JPH0576382A - B型肝炎ウイルスタンパク質の製造方法 - Google Patents

B型肝炎ウイルスタンパク質の製造方法

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JPH0576382A
JPH0576382A JP26536091A JP26536091A JPH0576382A JP H0576382 A JPH0576382 A JP H0576382A JP 26536091 A JP26536091 A JP 26536091A JP 26536091 A JP26536091 A JP 26536091A JP H0576382 A JPH0576382 A JP H0576382A
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dna
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hepatitis
structural protein
virus
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勝亮 阪口
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康人 大久保
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孟 山野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定DNAの選択的増幅技術及び遺伝子組換
技術を利用して、B型肝炎ウイルスのコア又は表面構造
タンパク質を製造する。 【構成】 NcoI認識配列を含み、天然コア構造タン
パク質コードDNAの開始コドン含有領域に特異的結合
可能な塩基配列を有する第1プライマーと、GGATC
CTAを含み、前記コア構造タンパク質コードDNAの
停止コドン含有領域に特異的結合可能な塩基配列を有す
る第2プライマーとの組合せ、又はNcoI認識配列を
含み、天然表面構造タンパク質コードDNAの開始コド
ン含有領域に特異的結合可能な塩基配列を有する第1プ
ライマーと、AAGCTTTAを含み、前記表面構造タ
ンパク質コードDNAの停止コドン含有領域に特異的結
合可能な塩基配列を有する第2プライマーとの組合せを
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のDNAを選択的
に増幅する技術及び遺伝子組換え技術を利用して、B型
肝炎ウイルスのコア構造タンパク質又は表面構造タンパ
ク質を製造する方法に関する。本発明は、特には、それ
らの構造タンパク質をコードしているDNAを選択的に
増幅する技術を利用する際に用いる2種類のプライマー
DNAとして、開始コドンを含むと共に特定の制限酵素
で切断することのできるオリゴヌクレオチド、及び停止
コドンを含むと共に特定の別の制限酵素で切断すること
のできるオリゴヌクレオチドを用いることを特徴とする
ものである。
【0002】
【従来の技術】B型肝炎ウイルス(hepatitis
B virus:以下、HBVの略称を用いることが
ある)はヒト肝臓疾患の原因となる感染因子であり、H
BVに感染した慢性肝炎患者の中から肝硬変又は肝癌患
者に至ることが明らかになっている。また、輸血による
感染も問題となっている。B型肝炎に感染しているかど
うかのスクリーニング検査は感染の防止及び治療のため
に必要であり、B型肝炎の感染に対する診断用試験は種
々試みられている。
【0003】しかし、前記の診断用試薬に用いる精製H
Bs抗原を得るためには大量のヒト血漿を用いる必要が
あり、しかもこの精製工程は非常に危険であるので改良
が望まれていた。また、HBs抗原陽性患者が徐々に減
少しているので、遺伝子組換え技術を利用してHBs抗
原を生産することが期待されている。
【0004】遺伝子組換え技術を利用してHBs抗原を
製造する方法は既に種々報告されているが、いずれも大
量のデーン粒子を含む血漿を集めて処理する必要があ
り、また放射性同位体(例えば、32P)を用いて行われ
ているので、特殊な設備を必要とし、一般的ではなかっ
た。
【0005】遺伝子組換え技術を利用する従来法として
は、例えば、Fujisawa,Y.ら,Nuclei
c Acids Res.11,3581−3590
(1983)に以下の方法が記載されている。即ち、H
BVから単離した約3.2Kbの環状DNAを制限酵素
(EcoRI、BamHI等)で切断して得たDNA断
片をプラスミドベクターに組み込み、この組換えベクタ
ーによる形質転換体を寒天平板上にまいたコロニーをス
クリーニングしてB型肝炎ウイルスDNAのクローンを
得る。続いて、このプラスミドを大腸菌で増殖した後、
プラスミドを単離し、適切な制限酵素を用いてHBsタ
ンパク質遺伝子(又はHBcタンパク質遺伝子)を含む
DNA断片を切り出す。更に、こうして得られたDNA
断片を発現ベクターに組み込み、その発現ベクターによ
る形質転換体を培養して目的とするHBsタンパク質又
はHBcタンパク質を単離していた。
【0006】しかしながら、前記の方法では、発現ベク
ターに挿入するDNA断片は、HBsタンパク質又はH
Bcタンパク質をコードしている遺伝子よりも大きく、
5’末端の上流及び3’末端の下流に余分のDNA配列
をもっていた。これは、開始コドンATGの直前で切断
