JPH0577680B2 - - Google Patents
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- JPH0577680B2 JPH0577680B2 JP1213912A JP21391289A JPH0577680B2 JP H0577680 B2 JPH0577680 B2 JP H0577680B2 JP 1213912 A JP1213912 A JP 1213912A JP 21391289 A JP21391289 A JP 21391289A JP H0577680 B2 JPH0577680 B2 JP H0577680B2
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
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Description
産業上の利用分野
本発明は、血漿因子、その精製方法およびそれ
を有効成分として含有する血栓溶解剤に関する。 従来の技術 血液線溶系の酵素活性化系は、通常酵素活性を
有せず、プラスミノーゲンという前駆体で存在し
ている。この前駆体は、プラスミノーゲンアクチ
ベータ(以下、PAと略称する)によつてプラス
ミンという酵素に活性化される。PAはフイブリ
ンに対する親和性の差から2種類に分類できる。
すなわちウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチ
ベータ(以下、u−PAと略称する)などのよう
にフイブリンに対する親和性の低いPAと組織型
プラスミノーゲンアクチベータ(以下、t−PA
と略称する)などのようにフイブリンに対する親
和性の高いPAである。この酵素活性化系は、PA
とプラスミンとの2種類から成るものの、通常は
酵素活性の発現がきわめて弱い。たとえば循環血
漿中のPA活性は非常に弱く、静脈うつ血のよう
な血管内皮細胞に対する生理学的刺激後や、
DDAVPの静脈内投与のような薬理学的刺激後に
のみ活性が出現する。 酵素活性を抑制する系は、2つのインヒビター
から成り、各々の酵素活性系の酵素を特異的に抑
制する。すなわちPAには、PAインヒビター(以
下、PAIと略称する)、プラスミンにはα2−アン
チプラスミン(以下、α2APと略称する)がある。 発明が解決しようとする課題 この数年来、ヘパリンとその類似物質がインビ
ボおよびインビトロにおいて線溶活性を増加させ
ることが知られている。デキストラン硫酸を血漿
に加えた場合、そのユーグロブリン分画中の線溶
活性は増強し、このデキストラン硫酸による線溶
活性の産生はXII因子、血漿プレカリクレインと高
分子キニノーゲンの存在に依存し、内因性線溶制
御による接触性活性化経路と呼ばれている。ヘパ
リンは、ブタの耳還流液中にPA分泌を増強させ
る。またヘパリンは、t−PAやu−PAのような
PAやプラスミノーゲンと結合し、Km値を減少
させ、その結果ヘパリンは、ヒトの血漿中の内因
性、外因性両方のPAを活性化させる。 本発明者らは、ヘパリンにより線溶活性を誘発
される血漿因子はt−PA抗体、u−PA抗体、プ
ラスミノーゲン抗体、XII因子抗体、血漿プレカリ
クレイン抗体および組織性カリクレイン抗体とは
反応しないことを見いだし、本発明を完成した。 本発明の目的は、血栓溶解剤として有用な血漿
因子を提供することにあり、別の目的は本発明血
漿因子の精製方法を提供することにあり、さらに
別の目的は本発明の血漿因子を有効成分として含
有して成る医薬組成物を提供することにある。 発明を解決するための手段 本発明は、SDS−PAGE上で分子量80kDの主
バンドを示し、ヘパリンまたはヘパリン類似物質
によつて線溶活性を増強し、血栓誘導効果を誘導
することを特徴とする血漿因子である。 また本発明は、血漿の硫酸アンモニウム沈殿を
ヘパリンーセフアロース、亜鉛キレート−セフア
ロース、アプロチニン−セフアロースおよびプロ
テインA−セフアロースによるアフイニテイーカ
ラムクロマトグラフによつて処理することを特徴
とする。 また本発明は、血漿の硫酸アンモニウム沈殿を
ヘパリン−セフアロース、亜鉛キレート−セフア
ロース、アプロチニン−セフアロースおよびプロ
テインA−セフアロースによるアフイニテイーカ
ラムクロマトグラフによつて処理することを特徴
とする血漿因子の精製方法である。 また本発明は、SDS−PAGE上で分子量80kD
の主バンドを示し、ヘパリンまたはヘパリン類似
物質によつて線溶活性を増強することを特徴とす
る血漿因子を有効成分として含有する血栓溶解剤
である。 また本発明は、血漿の硫酸アンモニウム沈殿を
ヘパリン−セフアロース、亜鉛キレート−セフア
ロース、アプロチニン−セフアロースおよびプロ
テインA−セフアロースによるアフイニテイーカ
ラムクロマトグラフによつて処理することを特徴
とする。 作 用 本発明による血漿因子は、以下に記載する実施
例の結果からも明らかなように、ヘパリンの存在
下で酵素反応を増強し、フイブリンの表面で線溶
活性を増強し、血栓溶解を誘導し、血栓溶解剤と
して有用であり、急性心筋梗塞症、肺塞栓症、深
部血栓症、狭心症などの治療剤として有用であ
る。 また本発明によつて精製した血漿因子を用い
て、公知の方法(たとえばT・Maniatisらによ
るMolecular Cloning a Laboratory Manual
に記載の方法)で、たとえばm−RNAを分画し、
c−DNAのクローン化の工程を経て、アミノ酸
配列が決定でき、このアミノ酸配列の解明によつ
て目的物質を遺伝子工学的手法を用いて大量に製
造できる。 実施例 本発明を以下の実施例によつてより詳細に説明
する。 実施例 1 材料 ヘパリンは、未分画ヘパリンと低分子ヘパリン
の2種類を用いた。Glu−プラスミノーゲンは、
ヒトの血漿よりジンセフアロースとゲル過法に
より精製した。一本鎖組織型プラスミノーゲンア
クチベータ(以下、sct−PAと略称する)は、ヒ
トのメラノーマ細胞(Bowes株)の培養液より
アフイニテイクロマトグラフイ法により精製し
た。二本鎖組織型プラスミノーゲンアクチベータ
(以下、tct−PAと略称する)は、プラスミンセ
フアロースを用いてsct−PAより調整した。一本
鎖ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ
