JPH0576347A - アスタキサンチン産生酵母細胞 - Google Patents
アスタキサンチン産生酵母細胞Info
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- JPH0576347A JPH0576347A JP3203341A JP20334191A JPH0576347A JP H0576347 A JPH0576347 A JP H0576347A JP 3203341 A JP3203341 A JP 3203341A JP 20334191 A JP20334191 A JP 20334191A JP H0576347 A JPH0576347 A JP H0576347A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、高濃度のアスタキサンチン産生能
を有する酵母細胞に関する。 【構成】 本発明の酵母細胞を得るための好ましいルー
トは、EMS及び/又はNTGを用いてのファフィア・
ロドジマの突然変異体である。
を有する酵母細胞に関する。 【構成】 本発明の酵母細胞を得るための好ましいルー
トは、EMS及び/又はNTGを用いてのファフィア・
ロドジマの突然変異体である。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多量のアスタキサンチ
ンを産生できる酵母細胞、前記酵母細胞からアスタキサ
ンチンを抽出する方法及び、前記酵母細胞を乾燥し、保
存しそして濃縮する方法に関する。 【0002】 【従来技術】天然産のサケ及びマスの赤い皮膚及び肉の
色は、前記魚に色素として通常存在するカロチノイド、
主として、アスタキサンチンによるものである。天然に
おいては、サケは、餌の海産有機体生物によりカロチノ
イド色素が与えられる。 【0003】養魚場又は孵化場で育てた魚は、餌による
アスタキサンチンがないために、一般に青白く、天然環
境で育った魚の皮膚や肉の色の特徴を有さない。アスタ
キサンチンは他の機能を有していると一部では考えられ
ているが、食物の色は、しばしばその品質の標識となる
ので、たとえ養魚場で育てた青白い魚が、天然環境で育
った魚と栄養的に同一であっても、消費者は天然の着色
を有する魚を非常に好む。アスタキサンチン又はその前
駆物質が、焼いたサケの特有の風味に寄与するという証
拠がある。 【0004】合成したアスタキサンチン及びその類似物
質を与えると、サケの色が改良されることが知られてい
る。しかし、食品中の合成着色剤よりも天然の着色物質
を使用することを好む消費者が増加している。合成のア
スタキサンチンを用いることは又、法律的制限を受ける
場合がある。 【0005】ファフィア属のある種の酵母は少量のアス
タキサンチンを産生することが知られている。文献に、
多量のアスタキサンチンを産生すると述べられている天
然の酵母の自然生成突然変異体について記載されてい
る。知る限りにおいて、培養物の寄託機関に寄託された
最も良い酵母菌株は、PCT国際特許出願番号88/0802
5 号[ダニスコ(Danisco )]の実施例6に記載された
試験法によれば、酵母乾燥体1g当り880 マイクログラ
ムのアスタキサンチンを産生できると前記実施例に記載
されたCBS 215-88 である。アスタキサンチン産生酵
母の餌を魚に与えることを実用的にするため、そして、
価格上の理由のために酵母を多量食べさせないようにす
るために、餌におけるアスタキサンチンの量を増加させ
る必要があり、従って、アスタキサンチンをさらにより
多量に産生することができる酵母菌株は価値を有する。
さらにより多量のアスタキサンチン産生能を有する突然
変異酵母菌株についての報告は、適切な開示によっては
又は寄託機関への寄託によってはなされていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、酵母乾
燥体1g当り1000マイクログラム以上のアスタキサンチ
ンを産生できる酵母菌株を見出だした。そのような菌株
は、とくに速い成育速度を示す。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、特定の
試験条件にしたときに酵母乾燥体1g当り1000マイクロ
グラム以上のアスタキサンチン産生能を有する酵母細胞
を供給する。 【0008】アスタキサンチン産生能のレベルを測定す
る試験は下記の通りである。 【0009】試験される酵母細胞を最初にYMブイヨン
[ディフコ(Difco )0711-01 ]において21℃で60時
間、30ミリモル/リットル/時間の酸素移送速度(oxyg
en transfer rate)から成る条件下で成育させる。培養
基を50mg入れた 500ml容のそらせ板付き振盪フラスコを
用いた。35mmの軌道(orbit )及び160 回/分を有する
軌道振盪機(orbital shaker)でそのフラスコを振盪さ
せる。ノボジム(NovoZym )234 [ノボ・ノルディスク
社(デンマーク)製]を用いて細胞壁を破断する。アス
タキサンチンをクロロホルム溶媒中に取り出す。このと
き、すべての前記色素を抽出するのに十分な量の溶媒を
用いる。一般的な量は、溶媒10ml当り1gの産生物濃度
である。その溶液をHPLC分析にかける。標準物質と
して、5%のトランスアスタキサンチンを有するとされ
ている「カロフィル・ピンク(Carophyll Pink)5%」
(ホフマン・ラ・ロッシュ社製)を用いる。その試料の
489nmでの主ピークを標準物質の主ピークと比較する。
5%以外の量でアスタキサンチンを含有する標準物質を
用いるときは、適切な修正を行わなければ成らない。 【0010】前記試験条件下で1100マイクログラム/g
を産生する酵母菌株が好ましく、1400マイクログラム/
g以上を産生する酵母菌株が最も好ましい。このような
量を産生する酵母菌株を魚の餌に用いることは商業的に
有利である。 【0011】本発明者らは又、前記試験条件下で1000マ
イクログラム/g以上のアスタキサンチンを産生するこ
とができる変異体を産生する方法を見出だした。 【0012】従って、本発明の第二の面は、ファフィァ
・ロドジマを、突然変異生成物質としてDNAに遺伝的
損傷をもたらすことができる物質を用いて1つ以上の工
程突然変異生成を行うことを包含する、発明の第一の面