できる制限酵素がないことと、停止コドンTAA、TA
G又はTGAの直後で切断できる制限酵素がまだ見つか
っていないことによるものであった。更に、HBs抗原
には4種のサブタイプ(adr、adw、ayr及びa
yw)が存在し、サブタイプが相違すると同じ制限酵素
(EcoRI、PstI、BamHI等)で切断できる
塩基配列が保存されていないので、各サブタイプ毎に切
断できるかどうかを確認する必要があった。また、変異
により切断部位が消失することもあるので、クローニン
グができない場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、大量の血漿を用いる必要がなく、開始コドンの直前
から停止コドンの直後までからなる挿入用DNA断片を
得ることができ、しかもHBs抗原のサブタイプによる
差異や変異による切断部位の消失にも適応可能な方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明の
第1の方法、即ち、 (1)(a)制限酵素NcoIの認識塩基配列CCAT
GGを含み、前記認識塩基配列CCATGG内に存在す
る塩基配列ATGが、天然ヒトB型肝炎ウイルスコア構
造タンパク質をコードするDNAの塩基配列における開
始コドンATGに対応して、前記天然ヒトB型肝炎ウイ
ルスコア構造タンパク質をコードするDNAの開始コド
ンATGを含む領域に特異的に結合することのできる塩
基配列又はその相補的塩基配列を有する第1のDNAプ
ライマー(以下、1Cプライマーと称することがある)
と、(b)塩基配列GGATCCTAを含み、その塩基
配列の最後に存在する塩基配列CTAが、天然ヒトB型
肝炎ウイルスコア構造タンパク質をコードするDNAの
塩基配列における停止コドンTAGに相補的な塩基配列
CTAに対応して、前記天然ヒトB型肝炎ウイルスコア
構造タンパク質をコードするDNAの停止コドンTAG
を含む領域に特異的に結合することのできる塩基配列又
はその相補的塩基配列を有する第2のDNAプライマー
(以下、2Cプライマーと称することがある)と、
(c)DNAポリメラーゼと、(d)B型肝炎ウイルス
DNAとを含む混合液をDNA増幅工程にかけて、B型
肝炎ウイルスコア構造タンパク質をコードするDNAを
増幅し、 (2)B型肝炎ウイルスコア構造タンパク質をコードす
る増幅されたDNAを制限酵素NcoI及び制限酵素B
amHIで消化して、NcoI/BamHI消化DNA
断片を生成し、 (3)そのNcoI/BamHI消化DNA断片を複製
可能な発現ベクターに連結して、組換えDNAを形成
し、 (4)その組換えDNAで微生物又は細胞を形質転換
し、 (5)得られた形質転換体を培養して前記形質転換体に
B型肝炎ウイルスコア構造タンパク質をコードするDN
Aを発現させてB型肝炎ウイルスコア構造タンパク質を
産生させ、 (6)産生させたB型肝炎ウイルスコア構造タンパク質
を形質転換体から単離する 各工程を含むことを特徴とする、B型肝炎ウイルスコア
構造タンパク質の製造方法によって解決することができ
る。
【0009】更に、前記の課題は、本発明の第2の方
法、即ち、 (1)(a)制限酵素NcoIの認識塩基配列CCAT
GGを含み、前記認識塩基配列CCATGG内に存在す
る塩基配列ATGが、天然ヒトB型肝炎ウイルス表面構
造タンパク質をコードするDNAの塩基配列における開
始コドンATGに対応して、前記天然ヒトB型肝炎ウイ
ルス表面構造タンパク質をコードするDNAの開始コド
ンATGを含む領域に特異的に結合することのできる塩
基配列又はその相補的塩基配列を有する第1のDNAプ
ライマー(以下、1Sプライマーと称することがある)
と、(b)塩基配列AAGCTTTAを含み、その塩基
配列の最後に存在する塩基配列TTAが、天然ヒトB型
肝炎ウイルス表面構造タンパク質をコードするDNAの
塩基配列における停止コドンTAAに相補的な塩基配列
TTAに対応して、前記天然ヒトB型肝炎ウイルス表面
構造タンパク質をコードするDNAの停止コドンTAA
を含む領域に特異的に結合することのできる塩基配列又
はその相補的塩基配列を有する第2のDNAプライマー
(以下、2Sプライマーと称することがある)と、
(c)DNAポリメラーゼと、(d)B型肝炎ウイルス
DNAとを含む混合液をDNA増幅工程にかけて、B型
肝炎ウイルス表面構造タンパク質をコードするDNAを
増幅し、 (2)B型肝炎ウイルス表面構造タンパク質をコードす
る増幅されたDNAを制限酵素NcoI及び制限酵素H
indIII で消化して、NcoI/HindIII消化D
NA断片を生成し、 (3)そのNcoI/HindIII 消化DNA断片を複
製可能な発現ベクターに連結して、組換えDNAを形成
し、 (4)その組換えDNAで微生物又は細胞を形質転換
し、 (5)得られた形質転換体を培養して前記形質転換体に
B型肝炎ウイルス表面構造タンパク質をコードするDN
Aを発現させてB型肝炎ウイルス表面構造タンパク質を
産生させ、 (6)産生させたB型肝炎ウイルス表面構造タンパク質
を形質転換体から単離する 各工程を含むことを特徴とする、B型肝炎ウイルス表面
構造タンパク質の製造方法によって解決することができ
る。なお、本明細書の記載において、Aはアデニン残
基、Cはシトシン残基、Gはグアニン残基そしてTはチ
ミン残基の意味である。
【0010】HBVのDNA遺伝子配列はすでに解明さ
れており〔Nucleic Acids Resear
ch,No.6,8,13(1983)〕、分子量2.
