JPH0598845A - 制振装置 - Google Patents

制振装置

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JPH0598845A
JPH0598845A JP25531791A JP25531791A JPH0598845A JP H0598845 A JPH0598845 A JP H0598845A JP 25531791 A JP25531791 A JP 25531791A JP 25531791 A JP25531791 A JP 25531791A JP H0598845 A JPH0598845 A JP H0598845A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 略一定の所定の制動力を容易に設定できるダ
ンパー装置を備える制振装置を提供する。 【構成】 制御装置が、ソレノイドバルブ12,13の
開閉を制御することで、ダンパー装置のオイルダンパー
55の油通路8,9に設けたリリーフ弁10,11を、ア
ンロードまたはオンロードさせて、ダンパー装置の制動
力を選択する。リリーフ弁10,11は、油通路8,9に
ある油の圧力が開き作動圧に達しているときは、開き作
動し、上記油の圧力を略上記開き作動圧に保つように、
開度を自動調整する。このため、シリンダ1とピストン
2の相対速度が変化しても、シリンダ1内の油圧は略一
定になる。したがって、ピストン2とシリンダ1との相
対速度にほとんど依存しない略一定の所定の制動力を容
易に維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地震時の建物の揺れを
少なくするためのダンパー装置を備えた制振装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の制振装置としては、基礎
と建物とに連結されたダンパー装置と、上記ダンパー装
置の制動力を制御する制御装置を備えたものがある。
【0003】上記ダンパー装置は、図9に示すオイルダ
ンパー60を有する。図9において、61はシリンダ
室、62は油溜まり室、63はハウジング、65はピス
トンロッド、66はピストン、68,70は矢印Z方向
の流体の流れのみを許容するチェック弁である。上記制
御装置は、地震の程度や建物の状態に応じて、上記オイ
ルダンパー60の絞り71に設けたソレノイドバルブ7
2を制御して、図10に示すように、絞り71の開度を
調節することにより、上記オイルダンパー60の制動力
を調節する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
制振装置では、図11に示すように、ソレノイドバルブ
72による絞り71の開度の調節によってオイルダンパ
ー60の制動力を調節できるものの、オイルダンパー6
0の制動力がピストン65とシリンダ63との相対速度
に依存する。したがって、ダンパー装置を所定の一定な
制動力に制御することが難しく、地震の程度に応じた制
動力の設定が難しいという問題がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、ピストンとシリ
ンダとの相対速度がどの様な値であっても略一定の所定
の制動力を容易に維持できるダンパー装置を備え、地震
の程度に応じた制動力の設定が容易に行える制振装置を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、基礎と建物とに連結さ
れ、上記建物に多段階の制動力を与えるダンパー装置
と、地震の程度や建物の状態に応じて上記ダンパー装置
の制動力を選択する制御装置を有する制振装置であっ
て、上記ダンパー装置は、オイルダンパーと、このオイ
ルダンパーの油通路に設けられたリリーフ弁と、開閉す
ることで上記リリーフ弁をアンロードまたはオンロード
させるソレノイドバルブとを有し、上記制御装置は上記
ソレノイドバルブの開閉を制御することによって、上記
ダンパー装置の制動力を選択することを特徴としてい
る。
【0007】また、上記ダンパー装置は複数のオイルダ
