装
置がそのまま利用できる。 上記のカーボンブラツク製造装置は、SAFな
いしHAF級のハード系カーボンブラツクの生産
に適したものである。 カーボンブラツクのストラクチヤーの生成過程
は、その製造炉の形状および操作方法により大き
く異なる。すなわち、ハード系カーボンブラツク
製造炉ではソフト系カーボンブラツク製造炉に比
べて炉径は小さくその炉内の流動速度は速やかで
あり、また急冷するまでの距離もずつと短くな
り、アグリゲート同士の物理的力による一時的ス
トラクチヤー形成の機会が少なくなる。 さらに、反応温度はソフト系の製造炉に比較し
て高い傾向にあり、これにともなつて生成した構
成粒子同士の融着数が流動速度の向上もあつて増
大し、アグリゲートへの成長の度合は大きくな
る。 これらの理由から、融着粒子によるアグリゲー
トの生成度合(永続的ストラクチヤー)は大き
く、物理的力による一時的ストラクチヤーの形成
機会は減少することになる。すなわち、同じ
DBP吸収量を示すカーボンブラツクであつても
ハード系の製造炉で生産したカーボンブラツクで
は機械的外力により崩壊しにくい永続的ストラク
チヤーの占める割合が大きいものが生成する。 これをまとめて示すと次のようになる。
【表】
形成
すなわち、横置された円筒形状の燃焼ガス充填
室と、前記充填室と共軸的に連結され且つ前記充
填室よりも直径の小さい円筒形状のカーボンブラ
ツク生成反応室と、前記充填室中心軸に保持され
た炭化水素原料導入噴霧用の原料導入装置と、前
記反応室末端部に共軸的に連結された反応継続兼
急速冷却室と、前記急速冷却室後端部に連結され
た煙道とからなる全体が耐火物で内張りされたカ
ーボンブラツク製造装置であつて、 (イ) 前記燃焼ガス充填室前半部分の接線方向位置
に中心軸を有する少なくとも1個の燃焼ガス導
入口を設け、ほぼ円筒形状の燃焼ガス発生室を
前記導入口に連結して燃料燃焼装置を前記燃焼
ガス発生室の中心軸位置に挿入保持せしめ、 (ロ) 前記燃焼ガス充填室と反応室との間にベンチ
ユリー部を設け、且つ前記充填室の上流端壁の
中心軸方向に原料導入装置を挿入−引抜き自在
に取付け、前記原料導入装置の外側壁に防熱冷
却用ジヤケツトを設け、当該原料導入装置の先
端部を前記燃焼ガス導入口の最後端の外周辺よ
り中心軸に引いた垂線よりも下流であつてベン
チユリー部入口よりも上流の位置に設置し、 (ハ) 前記原料導入装置を取付けた挿入口外周部壁
に前記燃焼ガス充填室内のガス流動層に対して
横断的に流通する少なくとも2個のガス圧入噴
出口を円周上において対称的に且つ等角度に設
け、 (ニ) 冷却水圧入噴霧器を前記反応継続兼急速冷却
室壁において、当該噴霧器の水噴霧部を前記室
内に対し挿入−引抜き自在に複数個設置した、 カーボンブラツク製造装置が利用される。 また、この製造装置(以下符号は前記特開昭57
−108163号公報の図面による)の反応継続兼急速
冷却室には、その側壁から同室内に貫通して冷却
水圧入噴霧器がほぼ等間隔をおいて9基(a,
b,c,d,e,f,g,h,i)が取付けられ
るようになつている。そして、反応室側からaお
よびb冷却水圧入噴霧器の取付けられる位置部分
は反応室と同直径とし、cおよびd噴霧器取付位
置部分は反応室直径よりも拡大(拡大空間部)し
て截頭円錐形状となし、そしてeおよびf噴霧器
取付位置部分は反応室直径よりも縮小(縮小空間
部)し、後のg〜i噴霧器取付位置部分は反応室
直径よりも若干大きい空間部となして煙道に連結
されている。 また、本発明にかかるカーボンブラツクの原料
油としてはBMCI値の高い石炭系あるいは石油系
原料油を利用するのが望ましい。そして、この製
造装置では、カーボンブラツクの主要な品質性能
がベンチユリーのスロート部以降出口迄の帯域で
主として形成されるが、その他の物理化学特性が