1×106 ダルトンで約3200塩基対よりなることが
分かっている。この内、コアタンパク質遺伝子(HBc
遺伝子)領域は約1900番目の塩基から約2400番
目の塩基の間に存在している。本発明の第1の方法の第
1工程では、このHBc遺伝子領域、即ち、HBcをコ
ードするDNA領域のみを選択的に増幅する。これに
は、PCR(polymerase chainrea
ction)法を用いることができる。PCR法を利用
すると、微量のDNAから目的とするDNA領域のみを
自動的に約100万倍にまで増幅することができる(S
cience,239,487−491,1988)。
PCR法では、増幅させるDNA領域を挟んで+鎖に対
するプライマーと−鎖に対するプライマーと、更に耐熱
性DNAポリメラーゼとを用いて増幅するサイクルを繰
り返す。
【0011】本発明の第1の方法において、第1工程の
PCR法で用いる前記1Cプライマー(+鎖用)は、制
限酵素NcoIの認識塩基配列CCATGGを含み、し
かもその塩基配列内に開始コドンATG(前記塩基配列
の下線部)を有している。この1Cプライマーは、前記
の制限酵素NcoIの認識塩基配列CCATGGも含め
て、少なくとも20塩基(好ましくは20塩基〜40塩
基、より好ましくは28塩基〜32塩基)からなるのが
好ましい。20塩基よりも小さいとプライマーとしての
特異性が低下し、本発明方法の目的を達成することが極
めて困難になる。また、塩基数が大きくなればなる程、
プライマーとしての特異性は向上するが、プライマーの
製造にコストがかかり、更にプライマー分子間あるいは
分子内での二重構造をとり易くなり好ましくない。
【0012】好ましい1Cプライマーは、前記認識塩基
配列CCATGG内に存在する塩基配列ATGを、天然
ヒトB型肝炎ウイルスコア構造タンパク質をコードする
DNAの塩基配列における開始コドンATGに対応させ
た場合に、前記認識塩基配列CCATGGの上流及び/
又は下流に、天然ヒトB型肝炎ウイルスコア構造タンパ
ク質をコードするDNAの開始コドンATGを含む領域
の塩基配列と同一、あるいは、多くても3塩基が置換、
欠失又は挿入された塩基配列を有するものである。例え
ば、1Cプライマーは、前記開始コドンの下流に天然ヒ
トHBc遺伝子と同様に、好ましくは9塩基の配列GA
CATTGAC、より好ましくは19塩基の配列GAC
ATTGACCCGTATAAAGが連結した構造を有
することができる。また、1Cプライマーは、前記制限
酵素NcoIの認識塩基配列の上流に、天然ヒトHBc
遺伝子と同様の6塩基の配列TTTGGGを有すること
もできる。更に、開始コドン下流の前記19塩基配列に
2〜3塩基の置換、欠失又は挿入がある配列、例えば、
GACATT(又は)GAC(又は(又は
)TATAAAGであってもよい(下線部が置換)。
【0013】本発明の第1の方法において、第1工程の
PCR法で用いる前記2Cプライマー(−鎖用)は、塩
基配列GGATCCTAを含む。この8塩基の配列の
内、最初の6塩基の配列GGATCCは制限酵素Bam
HIの認識塩基配列であり、最後の3塩基の配列CTA
は停止コドンTAGに相補的な配列である。この2Cプ
ライマーも、前記塩基配列GGATCCTAを含めて、
少なくとも20塩基(好ましくは20塩基〜40塩基、
より好ましくは28塩基〜32塩基)からなるのが好ま
しい。20塩基よりも小さいとプライマーとしての特異
性が低下し、本発明方法の目的を達成することが極めて
困難になる。また、塩基数が大きくなればなる程、プラ
イマーとしての特異性は向上するが、プライマーの製造
にコストがかかり、更にプライマー分子間あるいは分子
内での二重構造をとり易くなり好ましくない。
【0014】好ましい2Cプライマーは、前記塩基配列
GGATCCTA内の最後に存在する塩基配列CTA
を、天然ヒトB型肝炎ウイルスコア構造タンパク質をコ
ードするDNAの塩基配列における停止コドンTAGの
相補的塩基配列CTAに対応させた場合に、前記塩基配
列GGATCCTAの上流及び/又は下流に、天然ヒト
B型肝炎ウイルスコア構造タンパク質をコードするDN
Aの停止コドンTAGを含む領域の相補的塩基配列と同
一、あるいは、多くても3塩基が置換、欠失又は挿入さ
れた塩基配列を有するものである。例えば、2Cプライ
マーは、前記停止コドンの下流に好ましくは6塩基の配
列ACATTG、より好ましくは16塩基の配列ACA
TTGAGATTCCCGAが連結した構造を有する。
これらの塩基配列は、天然ヒトHBc遺伝子の+鎖と相
補的な塩基配列である。また、前記塩基配列GGATC
CTAの上流に、好ましくは6塩基の配列TCCAAG
を有することもできる。この塩基配列も、天然ヒトHB
c遺伝子の+鎖と相補的な塩基配列である。更に、停止
コドン上流の前記16塩基配列に2〜3塩基の置換、欠
失又は挿入がある配列、例えば、ACATTTGGAT
TCCCGAであってもよい(下線部が置換)。
【0015】本発明の第2の方法で調製する表面タンパ
ク質遺伝子(HBs遺伝子)領域は、HBVDNA遺伝
子配列の約150番目の塩基から約840番目の塩基の
間に存在している。本発明の第2の方法の第1工程で
は、このHBs遺伝子領域のみを選択的に増幅する。こ
れには、前記のとおり、PCR法を用いることができ
る。
【0016】前記1Sプライマー(+鎖用)は、制限酵
素NcoIの認識塩基配列CCATGGを含み、しかも
その塩基配列内に開始コドンATG(前記塩基配列の下
線部)を有している。この1Sプライマーは、前記の制
限酵素NcoIの認識塩基配列CCATGGも含めて、
少なくとも20塩基(好ましくは20塩基〜40塩基、
より好ましくは28塩基〜32塩基)からなるのが好ま
しい。20塩基よりも小さいとプライマーとしての特異
性が低下し、本発明方法の目的を達成することが極めて
困難になる。また、塩基数が大きくなればなる程、プラ
イマーとしての特異性は向上するが、プライマーの製造
にコストがかかり、更にプライマー分子間あるいは分子
内での二重構造をとり易くなり好ましくない。