ンパーを有し、各オイルダンパーは、各一つのリリーフ
弁を備えることが望ましい。
【0008】また、上記リリーフ弁は複数個設けられ、
この複数のリリーフ弁の開き作動圧が異なることが望ま
しい。
【0009】また、請求項4に記載の発明は、基礎と建
物とに連結され、上記建物に多段階の制動力を与えるダ
ンパー装置と、地震の程度や建物の状態に応じて上記ダ
ンパー装置の制動力を選択する制御装置を有する制振装
置であって、上記ダンパー装置は、オイルダンパーと、
このオイルダンパーの油通路に設けられ、開き作動圧が
可変であるリリーフ弁とを有し、上記制御装置は上記リ
リーフ弁の開き作動圧を制御することによって、上記ダ
ンパー装置の制動力を選択することを特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1の発明によれば、上記制御装置が、ソ
レノイドバルブの開閉を制御することで、ダンパー装置
のオイルダンパーの油通路に設けたリリーフ弁を、アン
ロードまたはオンロードさせて、ダンパー装置の制動力
を選択する。
【0011】上記リリーフ弁は、油通路にある油の圧力
が開き作動圧に達していないときは閉じる一方、上記油
の圧力が上記開き作動圧に達しているときは、開き作動
し、上記油の圧力を略上記開き作動圧に保つように、開
度を自動調整する。このため、上記リリーフ弁が開き作
動している間は、上記シリンダとピストンの相対速度が
変化しても、上記シリンダ内の油圧は略一定になる。し
たがって、上記ダンパー装置は、ピストンとシリンダと
の相対速度にほとんど依存しない略一定の所定の制動力
を容易に維持でき、地震の程度に応じた制動力の設定が
容易になる。
【0012】上記ダンパー装置は複数のオイルダンパー
を有し、各オイルダンパーは、各一つのリリーフ弁を備
える場合には、制動作用を行うオイルダンパーを選択で
き、ダンパー装置の制動力設定の自由度が向上する。
【0013】上記複数のリリーフ弁の開き作動圧が異な
る場合には、ダンパー装置の制動力設定の自由度が向上
する。
【0014】請求項4の発明によれば、制御装置が開き
作動圧が可変であるリリーフ弁の開き作動圧を制御する
ことによって、ダンパー装置の制動力を選択する。
【0015】上記リリーフ弁は、油通路にある油の圧力
が開き作動圧に達していないときは閉じる一方、上記油
の圧力が上記開き作動圧に達しているときは、開き作動
し、上記油の圧力を略上記開き作動圧に保つように、開
度を自動調整する。このため、上記リリーフ弁が開き作
動している間は、上記シリンダとピストンの相対速度が
変化しても、上記シリンダ内の油圧は略一定になる。し
たがって、上記ダンパー装置は、ピストンとシリンダと
の相対速度にほとんど依存しない略一定の所定の制動力
を容易に維持でき、地震の程度に応じた制動力の設定が
容易になる。
【0016】
【実施例】以上、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。
【0017】図7に、本発明の制振装置の第1の実施例
を示す。
【0018】図7において、57は基礎、50は建物、
56は建物50を基礎57に支持するアイソレータとし
ての積層ゴム、55は基礎57と建物50とに連結さ
せ、ダンパー装置を構成するオイルダンパーである。
【0019】上記オイルダンパー55は、図1に示すよ
うに、シリンダ1と、ピストンロッド3に連結され、シ
リンダ1内に摺動自在に嵌合したピストン2と、油タン
ク6を備えている。ピストン2はシリンダ1内の室をピ
ストンロッド3側の室R1と、シリンダヘッド側の室R
2とに分ける。このとき、ピストンロッド3の断面積を
室R2の断面積の半分にして、室R1の断面積を室R2
の断面積の半分にすることが望ましい。上記ピストン2
は、上記室R1と室R2に連通する貫通路2Aを有して
いる。貫通路2Aには、貫通路2A内の油の流れを室R
2側から室R1側への一方向に制限する第1のチェック
弁4を設けている。油タンク6は、ピストンロッド3側
の通路8および9を介してシリンダ1の室R1に連通す
ると共に、シリンダヘッド側の通路7を介してシリンダ
1の室R2に連通している。上記シリンダヘッド側の通