(以下、scu−PAと略称する)は、ヒトの腎細胞
培養液より調整して用いた。二本鎖ウロキナーゼ
型プラスミノーゲンアクチベータ(以下、tcu−
PAと略称する)は、ヒト尿より精製した。種々
の抗体は、免疫したウサギの抗血清からプロテイ
ンAーセフアロースとアプロチニンーセフアロー
スにより調整した。合成基質は、H−D−イソロ
イシル−L−プロリル−L−アルギニン−p−ニ
トロアニリド(以下、S−2288と略称する)、L
−ピログルタミル−グリシル−L−アルギニン−
p−ニトロアニリド(以下、S−2444と略称す
る)、H−D−バリル−L−ロイシル−L−リジ
ン−p−ニトロアニリド(以下、S−2251と略称
する)およびH−D−プロリル−フエニルアラニ
ル−アルギニン−p−ニトロアニリド(以下、S
−2302と略称する)を用いた。 実施例 2 低分子ヘパリンまたは通常ヘパリンによる血漿
のアミド分解活性の誘導 (1) 合成基質S−2288、S−2444、S−2302を用
いてのアミド分解活性測定 検体20μとヘパリン100μを37℃、15分反
応させ、合成基質S−2288、S−2444またはS
−2302(1mM)100μを加え、0.1Mトリス−
塩酸緩衝液(PH8.4)に0.1MNaClを含む溶液中
で反応させた。アミド分解活性は96ウエルプレ
ート中の吸光度(405nm)をマイクロフオトメ
ータで測定した。 (2) 合成基質S−2251を用いてのアミド分解活性 検査20μとヘパリン100μを37℃、15分反
応させ、合成基質S−2251(0.6mM)100μと
Glu−プラスミノーゲン(10μg/ml)20μ加
え、50mMトリス−塩酸緩衝液(PH7.4)に0.01
%Tween80を含む溶液中で反応させ、96ウエ
ルプレート上でアミド分解活性を測定した。 (3) 低分子ヘパリンまたは通常ヘパリンによる血
漿のアミド分解活性の誘導は合成基質S−2288
を用いて検討した。第1図のl1およびl4に
示すようにヒト通常血漿の場合、低分子ヘパリ
ンは濃度および時間に依存してアミド分解活性
を増加させ、l4に示すように最大活性は低分子
ヘパリン15U/mlで生じた。しかしながら、通
常ヘパリンでは、l5に示すように濃度に依存
するアミド分解活性の顕著な増加は観察されな
かつた。低分子ヘパリンによるアミド分解活性
の増加は、合成基質S−2444またはGlu−プラ
スミノーゲンとS−2251を用いた場合にも同様
に生じた。またXII因子欠乏血漿の場合もアミド
分解活性は、正常血漿と同様に時間に依存して
増加した。S−2302の分解活性も非常によかつ
た。 実施例 3 血漿因子の精製 ヒト血漿に固形硫酸アンモニウムを加え、30%
飽和にした。この溶液を10000rpm、30分遠心分
離し、沈澱を50mMトリス−塩酸緩衝液(PH7.4)
に0.01%Tween80を含む溶液(トリス緩衝液)で
溶解し、同トリス緩衝液で一晩透析した。この透
析液をヘパリン−セフアロースカラム(1.5×38
cm)にアプライし、トリス緩衝液に0.3M塩化ナ
トリウムを含む溶液で洗浄した。カラムに吸着し
た蛋白は、0.3M塩化ナトリウムと0.8M塩化ナト
リウムをそれぞれ含むトリス緩衝液150mlで直線
的濃度勾配により溶出させた。血漿因子を含む分
画は、50mMトリス−酢酸緩衝液(PH8.0)に
0.5M塩化ナトリウムと0.01%Tween80を含む溶
液で透析後、亜鉛キレート−.セフアロースカラ
ムにアプライし、同溶液で洗浄後、PHの異なるト
リス−酢酸緩衝液(PH6.0,4.5,3.0)と
50mMEDTAを含む溶液により溶出させた。溶出
した検体は、直ちに0.1Mまたは1.0M水酸化ナト
リウムによりPH8.0に調節した。次に血漿因子を
含む分画は、アプロチニンセフアロースカラムに
アプライし、トリス緩衝液で洗浄後、0.5Mと
2.0Mをそれぞれ含むトリス緩衝液、0.1Mグリシ
ン−塩酸緩衝液(PH3.0)、2.0Mチオシアン酸カ
リウム溶液、3M塩酸グアニジン溶液および6M尿
素溶液で溶出させた。次に血漿因子を含む分画を
プロテインAセフアロースカラムにアプライし、
トリス緩衝液で洗浄後、0.1Mグリシン−塩酸緩
衝液(PH3.0)で溶出した。溶出した検体は、1M
水酸化ナトリウム溶液でPHを7.4に調整した。こ
の血漿因子を含む分画を最終精製品とした。すな
わち血漿は、硫酸アンモニウムで30%飽和分画を
得、ヘパリン−セフアロースカラムにアプライし
た。第2図に示すように、血漿因子は0.45から
0.6Mの塩化ナトリウム分画に溶出させた。次に
この分画を亜鉛キレート−セフアロースカラムに
アプライし、PH4.5による溶出分画に血漿因子が
含まれていた。この分画をさらにアプロチニン−
セフアロースカラムにアプライし、0.1Mグリシ
ン緩衝液(PH3.0)の溶出分画を得、プロテイン
Aセフアロースカラムにアプライした。血漿因子
は、未吸着分画に溶出され、この分画を最終精製
品とした。 実施例 4 血漿因子のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(以下SDS−PAGEと略称する)と電気泳動
的エンザイモグラフイ(以下、エンザイモグラフ
イと略称する)による解析 (1) SDS−PAGEは、レムリーの方法(Nature、
227,680−685,1970)に従い行つた。ゲル上
の蛋白は、銀染色により検出した。標準蛋白と
しては、フオスフオリラーゼb(94000)、ウシ
血漿アルブミン(67000)、オブアルブミン
(43000)、カーボニツクアンハイドラーゼ
(30000)およびトリプシンインヒビター
(24000)を用いた。エンザイモグラフイは、松
尾らの方法(ヘモスターシス、16,43−50,
1986)に従つた。SDS−PAGE用ゲル溶液内に
フイブリノーゲンとトロンビンを加え、フイブ
リンを含むポリアクチルアミドゲルを作製し、
電気泳動を行つた。分子量マーカーにt−PA
とu−PAを用いた。 (2) 血漿因子は、SDS−PAGE分析により非還元
条件下では、第3図aに示すように80kDの分
子量の1本の主バンド(銀染色による総蛋白量
の88%)と2〜3の副バンドを示した。また非
血漿因子は、第3図aに示すように還元条件下
で35kDの主バンドを示し、血漿カリクレイン
のその条件下のときと異なつていた。血漿因子
のエンザイモグラフイは第3図bに示すように