原料油噴霧位置から急速冷却位置迄の熱懸濁反応
帯の空間速度によつて形成される。 そして、特に上述した反応継続兼急速冷却室の
拡大縮小空間部が反応継続帯域として利用された
場合、すなわち、縮小空間部よりも下流位置にお
いて冷却水圧入噴霧器を作動するようにした場合
には、反応継続中のカーボンブラツクのストラク
チヤーの発達と強化を促進することに寄与し、本
発明にかかるカーボンブラツクの製造にとつて極
めて好適である。 以下実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明
する。 製造例 上述した特開昭57−108163号公報記載の構造の
ベンチユリー部を備えた製造装置を用い、本発明
にかかるカーボンブラツクおよび性能比較用カー
ボンブラツクを製造した。この製造装置の各構成
部の寸法を表−に示し、使用原料油の性状を表
−、製造装置の稼働条件を表−にとりまとめ
て示した。 表− 燃焼ガス充填室 内径……850mmφ 長さ……400mm 燃焼ガス導入口(対称的位置に2個) 内径……200mmφ 中心位置……燃焼ガス充填室の内周より 100mm ガス(空気)圧入噴出口 内径……100mmφ 4個 中心位置……燃焼ガス充填室の内周より 70mm ベンチユリー 入口長さ……100mm(円錐角:127度) スロート直径……300mmφ スロート長さ……150mm 出口長さ……170mm(円錐角:30度) 反応室 直径……400mmφ a噴霧器迄の長さ……350mm 反応継続兼急速冷却室 拡大空間部(c〜d噴霧器部分) 長直径……600mmφ 短直径……300mmφ 長 さ……500mm 縮小空間部(e〜f噴霧器部分) 直径……300mmφ 長さ……500mm a噴霧器からi噴霧器迄の距離……2150mm 燃焼ガス充填室の中心軸には防熱冷却用の水冷
ジヤケツトを装着した圧力噴霧式の原料導入装置
を挿入した。 燃焼ガス発生室には空気噴霧式の燃料(天然ガ
ス)燃焼装置を取付けた。
すなわち、横置された円筒形状の燃焼ガス充填
室と、前記充填室と共軸的に連結され且つ前記充
填室よりも直径の小さい円筒形状のカーボンブラ
ツク生成反応室と、前記充填室中心軸に保持され
た炭化水素原料導入噴霧用の原料導入装置と、前
記反応室末端部に共軸的に連結された反応継続兼
急速冷却室と、前記急速冷却室後端部に連結され
た煙道とからなる全体が耐火物で内張りされたカ
ーボンブラツク製造装置であつて、 (イ) 前記燃焼ガス充填室前半部分の接線方向位置
に中心軸を有する少なくとも1個の燃焼ガス導
入口を設け、ほぼ円筒形状の燃焼ガス発生室を
前記導入口に連結して燃料燃焼装置を前記燃焼
ガス発生室の中心軸位置に挿入保持せしめ、 (ロ) 前記燃焼ガス充填室と反応室との間にベンチ
ユリー部を設け、且つ前記充填室の上流端壁の
中心軸方向に原料導入装置を挿入−引抜き自在
に取付け、前記原料導入装置の外側壁に防熱冷
却用ジヤケツトを設け、当該原料導入装置の先
端部を前記燃焼ガス導入口の最後端の外周辺よ
り中心軸に引いた垂線よりも下流であつてベン
チユリー部入口よりも上流の位置に設置し、 (ハ) 前記原料導入装置を取付けた挿入口外周部壁
に前記燃焼ガス充填室内のガス流動層に対して
横断的に流通する少なくとも2個のガス圧入噴
出口を円周上において対称的に且つ等角度に設
け、 (ニ) 冷却水圧入噴霧器を前記反応継続兼急速冷却
室壁において、当該噴霧器の水噴霧部を前記室
内に対し挿入−引抜き自在に複数個設置した、 カーボンブラツク製造装置が利用される。 また、この製造装置(以下符号は前記特開昭57
−108163号公報の図面による)の反応継続兼急速
冷却室には、その側壁から同室内に貫通して冷却
水圧入噴霧器がほぼ等間隔をおいて9基(a,
b,c,d,e,f,g,h,i)が取付けられ