による酵母菌株を産生する方法を供給することである。
そのような突然変異生成物質は、紫外線、エチルメタン
スルホネート(EMS)又はN−メチル−N−ニトロ−
N−ニトロソグアニジン(NTG)である。 【0013】突然変異生成は1つ以上の工程で行われ
る。60%以上を殺すのに十分な量の好ましくは90%以上
の細胞を殺すのに十分な量で前記突然変異生成物質で細
胞を処理した後、酵母は、成育、例えばYEPD[1%
/2%/2%の酵母抽出物/バクトペプトン/デキスト
ロース]のような栄養分に富んだ培地での成育により、
再生し突然変異体を発現する。このような技術の成功、
特に安定な突然変異体、すなわち復帰頻度が低い突然変
異体の生成における技術の成功は驚くべきことである。 【0014】この工程を行うのに可能な特定の方法は、
第一の工程でEMSを用い、その産生物にNTGでの第
二の突然変異生成工程を行うものである。ファフィア・
ロドジマをアンチマイシンA、オリゴマイシン、バリノ
マイシン又はロテノンのような、電子移送鎖を阻止する
ことが知られている抗生物質の存在下で培養することに
より前記第一の工程が置き換えられるが、この置き換え
により安定な物質は産生されないことがわかっている。 【0015】EMS突然変異生成は、 6.5乃至 7.5のP
Hで緩衝培地、好ましくは燐酸緩衝液中で行うことがで
きる。EMSは2%乃至8%の濃度で添加される。処理
時間は5乃至30分である。静止及び洗浄後、抗生物質及
び他の突然変異生成を阻止する物質を含有するYM寒天
プレート上で突然変異細胞を培養する。 【0016】NTG突然変異生成は、5乃至 7.5のpH
の緩衝培地中で、好ましくは緩衝液としてクエン酸ナト
リウムを用いて行う。NTGを0.002 乃至 0.006%の濃
度にするように添加する。NTGを添加する便利な方法
は、クエン酸ナトリウム溶液の形で添加することであ
る。混合及び20乃至30分間のインキュベーション後、ろ
液を捨て、好ましくは7.0での燐酸カリウム緩衝液中で
細胞を洗浄する。得られた酵母菌株をYM培地で成育さ
せ、その後にYEPD寒天のような富養培地で培養す
る。 【0017】突然変異生成の後に、スクリーニング技術
によって、有用な変異菌株を特定することができる。次
にその酵母をYEPD寒天で培養し、独立コロニーを形
成させた。20乃至25℃で5日間の成育の後、コロニーの
色を評価することができ、対照の野生型酵母培養物より
高度に着色しているとみられるものをYEPD寒天上で
独立コロニーに継代培養する。 【0018】突然変異酵母の安定性を液体培地中での反
復継代培養により評価し得る。独立コロニーを用いてY
EPDブイヨンの7ml管に接種し、その後、この培地を
振盪しながら20乃至25℃で3日間インキュベーションす
る。その後に、0.1ml の試料を用いて次の液体培地に接
種する。この液体培地も又3日間成育する。この工程の
間中、時々、試料を採り、YEPD上で培養し、個体群
中の、より濃く着色したコロニーの個体数を数える。3
継代培養の後に、90%より多くの、より高度に着色され
たコロニーを生じる酵母は、あまりに不安定で産業的に
有用でないと考えられる。 【0019】本発明の酵母菌株は、通常の方法で保存さ
れる。例えば、その菌株を、10g/リットルのデキスト
ロース、3g/リットルの酵母抽出物、5g/リットル
の細菌性ペプトン及び20g/lの寒天を含有するYM寒
天傾斜培地に維持する。この方法での保存は+4℃で1
か月まで可能である。この菌株は又、凍結乾燥され得
る。 【0020】より長期の保存は、10容量%のジメチルス
ルホキシドを含有するYM培地ブイヨン中で−196 ℃で
の液体窒素中において可能である。 【0021】酵母菌株の発酵は、初期培養工程、種子培
養工程(seed culture stage)、種子発酵工程及び産生
物発酵工程を有する通常の方法で行う。発酵工程は、ジ
メチルポリシロキサンのような消泡剤を含有させること
が必要である。酵母菌株の正しいスクリーニングは、産
生のスケールアップをより成功させることを意味する。 【0022】アスタキサンチンを遊離させるために、細
胞を破断するのが好ましい。従来から用いられている、
KDL−スペシャル・ダイノミル(KDL-Special Dynomi
ll)の如き通常のビード・ミルのような物理的方法を用
いてこの破断を行うことができる。自己分解及び化学的
方法も又用いることができる。酵素的方法を用いるのが
好ましい。 【0023】本発明の第三の面によれば、アルファ−1,
3 −グルカナーゼ、ベーター− 1,3−グルカナーゼ、ラ
ミナリナーゼ、キシラナーゼ、キチナーゼ、プロテアー
ゼ及びそれらの混合物から選ばれる酵素を用いる処理に
より細胞壁を破断することにより酵母細胞からアスタキ
サンチンを抽出する方法が供給される。これらの酵素を
組み合わせたものは、例えばノボ・ノルディスク社(No
vo Nordisk A/s )製のノボジム(Novozym 234 )のよ
うに市販されている。細胞破断工程を行うために、 4.0
乃至 6.0のpHを用いて、1つ又は複数の選ばれた酵素
の緩衝溶液を調製する。酵素の活性によって、細胞の乾
燥重量 100mg当りノボジム 234の 2.5乃至10mgの濃度当
量が適している。 【0024】細胞を酵素/緩衝溶液中、30乃至50℃の温
度で1乃至3時間インキュベーションする。時々攪拌す
るのが好ましい。 【0025】破断細胞を、噴霧乾燥、流動層乾燥、凍結
乾燥又はローラーコンベヤー乾燥のような常法により乾
燥し、乾燥の前に任意に物理的濃縮を行う。乾燥の補助
工程を加えることができる。液体の濾過は、溶液中に死
酵母物質を残し、この物質は、動物の飼料又は食物風味
物質のような他の目的に用いることができる。 【0026】破断された細胞から所望の色素を溶媒を用
いて抽出し得る。炭化水素、エステル、ケトン及び植物
油などを包含する多くの溶媒が適している。ヘキサン、
シクロヘキサン、酢酸ブチル、酢酸エチル、イソプロピ
ルアルコール、エタノール、アセトン、メチルエチルケ
トン、パーム油又はココナツ油のような食物として認容
された溶媒が好ましい。クロロホルム及びジクロロメタ
ンも又、用いることができる。そのような溶媒を、好ま
しくは乾燥した破断細胞に添加することにより抽出を行
い、その後に混合する。遠心分離により分離し、溶媒層
