JPH05997A - パラヒドロキシ安息香酸の分離方法 - Google Patents

パラヒドロキシ安息香酸の分離方法

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JPH05997A
JPH05997A JP15452491A JP15452491A JPH05997A JP H05997 A JPH05997 A JP H05997A JP 15452491 A JP15452491 A JP 15452491A JP 15452491 A JP15452491 A JP 15452491A JP H05997 A JPH05997 A JP H05997A
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para
phenol
separating
hydroxybenzoic acid
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JP15452491A
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Toshinobu Suzuki
木 敏 信 鈴
Makiko Ijiri
尻 真樹子 井
Nobuyuki Sato
藤 信 之 佐
Akinori Matsuura
浦 明 徳 松
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コルベ・シュミット反応の反応混合物から、
効率よくパラヒドロキシ安息香酸を分離する方法の開
発。 【構成】 コルベ・シュミット反応の反応混合物を、水
と水に不溶あるいは難溶な有機溶媒を用いて抽出分離
し、その水層に、アルカリ土類金属の水酸化物を加えて
攪拌し、生じた不溶物を分離除去した後、濾液を鉱酸で
酸性とし、加熱してパラヒドロキシ安息香酸を溶解させ
るとともに、フェノール、置換フェノール類および/ま
たは有機不純物を留出除去し、残留固体を加熱下に濾別
した後、濾液を冷却してパラヒドロキシ安息香酸を析出
させて分離するパラヒドロキシ安息香酸の分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノールアルカリま
たはフェノールアルカリと置換フェノールアルカリ類を
含む混合物を二酸化炭素と反応させて得られる反応混合
物からパラヒドロキシ安息香酸を分離取得する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】パラヒドロキシ安息香酸は、高分子材料
の原料として広い用途をもち、特に最近は、高強度、高
耐熱性を有する液晶ポリエステル類の原料として注目を
集めている。また、そのアルキルエステル類の多くは、
化粧品や工業用の防カビ剤としても有用な物質である。
【0003】パラヒドロキシ安息香酸の工業的製造に際
しては、粉末フェノールカリウムと炭酸ガスとを高温加
圧下で反応させる、いわゆるコルベ・シュミット法によ
る固−気相反応や、この反応を不活性な反応媒体中で行
なう方法が用いられている(例えば、特公昭50−51
82号、特公昭43−26612号など)。また、最
近、本発明者等により、フェノールアルカリと置換フェ
ノールアルカリの混合物を二酸化炭素と反応させ、高収
率・高選択率でパラヒドロキシ安息香酸を合成する方法
(特開平02−124847号)が報告され、その好適
例として、石炭タールより得られるフェノールと置換フ
ェノール類との混合物であるタール酸などのカリウム塩
を原料として用いる方法が提案されている。
【0004】これらの反応で得られるパラヒドロキシ安
息香酸は、実際にはアルカリ金属塩であるので、工業的
には、主に、次のような分離操作が行なわれている。
【0005】例えば、特公昭55−19207号には、
反応混合物に水と水に不溶な有機溶媒(反応媒体と兼用
の場合もある)を加え、副生したフェノールおよび/ま
たは反応媒体を有機溶媒層に抽出して分液し、パラヒド
ロキシ安息香酸のカリウム塩を含む水溶液を得、次に、
該水溶液に鉱酸を加えて中和し、未反応のフェノールカ
リウムを遊離酸に変換し、これに再び水に不溶な有機溶
媒を加えて遊離したフェノールを抽出除去し、分液した
水層を活性炭で処理したのち、鉱酸で酸性度を二段階に
