JPH059520B2 - - Google Patents
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- JPH059520B2 JPH059520B2 JP58244794A JP24479483A JPH059520B2 JP H059520 B2 JPH059520 B2 JP H059520B2 JP 58244794 A JP58244794 A JP 58244794A JP 24479483 A JP24479483 A JP 24479483A JP H059520 B2 JPH059520 B2 JP H059520B2
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- nozzle
- electrolytic cell
- cathode chamber
- electrolytic
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- Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
Description
本発明は塩化アルカリ溶液の電解槽に関し、単
位電解槽の陰極室で生ずる腐食を完全に防止する
電解槽を提供するものである。 塩化アルカリ水溶液を電解して苛性アルカリと
塩素を製造する方法として例えばイオン交換膜を
はさんで陰、陽極を設け、陰・陽極室を形成し、
塩化アルカリを電解して苛性アルカリ液を得る、
いわゆるイオン交換膜法塩化アルカリ電解方法が
ある。かかる方法を用いる電解槽プラントは単極
式電解槽を電気的に直列に接続して形成された
り、或いは複極式電解槽を電気的に複数個並列お
よび/または直列に接続して形成される。 この様な電解槽プラントを用いて塩化アルカリ
溶液を電解して生成した苛性アルカリ水溶液は複
数個の単位電解槽間に亘つて設けられた共通の通
路を通じてタンク等に集められる。また、複数個
の単位電解槽への液供給についても共通の通路を
通じて各々の単位電解槽へ供給される。しかしな
がら、単位電解槽は電気的に直列接続されている
ため、夫々の単位槽に於ける電位は異なつてお
り、電解時に単位電解槽陰極室への液供給および
生成した苛性ソーダ水溶液を共通の通路を抜き出
す際にはかかる液を通じて電解電流の一部が漏洩
し、かかる電流の漏洩のため、電解槽本体、特に
本体の液供給ノズルおよび生成液抜出ノズル付近
はいわゆる電極の作用をし、この部分で電池を形
成し、陽極として作用する箇所では陽極酸化現象
により腐食される。すなわち、電食を生じる。 従来、このような電解槽ノズル部で生ずる電食
を防止する方法としてノズル内に絶縁性のパイプ
を挿入しようとする試みが提案されている(特開
昭57−174479号)。 また、単位電解槽において電解槽上部の排出ノ
ズルから電解生成液および電解によつて生成した
ガスを気液混相で抜き出す場合、電解により発生
したガスは電解室上部に気相部を形成し、上部排
出ノズルからはある瞬間には発生ガスのみが排出
され、ガスが排出されるにつれて液面が上昇し、
ある瞬間には液が排出されるという現象が起る。
このような電解室内での圧力変動はイオン交換
膜、電極、電解槽等の振動を誘発し、膜破れ、電
極破損等の原因となり、電解操業を停止し、解体
補修をよぎなくされる場合がある。 このような電解槽内での圧力変動等を防止する
方法としてノズル内に挿入管を設け、電解槽内部
での液面変動を極力抑えようとする試みがなされ
ている(特開昭56−5988)。また、陰極室内の液
の撹拌を目的として液供給管を陰極室内部まで導
びこうとする試みもなされている。 以上のような、電解槽特に陰極室ノズル内にこ
のような挿入管を設置する方法は電解槽内部で生
じる電食の防止、圧力変動による膜破れならびに
電極破壊防止、また陰極室内で生ずる液濃度の不
均一防止等の点から効果がある方法である。 しかしながら、この様な方法を採用した場合、
新らたな問題を生じてくる。すなわちノズル内部