80kDに溶解層を示し、低分子ヘパリン処理に
より増強した。 実施例 5 血漿因子の免疫学的性質 (1) 検体20μと種々の抗体20μを37℃、1時
間反応させ、100μのヘパリンの非存在下ま
たは存在下で37℃、15分反応させた後、合成基
質S−2288(1mM)100μを加えて37℃で反応
させた。アミド分解活性を測定し、検体の免疫
学的性質を検討した。 (2) 血漿因子は、合成基質S−2288分解活性を自
身で持ち、低分子ヘパリンにより増強した。こ
の血漿因子のアミド分解活性の血漿カリクレイ
ン、組織性カリクレイン、XII因子、プラスミノ
ーゲン、t−PAまたはu−PAなどの抗体との
反応による影響はなかつた。血漿因子のアミド
分解活性は、S−2302よりもS−2288の方が強
かつたが、血漿カリクレインのアミド分解活性
はS−2288よりS−2302の方が強かつた。 実施例 6 血漿因子に対するインヒビターの影響 (1) 血漿因子に対する種々のインヒビターの影響
は、合成基質S−2288を用いて検討した。20μ
の血漿因子に種々のインヒビター20μを加
え、37℃、60分間反応後、低分子ヘパリン
(10U/ml)10μ加え、37℃、15分間反応さ
せ、合成基質S−2288(0.8mM)80μを加え
て行つた。アミド分解活性を測定し、インヒビ
ターの影響を見た。 (2) 第1表に血漿因子のアミド分解活性における
インヒビターの影響を示す。阻害の程度は、血
漿因子のみのアミド分解活性を100%とした場
合のそれぞれの影響を%で示す。第1表に示す
ようにDFPはアミド分解活性を完全に阻害し、
アプロチニン、α2−アンチプラスミンと尿由来
トリプシンインヒビターを強く阻害し、アンチ
トロビン、アンチトロビン+ヘパリン、
FOY、TPCK、TLCKとSBTIは弱い阻害であ
つた。しかし、ベンザミジン、MD−805、
AMCHAと、PAI−1とIAAは血漿因子のア
ミド分解活性に対する影響は非常に弱かつた。
を有効成分として含有する血栓溶解剤に関する。 従来の技術 血液線溶系の酵素活性化系は、通常酵素活性を
有せず、プラスミノーゲンという前駆体で存在し
ている。この前駆体は、プラスミノーゲンアクチ
ベータ(以下、PAと略称する)によつてプラス
ミンという酵素に活性化される。PAはフイブリ
ンに対する親和性の差から2種類に分類できる。
すなわちウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチ
ベータ(以下、u−PAと略称する)などのよう
にフイブリンに対する親和性の低いPAと組織型
プラスミノーゲンアクチベータ(以下、t−PA
と略称する)などのようにフイブリンに対する親
和性の高いPAである。この酵素活性化系は、PA
とプラスミンとの2種類から成るものの、通常は
酵素活性の発現がきわめて弱い。たとえば循環血
漿中のPA活性は非常に弱く、静脈うつ血のよう
な血管内皮細胞に対する生理学的刺激後や、
DDAVPの静脈内投与のような薬理学的刺激後に
のみ活性が出現する。 酵素活性を抑制する系は、2つのインヒビター
から成り、各々の酵素活性系の酵素を特異的に抑
制する。すなわちPAには、PAインヒビター(以
下、PAIと略称する)、プラスミンにはα2−アン
チプラスミン(以下、α2APと略称する)がある。 発明が解決しようとする課題 この数年来、ヘパリンとその類似物質がインビ
ボおよびインビトロにおいて線溶活性を増加させ
ることが知られている。デキストラン硫酸を血漿
に加えた場合、そのユーグロブリン分画中の線溶
活性は増強し、このデキストラン硫酸による線溶
活性の産生はXII因子、血漿プレカリクレインと高
分子キニノーゲンの存在に依存し、内因性線溶制
御による接触性活性化経路と呼ばれている。ヘパ
リンは、ブタの耳還流液中にPA分泌を増強させ
る。またヘパリンは、t−PAやu−PAのような
PAやプラスミノーゲンと結合し、Km値を減少
させ、その結果ヘパリンは、ヒトの血漿中の内因
性、外因性両方のPAを活性化させる。 本発明者らは、ヘパリンにより線溶活性を誘発
される血漿因子はt−PA抗体、u−PA抗体、プ
ラスミノーゲン抗体、XII因子抗体、血漿プレカリ
クレイン抗体および組織性カリクレイン抗体とは
反応しないことを見いだし、本発明を完成した。 本発明の目的は、血栓溶解剤として有用な血漿
因子を提供することにあり、別の目的は本発明血
漿因子の精製方法を提供することにあり、さらに
別の目的は本発明の血漿因子を有効成分として含
有して成る医薬組成物を提供することにある。 発明を解決するための手段 本発明は、SDS−PAGE上で分子量80kDの主
バンドを示し、ヘパリンまたはヘパリン類似物質
によつて線溶活性を増強し、血栓誘導効果を誘導
することを特徴とする血漿因子である。 また本発明は、血漿の硫酸アンモニウム沈殿を
ヘパリンーセフアロース、亜鉛キレート−セフア
ロース、アプロチニン−セフアロースおよびプロ
テインA−セフアロースによるアフイニテイーカ
ラムクロマトグラフによつて処理することを特徴
とする。 また本発明は、血漿の硫酸アンモニウム沈殿を
ヘパリン−セフアロース、亜鉛キレート−セフア
ロース、アプロチニン−セフアロースおよびプロ
テインA−セフアロースによるアフイニテイーカ
ラムクロマトグラフによつて処理することを特徴
とする血漿因子の精製方法である。 また本発明は、SDS−PAGE上で分子量80kD
の主バンドを示し、ヘパリンまたはヘパリン類似
物質によつて線溶活性を増強することを特徴とす
る血漿因子を有効成分として含有する血栓溶解剤
である。 また本発明は、血漿の硫酸アンモニウム沈殿を
ヘパリン−セフアロース、亜鉛キレート−セフア
ロース、アプロチニン−セフアロースおよびプロ
テインA−セフアロースによるアフイニテイーカ
ラムクロマトグラフによつて処理することを特徴
とする。 作 用 本発明による血漿因子は、以下に記載する実施
例の結果からも明らかなように、ヘパリンの存在
下で酵素反応を増強し、フイブリンの表面で線溶
活性を増強し、血栓溶解を誘導し、血栓溶解剤と
して有用であり、急性心筋梗塞症、肺塞栓症、深
部血栓症、狭心症などの治療剤として有用であ
る。 また本発明によつて精製した血漿因子を用い
て、公知の方法(たとえばT・Maniatisらによ
るMolecular Cloning a Laboratory Manual
に記載の方法)で、たとえばm−RNAを分画し、