【0017】好ましい1Sプライマーは、前記認識塩基
配列CCATGG内に存在する塩基配列ATGを、天然
ヒトB型肝炎ウイルス表面構造タンパク質をコードする
DNAの塩基配列における開始コドンATGに対応させ
た場合に、前記認識塩基配列CCATGGの上流及び/
又は下流に、天然ヒトB型肝炎ウイルス表面構造タンパ
ク質をコードするDNAの開始コドンATGを含む領域
の塩基配列と同一、あるいは、多くても3塩基が置換、
欠失又は挿入された塩基配列を有するものである。例え
ば、1Sプライマーは、前記開始コドンの下流に天然ヒ
トHBs遺伝子と同様に、好ましくは10塩基の配列G
AGAACACAA、より好ましくは20塩基の配列G
AGAACACAACATCAGGATTが連結した構
造を有することができる。また、1Sプライマーは、前
記制限酵素NcoIの認識塩基配列の上流に、天然ヒト
HBs遺伝子と同様の5塩基の配列ACCGAを有する
こともできる。更に、開始コドン下流の前記20塩基配
列に2〜3塩基の置換、欠失又は挿入がある配列、例え
ば、GAGAA(又は)CATCGCATCAGGA
T(又は)Tであってもよい(下線部が置換)。ま
た、前記制限酵素NcoIの認識塩基配列の上流の5塩
基配列ACCGAの替わりに、GA(又はT)A(又は
T)GAを連結させてもよい。
【0018】前記の2Sプライマー(−鎖用)は、塩基
配列AAGCTTTAを含む。この8塩基の配列の内、
最初の6塩基の配列AAGCTTは制限酵素HindII
I の認識塩基配列であり、最後の3塩基の配列TTAは
停止コドンTAAに相補的な配列である。この2Sプラ
イマーも、前記塩基配列AAGCTTTAを含めて、少
なくとも20塩基(好ましくは20塩基〜40塩基、よ
り好ましくは28塩基〜32塩基)からなるのが好まし
い。20塩基よりも小さいとプライマーとしての特異性
が低下し、本発明方法の目的を達成することが極めて困
難になる。また、塩基数が大きくなればなる程、プライ
マーとしての特異性は向上するが、プライマーの製造に
コストがかかり、更にプライマー分子間あるいは分子内
での二重構造をとり易くなり好ましくない。
【0019】好ましい2Sプライマーは、前記塩基配列
AAGCTTTA内の最後に存在する塩基配列TTA
を、天然ヒトB型肝炎ウイルス表面構造タンパク質をコ
ードするDNAの塩基配列における停止コドンTAAの
相補的塩基配列TAAに対応させた場合に、前記塩基配
列AAGCTTTAの上流及び/又は下流に、天然ヒト
B型肝炎ウイルス表面構造タンパク質をコードするDN
Aの停止コドンTAAを含む領域の相補的塩基配列と同
一、あるいは、多くても3塩基が置換、欠失又は挿入さ
れた塩基配列を有するものである。例えば、2Sプライ
マーは、前記塩基配列AAGCTTTAの上流に好まし
くは6塩基の配列TTTATTが連結した構造を有する
ことができる。この塩基配列は、天然ヒトHBc遺伝子
の+鎖と相補的な塩基配列である。また、前記塩基配列
AAGCTTTAの下流に、好ましくは6塩基の配列A
ATGTA、より好ましくは16塩基の配列AATGT
ATACCCAAAGAを有することもできる。これら
の塩基配列も、天然ヒトHBc遺伝子の+鎖と相補的な
塩基配列である。更に、停止コドン下流の前記16塩基
配列に2〜3塩基の置換、欠失又は挿入がある配列、例
えば、AATGTATCCCAAGAであってもよ
い(下線部が置換)。また、前記塩基配列AAGCTT
TAの上流の6塩基配列TTTATTに替えて、TTT
G(又はC)TGを連結させることもできる。
【0020】前記の各プライマーについては、+鎖用の
1Cプライマー及び1Sプライマー、そして−鎖用の2
Cプライマー及び2Sプライマーに関して説明したが、
それらの替わりに、それらに対して相補的な塩基配列を
有するオリゴヌクレオチドを用いても同様の結果を得る
ことができる。前記の各プライマーは、通常のDNA自
動合成機を用いて、公知のDNA合成法(例えば、ホス
ホアミダイト法)によって調製することができる。
【0021】次に、本発明の第1の方法の各工程を説明
する。工程1:DNAの増幅〔図1〕 B型肝炎ウイルスとしては任意のウイルスを用いること
ができ、例えば、HBsのサブタイプadr及びadw
を用いてもよい。HBウイルスDNAをPCR装置を用
い約95℃で熱変性し、更に約60℃に加熱してアニー
リングし、環状2重鎖DNAを1重鎖DNAとする。続
いて、前記の1Cプライマー(+鎖用)及び2Cプライ
マー(−鎖用)を添加すると、各プライマーはHBc抗
原をコードするDNAの領域に特異的に結合する(1C
プライマーは+鎖と結合し、2Cプライマーは−鎖と結
合する)。次に、DNAポリメラーゼ、特には耐熱性D
NAポリメラーゼ(例えば、市販のTaqポリメラー
ゼ)を添加し、以下のPCR法増幅サイクルを実施す
る。1サイクルは (i)DNAの変性工程〔約90〜95℃で、約10秒
〜約2分間〕、 (ii)1本鎖DNAと1Cプライマー及び2Cプライマ
ーとのアニーリング工程〔約37〜70℃で、約30秒
〜約3分間〕、及び (iii )DNAポリメラーゼによるDNA合成工程〔約
65〜80℃で、約30秒〜約5分間〕 からなり、1サイクル毎にDNA量は2倍に増幅され、
nサイクル後には2n 倍に増幅される。本発明の第1の
方法においては、前記サイクルを10〜60回、好まし
くは20〜40回繰り返す。最後のサイクルにおいて
は、工程(iii )の加熱時間を約5〜10分間に延長し
てDNA合成が完全に行われるようにするのが好まし
い。
【0022】次に、クレノーDNAポリメラーゼIを加
え、両端をブラントエンドして、約600bpのDNA
断片の存在の有無をアガロースゲルにて電気泳動を行な
い確認する。
【0023】工程2:制限酵素による消化〔図2〕 次に、前記工程(1)で得られた反応液に緩衝液を加
え、更に制限酵素NcoIを添加し、酵素反応に適切な
温度(例えば20〜40℃)にて酵素による消化が充分
行なわれる時間(例えば30分〜5時間)にわたって酵
素反応を実施する。この処理液中のDNAをフェノール