ならびにノズル周辺の自然腐食問題、並びに、電
解槽内部の挿入管の開口部付近における電食問題
である。陰極室材質として高級材料を用いた場合
には比較的問題を生じないが、経済性、製作性、
操作性等を考慮して陰極室材質およびそれに付属
するノズル類等を鉄あるいは鉄系金属とした場
合、ノズルならびにノズル周辺及び挿入管開口部
付近の陰極室本体においては、腐食損傷のため一
定時間の電解運転後にはこれを取り換え操作或い
は溶接肉盛補修等が必要となる。 近年、電解槽浴電圧を低減するために陰極の水
素過電圧を低下させる、いわゆる活性陰極の開発
が行なわれ、一部報告されている(ソーダと塩
素、1981年8号p.427〜449)。これによると陰極
液中に重金属等の溶出イオンが存在していると活
性陰極上に電気化学的に析出し、本来の低水素過
電圧特性を失なう結果となる。すなわち単位電解
槽に活性陰極を取り付け、陰極としての低水素過
電圧特性を長期間維持するためには陰極室本体お
よび該陰極室本体に付属するノズル等で生ずる腐
食を完全に防止することが必要である。 イオン交換膜電解に使用されるイオン交換膜に
ついても同様に陰極液中の金属溶出イオンが存在
すると該イオン交換膜表面に吸着あるいは析出
し、膜過電圧特性を低下させることになる。従つ
て、このことからも陰極室本体の腐食は完全に防
止する必要性を生じる。 以上の点から本発明者らは研究を重ねた結果、
本発明に到達した。 すなわち、本発明は鉄または鉄系金属基体より
なる陰極室に設置される液供給ノズルおよび/ま
たは生成液抜出ノズル内に絶縁性の挿入管を設け
た単位電解槽において、該ノズル材質をNiまた
はNi合金で構成することを特徴とする塩化アル
カリ溶液用電解槽を提供するものである。」を
「すなわち、本発明は鉄または鉄系金属基体より
なる陰極室に設置される液供給ノズル及び/又は
生成液抜出ノズル内に絶縁性の挿入管を設け、か
つ、該液供給ノズル及び該生成液抜出ノズルの材
質をNiまたはNi合金で構成し、かつ、挿入管の
開口部付近に補助電極が設置されていることを特
徴とする塩化アルカリ溶液用電解槽を提供するも
のである。 本発明は電解槽内に絶縁性の挿入管を設けるこ
とにより、電食防止、圧力変動ならびに液濃度の
不均一を防止し、その際生ずるノズル部ならびに
ノズル部近傍、並びに、挿入管開口部付近の腐食
を完全に防止した電解槽を提供するものである。 この場合のノズル部およびノズル部近傍の腐食
は絶縁性の挿入管とノズルとの間のすきま構造に
起因するものであり、すきま部では陰極電流が流
れにくく陰分極による防食がされにくいこと、す
なわち、自然腐食状態になること、アルカリが濃
縮すること、ならびに、溶出した金属塩の濃縮が
起り易い等の理由から、鉄または鉄系金属ノズル
の腐食が激しいことを鋭意研究の結果発見し、さ
らにノズル材質をNiあるいはNi合金に変えるこ
とにより、ノズル部ならびにノズル部近傍で生じ
る腐食を完全に防止できることを明らかにし、本
発明に到つたものである。 本発明における電解槽本体とは槽を構成する部
材であり、例えば極室プール型電解槽であれば箱
体;フイルタープレス型電解槽であれば室枠がこ
れに相当する。槽を構成する部材である陽極室お
よび陽極室に付属するノズル材質としては一般に
チタン、チタン合金、タンタル、ジルコニウム、
ニオブ等が用いられる。 本発明に用いられる陰極室材質としては、経済
性、製作性、操作性等を考慮して鉄、軟鋼、鋳
鉄、ステンレス鋼等が用いられる。 本発明において、陰極室に付属するノズル材質
としては、陰極防食されない自然腐食状態、アル
カリが濃縮するような状態においても全く腐食さ
れることのない材質であることが必要であり、
Ni合金が好ましく、さらに好ましくはNiである。
本発明におけるNi合金とは、Ni含有量が30%以
上のものであり、陰極室内の温度、濃度等の条件
により、Ni合金中のNi含有量は決定される。 陽陰極室に付属するノズルは溶接等により接続
されている態様が一般的である。陰極室ノズルの
溶接に際し、耐食性の観点からNi製溶接棒を使