調整して、鉱酸カリウム、パラヒドロキシ安息香酸、サ
リチル酸を段階的に晶析する方法が開示されている。
【0006】ところが、前記の反応(コルベ・シュミッ
ト反応)は、サリチル酸の副生を抑制するために200
℃以上の高温下で行なわれることが多く、そのためか、
量の多少はあるものの、タール状や樹脂状の着色物質な
ど、構造不明の不純物の副生がさけられない。そこで実
際の分離取得工程には、これらの不純物の除去操作も組
み込まれることになり、種々の方法が報告されている。
【0007】例えば、特開昭48−28445号には、
必要に応じて反応混合物を含む水溶液中の不純物を濾別
して、反応媒体や樹脂状物質を除去するとの記載があ
る。また、活性炭による吸着脱色などは、一般的に行わ
れている手法としてあげられている。特公昭46−43
532号に開示されているように、パラヒドロキシ安息
香酸を除くオキシ安息香酸類のアルカリ金属塩の水溶液
を、カルシウム、バリウム、マグネシウムの塩化物、酸
化物、水酸化物などで処理し、不溶物を除去する方法も
ある。特公昭45−36497号には、粉末亜鉛を用い
る還元脱色精製法について述べられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、コルベ・
シュミット反応は、200℃以上の高温下で行なわれる
ためか、原料等により量の多少はあるものの、タール状
や樹脂状の着色物質など、構造不明の不純物の副生がさ
けられない。特に、特開平2−124847号のよう
に、原料としてタール酸のカリウム塩を用いた場合など
では、石炭タール特有の不純物も混入するため、この不
純物は多くなる。
【0009】しかし、従来行なわれてきた不純物の除去
法のうち、亜鉛を用いる還元脱色法などは、他に燐酸、
界面活性剤などとの処理も必要であり、高価な金属を用
いた上に廃液処理などが煩雑であり、あまりにも不経済
である。また、他の方法についても、不純物量が多い場
合などには、着色除去効果が確実でなかったり、これを
確実に行なうと、パラヒドロキシ安息香酸の収率低下を
まぬがれ得ないなどの問題点がある。
【0010】本発明は、前記問題点を解決した、反応混
合物より、サリチル酸類やフェノール類などの副生物
や、反応媒体、着色不純物などからパラヒドロキシ安息
香酸を効率よく分離できる技術を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明第一の態様として、フェノールアルカリまた
はフェノールアルカリと置換フェノールアルカリ類を含
む混合物を二酸化炭素と反応させて得られる反応混合物
からパラヒドロキシ安息香酸を取り出す方法において、
該反応混合物を、水と水に不溶あるいは難溶な有機溶媒
を用いて抽出分離する第1工程、前記第1工程で得られ
た水層に、アルカリ土類金属の水酸化物を加えて攪拌
し、生じた不溶物を分離除去する第2工程、前記第2工
程で得られた水溶液を鉱酸にて酸性化する第3工程、前
記第3工程で得られた酸性水を加熱してパラヒドロキシ
安息香酸を溶解させるとともに、フェノール、置換フェ
ノール類および/または有機不純物を留出除去する第4
工程、前記第4工程で得られた加熱酸性水中の残留不溶
不純物類を加熱下に分離する第5工程、前記第5工程で
得られた加熱酸性水溶液を冷却してパラヒドロキシ安息
香酸を析出させたのち、これを酸性水溶液から分離取得
する第6工程の各工程順序を含むことを特徴とするパラ
ヒドロキシ安息香酸の分離方法が提供される。
【0012】ここで、上記第1〜6工程を行なった後
に、さらに、パラヒドロキシ安息香酸を溶解し、かつ鉱
酸アルカリを実質的に溶解しない溶媒にパラヒドロキシ
安息香酸を溶解させ、抽出分離し、該抽出液よりパラヒ
ドロキシ安息香酸を得る工程を行なうことが好ましい。
【0013】前記フェノールアルカリおよび前記置換フ
ェノールアルカリ類は、フェノールカリウムおよび置換
フェノールカリウム類であることが好ましい。前記フェ
ノールアルカリと置換フェノールアルカリ類を含む混合
物が、タール酸カリウムおよび/またはクレゾール酸カ
リウムを含む混合物であることが好ましい。前記鉱酸
は、硫酸であることが好ましい。
【0014】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に用いられるパラヒドロキシ安息香酸を含む混合