を除去する。色素が細胞の塊体中に残存せず、溶媒が透
明になるまで抽出を繰り返す。 【0027】いくらかの酵母細胞壁物質を取り出し、死
滅させ、その後に物理的分離を行うことによって、それ
に結合した比較的高含量のアスタキサンチンを有する酵
母細胞壁物質を得ることによりアスタキサンチンの濃度
は増加する。 【0028】細胞壁を破断する間又は破断後、酸化又は
熱に対して不安定な、酵母細胞及び細胞破片中の色素を
安定にするのが望ましい。細胞の破断方法が用いられる
いずれかの方法に従って、ビード・ミル又は酵素溶液に
酸化防止剤を直接添加するのが有効である。酸素掃去
剤、遊離基掃去剤、キレート化剤及び金属イオン封鎖剤
が用いられ得る。酸化防止剤は油溶性のものが好ましく
水性エマルジョンの形で用いられる。好ましい酸化防止
剤はデルタ−トコフェロールである。その他の例として
は、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT
(ブチルヒドロキシトルエン)、ビタミンE又はアスコ
ルビン酸が挙げられる。 【0029】色素を、例えば魚のえさとして、水性相に
入れるときに分解しないように、適切な包封又は供給シ
ステム内に色素を入れることが望ましい。そのような方
法は又、魚の食物系への色素の取り込み及び移動を改良
するためにそして、要求される組織へ取り込まれる間、
早期に破壊されてしまうのを防ぐのに役立つ。このため
に、安定化された色素を包封するか又はゲル化澱粉(ge
latinized starch)と凝集させ得る。そのような包封物
は好ましくは1mm未満、より好ましくは0.01mmの大きさ
を有する。理想的には、その包封物は一般的には大きな
表面積を有する球状であり、不溶であるが消化できる
(例えばpHに感受性を有する包封化物質によって)。 【0030】本発明の酵母菌株由来のアスタキサンチン
は、魚のえさにおいて用いる他に、動物の飼料、特に家
禽の飼料、又は食用油、バター、マーガリン、ショート
ニング、マヨネーズ、パテ、スープ、スナック菓子、デ
ザート、アイスクリーム、パン菓子、飲料、日焼け補助
剤及び口紅等の人間が消費する食物、化粧品及び健康用
物質における色素として用いられる。下記の実施例によ
って本発明を例示する。 【0031】 【実施例】実施例1及び実施例2 公知の酵母、ファフィア・ロドジマ、ATCC 24202の
試料を下記のように2工程突然変異生成させる。 【0032】細胞(0.3mg /ml)を、燐酸緩衝液(pH
7.0)を含有する試験管中に入れた。スルホン酸メチル
エタンを添加し4%濃度にし、細胞と混合した。15分間
放置した後に、細胞を緩衝液で約6回洗浄した。その細
胞をYM寒天板上で培養した。 【0033】第一工程突然変異生成から得られた(spin
down )細胞をクエン酸ナトリウム溶液( 0.1M、pH
5.0)で洗浄した。クエン酸ナトリウム中にNTGを4
0マイクログラム/mlの濃度にするように添加した。混
合及び25分間インキュベーション後、塩酸を用いてろ液
を汚染除去し、捨て、細胞をpH 7.0の燐酸カリウム緩
衝液で洗浄した。その細胞を再懸濁し、YMブイヨンで
一晩成育させた、その後、YEPD上で培養した。 【0034】最も良い酵母菌株を肉眼で決定し、このよ
うに得られたものをQST 11032とコードした。 【0035】第二の酵母菌株、コードQST 10984を産
生するために、第一工程EMS処理を下記の如く代え
た。 【0036】前記細胞を50マイクロモルのアンチマイシ
ンA(シグマ・ケミカルス・A 8674 )を含有するYM
寒天板上で培養し、21℃で6週間インキュベーションし
た。その後、生成した成育能力のある培養菌を上記のよ
うにNTG突然変異生成した。 【0037】生成した、高度に着色したコロニーを下記
の条件下で成育した。 【0038】500ml 容のフラスコ中にYMブイヨン50ml
容を35mmの軌道を有する160 回/分での軌道振盪機で、
60時間攪拌して用いて、21℃で細胞を成育させた。これ
らの条件は少なくとも30ミリモル/リットル/時間以上
の酸素移送速度を得るために十分である。 【0039】成育した細胞を破断し、アスタキサンチン
を遊離するために、pH 4.2での緩衝液中8%濃度で、
アルファ−1,3 −グルカナーゼを含有する溶液を調製し
た。10mgの酵素に対して 100mgの乾燥重量濃度で前記細
胞を添加した。その後、酵素/緩衝溶液の当量を添加
し、ときどき攪拌しながら、42℃で 1.5時間インキュベ
ーションを行った。破断された細胞を取り出し、乾燥
し、その後、試験工程においた。 【0040】クロロホルム溶媒(5%w/v)を用いて
破断した細胞から色素を抽出した。破断した細胞にクロ
ロホルムを添加し、その後、完全に混合した。その混合
物を遠心分離し、溶媒層を除去した。酸化防止剤として
デルタ−トコフェロールを添加した(200ppm)。細胞塊
体に着色が残存しなくなり、抽出溶媒も透明になるまで
抽出を続けた。 【0041】メタノール中1%のオルト燐酸を30mlカラ
ムに 0.5ml/分でポンプで注入することにより覆ったヌ
クレオシル(Nucleosil )100-5 (シリカ)カラム物質
を充填した25cmの長さ、 4.6mmの直径のカラムを用い
て、抽出された色素溶液にHPLCを行った。試料を10
マイクロリットル注入後、ジクロロメタン/2−プロパ
ノール/n−ヘキサン(10:2:88 w/v%)混合物
を用いて 1.8ml/分で15分間カラムを溶出した。紫外線
探知機を用い、489nm に設定した。標準として、クロロ
フィル・ピンク(ホフマン・ラ・ロッシュ社製)を用い
た。 【0042】その2つの突然変異酵母菌株、QST 109
84及び 11032をブダペスト条約に基づくNCYC寄託機
関にそれぞれノルウィッヒ(Norwich )受託番号NCY
C2341(1989年11月24日寄託)及びNCYC 2342 (19
89年10月16日寄託)で寄託されている。 【0043】天然のファフィア・ロドジマ、ATCC 2
4202を比較のために用いた結果を下記に示す。 【0044】試料 酵母乾燥体g当りアスタ
キサンチンのマイクログラム ATCC 24202 325 QST 10984 1100 QST 11032 1400 下記の組成を有するYM寒天(ディフコ 0712-01-8)傾