るようになつている。そして、反応室側からaお
よびb冷却水圧入噴霧器の取付けられる位置部分
は反応室と同直径とし、cおよびd噴霧器取付位
置部分は反応室直径よりも拡大(拡大空間部)し
て截頭円錐形状となし、そしてeおよびf噴霧器
取付位置部分は反応室直径よりも縮小(縮小空間
部)し、後のg〜i噴霧器取付位置部分は反応室
直径よりも若干大きい空間部となして煙道に連結
されている。 また、本発明にかかるカーボンブラツクの原料
油としてはBMCI値の高い石炭系あるいは石油系
原料油を利用するのが望ましい。そして、この製
造装置では、カーボンブラツクの主要な品質性能
がベンチユリーのスロート部以降出口迄の帯域で
主として形成されるが、その他の物理化学特性が
原料油噴霧位置から急速冷却位置迄の熱懸濁反応
帯の空間速度によつて形成される。 そして、特に上述した反応継続兼急速冷却室の
拡大縮小空間部が反応継続帯域として利用された
場合、すなわち、縮小空間部よりも下流位置にお
いて冷却水圧入噴霧器を作動するようにした場合
には、反応継続中のカーボンブラツクのストラク
チヤーの発達と強化を促進することに寄与し、本
発明にかかるカーボンブラツクの製造にとつて極
めて好適である。 以下実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明
する。 製造例 上述した特開昭57−108163号公報記載の構造の
ベンチユリー部を備えた製造装置を用い、本発明
にかかるカーボンブラツクおよび性能比較用カー
ボンブラツクを製造した。この製造装置の各構成
部の寸法を表−に示し、使用原料油の性状を表
−、製造装置の稼働条件を表−にとりまとめ
て示した。 表− 燃焼ガス充填室 内径……850mmφ 長さ……400mm 燃焼ガス導入口(対称的位置に2個) 内径……200mmφ 中心位置……燃焼ガス充填室の内周より 100mm ガス(空気)圧入噴出口 内径……100mmφ 4個 中心位置……燃焼ガス充填室の内周より 70mm ベンチユリー 入口長さ……100mm(円錐角:127度) スロート直径……300mmφ スロート長さ……150mm 出口長さ……170mm(円錐角:30度) 反応室 直径……400mmφ a噴霧器迄の長さ……350mm 反応継続兼急速冷却室 拡大空間部(c〜d噴霧器部分) 長直径……600mmφ 短直径……300mmφ 長 さ……500mm 縮小空間部(e〜f噴霧器部分) 直径……300mmφ 長さ……500mm a噴霧器からi噴霧器迄の距離……2150mm 燃焼ガス充填室の中心軸には防熱冷却用の水冷
ジヤケツトを装着した圧力噴霧式の原料導入装置
を挿入した。 燃焼ガス発生室には空気噴霧式の燃料(天然ガ
ス)燃焼装置を取付けた。
【表】
【表】
本発明によるカーボンブラツクの各性質は、す
でに一部は説明したが次のように測定される。 N2SA:ASTM D−3037に従つて窒素吸着から
測定され、m2/gで表現されるカーボンブラツ
クの比表面積を表わす。 DBP吸収量(A0):JIS−K6221により測定され
るカーボンブラツクのDBP吸収量を表わし、
カーボンブラツクのストラクチヤーを評価する
ものである。通常100g当りの吸収量、ml/100
gで表現される。 24M4DBP吸収量(A4):ASTM D−3493に従
い、試料カーボンブラツクをシリンダー中で
1687Kg/cm2(24000pai)の圧力で圧縮−ほぐし
を4回繰り返した後のDBP吸収量を測定する。 沃素吸着量(IA):JIS−K6221−1975「ゴム用カ
ーボンブラツク試験方法」に従い沃素のmg数を
測定する。 製造したカーボンブラツクの物理化学特性は、
表−にとりまとめて示した。 表−のRun No.1〜7のカーボンブラツクは
主要件の全部を満足している実施例であるが、No.