路7には、通路7内の油の流れを油タンク6側から室R
2側への一方向に制限する第2のチェック弁5を設けて
いる。
【0020】上記ピストンロッド側の通路8には、所定
の開き作動圧のリリーフ弁10と、ソレノイドバルブ1
2を並列に設けている。また、上記ピストンロッド側の
もう1つの通路9には、リリーフ弁10よりも開き作動
圧が小さいリリーフ弁11と、ソレノイドバルブ13を
直列に設けている。ソレノイドバルブ12および13
は、スプール12aおよび13aが軸方向にスライドする
ことによって、開閉し、リリーフ弁10およびリリーフ
弁11をオンロードまたはアンロードできるようになっ
ている。
【0021】上記オイルダンパー55は、上記ピストン
2が矢印X方向に移動する際には、チェック弁4が閉鎖
され、チェック弁5が開く。一方、ピストン2が矢印X
と逆方向に移動する際には、チェック弁4が開いて、チ
ェック弁5が閉鎖される。したがって、ピストン2が矢
印X方向に移動する際およびピストン2が矢印X方向と
逆方向に移動する際の両方において、シリンダ1内の油
はシリンダ1内からピストンロッド側の通路8,9の入
口8a,9aに流れようとする。このとき、室R1の断面
積が室R2の断面積の半分であると、ピストン2がどち
らの方向に移動しても通路8または9に流れる油の量は
等しい。
【0022】上記ソレノイドバルブ12と13の両方を
開とした状態では、リリーフ弁10がアンロードする一
方、リリーフ弁11がオンロードする。このとき、ソレ
ノイドバルブ12が開いているので、ピストン2の移動
によって、シリンダ1内の油は室R1から通路8の入口
8a,ソレノイドバルブ12,通路8の出口8bを順に通過
して油タンク6に流れ込む。
【0023】この状態において、通路8における上記油
の最小の通過断面積が、通路8の断面積と等しく、一定
なので、このオイルダンパー55の制動力は、図3の曲
線L1に示すように、ピストン2とシリンダ1との相対
速度に略正比例する。
【0024】次に、上記ソレノイドバルブ12を閉じる
一方ソレノイドバルブ13を開いた状態では、リリーフ
弁10とリリーフ弁11の両方がオンロードする。そし
て、リリーフ弁10よりもリリーフ弁11の方が開き作
動圧が小さいので、ピストン2の移動によって、シリン
ダ1内の油は、まず通路9側を通過しようとする。つま
り、上記油は室R1から通路9の入口9a,ソレノイドバ
ルブ13,リリーフ弁11,通路9の出口9bを順に通過
して油タンク6に流れ込もうとする。
【0025】この状態において、ピストン2とシリンダ
1との相対変位が少ないときは上記油が圧縮される過程
にあって通路9内の油の圧力がリリーフ弁11の開き作
動圧に達していないために、リリーフ弁11が閉じてい
る。このため、図3の曲線L2に示すように、見掛上相
対速度が小さい間は、上記油の圧縮が生じて、ピストン
2とシリンダ1との相対移動に対する制動力は急に立ち
上がる。そして、通路9内の油の圧力がリリーフ弁11
の開き作動圧以上になると、リリーフ弁11は、開き作
動し、上記油の圧力を略上記開き作動圧に保つように、
開度を自動調整する。このため、上記リリーフ弁11が
開き作動している間、ピストン2とシリンダ1との相対
速度が変化しても、上記シリンダ1内の油圧を略一定に
できる。したがって、図3の曲線L2に示すように、ピ
ストン2とシリンダ1との相対速度の変化に対する制動
力の変化を抑えることができる。
【0026】上記ソレノイドバルブ12と13の両方を
閉じた状態では、リリーフ弁11よりも開き作動圧が大
きなリリーフ弁10がオンロードする一方、リリーフ弁
11がアンロードする。そして、ピストン2の移動によ
って、シリンダ1内の油は室R1から通路8の入口8a,
リリーフ弁10,通路8の出口8bを順に通過して、油タ
ンク6に流れ込もうとする。
【0027】この状態において、ピストン2とシリンダ
1との相対変位が少ない時は上記油が圧縮される過程に
あって通路8内の油の圧力がリリーフ弁10の開き作動
圧に達していないために、リリーフ弁10が閉じてい
る。このため、図3の曲線L3に示すように、見掛上相