物は、フェノールアルカリまたはフェノールアルカリと
置換フェノールアルカリ類を含む混合物を二酸化炭素と
反応させる、いわゆるコルベ・シュミット型の反応混合
物であればよい。なお、通常用いられるアルカリ金属塩
はカリウム塩である。
【0015】また、反応原料が石炭タールより得られる
タール酸のアルカリ金属塩である場合には、反応混合物
中にタール特有の不純物が含まれることが多いために、
その反応混合物中からのパラヒドロキシ安息香酸の分離
は、従来の分離精製法では困難であったが、本発明の方
法は、このような複雑な反応混合物の処理にも効果的に
用いることができる。
【0016】本発明第一の態様では、まず、第1工程と
して、該反応混合物を、水と水に不溶あるいは難溶な有
機溶媒を用いて抽出分離する。
【0017】この第1工程で用いる有機溶媒は、副生す
るフェノールや置換フェノール類および/または反応媒
体の溶解能が高いものがよい。また、反応に不活性な有
機溶媒であれば、反応媒体と兼用することもできる。な
お、反応媒体と兼用する場合は、高沸点な溶媒ほど、反
応圧力の制御がしやすいなどの理由で好ましく用いられ
る。
【0018】この第1工程で用いる有機溶媒として、反
応媒体と兼用できるものには、例えば、芳香族炭化水
素、芳香族エーテル、芳香族アルカン、芳香族アルケ
ン、芳香族ケトン、もしくはこれらの水素化物、あるい
は脂肪族石油系炭化水素、非プロトン性極性溶媒、芳香
族アルコール、脂肪族高級アルコールなどがある。これ
らは、1種用いても、2種以上併用して混合媒体として
用いてもよい。
【0019】より具体的に述べると、例えば、ビフェニ
ル、テルフェニル、ナフタレン、アントラセン、ジトリ
ルエタン、ジベンジルトルエン、メチルナフタレン、イ
ソプロピルナフタレン、GS250(メチルナフタレン
を主成分とする芳香族化合物の混合物)、NeoSK-oil
(綜研科学社製媒体)、ダウサーム(ビフェニルとジフ
ェニルエーテルの混合物)、エチルビフェニル、ジフェ
ニルエーテル、水素化テルフェニル、ベンジルフェニル
エーテル、ベンゾフェノン、沸点150℃以上の燈油お
よび/または軽油、炭素数5〜15の脂肪酸高級アルコ
ール、またはこれらの混合物などがある。
【0020】一方、この第1工程で用いる有機溶媒を反
応媒体と兼用しない場合は、回収の容易さや、反応媒体
および/または副生するフェノールや置換フェノールと
の沸点差が大きい方が、分離面で有利であることなどか
ら、あまり高沸点なものは好まれない。
【0021】このような、反応媒体とは兼用されない有
機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、デカリン等の
脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−
メチルナフタレン、イソプロピルナフタレン、テトラヒ
ドロナフタレン等の芳香族炭化水素、アセトフェノン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、ブタノール、ア
ミルアルコールなどのアルコール類、フェノール、クレ
ゾル、キシレノールなどのフェノール類、酢酸メチル、
酢酸エチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、ジエ
チルエーテル等のエーテル類等が例示され、これらは、
1種用いても、2種以上を併用してもよい。
【0022】また、この第1工程で用いる有機溶媒は、
使用する状態において液状であればよいので、わずかな
加圧下で液状となる液化炭化水素(エタン、プロパン、
ブタン)や、加熱することにより液体となる2−メチル
ナフタレンやナフタレンなどの炭化水素、混合状態で液
体であるジメチルナフタレン混合物なども使用すること
ができる。
【0023】これらの有機溶媒は、反応媒体や、副生す
るフェノールおよび/または置換フェノール類を溶解す
るとともに、反応混合物の粘度を下げて抽出分離などを
容易に行なえるようにする役割を果たす。
【0024】用いる有機溶媒の量は、反応媒体の使用
量、不純物の量、反応率などによって異なるが、通常は
パラヒドロキシ安息香酸のアルカリ金属塩が反応混合物
の主成分であるため、反応混合物1重量部に対し、0.