用することが望ましい。 本発明における電解槽のノズルはすきま部での
非常に苛酷な環境の下で優れた耐食性を有するも
のであれば、如何なる態様のものも適用できるこ
とは言うまでもない。例えば、ノズル内部をメツ
キ法、溶射法、蒸着法等のコーテイング処理、ま
たは爆着法、圧着法等によるNi、Ni合金のライ
ニング処理方法等も経済性を考慮すると好ましい
方法である。液供給および液抜出ノズルとしては
パイプ状のものが多く用いられるが、その他種種
の形状のものが用いられる。 本発明において液供給排ノズル内い設置される
挿入管は電気絶縁性であることが必須である。電
気伝導性であれば挿入管を通つて腐食電流が流れ
る恐れがあるからである。挿入管材料は苛性ソー
ダ液、水素ガス等に対して電解温度下で耐えて電
気絶縁性であればよい。 例えば、テフロン、アスベスト、塩化ビニー
ル、アクリル樹脂、EPDMゴムやその他のゴム
等が挙げられる。 挿入管の形状としてはパイプ状のものが多く用
いられ、少なくとも1箇所の開孔部を有するもの
である。 本発明の電解槽において、挿入管の開口部付近
には補助電極を設置することが必須である。該補
助電極はNi、Zr、Ag等からなり、かかる補助電
極を設置することによつて陰極室内部の腐食を完
全に防止することが出来る。 本発明によれば、鉄または鉄系金属基体よりな
る電解槽陰極室に設置される液供給ノズルおよ
び/または生成液抜出ノズル内に絶縁性の挿入管
を設けた単位電解槽において、ノズル材質をNi
合金またはNiにすることにより、電解槽本体お
よび電解槽本体に付属する金属製ノズルの腐食を
完全に防止することができる。このため電解槽の
寿命は著しく長くなり、特に電解槽本体材料とし
て高価な金属を使用しなくても十分な寿命を維持
できる点においてきわめて経済性に優れた電解槽
である。 本発明は陰極室内の圧力変動による膜破れなら
びに電極破壊防止、また、陰極室内で生じる液濃
度の不均一防止等の観点からも非常に有効な電解
槽である。 本発明の電解槽は陰極室供給液および該陰極室
抜出液中に溶出金属イオンの量が皆無に等しいか
ら低水素過電圧特性を有する活性陰極を用いた場
合においても活性陰極上に溶出金属イオンの吸
着、析出反応することによる劣化を起こすことな
く長期間安定な電解運転を持続して行なうことが
できる。また、溶出金属イオンがないので、隔膜
として陽イオン交換膜を用いた場合は、同時にイ
オン交換膜に対する悪影響すなわちイオン交換膜
の性能低下を起こすことなく驚異的な寿命を維持
することができる。 次に本発明の実施例について説明する。 実施例 1 陽極はルテニウムオキサイドとチタニウムオキ
サイドをコーテイングしたチタニウムのエキスパ
ンドメタル、陰極はFeのエキスパンドメタルか
らなる複極式電極を有し、本体は陽極室がチタニ
ウム、陰極室が軟鋼よりなる通電面積200dm2
(幅2m×高さ1m)のセルユニツトを用いた。 その際、陰極室に設置した液供給ノズル、及
び、生成液抜出ノズルは共にNi製とした。 単位電解槽陰極室の概略図を第1図に示す。電
解槽陰極室本体1のノズル2にはフツ素樹脂製の
液供給管3および生成液抜出管4を設置し、生成
液抜出管4は滴下器5に連結した。また液供給管
3および滴下器5にはセルユニツト共通の通路
6,7を接続し、液供給ノズル、生成液抜出ノズ
ル内にはフツ素樹脂製の挿入管8を設けた。 また、挿入管開口部付近、または挿入管内には
Ni製の補助電極9を設置した。 上記のセルユニツト25対に陽イオン交換膜
Nafion 901(商品名デユポン社製)を隔膜として
はさみ込み、複極式電解槽を作つた。次に食塩の
電解を電流密度30A/dm2、電解温度90℃で行な
つた。その時の生成液中のFeの濃度を1ケ月毎
に測定した。その結果、2年間運転しても生成苛
性ソーダ中のFe濃度はすべて0.3ppm以下の値を
示し、2年間電解運転後、電解槽を解体し、腐食
状況を調査してみたが、電解槽内部、特にノズル
部ならびにノズル部周辺の腐食は全く認められな
かつた。 実施例 2 実施例1において陰極を以下のメツキ条件で活