対速度が小さい間は、上記油の圧縮が生じて、ピストン
2とシリンダ1との相対移動に対する制動力は急に立ち
上がる。そして、通路8内の油の圧力がリリーフ弁10
の開き作動圧以上になると、リリーフ弁10は、開き作
動し、上記油の圧力を略上記開き作動圧に保つように、
開度を自動調整する。このため、上記リリーフ弁10が
開き作動している間、ピストン2とシリンダ1との相対
速度が変化しても、上記シリンダ1内の油圧を略一定に
できる。したがって、図3の曲線L3に示すように、ピ
ストン2とシリンダ1との相対速度の変化に対する制動
力の変化を抑えることができる。
【0028】また、図7において、53は地上側の揺れ
を検出する地震計、52は建物50の揺れを検出する地
震計、51は地震計53,52の出力を受けて図5に示
すようにソレノイドバルブ12,13を制御するマイク
ロコンピュータを含む制御装置である。
【0029】上記構成の制振装置の動作を図3,図5を
参照しながら説明する。
【0030】上記制御装置51はステップS1で地上側
の地震計53の出力を受けて地震が生じたか否かを判別
し、地震が生じていないときは、ステップS7に進ん
で、ソレノイドバルブ12と13の両方を閉じて、オイ
ルダンパー55の制動力を、図3の曲線L3に示すよう
に最大にする。したがって、地震が生じていないときに
は、建物50はオイルダンパー55の大きな制動力によ
って基礎57にしっかりと連結される。したがって、建
物50は強風などを受けても、揺れないようにできる。
【0031】一方、ステップS1で地震が生じたと判別
したときには、ステップS2に進んで、制御装置51は
ソレノイドバルブ12と13の両方を開いて、オイルダ
ンパー55の制動力を、図3の曲線L1に示すように最
小にする。したがって、地震発生時にはオイルダンパー
55の制動力すなわち減衰力が図3の曲線L1に示すよ
うに小さく、地上すなわち基礎1の揺れは変形係数の小
さな積層ゴム56と減衰力の小さなオイルダンパー55
を通じて建物50に伝えられる。したがって、地震エネ
ルギーの建物50への伝達は極めて少なく、建物50の
揺れを小さくすることができる。
【0032】次に、ステップS3に進み、地震の卓越周
波数が建物50の固有振動数と異なるか否かが判別され
る。地震の卓越周波数が建物50の固有振動数と一致す
る場合は、小さな地震エネルギーの入力であっても建物
50の揺れが大きくなる恐れがあるため、ステップS6
に進んで、制御装置51は、ソレノイドバルブ12を閉
じる一方ソレノイドバルブ13を開いて、オイルダンパ
ー55の制動力を、図3の曲線L2に示すように、中間
の値にして、建物50の揺れに制動をかける。ステップ
S3で地震の卓越周波数が建物50の固有振動数と一致
していないと判別したときには、ステップS4に進ん
で、地上側の地震計53からの入力と建物50に設けた
地震計52からの入力に基づいて、制御装置51は建物
50の振動が基礎57の振動より小さいか否かを判別す
る。建物50の振動が基礎57の振動より大きい場合に
は、ステップS6に進んで、ソレノイドバルブ12を閉
じる一方ソレノイドバルブ13を開いて、図3の曲線L
2に示す制動力で、建物2の揺れを減少させる。ステッ
プS4で、建物50の振動が基礎57の振動よりも小さ
いと判別したときには、ステップS5に進んで、地上側
の地震計53からの入力に基づき地震が終わったか否か
を判断して、地震が終わった場合にはステップS7に進
んで、ソレノイドバルブ12と13の両方を閉じて、オ
イルダンパー55の制動力を曲線L3に示すように最大
にする一方、地震が終わっていない場合にはステップS
3に戻る。
【0033】このように、地震が発生していないときに
は、オイルダンパー55のソレノイドバルブ12と13
を閉じて建物50を基礎57に強く拘束し、また地震発
生中において建物50の振動が基礎57の振動より大き
いとき、あるいは地震の卓越周波数が建物50の固有振
動数と一致するときには、オイルダンパー55に中程度
の制動力を出力させて、建物50の揺れのエネルギーを
吸収して、建物50の揺れを減少することができる。一
方、地震発生時には、オイルダンパー55のソレノイド