1重量部以上、好ましくは1〜100重量部である。
0.1重量部より少ないと、有機溶媒の抽出効果が発揮
されず、一方、100重量部より多いと経済的でない。
【0025】第1工程で用いる水の量は、パラヒドロキ
シ安息香酸のアルカリ金属塩を溶解できる量以上であれ
ば、特に限定されない。第4工程および/または第5工
程での水分調節量との兼ね合いで決めればよい。
【0026】抽出分離する際の抽出方法は、例えば、振
とう抽出、スタティックミキサーを用いる抽出、攪拌抽
出などであり、分離方法は、静置分離、遠心分離などで
ある。
【0027】なお、本発明は、反応媒体を用いないで行
なった反応混合物にも適用できることは言うまでもな
い。
【0028】次に、第2工程であるが、これは第1工程
で得られた水層を分取し、それにアルカリ土類金属の水
酸化物を加えて攪拌し、生じた沈澱を濾過分離する工程
である。
【0029】パラヒドロキシ安息香酸のアルカリ金属塩
は、水に易溶であるため、前記第1工程で、反応混合物
中から水層に移行する。しかし、この水層中には、着色
不純物等も移行しているため、この第2工程で、着色不
純物等をアルカリ土類金属の水酸化物で処理することに
より、沈澱として濾別するのである。
【0030】この工程で用いるアルカリ土類金属の水酸
化物として好ましいものに、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム、水酸化バリウムなどがある。
【0031】この操作によって、すなわち沈澱に伴なっ
て失われるパラヒドロキシ安息香酸の量は極めて少な
く、例えば水酸化カルシウムを用いた後述の実施例1の
場合では、0.3%程度であった。
【0032】この工程において、アルカリ土類金属の水
酸化物は、着色沈澱が増加しなくなるまで加えればよ
い。それ以上加えても不経済である。また、この操作
は、室温下でも、加熱下に行なってもよい。
【0033】次に、第3工程として、濾液に鉱酸を加
え、パラヒドロキシ安息香酸を遊離させる。
【0034】この際の酸性度は、pH5以下、好ましく
はpH4以下であるが、タール酸のカリウム塩を反応原
料に用いて得た反応混合物からパラヒドロキシ安息香酸
を分離する場合などは、この工程でpHを2以下とする
のが、着色防止にもなり、好ましい。
【0035】また、鉱酸としては硫酸、硝酸、塩酸など
を例示できるが、価格、腐食性などの面から、硫酸が好
ましい。
【0036】次に、第4工程として、この酸性水を加熱
して、析出したパラヒドロキシ安息香酸を溶解させると
ともに、フェノール、置換フェノール類、サリチル酸お
よび/または残留有機溶媒などの有機不純物を留出除去
する。
【0037】第4工程において酸性水を加熱する温度
は、pH、水量などにより異なり、一概にはいえない
が、通常、沸騰温度が好ましい。これより加熱しすぎる
と、突沸などの現象があるため、好ましくない。
【0038】タール酸のカリウム塩を原料に用いて得た
反応混合物からパラヒドロキシ安息香酸を分離する場合
などは、タールに由来すると思われる不純物が、酸性水
の温度が低い時は結晶中に分散しているが、温度が高く
なると、残留フェノール類および残留反応媒体、残留抽
出有機溶媒などに溶解して油層として存在するようにな
る。この酸性水と油層とを加熱することにより、油層は
共沸蒸留されて次第に消失し、不純物およびタール状物
質は粉末状の固体となるので、これらの熱溶液(酸性
水)との分離が容易となる。
【0039】ところで、第4工程における有機不純物等
の留出除去の際に、水分も留出させて濃度調節を行なう
ことが好ましい。この際、水が少ないと、所要熱量を低
減できるという利点はあるが、少なすぎると、有機不純
物等との共沸蒸留を十分に行ない得ない。留出させる水
の量は、パラヒドロキシ安息香酸の含有量あるいは残存
する有機媒体やフェノール等の量によって異なる。この
留出させる水の量、換言すれば、残存させる水の量は、
第5工程の成否にも関係があり、重要である。
【0040】すなわち、後記する第5工程において、加
熱酸性水とそれに不溶な固体を熱時分離する際の水の量
は、パラヒドロキシ安息香酸が溶解し得る量以上であれ
ばよいが、パラヒドロキシ安息香酸の溶解必要量に近い
過剰量が最も好ましいからである。そのような時は、パ
ラヒドロキシ安息香酸の収率や副生鉱酸のアルカリ金属
塩の量にもよるが、パラヒドロキシ安息香酸が溶解した
際に、鉱酸のアルカリ金属塩の一部が沈殿として残り、