c−DNAのクローン化の工程を経て、アミノ酸
配列が決定でき、このアミノ酸配列の解明によつ
て目的物質を遺伝子工学的手法を用いて大量に製
造できる。 実施例 本発明を以下の実施例によつてより詳細に説明
する。 実施例 1 材料 ヘパリンは、未分画ヘパリンと低分子ヘパリン
の2種類を用いた。Glu−プラスミノーゲンは、
ヒトの血漿よりジンセフアロースとゲル過法に
より精製した。一本鎖組織型プラスミノーゲンア
クチベータ(以下、sct−PAと略称する)は、ヒ
トのメラノーマ細胞(Bowes株)の培養液より
アフイニテイクロマトグラフイ法により精製し
た。二本鎖組織型プラスミノーゲンアクチベータ
(以下、tct−PAと略称する)は、プラスミンセ
フアロースを用いてsct−PAより調整した。一本
鎖ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ
(以下、scu−PAと略称する)は、ヒトの腎細胞
培養液より調整して用いた。二本鎖ウロキナーゼ
型プラスミノーゲンアクチベータ(以下、tcu−
PAと略称する)は、ヒト尿より精製した。種々
の抗体は、免疫したウサギの抗血清からプロテイ
ンAーセフアロースとアプロチニンーセフアロー
スにより調整した。合成基質は、H−D−イソロ
イシル−L−プロリル−L−アルギニン−p−ニ
トロアニリド(以下、S−2288と略称する)、L
−ピログルタミル−グリシル−L−アルギニン−
p−ニトロアニリド(以下、S−2444と略称す
る)、H−D−バリル−L−ロイシル−L−リジ
ン−p−ニトロアニリド(以下、S−2251と略称
する)およびH−D−プロリル−フエニルアラニ
ル−アルギニン−p−ニトロアニリド(以下、S
−2302と略称する)を用いた。 実施例 2 低分子ヘパリンまたは通常ヘパリンによる血漿
のアミド分解活性の誘導 (1) 合成基質S−2288、S−2444、S−2302を用
いてのアミド分解活性測定 検体20μとヘパリン100μを37℃、15分反
応させ、合成基質S−2288、S−2444またはS
−2302(1mM)100μを加え、0.1Mトリス−
塩酸緩衝液(PH8.4)に0.1MNaClを含む溶液中
で反応させた。アミド分解活性は96ウエルプレ
ート中の吸光度(405nm)をマイクロフオトメ
ータで測定した。 (2) 合成基質S−2251を用いてのアミド分解活性 検査20μとヘパリン100μを37℃、15分反
応させ、合成基質S−2251(0.6mM)100μと
Glu−プラスミノーゲン(10μg/ml)20μ加
え、50mMトリス−塩酸緩衝液(PH7.4)に0.01
%Tween80を含む溶液中で反応させ、96ウエ
ルプレート上でアミド分解活性を測定した。 (3) 低分子ヘパリンまたは通常ヘパリンによる血
漿のアミド分解活性の誘導は合成基質S−2288
を用いて検討した。第1図のl1およびl4に
示すようにヒト通常血漿の場合、低分子ヘパリ
ンは濃度および時間に依存してアミド分解活性
を増加させ、l4に示すように最大活性は低分子
ヘパリン15U/mlで生じた。しかしながら、通
常ヘパリンでは、l5に示すように濃度に依存
するアミド分解活性の顕著な増加は観察されな
かつた。低分子ヘパリンによるアミド分解活性
の増加は、合成基質S−2444またはGlu−プラ
スミノーゲンとS−2251を用いた場合にも同様
に生じた。またXII因子欠乏血漿の場合もアミド
分解活性は、正常血漿と同様に時間に依存して
増加した。S−2302の分解活性も非常によかつ
た。 実施例 3 血漿因子の精製 ヒト血漿に固形硫酸アンモニウムを加え、30%
飽和にした。この溶液を10000rpm、30分遠心分
離し、沈澱を50mMトリス−塩酸緩衝液(PH7.4)
に0.01%Tween80を含む溶液(トリス緩衝液)で
溶解し、同トリス緩衝液で一晩透析した。この透
析液をヘパリン−セフアロースカラム(1.5×38
cm)にアプライし、トリス緩衝液に0.3M塩化ナ
トリウムを含む溶液で洗浄した。カラムに吸着し
た蛋白は、0.3M塩化ナトリウムと0.8M塩化ナト
リウムをそれぞれ含むトリス緩衝液150mlで直線
的濃度勾配により溶出させた。血漿因子を含む分
画は、50mMトリス−酢酸緩衝液(PH8.0)に
0.5M塩化ナトリウムと0.01%Tween80を含む溶
液で透析後、亜鉛キレート−.セフアロースカラ
ムにアプライし、同溶液で洗浄後、PHの異なるト
リス−酢酸緩衝液(PH6.0,4.5,3.0)と
50mMEDTAを含む溶液により溶出させた。溶出
した検体は、直ちに0.1Mまたは1.0M水酸化ナト
リウムによりPH8.0に調節した。次に血漿因子を
含む分画は、アプロチニンセフアロースカラムに
アプライし、トリス緩衝液で洗浄後、0.5Mと
2.0Mをそれぞれ含むトリス緩衝液、0.1Mグリシ
ン−塩酸緩衝液(PH3.0)、2.0Mチオシアン酸カ
リウム溶液、3M塩酸グアニジン溶液および6M尿
素溶液で溶出させた。次に血漿因子を含む分画を
プロテインAセフアロースカラムにアプライし、
トリス緩衝液で洗浄後、0.1Mグリシン−塩酸緩
衝液(PH3.0)で溶出した。溶出した検体は、1M
水酸化ナトリウム溶液でPHを7.4に調整した。こ
の血漿因子を含む分画を最終精製品とした。すな
わち血漿は、硫酸アンモニウムで30%飽和分画を
得、ヘパリン−セフアロースカラムにアプライし
た。第2図に示すように、血漿因子は0.45から
0.6Mの塩化ナトリウム分画に溶出させた。次に
この分画を亜鉛キレート−セフアロースカラムに
アプライし、PH4.5による溶出分画に血漿因子が
含まれていた。この分画をさらにアプロチニン−
セフアロースカラムにアプライし、0.1Mグリシ
ン緩衝液(PH3.0)の溶出分画を得、プロテイン
Aセフアロースカラムにアプライした。血漿因子
は、未吸着分画に溶出され、この分画を最終精製
品とした。 実施例 4 血漿因子のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(以下SDS−PAGEと略称する)と電気泳動
的エンザイモグラフイ(以下、エンザイモグラフ
イと略称する)による解析 (1) SDS−PAGEは、レムリーの方法(Nature、
227,680−685,1970)に従い行つた。ゲル上
の蛋白は、銀染色により検出した。標準蛋白と
しては、フオスフオリラーゼb(94000)、ウシ