バルブ12と13の両方を開いて、オイルダンパー55
の制動力を最小にして、建物50への地震エネルギーの
入力を低減して、建物50の揺れを押さえることができ
る。
【0034】また、上記オイルダンパー55は、ピスト
ン2とシリンダ1との相対速度が変化しても、略一定の
所定の制動力を維持できるので、上記相対速度がどの様
な値であっても、地震の程度に応じた制動力を容易に設
定できる。
【0035】次に、第2の実施例を説明する。この実施
例は、前述の第1の実施例の制御装置51に替えて、オ
イルダンパーの制御方法が異なる制御装置を備える点の
みが、第1の実施例と異なる点であるので、この実施例
の制御装置の動作内容を図6のフローチャートに基づい
て重点的に説明する。
【0036】上記制御装置は、ステップS11でダンパ
ー装置の最適制動力の計算に用いるフィードバック係数
を算出するための各パラメータ値が入力される。すなわ
ち、構造物である建物50の質量m,粘性減衰係数c,ばね
定数kが入力される。また、上記フィードバック係数の
算出に用いる重み係数α,β,γおよび地震計53,52
の測定データを読み取る時間間隔であるサンプリングタ
イム△tが入力される。
【0037】次にステップS12に進み、上記パラメー
タm,c,kおよびα,β,γに基づいて、以下の計算によっ
て、ダンパー装置の最適制動力の計算に用いるフィード
バック係数k1,k2を求める。すなわち、まず、次の数
1で表わされる建物の運動方程式と、数2,数3,数4で
表わされる状態方程式を作成する。
【数1】
【数2】x1=x
【数3】
【数4】
【0038】数1〜数4において、xは建物50の基礎
57に対する相対変位、xドットは建物50の基礎57
に対する相対応答速度、xツードットは建物50の基礎
57に対する相対応答加速度、fはダンパー装置のオイ
ルダンパー55の制動力、mzツードットは建物50に作
用する地震の力である。上記数3により次の数5を得
る。
【数5】
【0039】また、上記数1において、zツードット=
0として次の数6を得る。
【数6】
【0040】数5および数6から次の数7および数7と
等価な数8を得る。
【数7】
【数8】
【0041】一方、評価関数Jを次の数9で表わし、数
9と等価な数10を得る。
【数9】
【数10】
【0042】数8と数10からなる最適レギュレータ問
題を解いて、評価関数Jを最小にするオイルダンパー5
5の最適制動力を表わすuアスタリスクを求めると、uア
スタリスクは次の数11で表わされる。
【数11】
【0043】数11のKにより、フィードバック係数k
1,k2が求まる。数11において、Pは、次の数12に
示すリカッチ方程式の解である。
【数12】
【0044】また、数8と数11から次の数13が得ら
れる。
【数13】
【0045】次に、ステップS13に進み、地震計5
3,52およびオイルダンパー55から建物の相対変位
x,相対応答加速度xツードット,地震加速度zツードット,
制動力fを読み取る。次に、ステップS14に進み前回
測定した相対変位xoとサンプリングタイム△tから建物
50の相対速度xドットつまりdx/dtを求める。(すなわ
ち、dx/dt=(x−xo)/△t)
【0046】次に、ステップS15に進み、ステップS
12で算出したフィードバック係数k1,k2と相対変位x
および相対速度xドットからオイルダンパー55の最適
制動力を表わすuアスタリスクを計算する。
【0047】次に、ステップS16に進み、建物の相対
速度の方向と最適制動力の方向が反対か否かを判別し、
上記相対速度の方向と制動力の方向が反対である場合に
はステップS17に進み、上記相対速度の方向と制動力
の方向が反対でない場合にはステップS18に進む。
【0048】ステップS17では、uアスタリスクが表
わす最適制動力に最も近く、かつオイルダンパー55の
設定可能な制動力を選別して、ステップS19に進む。
【0049】ステップS18では、ダンパーは相対速度
と同方向の制動力を出力できないので、オイルダンパー
の制動力を表わす値uを零に設定する。
【0050】次に、ステップS19に進み、オイルダン
パー55の制動力を設定する。
【0056】次に、ステップS20に進みオイルダンパ