加熱酸性水溶液に不溶な固体と共に一部除去できるため
に好都合であり、かつ、加熱酸性水溶液を分離したの
ち、冷却して固体を析出させる際(第6工程)にも、溶
液中にパラヒドロキシ安息香酸が残存するための損失を
低減できる利点があるからである。一方、水の量がパラ
ヒドロキシ安息香酸を溶解し得る量より少なければ、パ
ラヒドロキシ安息香酸が析出し、分離しようとする不純
物およびタール状物質等の固体と共に分離され、収率が
低下するため好ましくない。
【0041】なお、第4工程における有機不純物等の留
出除去操作の終了時点は、通常は、水以外の留去成分の
留出除去の終了を目安として、例えば以下の方法で判断
される。
【0042】すなわち、加熱が十分行なわれると、フェ
ノール類、有機溶媒、サリチル酸類が水と共に、あるい
は単独で留去されるが、ある時点において、フェノール
やサリチル酸類が留去されているか否かを判断するため
に、留出物について塩化第二鉄呈色反応試験を行ない、
呈色が観察されなくなったら留出除去を留めるのであ
る。
【0043】次に、第5工程として、この加熱酸性水と
残存不溶不純物とを熱時に濾過分離し、さらに、第6工
程として、その濾液を冷却してパラヒドロキシ安息香酸
を析出させ、これを酸性水溶液から分離取得する。
【0044】加熱酸性水溶液と不溶不純物との分離に
は、たとえば濾過、デカンテーション、遠心分離等の方
法が好適に用いられる。また、活性炭処理を組み合わせ
るのも効果的である。
【0045】第6工程を行なうに際しても、やはり、酸
性水溶液の量(あるいは濃度)は重要である。このと
き、鉱酸のアルカリ金属塩を冷時にも溶解する位の過剰
量(濃度)であれば、あとのパラヒドロキシ安息香酸と
鉱酸のアルカリ金属塩との分離操作を簡略化できて好ま
しいが、熱溶液の分離(第5工程終了)後、濃縮などの
手段により水溶液中の水の量をなるべく低下させ、パラ
ヒドロキシ安息香酸の歩留りを高めてもよい。
【0046】第6工程において、冷却によりパラヒドロ
キシ安息香酸を析出させるに際し、前述のように、鉱酸
のアルカリ金属塩が冷時に母液中に残る濃度の場合はよ
いが、これよりも濃い(水が少ない)場合は、パラヒド
ロキシ安息香酸と共に鉱酸のアルカリ金属塩も析出して
しまう。このような場合には、さらに次の操作を行なう
とよい。
【0047】すなわち、前記第5工程で得られた水溶液
を冷却して得られるパラヒドロキシ安息香酸と鉱酸のア
ルカリ金属塩との混合物を溶液から分離し、次に、分離
した混合物からパラヒドロキシ安息香酸を溶媒で抽出す
る。
【0048】ここで用いる溶媒は、鉱酸のアルカリ金属
塩を実質的に溶解せず、かつ、パラヒドロキシ安息香酸
を溶解する溶媒であればどのようなものでもよく、例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどの脂肪族ケトン類、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ールなどの脂肪族アルコール類、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素などの脂肪族ハロゲン化炭化水素
類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類などが
あげられる。
【0049】また、抽出操作は、通常、常温常圧下で行
なうが、加熱下および/または撹拌下に行なってもよ
い。
【0050】このようにして、パラヒドロキシ安息香酸
を溶媒に溶解させ、鉱酸のアルカリ金属塩は固体状に残
留させる。この固−液相分離は、濾過、デカンテーショ
ン、遠心分離などの方法で行なえばよい。また、その後
の抽出液からのパラヒドロキシ安息香酸の分離は、溶媒
留去、再沈澱、晶析等の公知方法によればよい。
【0051】以上の操作により、純度の高いパラヒドロ
キシ安息香酸を分離取得することができるが、さらに純
度を高めたい時は、通常行なわれる再結晶法などにより
精製することが可能であることは言うに及ばない。
【0052】
【実施例】以下に、構造不明の不純物を多量に含んだタ
ール酸のカリウム塩を出発原料とした場合について例示
し、本発明をさらに具体的に説明する。したがって、通
常のフェノールカリウムを原料とするコルベ・シュミッ
ト反応生成物に本発明を適用できるのは明らかである。
なお、本発明は、以下の実施例に拘束されないことも付
言する。