6とNo.7のみが望ましい要件であるIA/N2SAを
満足しない。 Run No.8およびNo.9は、実施例6とほぼ同等
のN2SAおよびDBP吸収量の2つの基本特性を有
しているが、No.8は本発明の要件であるストラク
チヤー強度指数kの値が下側に外れたもの、No.9
は逆にkの値が上側に外れたものである。さら
に、Run No.10およびNo.11は実施例Run No.3と
ほぼ同等の2基本特性をもつているが、No.10はk
が下側に外れ、No.11では上側に外れた比較例であ
る。 また、対比のためにFEF級カーボンブラツク
[商品名旭#60、旭カーボン(株)製]ならびにHAF
級カーボンブラツク[商品名旭#70、旭カーボン
(株)製]についても併記した。 ここで、対照例としてHAF〔High Abrasion
Furnace(高耐摩耗性)〕級カーボンブラツクと
FEF〔Fast Extruding Furnace(良押出性)〕級
カーボンブラツクを取り上げた理由は次の通りで
ある。 HAF級カーボンブラツクは、その高耐摩耗性
を生かして主にタイヤ用トレツド(接地面)や工
業用部材などに広く用いられているが、FEF級
カーボンブラツクと比較すると、反発弾性小、発
熱性大などの動的特性の低下、また作業性、加工
性が劣るという欠点を有しており、一般にこれら
の特性は二律背反事項とされてきたものである。 本発明が、HAF級カーボンブラツクと同等の
高耐摩耗性などの耐破壊特性を有するとともに、
FEF級カーボンブラツクの持つ低発熱性、耐疲
労破壊特性という特徴を同時に満足させることの
できるカーボンブラツクを提供できることを明ら
かにするためである。 性能評価試験 表−に示したカーボンブラツクの性能を評価
するために、表−に示した配合比をもつてゴム
組成物を調製し、さまざまな試験に供した。 表−は、ゴム100重量部に対し、FEFカーボ
ンブラツク50重量部配合物の硬さと同等となるよ
うに供試カーボンブラツクの配合量を変化した場
合の配合条件を示したものである。
でに一部は説明したが次のように測定される。 N2SA:ASTM D−3037に従つて窒素吸着から
測定され、m2/gで表現されるカーボンブラツ
クの比表面積を表わす。 DBP吸収量(A0):JIS−K6221により測定され
るカーボンブラツクのDBP吸収量を表わし、
カーボンブラツクのストラクチヤーを評価する
ものである。通常100g当りの吸収量、ml/100
gで表現される。 24M4DBP吸収量(A4):ASTM D−3493に従
い、試料カーボンブラツクをシリンダー中で
1687Kg/cm2(24000pai)の圧力で圧縮−ほぐし
を4回繰り返した後のDBP吸収量を測定する。 沃素吸着量(IA):JIS−K6221−1975「ゴム用カ
ーボンブラツク試験方法」に従い沃素のmg数を
測定する。 製造したカーボンブラツクの物理化学特性は、
表−にとりまとめて示した。 表−のRun No.1〜7のカーボンブラツクは
主要件の全部を満足している実施例であるが、No.
6とNo.7のみが望ましい要件であるIA/N2SAを
満足しない。 Run No.8およびNo.9は、実施例6とほぼ同等
のN2SAおよびDBP吸収量の2つの基本特性を有
しているが、No.8は本発明の要件であるストラク
チヤー強度指数kの値が下側に外れたもの、No.9
は逆にkの値が上側に外れたものである。さら
に、Run No.10およびNo.11は実施例Run No.3と
ほぼ同等の2基本特性をもつているが、No.10はk
が下側に外れ、No.11では上側に外れた比較例であ
る。 また、対比のためにFEF級カーボンブラツク
[商品名旭#60、旭カーボン(株)製]ならびにHAF
級カーボンブラツク[商品名旭#70、旭カーボン
(株)製]についても併記した。 ここで、対照例としてHAF〔High Abrasion
Furnace(高耐摩耗性)〕級カーボンブラツクと
FEF〔Fast Extruding Furnace(良押出性)〕級
カーボンブラツクを取り上げた理由は次の通りで
ある。 HAF級カーボンブラツクは、その高耐摩耗性
を生かして主にタイヤ用トレツド(接地面)や工
業用部材などに広く用いられているが、FEF級
カーボンブラツクと比較すると、反発弾性小、発
熱性大などの動的特性の低下、また作業性、加工
性が劣るという欠点を有しており、一般にこれら
の特性は二律背反事項とされてきたものである。 本発明が、HAF級カーボンブラツクと同等の
高耐摩耗性などの耐破壊特性を有するとともに、
FEF級カーボンブラツクの持つ低発熱性、耐疲
労破壊特性という特徴を同時に満足させることの
できるカーボンブラツクを提供できることを明ら
かにするためである。 性能評価試験 表−に示したカーボンブラツクの性能を評価
するために、表−に示した配合比をもつてゴム
組成物を調製し、さまざまな試験に供した。 表−は、ゴム100重量部に対し、FEFカーボ
ンブラツク50重量部配合物の硬さと同等となるよ
うに供試カーボンブラツクの配合量を変化した場
合の配合条件を示したものである。
【表】
【表】
表−
天然ゴム(RSS#1) 100部
カーボンブラツク 変種、変量
アロマテイツクオイル(軟化剤) 10