/クロロホルムで抽出し、エタノールで沈澱させて分取
する。この沈澱を緩衝液に溶かし、制限酵素BamHI
を添加し前記と同様に消化する。
【0024】工程3:組換えプラスミドの作成〔図2〕 発現ベクターとしてはプラスミド、大腸菌ファージλ、
酵母、ウイルス等を使用することができるが、好適には
プラスミドを用いる。例えばプラスミドpTV119N
〔寳酒造〕を制限酵素NcoI及びBamHIで消化
し、電気泳動によって大きい方の断片を単離し、前記工
程(2)で得たDNA断片とリガーゼで結合して組換え
プラスミドを作成する。プラスミドとしてはpTrc9
9A(ファルマシア社)を用いることもできる。また、
ウイルス遺伝子を利用した動物細胞発現ベクターとして
はpMSG(ファルマシア社)やpMAMneo(Cl
ontech社)等を用いることができる。この場合
は、前記工程(2)で消化処理したDNA断片をブラン
トエンドした後、適当なリンカー(例えば5’リン酸化
XhoIリンカー又は5’リン酸化SalIリンカー)
をDNAの両端に付け、このDNA断片を更に制限酵素
XhoI又はSalIで消化した後、同じ制限酵素で消
化した前記ベクターに導入することによって組換えDN
Aを作成することもできる。
【0025】工程4:形質転換〔図2〕 前記工程(3)で得られる組換えDNAを用いて、公知
の手段によって形質転換を行う。即ち、プラスミドベク
ターを用いた場合にはCa2+処理した大腸菌に導入す
る。また、λファージベクターを用いた場合には、イン
ビトロパッケージング反応により、組換え体を取り込ん
だλファージ粒子を調製し、これを大腸菌に感染させ
る。更に動物細胞発現ベクターを用いた場合は、例えば
COS−1細胞にエレクトロポレーション法によって導
入し、それぞれを形質転換を行う。
【0026】工程5:タンパク質の発現 前記工程(4)で得られた形質転換細胞をそれぞれ好適
な手段によって培養する。即ち、HBc遺伝子をもつ大
腸菌を例えばアンピシリンを含むL−ブロス培地に接種
し、30〜40℃、好適には37℃にて、一晩(あるい
は少なくとも3時間程度)培養を行う。続いて誘導物質
(例えばlacプロモーターに作用するIPTG)を添
加してHBcタンパク質の発現を行う。更に、少なくと
も3時間程度経過した後でタンパク質分解酵素阻害剤
(例えばPMSF)を添加し、培養を続ける。また、動
物細胞発現ベクターを用いた場合は、例えばG418含
有MEM培地で培養し、デキサメタゾンを用いてHBc
タンパク質の発現を行うこともできる。
【0027】工程6:タンパク質の単離 前記工程(5)で得られた培養液を遠心分離して菌体を
補集し、例えば、界面活性剤を添加して超音波処理を行
うか、あるいはリゾチーム・シュークロース・トリスH
Clを添加した後に凍結─解凍処理することによって、
大腸菌の細胞質分画を得る。得られた分画をカラム(例
えばDEAEセルロースカラム)で処理して夾雑物を除
去した後、HBcタンパク質を溶出させ、次にこの溶出
液を抗HBc抗体カラムで処理することによってHBc
タンパク質を精製する。
【0028】次に、本発明の第2の方法の各工程につい
て、特に第1の方法と異なる点を中心に説明する。工程1:DNAの増幅〔図3〕 プライマーとして、前記の1Cプライマー及び2Cプラ
イマーに替えて、前記の1Sプライマー及び2Sプライ
マーを使用すること以外は第1の方法と異なる点はな
い。1Sプライマー及び2Sプライマーは、HBs抗原
をコードするDNAの領域に特異的に結合する。この
内、1Sプライマーは+鎖と結合し、2Sプライマーは
−鎖と結合する。PCR法増幅サイクルを実施し、クレ
ノーDNAポリメラーゼIを加え、両端をブラントエン
ドして、約700bpのDNA断片の存在の有無を1.
2%アガロースゲルにて電気泳動を行い確認する。
【0029】HBs抗原には、4種のサブタイプad
r、adw、ayr及びaywが存在し、それぞれ塩基
配列が少しづつ異なっている。しかしながら、それらの
変異はいずれも1Sプライマーと2Sプライマーとの間
に存在するので、1Sプライマーと2Sプライマーとを
用いて本発明の第2の方法によって製造することができ
る。
【0030】工程2:制限酵素による消化〔図4〕 次に、前記工程(1)で得られた反応液に緩衝液を加
え、更に制限酵素NcoIを添加し、酵素反応に適切な
温度(例えば20〜40℃)にて酵素による消化が充分
行なわれる時間(例えば30分〜5時間)にわたって酵
素反応を実施する。この処理液中のDNAをフェノール
/クロロホルムで抽出し、エタノールで沈澱させ分取す
る。この沈澱を緩衝液に溶かし、制限酵素HindIII
を添加し前記と同様に消化する。
【0031】工程3:組換えプラスミドの作成〔図4〕 発現ベクターとしてはプラスミド、大腸菌ファージλ、
酵母、ウイルス等を使用することができるが、好適には
プラスミドを用いる。例えばプラスミドpTV118N
〔寳酒造〕を制限酵素NcoI及びHindIII で消化
し、電気泳動によって大きい方の断片を単離し、前記工
程(2)で得たDNA断片とリガーゼで結合して組換え
プラスミドを作成する。プラスミドとしては、pKK2
33−2(ファルマシア社)を用いることができる。
【0032】また、ウイルス遺伝子を利用した動物細胞
発現ベクターとしてはpMSG(ファルマシア社)やp
MAMneo(Clontech社)等を用いることが
できる。この場合は、前記工程(2)で消化処理したD
NA断片をブラントエンドした後、適当なリンカー(例
えば5’リン酸化SalIリンカー)をDNAの両端に
付け、このDNA断片を更に制限酵素SalIで消化し
た後、同じ制限酵素で消化した前記のベクターに導入す
ることによって組換えDNAを作成することもできる。
【0033】工程4:形質転換〔図4〕 前記の組換えDNAを用いて公知の手段によって形質転
換を行う。即ち、プラスミドベクターを用いた場合には
Ca2+処理した大腸菌に導入する。また、λファージベ
クターを用いた場合には、インビトロパッケージング反
応により組換え体を取り込んだλファージ粒子を調製