性ニツケルメツキを施した低水素過電圧特性を有
するエキスパンドメタルに取り換えた以外は実施
例1と同一条件で食塩の電解運転を行つた。 (電気メツキ条件) 1 メツキ浴組成 硫酸ニツケル 1.0M/ チオ尿素 0.2M/ ホウ酸 0.3M/ 2 メツキ条件 浴温 40℃ 電流密度 0.5A/dm2 メツキ時間 1時間 その結果、セル電圧は第1表に示すようにほと
んど経時変化することなく約3.13Vの一定値を示
した。1年間電解運転後、電解槽を解体し、腐食
状況を調査してみたが、電解槽内部での腐食は全
く認められず、また陰極上への析出物も全く検出
されなかつた。
位電解槽の陰極室で生ずる腐食を完全に防止する
電解槽を提供するものである。 塩化アルカリ水溶液を電解して苛性アルカリと
塩素を製造する方法として例えばイオン交換膜を
はさんで陰、陽極を設け、陰・陽極室を形成し、
塩化アルカリを電解して苛性アルカリ液を得る、
いわゆるイオン交換膜法塩化アルカリ電解方法が
ある。かかる方法を用いる電解槽プラントは単極
式電解槽を電気的に直列に接続して形成された
り、或いは複極式電解槽を電気的に複数個並列お
よび/または直列に接続して形成される。 この様な電解槽プラントを用いて塩化アルカリ
溶液を電解して生成した苛性アルカリ水溶液は複
数個の単位電解槽間に亘つて設けられた共通の通
路を通じてタンク等に集められる。また、複数個
の単位電解槽への液供給についても共通の通路を
通じて各々の単位電解槽へ供給される。しかしな
がら、単位電解槽は電気的に直列接続されている
ため、夫々の単位槽に於ける電位は異なつてお
り、電解時に単位電解槽陰極室への液供給および
生成した苛性ソーダ水溶液を共通の通路を抜き出
す際にはかかる液を通じて電解電流の一部が漏洩
し、かかる電流の漏洩のため、電解槽本体、特に
本体の液供給ノズルおよび生成液抜出ノズル付近
はいわゆる電極の作用をし、この部分で電池を形
成し、陽極として作用する箇所では陽極酸化現象
により腐食される。すなわち、電食を生じる。 従来、このような電解槽ノズル部で生ずる電食
を防止する方法としてノズル内に絶縁性のパイプ
を挿入しようとする試みが提案されている(特開
昭57−174479号)。 また、単位電解槽において電解槽上部の排出ノ
ズルから電解生成液および電解によつて生成した
ガスを気液混相で抜き出す場合、電解により発生
したガスは電解室上部に気相部を形成し、上部排
出ノズルからはある瞬間には発生ガスのみが排出
され、ガスが排出されるにつれて液面が上昇し、
ある瞬間には液が排出されるという現象が起る。
このような電解室内での圧力変動はイオン交換
膜、電極、電解槽等の振動を誘発し、膜破れ、電
極破損等の原因となり、電解操業を停止し、解体
補修をよぎなくされる場合がある。 このような電解槽内での圧力変動等を防止する
方法としてノズル内に挿入管を設け、電解槽内部
での液面変動を極力抑えようとする試みがなされ
ている(特開昭56−5988)。また、陰極室内の液
の撹拌を目的として液供給管を陰極室内部まで導
びこうとする試みもなされている。 以上のような、電解槽特に陰極室ノズル内にこ
のような挿入管を設置する方法は電解槽内部で生
じる電食の防止、圧力変動による膜破れならびに
電極破壊防止、また陰極室内で生ずる液濃度の不
均一防止等の点から効果がある方法である。 しかしながら、この様な方法を採用した場合、
新らたな問題を生じてくる。すなわちノズル内部
ならびにノズル周辺の自然腐食問題、並びに、電
解槽内部の挿入管の開口部付近における電食問題
である。陰極室材質として高級材料を用いた場合
には比較的問題を生じないが、経済性、製作性、
操作性等を考慮して陰極室材質およびそれに付属
するノズル類等を鉄あるいは鉄系金属とした場
合、ノズルならびにノズル周辺及び挿入管開口部
付近の陰極室本体においては、腐食損傷のため一
定時間の電解運転後にはこれを取り換え操作或い
は溶接肉盛補修等が必要となる。 近年、電解槽浴電圧を低減するために陰極の水
素過電圧を低下させる、いわゆる活性陰極の開発
が行なわれ、一部報告されている(ソーダと塩