【0053】(実施例1)石炭タールより得られるフェ
ノールと置換フェノール類との混合物であるタール酸を
水酸化カリウムと処理し、乾燥させて粉末状のタール酸
カリウムを得た。これを分析したところ、フェノールカ
リウム、クレゾールカリウム、キシレノールカリウム以
外に、構造不明の物質が7.8wt%含有されていた。
この乾燥粉末状のタール酸カリウム738gを耐圧反応
装置に入れ、炭酸ガスを導入し、反応圧力3.0kg/cm2
(G) 下、270〜290℃で40分間反応させ、暗褐色
の反応混合物を得た。これより15gを秤取して分離用
試料とした。一方、この試料(反応混合物)の一部を酸
性化して分析したところ、この分離用試料15gには、
遊離酸換算で、パラヒドロキシ安息香酸:4.86g、
サリチル酸:0.05g、フェノール:0.95g、ク
レゾール類:3.18gなどが含有されていることがわ
かった。この試料15gと、水100mlおよびトルエ
ン100mlを、分液漏斗に入れ、70〜80℃で振と
うした後、70〜80℃に保って静置し、分離した。次
に、水層を分取し、それを室温まで冷却した後、水酸化
カルシウム1.8gを加えて攪拌すると、暗褐色水溶液
から黒色沈澱が生じ、淡褐色ないし淡黄色の透明液にな
った。この黒色沈澱を濾過除去した後の水溶液に硫酸を
加え、pH2とすると、淡黄褐色の沈澱が生じた。これ
に温水を補給しつつ加熱沸騰(約100℃)させ、パラ
ヒドロキシ安息香酸を溶解させながら側管から発生蒸気
を留去した。この際に、残留するフェノール、クレゾー
ル、トルエン、サリチル酸の一部が、共沸あるいは留出
して除去される。この操作は、留出液について塩化第二
鉄試験を行ない、青〜赤紫の呈色が認められなくなるま
で行なった。その結果、最終的には残留水量が約80m
lになるまで濃縮された。この時、系内には、酸性水に
不溶の不純物固体が浮遊していた。次に、この酸性水
を、熱時に濾過した。その際、濾液は、漏斗の脚部に仕
込んだ0.25gの活性炭層を通過させた。そして、得
られた濾液を5℃まで冷却し、晶析した白色固体を濾過
により分離取得した後、これを冷水で洗浄して、純度9
9.4%のパラヒドロキシ安息香酸4.07g(分離収
率83.7%)を得た。
【0054】(実施例2)実施例1と同じ試料15gを
用い、加熱留出操作後の系内残留水量を約60mlとし
た以外は同様の操作を行ない、加熱酸性水の濾液を5℃
まで冷却して白色の固体9.4gを得た。しかし、その
約半量が硫酸カリウムであり、全固体の47.7wt%
だけがパラヒドロキシ安息香酸であった。そこで、この
固体にアセトンを加えてパラヒドロキシ安息香酸を抽出
し、脱溶媒し、純度99.1%のパラヒドロキシ安息香
酸4.36g(分離収率89.7%)を得た。
【0055】(実施例3)石炭タールより得られるフェ
ノールと置換フェノール類との混合物であるタール酸を
水酸化カリウムと処理し、乾燥させて粉末状のタール酸
カリウムを得た。これを分析したところ、フェノールカ
リウム、クレゾールカリウム、キシレノールカリウム以
外に、構造不明の物質が6.4wt%含有されていた。
この乾燥粉末状のタール酸カリウム36.2gを軽油の
高沸点留分(150〜230℃/10mmHg)60gととも
に耐圧反応装置に入れ、炭酸ガスを導入し、反応圧力
3.2kg/cm2(G) 下、290℃で40分間反応させ、暗
褐色の反応混合物を得た。これをよく混合し、30gを
秤取して分離用試料とした。一方、この試料(反応混合
物)の一部を酸性化して分析したところ、この分離用試
料30gには、遊離酸換算で、パラヒドロキシ安息香
酸:4.17g、サリチル酸:0.01g、フェノー
ル:0.53g、クレゾール類:3.03gおよび高沸
点軽油:約17.8gなどが含有されていることがわか
った。この試料30gと、水100mlおよびトルエン
100mlを、分液漏斗に入れ、70〜80℃で振とう
した後、70〜80℃に保って静置し、分離した。次
に、水層を分取し、それを室温まで冷却した後、水酸化
カルシウム1.5gを加えて撹拌すると、暗褐色水溶液
から黒色沈殿が生じ、淡褐色ないし淡黄色の透明液にな
った。この黒色沈殿を濾過除去した後の水溶液に硫酸を
加え、pH2とすると、淡黄褐色の沈殿が生じた。これ
に温水を補給しつつ加熱沸騰(約100℃)させ、パラ
ヒドロキシ安息香酸を溶解させながら側管から発生蒸気
を留去した。この際に、残留するフェノール、クレゾー