し、これを大腸菌に感染させる。更に動物細胞発現ベク
ターを用いた場合は、例えばCOS−1細胞にエレクト
ロポレーション法によって導入し、それぞれを形質転換
を行う。
【0034】工程5:タンパク質の発現 工程(4)で得られた形質転換細胞をそれぞれ好適な手
段によって培養する。即ち、HBs遺伝子をもつ大腸菌
を例えばアンピシリンを含むL−ブロス培地に接種し、
30〜40℃、好適には37℃にて、一晩(あるいは少
なくとも3時間程度)培養を行う。そして誘導物資(例
えばlacプロモーターに作用するIPTG)を添加し
てHBsタンパク質の発現を行う。そして少なくとも3
時間程度経過した後でタンパク質分解酵素阻害剤(例え
ばPMSF)を添加し、培養を続ける。また、動物細胞
発現ベクターを用いた場合は、例えばG418含有ME
M培地で培養し、デキサメタゾンを用いてHBタンパク
質の発現を行うこともできる。
【0035】工程6:タンパク質の単離 工程(5)で得られた培養液を遠心分離して菌体を補集
し、例えば、界面活性剤を添加して超音波処理を行うか
あるいはリゾチーム・シュークロース・トリスHClを
添加した後に凍結─解凍処理することによって、大腸菌
の細胞質分画を得る。得られた分画をカラム(例えばD
EAEセルロースカラム)で処理して夾雑物を除去した
後、HBsタンパク質を溶出させ、次に、この溶出液を
抗HBs抗体カラムで処理することによってHBsタン
パク質を精製する。
【0036】本発明方法によって得られるHBcタンパ
ク質及びHBsタンパク質は、患者血清中の抗HBc抗
体価及び抗HBs抗体価を測定するための抗原として用
いることができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0038】実施例1:B型肝炎ウイルスのコアタンパ
ク質の調製 (1)ヒト血漿試料の調製 HBs抗原陽性(RPHA法による)でしかもHBe抗
原陽性(オクタロニー法による)の肝炎患者の血漿を選
び、HBs抗原のサブタイプadr及びサブタイプad
wの各血漿約80mlを採取した。20%シュークロース
30mlに血漿約30mlをのせ、超遠心分離(日立RP−
45、37000rpm×16時間)を4℃で行い、デ
ーン粒子のペレットを集めた。このペレットを10mMト
リスHCl(pH7.4)/150mM─NaCl約5ml
に懸濁し、−80℃で保存した。この懸濁液1mlにプロ
テイナーゼK200μgを加え、終濃度0.5%SD
S、10mM─EDTA及び10mMトリスHCl(pH
7.4)で68℃にて20時間プロテアーゼ処理を行っ
た後、フェノール抽出を3回繰り返してからエタノール
で沈澱させてHBVDNAを単離した。
【0039】(2)HBcタンパク質遺伝子の作成 381A型DNA自動合成装置(アプライドバイオシス
テムズ社)を用いて常法により、NcoI認識部位を含
む配列表の配列番号1に記載の配列で表される塩基30
個からなるオリゴヌクレオチド(以下、HBc−1と称
する)及びBamHI認識部位を含む配列表の配列番号
2に記載の配列で表される塩基30個からなるオリゴヌ
クレオチド(以下、CHBc−1と称する)を調製し
た。これらのHBc−1及びCHBc−1をHBc遺伝
子のプライマーとして用い、前項(1)で単離した2種
のHBVDNA(HBsサブタイプadr及びadw)
を試料として、95℃にて10分間熱処理した後、Ta
qDNAポリメラーゼ〔寳酒造〕を添加し、酵素反応
(72℃;3分間)、熱変性(90℃;1分間)及びア
ニーリング(60℃;2分間)の各操作をPCR装置
〔寳酒造〕で30回繰り返し行った〔図1〕。
【0040】こうして増幅されたDNAの5’末端を制
限酵素NcoIで切断し、3’末端をBamHIで切断
した後、1.2%アガロースゲルにて電気泳動を行い、
エチジウムブロマイドの存在下にてUVランプで検出で
きた約570bpのDNA断片のバンドを切り取り、D
NA回収・精製キット(商品名DNA PREP;ダイ
アヤトロン社)を用いてDNAの精製を行った〔図
2〕。
【0041】(3)HBc遺伝子を含むプラスミドの調
製 市販の発現ベクターpTV119N(寳酒造)を制限酵
素NcoI及びBamHIで処理して大きい方の断片を
取り、前項(2)で得られた約570bpのDNA断片
をT4DNAリガーゼを用いて挿入し、組換えプラスミ
ドpTV119・HBcを得た〔図2〕。
【0042】(4)プラスミドpTV119・HBcに
よる大腸菌の形質転換 前項(3)で得られたpTV119・HBcと市販の大
腸菌MV1184(寳酒造)を50mMCaCl2 で処理
し、作成したコンピテント細胞を0℃にて40分間イン
キュベートし、42℃で3分間熱処理した後、37℃で
1時間L−ブロスにて培養した。この大腸菌をアンピシ
リン(50μg/ml)、0.5mMIPTG及び0.00
4%X−GALを含むL−ブロス寒天平板培地上にま
き、37℃で一夜培養を行った。生じたアンピシリン耐
性で透明なコロニーを、各々新たなアンピシリン(10
0μg/ml)を含むL−ブロスで37℃にて一夜培養
し、アルカリ溶菌法にてプラスミドDNAを単離した
(Molecular Cloning,A Labo
ratory Manual 2nd Editio
n,J.Sambrook,E.F.Fritsch,
T.Maniatis;Cold Spring Ha
rbor Laboratory,New Yor
k)。このDNAを制限酵素NcoI及びBamHIで
切断した後、1.2%アガロースゲルにて電気泳動を行
い、エチジウムブロマイドの存在下でUVランプによ
り、約570bpのHBcDNA及び3100bpのプ
ラスミドベクターの存在を確認した。ここに得られた約
570bpのHBc遺伝子をもつ大腸菌をpTV119
・HBc−001(サブタイプadr由来DNAとして
3クローン)及びpTV119・HBc−101(サブ
タイプadw由来DNAとして3クローン)と命名し
た。
【0043】(5)pTV119・HBc遺伝子の大腸
菌でのHBcタンパク質の発現 プラスミドpTV119・HBcの遺伝子発現は、0.