素、1981年8号p.427〜449)。これによると陰極
液中に重金属等の溶出イオンが存在していると活
性陰極上に電気化学的に析出し、本来の低水素過
電圧特性を失なう結果となる。すなわち単位電解
槽に活性陰極を取り付け、陰極としての低水素過
電圧特性を長期間維持するためには陰極室本体お
よび該陰極室本体に付属するノズル等で生ずる腐
食を完全に防止することが必要である。 イオン交換膜電解に使用されるイオン交換膜に
ついても同様に陰極液中の金属溶出イオンが存在
すると該イオン交換膜表面に吸着あるいは析出
し、膜過電圧特性を低下させることになる。従つ
て、このことからも陰極室本体の腐食は完全に防
止する必要性を生じる。 以上の点から本発明者らは研究を重ねた結果、
本発明に到達した。 すなわち、本発明は鉄または鉄系金属基体より
なる陰極室に設置される液供給ノズルおよび/ま
たは生成液抜出ノズル内に絶縁性の挿入管を設け
た単位電解槽において、該ノズル材質をNiまた
はNi合金で構成することを特徴とする塩化アル
カリ溶液用電解槽を提供するものである。」を
「すなわち、本発明は鉄または鉄系金属基体より
なる陰極室に設置される液供給ノズル及び/又は
生成液抜出ノズル内に絶縁性の挿入管を設け、か
つ、該液供給ノズル及び該生成液抜出ノズルの材
質をNiまたはNi合金で構成し、かつ、挿入管の
開口部付近に補助電極が設置されていることを特
徴とする塩化アルカリ溶液用電解槽を提供するも
のである。 本発明は電解槽内に絶縁性の挿入管を設けるこ
とにより、電食防止、圧力変動ならびに液濃度の
不均一を防止し、その際生ずるノズル部ならびに
ノズル部近傍、並びに、挿入管開口部付近の腐食
を完全に防止した電解槽を提供するものである。 この場合のノズル部およびノズル部近傍の腐食
は絶縁性の挿入管とノズルとの間のすきま構造に
起因するものであり、すきま部では陰極電流が流
れにくく陰分極による防食がされにくいこと、す
なわち、自然腐食状態になること、アルカリが濃
縮すること、ならびに、溶出した金属塩の濃縮が
起り易い等の理由から、鉄または鉄系金属ノズル
の腐食が激しいことを鋭意研究の結果発見し、さ
らにノズル材質をNiあるいはNi合金に変えるこ
とにより、ノズル部ならびにノズル部近傍で生じ
る腐食を完全に防止できることを明らかにし、本
発明に到つたものである。 本発明における電解槽本体とは槽を構成する部
材であり、例えば極室プール型電解槽であれば箱
体;フイルタープレス型電解槽であれば室枠がこ
れに相当する。槽を構成する部材である陽極室お
よび陽極室に付属するノズル材質としては一般に
チタン、チタン合金、タンタル、ジルコニウム、
ニオブ等が用いられる。 本発明に用いられる陰極室材質としては、経済
性、製作性、操作性等を考慮して鉄、軟鋼、鋳
鉄、ステンレス鋼等が用いられる。 本発明において、陰極室に付属するノズル材質
としては、陰極防食されない自然腐食状態、アル
カリが濃縮するような状態においても全く腐食さ
れることのない材質であることが必要であり、
Ni合金が好ましく、さらに好ましくはNiである。
本発明におけるNi合金とは、Ni含有量が30%以
上のものであり、陰極室内の温度、濃度等の条件
により、Ni合金中のNi含有量は決定される。 陽陰極室に付属するノズルは溶接等により接続
されている態様が一般的である。陰極室ノズルの
溶接に際し、耐食性の観点からNi製溶接棒を使
用することが望ましい。 本発明における電解槽のノズルはすきま部での
非常に苛酷な環境の下で優れた耐食性を有するも
のであれば、如何なる態様のものも適用できるこ
とは言うまでもない。例えば、ノズル内部をメツ
キ法、溶射法、蒸着法等のコーテイング処理、ま
たは爆着法、圧着法等によるNi、Ni合金のライ
ニング処理方法等も経済性を考慮すると好ましい
方法である。液供給および液抜出ノズルとしては
パイプ状のものが多く用いられるが、その他種種
の形状のものが用いられる。 本発明において液供給排ノズル内い設置される
挿入管は電気絶縁性であることが必須である。電
気伝導性であれば挿入管を通つて腐食電流が流れ