血漿アルブミン(67000)、オブアルブミン
(43000)、カーボニツクアンハイドラーゼ
(30000)およびトリプシンインヒビター
(24000)を用いた。エンザイモグラフイは、松
尾らの方法(ヘモスターシス、16,43−50,
1986)に従つた。SDS−PAGE用ゲル溶液内に
フイブリノーゲンとトロンビンを加え、フイブ
リンを含むポリアクチルアミドゲルを作製し、
電気泳動を行つた。分子量マーカーにt−PA
とu−PAを用いた。 (2) 血漿因子は、SDS−PAGE分析により非還元
条件下では、第3図aに示すように80kDの分
子量の1本の主バンド(銀染色による総蛋白量
の88%)と2〜3の副バンドを示した。また非
血漿因子は、第3図aに示すように還元条件下
で35kDの主バンドを示し、血漿カリクレイン
のその条件下のときと異なつていた。血漿因子
のエンザイモグラフイは第3図bに示すように
80kDに溶解層を示し、低分子ヘパリン処理に
より増強した。 実施例 5 血漿因子の免疫学的性質 (1) 検体20μと種々の抗体20μを37℃、1時
間反応させ、100μのヘパリンの非存在下ま
たは存在下で37℃、15分反応させた後、合成基
質S−2288(1mM)100μを加えて37℃で反応
させた。アミド分解活性を測定し、検体の免疫
学的性質を検討した。 (2) 血漿因子は、合成基質S−2288分解活性を自
身で持ち、低分子ヘパリンにより増強した。こ
の血漿因子のアミド分解活性の血漿カリクレイ
ン、組織性カリクレイン、XII因子、プラスミノ
ーゲン、t−PAまたはu−PAなどの抗体との
反応による影響はなかつた。血漿因子のアミド
分解活性は、S−2302よりもS−2288の方が強
かつたが、血漿カリクレインのアミド分解活性
はS−2288よりS−2302の方が強かつた。 実施例 6 血漿因子に対するインヒビターの影響 (1) 血漿因子に対する種々のインヒビターの影響
は、合成基質S−2288を用いて検討した。20μ
の血漿因子に種々のインヒビター20μを加
え、37℃、60分間反応後、低分子ヘパリン
(10U/ml)10μ加え、37℃、15分間反応さ
せ、合成基質S−2288(0.8mM)80μを加え
て行つた。アミド分解活性を測定し、インヒビ
ターの影響を見た。 (2) 第1表に血漿因子のアミド分解活性における
インヒビターの影響を示す。阻害の程度は、血
漿因子のみのアミド分解活性を100%とした場
合のそれぞれの影響を%で示す。第1表に示す
ようにDFPはアミド分解活性を完全に阻害し、
アプロチニン、α2−アンチプラスミンと尿由来
トリプシンインヒビターを強く阻害し、アンチ
トロビン、アンチトロビン+ヘパリン、
FOY、TPCK、TLCKとSBTIは弱い阻害であ
つた。しかし、ベンザミジン、MD−805、
AMCHAと、PAI−1とIAAは血漿因子のア
ミド分解活性に対する影響は非常に弱かつた。
【表】
【表】
実施例 7
t−PAおよびu−PA活性に対する血漿因子の
影響 (1) PA活性に対する血漿因子の影響は、合成基
質S−2288またはS−2444を用いて検討した。
血漿因子20μに低分子ヘパリン(10U/ml)
50μを加え、37℃、15分反応後、sct−PAま
たはtct−PA(200IU/ml)またはscu−PAまた
はtcu−PA(100IU/ml)を50μ加え、37℃、
15分反応後、合成基質S−2288(t−PAの場
合)またはS−2444(u−PAの場合)を100μ
加えて反応させる。PA活性はアミド分解活
性で検討した。またt−PAに対する血漿因子
の反応性の解析は、合成基質S−2288の濃度変
化により検討した。反応条件は、上記方法で行
い、Km値とkcat値はラインウイバー−バーク
プロツトにより解析した。 (2) 第4図に示すように血漿因子はsct−PAのS
−2288分解活性を増強した。この血漿因子によ
る増強は、低分子ヘパリンをさらに反応させる
とより増強を示した。tct−PAの場合、血漿因
子とまたは低分子ヘパリン処理血漿因子どちら
も活性の増強はなかつた。一方、第5図に示す
ように、血漿因子のt−PA活性に対する反応
性の解析は、第5図に示すようにラインウイバ
ー−バークプロツトにより求めた。血漿因子処
理によりsct−PAのKm値は約70%減少した
が、kcat値は変化なかつた。低分子ヘパリン
の存在または非存在下での血漿因子とt−PA
のS−2288分解活性の反応速度の解析を第2表
に示す。第2表に示すようにsct−PAの触媒効
率kcat/Kmは低分子ヘパリン処理血漿因子に
より、約3.3倍増加した。しかしtct−PAの場
合、低分子ヘパリンと血漿因子との反応による
アミド分解活性の増強はなかつた。
影響 (1) PA活性に対する血漿因子の影響は、合成基
質S−2288またはS−2444を用いて検討した。
血漿因子20μに低分子ヘパリン(10U/ml)
50μを加え、37℃、15分反応後、sct−PAま
たはtct−PA(200IU/ml)またはscu−PAまた
はtcu−PA(100IU/ml)を50μ加え、37℃、
15分反応後、合成基質S−2288(t−PAの場
合)またはS−2444(u−PAの場合)を100μ
加えて反応させる。PA活性はアミド分解活
性で検討した。またt−PAに対する血漿因子
の反応性の解析は、合成基質S−2288の濃度変
化により検討した。反応条件は、上記方法で行
い、Km値とkcat値はラインウイバー−バーク
プロツトにより解析した。 (2) 第4図に示すように血漿因子はsct−PAのS
−2288分解活性を増強した。この血漿因子によ
る増強は、低分子ヘパリンをさらに反応させる
とより増強を示した。tct−PAの場合、血漿因
子とまたは低分子ヘパリン処理血漿因子どちら
も活性の増強はなかつた。一方、第5図に示す
ように、血漿因子のt−PA活性に対する反応
性の解析は、第5図に示すようにラインウイバ
ー−バークプロツトにより求めた。血漿因子処
理によりsct−PAのKm値は約70%減少した
が、kcat値は変化なかつた。低分子ヘパリン
の存在または非存在下での血漿因子とt−PA
のS−2288分解活性の反応速度の解析を第2表
に示す。第2表に示すようにsct−PAの触媒効
率kcat/Kmは低分子ヘパリン処理血漿因子に
より、約3.3倍増加した。しかしtct−PAの場
合、低分子ヘパリンと血漿因子との反応による
アミド分解活性の増強はなかつた。