5mMIPTGを含むL−ブロスを用い、37℃にて7時
間培養するか又は一夜培養を行い、菌体を、リゾチーム
(1mg/ml)を含む20%シュークロース/30mMトリ
スHCl(pH8.0)で0℃にて20分間処理した
後、菌体に対して更に凍結−解凍処理を3回繰り返し
(前記のMolecular Cloning,A L
aboratory Manual 2nd Edit
ion)、得られた上清をHBcタンパク質の粗分画と
した。HBcタンパク質(adr由来の3クローン)の
RPHA法による結果を表1に示す。表1において、一
夜培養した場合、クローン1及び2はHBcタンパク質
の産生量は良好であり、クローン3はタンパク質分解酵
素による分解を受け、少なくなっている。また、adw
由来の3クローンは、各々7時間及び一夜培養共に210
〜211であった。
【0044】
【表1】
【0045】(6)ウェスタンブロットによるHBcタ
ンパク質の確認 前項(5)で得たHBcタンパク質の粗分画を12.5
%ポリアクリルアミドゲル(0.4%SDS存在下)で
電気泳動した後、ブロッテイングバッファー〔25mMト
リスHCl(pH8.3)、192mMグリシン及び20
%メチルアルコール〕を用いて、ニトロセルロース膜に
転写した(50V、70分)。ニトロセルロース膜を1
0%FCSを含む10mMトリスHCl(pH7.4)、
150mMNaClでブロッキングした後、第1抗体とし
てマウス抗HBcモノクロナール抗体(サブクラスIg
M)(Chemicon International
Inc.)を用い、第2抗体としてホスファターゼ標識
ヤギ抗マウスIgM(μ)抗体を用いた。基質にBCI
P(5−ブロモ─4−クロロ─3−インドリルホスフェ
ート)及びNBT(ニトロブルーテトラゾリウム)を用
いて活性染色を行ったところ、45Kd(ダイマー)及
び21Kd(モノマー)のHBcタンパク質のバンドが
強く染まった。
【0046】(7)HBcタンパク質の分離及び精製 前項(5)で得たHBcタンパク質の粗分画をDE52
(Whatman Paper Ltd.)カラム
(2.5×15cm)にかけ、0.5M−NaClで溶出
した。この分画を0.15M−NaClで透析した後、
抗HBc抗体カラム(1×10cm)にかけ、4M─Mg
Cl2 で溶出し、HBcタンパク質を精製した。
【0047】実施例2:B型肝炎ウイルスの表面タンパ
ク質の調製 (1)血漿試料の調製 前記実施例1(1)に記載した試料と同一の試料を用い
た。
【0048】(2)HBs遺伝子の作成 381A型DNA自動合成装置(アプライドバイオシス
テムズ社)を用いて常法により、NcoI認識部位を含
む配列表の配列番号3に記載の配列で表される塩基30
個からなるオリゴヌクレオチド(以下、HBs−1と称
する)及びHindIII 認識部位を含む配列表の配列番
号4に記載の配列で表される塩基30個からなるオリゴ
ヌクレオチド(以下、CHBs−1と称する)を調製し
た。これらのHBs−1及びCHBs−1をHBs遺伝
子のプライマーとして用い、前項(1)の2種のHBV
DNA(HBsサブタイプadr及びadw)を試料と
して、実施例1(2)に記載の方法と同様に処理してP
CR法を実施した。
【0049】こうして増幅されたDNAの5’末端を制
限酵素NcoIで切断し、3’末端を制限酵素Hind
III で切断した後、1.2%アガロースゲルにて電気泳
動を行い、エチジウムブロマイドの存在下にてUVラン
プで検出できた約670bpのDNA断片のバンドを切
り取り、DNA回収・精製キット(商品名DNA PR
EP;ダイアヤトロン社)を用いてDNAの精製を行っ
た〔図3〕。
【0050】(3)HBs遺伝子を含むプラスミドの調
製 市販の遺伝子発現ベクターpTV118N(寳酒造)を
制限酵素NcoI及びHindIII で処理して大きい方
の断片を取り、前項(2)で得られた約670bpのD
NA断片(HBs遺伝子)をT4DNAリガーゼを用い
て挿入し、組換えプラスミドpTV118・HBsを得
た〔図4〕。
【0051】(4)プラスミドpTV118N・HBs
による大腸菌の形質転換 前項(3)で得られたpTV118N・HBsと、L−
ブロスで37℃にて一夜培養した大腸菌MV1184
(寳酒造)を50mMCaC12 で処理して作製したコン
ピテント細胞を、0℃にて40分間インキュベートし、
42℃にて3分間熱処理した後、37℃にて1時間L−
ブロスにて培養した。この大腸菌をアンピシリン(50
μg/ml)、0.5mMIPTG及び0.004%X−G
ALを含むL−ブロス寒天平板培地上にまき、37℃で
一夜培養を行った。生じたアンピシリン耐性で透明なコ
ロニーを、各々新たなアンピシリン(100μg/ml)
を含むL−ブロスで37℃にて一夜培養し、アルカリ溶
菌法にてプラスミドDNAを単離した(前記のMole
cular Cloning,A Laborator
y Manual 2nd Edition)。このD
NAを制限酵素NcoI及びHindIII で切断した
後、1.2%アガロースゲルにて電気泳動を行い、エチ
ジウムブロマイドの存在下でUVランプにより、約67
0bpのHBsDNA及び3100bpのプラスミドベ
クターの存在を確認した。ここに得られた約670bp
のHBs遺伝子をもつ大腸菌をpTV118・HBs−
001(サブタイプadr由来DNAとして16クロー
ン)及びpTV118・HBs−101(サブタイプa
dw由来DNAとして12クローン)と名付けた。
【0052】(5)pTV118・HBs遺伝子の大腸
菌でのHBsタンパク質の発現 プラスミドpTV118・HBsの発現は、前記実施例
1(5)に記載の方法と同一の条件で行った。HBsタ
ンパク質の確認にはHBs抗原キット(ウエルカム・ダ
イアグノステイック・ジャパン)を用いRPHA法によ
り行った。しかし、pTV118・HBs−001及び
pTV118・HBs−101のクローンはともにHB
s抗原タンパク量の産生が少なく20 〜22 であった。
【0053】
【発明の効果】本発明方法によってB型肝炎ウイルスの