る恐れがあるからである。挿入管材料は苛性ソー
ダ液、水素ガス等に対して電解温度下で耐えて電
気絶縁性であればよい。 例えば、テフロン、アスベスト、塩化ビニー
ル、アクリル樹脂、EPDMゴムやその他のゴム
等が挙げられる。 挿入管の形状としてはパイプ状のものが多く用
いられ、少なくとも1箇所の開孔部を有するもの
である。 本発明の電解槽において、挿入管の開口部付近
には補助電極を設置することが必須である。該補
助電極はNi、Zr、Ag等からなり、かかる補助電
極を設置することによつて陰極室内部の腐食を完
全に防止することが出来る。 本発明によれば、鉄または鉄系金属基体よりな
る電解槽陰極室に設置される液供給ノズルおよ
び/または生成液抜出ノズル内に絶縁性の挿入管
を設けた単位電解槽において、ノズル材質をNi
合金またはNiにすることにより、電解槽本体お
よび電解槽本体に付属する金属製ノズルの腐食を
完全に防止することができる。このため電解槽の
寿命は著しく長くなり、特に電解槽本体材料とし
て高価な金属を使用しなくても十分な寿命を維持
できる点においてきわめて経済性に優れた電解槽
である。 本発明は陰極室内の圧力変動による膜破れなら
びに電極破壊防止、また、陰極室内で生じる液濃
度の不均一防止等の観点からも非常に有効な電解
槽である。 本発明の電解槽は陰極室供給液および該陰極室
抜出液中に溶出金属イオンの量が皆無に等しいか
ら低水素過電圧特性を有する活性陰極を用いた場
合においても活性陰極上に溶出金属イオンの吸
着、析出反応することによる劣化を起こすことな
く長期間安定な電解運転を持続して行なうことが
できる。また、溶出金属イオンがないので、隔膜
として陽イオン交換膜を用いた場合は、同時にイ
オン交換膜に対する悪影響すなわちイオン交換膜
の性能低下を起こすことなく驚異的な寿命を維持
することができる。 次に本発明の実施例について説明する。 実施例 1 陽極はルテニウムオキサイドとチタニウムオキ
サイドをコーテイングしたチタニウムのエキスパ
ンドメタル、陰極はFeのエキスパンドメタルか
らなる複極式電極を有し、本体は陽極室がチタニ
ウム、陰極室が軟鋼よりなる通電面積200dm2
(幅2m×高さ1m)のセルユニツトを用いた。 その際、陰極室に設置した液供給ノズル、及
び、生成液抜出ノズルは共にNi製とした。 単位電解槽陰極室の概略図を第1図に示す。電
解槽陰極室本体1のノズル2にはフツ素樹脂製の
液供給管3および生成液抜出管4を設置し、生成
液抜出管4は滴下器5に連結した。また液供給管
3および滴下器5にはセルユニツト共通の通路
6,7を接続し、液供給ノズル、生成液抜出ノズ
ル内にはフツ素樹脂製の挿入管8を設けた。 また、挿入管開口部付近、または挿入管内には
Ni製の補助電極9を設置した。 上記のセルユニツト25対に陽イオン交換膜
Nafion 901(商品名デユポン社製)を隔膜として
はさみ込み、複極式電解槽を作つた。次に食塩の
電解を電流密度30A/dm2、電解温度90℃で行な
つた。その時の生成液中のFeの濃度を1ケ月毎
に測定した。その結果、2年間運転しても生成苛
性ソーダ中のFe濃度はすべて0.3ppm以下の値を
示し、2年間電解運転後、電解槽を解体し、腐食
状況を調査してみたが、電解槽内部、特にノズル
部ならびにノズル部周辺の腐食は全く認められな
かつた。 実施例 2 実施例1において陰極を以下のメツキ条件で活
性ニツケルメツキを施した低水素過電圧特性を有
するエキスパンドメタルに取り換えた以外は実施
例1と同一条件で食塩の電解運転を行つた。 (電気メツキ条件) 1 メツキ浴組成 硫酸ニツケル 1.0M/ チオ尿素 0.2M/ ホウ酸 0.3M/ 2 メツキ条件 浴温 40℃ 電流密度 0.5A/dm2 メツキ時間 1時間 その結果、セル電圧は第1表に示すようにほと
んど経時変化することなく約3.13Vの一定値を示
した。1年間電解運転後、電解槽を解体し、腐食
状況を調査してみたが、電解槽内部での腐食は全
く認められず、また陰極上への析出物も全く検出
されなかつた。
【表】
比較例 1