斜培地で菌株を維持する。 【0045】10g/リットル デキストロース 3g/リットル 酵母抽出物 3g/リットル 麦芽抽出物 5g/リットル 細菌性ペプトン 20g/リットル 寒天 約+4℃で保存した後、菌株を上記の新しい傾斜培地で
再培養した。菌株を下記のように数工程で育成させる。 【0046】i) YMブイヨン(ディフコ 0711-01)
で21℃で60時間。 【0047】ii) 工程(i)から3%の接種物を、 5
00ml容の振盪フラスコ中50mlの液体培地を入れたそらせ
板付き振盪フラスコに添加し、35mmの軌道を有し 160回
/分の軌道振盪機で21℃で60時間インキュベーションし
た。pHは制御しなかった。 【0048】iii) 工程(ii)から1%の接種物をYM
ブイヨンに21℃で48時間添加した。この工程で 0.1vvm
の速度で曝気をし、30モル/m3/時間より大きい酸素
移送を起こす。この工程中、4モルのKOH又は10%の
酒石酸を適当に添加してpHを5.0 に制御した。ジメチ
ルポリシロキサン消泡剤( 0.5%)も又添加した。 【0049】iv) 工程(iii) からの3%接種物を、p
Hを5.0に制御し、21℃で糖蜜(ビート:ブラックスト
ラップを4:1又は3:2)1リットル当り60g 糖蜜に
添加した。曝気を 0.36vvmの速度で行い、30モル/m3
・時間より多い酸素移送を供給した。ジメチルポリシロ
キサン消泡剤( 0.5%)も添加した。 【0050】120 リットル容の発酵槽を、培養基及び、
6.5g/リットルの酵母抽出物、 0.7g/リットルの硫
酸アンモニウム、 0.23 g/リットルの燐酸二アンモニ
ウム及び3mg/リットルの水和硫酸亜鉛を含有する出発
培地で半分満たした。60時間後、酵母乾燥体の濃度が1
g/リットルに達したとき、さらに培養基と必要な栄養
要求物質を同じ濃度で40時間かけてポンプで注入し、す
でに代謝された栄養物を補充した。曝気をさらに24時間
継続した。 【0051】細胞を下記のように回収した。細胞を遠心
分離により回収し、成育培地又は抑制物質を除去するた
めに、完全に洗浄した。その後、細胞をローラーコンベ
ヤー乾燥機で乾燥し、貯蔵した。 【0052】実施例3 ニジマスのえさに混合することによりその酵母を評価す
る試験を行った。そのような試験は総栄養物摂取、全体
成育及び組織病理学に関してサケ科の魚に対する産生物
の適合性の示度を与えるものである。この試験は又、魚
による色素の取り込み及び沈積の決定のための試料を供
給する。 【0053】実施例1及び2に記載したファフィア・ロ
ドジマ変異体を用いて、アスタキサンチンの合成的供給
源と比較した。 【0054】酵母を乾燥前に、機械的均質化、酵素失活
化及び浸透圧衝撃を包含する予備処理を行った。 【0055】乾燥中及びその次の魚のえさへの処理中
に、色素を保護するために、デルタ−トコフェロール、
アスコルビルパルミテート、クエン酸、アスコルビン酸
等の酸化防止剤、ソルビタンモノステアレート、ソルビ
タンモノパルミテート、カルボキシメチルセルロース及
びゼラチン等の安定化剤を添加した。カロチノイドの魚
肉への取り込み及び組み込みを増大させるように、酵母
を処理し乾燥した。 【0056】商業的食餌製造業者により現在用いられて
いる含有量の範囲内の各成分を用いて魚の飼養食を配合
した。ブラウンフィッシュミール、大豆全粒粉、小麦全
粒粉、ビタミン、無機質結合剤(mineral binder)、魚
油及び酸化クロム(消化率指標として)を含む飼料成分
を完全に混合し、4mm直径のサイコロ打ち抜き孔の大き
さを有するロール機を通してペレット化した。 【0057】その餌のおおよその組成は、水分6%、蛋
白質50%、脂質13%、灰分11%及び繊維 3.0%と記載さ
れる。 【0058】色素を添加されていない対照の餌も生成し
た。 【0059】魚をニジマス用の通常タンク管理条件下で
飼い、商業上通常の錠剤飼料から計算される1日当りの
量を餌として与えた。 【0060】その試験中、魚の異常な挙動は観察されな
かった。魚は容易に試験的食餌を食べた。試験を通し
て、異なる食餌において、個々の平均湿体重の増加は有
意に異ならなかった。餌変換率、蛋白質効率比及び見掛
けの正味蛋白質利用は食餌の間にほとんど変動を示さな
かった。異常な組織病理現象はなかった。魚は健康であ
り、試験の初め及び終りで体調は良好であった。 【0061】食餌中への酵母飼料の含有は、ニジマスの
成育、栄養的機能、健康又は死体組成において検知され
る有害効果を有さなかった。 【0062】食餌の間における有意の差がなかったこと
(P>0.05)は、食餌が実質的に等しく機能したことを
示す。 【0063】見掛けの色素の消化率は、酵母に基づく飼
料は58%乃至73%を有し、73%までの範囲であった。 【0064】魚肉及び魚の皮膚をアスタキサンチン含量
に関して検査した。肉に関しては、10gの切身を取り、
小片に切り、無水硫酸ナトリウム20gを入れた乳鉢に置
いた。その魚の切身小片をすりつぶし、その後にアセト
ン溶解物質を抽出した。その抽出物を濾過し、固体を除
去し、回転真空蒸発器で蒸発させた。得られた着色した
トランス- アスタキサンチン含量を望ましいHPLC分
析法により評価した。 【0065】すべての肉の試料には2ppm より多いトラ
ンス−アスタキサンチンを有していた。すべての処理に
より、食餌一定量中、色素が与えられていない対照より
多いトランス- アスタキサンチンを含有する肉を有する
魚が産生された。
ンを産生できる酵母細胞、前記酵母細胞からアスタキサ
ンチンを抽出する方法及び、前記酵母細胞を乾燥し、保
存しそして濃縮する方法に関する。 【0002】 【従来技術】天然産のサケ及びマスの赤い皮膚及び肉の
色は、前記魚に色素として通常存在するカロチノイド、
主として、アスタキサンチンによるものである。天然に
おいては、サケは、餌の海産有機体生物によりカロチノ
イド色素が与えられる。 【0003】養魚場又は孵化場で育てた魚は、餌による
アスタキサンチンがないために、一般に青白く、天然環
境で育った魚の皮膚や肉の色の特徴を有さない。アスタ
キサンチンは他の機能を有していると一部では考えられ
ているが、食物の色は、しばしばその品質の標識となる
ので、たとえ養魚場で育てた青白い魚が、天然環境で育
った魚と栄養的に同一であっても、消費者は天然の着色