ステアリン酸(分散加硫助剤) 3
亜鉛華(加硫助剤) 5
硫 黄(加硫剤) 2.5
加硫促進剤 MBTS 0.6
老化防止剤 IPPD 1
1) FEFブラツク50重量部配合物と同一硬さ
となるように変量する。 2) 2,2′−ジベンゾチアジルジサルフアイド (2,2′−dibenzothiazyl disulfide) 3) N−イソプロピル−N′−フエニル−P−
フエニレンジアミン (N−isopropyl−N′−phenyl−P−
phenylenediamine) 各ゴム配合物の性能評価は、つぎのゴム特性試
験条件により測定評価した。 ゴム特性試験条件 配合物の加硫条件:145℃、30分 発熱試験 ASTM D.623−78 Standard Test Methods for Rubber Property−Hest Generation and Flexing Fatigue in Compression: Method A に準じて 測定した。 摩耗試験 ランボーン摩耗試験機を用い、スリツプ率60%
で測定し、耐摩耗性は次式で求めた。 耐摩耗指数=(S/T)×100(%) S:IRB No.5試験片の60%スリツプ時の容積
損失 T:供試試験片の60%スリツプ時の容積損失 その他のゴム特性:JIS K 6301 加硫ゴム物理試験方法に 準じて測定 各カーボンブラツクにおけるゴム特性について
は、表−にとりまとめて示した。
となるように変量する。 2) 2,2′−ジベンゾチアジルジサルフアイド (2,2′−dibenzothiazyl disulfide) 3) N−イソプロピル−N′−フエニル−P−
フエニレンジアミン (N−isopropyl−N′−phenyl−P−
phenylenediamine) 各ゴム配合物の性能評価は、つぎのゴム特性試
験条件により測定評価した。 ゴム特性試験条件 配合物の加硫条件:145℃、30分 発熱試験 ASTM D.623−78 Standard Test Methods for Rubber Property−Hest Generation and Flexing Fatigue in Compression: Method A に準じて 測定した。 摩耗試験 ランボーン摩耗試験機を用い、スリツプ率60%
で測定し、耐摩耗性は次式で求めた。 耐摩耗指数=(S/T)×100(%) S:IRB No.5試験片の60%スリツプ時の容積
損失 T:供試試験片の60%スリツプ時の容積損失 その他のゴム特性:JIS K 6301 加硫ゴム物理試験方法に 準じて測定 各カーボンブラツクにおけるゴム特性について
は、表−にとりまとめて示した。
【表】
【表】
表−示したゴム特性をもとに、本発明の優位
性・効果を説明する。 (イ) 引張り強さ:Run No.1〜6においては、
HAF級カーボンブラツクよりも比表面積が小
さいにもかかわらず、これと同等もしくはそれ
以上の数値となつており、高い補強性を有して
いることを示している。 Run No.7は、望ましい要件であるIA/N2
SAが上限を越えているために、この特性にお
いては若干の低下が認められるが、それでも
FEF級カーボンブラツクよりも優れた性能を
示している。 比較例8および9は、その基本特性である
N2SAとDBP吸収量が実施例6とほぼ同等であ
るが、ストラクチヤー強度指数kが比較例8は
下限を下回り、比較例9では上限を上回つたも
のであり、比較例9ではストラクチヤー強度指
数が大きいためにこの特性においては各実施例
の数値と大きな差はないが、比較例8では著し
く低下している。さらに、比較例10および11は
実施例3とほぼ同じ基本特性を有しているが、
同様にそれぞれkの値が下限側および上限側に
外れたものであり、上述したと同様の結果を示
している。 (ロ) 耐摩耗性:Run No.1〜7のいずれもFEF級
カーボンブラツクの耐摩耗性よりもはるかに優
れた性能を示しており、特にRun No.2,3,
5および7においてはHAF級カーボンブラツ
クと同等ないしはそれ以上の耐摩耗性を有して
いる。 また、比較例8および9と実施例6、ならび
に比較例10および11と実施例3とを比較する
と、上述の引張り強さの場合と同じように、ス
トラクチヤー強度指数kが大きい比較例9およ
び11においてはそれぞれ実施例6および3とほ
ぼ同等の数値を示すが、比較例8および10では
kが下限を下回つているために耐摩耗性の数値
は大きく低下している。 (ハ) 引裂き強さ:実施例のRun No.1〜7、比較
例のRun No.9および11においては良好な引裂
き強さを示し、いずれもFEF級カーボンブラ
ツクの数値を大きく上回つている。比較例の
Run No.9および11が高い数値となつているの
は、そのストラクチヤー強度指数kが大きいた
めと考えられる。これに対して、ストラクチヤ
ー強度指数が小さいRun No.8および10におい
ては、対照となる実施例6および3の数値より
も低下しており、FEF級カーボンブラツクよ
りもさらに低い数値となつている。 (ニ) 動的特性:実施例のRun No.1〜7は、反発
弾性、発熱および圧縮歪により示される動的特
性においてほぼFEF級カーボンブラツクと同