【表】
【表】
第6図に示すようにt−PAと血漿因子との反
応をSDS−PAGEにより検討した。sct−PAは血
漿因子によりペプチド結合の切断により還元条件
下で分子量33kDと37kDの二本鎖に分解した。し
かし、tct−PAでは血漿因子によるペプチド結合
の切断は示されなかつた。 実施例 8 血漿因子によるscu−PA活性の増強 (1) 血漿因子20μと低分子ヘパリン(10U/ml)
50μを37℃、15分間反応させ、その反応液
10μとsct−PAまたはtct−PA、またはscu−
PAまたはtcu−PA(20μg/ml)10μを37℃、
15分間で反応させた。この検体は、非還元また
は還元条件下でSDS−PAGEにより解析した (2) 第7図に示すように血漿因子はscu−PAのS
−2444分解活性を顕著に増強させた。低分子ヘ
パリンの反応による増強は、小さかつた。しか
し、tcu−−PAの場合、血漿因子とまたは低分
子ヘパリン処理血漿因子とともに反応させても
アミド分解活性の増強はなかつた。 scu−PAは血漿因子との反応によりSDS−
PAGEの還元条件下で分子量33kDと22kDの二
本鎖に分解された。しかしながら、血漿因子は
tcu−PAに対してペプチド結合の切断は見られ
なかつた。 以上の実施例からわかるように、線溶系におけ
るヘパリンの影響を合成基質S−2288で検討し
た。この結果、血漿中のアミド分解活性は、通常
ヘパリンまたは低分子ヘパリンにより増強し、そ
の増強は通常ヘパリンよりも低分子ヘパリンのほ
うが強かつた。通常ヘパリンまたは低分子ヘパリ
ンによる増強は、XII因子欠乏血漿中でも生じ、こ
の反応がXII因子を介さない系であることを示唆す
る。したがつてヘパリンによりアミド分解活性の
増強を示す血漿因子をヒトの正常血漿より次のよ
うな方法で精製した。血漿を硫酸アンモニウム沈
澱し、ヘパリン−セフアロース、亜鉛キレート−
セフアロース、アプロチニン−セフアロース、そ
してプロテインA−セフアロースによるアフイニ
テイカラムクロマトグラフイにより処理し、血漿
因子を精製した。最終精製品は、SDS−PAGE上
で分子量80Kの1本の主バンド(ゲル内総蛋白の
88%)といくつかの副バンドを示した。精製した
血漿因子は、合成基質を分解する酵素であつた。
ヘパリンの存在中で血漿因子のアミド分解活性は
増強し、S−2288分解活性が用いた合成基質中で
最も強く、ヘパリンの非存在下よりも存在下で約
2倍増加した。S−2288に対する血漿因子のこの
アミド分解活性は、血漿ガリクレインの抗体によ
つても消失しなかつた。一方、血漿因子はプラス
ミノーゲン、u−PA、t−PAのような酵素の一
本鎖型を分解し二本鎖型にし、それらの酵素のア
ミド分解活性を増強した。この反応は、ヘパリン
の存在下中で増強した。 血漿因子の分子量は、血漿カリクレインに類似
し、生物学的特徴も2種の蛋白は類似していた。
この2種の蛋白は、プラスミノーゲン、一本鎖u
−PAとt−PAを二本鎖に分解する。ヘパリン親
和性とアプロチニンとα2−アンチプラスミンによ
る阻害は、2種の蛋白とも有していた。しかしな
がら血漿因子は血漿プレカリクレインの抗体と反
応しなかつた。さらに血漿カリクレイン特異的合
成基質(S−2302)を用いた血漿因子のアミド分
解は低値であつた。以上のことから精製した血漿
因子は、血漿カリクレインとは異なる。 血漿因子はsct−PAのアミド分解活性を2倍以
上増強させ、ヘパリンはこの反応をさらに増強さ
せた。しかしながら、血漿因子は二本鎖型のt−
PAのアミド分解活性においては影響を示さず、
血漿因子はその機能の発現においてt−PA分子
中の特異的構造を認識すると思われる。反応性の
解析でsct−PAと血漿因子の間の反応において、
Km値の1/3の減少を示した。このときkcat値
は変化せず、酵素反応性(kcat/km)の増加は
km値の減少に依存した。同様な一本鎖型のu−
PAに対する血漿因子の影響は、二本鎖型のu−
PAに対しては反応を示さなかつた。 以上のことから血漿因子は、一本鎖t−PAと
プラスミノーゲンを二本鎖型に分解し、ヘパリン
の存在下でそれらの酵素反応を増強し、フイブリ
ンの表面で線溶活性の増強が血栓溶解効果を誘導
する。クロツト溶解時間は、血漿因子の存在中で
短縮した。 発明の効果 以上のように本発明によれば、SDS−PAGE上
で分子量80kDの主バンドを示す血漿因子は、ヘ
パリンまたはヘパリン類似物質によつて線溶活性
が増強され、血栓溶解剤として有効なことがわか
る。またこの血漿因子は硫酸アンモニウム沈殿を
ヘパリン−セフアロース、亜鉛キレート−セフア
ロース、アプロチニン−セフアロース、およびプ
ロテインA−セフアロースによるアフイニテイー
カラムクロマトグラフによつて精製されることが
わかる。
応をSDS−PAGEにより検討した。sct−PAは血
漿因子によりペプチド結合の切断により還元条件
下で分子量33kDと37kDの二本鎖に分解した。し
かし、tct−PAでは血漿因子によるペプチド結合
の切断は示されなかつた。 実施例 8 血漿因子によるscu−PA活性の増強 (1) 血漿因子20μと低分子ヘパリン(10U/ml)
50μを37℃、15分間反応させ、その反応液
10μとsct−PAまたはtct−PA、またはscu−
PAまたはtcu−PA(20μg/ml)10μを37℃、
15分間で反応させた。この検体は、非還元また
は還元条件下でSDS−PAGEにより解析した (2) 第7図に示すように血漿因子はscu−PAのS
−2444分解活性を顕著に増強させた。低分子ヘ
パリンの反応による増強は、小さかつた。しか
し、tcu−−PAの場合、血漿因子とまたは低分
子ヘパリン処理血漿因子とともに反応させても
アミド分解活性の増強はなかつた。 scu−PAは血漿因子との反応によりSDS−
PAGEの還元条件下で分子量33kDと22kDの二
本鎖に分解された。しかしながら、血漿因子は
tcu−PAに対してペプチド結合の切断は見られ
なかつた。 以上の実施例からわかるように、線溶系におけ
るヘパリンの影響を合成基質S−2288で検討し
た。この結果、血漿中のアミド分解活性は、通常
ヘパリンまたは低分子ヘパリンにより増強し、そ
の増強は通常ヘパリンよりも低分子ヘパリンのほ
うが強かつた。通常ヘパリンまたは低分子ヘパリ
ンによる増強は、XII因子欠乏血漿中でも生じ、こ