コア構造タンパク質又は表面構造タンパク質を製造する
と、大量の血漿を用いる必要がなく、開始コドンの直前
から停止コドンの直後までからなる挿入用DNA断片を
得ることができ、しかもHBs抗原のサブタイプによる
差異や変異による切断部位の消失にも適応可能である。
【0054】
【配列表】
【0055】配列番号:1 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列:TTTGGGCCAT GGACATTGAC CCGTATAAAG
【0056】配列番号:2 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列:TCCAAGGGAT CCTAACATTG AGATTCCCGA
【0057】配列番号:3 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列:ACCGACCATG GAGAACACAA CATCAGGATT
【0058】配列番号:4 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列:TTTATTAAGC TTTAAATGTA TACCCAAAGA
【図面の簡単な説明】
【図1】HBc遺伝子の作成工程を示す説明図である。
【図2】プラスミドpTV119・HBcの作成工程を
示す説明図である。
【図3】HBs遺伝子の作成工程を示す説明図である。
【図4】プラスミドpTV118・HBsの作成工程を
示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)(a)制限酵素NcoIの認識塩
    基配列CCATGGを含み、前記認識塩基配列CCAT
    GG内に存在する塩基配列ATGが、天然ヒトB型肝炎
    ウイルスコア構造タンパク質をコードするDNAの塩基
    配列における開始コドンATGに対応して、前記天然ヒ
    トB型肝炎ウイルスコア構造タンパク質をコードするD
    NAの開始コドンATGを含む領域に特異的に結合する
    ことのできる塩基配列又はその相補的塩基配列を有する
    第1のDNAプライマーと、 (b)塩基配列GGATCCTAを含み、その塩基配列
    の最後に存在する塩基配列CTAが、天然ヒトB型肝炎
    ウイルスコア構造タンパク質をコードするDNAの塩基
    配列における停止コドンTAGに相補的な塩基配列CT
    Aに対応して、前記天然ヒトB型肝炎ウイルスコア構造
    タンパク質をコードするDNAの停止コドンTAGを含
    む領域に特異的に結合することのできる塩基配列又はそ
    の相補的塩基配列を有する第2のDNAプライマーと、 (c)DNAポリメラーゼと、 (d)B型肝炎ウイルスDNAと を含む混合液をDNA増幅工程にかけて、B型肝炎ウイ
    ルスコア構造タンパク質をコードするDNAを増幅し、 (2)B型肝炎ウイルスコア構造タンパク質をコードす
    る増幅されたDNAを制限酵素NcoI及び制限酵素B
    amHIで消化して、NcoI/BamHI消化DNA
    断片を生成し、 (3)そのNcoI/BamHI消化DNA断片を複製
    可能な発現ベクターに連結して、組換えDNAを形成
    し、 (4)その組換えDNAで微生物又は細胞を形質転換
    し、 (5)得られた形質転換体を培養して前記形質転換体に
    B型肝炎ウイルスコア構造タンパク質をコードするDN
    Aを発現させてB型肝炎ウイルスコア構造タンパク質を
    産生させ、 (6)産生させたB型肝炎ウイルスコア構造タンパク質
    を形質転換体から単離する 各工程を含むことを特徴とする、B型肝炎ウイルスコア
    構造タンパク質の製造方法。
  2. 【請求項2】 (1)(a)制限酵素NcoIの認識塩
    基配列CCATGGを含み、前記認識塩基配列CCAT
    GG内に存在する塩基配列ATGが、天然ヒトB型肝炎
    ウイルス表面構造タンパク質をコードするDNAの塩基
    配列における開始コドンATGに対応して、前記天然ヒ
    トB型肝炎ウイルス表面構造タンパク質をコードするD
    NAの開始コドンATGを含む領域に特異的に結合する
    ことのできる塩基配列又はその相補的塩基配列を有する
    第1のDNAプライマーと、 (b)塩基配列AAGCTTTAを含み、その塩基配列
    の最後に存在する塩基配列TTAが、天然ヒトB型肝炎
    ウイルス表面構造タンパク質をコードするDNAの塩基
    配列における停止コドンTAAに相補的な塩基配列TT
    Aに対応して、前記天然ヒトB型肝炎ウイルス表面構造
    タンパク質をコードするDNAの停止コドンTAAを含
    む領域に特異的に結合することのできる塩基配列又はそ
    の相補的塩基配列を有する第2のDNAプライマーと、 (c)DNAポリメラーゼと、 (d)B型肝炎ウイルスDNAと を含む混合液をDNA増幅工程にかけて、B型肝炎ウイ
    ルス表面構造タンパク質をコードするDNAを増幅し、 (2)B型肝炎ウイルス表面構造タンパク質をコードす
    る増幅されたDNAを制限酵素NcoI及び制限酵素H
    indIII で消化して、NcoI/HindIII消化D
    NA断片を生成し、 (3)そのNcoI/HindIII 消化DNA断片を複
    製可能な発現ベクターに連結して、組換えDNAを形成
    し、 (4)その組換えDNAで微生物又は細胞を形質転換
    し、 (5)得られた形質転換体を培養して前記形質転換体に
    B型肝炎ウイルス表面構造タンパク質をコードするDN
    Aを発現させてB型肝炎ウイルス表面構造タンパク質を
    産生させ、 (6)産生させたB型肝炎ウイルス表面構造タンパク質
    を形質転換体から単離する 各工程を含むことを特徴とする、B型肝炎ウイルス表面
    構造タンパク質の製造方法。
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