を有する魚を非常に好む。アスタキサンチン又はその前
駆物質が、焼いたサケの特有の風味に寄与するという証
拠がある。 【0004】合成したアスタキサンチン及びその類似物
質を与えると、サケの色が改良されることが知られてい
る。しかし、食品中の合成着色剤よりも天然の着色物質
を使用することを好む消費者が増加している。合成のア
スタキサンチンを用いることは又、法律的制限を受ける
場合がある。 【0005】ファフィア属のある種の酵母は少量のアス
タキサンチンを産生することが知られている。文献に、
多量のアスタキサンチンを産生すると述べられている天
然の酵母の自然生成突然変異体について記載されてい
る。知る限りにおいて、培養物の寄託機関に寄託された
最も良い酵母菌株は、PCT国際特許出願番号88/0802
5 号[ダニスコ(Danisco )]の実施例6に記載された
試験法によれば、酵母乾燥体1g当り880 マイクログラ
ムのアスタキサンチンを産生できると前記実施例に記載
されたCBS 215-88 である。アスタキサンチン産生酵
母の餌を魚に与えることを実用的にするため、そして、
価格上の理由のために酵母を多量食べさせないようにす
るために、餌におけるアスタキサンチンの量を増加させ
る必要があり、従って、アスタキサンチンをさらにより
多量に産生することができる酵母菌株は価値を有する。
さらにより多量のアスタキサンチン産生能を有する突然
変異酵母菌株についての報告は、適切な開示によっては
又は寄託機関への寄託によってはなされていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、酵母乾
燥体1g当り1000マイクログラム以上のアスタキサンチ
ンを産生できる酵母菌株を見出だした。そのような菌株
は、とくに速い成育速度を示す。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、特定の
試験条件にしたときに酵母乾燥体1g当り1000マイクロ
グラム以上のアスタキサンチン産生能を有する酵母細胞
を供給する。 【0008】アスタキサンチン産生能のレベルを測定す
る試験は下記の通りである。 【0009】試験される酵母細胞を最初にYMブイヨン
[ディフコ(Difco )0711-01 ]において21℃で60時
間、30ミリモル/リットル/時間の酸素移送速度(oxyg
en transfer rate)から成る条件下で成育させる。培養
基を50mg入れた 500ml容のそらせ板付き振盪フラスコを
用いた。35mmの軌道(orbit )及び160 回/分を有する
軌道振盪機(orbital shaker)でそのフラスコを振盪さ
せる。ノボジム(NovoZym )234 [ノボ・ノルディスク
社(デンマーク)製]を用いて細胞壁を破断する。アス
タキサンチンをクロロホルム溶媒中に取り出す。このと
き、すべての前記色素を抽出するのに十分な量の溶媒を
用いる。一般的な量は、溶媒10ml当り1gの産生物濃度
である。その溶液をHPLC分析にかける。標準物質と
して、5%のトランスアスタキサンチンを有するとされ
ている「カロフィル・ピンク(Carophyll Pink)5%」
(ホフマン・ラ・ロッシュ社製)を用いる。その試料の
489nmでの主ピークを標準物質の主ピークと比較する。
5%以外の量でアスタキサンチンを含有する標準物質を
用いるときは、適切な修正を行わなければ成らない。 【0010】前記試験条件下で1100マイクログラム/g
を産生する酵母菌株が好ましく、1400マイクログラム/
g以上を産生する酵母菌株が最も好ましい。このような
量を産生する酵母菌株を魚の餌に用いることは商業的に
有利である。 【0011】本発明者らは又、前記試験条件下で1000マ
イクログラム/g以上のアスタキサンチンを産生するこ
とができる変異体を産生する方法を見出だした。 【0012】従って、本発明の第二の面は、ファフィァ
・ロドジマを、突然変異生成物質としてDNAに遺伝的
損傷をもたらすことができる物質を用いて1つ以上の工
程突然変異生成を行うことを包含する、発明の第一の面
による酵母菌株を産生する方法を供給することである。
そのような突然変異生成物質は、紫外線、エチルメタン
スルホネート(EMS)又はN−メチル−N−ニトロ−
N−ニトロソグアニジン(NTG)である。 【0013】突然変異生成は1つ以上の工程で行われ
る。60%以上を殺すのに十分な量の好ましくは90%以上
の細胞を殺すのに十分な量で前記突然変異生成物質で細
胞を処理した後、酵母は、成育、例えばYEPD[1%
/2%/2%の酵母抽出物/バクトペプトン/デキスト
ロース]のような栄養分に富んだ培地での成育により、
再生し突然変異体を発現する。このような技術の成功、
特に安定な突然変異体、すなわち復帰頻度が低い突然変
異体の生成における技術の成功は驚くべきことである。 【0014】この工程を行うのに可能な特定の方法は、
第一の工程でEMSを用い、その産生物にNTGでの第
二の突然変異生成工程を行うものである。ファフィア・
ロドジマをアンチマイシンA、オリゴマイシン、バリノ
マイシン又はロテノンのような、電子移送鎖を阻止する
ことが知られている抗生物質の存在下で培養することに
より前記第一の工程が置き換えられるが、この置き換え
により安定な物質は産生されないことがわかっている。 【0015】EMS突然変異生成は、 6.5乃至 7.5のP
Hで緩衝培地、好ましくは燐酸緩衝液中で行うことがで
きる。EMSは2%乃至8%の濃度で添加される。処理
時間は5乃至30分である。静止及び洗浄後、抗生物質及
び他の突然変異生成を阻止する物質を含有するYM寒天
プレート上で突然変異細胞を培養する。 【0016】NTG突然変異生成は、5乃至 7.5のpH
の緩衝培地中で、好ましくは緩衝液としてクエン酸ナト
リウムを用いて行う。NTGを0.002 乃至 0.006%の濃
度にするように添加する。NTGを添加する便利な方法
は、クエン酸ナトリウム溶液の形で添加することであ
る。混合及び20乃至30分間のインキュベーション後、ろ
液を捨て、好ましくは7.0での燐酸カリウム緩衝液中で
細胞を洗浄する。得られた酵母菌株をYM培地で成育さ
せ、その後にYEPD寒天のような富養培地で培養す
る。 【0017】突然変異生成の後に、スクリーニング技術
によって、有用な変異菌株を特定することができる。次