等の数値を示しているが、その中のRun No.7
ではIA/N2SAが望ましい要件を満たしていな
いので、ほぼ等しい2つの基本特性を持つRun
No.3と比較していずれの特性においても若干
の低下が見られる。 ストラクチヤー強度指数kが上限を外れた比
較例Run No.9および11においては、その2基
本特性がほぼ等しい実施例6および3と比較す
ると、両者とも反発弾性、発熱および圧縮歪の
いずれの特性も低下していることが認められ
る。 (ホ) 屈曲亀裂成長:実施例のRun No.1〜7にお
いて、屈曲亀裂成長はいずれもFEF級カーボ
ンブラツクとほぼ同等の数値を示しているが、
Run No.7ではIA/N2SAが望ましい要件を満
足していないために2基本特性がほぼ同等の
Run No.3に比較して低下が認められる。 ほぼ等しい2基本特性を持つ実施例6と比較
例9ならびに実施例3と比較例11とを比較する
と、いずれの場合においてもストラクチヤー強
度指数kの値が上限を越えているために比較例
の方でその性能の低下が認められる。 以上、総合すると、反発弾性、発熱及び圧縮歪
で示される動的特性をFEFのそれと同等に維持
し、且つ、引張り強さ、耐摩耗性及び引裂き強さ
で示される耐破壊性能と、屈曲亀裂成長で示され
る耐疲労破壊性能の二つの補強性能をFEFのそ
れに比較して著しく改善する為には、Run No.1
〜7の物理化学的特性値以内の範囲の値も満足し
なければならないことが理解される。 すなわち、Run No.1及び4を見ると、引裂き
強さ及び耐摩耗性の耐破壊特性がFEFに近似し、
改善効果が低下するおそれがあるので、N2SAは
60m2/g以上とすることが必要とされる。しか
し、Run No.2,5で見られる様に、N2SAが70
m2/gに達すると、反発弾性、発熱及び圧縮歪の
動的特性と、屈曲亀裂の耐疲労破壊特性がFEF
のそれを下回る可能性が高いため、70m2/gが
N2SAの上限とみなされる。 そして、比較例8および10においては、2つの
基本特性の他に満足すべき要件であるストラクチ
ヤー強度kの値が0.2を下回つているために、ほ
ぼ同じ2基本特性を有するそれぞれ実施例6およ
び実施例3と比較すると、反発弾性、発熱および
圧縮歪で示される動的特性や屈曲亀裂成長で示さ
れる耐疲労特性においてはほぼ満足すべき数値と
なつているが、引張り強さ、引裂き強さおよび耐
摩耗性で示される耐破壊性能では著しく低下して
いる。これに対して、本発明のストラクチヤー強
度の範囲を越えて大きい比較例9および11におい
ては、耐破壊性能では特性の向上が認められる
が、動的特性および耐疲労破壊特性では大きな低
下が認められる。 したがつて、動的特性と耐疲労破壊特性を同時
に満足させるゴム組成物を与えるためには、本発
明のカーボンブラツクのように2つの基本特性を
満たすばかりではなく、カーボンブラツクの有す
るストラクチヤーの性質、すなわちストラクチヤ
ー強度がある一定範囲の数値にあることが必須で
あることが理解される。 本発明カーボンブラツクの優位性を数値でまと
めると、たとえば実施例5はHAF級カーボンブ
ラツク(旭#70)と同値の耐摩耗指数92を有して
いるにも拘らず、反発弾性はHAFが56.5%であ
るのに対して63.6%とはるかにすぐれており、
FEFとほぼ匹敵する値を示し、また発熱でも
HAFが24.4℃であるのに対して20.3℃であり、
FEFのそれに近い値を示している。 さらに、実施例4では、その動的特性はFEF
と比べても優るとも劣らないものであるが、その
耐摩耗指数は86を示しており、FEFの70よりも
はるかに高い数値となつている。 このように、本発明により提供されるカーボン
ブラツクはHAF級とFEF級のカーボンブラツク
の両者の特徴を同時に満たすことができるので、
高い耐摩耗性と動的特性を要求されるタイヤ用お
よび各種ゴム工業用品、特に連続的に使用される
製品に対して非常に有用である。
性・効果を説明する。 (イ) 引張り強さ:Run No.1〜6においては、
HAF級カーボンブラツクよりも比表面積が小
さいにもかかわらず、これと同等もしくはそれ
以上の数値となつており、高い補強性を有して
いることを示している。 Run No.7は、望ましい要件であるIA/N2
SAが上限を越えているために、この特性にお
いては若干の低下が認められるが、それでも
FEF級カーボンブラツクよりも優れた性能を
示している。 比較例8および9は、その基本特性である
N2SAとDBP吸収量が実施例6とほぼ同等であ
るが、ストラクチヤー強度指数kが比較例8は
下限を下回り、比較例9では上限を上回つたも
のであり、比較例9ではストラクチヤー強度指
数が大きいためにこの特性においては各実施例
の数値と大きな差はないが、比較例8では著し
く低下している。さらに、比較例10および11は
実施例3とほぼ同じ基本特性を有しているが、
同様にそれぞれkの値が下限側および上限側に
外れたものであり、上述したと同様の結果を示
している。 (ロ) 耐摩耗性:Run No.1〜7のいずれもFEF級
カーボンブラツクの耐摩耗性よりもはるかに優
れた性能を示しており、特にRun No.2,3,
5および7においてはHAF級カーボンブラツ