ー55がステップS19で設定した制動力を出力するよ
うに、オイルダンパー55のソレノイドバルブ12,1
3を切り換える。次に、ステップS13に戻る。
【0051】このように、ステップS11とS12にお
いて、建物50の運動方程式と評価関数Jから、建物5
0の相対変位および相対速度と、オイルダンパー55の
最適制動力との関係を表わすフィードバック係数k1,k
2をあらかじめ算出しておく。その後は、サンプリング
タイム△t毎に、地震計53,52から得た測定データか
ら求めた建物50の相対変位および相対速度に基づい
て、建物50の相対速度がどのような値であっても、ソ
レノイドバルブ12,13を開閉することによって、オ
イルダンパー55の制動力を容易に最適な値に設定でき
る。
【0052】したがって、この実施例によれば、地震の
程度や建物50の状態に応じて、建物の相対速度がどの
様な値であってもオイルダンパー55に制動力を最適に
設定でき、建物50の揺れを抑えることができる。
【0053】尚、上記第1,第2の実施例では、開き作
動圧が異なる複数のリリーフ弁10,11を有するオイ
ルダンパー55を備えるダンパー装置を用いたが、ダン
パー装置は、図2に示すように、開き作動圧が可変であ
るリリーフ弁40を有するオイルダンパー59を備えて
もよい。この場合、制御装置は上記リリーフ弁40の開
き作動圧を制御することによって、ダンパー装置の制動
力を選択できる。また、オイルダンパー59の制動力
は、リリーフ弁40の開き作動圧の制御により、ピスト
ン32とシリンダ31との相対速度にほとんど依存する
ことなく、図4の曲線L4が囲む範囲内で設定できる。
【0054】また、上記第1,第2の実施例では、開き
作動圧が異なる複数のリリーフ弁10,11を有するオ
イルダンパー55を用いたが、図8に示すように、基礎
57と建物50に連結され、開き作動圧が異なる各1つ
のリリーフ弁を備えた複数のオイルダンパー551,5
52,553を、基礎57と建物50の間の複数箇所に
配置し、制御装置が、これらのオイルダンパー551〜
553が有するソレノイドバルブを開閉することで、任
意のオイルダンパー551〜553のリリーフ弁をオン
ロードまたはアンロードさせて、ダンパー装置の制動力
を選択するようにしてもよい。さらに、オイルダンパー
551〜553が備える各リリーフ弁の開き作動圧が同
一であってもよい。この場合、オンロードさせるリリー
フ弁の個数の設定によりダンパー装置の制動力を選択で
きる。
【0055】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1に記載の発明は、制御装置が、ソレノイドバルブの開
閉を制御することで、ダンパー装置のオイルダンパーの
油通路に設けたリリーフ弁を、アンロードまたはオンロ
ードさせて、ダンパー装置の制動力を選択する。上記リ
リーフ弁は、油通路のある油の圧力が開き作動圧に達し
ていないときは閉じる一方、上記油の圧力が上記開き作
動圧に達しているときは、開き作動し、上記油の圧力を
略上記開き作動圧に保つように、開度を自動調整する。
このため、上記リリーフ弁が開き作動している間は、上
記シリンダとピストンの相対速度が変化しても、上記シ
リンダ内の油圧は略一定になる。したがって、上記ダン
パー装置は、ピストンとシリンダとの相対速度にほとん
ど依存しない略一定の所定の制動力を容易に維持でき、
地震の程度に応じた制動力の設定を容易にできる。
【0056】上記ダンパー装置は複数のオイルダンパー
を有し、各オイルダンパーは、各一つのリリーフ弁を備
える場合には、動作するオイルダンパーを選択でき、ダ
ンパー装置の制動力の設定を簡単にできる。
【0057】上記複数のリリーフ弁の開き作動圧が異な
る場合には、ダンパー装置の制動力設定の自由度を向上
できる。
【0058】請求項4の発明によれば、制御装置が開き
作動圧が可変であるリリーフ弁の開き作動圧を制御する
ことによって、ダンパー装置の制動力を選択する。上記
リリーフ弁は、油通路にある油の圧力が開き作動圧に達
していないときは閉じる一方、上記油の圧力が上記開き
作動圧に達しているときは、開き作動し、上記油の圧力