にその酵母をYEPD寒天で培養し、独立コロニーを形
成させた。20乃至25℃で5日間の成育の後、コロニーの
色を評価することができ、対照の野生型酵母培養物より
高度に着色しているとみられるものをYEPD寒天上で
独立コロニーに継代培養する。 【0018】突然変異酵母の安定性を液体培地中での反
復継代培養により評価し得る。独立コロニーを用いてY
EPDブイヨンの7ml管に接種し、その後、この培地を
振盪しながら20乃至25℃で3日間インキュベーションす
る。その後に、0.1ml の試料を用いて次の液体培地に接
種する。この液体培地も又3日間成育する。この工程の
間中、時々、試料を採り、YEPD上で培養し、個体群
中の、より濃く着色したコロニーの個体数を数える。3
継代培養の後に、90%より多くの、より高度に着色され
たコロニーを生じる酵母は、あまりに不安定で産業的に
有用でないと考えられる。 【0019】本発明の酵母菌株は、通常の方法で保存さ
れる。例えば、その菌株を、10g/リットルのデキスト
ロース、3g/リットルの酵母抽出物、5g/リットル
の細菌性ペプトン及び20g/lの寒天を含有するYM寒
天傾斜培地に維持する。この方法での保存は+4℃で1
か月まで可能である。この菌株は又、凍結乾燥され得
る。 【0020】より長期の保存は、10容量%のジメチルス
ルホキシドを含有するYM培地ブイヨン中で−196 ℃で
の液体窒素中において可能である。 【0021】酵母菌株の発酵は、初期培養工程、種子培
養工程(seed culture stage)、種子発酵工程及び産生
物発酵工程を有する通常の方法で行う。発酵工程は、ジ
メチルポリシロキサンのような消泡剤を含有させること
が必要である。酵母菌株の正しいスクリーニングは、産
生のスケールアップをより成功させることを意味する。 【0022】アスタキサンチンを遊離させるために、細
胞を破断するのが好ましい。従来から用いられている、
KDL−スペシャル・ダイノミル(KDL-Special Dynomi
ll)の如き通常のビード・ミルのような物理的方法を用
いてこの破断を行うことができる。自己分解及び化学的
方法も又用いることができる。酵素的方法を用いるのが
好ましい。 【0023】本発明の第三の面によれば、アルファ−1,
3 −グルカナーゼ、ベーター− 1,3−グルカナーゼ、ラ
ミナリナーゼ、キシラナーゼ、キチナーゼ、プロテアー
ゼ及びそれらの混合物から選ばれる酵素を用いる処理に
より細胞壁を破断することにより酵母細胞からアスタキ
サンチンを抽出する方法が供給される。これらの酵素を
組み合わせたものは、例えばノボ・ノルディスク社(No
vo Nordisk A/s )製のノボジム(Novozym 234 )のよ
うに市販されている。細胞破断工程を行うために、 4.0
乃至 6.0のpHを用いて、1つ又は複数の選ばれた酵素
の緩衝溶液を調製する。酵素の活性によって、細胞の乾
燥重量 100mg当りノボジム 234の 2.5乃至10mgの濃度当
量が適している。 【0024】細胞を酵素/緩衝溶液中、30乃至50℃の温
度で1乃至3時間インキュベーションする。時々攪拌す
るのが好ましい。 【0025】破断細胞を、噴霧乾燥、流動層乾燥、凍結
乾燥又はローラーコンベヤー乾燥のような常法により乾
燥し、乾燥の前に任意に物理的濃縮を行う。乾燥の補助
工程を加えることができる。液体の濾過は、溶液中に死
酵母物質を残し、この物質は、動物の飼料又は食物風味
物質のような他の目的に用いることができる。 【0026】破断された細胞から所望の色素を溶媒を用
いて抽出し得る。炭化水素、エステル、ケトン及び植物
油などを包含する多くの溶媒が適している。ヘキサン、
シクロヘキサン、酢酸ブチル、酢酸エチル、イソプロピ
ルアルコール、エタノール、アセトン、メチルエチルケ
トン、パーム油又はココナツ油のような食物として認容
された溶媒が好ましい。クロロホルム及びジクロロメタ
ンも又、用いることができる。そのような溶媒を、好ま
しくは乾燥した破断細胞に添加することにより抽出を行
い、その後に混合する。遠心分離により分離し、溶媒層
を除去する。色素が細胞の塊体中に残存せず、溶媒が透
明になるまで抽出を繰り返す。 【0027】いくらかの酵母細胞壁物質を取り出し、死
滅させ、その後に物理的分離を行うことによって、それ
に結合した比較的高含量のアスタキサンチンを有する酵
母細胞壁物質を得ることによりアスタキサンチンの濃度
は増加する。 【0028】細胞壁を破断する間又は破断後、酸化又は
熱に対して不安定な、酵母細胞及び細胞破片中の色素を
安定にするのが望ましい。細胞の破断方法が用いられる
いずれかの方法に従って、ビード・ミル又は酵素溶液に
酸化防止剤を直接添加するのが有効である。酸素掃去
剤、遊離基掃去剤、キレート化剤及び金属イオン封鎖剤
が用いられ得る。酸化防止剤は油溶性のものが好ましく
水性エマルジョンの形で用いられる。好ましい酸化防止
剤はデルタ−トコフェロールである。その他の例として
は、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT
(ブチルヒドロキシトルエン)、ビタミンE又はアスコ
ルビン酸が挙げられる。 【0029】色素を、例えば魚のえさとして、水性相に
入れるときに分解しないように、適切な包封又は供給シ
ステム内に色素を入れることが望ましい。そのような方
法は又、魚の食物系への色素の取り込み及び移動を改良
するためにそして、要求される組織へ取り込まれる間、
早期に破壊されてしまうのを防ぐのに役立つ。このため
に、安定化された色素を包封するか又はゲル化澱粉(ge
latinized starch)と凝集させ得る。そのような包封物
は好ましくは1mm未満、より好ましくは0.01mmの大きさ
を有する。理想的には、その包封物は一般的には大きな
表面積を有する球状であり、不溶であるが消化できる
(例えばpHに感受性を有する包封化物質によって)。 【0030】本発明の酵母菌株由来のアスタキサンチン
は、魚のえさにおいて用いる他に、動物の飼料、特に家
禽の飼料、又は食用油、バター、マーガリン、ショート
ニング、マヨネーズ、パテ、スープ、スナック菓子、デ
ザート、アイスクリーム、パン菓子、飲料、日焼け補助
剤及び口紅等の人間が消費する食物、化粧品及び健康用
物質における色素として用いられる。下記の実施例によ