の反応がXII因子を介さない系であることを示唆す
る。したがつてヘパリンによりアミド分解活性の
増強を示す血漿因子をヒトの正常血漿より次のよ
うな方法で精製した。血漿を硫酸アンモニウム沈
澱し、ヘパリン−セフアロース、亜鉛キレート−
セフアロース、アプロチニン−セフアロース、そ
してプロテインA−セフアロースによるアフイニ
テイカラムクロマトグラフイにより処理し、血漿
因子を精製した。最終精製品は、SDS−PAGE上
で分子量80Kの1本の主バンド(ゲル内総蛋白の
88%)といくつかの副バンドを示した。精製した
血漿因子は、合成基質を分解する酵素であつた。
ヘパリンの存在中で血漿因子のアミド分解活性は
増強し、S−2288分解活性が用いた合成基質中で
最も強く、ヘパリンの非存在下よりも存在下で約
2倍増加した。S−2288に対する血漿因子のこの
アミド分解活性は、血漿ガリクレインの抗体によ
つても消失しなかつた。一方、血漿因子はプラス
ミノーゲン、u−PA、t−PAのような酵素の一
本鎖型を分解し二本鎖型にし、それらの酵素のア
ミド分解活性を増強した。この反応は、ヘパリン
の存在下中で増強した。 血漿因子の分子量は、血漿カリクレインに類似
し、生物学的特徴も2種の蛋白は類似していた。
この2種の蛋白は、プラスミノーゲン、一本鎖u
−PAとt−PAを二本鎖に分解する。ヘパリン親
和性とアプロチニンとα2−アンチプラスミンによ
る阻害は、2種の蛋白とも有していた。しかしな
がら血漿因子は血漿プレカリクレインの抗体と反
応しなかつた。さらに血漿カリクレイン特異的合
成基質(S−2302)を用いた血漿因子のアミド分
解は低値であつた。以上のことから精製した血漿
因子は、血漿カリクレインとは異なる。 血漿因子はsct−PAのアミド分解活性を2倍以
上増強させ、ヘパリンはこの反応をさらに増強さ
せた。しかしながら、血漿因子は二本鎖型のt−
PAのアミド分解活性においては影響を示さず、
血漿因子はその機能の発現においてt−PA分子
中の特異的構造を認識すると思われる。反応性の
解析でsct−PAと血漿因子の間の反応において、
Km値の1/3の減少を示した。このときkcat値
は変化せず、酵素反応性(kcat/km)の増加は
km値の減少に依存した。同様な一本鎖型のu−
PAに対する血漿因子の影響は、二本鎖型のu−
PAに対しては反応を示さなかつた。 以上のことから血漿因子は、一本鎖t−PAと
プラスミノーゲンを二本鎖型に分解し、ヘパリン
の存在下でそれらの酵素反応を増強し、フイブリ
ンの表面で線溶活性の増強が血栓溶解効果を誘導
する。クロツト溶解時間は、血漿因子の存在中で
短縮した。 発明の効果 以上のように本発明によれば、SDS−PAGE上
で分子量80kDの主バンドを示す血漿因子は、ヘ
パリンまたはヘパリン類似物質によつて線溶活性
が増強され、血栓溶解剤として有効なことがわか
る。またこの血漿因子は硫酸アンモニウム沈殿を
ヘパリン−セフアロース、亜鉛キレート−セフア
ロース、アプロチニン−セフアロース、およびプ
ロテインA−セフアロースによるアフイニテイー
カラムクロマトグラフによつて精製されることが
わかる。
第1図は低分子ヘパリンまたは通常ヘパリンに
よる正常ヒト血漿中の合成基質S−2288分解活性
の誘導を示すグラフである。第1図a中l1は正
常血漿、低分子ヘパリン(15U/ml)付加、l2
は正常血漿、通常ヘパリン(15U/ml)付加、l
3は正常血漿のアミド分解活性のタイムコースを
示す。第1図b中、l5およびl6はそれぞれ低
分子ヘパリンと通常ヘパリンの種々濃度を含む血
漿中のアミド分解活性を示す。またl6は正常血
漿単独を示す。第2図はヘパリンセフアロースカ
ラムクロマトグラフイの溶出過程を示すグラフで
ある。第2図aは各フラクシヨンのアミド分解活
性を示し、l7は低分子ヘパリン存在下、l8は
低分子ヘパリン非存在下で測定したものである。
また第2図bは蛋白の溶出過程を示すグラフであ
り、蛋白は0.3Mから0.8Mの塩化ナトリウムによ
る直線的濃度勾配によりカラムから溶出した。第
3図aは血漿因子のSDS−PAGEを示し、第3図
bは電気泳動法によるエンザイモグラフイを示
す。血漿因子はSDS−PAGEで非還元条件(レイ
ン2)還元条件(レイン3)で検討し、SDS−
PAGEゲルに対し銀染色を用いて蛋白を検出し
た。レイン1は分子量のマーカー蛋白でキロダル
トンで示す。電気泳動法によるエンザイモグラフ
イにおいてu−PA(レインU)とt−PA(レイン
T)は分子量マーカーとして用いた。血漿因子は
レイン1に示した。第4図は血漿蛋白によるsct
−PA活性の増強を示すグラフである。sct−PA
は低分子ヘパリンの非存在(l10)または存在
(l11)で血漿因子と、または低分子ヘパリン
の非存在(l12)または存在(l13)中で緩
衝液と反応した。血漿因子は低分子ヘパリン(l
14)とまたは緩衝液(l15)と反応させた。
第5図はsct−PAのS−2288の分解活性のライン
ウイーバー−バークプロツトを示すグラフであ
る。sct−PAは低分子ヘパリン非存在(l16)
または存在(l17)中で血漿因子とまたは低分
子ヘパリン非存在(l18)または存在(l1
9)下で緩衝液と反応させた。第6図は血漿因子
の処理後のt−PAのSDS−PAGE分析を示すグ
ラフである。t−PAは緩衝液(レイン2)とま
たは低分子ヘパリン非存在(レイン3)または存
在(レイン4)中で血漿因子と反応させた。検体
は還元条件下で分析した。レイン1は分子量のマ
ーカー蛋白で、キロダルトンを示す。また第6図
中、Aはsct−PAを示し、Bはtct−PAを示す。
第7図は血漿因子によるu−PAのS−2444分解
活性の増強を示すグラフである。u−PAは低分
子ヘパリン存在(l20)または非存在(l2
1)中で血漿因子とまたは低分子ヘパリン存在
(l22)または非存在(l23)中で緩衝液と
反応させた。第7図中、Aはscu−PAを示し、B
はtcu−PAを示す。第8図は血漿因子の処理後の
u−PAのSDS−PAGE分析を示すグラフである。
u−PAは緩衝液(レイン2)と低分子ヘパリン
非存在(レイン3)または存在(レイン4)中で
血漿因子と反応させた。検体は還元条件で分析し
た。レイン1は分子量のマーカー蛋白でキロダル
トンを示す。第8図中、Aはscu−PAを示し、B
はtcu−PAを示す。
よる正常ヒト血漿中の合成基質S−2288分解活性