を略上記開き作動圧に保つように、開度を自動調整す
る。このため、上記リリーフ弁が開き作動している間
は、上記シリンダとピストンの相対速度が変化しても、
上記シリンダ内の油圧は略一定になる。したがって、上
記ダンパー装置は、ピストンとシリンダとの相対速度に
ほとんど依存しない略一定の所定の制動力を容易に維持
でき、地震の程度に応じた制動力の設定を容易にでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の制振装置の第1,第2の実施例のオ
イルダンパーの断面図である。
【図2】 本発明の制振装置の第1,第2の実施例のオ
イルダンパーの断面図である。
【図3】 図1に示すオイルダンパーの制動力特性図で
ある。
【図4】 図2に示すオイルダンパーの制動力特性図で
ある。
【図5】 上記第1の実施例の制御装置のフローチャー
トである。
【図6】 上記第2の実施例の制御装置のフローチャー
トである。
【図7】 第1,第2の実施例の構造図である。
【図8】 オイルダンパーの配置例を示す平面図であ
る。
【図9】 従来の制振装置のオイルダンパーの断面図で
ある。
【図10】 上記オイルダンパーの要部を示す図であ
る。
【図11】 上記オイルダンパーの制動力特性図であ
る。
【符号の説明】
1,31 シリンダ 2,32,66 ピス
トン 3,33 ピストンロッド 4,5,34,35,68,70 チェック弁 6,36 油タンク 7,8,37,38 通
路 8a,9a,38a 入口 8b,9b,38b 出口 10,11,40 リリーフ弁 12,13 ソレノイ
ドバルブ R1,R2 室 50 建物 51 制御装置 52,53 地震計 55,551,552,553 オイルダンパー 56 アイソレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安井 健治 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2 号 株式会社奥村組内 (72)発明者 杉本 博史 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2 号 株式会社奥村組内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎と建物とに連結され、上記建物に多
    段階の制動力を与えるダンパー装置と、地震の程度や建
    物の状態に応じて上記ダンパー装置の制動力を選択する
    制御装置を有する制振装置であって、 上記ダンパー装置は、オイルダンパーと、このオイルダ
    ンパーの油通路に設けられたリリーフ弁と、開閉するこ
    とで上記リリーフ弁をアンロードまたはオンロードさせ
    るソレノイドバルブとを有し、 上記制御装置は上記ソレノイドバルブの開閉を制御する
    ことによって、上記ダンパー装置の制動力を選択するこ
    とを特徴とする制振装置。
  2. 【請求項2】 上記ダンパー装置は複数のオイルダンパ
    ーを有し、各オイルダンパーは、各一つのリリーフ弁を
    備えることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  3. 【請求項3】 上記リリーフ弁は複数個設けられ、この
    複数のリリーフ弁の開き作動圧が異なることを特徴とす
    る請求項1に記載の制振装置。
  4. 【請求項4】 基礎と建物とに連結され、上記建物に多
    段階の制動力を与えるダンパー装置と、地震の程度や建
    物の状態に応じて上記ダンパー装置の制動力を選択する
    制御装置を有する制振装置であって、 上記ダンパー装置は、オイルダンパーと、このオイルダ
    ンパーの油通路に設けられ、開き作動圧が可変であるリ
    リーフ弁とを有し、 上記制御装置は上記リリーフ弁の開き作動圧を制御する
    ことによって、上記ダンパー装置の制動力を選択するこ
    とを特徴とする制振装置。
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