クと同等ないしはそれ以上の耐摩耗性を有して
いる。 また、比較例8および9と実施例6、ならび
に比較例10および11と実施例3とを比較する
と、上述の引張り強さの場合と同じように、ス
トラクチヤー強度指数kが大きい比較例9およ
び11においてはそれぞれ実施例6および3とほ
ぼ同等の数値を示すが、比較例8および10では
kが下限を下回つているために耐摩耗性の数値
は大きく低下している。 (ハ) 引裂き強さ:実施例のRun No.1〜7、比較
例のRun No.9および11においては良好な引裂
き強さを示し、いずれもFEF級カーボンブラ
ツクの数値を大きく上回つている。比較例の
Run No.9および11が高い数値となつているの
は、そのストラクチヤー強度指数kが大きいた
めと考えられる。これに対して、ストラクチヤ
ー強度指数が小さいRun No.8および10におい
ては、対照となる実施例6および3の数値より
も低下しており、FEF級カーボンブラツクよ
りもさらに低い数値となつている。 (ニ) 動的特性:実施例のRun No.1〜7は、反発
弾性、発熱および圧縮歪により示される動的特
性においてほぼFEF級カーボンブラツクと同
等の数値を示しているが、その中のRun No.7
ではIA/N2SAが望ましい要件を満たしていな
いので、ほぼ等しい2つの基本特性を持つRun
No.3と比較していずれの特性においても若干
の低下が見られる。 ストラクチヤー強度指数kが上限を外れた比
較例Run No.9および11においては、その2基
本特性がほぼ等しい実施例6および3と比較す
ると、両者とも反発弾性、発熱および圧縮歪の
いずれの特性も低下していることが認められ
る。 (ホ) 屈曲亀裂成長:実施例のRun No.1〜7にお
いて、屈曲亀裂成長はいずれもFEF級カーボ
ンブラツクとほぼ同等の数値を示しているが、
Run No.7ではIA/N2SAが望ましい要件を満
足していないために2基本特性がほぼ同等の
Run No.3に比較して低下が認められる。 ほぼ等しい2基本特性を持つ実施例6と比較
例9ならびに実施例3と比較例11とを比較する
と、いずれの場合においてもストラクチヤー強
度指数kの値が上限を越えているために比較例
の方でその性能の低下が認められる。 以上、総合すると、反発弾性、発熱及び圧縮歪
で示される動的特性をFEFのそれと同等に維持
し、且つ、引張り強さ、耐摩耗性及び引裂き強さ
で示される耐破壊性能と、屈曲亀裂成長で示され
る耐疲労破壊性能の二つの補強性能をFEFのそ
れに比較して著しく改善する為には、Run No.1
〜7の物理化学的特性値以内の範囲の値も満足し
なければならないことが理解される。 すなわち、Run No.1及び4を見ると、引裂き
強さ及び耐摩耗性の耐破壊特性がFEFに近似し、
改善効果が低下するおそれがあるので、N2SAは
60m2/g以上とすることが必要とされる。しか
し、Run No.2,5で見られる様に、N2SAが70
m2/gに達すると、反発弾性、発熱及び圧縮歪の
動的特性と、屈曲亀裂の耐疲労破壊特性がFEF
のそれを下回る可能性が高いため、70m2/gが
N2SAの上限とみなされる。 そして、比較例8および10においては、2つの
基本特性の他に満足すべき要件であるストラクチ
ヤー強度kの値が0.2を下回つているために、ほ
ぼ同じ2基本特性を有するそれぞれ実施例6およ
び実施例3と比較すると、反発弾性、発熱および
圧縮歪で示される動的特性や屈曲亀裂成長で示さ
れる耐疲労特性においてはほぼ満足すべき数値と
なつているが、引張り強さ、引裂き強さおよび耐
摩耗性で示される耐破壊性能では著しく低下して
いる。これに対して、本発明のストラクチヤー強
度の範囲を越えて大きい比較例9および11におい
ては、耐破壊性能では特性の向上が認められる
が、動的特性および耐疲労破壊特性では大きな低
下が認められる。 したがつて、動的特性と耐疲労破壊特性を同時
に満足させるゴム組成物を与えるためには、本発
明のカーボンブラツクのように2つの基本特性を
満たすばかりではなく、カーボンブラツクの有す
るストラクチヤーの性質、すなわちストラクチヤ
ー強度がある一定範囲の数値にあることが必須で
あることが理解される。 本発明カーボンブラツクの優位性を数値でまと
めると、たとえば実施例5はHAF級カーボンブ
ラツク(旭#70)と同値の耐摩耗指数92を有して
いるにも拘らず、反発弾性はHAFが56.5%であ
るのに対して63.6%とはるかにすぐれており、
FEFとほぼ匹敵する値を示し、また発熱でも
HAFが24.4℃であるのに対して20.3℃であり、
FEFのそれに近い値を示している。 さらに、実施例4では、その動的特性はFEF
と比べても優るとも劣らないものであるが、その
耐摩耗指数は86を示しており、FEFの70よりも
はるかに高い数値となつている。 このように、本発明により提供されるカーボン
ブラツクはHAF級とFEF級のカーボンブラツク
の両者の特徴を同時に満たすことができるので、
高い耐摩耗性と動的特性を要求されるタイヤ用お
よび各種ゴム工業用品、特に連続的に使用される
製品に対して非常に有用である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 窒素吸着比表面積(N2SA)が60m2/gを越