って本発明を例示する。 【0031】 【実施例】実施例1及び実施例2 公知の酵母、ファフィア・ロドジマ、ATCC 24202の
試料を下記のように2工程突然変異生成させる。 【0032】細胞(0.3mg /ml)を、燐酸緩衝液(pH
7.0)を含有する試験管中に入れた。スルホン酸メチル
エタンを添加し4%濃度にし、細胞と混合した。15分間
放置した後に、細胞を緩衝液で約6回洗浄した。その細
胞をYM寒天板上で培養した。 【0033】第一工程突然変異生成から得られた(spin
down )細胞をクエン酸ナトリウム溶液( 0.1M、pH
5.0)で洗浄した。クエン酸ナトリウム中にNTGを4
0マイクログラム/mlの濃度にするように添加した。混
合及び25分間インキュベーション後、塩酸を用いてろ液
を汚染除去し、捨て、細胞をpH 7.0の燐酸カリウム緩
衝液で洗浄した。その細胞を再懸濁し、YMブイヨンで
一晩成育させた、その後、YEPD上で培養した。 【0034】最も良い酵母菌株を肉眼で決定し、このよ
うに得られたものをQST 11032とコードした。 【0035】第二の酵母菌株、コードQST 10984を産
生するために、第一工程EMS処理を下記の如く代え
た。 【0036】前記細胞を50マイクロモルのアンチマイシ
ンA(シグマ・ケミカルス・A 8674 )を含有するYM
寒天板上で培養し、21℃で6週間インキュベーションし
た。その後、生成した成育能力のある培養菌を上記のよ
うにNTG突然変異生成した。 【0037】生成した、高度に着色したコロニーを下記
の条件下で成育した。 【0038】500ml 容のフラスコ中にYMブイヨン50ml
容を35mmの軌道を有する160 回/分での軌道振盪機で、
60時間攪拌して用いて、21℃で細胞を成育させた。これ
らの条件は少なくとも30ミリモル/リットル/時間以上
の酸素移送速度を得るために十分である。 【0039】成育した細胞を破断し、アスタキサンチン
を遊離するために、pH 4.2での緩衝液中8%濃度で、
アルファ−1,3 −グルカナーゼを含有する溶液を調製し
た。10mgの酵素に対して 100mgの乾燥重量濃度で前記細
胞を添加した。その後、酵素/緩衝溶液の当量を添加
し、ときどき攪拌しながら、42℃で 1.5時間インキュベ
ーションを行った。破断された細胞を取り出し、乾燥
し、その後、試験工程においた。 【0040】クロロホルム溶媒(5%w/v)を用いて
破断した細胞から色素を抽出した。破断した細胞にクロ
ロホルムを添加し、その後、完全に混合した。その混合
物を遠心分離し、溶媒層を除去した。酸化防止剤として
デルタ−トコフェロールを添加した(200ppm)。細胞塊
体に着色が残存しなくなり、抽出溶媒も透明になるまで
抽出を続けた。 【0041】メタノール中1%のオルト燐酸を30mlカラ
ムに 0.5ml/分でポンプで注入することにより覆ったヌ
クレオシル(Nucleosil )100-5 (シリカ)カラム物質
を充填した25cmの長さ、 4.6mmの直径のカラムを用い
て、抽出された色素溶液にHPLCを行った。試料を10
マイクロリットル注入後、ジクロロメタン/2−プロパ
ノール/n−ヘキサン(10:2:88 w/v%)混合物
を用いて 1.8ml/分で15分間カラムを溶出した。紫外線
探知機を用い、489nm に設定した。標準として、クロロ
フィル・ピンク(ホフマン・ラ・ロッシュ社製)を用い
た。 【0042】その2つの突然変異酵母菌株、QST 109
84及び 11032をブダペスト条約に基づくNCYC寄託機
関にそれぞれノルウィッヒ(Norwich )受託番号NCY
C2341(1989年11月24日寄託)及びNCYC 2342 (19
89年10月16日寄託)で寄託されている。 【0043】天然のファフィア・ロドジマ、ATCC 2
4202を比較のために用いた結果を下記に示す。 【0044】試料 酵母乾燥体g当りアスタ
キサンチンのマイクログラム ATCC 24202 325 QST 10984 1100 QST 11032 1400 下記の組成を有するYM寒天(ディフコ 0712-01-8)傾
斜培地で菌株を維持する。 【0045】10g/リットル デキストロース 3g/リットル 酵母抽出物 3g/リットル 麦芽抽出物 5g/リットル 細菌性ペプトン 20g/リットル 寒天 約+4℃で保存した後、菌株を上記の新しい傾斜培地で
再培養した。菌株を下記のように数工程で育成させる。 【0046】i) YMブイヨン(ディフコ 0711-01)
で21℃で60時間。 【0047】ii) 工程(i)から3%の接種物を、 5
00ml容の振盪フラスコ中50mlの液体培地を入れたそらせ
板付き振盪フラスコに添加し、35mmの軌道を有し 160回
/分の軌道振盪機で21℃で60時間インキュベーションし
た。pHは制御しなかった。 【0048】iii) 工程(ii)から1%の接種物をYM
ブイヨンに21℃で48時間添加した。この工程で 0.1vvm
の速度で曝気をし、30モル/m3/時間より大きい酸素
移送を起こす。この工程中、4モルのKOH又は10%の
酒石酸を適当に添加してpHを5.0 に制御した。ジメチ
ルポリシロキサン消泡剤( 0.5%)も又添加した。 【0049】iv) 工程(iii) からの3%接種物を、p
Hを5.0に制御し、21℃で糖蜜(ビート:ブラックスト
ラップを4:1又は3:2)1リットル当り60g 糖蜜に
添加した。曝気を 0.36vvmの速度で行い、30モル/m3
・時間より多い酸素移送を供給した。ジメチルポリシロ
キサン消泡剤( 0.5%)も添加した。 【0050】120 リットル容の発酵槽を、培養基及び、
6.5g/リットルの酵母抽出物、 0.7g/リットルの硫
酸アンモニウム、 0.23 g/リットルの燐酸二アンモニ
ウム及び3mg/リットルの水和硫酸亜鉛を含有する出発
培地で半分満たした。60時間後、酵母乾燥体の濃度が1
g/リットルに達したとき、さらに培養基と必要な栄養
要求物質を同じ濃度で40時間かけてポンプで注入し、す
でに代謝された栄養物を補充した。曝気をさらに24時間
継続した。 【0051】細胞を下記のように回収した。細胞を遠心
分離により回収し、成育培地又は抑制物質を除去するた
めに、完全に洗浄した。その後、細胞をローラーコンベ
ヤー乾燥機で乾燥し、貯蔵した。 【0052】実施例3 ニジマスのえさに混合することによりその酵母を評価す