の誘導を示すグラフである。第1図a中l1は正
常血漿、低分子ヘパリン(15U/ml)付加、l2
は正常血漿、通常ヘパリン(15U/ml)付加、l
3は正常血漿のアミド分解活性のタイムコースを
示す。第1図b中、l5およびl6はそれぞれ低
分子ヘパリンと通常ヘパリンの種々濃度を含む血
漿中のアミド分解活性を示す。またl6は正常血
漿単独を示す。第2図はヘパリンセフアロースカ
ラムクロマトグラフイの溶出過程を示すグラフで
ある。第2図aは各フラクシヨンのアミド分解活
性を示し、l7は低分子ヘパリン存在下、l8は
低分子ヘパリン非存在下で測定したものである。
また第2図bは蛋白の溶出過程を示すグラフであ
り、蛋白は0.3Mから0.8Mの塩化ナトリウムによ
る直線的濃度勾配によりカラムから溶出した。第
3図aは血漿因子のSDS−PAGEを示し、第3図
bは電気泳動法によるエンザイモグラフイを示
す。血漿因子はSDS−PAGEで非還元条件(レイ
ン2)還元条件(レイン3)で検討し、SDS−
PAGEゲルに対し銀染色を用いて蛋白を検出し
た。レイン1は分子量のマーカー蛋白でキロダル
トンで示す。電気泳動法によるエンザイモグラフ
イにおいてu−PA(レインU)とt−PA(レイン
T)は分子量マーカーとして用いた。血漿因子は
レイン1に示した。第4図は血漿蛋白によるsct
−PA活性の増強を示すグラフである。sct−PA
は低分子ヘパリンの非存在(l10)または存在
(l11)で血漿因子と、または低分子ヘパリン
の非存在(l12)または存在(l13)中で緩
衝液と反応した。血漿因子は低分子ヘパリン(l
14)とまたは緩衝液(l15)と反応させた。
第5図はsct−PAのS−2288の分解活性のライン
ウイーバー−バークプロツトを示すグラフであ
る。sct−PAは低分子ヘパリン非存在(l16)
または存在(l17)中で血漿因子とまたは低分
子ヘパリン非存在(l18)または存在(l1
9)下で緩衝液と反応させた。第6図は血漿因子
の処理後のt−PAのSDS−PAGE分析を示すグ
ラフである。t−PAは緩衝液(レイン2)とま
たは低分子ヘパリン非存在(レイン3)または存
在(レイン4)中で血漿因子と反応させた。検体
は還元条件下で分析した。レイン1は分子量のマ
ーカー蛋白で、キロダルトンを示す。また第6図
中、Aはsct−PAを示し、Bはtct−PAを示す。
第7図は血漿因子によるu−PAのS−2444分解
活性の増強を示すグラフである。u−PAは低分
子ヘパリン存在(l20)または非存在(l2
1)中で血漿因子とまたは低分子ヘパリン存在
(l22)または非存在(l23)中で緩衝液と
反応させた。第7図中、Aはscu−PAを示し、B
はtcu−PAを示す。第8図は血漿因子の処理後の
u−PAのSDS−PAGE分析を示すグラフである。
u−PAは緩衝液(レイン2)と低分子ヘパリン
非存在(レイン3)または存在(レイン4)中で
血漿因子と反応させた。検体は還元条件で分析し
た。レイン1は分子量のマーカー蛋白でキロダル
トンを示す。第8図中、Aはscu−PAを示し、B
はtcu−PAを示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 SDS−PAGE上で分子量80kDの主バンドを
示し、ヘパリンまたはヘパリン類似物質によつて
線溶活性を増強し、血栓誘導効果を誘導すること
を特徴とする血漿因子。 2 血漿の硫酸アンモニウム沈殿をヘパリン−セ
フアロース、亜鉛キレート−セフアロース、アプ
ロチニン−セフアロースおよびプロテインA−セ
フアロースによるアフイニテイーカラムクロマト
グラフによつて処理することを特徴とする請求項
1記載の血漿因子。 3 血漿の硫酸アンモニウム沈殿をヘパリン−セ
フアロース、亜鉛キレート−セフアロース、アプ
ロチニン−セフアロースおよびプロテインA−セ
フアロースによるアフイニテイーカラムクロマト
グラフによつて処理することを特徴とする血漿因
子の精製方法。 4 SDS−PAGE上で分子量80kDの主バンドを
示し、ヘパリンまたはヘパリン類似物質によつて
線溶活性を増強することを特徴とする血漿因子を
有効成分として含有する血栓溶解剤。 5 血漿の硫酸アンモニウム沈殿をヘパリン−セ
フアロース、亜鉛キレートーセフアロース、アプ
ロチニン−セフアロースおよびプロテインA−セ
フアロースによるアフイニテイーカラムクロマト
グラフによつて処理することを特徴とする血漿因
子を有効成分として含有する請求項4記載の血栓
溶解剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1213912A JPH0377900A (ja) | 1989-08-19 | 1989-08-19 | 血漿因子、その精製方法およびそれを有効成分として含有する血栓溶解剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1213912A JPH0377900A (ja) | 1989-08-19 | 1989-08-19 | 血漿因子、その精製方法およびそれを有効成分として含有する血栓溶解剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0377900A JPH0377900A (ja) | 1991-04-03 |
| JPH0577680B2 true JPH0577680B2 (ja) | 1993-10-27 |
Family
ID=16647092
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1213912A Granted JPH0377900A (ja) | 1989-08-19 | 1989-08-19 | 血漿因子、その精製方法およびそれを有効成分として含有する血栓溶解剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0377900A (ja) |
-
1989
- 1989-08-19 JP JP1213912A patent/JPH0377900A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0377900A (ja) | 1991-04-03 |
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