実施例2において、陰極室に設置した液供給ノ
ズル、および、生成液ノズル材質は共にSTPG
(軟鋼)とした以外は実施例2と同一条件で食塩
の電解を行つた。その結果、電解運転初期浴電圧
が3.11Vであつた。しかしながら、数日経過後か
ら浴電圧の上昇がみられ、約2ケ月経過後には鉄
陰極を用いた場合と同じ約3.50Vの浴電圧を示す
に至つた。3ケ月電解運転後、電解槽を解体して
みた所、液供給ノズル、液抜出ノズル内およびそ
れらノズル部周辺において激しい腐食が認めら
れ、また陰極上ならびにイオン交換膜上にもかな
りの量のFeの析出が起つていた。 このことからも本発明の電解槽は完全腐食防止
手段を有するばかりでなく、省エネルギーの観点
からもすぐれた電解性能を維持できる電解槽であ
ることが明らかとなつた。 比較例 2 実施例2に於いて、陰極室に設置した液供給ノ
ズル材質をSTPGにした以外は実施例2と同じ条
件で食塩電解を行つた。 その結果、電解運転初期の浴電圧は、3.11Vで
あつたが、数日経過後から浴電圧が上昇し、約3
カ月経過後の浴電圧は約3.38Vを示した。 4か月電解運転後、電解槽を解体してみた所、
液供給ノズル内、および該ノズル周辺に於いて激
しい腐食が認められ、また陰極上ならびにイオン
交換膜上にもかなりの量のFeが析出していた。 比較例 3 実施例2に於いて、液抜出ノズル材質をSTPG
にした以外は実施例2と同じ条件で食塩電解を行
つた。 その結果、電解運転初期の浴電圧は、3.11Vで
あつたが、数日経過後から浴電圧が上昇し、約3
カ月経過後の浴電圧は約3.42Vを示した。 4か月電解運転後、電解槽を解体してみた所、
液抜出ノズル内、および該ノズル周辺に於いて激
しい腐食が認められ、また陰極上ならびにイオン
交換膜上にもかなりの量のFeが析出していた。 比較例 4 実施例2に於いて、挿入管開口部付近、およ
び、挿入管内にNi製の補助電極を設置しなかつ
たこと以外は実施例2と同じ条件で食塩電解を行
つた。 その結果、電解運転初期の浴電圧は、3.11Vで
あつたが、数日経過後から浴電圧が上昇し、約2
か月経過後の浴電圧は約3.35Vを示した。 3か月電解運転後、電解槽を解体してみた所、
25単位電解槽中10単位電解槽の陰極室内の挿入管
の開口部付近に腐が認められ、また陰極上ならび
にイオン交換膜上にもかなりの量のFeが析出し
ていた。
ズル、および、生成液ノズル材質は共にSTPG
(軟鋼)とした以外は実施例2と同一条件で食塩
の電解を行つた。その結果、電解運転初期浴電圧
が3.11Vであつた。しかしながら、数日経過後か
ら浴電圧の上昇がみられ、約2ケ月経過後には鉄
陰極を用いた場合と同じ約3.50Vの浴電圧を示す
に至つた。3ケ月電解運転後、電解槽を解体して
みた所、液供給ノズル、液抜出ノズル内およびそ
れらノズル部周辺において激しい腐食が認めら
れ、また陰極上ならびにイオン交換膜上にもかな
りの量のFeの析出が起つていた。 このことからも本発明の電解槽は完全腐食防止
手段を有するばかりでなく、省エネルギーの観点
からもすぐれた電解性能を維持できる電解槽であ
ることが明らかとなつた。 比較例 2 実施例2に於いて、陰極室に設置した液供給ノ
ズル材質をSTPGにした以外は実施例2と同じ条
件で食塩電解を行つた。 その結果、電解運転初期の浴電圧は、3.11Vで
あつたが、数日経過後から浴電圧が上昇し、約3
カ月経過後の浴電圧は約3.38Vを示した。 4か月電解運転後、電解槽を解体してみた所、
液供給ノズル内、および該ノズル周辺に於いて激
しい腐食が認められ、また陰極上ならびにイオン
交換膜上にもかなりの量のFeが析出していた。 比較例 3 実施例2に於いて、液抜出ノズル材質をSTPG
にした以外は実施例2と同じ条件で食塩電解を行
つた。 その結果、電解運転初期の浴電圧は、3.11Vで
あつたが、数日経過後から浴電圧が上昇し、約3
カ月経過後の浴電圧は約3.42Vを示した。 4か月電解運転後、電解槽を解体してみた所、
液抜出ノズル内、および該ノズル周辺に於いて激
しい腐食が認められ、また陰極上ならびにイオン