る試験を行った。そのような試験は総栄養物摂取、全体
成育及び組織病理学に関してサケ科の魚に対する産生物
の適合性の示度を与えるものである。この試験は又、魚
による色素の取り込み及び沈積の決定のための試料を供
給する。 【0053】実施例1及び2に記載したファフィア・ロ
ドジマ変異体を用いて、アスタキサンチンの合成的供給
源と比較した。 【0054】酵母を乾燥前に、機械的均質化、酵素失活
化及び浸透圧衝撃を包含する予備処理を行った。 【0055】乾燥中及びその次の魚のえさへの処理中
に、色素を保護するために、デルタ−トコフェロール、
アスコルビルパルミテート、クエン酸、アスコルビン酸
等の酸化防止剤、ソルビタンモノステアレート、ソルビ
タンモノパルミテート、カルボキシメチルセルロース及
びゼラチン等の安定化剤を添加した。カロチノイドの魚
肉への取り込み及び組み込みを増大させるように、酵母
を処理し乾燥した。 【0056】商業的食餌製造業者により現在用いられて
いる含有量の範囲内の各成分を用いて魚の飼養食を配合
した。ブラウンフィッシュミール、大豆全粒粉、小麦全
粒粉、ビタミン、無機質結合剤(mineral binder)、魚
油及び酸化クロム(消化率指標として)を含む飼料成分
を完全に混合し、4mm直径のサイコロ打ち抜き孔の大き
さを有するロール機を通してペレット化した。 【0057】その餌のおおよその組成は、水分6%、蛋
白質50%、脂質13%、灰分11%及び繊維 3.0%と記載さ
れる。 【0058】色素を添加されていない対照の餌も生成し
た。 【0059】魚をニジマス用の通常タンク管理条件下で
飼い、商業上通常の錠剤飼料から計算される1日当りの
量を餌として与えた。 【0060】その試験中、魚の異常な挙動は観察されな
かった。魚は容易に試験的食餌を食べた。試験を通し
て、異なる食餌において、個々の平均湿体重の増加は有
意に異ならなかった。餌変換率、蛋白質効率比及び見掛
けの正味蛋白質利用は食餌の間にほとんど変動を示さな
かった。異常な組織病理現象はなかった。魚は健康であ
り、試験の初め及び終りで体調は良好であった。 【0061】食餌中への酵母飼料の含有は、ニジマスの
成育、栄養的機能、健康又は死体組成において検知され
る有害効果を有さなかった。 【0062】食餌の間における有意の差がなかったこと
(P>0.05)は、食餌が実質的に等しく機能したことを
示す。 【0063】見掛けの色素の消化率は、酵母に基づく飼
料は58%乃至73%を有し、73%までの範囲であった。 【0064】魚肉及び魚の皮膚をアスタキサンチン含量
に関して検査した。肉に関しては、10gの切身を取り、
小片に切り、無水硫酸ナトリウム20gを入れた乳鉢に置
いた。その魚の切身小片をすりつぶし、その後にアセト
ン溶解物質を抽出した。その抽出物を濾過し、固体を除
去し、回転真空蒸発器で蒸発させた。得られた着色した
トランス- アスタキサンチン含量を望ましいHPLC分
析法により評価した。 【0065】すべての肉の試料には2ppm より多いトラ
ンス−アスタキサンチンを有していた。すべての処理に
より、食餌一定量中、色素が与えられていない対照より
多いトランス- アスタキサンチンを含有する肉を有する
魚が産生された。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
//(C12N 1/16
C12R 1:645)
(C12P 23/00
C12R 1:645)
(72)発明者 ジヨン・ウイリアム・チヤツプマン
英国、スコツトランド、クラツクマンナン
シヤー、クラツクマンナン、レデイーウツ
ド 4
(72)発明者 マルセリヌス・ヤコブス・ジエイ・ハカル
ト
オランダ国、1213・ブイエヌ・ヒルバース
ム、スリナメラーン 18
(72)発明者 ウイリアム・ジエイムス・ニユートン・マ
ースデン
英国、エフケイ9・4ジエイアール・スコ
ツトランド、ステイルリングシヤー、ブリ
ツジ・オブ・アラン、インベラルラン・ド
ライブ 25
(72)発明者 カテ・マウメ
オランダ国、3441・ジーシー・ウオールデ
ン、オストシンゲル 8
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 本明細書に記載した試験条件下においた
とき酵母乾燥体1g当り1000マイクログラム以上のアス
タキサンチン産生能を有する酵母細胞。 【請求項2】 受託番号NCYC 2341 及びNCYC 2
342 (QST 10984及び 11032)で寄託された酵母株及
び、アスタキサンチン産生能を有するその突然変異体又
は誘導体。 【請求項3】 酵母乾燥体1g当り1400マイクログラム
以上のアスタキサンチン産生能を有する請求項1に記載
の酵母細胞。 【請求項4】 酵母乾燥体1g当り1000マイクログラム
以上のアスタキサンチンが結合した、死酵母細胞壁。 【請求項5】 DNAに遺伝的損傷をもたらすことがで
きる突然変異生成物質を用いてファフィア・ロドジマ
(Phaffia rhodozyma )を1つ以上の突然変異生成工程
にかけることを包含する、請求項1に記載の酵母細胞を
産生する方法。 【請求項6】 細胞の60%を殺すのに十分な量の突然変
異生成物質をファフィア・ロドジマに添加し、残りの細
胞は成育により回復させ突然変異を発現させる、請求項
5に記載の方法。 【請求項7】 アルファ−1,3 −グルカナーゼ、ベータ
ー−1,3 −グルカナーゼ、ラミナリナーゼ、キシラナー
ゼ、キチナーゼ、プロテアーゼ及びそれらの混合物から
選ばれた酵素での処理により細胞壁を破断する工程を包
含する、請求項1に記載の酵母細胞からアスタキサンチ
ンを抽出する方法。 【請求項8】 酵母乾燥体1g当り1000マイクログラム
以上のアスタキサンチンを含有する酵母細胞である、魚
飼料用、動物飼料用及び人間食品用添加物。 【請求項10】 請求項1に記載の酵母細胞から抽出した
アスタキサンチンである、魚飼料用、動物飼料用及び人
間食品用添加物。
Applications Claiming Priority (2)
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|---|---|---|---|
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