ル、有機溶媒(含軽油およびトルエン)、サリチル酸の
一部が、共沸あるいは留出して除去される。この操作
は、留出液について塩化第二鉄試験を行ない、青〜赤紫
の呈色が認められなくなるまで行なった。その結果、最
終的には残留水量が約70mlになるまで濃縮された。
この時、系内には、酸性水に不溶の不純物固体が浮遊し
ていた。次に、この酸性水を、熱時に濾過した。その
際、濾液は、漏斗の脚部に仕込んだ0.2gの活性炭層
を通過させた。そして、得られた濾液を5℃まで冷却
し、晶析した白色固体を濾過により分離取得した後、こ
れを冷水で洗浄して、純度99.6%のパラヒドロキシ
安息香酸3.43g(分離収率82.3%)を得た。
【0056】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、本発明によれば、酸性化操作が1段階で、
反応媒体、副生成物類および着色不純物などとパラヒド
ロキシ安息香酸とを効率よく分離することができる。本
発明は、タール酸を原料とした場合に得られる反応混合
物のように、着色不純物が多い場合でも、確実にその効
果を示すことができ、工業原料として有用なパラヒドロ
キシ安息香酸を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐 藤 信 之 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 松 浦 明 徳 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノールアルカリまたはフェノールア
    ルカリと置換フェノールアルカリ類を含む混合物を二酸
    化炭素と反応させて得られる反応混合物からパラヒドロ
    キシ安息香酸を取り出す方法において、該反応混合物
    を、水と水に不溶あるいは難溶な有機溶媒を用いて抽出
    分離する第1工程、前記第1工程で得られた水層に、ア
    ルカリ土類金属の水酸化物を加えて攪拌し、生じた不溶
    物を分離除去する第2工程、前記第2工程で得られた水
    溶液を鉱酸にて酸性化する第3工程、前記第3工程で得
    られた酸性水を加熱してパラヒドロキシ安息香酸を溶解
    させるとともに、フェノール、置換フェノール類および
    /または有機不純物を留出除去する第4工程、前記第4
    工程で得られた加熱酸性水中の残留不溶不純物類を加熱
    下に分離する第5工程、前記第5工程で得られた加熱酸
    性水溶液を冷却してパラヒドロキシ安息香酸を析出させ
    たのち、これを酸性水溶液から分離取得する第6工程、
    の各工程順序を含むことを特徴とするパラヒドロキシ安
    息香酸の分離方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法を行なった後、さ
    らに、パラヒドロキシ安息香酸を溶解し、かつ鉱酸アル
    カリを実質的に溶解しない溶媒にパラヒドロキシ安息香
    酸を溶解させ、抽出分離し、該抽出液よりパラヒドロキ
    シ安息香酸を得る工程を行なうことを特徴とするパラヒ
    ドロキシ安息香酸の分離方法。
  3. 【請求項3】 前記フェノールアルカリおよび前記置換
    フェノールアルカリ類が、フェノールカリウムおよび置
    換フェノールカリウム類である請求項1または2に記載
    のパラヒドロキシ安息香酸の分離方法。
  4. 【請求項4】 前記フェノールアルカリと前記置換フェ
    ノールアルカリ類を含む混合物が、タール酸カリウムお
    よび/またはクレゾール酸カリウムを含む混合物である
    請求項1または2に記載のパラヒドロキシ安息香酸の分
    離方法。
  5. 【請求項5】 前記鉱酸が硫酸である請求項1〜4のい
    ずれかに記載のパラヒドロキシ安息香酸の分離方法。
JP15452491A 1991-06-26 1991-06-26 パラヒドロキシ安息香酸の分離方法 Withdrawn JPH05997A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024225002A1 (ja) * 2023-04-25 2024-10-31 住友ベークライト株式会社 4-ヒドロキシ安息香酸の製造方法

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