交換膜上にもかなりの量のFeが析出していた。 比較例 4 実施例2に於いて、挿入管開口部付近、およ
び、挿入管内にNi製の補助電極を設置しなかつ
たこと以外は実施例2と同じ条件で食塩電解を行
つた。 その結果、電解運転初期の浴電圧は、3.11Vで
あつたが、数日経過後から浴電圧が上昇し、約2
か月経過後の浴電圧は約3.35Vを示した。 3か月電解運転後、電解槽を解体してみた所、
25単位電解槽中10単位電解槽の陰極室内の挿入管
の開口部付近に腐が認められ、また陰極上ならび
にイオン交換膜上にもかなりの量のFeが析出し
ていた。
第1図は本発明における塩化アルカリ溶液用単
位電解槽を模式的に示した説明図である。 1は単位電解槽、2はノズル、3は陰極室液供
給管、4は陰極室生成液抜出管、5は滴下器、6
は陰極室液供給管の共通の通路、7は陰極室生成
液抜出管の共通の通路、8は挿入管、9は補助電
極。
位電解槽を模式的に示した説明図である。 1は単位電解槽、2はノズル、3は陰極室液供
給管、4は陰極室生成液抜出管、5は滴下器、6
は陰極室液供給管の共通の通路、7は陰極室生成
液抜出管の共通の通路、8は挿入管、9は補助電
極。
Claims (1)
- 1 鉄または鉄系金属基体よりなる陰極室に設置
される液供給ノズルおよび/または生成液抜出ノ
ズル内に絶縁性の挿入管を設け、かつ、該液供給
ノズルおよび該生成液抜出ノズルの材質をNiま
たはNi合金で構成し、かつ、挿入管の開口部付
近に補助電極が設置されていることを特徴とする
塩化アルカリ溶液電解用電解槽。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58244794A JPS60138087A (ja) | 1983-12-27 | 1983-12-27 | 塩化アルカリ溶液電解用電解槽 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58244794A JPS60138087A (ja) | 1983-12-27 | 1983-12-27 | 塩化アルカリ溶液電解用電解槽 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60138087A JPS60138087A (ja) | 1985-07-22 |
| JPH059520B2 true JPH059520B2 (ja) | 1993-02-05 |
Family
ID=17124027
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58244794A Granted JPS60138087A (ja) | 1983-12-27 | 1983-12-27 | 塩化アルカリ溶液電解用電解槽 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60138087A (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS565988A (en) * | 1979-06-27 | 1981-01-22 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Vertical diaphragm type alkali chloride electrolytic bath |
| JPS57174479A (en) * | 1981-04-20 | 1982-10-27 | Tokuyama Soda Co Ltd | Unit electrolytic cell |
-
1983
- 1983-12-27 JP JP58244794A patent/JPS60138087A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60138087A (ja) | 1985-07-22 |
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