え70m2/g未満、ジブチルフタレート(DBP)
吸収量(A0)が165〜210ml/100gであり、次式
(1)で算出されるストラクチヤー強度指数(k)が0.2
〜0.35の範囲にあるハイストラクチヤーカーボン
ブラツク、 lnAi−A20/A0−A20=−k×i (1) ここで i:圧縮回数 Ai:i回圧縮時のDBP吸収量 A20:20回圧縮時のDBP吸収量。 2 窒素吸着比表面積(N2SA)に対する沃素吸
着量〔IA(mg/g)〕の比IA/N2SAが0.7〜0.9の
範囲内にある特許請求の範囲第1項記載のハイス
トラクチヤーカーボンブラツク。 3 次式で算出される計算24M4DBP吸収量
(Acml/100g);Ac=−0.59+0.229×(N2SA)+
0.918×(A0)−2.045×10-3×(A0)2と、実測され
た24M4DBP吸収量(A4ml/100g)との差(Ac
−A4)が−6〜6の範囲にある特許請求の範囲
第1項乃至第2項記載のハイストラクチヤーカー
ボンブラツク。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18038882A JPS5971367A (ja) | 1982-10-14 | 1982-10-14 | ハイストラクチヤ−カ−ボンブラツク |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18038882A JPS5971367A (ja) | 1982-10-14 | 1982-10-14 | ハイストラクチヤ−カ−ボンブラツク |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5971367A JPS5971367A (ja) | 1984-04-23 |
| JPH057430B2 true JPH057430B2 (ja) | 1993-01-28 |
Family
ID=16082356
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18038882A Granted JPS5971367A (ja) | 1982-10-14 | 1982-10-14 | ハイストラクチヤ−カ−ボンブラツク |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5971367A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0832804B2 (ja) * | 1987-02-24 | 1996-03-29 | 横浜ゴム株式会社 | ゴム組成物 |
| JP2889326B2 (ja) * | 1989-09-14 | 1999-05-10 | 昭和キャボット株式会社 | カーボンブラック及びゴム組成物 |
| JP4102143B2 (ja) * | 2002-09-11 | 2008-06-18 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Family Cites Families (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US3952087A (en) * | 1974-09-13 | 1976-04-20 | Cabot Corporation | Production of high structure carbon blacks |
| JPS5285995A (en) * | 1976-01-07 | 1977-07-16 | Continental Carbon Co | Carbon black |
| IT1126064B (it) * | 1979-06-11 | 1986-05-14 | Cities Service Co | Nerofumo per batterie a secco |
| IT1130211B (it) * | 1979-06-27 | 1986-06-11 | Cities Service Co | Procedimento per la produzione di carbon black (nerofumo) per pile a secco |
| JPS5846259B2 (ja) * | 1980-12-02 | 1983-10-15 | 東海カ−ボン株式会社 | タイヤゴム配合用カ−ボンブラツク |
| JPS591572A (ja) * | 1982-06-25 | 1984-01-06 | Asahi Carbon Kk | ハイストラクチヤ−カ−ボンブラツク |
-
1982
- 1982-10-14 JP JP18038882A patent/JPS5971367A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5971367A (ja) | 1984-04-23 |
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